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1971-10-27 第67回国会 衆議院 本会議 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十六年十月二十七日(水曜日)     —————————————   昭和四十六年十月二十七日    午後二時 本会議     ————————————— ○本日の会議に付した案件  外務大臣福田赳夫不信任決議案楯兼次郎君   外十名提出)  通商産業大臣田中角榮不信任決議案楯兼次   郎君外十名提出)    午後五時三分開議
  2. 船田中

    議長船田中君) これより会議を開きます。      ————◇—————  外務大臣福田赳夫不信任決議案楯兼次郎   君外十名提出)           (委員会審査省略要求案件
  3. 藤波孝生

    藤波孝生君 議案上程に関する緊急動議提出いたします。  すなわち、楯兼次郎君外十名提出外務大臣福田赳夫不信任決議案は、提出者要求のとおり委員会審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  4. 船田中

    議長船田中君) 藤波孝生君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。  外務大臣福田赳夫不信任決議案議題といたします。  これが、本決議案提出する理由である。
  6. 船田中

    議長船田中君) 提出者趣旨弁明を許します。金丸徳重君。     〔金丸徳重登壇
  7. 金丸徳重

    金丸徳重君 私は、日本社会党公明党並び民社党代表いたしまして、ただいま議題となりました外務大臣福田赳夫君の不信任決議案につき、提案趣旨を御説明申し上げ、同僚各位の全面的な御賛同をお願い申し上げます。(拍手)  まず、決議案文を読み上げます。     外務大臣福田赳夫不信任決議案   本院は、外務大臣福田赳夫君を信任せず。    右決議する。     〔拍手〕  趣旨弁明に先立ちまして、若干衷情を披瀝さていただきます。  昨二十六日正午過ぎ、世界の注目と歓呼の中で、国連総会におけるアルバニア決議案は、三分の二をこえる圧倒的なる多数をもって通過いたしました。(拍手)  ここに、長きにわたって国連の場がら締め出されて、国際外交場裏において不当不法の扱いを受けていた中華人民共和国は、晴れてその正当な地位を回復し、世界の平和と人類の繁栄のために貢献することと相なりました。(拍手)これは、ひとり中華人民共和国八億民衆のため祝福すべきばかりでなく、世界人類のための新たなる夜明けとして慶賀すべき事実であり、世界十大ニュースの第一に加えられて、長く歴史に残るべき場面であったと存じます。(拍手)  特に、歴史的、地理的に特殊の関係にあって、この日の来たらんことを一日千秋の思いで待ち焦がれておりました日中両国民衆は、ここに初めて多年の愁眉を開き、今後における両国民衆のわだかまりなき親善と協力とを胸中深く誓い合ったことと存じます。(拍手)  あの瞬間、あるいはテレビを見、あるいはラジオを聞いた世界何億の人々は、あの議場をゆるがす歓声を聞き、どよめきを見て、あらためて平和世界夜明けを感じ取り、人類のしあわせを念じ、新たなる喜びと希望を持ったことでありましよろ。(拍手)  同時に、私は、このような歴史的瞬間において、わが国政府が何をなし、何をなさんとしていたかに深く思いをいたし、はだえにアワを生ずる思いの中で、わが国外交最高責任者たる外務大臣福田赳夫君に対し、不信任決議提出せざるを得ないことを深く遺憾に存ずるものであります。(拍手)  佐藤内閣は、成立以来ここに六年余り、最長不倒内閣のレコードはできたのでありますが、残念ながらアメリカという虚像の陰に隠れ、台湾という亡者に取りつかれて、政治の大道を踏み間違えて、日を経るに従って国民からの信頼度は低下し、友邦国からの侮べつは高まり、わけても最近は、首相が唯一の盟邦と自負して疑わなかったアメリカ合衆国との間にさえ、繊維問題などに見られるように深いみぞを生ずるに至りました。  総理政治生命をかけると力んで取り組んだ沖繩返還問題さえ、ふたをあけてみれば、アメリカ軍部要求から一歩も抜け切ることができず、沖繩県民はもとより、国民一般悲願を裏切るものばかりであります。また、中国との国交回復問題などに至っては、ことばと行動と全く相反し、中国との間にますます断絶感を深め、抜き差しならぬ状態にまでおちいっております。内外多事のおり、国家国民にとってこの上の不幸はないといわなければなりません。(拍手)  事ここに及んでは、すみやかに佐藤総理に退陣してもらい、政界に新しい体制をつくり上げ、陣容を新たにして人心を一新し、生気あふれる国民意識の中で、積もる懸案の円満解決をはからなければなりません。このことは、党派を超越し、主義主張を乗り越えて、国民一般に共通する現代日本最大、最緊要の念願であると申しても過言ではないと存じます。(拍手)したがいまして、根本的には、この機会において佐藤総理の決断をこそ求めるべきでありまするが、その前提として、以下の理由により、まず外務大臣福田赳夫君の責任を糾弾せんとするものであります。  福田外務大臣は、今国会重要課題であります沖繩返還協定に対する態度方針において、国民一般の大なる不満を買っております。沖繩協定ニクソン訪中声明以前のアメリカアジア政策基調として交渉、妥結せられたものであることは、もはやまぎれもなき事実であります。したがいまして、ニクソンの対中接近態度の表明によって、沖繩に対するアメリカ方針も根本的に変わるべきことが必然と考えられまするし、したがってまた、協定内容にも幾多変更せらるべき事項のあることもまた当然と考えなければなりません。(拍手)しかるを、従来のままの内容をもって国会通過を企図し、沖繩県民に深い落胆と限りなき憂慮を巻き起こさしておりまするが、これは外交当局者として重大なる怠慢であり、罪悪であると申さなければなりません。(拍手)  四半世紀の長きにわたる沖繩県民の忍苦を思い、一刻も早く真の平和の生活を希求する心情を察する者は、どんな苦労を重ねても、できる限りの好条件をかちとってあげなければならないことは申すまでもありません。むずかしいといって投げてはいけません。相手があるからといって言いわけばかりしてはいけません。あくまでも粘りに粘り、つとめにっとめて、たとえ、ただいま現在実現できなくとも、さらに交渉を重ねるだけの誠意を持たなければならないと思います。(拍手)これが、沖繩県民に対する日本政府責任でなくて何でありましょうか。しかるに、福田外務大臣の手によってはそれが何らなされておりませんし、それをなす意思もないことは、本議場における答弁においても明らかでありまして、これこそきびしく糾弾されなければならないところであります。(拍手)  また、福田外務大臣は、外務大臣に就任する以前からも、長期にわたる保守党内閣有力閣僚として、終始中華人民共和国の正当な権利を認めようとしないばかりでなく、日中友好を常に陰に陽に妨害し、二つ中国をつくる陰謀の一方に加担して、アジア緊張を激化させる中国敵視政策をとり続けてきたことは、衆目の一致するところであります。  外務大臣に就任するや、さらに露骨に中国敵視態度をとり、二つ中国をつくる陰謀の先頭に立って積極的に進めてきたのであります。全世界に恥をさらした逆重要事項指定、二重代表制という決議案を考え出したのも日本の外務省といわれており、また、その共同提案国となって、国会開会中に国会議員たる愛知前外相を代表として工作させたばかりでなく、福永健司君外数名を応援団として派遣し、多数派工作に狂奔せしめるなど、全世界の前に恥の上塗りをしたのであります。(拍手)  われわれ野党は、日中友好日中正常化国連代表権回復重要性を機会あるごとに指摘し、政府に対して反省を求め、日中国交正常化に踏み切るべきことを要求し続けてきたのであります。  われわれ野党だけではなく、与党の中でも、多くの有識の士が歴史流れを正しくとらえ、(拍手)また、国民の日中問題の要望を十分に把握されて日中国交回復議員連盟の中核となられ、国交回復に関する正しい決議提出のために努力され、全く同一の歩調をとっていることは、ここに申し上げるまでもありません。(拍手)  世論調査においても明らかなように、日中問題に関する国民の関心と希望は、日を経るに従ってこの主張に圧倒的に同調の方向をとり、いまや佐藤内閣方針国内において全くの少数派になっております。  歴史流れが見えず、正しい国際関係についての判断力に欠け、しかも、国民世論を全く無視して国連工作を指導した福田外務大臣責任は、まさに重大であると申さなければなりません。しかも、これは短期的な単なる行政責任ではありません。日本国連の場で国際的な信頼を失墜する恥ずべき行動に狂奔したことは、今後アジアの一員として、長く平和友好信頼ある行動をとるための重大なる障害となります。その意味において、さらに一そろ重大なる責任を負わなければならないと存じます。(拍手)  いずれの方面より考察しても、福田外務大臣責任は免るべからざる重大なるものであり、国民の名において糾弾されなければなりません。(拍手)  さて、私は趣旨説明を終わるにあたりまして、再び昨日のあの歴史的瞬間を思い起こします。歩の世界じゅうに届けとばかりに国連議場をゆるがす世紀どよめき、そして、その数時間後に行なおれた本議場での佐藤総理の高い姿勢答弁のむたしさ、かれこれ思い比べて、世界の大勢と佐藤政府考え方との間にあまりに大きな隔たりのあることに、ただただ驚きと憂慮と慨嘆とを禁じ得ません。(拍手)  私は、暗然たる気持ちをもってはるかにニューヨークの空に思いをはせ、あそこに集まった世界政治家や報道陣の中に、あの佐藤総理言動を見て、負け犬の遠ぼえだなどと嘲笑しておる者もあろうかと実はおそれたものであります。  ともあれ、佐藤総理言動にはすでにその政治生命の限界が来ていることを物語っております。側近にある人々は、ひいきの引き倒しだったなどとの悔いを後世に残してはなりません。いわんや、一たんの私情にかられて重大なる国の前途を誤るようなことをさせてはならないと思います。(拍手)私が、聞きにいくことをあえて申し述べて福田外務大臣に呈したのも、実はこのような衷情から出たことであります。  何とぞ、とくと御了解くだざいまして、御賛成くださるよらお願い申し上げ、私の説明を終わらせていただきます。(拍手)     —————————————
  8. 船田中

    議長船田中君) 討論の通告があります。順次これを許します。青木正久君。     〔青木正久登壇
  9. 青木正久

    青木正久君 私は、自由民主党代表いたしまして、ただいま上程されました外務大臣福田赳夫不信任決議案に対し、反対討論を行なわんとするものであります。(拍手)  不信任のおもな理由となっているところは、国連における昨日の決議を中心とする中国政策並びに沖繩返還協定についてでありますが、いずれも的はずれで、納得するわけにはまいりません。(拍手)  わが国は、ことしの国連総会で、昨年までの態度を変更し、中国代表権問題について、アジアにおける現実の事態を反映して、中華人民共和国国連に迎え入れることを決意した次第であります。が、これと同時に、中華民国政府の存在という事実を国連に反映させるために、二十数カ国の友邦諸国とともに、いわゆる逆重要事項指定決議案並びに二重代表決議案二つ共同提案国になった次第であります。  私は、かかる考え方が、わが国における良識ある世論支持を受けたものと信ずるものでありまして、この措置は、今日の世界における現状を直視した正当なものであり、決してわが国だけが誤った行動をとったものとは考えません。とのことは、二つ決議案が、中国問題に最も大きな影響を受ける東アジア太平洋地域の多数の諸国をはじめとする二十数カ国の共同提案により総会提出され、かつ、総会における表決においても僅少の差で敗れたとはいえ、東アジア太平洋諸国の大部分を含む五十数カ国の支持を得たことによって、明白に示されているところだと考えます。(拍手)  ざらに、わが国は、台湾中華民国政府と二十数年にわたり友好関係を維持してきたのであり、中華人民共和国政府国連参加を歓迎すべきはもちろんとしても、これが実現のため、国連の場において中華民国政府を全く犠牲にして顧みない態度をとったならば、わが国は、単に中華民国政府のみならず、全世界からその信義を疑われたことでございましょう。(拍手)  そもそも、国連のような多数の国からなる国際機関においては、各種議題について、それぞれ異なった考え方を反映した何種類かの決議案提出され、それらについて、おのおの加盟国がそれぞれの意思を自由に表明するうちに、その国際機関としてとるべき道が民主的に決定されるものであります。  今回の総会における中国代表権の問題をめぐっても、百三十余の加盟諸国おのおのの考えに従って行動し、その結果各種決議案提出され、討論において種々の意見が述べられ、そして、最終段階においてさえ幾つかの修正案動議提出されたわけでありまして、これによって、国連としてとるべき妥当な道が探求された次第であります。  このような過程の中で、たまたまわが国及びその友邦提案いたしました決議案が否決されたということに関連いたしまして外務大臣責任を追及するなどということは、多数の国の参加する国際会議における常識に反するものでありまして、全く納得しがたいところでございます。(拍手)  日中国交正常化、これはいまや常識となりました。この常識というものを頭に置いて、もう一度世界を見回していただきたい。共同提案国になった二十何カ国かの外務大臣のらち、責任があるといってやめた人が一人でもいるでしょうか。また、外国の国会でかかることを主張する野党が存在したでありましょうか。(拍手)不明にして私はまだ聞いておりません。  さらに、国際機関において一つ決議案共同提案国になった以上、その内容について他の加盟国に十分の説明を行ない、理解させることは、提案国義務としてきわめて重要なことでありまして、これなくして責任を果たすことはできないのであります。わが国は、共同提案国となる決意をして以来、政府が、国連代表部などの出先機関を通じ、わが国義務責任を果たすための行動をとらせたことは、全く正当かつ当然のことだと考えるものであります。(拍手)  不幸にして決議案は否決されましたが、わが国考え方、つまり中華人民共和国政府国連参加を歓迎するとともに、これを、極東の緊張を激化させず、中国をめぐる国際関係現実を反映させつつ実現していこうという姿勢は、各加盟国に十分に認識されたものと信ずるものであります。(拍手)  したがって、国連においてわが国提案する決議案が敗れたことをあげつらい、これを日本外交全般に推し広げ、国内政争の具とし、外務大臣に対する信任を問わんとするがごときは、私の全く賛同しがたいところでございます。(拍手)  次に、沖繩返還協定についてであります。  沖繩核抜き本土並みに関しましては、日米両国最高首脳間で明確なる了解があるのみならず、外務大臣が、国会において、復帰時においては核抜きがはっきりしていること、また、復帰後は名実とも本土並みになることを明言しております。これらについては、この国会でこれから細部にわたり審議を始めようというものでありまして、これをもって外務大臣不信任というがごときは、沖繩百万悲願である早期復帰を望まない者の言い分といわれてもやむを得ないと考えます。(拍手)  日本外交目標は、二十一世紀にわたる長期的展望に基づいてきめなければなりません。この場合、今日の日本が神武以来全く新しい立場に立っていることを国民の一人一人が自覚することから出発しなければなりません。現在のわが国は、外交問題のみならず、経済問題、社会問題、いずれも難局に直面しております。一方、いまの日本自他ともに認める経済大国になっております。大和民族がかかる状況に立ったことは、歴史上一度もございませんでした。われわれの祖先は、どちらかといえば「すべてに足らざる」の歴史を経験してまいりました。このため、その民族精神の根底には、言うなれば、貧困哲学一つ基調となって流れてきました。しかし、いまやわれわれは経済大国、この際、富裕哲学に頭を切りかえて政治外交と取り組むべきだと信じます。つまり、経済大国日本は、目先にとらわれることなく、あわてることなく、おおらかな富裕外交を展開すべきだと思います。(拍手)  これから詳細な審議を始めようという沖繩返還協定を一方的にきめつけ、外務大臣不信任といえのは、貧困哲学にのっとったものだと思います。また、ある決議案が否決されたといって、直ちに外務大臣やめろというのでは、政治哲学は存在いたしません。これでは、今後の日本は、国際社会において思い切った積極的行動はとれません。これらの論理は、単に国連だけでなく、国会にも、またあらゆる人間集団にも当てはまるものだと信じます。たとえば、ただいま上程されて去ります外務大臣不信任決議案、これが可決されますれば、外務大臣はやめるでございましょう。(発言する者あり)しかしながら、もし通らなかった場合には、同じ理論にのっとって、野党各党責任者はおやめになるのでございましょうか。(拍手、発言する者多し)民主主義における票の意義は、単細胞的に考えるわけにはまいりません。  尊敬すべき外務大臣のとるべきこれからの使命は、国連で示された世界潮流を見詰め、再出発の外交方針を立て、本題である日中国交正常化を推し進めることであります。国会で行ならべきことは、うしろ向きのあげつらいでなく、日本のコンセンサスを求めて前進することだと信じます。(拍手)これこそ経済大国になった日本の考えるべき富裕哲学であり、建設の倫理だと確信をいたします。  以上、ここに自由民主党代表いたしまして、外務大臣不信任決議案に対し断固反対意思を表明して、私の討論を終わります。(拍手
  10. 船田中

    議長船田中君) 西中清君。    〔西中清登壇
  11. 西中清

    西中清君 私は、公明党代表して、ただいま提案されました福田外務大臣不信任決議案に対し、賛成討論を行なうものであります。(拍手)  昨日の国連総会において、国連中国代表権に関するアルバニア決議案が、七十六対三十五の圧倒的多数で可決されました。わき上がる拍手、大歓声は、まさしく新しい世界歴史幕あけであり、潮流であります。佐藤総理及び日本外交最高責任者たる福田外務大臣は、この重大な失態にいかなる責任をとろうとするのでありましょうか。福田外務大臣は、昨日の記者会見で、「敗軍の将、兵を語らず」と言われましたが、一体何に敗れたのでありましょうか。  本来、国連の原加盟国一つである中国代表権は、中華人民共和国成立とともに同国政府に与えらるべきものでありました。しかるに、佐藤内閣は、台湾中国正統政府とする虚構の上に立つ歴代保守党内閣の対中国敵視政策をさらに推し進め、アメリカ外交に追随し、佐藤ニクソン共同声明沖繩返還協定、第四次防など、中国敵視の力の対決に基づき、アジア緊張緩和に逆行してきたのであります。  その上、国連においては、五〇年代のいわゆる中国たな上げ方式、六〇年代の重要事項指定方式、本年の逆重要事項指定方式など、わが日本政府は、アメリカとともに中国国連における正当な権利回復を終始一貫して妨害してきたのであります。まさしく地球上に中華人民共和国が存在しないかのごとき政策であり、中国を無視し続けてきたのであります。  中国との国交回復は、戦後、日本最大課題であります。二十六年間、法的戦争状態を終結できなかった日本外交は、アジアの平和と安全に独自のビジョンを持たぬ、自主的立場を持たない思いつき外交であり、追随外交歴史であったのであります。わが公明党日中国交回復の五項目原則日中議連の四原則についても、それらを足がかりに中国との国交回復しようとの熱意を示さなかったのであります。そこにあるのは、アメリカに追随しておればよいとの救いがたい安易さと怠慢、その場限りの思いつき外交でありました。  かくて、中国国連復帰は、日米政府の熱心な妨害にもかかわらず、実現したのであります。しかも、国連における中国復帰台湾追放の厳粛なる事実に当面してもなお、従来の態度を変更しようとの姿勢は片りんも見ることができず、全く日本国際的孤立状態に追いやろうとしている責任は重大であります。(拍手)  このような結果をもたらすため、福田外務大臣が意欲的になしたことは、動かし得ない世界潮流にさおさし、虚構歴史にとらわれ、台湾国連追放から擁護するのに狂奔し、それによって中華人民共和国中国代表する唯一正統政府として国連復帰させることをアメリカ以上に阻害する策略をめぐらした事実だけであります。さらに、総理は、前国会の発言をひるがえす多数派工作を積極的に行なったことは、福田外務大臣答弁でも明らかであります。  しょせん、中国国連復帰妨害工作が敗れたのは、国際政治世界政治に対するわが国政府判断力洞察力のなさによるものであり、まさに日本外交敗北というべきであります。  いま、佐藤内閣は、そして福田外務大臣は、歴史流れに逆行して、みじめな敗北の中に、何を反省し、何を模索しているのでありましょうか。中国国連復帰妨害したアメリカは、すでにニクソン大統領訪中を約束し、対中国政策に次の手段を講じておるのであります。アメリカは早々と保険をかけております。日本は何ら次の策はないのであります。一体福田外務大臣はいかなる手を打とうとするのか。もはや福田外務大臣にその能力なしと断ずるものであり、その政治責任を深く感じて早く退陣すべきであると申したいのであります。(拍手)  さらに、一昨年の佐藤ニクソン共同声明基礎とした沖繩返還協定は、アジア冷戦的発想に基づくものであり、中国敵視封じ込め政策基礎となっていることは、まぎれもない事実であります。  日本の一部である沖繩が祖国復帰するにあたって、無条件で全面返還されるべきことは当然であります。しかるに、政府は、核つき基地つき沖繩返還日米安保アジア核安保への変質をもたらす返還協定にみずから調印し、これをもって核抜き本土並み返還であると国民に宣伝しているのであります。このような欺瞞的な態度は、まさに国民の名において糾弾されなければなりません。(拍手)したがって、沖繩返還交渉をやり直すことは当然であるにもかかわらず、国民の強い要求代表するわが党はじめ各野党の、返還交渉やり直し要求にもかかわらず、あえて欺瞞的なこの返還協定を今国会において強硬に批准しようとしていることは、断じて許さるべきではありません。(拍手)  これほどの外交失態、これほどの独善的な外交があるでありましょうか。いまにして日本外交の大転換のきざしすら見せ得ない福田外務大臣に、われわれは日本外交を担当させるわけには断じてまいりません。(拍手)  いまや、日本に残されたただ一つの選択は、従来の政府方針誤りを率直に認め、いさぎよく撤回し、公明党日中国交回復の五項目原則日中議連の四原則に基づき、早急に中国との和解と平和回復をはかることしかないのであります。また、沖繩返還交渉をやり直すべきであります。これこそ死中活を求める道であり、わが日本外交の蘇生の道であります。日本前途をきめんとするにあたり、その道の誤りなきを期すべきであります。そのため、これをあえて拒否する福田外務大臣は辞任きるべきであります。  以上をもって、福田外務大臣不信任決議案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手
  12. 船田中

    議長船田中君) 吉田泰造君。     〔吉田泰造登壇
  13. 吉田泰造

    吉田泰造君 私は、ただいま議題となりました福田外務大臣不信任決議案に対しまして、民社党代表し、賛成討論を行なわんとするものであります。(拍手)  七〇年代に入り、「七〇年代の政治」ということばが流行いたしましたが、ニクソン訪中、ドルショック、昨日の国連におけるアルバニア案の勝利は、まさに七〇年代の夜明けを象徴する外交古件であるということができます。これらの国際情勢の変化は、第二次世界大戦後の世界地図を基本的に書きかえる事件であるというべきであります。すなわち、戦後の世界の対立の原型である冷戦構造の変革を意味しているのであります。  世界の対立を、民主主義陣営対共産主義陣営、全体主義陣営の対立と公式化し、民主陣営のリーダーをアメリカとし、共産主義陣営、全体主義陣営のリーダーをソ連とする一つの原型であります。この公式からすれば、中ソの対立は例外であり、米国と日本の経済的対立も異常なものと映るでありましょう。ダレスの提案した共産圏封じ込めの政策    も、いまや過去のものと化しつつあります。ニクソン訪中以来の国際情勢の一つ一つの変化は、戦後の世界の対立を変えつつあるのであります。この某本的な変化、冷戦構造の基本的変革に気づかない限り、今日の世界情勢を語る資格はないでありましょう。佐藤首相は、今臨時国会の所信表明において、少しはこの点に気づかれているようでありますが、逆重要事項、複合二重代表制共同提案国たることを裁定した佐藤総理、福田外相の感覚は、いまだ世界の変化を十分認識しないものであるということができるのであります。(拍手)  福田外相は、いまだ外相に就任して日なお浅く、福田外相がみずから手をつけた外交案件は、ほとんどないといえるかもしれません。しかし、佐藤内閣の重要閣僚の一人として、蔵相、外相として、佐藤後継内閣の首班にも擬せられる福田外相が、佐藤首相の歴史潮流に逆行する裁定に反対もせず、唯々諾々としてこれに追従したことは、まことに許し得ざることであるといわねばなりません。(拍手)福田外相は、国際情勢の基本的認識に欠如した古き時代の人間である、これが、私が福田外相の不信任決議案賛成する第一の理由であります。(拍手)  福田外務大臣不信任決議案賛成する第二の理由は、歴代保守党内閣、なかんずく佐藤内閣外交姿勢が、国益に反し、将来の展望に欠けていたという点であります。  最近の米国外交ニクソン外交を私なりに解釈いたしますと、二面性を持っていることが明確であります。一つは、米国経済の慢性的不況、ドルの価値低下に基本的要因があるわけでありますが、従来の共産圏封じ込めの政策から、緊張緩和の方向に向かっているということであります。ニクソン・ドクトリンによるベトナムの撤兵、アジアからの米軍撤退、わが国の頭越しの訪中など、いずれも緊張緩和を目ざすニクソン米大統領の施策といえましょう。ニクソン大統領訪中、訪ソの旅は、この象徴であります。  しかし、ニクソン外交はもう一つの面を持っております。それは、沖繩返還協定の行間にかいま見られますように、日本沖繩台湾を防衛線として自由陣営を守り通そうという決意であります。台湾に向って、「古い友人を捨てない」というニクソンのことばは、このことを如実に示しております。  佐藤内閣福田外務大臣は、外交的にはアメリカに追随し、日米安保条約でアメリカの核のかさのもとに安逸をむさぼってまいりましたが、昨日のアルバニア決議案の可決と、ニクソン大統領の八月十五日の金・ドル交換の停止は、アメリカの力とドルの力にたよっていてはならないことを教えているのであります。にもかかわらず、佐藤総理、福田外相は、ニクソン外交の硬直した後者の面だけをたよりにし、アメリカの番犬となり、防波堤と化しているのであります。二十六年間アメリカに追従し、アメリカを過大に評価し、今後の世界の変化、アメリカの変貌に気づかない福田外相の外交姿勢は、われわれの許すことのできないものであります。  われわれが福田外務大臣不信任決議案賛成する第三の理由は、今後も佐藤内閣、福田外交姿勢が変わらないであろうと予測するからであります。  昨日の本院における緊急質問で、われわれ同僚の質問に対する佐藤総理、福田外相の答弁は、いずれも、従来の日本立場から、国府に義理を果たした、筋を通した、何が悪いのか、という点であります。逆重要事項共同提案国となったことは、ある意味では、国府に対し、国際的な義理、信義を果たしたことになるかもしれません。しかし、福田外相はこれから何をなされようとするのであろうか。義理を果たしたから、これから国府を見捨てて中華人民共和国と親交を結ぶというのでありましょうか。形式上の信義を貫き、それが終われば手のひらを返すのでありましょうか。これこそ国際信義を破るものと申さなければなりません。(拍手)戦後二十六年の恩義に義理を果たした福田外相は、それはそれなりに責任を負うべきものでありましょう。  逆重要事項の裁断を下した日の佐藤総理記者会見を拝見いたしました。佐藤首相のこの日の会見は、まれに見る気魄のある会見でありました。私は、このとき、どろは自分がかぶる、これが負ければ自分が責任を負う、という佐藤総理の腹がすわったと感じたのであります。佐藤総理も福田外相も、やることはやったのでありますから、この辺でひな壇から姿を消すことこそ、政治責任を果たす道だと考えるのであります。(拍手)  新しいあすの世界に福田外相は対処することができない、これが第三の理由であります。  最後に申し上げます。  福田外務大臣は、就任以来、そのほとんどが病を得、ある意味では、外交の衝に当たられなかったかもしれません。しかし、ニクソン訪中に対するわが国外交の無知とその対応策のおくれ、金・ドル交換の一時停止という大事件に対するろうばいぶり、昨年は二票差というアルバニア決議案が、ことしは七十六票対三十五票という世界潮流国連の動きに対する見通しや国際情勢の変化に対する硬直ぶり、沖繩返還協定の詰めの悪さ、いずれをとってみても、佐藤内閣外交姿勢は、古き時代の封建君主の外交といえましょう。その責任者である福田外務大臣は、いさぎよくこの場で退陣すべきであります。ここで責任を負うてみずから退陣すれば、あなたの政治生命はあるいはよみがえるかもしれません。  福田外務大臣の退陣を強く要求をして、私の賛成討論を終わります。(拍手
  14. 船田中

    議長船田中君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。  この採決は記名投票をもって行ないます。本決議案賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。−閉鎖。   〔議場閉鎖〕
  15. 船田中

    議長船田中君) 氏名点呼を命じます。   〔参事氏名を点呼〕   〔各員投票〕
  16. 船田中

    議長船田中君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。——開鎖。   〔議場開鎖〕
  17. 船田中

    議長船田中君) 投票を計算いたさせます。   〔参事投票を計算〕
  18. 船田中

    議長船田中君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。   〔事務総長報告〕  投票総数 四百四十三   可とする者(白票)       百六十九   〔拍手〕   否とする者(青票)      二百七十四   〔拍手
  19. 船田中

    議長船田中君) 右の結果、外務大臣福田赳夫不信任決議案は否決されました。(拍手)     —————————————   〔参照〕  楯兼次郎君外十名提出外務大臣福田赳夫不信任決議案を可とする議員の氏名       安宅 常彦君    阿部 昭吾君       阿部 助哉君    阿部未喜男君       赤松  勇君    井岡 大治君       井野 正揮君    井上 普方君       石川 次夫君    石橋 政嗣君       上原 康助君    卜部 政巳君       江田 三郎君    大出  俊君       大原  亨君    岡田 利春君       加藤 清二君    勝澤 芳雄君       勝間田清一君    角屋堅次郎君       金丸 徳重君    川崎 寛治君       川俣健二郎君    川村 継義君       木島喜兵衞君    北山 愛郎君       久保 三郎君    黒田 寿男君       小林  進君    後藤 俊男君       河野  密君    佐々木更三君       佐藤 観樹君    佐野 憲治君       斉藤 正男君    阪上安太郎君       島本 虎三君    下平 正一君       田中 武夫君    田中 恒利君       田邊  誠君    高田 富之君       武部  文君    楯 兼次郎君       千葉 七郎君    辻原 弘市君       土井たか子君    堂森 芳夫君       内藤 良平君    中井徳次郎君       中澤 茂一君    中嶋 英夫君       中谷 鉄也君    中村 重光君       楢崎弥之助君    成田 知巳君       西宮  弘君    芳賀  貢君       長谷部七郎君    畑   和君       華山 親義君    原   茂君       日野 吉夫君    平林  剛君       広瀬 秀吉君    藤田 高敏君       古川 喜一君    細谷 治嘉君       松浦 利尚君    松沢 俊昭君       松平 忠久君    松本 七郎君       三木 喜夫君    三宅 正一君       美濃 政市君    八木  昇君       安井 吉典君    柳田 秀一君       山口 鶴男君    山中 吾郎君       山本 幸一君    山本 政弘君       山本弥之助君    横路 孝弘君       横山 利秋君    米田 東吾君       相沢 武彦君    浅井 美幸君       新井 彬之君    有島 重武君       伊藤惣助丸君    小川新一郎君       大久保直彦君    大野  潔君       大橋 敏雄君    近江巳記夫君       岡本 富夫君    沖本 泰幸君       鬼木 勝利君    貝沼 次郎君       北側 義一君    桑名 義治君       小濱 新次君    斎藤  実君       坂井 弘一君    鈴切 康雄君       瀬野栄次郎君    田中 昭二君       多田 時子君    鶴岡  洋君       鳥居 一雄君    中川 嘉美君       中野  明君    西中  清君       林  孝矩君    樋上 新一君       広沢 直樹君    伏木 和雄君       二見 伸明君    古川 雅司君       正木 良明君    松尾 正吉君       松本 忠助君    宮井 泰良君       矢野 絢也君    山田 太郎君       和田 一郎君    渡部 一郎君       渡部 通子君    合沢  栄君       麻生 良方君    伊藤卯四郎君       池田 禎治君    今澄  勇君       受田 新吉君    内海  清君       岡沢 完治君    春日 一幸君       川端 文夫君    河村  勝君       栗山 礼行君    小平  忠君       佐々木良作君    曾禰  益君       田畑 金光君    竹本 孫一君       塚本 三郎君    西尾 末廣君       西田 八郎君    門司  亮君       吉田 賢一君    吉田 泰造君       吉田 之久君    和田 耕作君       和田 春生君    渡辺 武三君       青柳 盛雄君    浦井  洋君       小林 政子君    谷口善太郎君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    東中 光雄君       不破 哲三君    松本 善明君       米原  昶君    安里積千代君       瀬長亀次郎君  否とする議員の氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 文男君    相川 勝六君       青木 正久君    赤城 宗徳君       赤澤 正道君    秋田 大助君       天野 公義君    天野 光晴君       荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君       有田 喜一君    有馬 元治君       井出一太郎君    伊東 正義君       伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君       池田 清志君    池田正之輔君       石井  桂君    石井  一君       石井光次郎君    石田 博英君       稻葉  修君    稻村佐近四郎君       稲村 利幸君    宇田 國榮君       宇野 宗佑君    上村千一郎君       植木庚子郎君    内田 常雄君       内海 英男君    浦野 幸男君       江崎 真澄君    江藤 隆美君       小川 半次君    小川 平二君       小此木彦三郎君    小沢 一郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    大石 八治君       大石 武一君    大久保武雄君       大竹 太郎君    大坪 保雄君       大西 正男君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大平 正芳君    大村 襄治君       岡崎 英城君    奥田 敬和君       奥野 誠亮君    加藤常太郎君       加藤 六月君    加藤 陽三君       鹿野 彦吉君    賀屋 興宣君       鍛冶 良作君    海部 俊樹君       笠岡  喬君    梶山 静六君       金丸  信君    金子 一平君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       亀山 孝一君    鴨田 宗一君       唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君       神田  博君    菅野和太郎君       木野 晴夫君    木部 佳昭君       木村 武雄君    木村武千代君       木村 俊夫君    菊池 義郎君       北澤 直吉君    久野 忠治君       久保田円次君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       藏内 修治君    小金 義照君       小坂善太郎君    小坂徳三郎君       小島 徹三君    小平 久雄君       小峯 柳多君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河本 敏夫君    國場 幸昌君       左藤  恵君    佐伯 宗義君       佐々木秀世君    佐々木義武君       佐藤 榮作君    佐藤 文生君       佐藤 守良君    斉藤滋与史君       齋藤 邦吉君    坂田 道太君       坂村 吉正君    坂元 親男君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       始関 伊平君    椎名悦三郎君       塩川正十郎君    塩崎  潤君       篠田 弘作君    澁谷 直藏君       島村 一郎君    正示啓次郎君       白浜 仁吉君    進藤 一馬君       鈴木 善幸君    砂田 重民君       砂原  格君    瀬戸山三男君       園田  直君    田澤 吉郎君       田中伊三次君    田中 榮一君       田中 角榮君    田中 龍夫君       田中 正巳君    田中 六助君       田村  元君    田村 良平君       高鳥  修君    高橋 英吉君       高橋清一郎君    高見 三郎君       竹内 黎一君    竹下  登君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       千葉 三郎君    中馬 辰猪君       塚原 俊郎君    辻  寛一君       坪川 信三君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中尾 栄一君       中垣 國男君    中川 一郎君       中川 俊思君    中島源太郎君       中島 茂喜君    中曽根康弘君       中野 四郎君    中村 梅吉君       中村 弘海君    中村 拓道君       中村 寅太君    中村庸一郎君       中山 利生君    中山 正暉君       永田 亮一君    永山 忠則君       灘尾 弘吉君    二階堂 進君       丹羽 久章君    丹羽喬四郎君       丹羽 兵助君    西村 英一君       西村 直己君    西銘 順治君       根本龍太郎君    野田 卯一君       野田 武夫君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       葉梨 信行君    橋口  隆君       橋本登美三郎君    橋本龍太郎君       長谷川四郎君    長谷川 峻君       八田 貞義君    服部 安司君       浜田 幸一君    濱野 清吾君       早川  崇君    林  義郎君       原 健三郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    福井  勇君       福田 繁芳君    福田 篤泰君       福田  一君    福永 一臣君       藤井 勝志君    藤尾 正行君       藤田 義光君    藤波 孝生君       藤本 孝雄君    古内 広雄君       古川 丈吉君    古屋  亨君       別川悠紀夫君    保利  茂君       坊  秀男君    細田 吉藏君       本名  武君    前尾繁三郎君       前田 正男君    増岡 博之君       増田甲子七君    松浦周太郎君       松澤 雄藏君    松田竹千代君       松永  光君    松野 幸泰君       松野 頼三君    松本 十郎君       松山千惠子君    三池  信君       三木 武夫君    三ツ林弥太郎君       三原 朝雄君    箕輪  登君       水田三喜男君    水野  清君       湊  徹郎君    宮澤 喜一君       武藤 嘉文君    向山 一人君       村上  勇君    村上信二郎君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    粟山 ひで君       森  美秀君    森  喜朗君       森下 國雄君    森下 元晴君       森田重次郎君    森山 欽司君       安田 貴六君    山口シヅエ君       山崎平八郎君    山下 元利君       山下 徳夫君    山田 久就君       山中 貞則君    山村新治郎君       山本 幸雄君    豊  永光君       吉田 重延君    吉田  実君       早稻田柳右エ門君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺  肇君    渡辺美智雄君      ————◇—————  通商産業大臣田中角榮不信任決議案楯兼次郎君外十名提出)           (委員会審査省略要求案件
  20. 藤波孝生

    藤波孝生君 議案上程に関する緊急動議提出いたします。  すなわち、楯兼次郎君外十名提出通商産業大臣田中角榮不信任決議案は、提出者要求のとおり委員会審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  21. 船田中

    議長船田中君) 藤波孝生君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 船田中

    議長船田中君) 御異議なしと認めます。  通商産業大臣田中角榮不信任決議案議題といたします。
  23. 船田中

    議長船田中君) 提出者趣旨弁明を許します。塚本三郎君。   〔塚本三郎君登壇
  24. 塚本三郎

    ○塚本三郎君 私は、日本社会党公明党及び民社党代表して、三党共同提案による通産大臣田中角榮君に対する不信任決議案につき、提案理由説明をいたします。(拍手)  まず、決議案文を朗読いたします。   本院は、通商産業大臣田中角榮君を信任せず。    右決議する。   〔拍手〕  本決議案の意味する根本は、もとより佐藤内閣総理大臣であることは言をまちません。しかし、今回の繊維協定仮調印の当面の責任者として、まず田中通産大臣がその責めを負わねばなりません。  不信任の第一は、過ぐる四十四年五月九日、本院本会議決議に対する違反行為であります。(拍手決議案に述べられているごとく、すなわち「米国繊維産業は、生産、販売、雇用とも好調を続けており、この現状からも米国のとらんとする措置はその根拠に乏しくきわめて遺憾とするところである。  米国において新たに輸入制限が実現すれば、わが国の対米繊維品輸出に重大な影響を及ぼし、構造改善、設備近代化を推進しつつある中小企業を主体とするわが国繊維産業及び関連産業に深刻汁打撃を与えることは必至である。」と述べて、協定をさせない旨決議いたしております。(拍手)これは田中通産大臣御自身も賛成なさったはずであります。いな、あなた御自身が、自民党幹事長として、自民党員に賛成させたとの趣意を過日伺いました。しかるに、それと全く相反する繊維の日来政府協定仮調印をケネディ米大統領特使との間になされてしまいました。との行為は、わが国憲法のもと、主権者たる国民代表の本院の名誉にかげて、断じて許しがたき行為であり、不信任の第一の理由であります。(拍手)  また、国民代表たる国会の目を避けて、行政協定によってこれを実施し、行政権の範囲内においてこれを行なうことを言明しておられますが、一体、行政協定政府責任において調印し得る範囲とは、在来の慣習に照らせば、一、短期間であること、二、国民に新たなる財政負担を課さないこと、三、現在国際秩序として有効であり、わが国も加盟している国際協定と矛盾しない、との三点が合致してこそきわめて当然な行政権行使の限界とされております。しかるに、繊維の政府協定はその三つのいずれにも相反するものであります。(拍手)  第一の期間は、形式は三年でありますが、延長二年が考慮されていることが文面にあらわれて、実質は五年の長期であることは疑う余地がありません。ちなみに、韓国などの極東三カ国はいずれも五年で足並みをそろえており、わが国政府のみが、国会対策上三年、そしてプラス二年と逃げ道をつくったにすきないではありませんか。(拍手)  二の国民負担についても、大臣がすでに言明しておられるとおり、大規模な新規の損失補償は当然とされ、一般会計予算の負担となり、それはすなわち国民負担となるにもかかわらず、大臣は国民に白紙委任を求めているだけであります。政府は当然の義務責任のもとに必要な立法措置を国会提案しようとはいたしておりません。  三の国際貿易秩序であるガット第二十三条には、他のガット締結国から利益が侵害され、目的達成が妨げられたときは、わが国異議申し立ての権利が与えられております。にもかかわらず、大臣はこの権利を放棄し、米国政府の一方的などうかつに唯々諾々と追随したではありませんか。(拍手)かくのごとく、ガットの秩序を無視してまで何ゆえに国益を放棄しなければならぬのでありましょうか。  政府は、以上の三点について何ら国民に釈明をしておりませんし、また、国会の承認を得ようとしておりません。田中通産大臣の独善で、しかも立法権と国際協定を無視して行政権を乱用したことが、不信任の第二の理由でございます。(拍手)  「まさかやるまいと思っていたが、完全に政府に暴走されてしまった」と、仮調印に持ち込まれた十五日深夜、日本繊維産業連盟の首脳部はその見通しの甘さとくやしさにくちびるをかみしめ、繊維産業の労働者は絶望の深渕をのぞかされたのであります。  今回の政府協定は、表向きは、日米友好と国益のため結ばざるを得なかったと弁明しておられまするが、政治が経済を押し切った最も悪い例をつくってしまいました。一つの産業を政治的要因によって壊滅的状態に追い込んだということは、過去の日本歴史には存在し得ない事実であります。(拍手)米国のドル不足を補らための最重要課題一つとして、米国の輸入超過に協力をすると言っておられまするが、日本の繊維は米国民の消費総量のわずか二%でしかなかったことは、周知の事実であります。また、対米輸出六十億ドル中、繊維の占める割合は一〇%の六億ドルであり、これが米国経済にとってどうしてドル救済となり得ましょうか。さらに、米国の繊維が生産、販売、雇用ともに日本より安定している事実は、本院決議文に示されているとおりであり、田中通産大臣御自身もお認めの上賛成しておられるとおりであります。  したがって、このたびの繊維協定は、日本と米国との国益の問題では断じてありません。それは、アメリカの一大統領個人と日本佐藤榮作総理大臣個人という、個人間のスタンドプレーか、あるいは世間にいわれるごとく、密約説によっているとしか理解できません。(拍手)もし、米国の大統領がニクソンではなく、北部出身者であったなら、よもや繊維がやり玉に上げられることはなかったであろうとの説がなされていること等を考えるとき、経済が政治に押しつぶされ、しかもその政治は、政府が弁明する国益とは全くほど遠い、個人対個人の利益誘導による選挙違反の国際的大運動会といわなければなりません。(拍手)繊維産業に携わる者はもちろんのこと、私ども国民のがまんのできないのはこのことであります。しかも、それを、何の魂胆があられてか、わざわざ田中通産大臣がこの悪役を買って出られたポーズは、私どもの怒りをより大きくしているものであります。これが不信任の第三の理由であります。  このたびの協定によって、田中通産大臣は、五尾の微増をさせるのだと主張しておられますが、ならば、なぜ全国の織機の四割を買い上げて廃棄処分にするのでありましょうか。全国に十四万五千の事業所、そして直接従業員百七十万人及び間接人員九百万人に及ぶこの重大産業が、織機のみで千四百五十一企業が転廃業せざるを得ない。そして政府は、織機二十万台から三十万台の買い上げをすることを認めておられます。これは全国の織機保有者の四〇%になります。織機のみを例にとれば、あなたの行なわれんとする措置によって半減するのでございます。もちろん、失業者は転廃業せしめると言明しておられまするが、田中大臣は通産大臣であって、労働大臣ではありません。産業は永遠の使命と運命をになって前進をすべきものであり、その信念に従って、経営者も労働者もまさに一体となって構造改善にまっしぐらに取り組んできたではありませんか。  「被害なきところに規制なし」とのガットの精神を口ずざんでこられたのは、決して野党議員の私たちのみではありませんでした。自民党の議員各位でさえ、つい先日まではそれを叫び続けておられたはずであります。米国の繊維産業が全く下降の傾向をたどっていないのにかかわらず、日本の繊維のみが、それを助けるために、なぜガットに違反してまで壊滅的な道を追われねばならないのでございましょうか。一体田中通産大臣はどこの国の大臣なのかとの業界の怒りの声があなたの耳には入らぬのでございましょうか。(拍手)そしてまた、業界が一番おそれていたことは、あなたが品目別規制を受け入れてしまわれはしないかということでありました。そして悲しくも、それを事もなげに受け入れてしまわれたことであります。  田中大臣、あなたは五%増を力説しておられますが、実際には三〇%の減となってしまうのであります。かつて、田中通産大臣は、日米経済閣僚懇談会から帰国された際、繊維については絶対に話し合いはしないと言明しておられながら、わずか一週間の後にはこれと全く反対の、しかも独断で政府協定をきめてしまわれたのでありました。賛否両論の中での判断ではありません。反対ばかりの中で、あなたがひとり五%増だとの、しろらと発言をせられて、その結果が三〇%減になるという専門家の意見がどうして耳に入らなかったのでありましょうか。業界は、この点で、もはや怒りよりも、あきれと悲しみに打ちひしがれております。  思えば、わが国における繊維産業こそは、有史以来、日本経済に最も長く貢献してまいった産業であるといわれております。そして、太平洋戦争の中から日本経済が立ち直りを見せた戦後十年の日本経済発展の歴史は、すなわち繊維産業の歴史でもありました。そして、そのことに経営者も労働者も限りない誇りと使命感を持って働き続けてまいりました。ここ十年間、ややもすれば、はなやかな重化学工業たる鉄鋼、自動車、造船、電器等にその主役を奪われたかの観がありますが、なるがためにこそ、かつての使命感をよみがえらせるべく、黙々と構造改善及び設備の近代化と取り組んでまいったのであります。そのやさきに、業界の実態を無視した今回の無責任な所業は、断じて許すことができないのであります。(拍手不信任のこれが第四の理由であります。  日本の繊維業界は、決して政府の追い詰められた立場を理解しなかったわけではありません。がからこそ、日本の業界は、米国のミルズ歳入委員長の私案をもとに自主規制を決意したのでありました。そして自主規制の実施が始まったばかりではございませんか。理論もなければ前後の見さかいもなく、ましてや、憲法の精神もなければ国際協定への配慮もない、なりふりかまわぬどらかつ外交に負げた、いな、それにくみしたという態度が、どうして国民に国益なりと受け取ることができるでありましょうか。  かくて、繊維に味をしめた米側は、自動車、カラーテレビ、電子卓上計算機など、花形輸出商品まで規制を迫ってくるのではないかとの、業界には憂慮が高まってきております。通産大臣は、そらさせないために繊維を犠牲にしたのだと弁明されるかもしれません。だが、国家とは本来冷血なものであり、無責任なものと見なければなりません。一たびころべば際限なくとろぶとの先人の教訓をわれわれは忘れるわけにはまいりません。通産大臣、あなたは日本歴史に全く悪い例をつくってしまわれたのであります。その悪例は今回限りで、絶対に今後は許さないとの国民意思を本院において示すことが、本日の不信任案を成立させる根本の目的であり、かつまた、米国への日本国民の決意でなければなりません。(拍手)  田中通産大臣の繊維協定を結ばれたことへの怒りは、われわれ野党議員のみではなかったはずであります。それは、良識ある自民党の方々にも、深く深く根ざしている怒りでありましょう。先日開かれた委員会の終了後、政府協定反対しているのは野党議員だげではないと、真剣なまなざしで叫んでおられた良識ある自民党の皆さんの叫びが、いまもなお私の眼に焼きついて離れません。ぜひ、その叫びと怒りの声をはっきりとただいまの不信任投票の際にお示しくださることをつけ加えて、私の趣旨説明を終わります。(拍手
  25. 船田中

    議長船田中君) 討論の通告があります。順次これを許します。小宮山重四郎君。   〔小宮山重四郎君登壇
  26. 小宮山重四郎

    ○小宮山重四郎君 私は、ただいま提案されました通商産業大臣田中角榮君に対する不信任案に対し、自由民主党代表して、反対討論を行なうものであります。(拍手)  ただいま、提案代表の塚本三郎君が、田中通商産業大臣不信任提出趣旨弁明を行なったのでありますが、その述べられたところは、事実に相違するものであり、全く理解に苦しむところであります。(拍手)  不信任のおもな理由として、日米繊維政府協定の問題を取り上げておりますが、本件については、すでに、本会議、予算委員会及び商工委員会審議において、まことに懇切丁寧に、田中通産大臣は、わが国の国益を踏まえていかに責務を遂行してきたかを明らかにするとともに、これらの諸点についても十分な見解を説明し、国民各位の理解を得られるよう、繰り返し繰り返し説明せられているところであります。  申すまでもなく、繊維問題は、過去三年もの長きにわたる日米経済問題の大きな懸案であり、その間、数次にわたり国会決議に従って交渉が行なわれましたが、御承知のように、妥結を見るに至らなかったのであります。この間、田中通商産業大臣は、本問題に関する国会決議の精神を尊重しつつ、過日の日米閣僚会議においては、米国の要請に対し断固これを拒否するとともに、その後に始まったケネディ特使等との折衝においても、−わが国主張を強力に展開してまいりました。  また、重大な新事態を受けて、政府間取りきめもやむなしとの判断に至る過程におきましても、国会関係方面との意思疎通を最優先し、その努力を行なったのであります。  これらの事実に照らしても、田中通産大臣は国会決議を十分に尊重したものというべく、これに違反したものとは断じて言い得ないのであります。(拍手)  本年七月より繊維業界は一方的自主規制を実施いたしました。米国側はこれに満足せず、最近に至り、政府協定が不可能な場合には、一方的輸入規制をも辞さないという強い決意を表明してまいりました。このようなけわしい新事態に対処して、田中通商産業大臣は、長期的かつ短期的に見たわが国の真の国益のためには、政府協定の締結もまたやむを得ないものとの判断に基づき、相互理解と互譲の精神に基づき、米国側と根気よく不眠不休の話し合いを重ね、その大幅な譲歩を得て日米間の了解に達したものであります。(拍手)  米国が一方的輸入制限を実施した場合のことを考えてまいりますと、その影響はきわめて重大であります。わが国繊維製品の対米輸出が急激にして深刻な打撃を受けることになるのはもちろんでありますが、単にそれだけではとどまりません。日米経済関係の悪化はもとより、世界の各国の日本に対する対抗措置を招き、米国の輸入課徴金制度の導入等によりまして動揺激しいガット体制が危機に瀕することになることは明白であります。  田中通商産業大臣の決断は、対米繊維輸出に関する最悪の影響を回避するとともに、日米経済関係の全体の改善、ひいては自由貿易の維持に大きく寄与するものとして、高く評価されなければならないのであります。(拍手)  また、困難な状態のもとにあって、米国からの規制の実施時期、経過措置、輸出規制総ワクの活用等の面で譲歩を引き出し、特に弾力条項を確保し、また、繊維製品について輸入課徴金の撤廃を確約させた田中通商産業大臣の手腕と努力に対して、われわれは正当に評価しなければならないのであります。(拍手)  加えて、自由民主党の強い要請により、田中通商産業大臣は、本日、内閣に臨時繊維産業対策推進本部を設置いたしまして、引き続き、国会決議趣旨を尊重し、業界の納得を得べく、その努力を続けるとともに、今回の政府間取りきめの実施が繊維業界に及ぼす影響を極力緩和するための万全の策として、過剰設備の買い上げ、長期低利の運転資金融資を含む各般にわたる財政、金融、税制上の援助措置、さらに、従業員対策等を強力に実施すべく鋭意努力されております。繊維産業救済措置については、業界の意向を十分くみ入れて、画期的な、かつ、あたたかい施策がとられるべきであるとかたく信じております。  このような措置によって、繊維産業の長期的な安定がはかられるものと確信する次第であります。  ひるがえって、通商産業大臣田中角榮君は、本年七月通商産業大臣に就任以来、戦後わが国が直面した最も困難な経済局面に対し、彼本来の高い英知と目をみはる決断力、そしてたぐいまれなる実行力をもって、通商産業大臣としての職責を十二分に果たしており、わが国の産業経済界はもとより、一般国民は、その卓越せる手腕に全幅の信頼を寄せていることは、周知の事実であります。(拍手)  かような大局的見地より見まして、このたびの田中通産大臣に対する不信任案に断固反対するものであります。(拍手)  私どもといたしましては、今後とも、田中角榮君が通産大臣として、国及び国民のために健闘されんことを心から祈って、理由なき不信任案に対する反対討論を終わる次第であります。(拍手
  27. 船田中

    議長船田中君) 佐藤観樹君。    〔佐藤観樹君登壇
  28. 佐藤観樹

    佐藤観樹君 かつて、故池田勇人氏が通産大臣のときに、「中小企業の一つ二つつぶれてもしかたがない」と放言し、不信任をされたことがあります。いわんや、田中通産大臣がこのたびアメリカ政府と仮調印した日米政府間繊維協定は、その被害の及ぶところ、中小企業の一つ二つどころではありません。日本の繊維産業及び繊維機械産業全体をつぶそらとしているのであります。その責任はきびしく追及されなければなりません。(拍手)  私は、日本社会党代表して、社会、公明、民社三党共同提出による田中通産大臣の不信任案に賛成の意見を述べるものであります。(拍手)  議員各位には、三年前に、繊維の規制、繊維の規制ということをやたらに見聞きさせられるようになったことは、御案内のとおりであります。  しかし、一体日本の繊維がどれだけアメリカに輸出されているのでしょうか。アメリカの繊維消費量のわずか二・五%、金額にして六億ドルにしかならないのであります。このことは、これまでも、アメリカ側が出した被害立証資料によっても、アメリカの繊維産業が日本製品によって何ら被害を生じていることは立証し得なかったのであります。合成繊維製品につきましても、輸入によってアメリカ国内の繊維産業には何ら実質的な被害は及ぼしていないというアメリカ関税委員会の報告すらあるのであります。それどころか、日本の良質にして安い製品は、アメリカ国民に喜ばれ、インフレ抑制の役割りすら果たしているといえるのであります。「被害なきところに規制なし」、これが貿易の原則であります。米国の繊維産業に何ら殺害を与えておらないのに、政府協定で規制をしようとする、これは全く納得のいかないところであります。  アメリカの繊維産業は、これまで常に高収益をあげており、アメリカ国内で高収益産業の第四位にランクされているといわれ、アメリカの繊維が倒産した例は全く見当たりません。にもかかわらず、日米間の繊維問題をこれほど複雑にしたのは、公然の事実となった佐藤ニクソン会談において密約がなされたためであります。  御存じのように、ニクソン大統領は、三年前の大統領選挙で、南部繊維業者の票をもらうかわりに、繊維の輸入規制を公約したのであります。そしてニクソン大統領は、このツケを沖繩返還と引きかえに佐藤首相に回してきたのであります。この忠実なる実行者が田中通産大臣であったことは言うまでもありません。(拍手)まさに縄を買って糸を売ったのであります。  仮調印が行なわれたあとの十月十八日、ワシントンポストは、社説で、「協定の仮調印は、来年の大統領選挙で南北カロライナ州の票を手に得るには役立ったが、経済には何の役にも立たない」と主張しておりますが、まさにそのとおりであります。(拍手)いまこそ、政府は、繊維規制の問題を取引したみずからの背信的、かつ軽率な態度が今日の一切の混乱を招いた最大の原因であることを率直に認め、その政治責任の所在を明確にすべきであります。  アメリカから繊維に対する規制の声があがったとき、日本の業界はしかたなく自主規制に踏み切りましたが、その際、政府は自主規制を歓迎されたではありませんか。このために業界がこうむる被害を補償するため、救済融資すら行なったではありませんか。それが突如十月十五日の最後通牒を突きつけられ、政府協定を結ぶに至ったのは、本国の一方的要求に屈した屈辱的外交以外の何もりでもありません。(拍手)今度の政府協定がそのまま行なわれたとしたら、繊維業界及びそこに働く労働者はどうなるでしょうか。業界は壊滅的打撃、二十万人の失業者が出るでしょう。品物によっては七〇%もつぶれてしまうともいわれております。このきびしさは、まず、品目が六百十一種類にこまかく分類され、その一種類ごとにおのおのこまかく規制されております。したがって、ちょっと品目が違うとすぐ規制ワクに縛られてしまい、輸出ができなくなってしまうシステムになっています。あるいは、ワクがあっても、品目が違うということで輸出が認められません。したがって、伸び率で合繊五%、毛一%といっても、実際にはこれは死んだ、意味のない数字であります。繊維製品は、デザイン、材質などの面で流行があり、前年売れたものがことしは全然売れないということは、日常茶飯事のことであります。ですから、規制品目がこまかく、前年度の輸出実績にスライドして輸出ワクをきめるということは、業界に死ねというのにひとしいのであります。(拍手)これは、あたかもイソップの話のように、ツルには平たい皿にスープを盛り、キツネには深いつぼにスープを入れたのと同じことなのであります。  田中通産大臣は、このような規制の実態も知らず、弾力条項を設けたから伸び率は確保されたと、ひとり得々としておりますが、現状はそんなものではありません。所管の大臣が自分の結んだ協定の規制が現実にはどういうことになるのかも知らないのでは、そのもとにある業者及び労働者にとって、これ以上の悲劇はありません。(拍手)まさに田中通産大臣の責任は重大といわざるを得ないのであります。  さらに、田中通産大臣は、政府協定の仮調印に際して、アメリカが繊維に対する一〇%の課徴金をはずす譲歩を行なったと、あたかも自分の手柄のように言っていますが、これはまさに笑止のさたといえるのであります。今日までアメリカは、数量規制をした輸入品に課徴金を適用したことはございません。何らアメリカの譲歩ではないのであります。このことも知らなかったことは、田中通産大臣の重大な責任です。これをもってしても、繊維の政府協定は、米国に対して一方的譲歩のもとに行なわれた屈辱的なものであると断ぜざるを得ません。  しかも、このようなきびしい規制の協定は、自由貿易を拡大することを精神とするガット条約の精神に違反するばかりか、一九六二年、ガット綿製品委員会において五年間の国際協定として採択された綿製品国際貿易の長期協定、いわゆるLTAに違反するものであります。この第一条には、LTAは綿製品に限ってこれを適用するものであり、その他のものには一切及ぼさないと明記されているのであります。それにもかかわらず、アメリカは、今度はこれを毛や化合繊にまで拡大しようとしているのであり、明らかにLTA違反であります。また、関税の一括引き下げをしようというケネディラウンドや、日米通商航海条約違反であります。  このように、日本経済に対してはかり知れない被害を与え、しかも数々の協定違反を犯している屈辱的なこの政府協定は結んではならないと、本院は、昭和四十四年五月九日、全会一致の決議をしているのであります。しかるに、この国会国民すべての意思を無視し、政府協定を結ぶことは、国民不在ばかりか、行政の越権行為であり、民主主義に対する挑戦であります。(拍手)断固糾弾されなければなりません。  しかも、田中通産大臣は、三年の協定なら国会の承認を必要としないとして、この協定国会提出しようとすらしないのであります。政府がいかにこの協定が三年間の期限つきであると主張しても、アメリカが韓国、台湾、香港と結んだ協定は五年間となっておりますから、やがて延長されることは火を見るよりも明らかであります。三年間にしたのは、国民を欺くごまかしであり、間違った国会対策以外の何ものでもありません。そして、三年が五年になり、九十九年になることは、綿製品協定が問題が起きてからいまやすでに十七年間も続いていることから、十分予想されるのであります。
  29. 船田中

    議長船田中君) 佐藤君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
  30. 佐藤観樹

    佐藤観樹君(続) さらに、との政府協定を結んだことは、おそからず、対米依存率の高い自動車、カラーテレビ、卓上電算機、カメラ、雑貨等の輸出に依存する数々の業種に対して政府協定を迫ってくることは、ドル危機に悩むアメリカにとって必定であります。  通産大臣は、一国の産業を振興することが任務なのに、繊維産業をはじめとする他の多くの産業を危険におとしいれようとしているのであります。いまや、日本国民は、田中通産大臣に安心して通産業務をまかせておりません。断固不信任いたします。  自民党の皆さん、皆さん方の中には、数十人の方々は、繊維業者の政府協定反対の大会で、威勢よく協定反対を私たちとともに業者の人々に約束したはずではありませんか。(拍手政治家はその言動責任を持たなければなりません。われわれとともに不信任案に賛成されんことを、心から期待いたします。  最後に、われわれは、繊維の政府協定が破棄され、日本経済が救われる日まで粘り強く戦うことをあらためて表明し、田中通産大臣不信任案の賛成討論を閉じます。(拍手
  31. 船田中

    議長船田中君) 岡本富夫君。   〔岡本富夫君登壇
  32. 岡本富夫

    ○岡本富夫君 私は、公明党代表して、ただいま提案されました田中通産大臣に対する不信任案に賛成の意を表し、討論を行ないます。  本年七月、参議院選挙直後に行なわれた内閣改造は、日中問題、沖繩返還日米経済問題等の重要課題をかかえる佐藤内閣がいかなる陣容をもって臨むか、国民がひとしく注目したものであります。その中で、田中角榮君が通産大臣に選ばれたことは、党人としてその経歴、力量を知る国民から、ひそかにその活躍を期待され、大方の好感をもって迎えられたのであります。  すなわち、六〇年代の奇跡といわれた日本経済の急速な成長が不況の色合いを濃くする中で、内には公害の激化、環境破壊を放任して、国民の生命の危険が論じられ、また一方、産業構造の二重格差是正の緊急性が要求され、外にあっては、世界経済に不気味な広がりを見せてきたスタグフレーションの波、わけて、わが国貿易輸出の三割を占めるアメリカ経済の深刻化、こうした内外の経済情勢の中で、田中通産大臣に期待されたことは、一つは、中小企業の近代化施策の大胆な実践であり、いま一つは、激動ずる国際経済の中で、国際協調に主体性を持ち、わが国産業を外圧から守り、国民経済の充実、向上をはかることであったのであります。しかるに、田中通産大臣は、かかる国民の期待にこたえず、最初の試練ともいうべき日米繊維交渉において早くも挫折し、アメリカ経済外交の強圧に屈して、繊維の政府協定において、あえて主務大臣として仮調印をしたことは、まことに遺憾であるというべきであります。  これに対して、わが党は、去る二十五日の予算委員会の質問を通じ、田中角榮君にそのあやまちを指摘し、また、そのあやまちを改めるよう要求したのでありますが、何ら保証の裏づけのない国益論と対米経済危機打開論に終始したことは、きわめて遺憾であり、今後繊維の政府協定が及ぼす国の内外への影響、今後の対米交渉から考え、あえて通産大臣の不信任決議案賛成するものであります。  以下、本案に賛成する理由を述べるものでありますが、これは、繊維の政府協定によってもたらされる業界傘下の各企業経営者並びにその従業員、家族を合わせ九百万人に及ぶ国民の、深刻なる窮状と重大なる不安の中からの叫びであるのみならず、アメリカが自国の経済を擁護せんがために、わが国を焦点として迫る強圧に対し、屈従によって国民に犠牲をしいる責任大臣の逃避的態度を糾弾する国民の声として聞くべきであります。  その第一点は、通産大臣みずからが認めておられるように、繊維に関する国会決議の必要性を十分認識しながら、あえてこれを無視し、同時に、すでに業界で踏み切った自主規制に対し、これを支持することを表明しながら、国会にはからず、かつ、業界の必死の反対を退けて、政府協定覚書に仮調印をしたことであります。  言うまでもなく、議会制民主主義のもとにおいて、国会は国権の最高機関であります。したがって、党派を越えて国会でなされた決議は、主権者たる国民の総意にほかならないのであります。ゆえに、民主国家における行政府責任者は、国会意思を尊重することは当然であり、特に、党人である田中通産大臣は、いかなる圧力を受けようとも、行政府責任者として、議会制民主主義立場に立って、国会決議を尊重すべきであります。  しかるに、田中通産大臣は、政府協定期間を三年にすることをもって、本協定を行政権の範疇に引きずり込んだのであります。この形式的な策謀は、十月五日、日本繊維産業連盟が明らかにしたとおり、通産省より六月二十九日付文書によって、日本は米国に対し多国間協定に努力することを約束していることを提示したことによっても明らかであります。すなわち、二国間協定は多国間協定の前提であり、二国間協定から多国間協定に発展していく、すなわち、政府協定長期固定化することは、さきの綿の協定の現状に至った経過から見てもきわめて明らかであります。したがって、国会無視はもちろん、かかる策謀のもとに政府協定を独断で行なった通産大臣の行為は、許されるべきものではありません。(拍手)  第二点は、アメリカの一方的規制の脅迫に対し、その法的根拠を明確にせず、また、積極的にその点を解明せず、業界と一ぺんの相談もなく、政府協定に見切り発車をしたことであります。  少なくとも日米貿易経済委員会におけるあなたの主張は、この問題の本質に触れたものでありました。アメリカ国内消費に占める日本製品の比率わずか一・九%、アメリカの被害は少なく、したがって、アメリカが規制のための被害実証をあげ得ないことを知りつつ、しかも規制による日本側の被害の大きさを強調したことなどは、日本の通産大臣として述べたものでありましたが、また、アメリカ国内でも、繊維交渉の強圧は、国益上の問題でなく、むしろニクソンの選挙公約の達成が目的である旨の批判を受けていることは、御承知のはずであります。したがって、アメリカが規制のための根拠となる国内法を明示せず、しかも、実施不可能とされる一方的割り当て規制を振りかざしてきたことは、友好国日本に対してあるまじき隷属国扱いのどうかつ行為と見る以外にないと考えるのであります。(拍手)したがって、わが党は、かかる不可解な要素を持つ政府協定に調印するという態度を認めることはできないのであります。  第三点は、政府協定によって総括的に五%の伸びを確保することを得たという通産大臣のずさんさと、アメリカの一方的主観による判断で対米繊維貿易に混乱を招く覚書内容に見られるずさんさは、通産大臣みずからの繊維に対する不明を暴露したものであり、その詳細については、予算委員会でわが党委員が指摘したとおりであります。  かかる結果は、業界に壊滅的打撃を与えるのみでなく、国内市場の圧迫となり、さらには、わが国製品の欧州市場への流入となって、新しい問題の提起となることは明らかであります。  政府協定がもたらす波及性の十分な分析及び具体的な対策の組み立てばさておき、あいまいもことした国益論によって政府協定を推し進めようとする通産大臣の姿勢は、断じて容認ができないのであります。(拍手)  以上、要約いたしまして、田中通産大臣に対する不信任案に賛成する理由を述べ、私の討論を終わります。(拍手
  33. 船田中

    議長船田中君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。  この採決は記名投票をもって行ないます。本決議案賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。——閉鎖。   〔議場閉鎖〕
  34. 船田中

    議長船田中君) 氏名点呼を命じます。   〔参事氏名を点呼〕   〔各員投票〕
  35. 船田中

    議長船田中君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。——開鎖。   〔議場開鎖〕
  36. 船田中

    議長船田中君) 投票を計算いたさせます。   〔参事投票を計算〕
  37. 船田中

    議長船田中君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。   〔事務総長報告〕  投票総数 四百五十一   可とする者(白票)       百七十一   [拍手]   否とする者(青票)       二百八十   〔拍手
  38. 船田中

    議長船田中君) 右の結果、通商産業大臣田中角榮不信任決議案は否決されました。(拍手)     —————————————   〔参照〕  楯兼次郎君外十名提出通商産業大臣田中角榮不信任決議案を可とする議員の氏名       安宅 常彦君    阿部 昭吾君       阿部 助哉君    阿部未喜男君       赤松  勇君    井岡 大治君       井野 正揮君    井上 普方君       石川 次夫君    石橋 政嗣君       上原 康助君    卜部 政巳君       江田 三郎君    大出  俊君       大原  亨君    岡田 利春君       加藤 清二君    勝澤 芳雄君       勝間田清一君    角屋堅次郎君       金丸 徳重君    川崎 寛治君       川俣健二郎君    川村 継義君       木島喜兵衞君    木原  実君       北山 愛郎君    久保 三郎君       黒田 寿男君    小林 信一君       小林  進君    後藤 俊男君       河野  密君    佐々木更三君       佐藤 観樹君    佐野 憲治君       斉藤 正男君    阪上安太郎君       島本 虎三君    下平 正一君       田中 武夫君    田中 恒利君       田邊  誠君    高田 富之君       武部  文君    楯 兼次郎君       千葉 七郎君    辻原 弘市君       土井たか子君    堂森 芳夫君       内藤 良平君    中井徳次郎君       中澤 茂一君    中嶋 英夫君       中谷 鉄也君    中村 重光君       楢崎弥之助君    成田 知巳君       西宮  弘君    芳賀  貢君       長谷部七郎君    畑   和君       華山 親義君    原   茂君       日野 吉夫君    平林  剛君       広瀬 秀吉君    藤田 高敏君       古川 喜一君    細谷 治嘉君       松浦 利尚君    松沢 俊昭君       松平 忠久君    松本 七郎君       三木 喜夫君    三宅 正一君       美濃 政市君    八木  昇君       安井 吉典君    柳田 秀一君       山口 鶴男君    山中 吾郎君       山本 幸一君    山本 政弘君       山本弥之助君    横路 孝弘君       横山 利秋君    米田 東吾君       相沢 武彦君    浅井 美幸君       新井 彬之君    有島 重武君       伊藤惣助丸君    小川新一郎君       大久保直彦君    大野  潔君       大橋 敏雄君    近江巳記夫君       岡本 富夫君    沖本 泰幸君       鬼木 勝利君    貝沼 次郎君       北側 義一君    桑名 義治君       小濱 新次君    斎藤  実君       坂井 弘一君    鈴切 康雄君       瀬野栄次郎君    田中 昭二君       多田 時子君    鶴岡  洋君       鳥居 一雄君    中川 嘉美君       中野  明君    西中  清君       林  孝矩君    樋上 新一君       広沢 直樹君    伏木 和雄君       二見 伸明君    古川 雅司君       正木 良明君    松尾 正吉君       松本 忠助君    宮井 泰良君       矢野 絢也君    山田 太郎君       渡部 一郎君    渡部 通子君       合沢  栄君    麻生 良方君       伊藤卯四郎君    池田 禎治君       今澄  勇君    受田 新吉君       内海  清君    岡沢 完治君       春日 一幸君    川端 文夫君       河村  勝君    寒川 喜一君       栗山 礼行君    小平  忠君       佐々木良作君    曾禰  益君       田畑 金光君    竹本 孫一君       塚本 三郎君    西尾 末廣君       西田 八郎君    門司  亮君       吉田 賢一君    吉田 泰造君       吉田 之久君    和田 耕作君       和田 春生君    渡辺 武三君       青柳 盛雄君    浦井  洋君       小林 政子君    谷口善太郎君       津川 武一君    寺前  巖君       土橋 一吉君    東中 光雄君       不破 哲三君    松本 善明君       米原  昶君    安里積千代君       瀬長亀次郎君  否とする議員の氏名       安倍晋太郎君    足立 篤郎君       阿部 文男君    相川 勝六君       青木 正久君    赤城 宗徳君       赤澤 正道君    秋田 大助君       天野 公義君    天野 光晴君       荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君       有田 喜一君    有馬 元治君       井出一太郎君    伊東 正義君       伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君       池田 清志君    池田正之輔君       石井  桂君    石井  一君       石井光次郎君    石田 博英君       稻葉  修君    稻村佐近四郎君       稲村 利幸君    宇田 國榮君       宇野 宗佑君    上村千一郎君       植木庚子郎君    内田 常雄君       内海 英男君    浦野 幸男君       江崎 真澄君    江藤 隆美君       小川 半次君    小川 平二君       小此木彦三郎君    小沢 一郎君       小澤 太郎君    小沢 辰男君       小渕 恵三君    大石 八治君       大石 武一君    大久保武雄君       大竹 太郎君    大坪 保雄君       大西 正男君    大野  明君       大野 市郎君    大橋 武夫君       大平 正芳君    大村 襄治君       岡崎 英城君    奥田 敬和君       奥野 誠亮君    加藤常太郎君       加藤 六月君    加藤 陽三君       鹿野 彦吉君    賀屋 興宣君       鍛冶 良作君    海部 俊樹君       笠岡  喬君    梶山 静六君       金丸  信君    金子 一平君       金子 岩三君    亀岡 高夫君       亀山 孝一君    鴨田 宗一君       唐沢俊二郎君    仮谷 忠男君       川崎 秀二君    神田  博君       菅野和太郎君    木野 晴夫君       木部 佳昭君    木村 武雄君       木村武千代君    木村 俊夫君       菊池 義郎君    北澤 直吉君       久野 忠治君    久保田円次君       鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君       倉石 忠雄君    倉成  正君       藏内 修治君    小金 義照君       小坂善太郎君    小坂徳三郎君       小島 徹三君    小平 久雄君       小峯 柳多君    小宮山重四郎君       小山 長規君    小山 省二君       河野 洋平君    河本 敏夫君       國場 幸昌君    左藤  恵君       佐伯 宗義君    佐々木秀世君       佐々木義武君    佐藤 榮作君       佐藤 孝行君    佐藤 文生君       佐藤 守良君    斉藤滋与史君       齋藤 邦吉君    坂田 道太君       坂村 吉正君    坂元 親男君       櫻内 義雄君    笹山茂太郎君       始関 伊平君    椎名悦三郎君       塩川正十郎君    塩崎  潤君       篠田 弘作君    澁谷 直藏君       島村 一郎君    正示啓次郎君       白浜 仁吉君    進藤 一馬君       鈴木 善幸君    砂田 重民君       砂原  格君    瀬戸山三男君       園田  直君    田川 誠一君       田澤 吉郎君    田中伊三次君       田中 榮一君    田中 龍夫君       田中 正巳君    田中 六助君       田村  元君    田村 良平君       高鳥  修君    高橋 英吉君       高橋清一郎君    高見 三郎君       竹内 黎一君    竹下  登君       谷垣 專一君    谷川 和穗君       千葉 三郎君    中馬 辰猪君       塚原 俊郎君    辻  寛一君       坪川 信三君    渡海元三郎君       登坂重次郎君    徳安 實藏君       床次 徳二君    中尾 栄一君       中垣 國男君    中川 一郎君       中川 俊思君    中島源太郎君       中島 茂喜君    中曽根康弘君       中野 四郎君    中村 梅吉君       中村 弘海君    中村 拓道君       中村 寅太君    中山 利生君       中山 正暉君    永田 亮一君       永山 忠則君    灘尾 弘吉君       二階堂 進君    丹羽 久章君       丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君       西岡 武夫君    西村 英一君       西村 直己君    西銘 順治君       根本龍太郎君    野田 卯一君       野田 武夫君    野中 英二君       野原 正勝君    野呂 恭一君       羽田  孜君    羽田野忠文君       葉梨 信行君    橋口  隆君       橋本登美三郎君    橋本龍太郎君       長谷川四郎君    長谷川 峻君       八田 貞義君    服部 安司君       浜田 幸一君    濱野 清吾君       早川  崇君    林  義郎君       原 健三郎君    原田  憲君       廣瀬 正雄君    福井  勇君       福田 繁芳君    福田 赳夫君       福田 篤泰君    福田  一君       福永 一臣君    藤井 勝志君       藤尾 正行君    藤田 義光君       藤波 孝生君    藤本 孝雄君       古井 喜實君    古内 広雄君       古川 丈吉君    古屋  亨君       別川悠紀夫君    保利  茂君       坊  秀男君    細田 吉藏君       本名  武君    前尾繁三郎君       前田 正男君    増岡 博之君       増田甲子七君    松浦周太郎君       松澤 雄藏君    松田竹千代君       松永  光君    松野 幸泰君       松野 頼三君    松本 十郎君       松山千惠子君    三池  信君       三木 武夫君    三ツ林弥太郎君       三原 朝雄君    箕輪  登君       水田三喜男君    水野  清君       湊  徹郎君    宮澤 喜一君       武藤 嘉文君    向山 一人君       村上  勇君    村上信二郎君       村田敬次郎君    村山 達雄君       毛利 松平君    粟山 ひで君       森  美秀君    森  喜朗君       森下 國雄君    森下 元晴君       森田重次郎君    森山 欽司君       安田 貴六君    山口シヅエ君       山崎平八郎君    山下 元利君       山下 徳夫君    山田 久就君       山中 貞則君    山村新治郎君       山本 幸雄君    豊  永光君       吉田 重延君    吉田  実君       早稻田柳右エ門君    綿貫 民輔君       渡部 恒三君    渡辺 栄一君       渡辺  肇君    渡辺美智雄君      ————◇—————
  39. 船田中

    議長船田中君) 本日は、これにて散会いたします。    午後七時十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣         外 務 大 臣 福田 赳夫君         通商産業大臣  田中 角榮君      ————◇—————