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田代富士男君 いま副
総裁が、
三つの大きな組合をかかえている、それにはイデオロギーの違う点もあります土、それはまあ私も理解できないことはありません。そして
国鉄側は、この生産性運動を
拡大するためには、ただ従業員としてのたてまえをもってスト等は回避して協力してもらいたいと、で、
国鉄の場合はオープンショップであるために、まあ私たちがやってきましたそういう立場がございますが、いま申したとおりに、鉄労に入りなさいというそういう働きかけが行なわれているわけなのです。これじゃあまりにも介入し過ぎますよ。これ、白紙の状態だったらまた話もありますが、鉄労に入りなさいと。まあこれ問題を私も調べてみましたが、私の驚く問題が一ぱいあるのです。これが一部に勇み足があった、これは認めざるを得ないといういまの話ですが、勇み足ということは全国にあるわけです。どこかにそういう面があるのですけれ
ども、いま起きている問題は全国から起きてきているわけなのです。いま二つのいろいろな事態を申し上げましたけれ
ども、いま言うとおり、鉄労に入りなさいということは、国労、動労からの脱退強要をやっているのに、助役だとか管理職の人々が陰に陽に、あるいは区長室とか助役室に呼んでそれをやって話をつける、脱退届けだとか、そういうものまで入れているというような事態も起きているわけなのです。
具体的に申し上げますと、そういうことでノイローゼになった人がある。これは
マル生運動が原因じゃないと言われればそれまででございますけれ
ども、これは新聞に報道されたのを読んでみますと、「二日朝、新潟県新津市、こうじ販売業吉井寅さん方二階で、帰省中の三男弘さん(24)=国電渋谷駅員、東京都板橋区桜川二ノ一ノ六=がロープで首つり自殺した。弘さんはノイローゼのため八月中旬から実家に帰っていた。同僚や国労渋谷分会の話では、吉井さんは
マル生運動にからんで
職場の上司から国労脱退を暗に
要求されていたことがあり、それがノイローゼの原因になっていたのではないか」ともいわれている。これは決定じゃありませんですよ。こういうことも出ておりますし、また、これは静岡のことでございますが、「静岡電力区第一電力支区柳島支区長と助役二名は検査長数名とともに、昨年十月八日夜、
国鉄中田宿舎集会所に国労組合員の電力検査掛を集め。「
国鉄は
赤字経営だ、これに職員として取り組むため国労を脱退せよ。」」、
赤字経営だ、職員として取り組むためにがんばれ、がんばろうじゃないかと、これまでは私も三十二条の精神でいいと思うのです。これ国労を脱退しろと言う、「国労の
方針は正しくない。」と言う、「今夜国労を脱退する意思表示をしろ」などと言って一人一人に脱退届けの用紙を配ったというのです。こういうことが行なわれている。「また支区長と
山田検査長は同じ日、杉野君を支区長の自宅に呼び、「将来はみんな鉄労になる。
企業のためにならない国労を早く脱退しろ」などと、約二時間にわたって強要した。」と、また、掛川駅、浜松駅でも国労組合員に対して「国労にいては不利だ。鉄労にはいれ」、このように鉄労に入れと、管理者あるいはこういう人がこういうことをやっている。これが勇み足でなくて全国各地です。これは関西のことですけれ
ども、「紀北駅連区分会のA君が脱退届といっしょに出した手記」がありますが、それには、「私が国労を脱退するについては、駅長・助役と仲間との会合をもち、駅長・助役の勧めもあり、すでに藤本助役から脱退届書を受けとり私が押印しており、脱退を仲間たちと約束しましたので、国労役員の説得もありましたが脱退に決意しました」、こういうことが書かれている。また、今度は亀山車掌区、これは助役が家庭訪問してきている。そして言うことには、「六月十六日二十時ごろ奥村首席助役が手みやげを持って私宅にきた。助役は「東京の南・北局は今回のストで大量の処分者をだすと思うが、天王寺局は六百名近い処分者となる。なんでも反対の組合を君はどう思う」「二、三日前に区長が局の人事課で話をしてきた。試験があまり悪ければ別だが、ある程度の点があれば努力するので、考えてみないか」」と言い、八名ほどの名前をずっと見せた。また、今度は
貨物分科等におきましても、「ストを行なう国労にはいっておればいくら百点満点であってもいかん。国労にはいっている時点から心の持ち方がかわっている。いっさいの試験にいっても合格はしない。」、こういうような、
あとたくさんのこういう事例がありますが、私はこれをここであえて申し上げませんけれ
ども、いまさっき申しましたとおり、このように、ただ労働組合の問題であるならばよろしいけれ
ども、そういう管理者だとか、こういう人がこういう介入をしている、こういうことに対してどのように思われますか。また、政務次官ですね、いまさっきはおいでになった直後でございまして、いま労働
大臣が仲介役をとっておりますということでございますが、こういう問題を私は提起いたしまして、政務次官はどのようにお考えになるか、まず
国鉄当局からお尋ねして、
あとで政務次官のお考えをお伺いしたいと思います。