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参考人(林修三君) ただいま御
質問のことでございますが、確かに最近の高速道路は通行台数が非常に増加を示しておりまして、はなはだ遺憾なことでございますが、いわゆる渋滞現象が、少なくとも平日においては毎日のように実は起こっておるわけであります。この現象は実はもう一両年前から起こってきておるわけでありますが、いまおっしゃったように、三月の二十一日の六、七号線の開通ということが
一つのまたそれをふやす要因になっていることは、これはまた事実でございます。ただ、いまおっしゃいましたようなことが決定的な要因だとおっしゃいましたが、この点はわれわれは多少見方を異にしております。確かにその前後で交通がふえていることは事実で、いまおっしゃいましたように、大体渋滞が、それまでの平均では一日七回、平均して七回ぐらいなのが十回ぐらいにふえたという点はございます。
そこで、これについて原因は何かということでございますが、これは結局道路容量、道路にはやはり道路容量というものがございまして、一定時間内に通行し得る限度というものがあるわけであります。これに対して、その容量を越える実は交通需要が起きた場合には、どうしても渋滞という現象がそこに起こってくるわけであります。そこで、結局その渋滞をなくす方法は、長期的には、先ほど建設
大臣からもお答えいたしましたとおりに、道路容量をふやす以外に方法はございません。道路容量をふやす方法としては、長期的に考えれば湾岸道路、これはいまわれわれのほうも
予算をいただいて、
東京の一番むずかしいところの
東京港口の沈埋トンネルの工事をやっております。その前後の取りつけ道路も早急にこしらえなければならないと思っております。一部
予算化しているところもございます。それから中央環状線とわれわれ呼んでおりますが、その湾岸道路の途中から分かれまして、大体いまのところの予定では、都道の環状六号線に沿って
東京の南から西に、さらに北のほうに、
東京の周囲を取り巻くこれらの開発が急務だと思っています。こういうものを至急に開発しまして、都心を通過してよそからよそに、
東京の外から外に出ていく、こういう通行車両をそっちのほうに回すということがぜひとも必要だと思っているわけであります。
それから、ただ、これは非常にわれわれのほうも、大体開通している道路が約九十キロでございますが、ここ十年ぐらいの間にそれを二百数十キロまで延ばしたいという計画でやっておりますが、ただ、昨今の交通需要
調査を見ますと、それだけつくってもなお高速道路に対する需要は容量をオーバーするという見方が出ております。それだけ、二百数十キロ開発してもなおかつ高速道路に対する道路需要は、道路容量より二、三割オーバーするという見込みが出ておりまして、これじゃなお足りないという問題があるわけであります。
それで、これは相当長期のいま路線の開発を申しましたが、短期的に申せば、
一つは既存路線の拡幅の問題でございます。既存路線の拡幅は、技術的には非常にむずかしい点があるわけでございますが、その技術的な点をある程度克服して、ただいま一号線の浜崎インターチェンジと汐留の間の上下一車線ずつの拡幅工事をやっております。明年ぐらいまでにはでき上がるつもりでいまやっておるわけでございます。これによって、いま交通が非常に混雑をしている、一番の難所である汐留-浜崎インターチェンジ間、この間の多少の緩和に資したいということでやっておるわけであります。
それから
ほんとうの目先のことといたしましては、先ほど申しましたように、交通需要と交通容量とを合わせる方法としては、やはりその中が一ぱいであるというようなときにはその表示をいたしまして、外部に表示をして、乗っていただくことを御遠慮願う以外に方法がないわけであります。無制限に入ってきても、交通容量をオーバーする車両はいかなる道路でも通行できないわけであります。それをある程度制限するほかに方法がないわけであります。これは鉄道と違いまして、自分でダイヤを組んで一定の車両を運行しておるのではございませんで、一定の道路をつくって、そこを選択によって通るという性質のものでございますので、やはりいま一ぱいである、渋滞をしておるということを一般の通行車両になるべく広く知らせて、そこで選択をしていただくという以外に、交通容量をオーバーする通行台数を制限する方法はないわけでございます。その方法としては、いま言ったように、外部にそれを表示する方法と、それから万やむを得ないときに一部の入路を閉鎖するという方法をやっております。これはやはり高速道路上に乗っている車両はなるべく早期に目的地に行っていただくことが必要なわけで、そういう意味においては、はなはだサービスとしては申しわけないことではございますけれ
ども、新しく入ってくる車両は若干中がオーバーしているときには御遠慮していただく以外に方法がない、
現実の
状況としてはそういうことでございまして、入路の閉鎖をやっております。入路の閉鎖の
状況が六、七号線の開通以来ふえたことも御
指摘のとおり事実でございます。なるべくこれは短くしたいわけでございますが、いま申しましたような、どうしても交通容量をオーバーする交通需要がある場合には、どこかでやはりそれを制限する以外には、一定の限られた道路を通行する車両数には限度がある、それをオーバーするのはどっかでやはり制限する以外に方法がないわけであります。やむを得ずそういうことをやっておるわけであります。
昨今の交通渋滞のパターンを見ますと、毎日こういう渋滞
状況が起こっておりますのは、大体午前の十時ないし十一時半くらいと、午後は大体二時から四時くらいの時間でございまして、いわゆる通勤時間というものにはあまり渋滞現象は起こっておりません。これは特に六、七号が開通して以来のそういう顕著な
状況でございますが、これはやはり業務交通が非常に多いということを私は示しておるものと思っております。それで、業務交通に対処する新しい計画なり、新規の路線の開発がいよいよ急務になってきたというふうに考えております。先ほど申しました湾岸道路とか、あるいは中央環状道路の建設は非常に急務でございますが、
予算はある程度
予算化はしておるわけでございますが、都市計画がなかなかきまらない。これはいろいろな事情できまらないという
状況がございまして、私
どもとしては
東京都に強くお願いして、それを早く実現してもらうようにお願いをしておるわけでございます。大体そういうような
状況でございます。
それから、先ほどおっしゃいました渋滞の原因でございますが、これは昨今の平均を見ますと、確かに自然渋滞が多いわけでございますが、自然渋滞は大体七六%くらいでございまして、事故、故障によるものがそれ以外の比率でございます。自然渋滞は、ある程度流入量を制限すれば、これはとまっておるわけでございませんから、のろのろでも運転して、比較的早く解消するという
状況でございます。事故のほうは、なるべく事故のあとの検証等を早くやっていただいて、早く自然に復するように
努力をしておりますが、いろいろ民事上、刑事上の問題もございまして、やはり平均時間が一時間くらいかかっております。これはなるべく早くするように警視庁とも協力してやっていきたいと考えておるわけでございます。