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説明員(米澤滋君) 電信
電話事業につきましては、平素格別の御配意と御支援を賜わり、まことにありがたく厚く御礼申し上げます。
ただいまから
日本電信電話公社の最近の
事業概況について御
説明申し上げます。
まず、経営状況でありますが、
昭和四十五
年度は建設資金六千九百億円をもって
一般加入電話二百十万個、
地域集団電話三十万個を中心とする電信
電話の
拡充・
改善を実施するとともに、積極的に
データ通信サービスの
拡充・
開発を
推進しております。
本
年度予算におきましては、
事業収入を一兆四百四十四億円と見込んでおりますが、
昭和四十五年十一月末における実績は七千百三十二億円でありまして、六八・三%の達成率であり、収入
予定に対しましてほぼ順調に推移しております。公社といたしましては今後とも
経費の節減と収入の
確保に努力を続けたいと考えております。
建設工事につきましては、その工事費
総額は前
年度からの繰り越し額を加え七千二百二億円となっておりますが、十一月末における支出額は五千九十四億円でありまして、
総額に対し七〇・七%の
進捗率となっております。
なお、十月末における
加入電話の
増設数は百四十万二千加入でありまして、年間
予定の六六・八%を消化いたしております。
次に、電信
電話拡充七カ年計画等について申し上げます。
わが国経済の急速な成長、発展、生活水準の著しい
向上に伴い、最近における
電話の
需要は
増加の一途をたどり、申し込んでもつかない
電話の数は現在約二百七十五万個に達しております。
さらに、産業構造の高度化、情報化の進展など社会条件の急激な変化に対応し、
電気通信サービスの高度化・多様化への
要請が一段と強まっております。
これらの広範な
要請にこたえるため既定の第四次五カ年計画の拡大修正を含め、
昭和四十六
年度から五十二
年度に至る電信
電話拡充七カ年計画を昨年八月策定いたしました。
この長期計画は、(一)経済の効率化と
国民生活の充実に益する、(二)
情報化社会の発展に寄与する、(三)
研究実用化
体制を
拡充強化する、(四)
通話料金体系の
合理化をはかる、(五)
事業経営の
改善を
推進する、ことを基本として、建設資金八兆五千億円をもって
一般加入電話千九百七十万個、
地域集団電話七十三万個の
増設を行ない、
加入電話の積滞を全国的規模において解消することを最大の重点としております。また、
情報化社会の発展に寄与するため、電子交換方式を採用して、
データ通信・テレビ
電話・加入ファクス等の画像
通信を含め、総合
電気通信網の形成を
推進する考えであります。
さらに、
現行の
通話料金制度は、設定以来長年月を経過しており、最近における生活圏・経済圏の広域化と都市の連担化の現象に即応し得ないものとなっており、そのため加入区域の合併・拡大に対する要望はきわめて熾烈であります。また、
データ通信のために公衆
通信網を利用したいとの要望が強まっております。そこで、これらの社会的
要請にこたえ、市内・市外の
通話区別を廃止し、
広域時分制度を採用するとともに、
通話料金制度の
合理化を行なうことが必要であります。
この計画を実施するための資金の調達にあたっては、引き続き財政投融資等の資金の
確保につとめるほか、
現行単独
電話三万円の
設備料を五万円に改定するとともに、加入者債券引き受け
制度を定めている
電信電話設備の
拡充のための暫定
措置に関する
法律の期限延長の
措置が必要であります。
また、
電報制度につきましては、
電話の普及、特にダイヤル市外
通話の拡大等近代的
通信手段の急速な発展に伴い、その
内容が実状にそぐわないものとなっており、
制度及び
料金を
改正し、その
近代化をはかりたいと考えております。
なお、
公衆電気通信法に関して
改正を要する事項につきましては、今通常
国会に
提出していただくよう、政府
関係方面に要望をいたしておりますので、
法案が
提出されました際には御
審議のほどよろしくお願い申し上げます。
次に、
昭和四十六
年度予算案について申し上げます。
まず、
損益勘定の
内容でございますが、収入は電信収入二百三十四億円、
電話収入一兆一千二百九十三億円、専用収入四百九十七億円、雑収入三百四十七億円で合計一兆二千三百七十一億円を見込んでおりまして、
昭和四十五
年度に比べて千九百二十七億円
増加となっております。
一方支出は、
総額一兆二千二百十九億円で、前
年度に比べて千八百六十二億円の
増加となっておりますが、その内訳について申し上げますと、人件費は三千六百十二億円で前
年度に比べて七百五十三億円の
増加、物件費は千七百六十三億円で前
年度に比べて二百四十六億円の
増加、
業務委託費は八百八十八億円で前
年度に比べて九十一億円の
増加、減価償却費は四千百九億円で前
年度に比べて四百九十三億円の
増加、その他利子等で二百七十九億円の
増加となっております。以上の結果、
収支差額は百五十二億円となります。
建設勘定について申し上げますと、その規模は
総額八千二百十億円で前
年度予算六千九百億円に対し千三百十億円、約一九%の
増加となっております。
この資金の調達は、
内部資金で四千七百六十八億円、
外部資金で四千九百七十億円、
総額九千七百三十八億円でありますが、このうち
債務償還等千五百二十八億円を除いた額を建設資金に充てることといたしております。
外部資金の内訳は、加入者債券三千百十八億円、
設備料千百五十二億円、
公募債券百億円、
縁故債券六百億円を
予定いたしております。
建設計画について申し上げますと、
加入電話は
一般加入電話二百四十万個、
地域集団電話二十五万個を合わせ二百六十五万個、
公衆電話五万三千個を
増設するとともに、市外
電話回線につきましては十一万四千回線の
増設を考えております。
なお、基礎工程につきましては、
加入電話需要の動向、市外サービスの
改善計画、近傍局とのサービス
均衡等を勘案いたしまして、四百七十局の新
電話局の建設に着手することといたしました。
このほか、四十五
年度以前から工事継続中の局を加えますと、四十六
年度におきまして、新
電話局建設を行なうものは八百四十三局となりますが、うち四十六
年度中にサービスを開始する局は四百七十九局であります。
市外
電話の基礎設備につきましては、市外
通話サービス
改善計画に基づきまして、必要な新伝送路並びに市外
電話局の建設を計画いたしました。
なお、
広域時分制度実施のため必要とする工事費所要額のうち、四十六
年度分として二百四十億円を計上いたしております。
また、
情報化社会の発展に伴う社会的
要請に即応して、
データ通信サービスの提供をさらに積極的に
推進することとしておりますが、まず、多数の利用者を対象とします
データ通信サービスにつきましては、販売・在庫管理システムを前
年度から継続の名古屋のほか、新たに福岡、札幌、広島に、さらに東京について一システム計画するとともに、科学技術計算システムは、前
年度から継続の大阪のほか、新たに名古屋、さらに東京について一システム、
電話計算システムは、新たに名古屋について計画することといたしました。
次に、利用者の要望によって作成します
データ通信サービスにつきましては、前
年度から継続の大阪府信用金庫協会システム・札幌オリンピックシステムなど十システムに加え、新たに九システムを計画いたしております。
農山漁村における
電話普及の
促進をはかるため、
地域集団電話を二十五万個架設するほか、農村
公衆電話一千個の架設等を計画いたしております。
なお、非常災害時における対策費として百一億円を計上しております。
以上をもちまして、最近の公社
事業の概況
説明を終わらせていただきます。