○
美濃委員 もう一回聞いておきますが、その白色申告における農業地帯の標準率は私も覚えております。私は北海道ですが、北海道あたりは作別に標準率を示しますよ。それから、あらかじめ納税者が作付申告をやりますね。作付の実態と作物によって所得が違うわけですから、標準率が悪いと言うのじゃない。ところが、行ってみると無差別ですね。十アール当たり何ぼという標準率を
かなりきつい姿勢でおつけになる。これは私行って実際に見てきたわけですが、農協の組合などで、君たちはどうして農協あたりが少し、これでは——私は標準率が悪いと言うのじゃないのですよ。白色申告に対してあらかじめ標準率を設定して目安をつけるという作業、これを一がいに非難しておるわけじゃないのです。だけれども、無差別に十アール当たり何ぼで、たとえば特殊の、労働力は非常に要するけれども、所得の高い高級野菜も込みにして——作付実態は必ずしもこれと違います。その標準率を
かなり強要的な姿勢で、全然見ないということでもないらしいけれども、
かなり強い姿勢でその標準率で申告を押しつけてくるということですね。これはやはり自主申告のたてまえからいうと、少し姿勢が強過ぎるのじゃないか。それが無差別ですから、せめてホウレンソウは何ぼ、ネギは何ぼ、あるいは何は何ぼというふうに、
品目別に標準率が分かれておると、そして作付の実態にそれが当てはまるようになっておれば、まだその弊害は少ないと思うのであります。頭から十アール当たり十二万七千円となにするわけですね。そこに
かなり無理がある。その調整について誠意が欠けておる、煩瑣だから。結局申告納税取りまとめの——蔬菜ですから、具体的には税務署員も把握になかなか苦労すると思いますけれども、しかし、もうちょっとやり方を
考えないと、実際に標準率で押しつけ過ぎておる、こう思います。
答弁は要らないけれども、私が目で見てきたわけですから、それはひとつ国税庁のほうで、自主申告のたてまえに対してもう少し間違いない
指導をしていただきたいと思います。そうしないと、やはり課税面からも生産が阻害されるから、大衆の安い野菜をつくらなくなります、あんなことをしておったら。高級野菜とごっちゃにして、九万円しか所得のあがらないホウレンソウに対しても、十二万七千円申告せいとおどしたら、大衆のほんとうのいわゆる指定野菜、安く大衆の台所に
供給しなければならない野菜が、課税面から
生産者は今度意識的にいやになってきます。安いものをつくって大衆の食卓に供しても、こんなに税金をかけられるのでは、つくりたくともいやだというようなことになりますから、私が実際に見まして、課税方式としてもう少しその点を現地の税務署は意を払う必要があると申し上げておきます。
次に、
先ほど申し上げたような観点から見ると、
市場価格は公正な
価格といいますが、はたして
市場で形成される
価格というものが、それはせりでありますから、その面では売買は公正であるかもしれぬけれども、形成されてくる
価格というものが
生産者の実態や
消費者の実態から見ると、
市場の
取引の中で、穀物
取引所ほどではございませんけれども、ある程度の騰貴性を持っておりますし、騰貴性が全然ないとは言えませんですね。ですから、はたして
市場から出てくる
価格が公正な
価格と言えるかどうかというところに、私は疑問を持つわけですが、
取引は、せりでやれば
取引の手段としては公正かもしれませんが、
価格というものは必ずしも公正に形成されるものかどうか。たとえばああいう蔬菜
市場もそうです。穀物
取引所もそうです。旧態依然たる、いわゆる前世紀の踏襲でなしに、近代的な時代の
流通というもの、やはり
需給に対する計画性なりあるいはその
市場責任で、あまり荷物が過大に集まって、そうして
市場で放棄されるような、
値段が出ないような、あるいはある日には荷引きが足らぬで、
消費者が納得できない暴騰をする。そういうことに対して
市場の
機能というものは、やはりそれを分担しておる
流通機構でありますから、将来は一〇〇%の計画に基づく——現在においても一〇〇%それを直ちにということは要求はいたしませんけれども、そういう
機能的なものが
市場の中に加わってこなければ、ただ集まったものを、なければ何ぼ高くてもいい、せって売ればいいんだ、ある
一定の時期に対し、あるいはその日のその
市場の需要に対して、五〇%も六〇%も多く荷物が入ってきても、それは
市場の責任じゃないんだ、
市場というのはわれ関せずなんだ、そのときはもうただみたいにして売ればいいんだ、余れば投げればいいんだ——近代的な
流通というものはこういうものなのかどうか。それに対して、もう少しそういう面に
市場の
機能というものが働くように、
市場の管理機構なりあるいは
卸売りの体系の中からそういうものがある程度高まり、それが漸進的に改良されて将来はこういう——さっき言いましたような
価格の変動で
生産者がつぶれてしまうようなのも困ります。これは生産がなくなるのですから、生産がなくなれば次の
段階で暴騰することははっきりしておるわけですから、そうならない
機能というものがもう少し入ってきていいのじゃないか。ただ、公正な
取引であります、
取引の手段としてはせりだからいささかの邪心も入ってません、高い安いは知ったことじゃありません、こう言うだけのものでいいかどうか、その点どうですか。