○
奥野委員 呼び出しがかかってきておりますので、あと一問だけでやめさせていただきます。若干まとめて
お尋ねをしたいと思います。
私は、
府県にしろ、
市町村にしろ、
財政需要を的確に把握して、それに対応する
財源を的確に与えることを積極的にやっていかなければならない、こう
考えているものでございます。その場合に、
府県についてはある程度的確な
財政需要を、特定の指標でとりやすいと思います。また、特定の指標ではとりにくいものにつきましても、国庫補助事業が急激に拡大する、したがって地元負担も
相当な額にのぼる場合には、現在行なわれております事業費補正というような
方法を用いましてもさほど障害はないと思うものでございます。したがいまして、指標だけでは
財政需要を的確に把握できない場合には、事業費補正を行なって、できる限り与える
財源をその団体の需要に合わせる努力を積み重ねてほしい、こう思います。
そういう
見地で見ていきますと、現在道路費については事業費補正が行なわれているわけでございますけれども、同じ
性格を持った街路費については事業費補正が行なわれていないわけでございます。たまたまばく大な街路事業をかかえた
府県では、その裏負担に困り抜いてしまいますので、こういうものは積極的に事業費補正の対象にする、また、そういう思想で全体に対処すべきではなかろうか、こう
考えますので、このことをひとつ伺いたいと思うのでございます。
次に、
市町村の場合には、私はそういうことはなかなか困難だと思います。したがいまして、
市町村につきましては、必要な
財政需要はさしあたり
地方債でまかなわせる反面、その
地方債の元利償還額を
基準財政需要額に算入するというような方式をとっていけば、よろしいのではなかろうか、そして、それぞれの団体の需要に対応する
財源の付与を積極的に行なっていくべきではなかろうか、こういう
考え方を持っている一人でございます。
また、そういうこともございまして、辺地については、特定の指標で
財政需要を的確に把握できない、したがって辺地債というものを設けて、その元利償還額の五七%は
基準財政需要額に算入するという方式がとられておるわけでございます。あの
制度が設けられてからもう七、八年もたったのではないかと思うのでございます。その当時の
地方財政の状況と今日と比べますと、格段の差だと思います。あの当時で五七%の元利を
基準財政需要額に算入したのだから、そもそもこの割合を高めてしかるべきではないか、こう思うわけでございます。
特に私、昨年の暮れに見聞をして、なるほどこれはほうっておけないという感じを持ったことがございますので、ちょっと一言つけ加えさせていただきたいのでありますが、
自分の
選挙区でありながら、生まれて初めて昨年の暮れに野迫川という村を訪れました。村長さんの示します丘の上に二十戸ぐらいの部落がございます。自動車道はその二千メートル手前までしかきていないのでございます。生活物資はロープで運んでおりますけれども、重病人がございますと、担架で二千メートル下の道路へ運んでくるよりほかないわけでございます。高さは二千メートルもございませんで、わずかなものでございますが、お医者さんに見てもらいますと、また担架で上へ運んで帰るわけでございます。そこにぜひ自動車の入る道路をつけたいのだが、約四千万円ぐらいかかるそうでございます。一戸当たりにしますと、二十戸ですから、二百万円ということになります。これは村としてもとてもお金が出せない。しかし、二十戸の世帯がなくなりますと植林もできない。山が崩壊していくかもわからない。ですから、やはり国庫補助金を出してでもそこに住んでもらわなければ困る地域のようでございます。そうしますと、この四千万円内外の道路費は、国民全体の金でつけてあげなければならぬではないか、こう思うわけでございます。そのために辺地債の
制度が生まれたのでありますから、辺地債も、こういう場合の辺地債は、九割までは元利を
基準財政需要額に算入するのだ、こういう積極的な
財源対策を行なうべきではないか、かように
考えるわけでございまして、辺地債の
考え方も前進させるべき時期にきている、こう思いますので、これらについて、どう取り組んでいこうとされておるか、お
考えをただしておきたいと思うのでございます。
同時に、過疎対策の問題は、やはり
財政需要というものを特定の指標でなかなか把握していけませんので、辺地債
制度を活用していかなければならない。そうすると、辺地債の対象地域を広げていく、対象事業を広げていく、こういう問題も積極的に
考えてもらわなければならない。場合によっては、部落統合の費用も辺地債で見ていくという姿勢が必要だと思うのでございます。そういう辺地でありましても、どうしても長く住んでもらわなければ国家的に困る場所がたくさんあるわけでございますから、ある程度文化的な生活ができるようにするためには、部落統合も必要になってくるわけでございます。こういうものも辺地債の対象に取り上げていくべき時期にきている、こう私は判断をして
お尋ねしているわけでございます。
同時に、こういう地域におきましても、やはり教育はある程度高いものを受けてもらうように仕組んでいかなければならない。学校統合が必要になってくる。学校統合をしますと、どうしてもスクールバスを運営していかなければならない。そうすると、スクールバスについて、文部省側の補助金なんかもございますけれども、それもさることながら、どうしても
市町村に残る経費がございますので、建設費だけではなくて、スクールバスについても動かしていく経費は当該
市町村の
財政需要に算入していくべきだ、こう
考えるわけでございます。地方交付税の
基準財政需要額にこういう経費も積極的に算入していくべきだ、こう
考えるわけでございますが、こういう点についてもお
考えをただしておきたいと思うのでございます。
同時にまた、最近、観光
都市で旅館の大火が続発して多数の犠牲者が出ております。私は、こういうような地域は、おそらく旅館の密集地域だと思います。思い切って街路を広げませんと、
消防率も入れないと思います。また、そういう地域については、若干ひなびたところでありましても、常備
消防を必要とするのではなかろうかと思うのでございます。そうしますと、やはりそれなりの
消防経費も
基準財政需要額に見ていかなければならない、こう思うのでございます。ただ声を大にして合同査察とか、あるいは
消防機能の充実とかを言うだけではなしに、金の手当てもあわせて地方交付税
制度を通じて積極的に
考えていかれる必要があるのではなかろうか、かように
考えますので、この点もあわせてただしておきたいと思います。