○河野(正)委員 少なくとも厚生白書というものは権威あるものですから、その権威ある白書の中で「療養の必要がある者」と言いながら、その実態というものは把握されておらない。そうすると、療養の必要のあるものの中で、結局いろいろの
援護法の手だてが解釈上行なわれておらないということになるわけですね。そうすると私は、いろいろ
援護法が実施されあるいは改正されても、それがまんべんなく行き届いたというふうには解釈するわけにはいかない。行き届いておれば、十七万一千五百なら一千五百という
数字が出てこなければならない。特にいま
局長も、この厚生白書の表現がいささか問題だとおっしゃるが、確かに、問題であるのか、さもなければ
厚生省の援護処置というものが非常に片手落ちであるのか、この両方のどちらかだと思うのですよ。
実はこの厚生白書については私ちょっと議論があるのです。これは昨年の当委員会においても問題にしたのですが、満蒙開拓義勇隊に対する処置は終わったと書いてある。ところが、きょうも私は六
項目か七
項目か要求したいと思うのですが、終わってないのです。ところがこの厚生白書にはほとんど終わったと書いてある。そういうことで、この前の委員会でもこの厚生白書に私は異議を申し立てた
経過があるわけですが、今度の場合も、いま言ったように不適当な表現が行なわれておる。しかしやはり厚生白書というものは権威あるものだ。
厚生省が
責任をもって刊行されておる。ですから私どもは、勉強する場合にはこの厚生白書で勉強するわけですよ。こういうでたらめな厚生白書で勉強して、たまたまきょうはそういういろんなずさんなことを
指摘いたしましたけれども、このままにしておけば、私ども誤った理解で終わってしまうということですね。ですから厚生大臣、厚生白書というものはもう少し権威あるものとして社会に刊行してもらうためには、もっと
内容について検討してもらいたいと思うのです。この点についてはいま
局長からも、この表現は問題だとおっしゃっていますけれども、私は将来の厚生白書のあり方について、その
内容をもう少し慎重に検討すべきじゃないかと思うのですね。毎年毎年この
内容について文句を言われることじゃ、これは厚生白書の権威は落ちますよ。私はこれを追及するのが目的じゃありません。ただ、実態というものをもう少し把握してもらわぬと、幾ら
援護法の
内容を改善してもあまねく行き届かなければ何にもならないのじゃないかということで申し上げているわけですから、そういう
意味で、この点について厚生大臣から、今後の厚生白書のあり方ということについてひとつ御見解をお聞かせいただきたい。