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八木(一)
委員 ありがとうございました。率直な御答弁で非常に感謝を申し上げます。これはもうどんな観点からも入れなきゃならない問題なんですが、これは役所の、そういうふうに
法律を変えてしまったということを抜け切れないという繁文縟礼のために、その
障害者の方の人権が侵害されている。人権の侵害に対して保障されていないで停止をされているという状況でありまして、いままでの約束に対して攻撃はいたしませんけれども、伊部さんもいまの怠慢を改めて、
斎藤さんが熱意をもって当たっておるのですから、その補佐を申し上げて、今度の
国民年金法改正案に入っていくようにひとつやっていただきたいと思う。そういう点がもう一点あります。
残された時間がわずかになりましたから問題をしぼります。
福祉年金のほうに移りたいと思いますが、
斎藤大臣、特に申し上げておきたいことがございます。実は二年後に拠出制の老齢
年金で十年間経過をした人、これは任意でありますが、それの
年金支給が始まるわけでございます。そういう方々は、拠出制でございますから、六十五歳で支給を受けるということになる。それからもう一つは、所得
制限なしで支給を受けることになる。
昭和四十六年から拠出制の
国民年金、十年間任意加入というものが始まります。ですから六十五歳からしかるべき老齢
年金を所得
制限なしに受け取る。それまでに解決しなければならないのでございます。というのは、
老齢福祉年金というのは七十歳開始でありますから、いまの拠出制の
年金を開始されたときに、六十五歳の方がお受け取りになると、その一つ上のお年寄りの方が、
年金を理解し、
年金を熱望しても、その方は年次的に拠出制の
年金に入る機会を与えられなかった。その方が六十六歳であってもこれはもらえないわけであります。一つ下の方は六十五歳になってもらえるわけであります。非常に時期的に断層が起こるわけであります。ですから、七十歳開始の
老齢福祉年金をそれまでに六十五歳に合わせていかないと、時期的な非常な断層が起こって、
国民に対する不公平が起こる。それを前から提起をいたしておりますのに、そのことについての附帯決議が出ておりますのに、
厚生省がまだ踏み切っておられないわけであります。四十六年でやるとすれば、二年間で七十歳開始を六十八歳にする、あるいは六十六歳にする、六十五歳にするというように段階的に合わせられたほうが、
政府としてはおやりになりやすいのではないか。私は一発七十歳開始を六十歳にしていただいて差しつかえないのでありますけれども、
政府のほうからいえば、いまのほうがやりやすいのではないか。おそらくそうなれば、ことしからスタートを切らないとやりにくいことになる。そのことをぜひやっていただきたいと思います。
そこで
大蔵省が、七十歳を六十歳にすると原資がずいぶん要りますから、
斎藤さんは聡明な方ですからよくおわかりでありますが、
最初の五年間は、任意適用ですから全部ではありませんが、その次の五年間たちますと、強制適用になった老人の十年間の給付が始まります。そのときは、強制適用ですから、ほとんどの人が拠出制の
年金に入っているたてまえになっております。
年金発足のときは、幾ぶん無理解がありましたから入らなかった人もおりますけれども、原則としては入っております。そうすると、拠出制の老齢
年金をもらう人がぐっとふえますから、
老齢福祉年金をもらわなければならない人の数は激減するわけであります。したがって、七十歳開始を六十五歳開始にして原資がふえても、その差は一時的なもので、十五年たてば完全に解消いたします。そして五年くらいたてば三分の二くらい解消いたします。一時的には原資がふえますけれども、これは
大蔵省が心配するような、恒久的な何百億という原資がふえることにはならないわけです。その点は
大蔵省の人にもひとつ理解をさしていただいて、この問題をぜひ実現をしていただきたいと思います。でないと、これはほうっておけば、お年寄りですから声は高くございません。それで、その方がなくなってしまわれたあとでお墓に持っていっても、あとの祭りであります。ですから、ずうずうしく
政府がかまえるならば、ほうっておいてもそう大した問題にならない。
国民運動で国会を取り巻くということにはならないと思います。ならないにしても、お年寄りにそういうような不合理な点、ほかの
人たちはもらえるのにその
人たちは六十六歳でもらえないという点を、
政治の面で解決することがわれわれの責任ではないか。いまどんなにお年寄りの声が少なくても、われわれの時代をつくってくださった親たちでございますから、あの
人たちが遠慮があって言わなくても、不合理なことはわれわれで直すということをやっていかないといけないと思います。その点で、ぜひ
斎藤厚生大臣、このことをよく御理解をいただいて、七十歳開始の
老齢福祉年金を可及的すみやかに六十五歳に合わせる。十年間の拠出制老齢
年金の開始までに合わせる。そしてその境になったお年寄りが、なぜわれわれだけがこんなに無視されるのだろうと、老齢になってから国の
政治に対する悲哀を感じられないようにぜひやっていただきたいと思う。それについての
斎藤さんのお考えを承っておきたい。