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1968-11-07 第59回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年十一月七日(木曜日)    午前十時三十二分開議  出席委員   委員長 堂森 芳夫君    理事 鹿野 彦吉君 理事 神田  博君    理事 田中 六助君 理事 中川 俊思君    理事 岡田 利春君 理事 多賀谷真稔君       大坪 保雄君    白浜 仁吉君       西岡 武夫君    井手 以誠君       石野 久男君    細谷 治嘉君       渡辺 惣蔵君    田畑 金光君       大橋 敏雄君  出席国務大臣         通商産業大臣  椎名悦三郎君  委員外出席者         通商産業省鉱山         石炭局長    中川理一郎君         通商産業省鉱山         石炭局石炭部長 長橋  尚君         参  考  人         (石炭鉱業審議         会会長)    植村甲午郎君     ───────────── 十一月七日  委員菅波茂君、中村重光君及び八木昇君辞任に  つき、その補欠として白浜仁吉君、細谷治嘉君  及び井手以誠君議長指名委員に選任され  た。 同日  委員白浜仁吉君、井手以誠君及び細谷治嘉君辞  任につき、その補欠として菅波茂君、八木昇君  及び中村重光君が議長指名委員に選任され  た。     ───────────── 本日の会議に付した案件  石炭対策に関する件      ────◇─────
  2. 堂森芳夫

    堂森委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として石炭鉱業審議会会長植村甲午郎君の御出席をいただいております。  参考人には御多用中にもかかわらず御出席をいただき、まことにありがとうございます。  御承知のとおり、わが国石炭鉱業をめぐる諸情勢はきわめてきびしいものがあります。本委員会におきましても真剣に審議を重ねてまいっておりますが、この際、参考人におかれましても、石炭鉱業審議会審議状況並びに石炭鉱業全般にわたる抜本策などについて忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  それでは、まず最初に御意見をお述べいただき、そのあと質疑に入りたいと存じます。植村参考人
  3. 植村甲午郎

    植村参考人 ただいまお話がありました石炭問題につきましては、御承知ように、四十一年でありますか、四十年ごろからいろいろやりまして、そのときも私たまたま同じよう関係しておりましたのですが、そのときは抜本策のつもりでやったことでございますが、多少あとで顧みますと、少し懸念していたのは、もうちょっと、パー・トン百円か百五十円プラスしていたら動きがいいかなというようなことも考えていたんですが、それと実施がおくれますから、その関係で銀行の利子がかさんできたというようなことで、全体の情勢がなかなか思うようにまいりません。一方、いわゆるエネルギー革命状況というものは国際的にどんどん進んでまいりますので、御承知ような今日の石炭鉱業としましては重大な時期に参ったわけでございます。今度ひとつ何とかこの難局に対処する方策を考えるべきだということで、通産大臣からも諮問がございましたし、その前から寄り寄りは、これどうしたらいいかというふうなことも話し合いをしておったのですが、なかなかむずかしい問題でありまして、今度こそは何とかいわゆる抜本策ほんとうになるようにいたしたい。それは結局、この前のよう借金を一応肩がわりするというふうなことでありますが、その内容は、要するに赤字を消すといいますか、いままでの過去の累積赤字というもの、これを処理する、そうしてスタートをもう一ぺんやるのだという形でこの前始めたわけでありますが、今回も同様の状況が業界としても出てくる。そこで、これどうしてもやはりそういうふうな点も考えなければならないが、同時に、いわば赤字累積、これをまた穴埋めするというふうなことは今回限りにしていきたい。それからもう一つは、エネルギー革命状況を見ますと、各国とも相当苦しんでいるところでありまして、その状況というものはひしひしと迫ってくる。そこで、いわば体質上まだ若干の助成をもってやれるようなところはひとつやっていきたいし、また御承知製鉄原料炭につきましては約三分の一弱くらいのものが国産炭でやっておるのでありますが、これも若干の価格差補給金を出しておりますけれども、この点につきましてはやはり三分の一程度あるいは三割程度、その見当原料炭国内で持っているということ自体製鉄業原料調達の上からいきましても、ゼロということでなくてそれだけ持っているのだということは、ものをいう場合が幾らもあるわけでありますので、まずこれの確保を考えたいということが一つ。それともう一つは、一般炭につきましても、いわゆる政策需要といいますか、電力用炭といたしましてこれまた価格差補給金をつけて渡しているわけでありますが、これも需要ははっきりしているというようなことで、その関係をにらみ合わせながらやっていったらいいだろう。まあ幸いにして自然条件がいいとか、あるいはよく言われますが、近所の鉱区を一緒にしまして経営するようになればいいとかというふうな関係がありますれば、そこはいわば積極的にやっていけるところでありますので、これはやりようがいろいろあるだろう。  同時に、どうも現在のようコスト状況、それから将来のコストの上昇というものを考えてみますと、国際的に相当の油との競争が出てきている。なかなかそう簡単にいかない。そういうふうなところについては、これまたいわば助成の限度にもバランスがあるわけでありまして、一方では経済合理性を踏まえざるを得ないだろう。そこで、これにつきましては、いわばなだらかにだんだんしめていかれるよう状況で想定を立ててみたいというようなことでだんだんやっておりますが、なかなかこれむずかしい問題でありまして、はなはだ申しわけないとも思いますが、現在のところまだ小委員会段階で、ほんとう議論をしてきめるところへ持っていこうという段階にはきておりますがが、まだそれが実は来週――みんな忙しい人だものですから、ひとつ夜じっくりやろうということで日取りをきめたわけでございますが、その手前のよう段階でありまして、私の申し上げることがどうもアンピギュァスになったりしまして相済まないところがあろうかと思います。いずれにいたしましても、だんだん時が迫っておりますし、審議会のこれからの段階からいいますと、小委員の議がまとまりますれば、これをさらに総合委員会と申しますか、それにかけ、御意見を伺い、そして審議会の本会議できめるという段階になるわけでございます。  予算は、これまた財源としまして特別会計関係である、石油輸入関税が主たる財源でありますから、一般会計議論よりも少しくらいおくれても間に合う。しかし大体の方向は早く見当をつけて、財務当局も腹へ入れてもらっておく必要があるというので、せっかくやっている最中でございます。  経過はそんなふうなぐあいでございまして、もうちょっと前に何とかと思いましたのですけれども、このごろどうも外国へ行かれる委員が多いものでありますから、ちょっとブランクになって少しおくれているのは相すまないと思っている次第でございます。  以上、簡単にいままでの経過を申し上げました。またそんなことで、少し歯切れの悪い御答弁を申し上げることもあるかと存じますが、どうぞひとつ御質問いただきまして、また私なりに何か申し上げることができれば申し上げる、こういうようなことで進めていただきたいと思います。はなはだざっぱくな初めの陳述であるかもしれませんが、どうぞそれでお願いいたしておきます。(拍手)
  4. 堂森芳夫

    堂森委員長 これにて参考人の御意見陳述は終わりました。     ─────────────
  5. 堂森芳夫

    堂森委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。田中六助君。
  6. 田中六助

    田中(六)委員 ただいま植村審議会会長の御意見を承りましたが、時間は非常に切迫しておるということをおっしゃっておるわけですが、これは私どもに言わせますと、いまさらそういうことをおっしゃること自体がおかしな話で、四月からずっと討議されておりまして、ほんとうは八月末日にこの答申案は出るのが当然な措置で、現在もう十一月も上旬をそろそろ過ぎようという段階でございまして、本来ならば、私ども当初予想したのは、十一月にこの答申案がいまだに出ないというようなことは、全く予想していなかったことでございます。各委員外国に行っておったとか、いろいろなことがおありでしょうが、やはり大きな責任がかぶさっている審議会でございますので、その点をさらに十分認識なさって、できるだけ早い機会に答申案を出していただきたいというふうに私は思っております。  私のお尋ねしたいのは、答申案がどういうふうになっておるかということは、国民が大きな関心を寄せておりますが、十月三十日の日本経済新聞、それから十一月六日、きのうの読売新聞に、大体こういうものだというよう答申案らしきもの、新聞記者自分で書き上げたようなものではない、これはやはり審議会の核心に触れる案だと信じられるようなものが出ておるわけでございますが、この点どのようにお考えですか、会長のお考えを伺いたいと思います。
  7. 植村甲午郎

    植村参考人 一番初めの、おくれておりますことについては、いろいろ言いわけはありますけれども、私も何とか八月中、おそくも九月中にはと思っておったのですが、そういきませんで、これははなはだ申しわけないと思っておりますので、できるだけ努力して急ごうと思っております。  それからただいまの点につきましては、これは小委員会を開きました過程において、これが正式な小委員会と、それから懇談会形式で人がそろわないものですから進める意味でやっておりますものですが、いろいろな各問題についての委員意見の開陳があったわけであります。それはいろいろな問題に触れておりますし、それからそれぞれの意見が違ったことも言っておられるし、そこで今度は議論をするという段階になってどう考えていくか、もう一ぺん全体的に見れるように何か多少整理をしてまとめていただきたい。いままでのいろいろな意見の出ておるものを整理してまとめていただきたい。その説明でも伺ったときには、これについては御承知ようにだれ委員が反対していたとか、だれ委員が主張したというようなことも伺えればなおいいというふうな意味まとめていただいたものがいまおっしゃるところだと思います。したがいまして、今度はそれについてのディスカスということになりますと、私ども、また委員の各位にしても、それぞれなお意見があると思います。これらについて私といたしましては多少数字的に詰めてみてくださいというようなところもありますし、それからなお、私としては一体実際の動きとしてどうなっていくかというような点についても多少の調査をしたいところがあるしというような形で、現在ほんとう議論をする委員会を開きたいというようなことを考えておるというのが現在の段階であります。
  8. 田中六助

    田中(六)委員 当初植村試案というものが、この委員会でも植村会長説明になりまして、これをたたき台審議会討議するのだということをおっしゃっておりましたが、当初の植村試案たたき台と今回一部新聞に漏れておりますものとの内容ですね。たたき台と現在の内容というのが、私ども読みましてかなりの開きがあるようでありますが、植村会長はどのようにお考えですか。
  9. 植村甲午郎

    植村参考人 私率直に申しますが、発想法が違ったサイドから言っておるわけで、その点につきましては違うところが確かにあるのでありますが、問題は目標はいわば同じであるべきはずなんです。それで私口をすっぱくして言いますのは、ひとつ何とか最終案――最終案意味は前に進んでいくもの、また石炭それ自体として助成金なしでそう簡単にいくものでないということはあるけれども、いわゆる赤字が累積したのでここで始末をしなければならぬというようなことがもうないようにしたいという意味最終案でありたいということ。それからこの助成のほうといいますか、進んでいくほうは、これは炭層の状況のいいところ、その他の条件考えて、進むほうの計画目標がありさえすれば立つのですけれども、そうでないほうの関係については、なかなかいろいろな関係を十分に考えなくちゃいけないのでありますので、そこでこれはなだらかにいきたいという点、いろいろな問題が地域経済としても影響がある問題でありますから、そういうふうな点の手当ても考えながら、なだらかにいきたいというような、こういう目的が基礎なんでありますから、そこでかりに手法、方法論としては違っても同じよう目的を達することができれば、これは私は必ずしも方法論にとらわれないのだ。私は私でやはり委員の一人として主張することもまだまだありましょう。だけれどもまとめ立場からいえば、いまのような大きな目的が達せられればこの方法について特別にこだわることはしませんからという立場でいまやっているというのが実際でございます。
  10. 田中六助

    田中(六)委員 もう一度その点ちょっと念を押してお聞きしたいのでございますが、植村試案と称せられて当初出されたそういう案に、世間では会長植村という二字に非常にこだわってそれを固執しておるのが答申案がおくれておる理由だというように、これは報道機関の解説でございますが、いっておる。疑うわけではございませんが、それを事実とするなら、いまおっしゃった自分案そのものよりも、この答申案目的を達成できればいいのだということですね。つまり裏を返せば、植村という二字には必ずしもこだわっていないのだ、各委員意見を聞き、十分資料検討した上で、その答申案目的に達するのであればいいのだというお答えですが、その点、会長の御心境をもう一度確認したいと思います。
  11. 植村甲午郎

    植村参考人 私、全くいまおっしゃるとおりで、主張する段階では主張いたしました。それから、これからまとめのところへいきますと、そこで私の目的としている一番の重要点というのはこういう柱である、これができるような形でいくなら方法についてこだわることはありませんということを申しております。私は現在もその立場でおりますし、また一方、今度はまとめ立場をちょっと退いて、いまの目的がはたして達せられるかどうかという点については、私は私なりの意見はまた主張して、それがうまくコンバインできるかどうかこれは努力したい、こう思っておるのが現状でございます。
  12. 田中六助

    田中(六)委員 会長の御心境は十分わかりましたが、私の持ち時間がきまっておりますので、問題の中にちょっと二、三点触れて終わりたいと思います。  石炭位置づけでございますが、これは非常に大事なことで、これも私ども直接会長の口から聞いた記憶はほとんどないのですが、読んだりいろいろな報道をされたりしていることで、談話などに載っておることはわかっておりますが、目標が三千五百万トンだ、これは昭和四十八年までのことを言っているわけでございますが、その三千五百万トンということは、口でポンポンと三千五百万トンと言いますが、非常に影響力が大きいわけでございます。この四十八年度までの採掘のトン数ですが、これが会長並びに審議会委員メンバー方々の頭にありこれを中心にして討議されておると仮定した場合、これは重要な国のエネルギー政策の一環としてどうしても大切なんですが、エネルギー調査会検討を受けた位置づけかどうか、この点お聞きしたいと思います。
  13. 植村甲午郎

    植村参考人 いまの点につきましては、この前のときは五千万トン内外ということで位置づけをしてもらったわけですが、この点についてあそこの会議でそれを決定したという記憶はまだ私はないのですが、あるいは間違っているかもしれません。ただエネルギー調査会としては、いまの石油関係がどうなるか、また原子力をいつごろから期待できるか等々、それから水力の開発の関係についても新しい方法だとかいうふうなものが研究されていて、世界的に見た御承知よう石炭情勢からいって、五千万トン確保することは経済的にどうも少し無理じゃないかということは、あそこの委員の諸公も、大体ダブっているわけなんですが、考えておるということを私は信じます。
  14. 田中六助

    田中(六)委員 そうすると三千五百万トンということを中心に、五千万トンは無理だ、しかし三千五百万トンという数字を明らかにして必ずしも討議をしていないということでございますか。
  15. 植村甲午郎

    植村参考人 三千五百万トンという問題は、ここで案をしますときに、いまのどの程度の、こういうふうなことをやりたい、こういうふうなことをやりたい、そうすると予算的にどうなるかというふうな問題があります。そうしますと、大体の出炭規模というものを何か想定しませんと、その議論ができないわけですね。そこで三千五百万トンというものはどういう性格のものかというと、私やや当面的にいままで申し上げているのは、いまのようなことでどうしても何か大体この規模ということをやらないと計算ができないといいますか、一つ審議内容をつくる目安としてとったのだ、こう言っているのですが、それじゃその三千五百万トンという数字一般の世界の石炭界情勢、また日本の国内コスト関係というようなものから考えてみて、もっとシビアな議論をする方もあります。ありますけれども、まあその辺のところがどうやら計画を立てる見当じゃないかというようには考えているわけです。
  16. 田中六助

    田中(六)委員 わかりました。  それからこの質問で終わりたいと思いますが、石炭の問題は、いまのところ関係者はいずれにしても――部外者は別でございますが、最近は去るも残るも地獄だ、そういうような表現が非常に使われているわけです。したがってそういう観点から少なくとも新聞紙上、報道にあらわれておる最近の審議会答申案内容らしきものをずっと検討しますと、どちらかというと、非常に不公平じゃないかという印象を与える。たとえば、具体的に申しますと、経営者だけの対策に終始しているよう印象が非常に強いのです。したがって問題を内包しているのは中小鉱山人々経営者大手と違う人々、そういう人々に対する尺度、ものさしがどういうことか、それから退職金社内預金未払い金の問題、さらに今後の賃金や期末手当など、そういう当面かかえている労働諸条件の問題ですが、そういう問題に対する配慮並びに検討が、審議会がずうっと行なわれた中で、ひとしく大手十六社あるいは肩がわり云々、そういうよう一般炭あるいは原料炭幾らにする、あるいは閉山交付金をどうするこうするというようなことの討議の中に、いま私が申しましたようなことが十分検討されたかどうかということをお答え願いたいと思います。
  17. 植村甲午郎

    植村参考人 ただいまの点は非常に重要な問題でありますから、これは議にのぼっていることはもう初めからのぼっているわけです。ただ、いまの詰めの点になりますと一いまその詰めの点に入るところなわけですが、結局大手十二社といいますか、十六社でしたか、一応対象にしたのは、出炭のほうからいきましても、将来のことを考えても影響が大きいので、まずそれをひとつ洗ってみるという関係があります。それから中小方々もおいでになっていろいろなお話がありますから、そこで何といいますか、いずれにしましても国費を使うわけでありますから、そこで一方で公平の原則といいますか、痛いならば痛い、同じ痛さでいくべきであるというふうな点もありましょうが、これをどういうふうに適用していくかというふうなことを加味して考えていかなくちゃならない。それから、ただ具体的にいろいろないまの御指摘の問題になりますと、いままでずっと一両年閉山の場合なんかの処理の関係があるわけであります。比較的借金がなくて身軽であって、かりに労務者の関係にしましても、やりやすいところと借金が多くて困るところというふうに両方あるわけです。これらについても、だんだん聞いてみますと、幾らかずつ向上しているようでありますが、できるだけひとつ、あまりひどいことのないようにしていこうとか、いろいろなことがあるわけです。これは、いわば詰めのところで考えていくべきことだと思います。
  18. 田中六助

    田中(六)委員 最後と言いましたけれども、もう一つ聞きたい。  これはほとんど大手に関することですが、中小に対するものさし大手一緒にしてしまうと、いままでどおりのような、この前の一千億の肩がわりのときでもほとんど大手で、中小に対する大きな不満を与えている。中小というのはどうしても金を借りようにも借りられない状況にあるわけです。それからもう一つは、非常に企業努力をしておって借りられないというような不公平が起こるわけです。借金をうんとしておけばそこは借りられる。そういうことは、つまり検討たたき台にするならそういうところをたたき台のうまみにしておかなければ、それこそ公平の原則に反すると思いますから、十分お考え願いたいと思います。  最後にお聞きしたいのは、肩がわりの問題が再建交付金ということばに今度はなっているわけですが、一千億円と、前と同じ方向ですが、それは四十四年度から十五カ年間にわたって分割交付するということになっておるようです、これは事実かどうかわかりませんが。そういうときに、しかも十五カ年の中でもしも企業が倒産した場合、政府は――これは金融機関との担保の問題になるわけです。端的にいえば借り入れ金担保解除の問題ですね。それを二分の一しか保証しない場合、金融機関ははたしてその担保を抜くのに応ずるかどうか。担保を抜かなければ、いままでと同じような調子で、これは何にもならぬと思うのです。それからもう一つは、そういう二分の一の保証で今度はまた新規の融資に応ずるか、そういう二点がどうしても具体的に問題になってくるわけです。この二点についてちょっと御見解を聞かせていただけるならばと思います。
  19. 植村甲午郎

    植村参考人 ただいまの点は、端的に申しますと、はたしてどういうふうに具体的に動き得るか、したがって石炭鉱業というものが、それでもって進むにしろ退くにしろやっていけるか、この辺のところが一番心配なところの一つなんです。これについてはどう考えるのがいいか、具体的に実際に適用されたときにどういうふうになってくるか、この辺のところは、私は一番頭を悩ましている点でございます。
  20. 田中六助

    田中(六)委員 これで終わります。具体的に答申案というものがはっきりしていないさなかで、いろいろまだお聞きしたいのですが、そういう状況でございますので、以上で終わりますが、植村会長植村試案という植村にこだわってあまりやっていると、むしろそれこそ大局を逸するかわからぬし、やはり審議会メンバーというのは優秀な方々が十分おられるわけでございますので、その点も御配慮の上、早期に結論をお出しくださることをお願いしておきます。
  21. 堂森芳夫

  22. 岡田利春

    岡田(利)委員 石炭答申が延びておるわけですが、これからの日程では、小委員会結論を出し、さらに総合部会を開き、総会を開き、答申を出される、大体このめどはどのように立てられておりますか。
  23. 植村甲午郎

    植村参考人 これがどうもむずかしいわけですが、夜業をやろうという決意を小委員会としていたしましたから来週やります。なかなかそう簡単に一ぺんで済まぬかもしれぬけれども、もう一ぺんやっていくということになりますと、あと多少具体的な詰めの作業がありましょうが、そうしておいて、総合委員会あるいはその次は本会議ということになるわけであります。できるだけ早くということは一体どの程度めどだ、こう言われると思うのですが、ほんとうはできるなら今月中にでもぜひやりたいような気持ちでおります。ちょっとずれるというようなことがあり得ないともいえないのですが。
  24. 岡田利春

    岡田(利)委員 いままでの報道関係をつぶさに私ども検討いたしますと、審議会といわゆる通産原局、大蔵、通産関係、何かこういう点で非常に対立といいますか、意見の相違というものが表面化されている。審議会に期待をしている一般の国民の側からすれば、これに対する不信感というものが増大しているんではなかろうか、あるいはまた、この過程で議論されておる内容が非常に多岐にわたっている、こういう点で、関係者の動揺あるいは産炭地住民の不安というものが非常に大きくなりつつあるように私は思うわけです。こういう点については、会長としてのお考えを持っておられますか。
  25. 植村甲午郎

    植村参考人 ただいまの通産当局あるいは大蔵当局との、これは質問の形で出たもので、そういうふうな数字になるんならなるほどというものもありましょうし、まだ多少のみ込めないものもあるというのでありますから、対立ということは考えられないと思うのです。  それから大蔵当局、これは主計局とは対立じゃないけれども最後まで折衝があるだろうと思いますが、しかし審議会の小委員の諸君にしろ、石油の関税の範囲内ということでやるべきだということは考えております。大蔵当局にしましても、その範囲内においては考えてくれるような形でございますから、そういう意味の対立はないわけであります。ただ、あるいは人の関係とかなんとかといろいろ波及するところがありますから、それについてはまだ意見調整ができてない新しい問題も出ましょうしということは考えられますけれども、いわゆる審議会側と官庁側と対立しているというようなことはありませんですから、これは御安心していただいていいと思います。
  26. 岡田利春

    岡田(利)委員 私は、将来の国政のあり方からいっても、審議会制度が活用されておるわけですから、そういう意味で、審議会自体としてはあくまでも自主性をもって当たるべきではなかろうか、こういう強い希望を持っておるわけです。特に、いわゆる植村構想の内容を展開してまいりますと、伝えられておるのは、これは全面撤退案である、三千五百万トンどころか、将来は消えてなくなるかもしれぬ、こういう説と、言われておる通産原局等の案は三千五百万トンであるけれども、これは絶対に将来とも確保するという面が強調されている。そこに思想的な、ものごとの考え方の相違というものがあるんだ、こういうぐあいにずいぶんいろいろな方向から私どもの耳に入るわけですが、この点について、会長さんの真意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
  27. 植村甲午郎

    植村参考人 その点はちょうど私一ぺんどこかで申し上げたいところなんでありますが、前のごく初期の時代にいわゆる植村構想なるものが出まして、それでこちらへ呼び出されて、一体どういうんだというお話があったことがあるわけですが、これは社会党の方だったかどこだったか知らぬけれども、退却のほうだけ力説しているじゃないか、一体本意はどうなのだ、いや本意はできるものを伸ばすのだ、そうしなければとても経済性の効果がやり切れない。そこで、それにはいわば炭鉱の事情、自然状況その他から、またコスト関係からとてもいかぬという見通しのものはだんだんやめていただくのだということなんですよ。それでいまのいいほうの問題は、これは具体的ないい炭田が、初めはもめていてしょうがないと思っていたら、その裏のほうからとてもいいものでも出てくれば、これはいままではとてもいかぬと思っていたのが展開するわけですよ。そのときに積極策は幾らでもとれる。ただ、しめるほうの関係は、先ほど申し上げましたように、炭鉱の関係者はもちろんでありますが、社会的な影響というものもあるのだから、これをスムーズにやりたいということがあるものだから、そちらが力説されている形がありますと、なるほどおっしゃるとおりのところがありましょう。これは教えられましたといって何か私語のときに言ったことがあるのですが、まさしくその気持ちでおります。
  28. 岡田利春

    岡田(利)委員 過程を通じていわゆる窓口整理、入り口整理という問題が議論されておりますし、これはまだ結論が出ていないようでありますが、いずれにしましてもこれからの石炭政策を進める場合に、企業と単位炭鉱の関係は思い切った再編成をしない限りこの問題はつきまとっていくと思うわけです。入り口整理の場合は企業そのものは成り立たないし、そうでない場合は閉山があるわけですから、企業としては継続は非常にむずかしいけれども、中に含まれておる単位炭鉱としては、これはある角度から進めれば相当やっていける、そういう若い体質を持っている、こういう問題が必ず私は出てくると思うわけです。こういう点についてはこれらの議論を通じてどうお考えでしょうか。
  29. 植村甲午郎

    植村参考人 いまのようなのは、これは何といいますか、たとえば三井山は労使の非常な努力でよくやっているわけです。ただそこに一つ問題は、鉱害は置いてきているわけです。ですから、そういうふうな形でも、やはりまだまだやれるところは生かしていくのがほんとうだと私は思っておるわけです。いろいろな議論がそこに出るかもしれませんが、これは私なりの気持ちを申し上げておきます。
  30. 岡田利春

    岡田(利)委員 先ほど述べられましたように、これからの石炭政策が、わが国の鉄鋼の伸びから考えまして、原料炭の一定確保ということに相当力点が注がれることは当然だと思うわけです。しかしまた、一般炭の場合においてもわが国のエネルギーの需要の伸び、特にまた原子力にバトンタッチをするまでの油の需要の伸び、こういうものから検討してまいりますと、鉱害対策上いろいろ問題が出てくるのではなかろうか。したがって、設備は十五年程度は最低稼働できますし、また渇水、豊水等の関係もありますし、そういうピーク時に対応するという体制もありますから、こういう面、あらゆる面を含めてある一定の電力用炭の確保、特にサルファの少ない電力用炭の確保というものがきわめて重要視されなければならないのではないか。しかも昭和四十年代の経済の伸び、エネルギーの伸びを一応推測いたしますと、特に来年度あたり電力危機が訪れるのではなかろうか。これは特に集中化しておる地点でありますけれども、こういう予測が一応成り立つわけです。こういう面から対応して、いま石炭政策をきめる場合に、一般炭の面がなだれを打つということは総合的なエネルギー政策上非常に大きな失点を得ることになるのではなかろうか、こういう考え方を私は持っているわけです。したがって新たな面の公害対策上の問題、そういう面と、今日建設されておる発電所の地点、環境、こういう点から考えれば、もちろん全然問題にならないところは別でありますけれども、ある一定の期間というものは石炭の問題は非常に慎重に対応しなければならない時期に立たされておるのではなかろうか、こう私は考えるのでありますけれども、所見を伺いたいと思います。
  31. 植村甲午郎

    植村参考人 いまの電力用炭の問題につきまして、来年の水の関係、これは気候異変がありますとほんとうにあぶないわけでありますが、それから需要の集中化の関係がありますから、これはもちろん考えなければいかぬところでございます。  それから一般炭につきましては、一定の与えられた条件でもってやれるようなところはもちろんやっていただくという形のわけでありますが、いまの電力用炭の供給を、これはちょっと過去の例でとってくださいといっていてどうもあげられなかったことがあるので、たいへん信用を落としているわけなんです。こういうふうな点についても十分考えなければいけませんし、またいまのサルファの問題等もよく考えてやるべきだというお話は、私も検討すべき問題だと思っております。
  32. 岡田利春

    岡田(利)委員 石炭のこの問題の審議当初から問題になっておりますのは、石炭は私企業であるべきかあるいはまたある程度思い切った再編成を行なうべきか、こういう問題がつきまとっておるわけですが、これからの日本の石炭の私企業とは何ぞや、いわゆる需要については当然政策需要になりますし、またそういう点の予算もついてまいりますし、生産体制についても、それぞれ機械その他の配置についても政策がありますし、またある一定のトン当たり幾らかの補助金といいますか、こういう形で安定補給金を出している。こうなってまいりますと、実際掘ることだけが私企業での立場を発揮できるのであって、それ以外には競争も何も実はないのではないか。要するに能率を上げることのみにおいては確かに競争の原理というものは確立されておりますけれども、それ以外の競争の原理が確立されていないとすれば、もはや私企業というのは看板だけであって内容は全然違うのではなかろうか。こうなりますと、ある程度やはりそういう面を十分認識することによって思い切った再編成の方向というものをとっても、別に実態上はそう変わりがないのではなかろうか、こう私は考えておるのでありますけれども、何かイデオロギー過剰といいますか、あるいはまた、いままでの石炭は古い伝統的な面がございますから、そういうものにこだわり過ぎているのではなかろうかとこう思うのですが、その辺の御所見を承りたい。
  33. 植村甲午郎

    植村参考人 私は石炭ような性格のもの、これはイギリスは御承知ように鉄鋼、石炭を国営でやっておるわけなんですが、これを日本の時点で日本の事情で考えますと、やはり私企業でいくべきだと私は思っております。  ただ、いまのたとえば販売の関係とかいわば配給面、これについてどうかというような問題はありますが、これも何か販売会社が一社できて、そこへみんな生産したものを売ってしまう、そこで今度は配給するのだという形になりますと、これはまたそういうことを言っていいかどうかわからぬが、ちょっと食管会計みたいになって、販売努力のほうがちゃんといかないのじゃないかというふうに考えるわけなのです。そこで、何らかそこに、いまでも、これは計算上の問題だけであまり働いていませんが、電力用炭については一つの機構があるわけなのですが、どういうふうな形にするのがいいかということはありますが、何かやったらこれは自主的に――場合によったらかえって委員会制度のほうがいいともいえるかもしれませんし、そうでなくて会社にしてやったほうがいいということになるかもしれませんが、何かやらなくちゃならぬだろう。ただ、一手買い受け、一手払い下げみたいな形になると、これは大量のものですし、もてあましてしまうような結果になる。そういう形はちょっと私の頭の中にないわけでございます。
  34. 岡田利春

    岡田(利)委員 時間がございませんが、私は当面の石炭政策で次の五つの点を実は常日ごろ考えておるわけです。私どもは特に国会にも国有化公社案の一つの案を実は出したわけですが、しかし、問題は次の五つの点が連立方程式として同時に解決をされる方法があるならば、そういう点を十分議論をして、それを求めるべきではないか、実はこういう姿勢をも兼ね備えて持っているわけです。その第一点の問題は、出炭規模というものは経済性を見ながら一体どうなっていくか、そういう点で、ただ軽くすれば、少なくすれば、高い安いという思想に立つべきではなくして、ある一定の、とにかくやはり現在程度に近い出炭規模を確保するようにまず努力をするという前向きの姿勢を持つべきではなかろうか。そのためには原料炭の確保はもちろんのこと、むしろ一般炭原料炭化もこれからの趨勢であるし、また先ほど申し上げました電力用炭の確保、こう考えれば、ある程度経済性に乗れば、これを抱えるのにわが国の経済力から見てそうむずかしい問題ではない。  第二には、流通の改革の問題ですが、石炭は伝統的な価格形成が明治以来今日まで続いておるわけです。これを改革するためにはやはり制度的にやらなければ改革できないのではなかろうか。あるいはまた炭種をずっと検討してまいりますと、炭種の需要への適合化という問題は単位炭鉱ではできないけれども石炭サイド全体から見ればある程度可能ではなかろうか。そのことが国民経済上非常に大事ではなかろうか。そういう中から、もちろんわが国の産炭構造から見ればルールのようにはまいりませんけれども、部分的な総合開発、こういう面が第二点としてこれからの政策上当然考えられなければならない。  第三点の問題は、労働力の確保の問題であります。地下労働者は国際的にもなかなか確保は困難でありますし、国内的にもそうであります。したがって、自分の山が終掘になる、あるいはまた途中でどうなるかわからないという状態では安定雇用ができませんから、これはずっと引き続いて産業として雇用できるような措置、こういうものが当然考えられなければならないのではなかろうか。そして、それにも地下産業であるからといって、飛び抜けて待遇することはできなくとも、一定の労働条件を確保する、こういう意味で、労働力の確保が特に重要ではなかろうか。  第四点の問題は、保安の確保。今日の災害の現状から見れば、保安を確保する、安全な職場をつくるということが非常に大事になってまいりますし、これとうらはらの関係で技術の開発、機械の集中利用、技術のいわゆる総合的な活用といいますか、この点が第四点として考えられる。  第五点としては、地域経済の問題でありますが、特に産炭地の主力が北海道に移った以上、北海道の産炭状況を調べてまいりますと、あまりにも地域経済に与える影響が大き過ぎる。もう町がなくなってしまうというような状態もございますし、しかもそのあとは残念ながら木を植える以外に産炭地振興対策は立たない。こういう地域経済の深刻さ。九州地区の、あるいは常磐地区の鉱害問題は、これは炭鉱をやめても鉱害処理はしなければならぬ問題でありますし、そういう点では鉱害処理の問題はいずれにしても地域経済上当然やらなければならない。私はこの五つの問題点というものがどういう方法で解決できるか、それがどうも植村さんが言われたような構想がいいのかあるいは集中一社化という方針がいいのか、三社化がいいのか、こういうところで初めて再編成問題というものがすなおに出されてこなければならぬじゃないか、こう実は考えておるわけです。こういう点について御所見を承りたいと思います。
  35. 植村甲午郎

    植村参考人 いま御発言のありました点は、いずれも相当重要なところであります。ことに労働力の確保の問題、一つ方法論をおっしゃったのでありますが、その方法について考えたことは正直言ってまだございません。が、保安のほうはもちろんいまでもやっておるし、またこれから力を入れなければならぬことだと思っております。  それから地域経済の問題は、御指摘のとおりほんとうに山の中は困るのですな。それをどうするか。そこをただ温存するわけにもいかないししますが、一方では産炭地振興の関係にしましても、そういうふうな点を特別考える、あるいはそこの市とか自治体が困るので、そういうふうなところもある年限の間は何かするとか、あと臨時的な方途を立てるとか、いろいろなことがあると思います。こういうふうな問題はこれから詰めていく問題でございます。  それからいまの会社の統合問題ですが、これは中には、たとえば鉱区関係等であるいは相当勧奨――私は命令するような機構をつくりたくない。それはどうも困ると思いますが、強い勧奨をやれば、そこにまあよほどの――人間ですからあれとは一緒になるのはいやだなんという場合があればこれは別ですけれども、実際双方の利益になることでありますから、まあこれは勧奨すれば、やはりわかってくださるようにもなってくるのではないかというように思います。それから、一般的の問題としますと、いやなものを命令でもって一緒にすることはなかなかできないですね。これは一つの制度ができてやれば別ですけれども、それは私企業でやるたてまえをとりたいということを考えるもんですから、そこまではいかない。ただ諸情勢がだんだん移りましてここまで国としても力を入れてくれるのだし、いままであまり仲よくないのだけれども、ここでひとつ一切を投げうって一緒になりましょうやということでもあれば、これは非常にけっこうなことだと思っていますが、そういうふうな心境のときにはこれを半強制的にやってもうまくいかないのではないか、ということを考えて、これはあまり強制はしない。しかし、何かいまのよう石炭の生産上メリットがあるのに、少し考えがおかしいではないかなんというのであれば、これは十分に説いて、その気になってもらうようにやるということはやるべきではないか、こう思っております。
  36. 岡田利春

    岡田(利)委員 以上で私の質問を終わりますけれども石炭政策は社会的摩擦をできるだけなくする形で政策を立てるということですから、政策よりも答申そのものがあまり社会的摩擦を起こさないように十分配慮して答申されるよう期待いたしまして質問を終わりたいと思います。
  37. 堂森芳夫

  38. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 時間がないそうですから、ごく簡単に質問をいたします。  率直に言いまして、いま岡田委員が質問しましたように、私どもはいま炭鉱の近代化におけるいろいろな条件、その隘路の解決のために、項目をあげてみますると、鉱区の問題あるいは流通機構の問題、雇用形態の問題、あるいは保安の問題、管理機構あるいは債務の問題等をいろいろ検討をすると、結局統合という問題が出てくる。そうすると政府はさきに一千億の肩がわりをして、さらにいま一千億近い企業に対する肩がわりをせざるを得ない。それを国民が納得する方式を考えるならば、いまの企業形態のままでいいだろうかという判断をする。そういう場合に、国有という問題が起こる、それから統合という問題が起こる。そこで、私どもはイデオロギーを抜きにして、結局これらの問題を総合的に解決するには国有公社化以外にないではないか、こういう結論を下したわけであります。現実に、欧州の例を引くまでもないのですが、最近御存じのようにドイツでも三十社ぐらいある炭鉱を七つにして、その上に一社の管理会社をつくった。ですからよその国もかなり、好ききらいは企業によってあるでしょうけれども、自由選択とは名前をいいますけれども、事実上は補助金を全部打ち切るというのですから、その新しい制度に乗らざるを得ないということになれば、結局強制的に統合をしておる。そして、かつて日本でも日本製鉄株式会社が官営八幡製鉄所を中心にして集まったときも同じよう情勢であった。ですから、今日の炭鉱は、もうこれ以外にはない。それを国有というか、あるいは株式会社にして電源開発のような方式にするかは別として、何かそういう前進をはからざるを得ないのではないか。第三次答申の際に、これは企業対策であって産業対策ではないという批判を受けた。ところが、今日通産省案としていわれるものは同じ轍を踏もうとしておる。そうして、すでに鉱区の統合といいましても、その次の段階は石狩炭田も筑豊炭田とまさに同じ運命にある。ですから、くしの歯を折ったような形でありますから、次の時期には統合のメリットが比較的少なくなる。ですからやるならばいまだという感じを非常に持っておるわけです。審議会としてはこの方式についてどこがいけないか、どういう点に欠点があるかという点を、どういう御議論をなさったか、これをお聞かせいただきたいと思います。
  39. 植村甲午郎

    植村参考人 審議会はどういう議論をしたかということになりますと、そう正確にお伝えができないかもしれませんが、やはり一つ石炭産業の性格上なかなかむずかしいという点と、それから地域が非常にこっちこっちに分かれているわけですね。それの問題と、それからもう一つは、どうも官業的形ですね。公社にしましても、これはなかなか能率的にいかないのじゃないか。そういうふうなことが問題になったのです。それから、それならば、たとえば九州と北海道と地域別に統合したらいいんじゃないかというようなことも、これは一応は考えられるかもしれぬけれども、これまた具体的な実施の段階になりますと、この期に及んだのだからそのくらいの覚悟をしろという議論もありました、それから、そうはなかなかいかぬじゃないか。これは一方からいえば、あるいは現段階においては業界としてもあまり賛成しない人のほうがずっと多いけれども、ある段階にくればやはりひとつ考えるべし。また現にそういうふうな意見も業界の中にあるわけでありますが、どうも現段階においてこの石炭業についてそれをやるということはうまくいくかどうか。私、海運の関係で、これはまあ同じようなことで、いわば左手と左足を切ってきなさい、そうでなければ死んでしまうじゃないか、そういうことで幾つか統合したことがありますが、あの場合とどうもちょっと違うものでありますから、私自身としてもいまの段階で、かりにそういうふうに無理にやらしても、あとうまくいくかどうかという点について非常に疑いを持つものですから、私としてなかなかそういうふうなほうへ踏み切れない、私の個人意見を問われたとき、という現状でございます。
  40. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 植村会長は最初管理会社というものを打ち出されましたが、これが後退をしたと聞いておるわけです。しかし、管理会社というものが消えますと、実際は政府みずからが乗り出してやらざるを得ない。ですから、表では消えたようだけれども、官僚統制の面からいうならば、事実上政府が支配する、こういう形になると思うのですね。これは一体審議会ではどういうふうなことで消えていったのかお聞かせ願いたい。
  41. 植村甲午郎

    植村参考人 いまのお話のところは答弁むずかしいのですが、どういうようないきさつと言われると、結局先ほど来申し上げたよう議論がだいぶ出て、これはやりようによってまずいぞという意見が出まして、それで結局それじゃ後退するか、だけれども、何かしらんやはり必要な場合がありはしないか。現在でもどういう制度にしますか、これは詰めなければならぬ問題でありますが、これから新しい制度というふうなものを、これはでき方でやり方は違うと思いますが、何らかのものが必要じゃないかということは考えておるわけです。いわば受けざらですね。受けざらの形がどんなふうな形になるか、あるいは小さい受けざらを二つ、三つつくるのがいいのか、またそうでなくて一つ、しかし、そうむやみに大きな受けざらでないけれどもつくるのがいいかというような問題もあります。これはもうちょっと議論しまして、全体の動きに応じたものを何か詰めなければいかぬじゃないかというふうに思っておりますが、ただ、いまおっしゃるような形までの有力なる受けざらというものは、いまの段階では――一番初めの段階ではある程度大きな構想でしたけれども、これは私自身としても一いま後退しておるというのが実情でございます。
  42. 多賀谷真稔

    ○多賀谷委員 最後に、私は、かつて五千五百万トン出炭規模といい、あるいは五千万トン出炭規模といったときは、出炭規模が意義があったと思います。それは政策需要をつけてやらなければ、幾ら供給をしても需要が伴わないからであります。今日もう需要業界は五千万トン分に相応するおのおのの受け入れ体制はあるわけであります。そこに私は、三千五百万トンという数字を入れる意義があるかどうか、むしろしかじかの条件に沿わない炭鉱は閉山をする、こういう体制になるのに、出炭規模までいう必要があるかどうかという点について非常にいま疑問を持つわけです。ですから五千万トンとか五千五百万トンといったときとは非常に事情が違う。ただ経済企画庁が一応エネルギーの試算をする等の意義はあるでしょうけれども、意義が非常に違う。そのことが逆に初年度、すなわち四十四年度においてすでに三千五百万トンの体制になって、四十四年度には三千五百万トンを割る体制になる可能性を非常に憂えるわけです。政府は、通産省の案では窓口規制はしないといっておりますけれども、事実上、実質上もう窓口規制と同じ状態、たとえば肩がわりができない、あるいは肩がわりをやっても途中で閉山をすれば金額を減らすという制度が出れば、金融機関としては締めることを要請する、政府もそれをする、労働者は比較的抵抗をしない、あきらめるということになれば、四十四年度が三千五百万トンになるという大混乱の中で石炭は当初から出発しなければならぬということになる可能性がある。これの歯どめを一体どういうよう考えられておるのか、静かなる撤退がこれでできるかどうか、その保証があるかどうか。すでに失敗をしておるわけでありますからお聞かせ願いたい。
  43. 植村甲午郎

    植村参考人 ただいまのお話はいろいろなことに関連するのですがね。私自身としてもいまの、これが保てなくちゃならぬ一つ原則というものに――撤退については、静かなる、スムーズなる撤退をしたいわけですから、これがむやみに集中するようでは困るわけですね。これは需給上も困るわけですね。これがそうなるかならぬかという問題が一つあるわけです。これは一つ情勢判断になるわけで、その意味からも、具体的な案を早くきめませんと、誤解に基づいた行動を各炭鉱地としてやるようになりますと、困るわけなんです。いま一番心配しておることの一つなんであります。その大体の体制としますと、四十八年度ですね、その辺の体制になるかということは考えますけれども、それはスムーズにやりたいというふうなことを考えまして、いま一番心配しているところの問題、その確信はあるかということを――いまそうならないかという御質問なんですが、その辺はいま私として苦悶しておるところであります。
  44. 堂森芳夫

    堂森委員長 田畑金光君。
  45. 田畑金光

    ○田畑委員 時間が切迫しておるので、また重複もいたしますので、重複を避けながら二、三お尋ねしたいと思います。  先ほどの御答弁を聞いておりますと、われわれは答申がもっと早く出るものと期待していたわけです。ところが、植村会長お話によりますと、できるだけ早くということで考えておるが、十一月中にはということも考えられるが、あるいは場合によっては、ずれるかもしれぬ、こういうお話です。どういうわけで答申がこのようにおくれておるのか。特に、先ほど来いろいろ指摘されましたように、当然われわれといたしましては、今度の答申が今後の石炭産業のあり方に対するビジョンを明示する、こういう期待を持っていたわけでありますが、しかし、新聞で伝えられるものは、相も変わらず事務局の試案の段階であって、審議会一つの、石炭政策のあり方に対するビジョンというものが欠けておる、このように判断しておるわけで、そういう面において、審議会の中でなお議論をするために相当の時間が必要であるというのかどうか、この辺ひとつ明らかにしていただきたい。
  46. 植村甲午郎

    植村参考人 申し上げますが、ただいまの点は、できるだけ早くと思っておりますが、また総合部会にかけて、それから審議会にかけるというふうな形でございますね。その前に、いま小委員会段階議論をしているわけなんですが、ほんとう議論を間もなく――忙しい人がおるものですから、人がそろいませんので、夜業で始めますから、これが一回で済むということはちょっと考えられないと思うので、二回やる。それから今度は、一般の、総合部会がありますから、その検討を得て――これはそうは時間はかからないと思っております。そして、審議会にかける。そこでこれを何とか今月中には、もちろんケリをつけたいと思っておりますが、ただ、あるいは十二月のごく初めになったり何かすることも――時間を切るのはいろんなことで支障が起きると困るというだけであります。  それから、ビジョンというところまでの問題でもないかもしれませんが、先ほど来いろいろ御質問になって、私が率直に心配しているところを申し上げましたが、それらの点について見通しを、ある程度私としては、いいつもりでありますということが言えるようなところへ持っていきたいと思っておるわけです。そのほんとう議論というものを、これから夜業でやります。そうしますと、大体今度はわりあいに進行が早くなるんじゃないかと期待しているのが現状でございます。
  47. 田畑金光

    ○田畑委員 実は、植村構想なるものについて、これは相当世間も期待し、また石炭企業の労使の間においても注目していたと見ておるわけです。実は私も、先般ヨーロッパの石炭事業を見てきまして、いろいろの感想を持って帰ってきましたが、特に西独の、私企業原則を守りながらもあのような統合会社、ブロック別会社をつくっていくようなやり方というものは、日本にとっても一つの示唆を与えておるものだと見てきたのです。植村構想なるものもそういう意味において何らかの将来の石炭のあり方というものを示すものだ、こう見ていたわけでありますが、新聞の伝うるところで比較、検討いたしますと、大きく後退しておると私は見るわけです。たとえば石炭部門については新旧勘定を分離するとか、あるいは石炭部門と非石炭部門の勘定を分離するとか、こういう問題なども出ておるわけですが、これは植村構想の当初考られた分離構想とどのようなつながりがあるか。あるいは植村構想の中においては、特に管理会社構想もありましたし、もう一つは、また炭鉱労務者については全責任をもって退職金その他を確保するという措置を講じようとする構想があったはずでありますが、今日この伝えられる内容から比較、検討した場合に、そういう面も大きく後退しておるというか、質的に変わっておる。しかし世間の伝うるところによれば、今度の事務局でつくった案は、植村構想も取り入れた折衷案である、こういうような言い方をしておりまするが、植村会長自身は、この点についてどのようにお考えになっておられるのか。さらに先ほど来のお話を承りますと、今後の小委員会の中で植村構想の考え方もさらに入れていくという御努力をなさるやに承ったわけでありまするが、そういうよう方向で御努力なさるのかどうか、明示していただきたいと考えるわけです。
  48. 植村甲午郎

    植村参考人 植村構想を取り入れるという表現を使われるとちょっと困るわけなんですが、問題は、先ほど来申し上げたように、本来、今度の石炭政策を立てる柱が何本かあるわけなんです。これは何とか実現できるようでないと困る。それの一つの案として、いわゆる植村構想と称するものが出て、それならやれるのじゃないかとひそかに思っていたわけです。しかしこれに何もとらわれることはないのでございまして、あの構想でいわれておる目標が達成できれば、これは違ったサイドからアプローチしたってちっとも差しつかえない、こう思っております。  なお、いま新聞に伝えられておるものにつきましては、私は私なりに、この点はどうなるだろうか、つまりうまく運用ができるだろうかという点で心配な点があるものですから、これはこれで、私なりのまとめ立場をちょっと後退して、私は私なりの意見を皆さんに聞いていただいて、やろう、こう思っておるわけです。そこで植村構想の何か再現みたいな形で、そうかと言われると、何か一部似たところもおのずからあるかもわからない。私の発言は、しかしそういう意味じゃないので、実際に将来できます案が大体の目的を達成して、そうして円満に運行できるような形であるなら、これは方法はちっとも問わないという立場を、さっき申し上げたのですが、いま私はとっておるというのが現実でございます。
  49. 田畑金光

    ○田畑委員 今度の――私、これは新聞報道を論拠として申し上げるわけでありますが、原料炭一般炭の間に非常な差別を考えておる。これは先ほど来の質疑応答でよく私も理解しておりますが、今後の鉄鋼産業の発展を考え原料炭需要の多々ますます弁ずる傾向を考えたときに、国内から少なくとも三割の原料炭を確保するということは、将来売り手市場が予測される原料炭のあり方として当然の措置であると考えますけれども、しかし、また同時に一般炭についても、今日まで長い間の植村審議会中心として政策需要という形で努力をされてきた経過考えてみまするならば、あるいはまた、先ほど来議論の出ておる地域社会に対する影響であるとか、あるいはまた、最近はそのようなことばがだんだんなくなりましたが、エネルギーの供給の安定の問題であるとか、あるいはまた、国際収支経済の問題を考慮した場合に、同様に私は一般炭についても当然従来の施策を、原料炭と均衡を得て考えていくのが政策のあり方である、このよう考えておるわけでありまするが、この点について、もう一度ひとつ会長として今後答申内容検討に当たられてどういう態度で臨まれるかをお伺い申し上げるわけであります。  また同時に、いろいろ先ほど石炭位置づけについて議論がありましたが、やはり石炭が五千五百万トンあるいは五千万トン、一つのわが国のエネルギーの中における位置づけを明確にしながら、政府がこれに対するエネルギー政策、あるいは助成政策をやってきたところに、私は石炭の存在価値があり得た、こう見ておるわけであります。先ほど申し上げたように、ヨーロッパの国々はどこに行ってみましても、やはり静かな撤退とは言っておりまするが、年度計画のもとにあらゆる施策を集中的にやっておることを考えたときに、今回のこの答申の中においてエネルギーの位置づけ石炭位置づけというものがほかされていくということは、私は石炭産業にとって非常な危険信号である、このよう考えるわけでありますが、この点についてどのように取り組まれる御姿勢であるか、あらためて承っておきたいと考えます。
  50. 植村甲午郎

    植村参考人 ただいまの最後の点、先ほど来申し上げておりますが、一つの目安として三千五百万トンというものをやっていく。それから先の問題になりますと、炭価にしましても、このごろ製鉄用炭の世界市場はちょっと高いようですが、そういうような問題もございますし、それから山の状態にしましても、またいいと思ったら何か事故の大きいのを起こしてだめになったとか、またもめていてだめだと思ったら、案外非常にいい稼行のできる炭田が、違ったサイドからやればあるとか、いろいろな状況の変化があるわけでございます。そういうふうなものを見てやっていくという形でまいりたいというのが、一応考えておるところでございます。  それから原料炭と、一般炭関係は、いまのロー・サルファというような問題もありますし、またちょっとメリットも考えられます。ただ格差がついていますのは、一つは平均的に見ますと、つまり山々を調べますと、原料炭コストは高いのです。そういうような点がひとつ響いて、若干の格差を設けるのがむしろ合理的じゃないか、奨励というようなものを除いて平等にしましても、それがやや、それだけがほしい点が強いものだからということだと思います。コストが全く同じですと、また少し違うのですが、いずれにしてもバランスはもちろん考えてやるべきだと思っております。
  51. 田畑金光

    ○田畑委員 最後に、いろいろありますが、希望かたがた申し上げるわけであります。今度の再建交付金、結局肩がわりでございまするが、肩がわりの実施についても、やはり去年の肩がわりにプラス退職金の預がり金などを今回は考慮する、こういうよう内容ようでありまするが、それぞれの企業内容というのは異なると思いまするが、やはり過去においてとにかく労使協力してやってきた山についても、十分今後の是正政策が均等化するように、さらにまた、今日までの施策の中でともすれば中小炭鉱が忘れられがちでありましたが、そういう面についても特別の配慮を払うこと。あるいはまた、中小炭鉱においては特に働く人方の賃金を見ますと、日雇い労働者以下のたとえば期末手当の支給を受けているというような実情等を聞くわけでありますが、こういう問題等についても、きちんと審議会段階において労働力が確保できるような金の流れ方を規制しておくことも必要であろうと考えるわけであります。また先ほど来議論がありました労働力確保の面において、特に炭鉱の住宅環境整備の問題などについても、この際保安の問題あるいは機械化の問題等々と相まちまして、善処されることが必要であろうと考えておるわけであります。特にまた今後の金融問題を見ましたときに、昨年の肩がわりが実は金融機関の擁護に終わって、これ幸いと金融機関が炭鉱との取引から手を引いたというような過去の経験を考えたときに、今回のこの再建交付金という名前での肩がわり措置が、はたして今後の炭鉱の金融措置というものをどうするかということは、私は一そうの不安を感ずるわけでございまして、幸い経団連会長として最も財界における影響力の強い植村会長でありますから、この辺の事情も十分考慮されて善処し、答申の中においてもいま申し上げたような点をきちんとひとつ整理されて、ほんとうに今度の答申というものが結局はまた昨年の二の舞いかという不安を与えることのないように最善の努力を払っていただきたい、このことだけを強く希望を申し上げまして、質問を終わります。
  52. 堂森芳夫

    堂森委員長 大橋敏雄君。
  53. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 お忙しいようでございますが、私で最後でございますので、よろしくお願いします。時間がございませんので、答弁は簡単に要点だけでけっこうです。  きのうプリンスホテルで小委員会が開かれたと聞いておりますが、その小委員会の六人のメンバーは全部おそろいになったのかどうかということが一つ。それから結論として、いわゆる答申の小委員会での内定をなさる予定であったと聞いておりましたけれども、それが十二日の日にまた持ち越されたということを聞いておりますが、これはどういうことだったのでしょうか、その点をお願いします。
  54. 植村甲午郎

    植村参考人 そろっていないで、土屋さんが大阪へ行かれておられませんでした。それからまた答申作成のほうから言いますと、先ほど来問題になっております雇用関係あるいは従業者の福祉問題、住宅問題というようなものもまだ残っておりましたので、それらのものをやって、ほんとうディスカスが延びざるを得なかった、こういうことでございます。
  55. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 とにかく関係者はもちろんのことでございますが、この答申を首を長くしてみんな待っているわけです。これはもう八月の末に出るということで、これが十月もそして十一月末も危ういということを聞くと、いよいよ不安はつのるばかりであります。特に炭鉱に従事している労働者等は死活問題にも通ずる内容だと私は思うわけであります。政策のかぎはタイミングである。つまりタイミングをはずした政策はナンセンスだともいわれております。したがいまして、従来の抜本策もいつもこのタイミングをはずしたために抜本策になり得なかった。これは過去三回の対策の実績を見ても如実に証明されるわけであります。病気の治療にいたしましても、時期をはずせば致命傷になるということも多いわけです。  そこで、私はこう思うのですが、今度の対策というものは石炭政策でほ最終段階の大詰めの案だということで最高、最大の慎重を期することは当然のことでありますけれども、このようにぐずついている中にも石炭産業は日一日と苦境に、逆境のふちに追い込まれているわけでございますので、私は、現状に即した、いわゆる中間答申の形でその急場を切り抜けてもらいたい、そうでなければ傷はますます深まるのではないか、こういうふうに考えるのですが、この点どのよう考えをお持ちでしょうか。
  56. 植村甲午郎

    植村参考人 ただいまおくれたことについては、これは先ほど来申し上げたとおり、できるだけ早くと思ったけれども、問題がなかなかやっかいなものですからおくれておるのが現状ですが、小委員会で一回もしくは二回やりますと大体の方向はわかるのです。そうしますとあとはわりあいに早くいくんじゃないか。これはもちろん本委員会でいろいろな御議論が出ることはございますけれども、勉強すればきまっていくんじゃないかと思います。  それから中間答申関係ですが、そんなふうでございますから一ぺん、あるいは二へんになるかもしれませんが、小委員会ディスカスをしていわば腹をきめれば、あとは中間答申というふうな形でなくいけるんじゃないか、また、審議会としてえらいこまかいことを書くことも必要はないかと思いますから、というのが私のいま感じているところであります。
  57. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 私が心配をいたしますのは、いままでの経過を推察しまして、これはいまおっしゃるように、ある程度までくれば一挙に固まるのじゃないかとおっしゃるのですけれども、なかなかそれが信じられないわけです。むしろあいまいな立場で政策が決定されて実施されるようなことがあればそれ自身が目的から離れる、はずれるんだ、こういうふうに心配するわけであります。これは私個人の考えでありますけれども、四十四年度はいわゆる最終的な抜本対策のための検討期にして、四十八年をめどにされておるようでございますが、むしろそれを四十九年、一年延ばすべきではないか、こういうふうな考えを持っておるわけです。いま言いますように、あいまいな立場で策定されることを非常に心配しておるわけですが、その点についてもう一度お願いします。
  58. 植村甲午郎

    植村参考人 いまの四十九年度まで延ばせというお話なんですけれども、これはまた一方からいってできるだけ早くやりたいという点と、それから多少もたついている感じを与えておるのは、やはり重要問題なものですから、ことに前からの関係の方が多いわけでありますから、今度はあまり前と同じじゃ困るじゃないかという意見もありますしするので、いろいろなディスカスをしますと、それについての大体数字的にどうなるかの判定もしたいとかいうふうな問題があっておくれておりますので、はなはだ申しわけないのですが、ここのところ、この次の夜業ともう一回くらいやるかもしれませんが、そこでひとつ四十九年度といわずに四十八年度を目標にやりたい、こう思っ  ておる次第でございます。
  59. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 石炭会社の長期借り入れ金を返済するため、来年度から十五年間にわたって約一千億円の再建交付金を分割支給するということを新聞報道で見たわけでございますが、先ほどの会長さんのお話にもそれらしい話があっておりましたのですけれども、これは前回の一千億円の肩がわり措置と全く同じことではないか。つまり前車の轍を踏むのではないかという心配が強いわけでございますけれども、この点についてひとつ答えてもらいたいことと、それから今回の長期借り入れ金の返済の措置というものは、中小炭鉱はまたまたその恩恵に浴さない、そういう感じを受けるのですけれども、その点はどうでしょうか。
  60. 植村甲午郎

    植村参考人 お答えいたしますが、前の点は先ほど来るる申し上げた形で、あの形としますと、一応ああいうふうな十五年で、それから締めたらばその二分の一、これは担保と関連するわけなんですが、その辺のところにやはりむずかしい問題があるわけでおります。  それから中小関係につきましては、これは冒頭に申し上げましたが、何ぶんにも多額の国費を使用する問題でありますから、一つの公平の原則といいますかというものは考えなくてはいかぬのじゃないか。ただ一方からいいますと、多くはそう借金を持ってないのだから、借金を持ってないところはいまの肩がわりというものの利益はないわけですから、そういうところも相当やれるようにしたいというふうな形も考えてやっておるわけでございます。これがそれでよろしいかどうか、そういうふうなところはこれからのディスカスにのぼして、これで大体よかろうというところにきめてまいることになるだろうと思っております。
  61. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 ただいま中小炭鉱は借金もそう多くないというふうなお話と承ったように聞きますけれども中小炭鉱は借金ようにも借金できない状態に置かれていたというのが実情であります。したがって、長期借り入れ金が対象になりますとほとんどはずされる、対象にならない。いわゆる大手偏重政策ではないかという感が強いわけです。つまり中小炭鉱というのは、いままでの大手に比べてのギャップをつまり企業努力あるいは賃金の格差、資材代金等の支払い繰り延べ等によってかろうじて生き延びてきたというのが実情であります。そこで中小炭鉱でも、再建維持可能なものはその対象内に入れてもらいまして、先ほど言ったように長期借り入れ金のみでなくて、短期借り入れ金あるいは一般債務、資材の未払い等も含むわけですが、こういうものに対してやはり別個に考慮していただきたい、こういうふうに希望するのですけれども、その点はいかがなものでしょうか。
  62. 植村甲午郎

    植村参考人 ただいまのところは寸借金というと肩がわりの問題になるのですが、どの程度までそれをやるかということについては、これはそう簡単に借金全部というふうな形は言えないと思いますが、いまの中小とそれから大手との権衡といいますか、これについてはもちろん十分に考えていくべきところだと思います。  それからどんな政策がどんなふうになるか、これはまだこれからの問題ですけれども、いわばオプションで、こういうふうなあれがある、それでどの制度をとるか、これは炭鉱主がどれが自分のところとしては一番やりやすい、また利益であるというところを選んでいただくような形を考えております。これはどの道、その内容がどうなるかは別問題として、なると思います。
  63. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 とにかく中小炭鉱について特段な配慮をお願いしたいということであります。  それから、先ほど石炭位置づけについて、三千五百万トンを想定したのは計算の都合上である、あるいは一つの目安としたのだというようお話を伺ったわけでございますけれども、この位置づけのそのトン数が石炭会社そしてその従業員にどれほど大きな影響を及ぼしているか、これはもう想像も及ばないわけであります。つまり三千五百万トンになればいわゆる入り口整理が行なわれるのではないかということで、それだけで動揺しているわけですね。不安を抱いているわけです。私は思うのですが、同じ計算のための想定であるならば極力現在の位置づけとしてきめられている五千万トンに近いそういうものを想定なさってやっていただきたい、こういう感じを持つわけでございます一が、この点はいかがでしょうか。
  64. 植村甲午郎

    植村参考人 それは一つの御意見として拝聴いたしますが、四十八年を目標にしていっているわけでございまして、その目標からいいますと、まずその辺のところに想定されるんじゃないかということで一応選ばれていると思います。したがって非常な、内外ということばがいいかどうかわかりませんけれども、結局需要と生産の現況次第ということもありますが、一つのそうきまったものじゃありませんけれども、大体五千万トン確保でいくということを打ち出せるかというと、率直にいってそれはちょっと無理だという感じを持っているわけです。
  65. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 ですからそれに極力近い最大許容量といいますか、それを想定して計算してもらいたいと思います。  それから、現在のエネルギーの事情からある程度の撤退はやむを得ないと思いますけれども、そういう立場から考えていきますと、産炭地域振興が非常に問題になるわけであります。現在までは絵にかいたもちみたいに、かけ声はありましても現実には振興されておりません。これもきのうの新聞内容を拝見しますと、「産炭地域振興対策の推進」とあるその項の中には「現在審議中の産炭地域振興審議会答申を尊重して推進する四という短い文句で打ち切られておりますが、この中で一つお尋ねしたいのですけれども、いわゆる第二種公共事業の実施等がいま強く叫ばれておりますけれども、こういう点など十分配慮されるのかどうかということです。
  66. 植村甲午郎

    植村参考人 いまのそれらの点にわたりましてきのういささかディスカスしたわけでありますが、まだ詰めに入っておりません。おりませんが、いままでの産炭地振興のやり方、それについてこれまでに、もうちょっと今度は地域ということを考えて、交通その他もたいへん不便なところについて同じ基準では無理じゃないか、いわば小さいもの、あるいは要するにそこの人たちを吸収できるものならば、何でもいいということばは少し適当ではないのですけれども、小さくたってしかるべきものならできるだけ助成するような形でも入れたらいいだろうという、そういういろんな議論があるわけですが、いまの御指摘のところにつきましては、これは各省にまたがることでございますし、これはぜひ日本の産炭地振興にほんとうに役立っことはできるだけ何でもやってもらうという立場でくふうがつかないかという気持ちで、きのうは皆さんやっておられたと思います。ただ、いろんなまた違ったサイドからの議論がありましょうから、法規上どうなっているとかいろんなことがあると思いますから、これは是正できるものはできるだけ是正してもらいたいというのが気持ちでございます。
  67. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 時間がないようでございますので最後に一言申し上げますが、昨日の新聞の見出しに「目先だけの石炭再建策、金融措置も不十分、静かな撤退はとてもムリ」とこういうように出ております。われわれもなるほどこのとおりだというような感を深くするわけでございますので、もっと実質的なほんとうに再建できる内容を盛り込んでもらった答申を希望いたしまして、私の質問を終わります。
  68. 堂森芳夫

    堂森委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人には御多用中のところ長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。     ─────────────
  69. 堂森芳夫

    堂森委員長 引き続き政府当局に対する質疑を続行いたします。岡田利春君。
  70. 岡田利春

    岡田(利)委員 北海道の雨竜炭鉱の閉山の問題が出されましてからしばらく時間が経過をいたしているわけです。その後雨竜炭鉱の労使の間で話を続けておりますが、まだこの問題の決着はついていないわけです。しかし、労働者側としては、この際雨竜の閉山についてはやむを得ないのではないか、したがって従来閉山が進められてきたそういう方向ににらみ合わせて、お互いに話し合いをつけて円満にひとつこの問題を解決しようか、こういう状態に今日なっていると私は思うわけです。ところが、雨竜炭鉱は御承知ように古河の傍系炭鉱でありまして、従来、たとえば豊里の閉山の場合にはずいぶん社会的にも大きな問題になりまして、親会社である明治鉱業はこの閉山問題に対して積極的な態度を示しつつ豊里の炭鉱が閉山をされた、こういう幾つかの実績がございますし、大体大手の場合の租鉱山についてはそういう体制でスムーズな労使協定が結ばれ閉山が行なわれるというのが私は通例だと思うわけです。今日の状況を私なりで判断をいたしますと、そういう従来の姿勢というものが古河の場合には見られないのではないか、そのことが話し合いが進行しない大きな理由になっているのではないか、私はこう実は考えているわけですが、通産当局としてはこの問題についてどう把握をされておるか、まずお伺いをしたいと思うわけです。
  71. 中川理一郎

    中川説明員 雨竜炭鉱の閉山問題につきましては、私のほうも古河のほうから、採算に乗らないので、しめたい、こういう申し出をかなり早い時期に聞いたことはございます。またその後労使間でいろいろ話をしておるということは承知しておりますが、いまの御質問のように、何か労使間の話し合いの中に非常に大きなトラブルがあるということのそのトラブルの原因が何であるかということはさだかには承知しておりません。と申しますのは、御質問のように古河鉱業という大手、特に石炭だけをやっている会社ではない、兼業部門も持っている会社の傍系会社でございますので、通常の閉山の場合にありますような、たとえば当該会社が非常に苦しいために既定の退職金も払えないというよう状況に置かれている閉山問題ではございませんので、私が古河の社長から聞いております限りにおきましては、社内規程の退職金は全額支払うということで閉山を決意したのだ。それから就職あっせんについては責任をもって処理をいたしたい、こう言っておるわけでございますので、ほかの理由であれば別でございますけれども、ほかの理由と申しますのは閉山がいやだ、山を存続さしてもらいたいということで労働組合が言っておるのでございますと、これはまたもつれると思いますが、それでないとすれば、条件問題その他ではそう大きなトラブルが起きるはずがないというふうに考えておるのでございます。むしろ端的にどういう点がトラブルの原因になっておるのか、御承知であればお教え願いたいと思います。また就職のあっせんに責任を持つというのは、要するに一般的な基本方針でございますので、あるいはあっせんするといいながら具体的にそうしつかりしたあっせんをしておらぬというような点がございましたならば、これはまた承りたいと思います。政府側といたしましても再就職につきましては労働省と協力いたしまして、これはもちろん労使間の話がついた上のことではございますが、話がつけば協力いたしまして万全を期したいと思います。
  72. 岡田利春

    岡田(利)委員 閉山の問題については、これは条件によって閉山するという柔軟な態度を組合側は新たな角度から決定をいたしたわけです。御承知ように古河の雨竜というのは、古河から雨竜鉱山にいわゆる第二会社に切りかえられたときに、その時点で一応退職金の清算が行なわれておりますから、いわば退職金というのはごくわずかな金額でありますから、この評価は普通一般の場合と比べて問題はないわけです。しかし北海道の事情からいって、特にもう雪の降る時期でございますし、これからそろそろ転換をしなければならないという事態にありますので、そういう面をめぐって、大手の古河鉱業は肩がわりを受けておるので、従来の他の大手会社が中小系列会社を閉山した実績、こういうものをにらみ合わして問題を解決すべきではないか、こういう方向で直接古河鉱業と現地は話し合いをしたい、こういう状態になっておるわけです。いわば山の企業代表だけでは解決できませんから古河鉱業と話をしたい。豊里の場合にも明治鉱業とも話し合って問題は解決したわけです。そういう点について具体的な条件内容はともかくとして、時期が時期であるだけに、ずれてきますともう雪に埋まってしまうという地点でありますので、そういう点については従来の間接的な行政指導もあり、他の山が閉山をされたという、こういう実績もあるわけでありますから、十分当局としても注意を払ってこの問題が解決できるように措置を願いたい、こう思うわけです。
  73. 中川理一郎

    中川説明員 具体的な点がよくわかりませんけれども、私それでは一回古河を呼びまして事情を承知した上で善処いたしたいと思います。
  74. 堂森芳夫

    堂森委員長 大橋敏雄君。
  75. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 私は石炭産業界の資金難を心配いたしまして、ずっと前の石炭委員会でそのことを質問いたしましたところ、そのときは局長の答弁で九月ごろまではどうやら切り抜けるだけの対策は打った、こういうふうに記憶しておりますが、もう九月もとっくに過ぎたわけでございますが、その後のそういう資金対策についてはどのような手を打たれたのか、それを中川局長に一言お伺いしたいと思います。
  76. 中川理一郎

    中川説明員 現状におきましては、審議会答申の出ることを関係者、ことに金融機関も含めまして見守っておる状態でございますので、いままでのところ特別に資金繰りの問題で大きな問題があるというふうには承知しておりません。各企業が上期に私どもが講じました措置に従って万全を尽くしておる結果大きな問題が起こってないということだと考えております。ただこれから先の問題になりますといろいろ問題があろうかと思いますので、答申が出ましてから昭和四十四年度以降の政策が打たれるまでの期間の資金予想というものにつきましては、私どもこれから企業の実態を調査いたしましてそれに対応する措置を考究いたしたいと思います。
  77. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 昨日の新聞の中に経過金融措置という表現で出ておりましたけれども、合理化事業団の債務保証制度を活用していわゆるつなぎ金融、その部分の金融については優先的に返済する措置を講ずる、たとえば安定補給金あるいは閉山交付金等を見計らって優先的にやるのだというふうに読んだのですが、そういう動きは間違いありませんか。
  78. 中川理一郎

    中川説明員 先ほど申しましたように、今後新しい政策が採用されますまでの期間にどれくらいの資金手当てが必要なのであるかという額の見きわめをいたしませんと、なかなかそれに即応した対策考えにくいわけでございますが、いま御質問にございました合理化事業団の債務保証制度を活用することは、額のいかんにかかわらずこれは使いたいと思っております。それから新しい政策が適用されました場合、いまの再建交付金なり閉山交付金なりから今後行なわれます経過金融分の取り扱いにつきましては、額その他との関係もございますし、そうでない企業との均衡論もございますし、どういうふうに取り扱うか、実態からいいますとある程度優先的な配慮をしなければならないと思われるのではございますけれども、公平論、均衡論等からいいますとかなり問題もございますので、まだ確定的な結論には達しておらない、むしろ今後それに対しても相当突っ込んだ御議論を願うべき事項だと考えております。
  79. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 最後に一言大臣にお尋ねします。  先ほど植村会長にタイミングの問題を尋ねまして、むしろ中間答申の現状に即応した内容で切り抜けませんかと言いましたところ、審議会立場ではとても延ばせますということは言えないと思うのですが、大臣の考えとして、私は先ほど申しましたように、あいまいな立場で政策が決定されて、それが実施されるということを非常に心配しておるわけです。そこで来年度を抜本対策のための暫定期間と見て、それこそ十分の上にも十分なる対策を立てるべきではないか、こういうふうに考えるわけですが……。――わかりますか。
  80. 椎名悦三郎

    ○椎名国務大臣 先ほど伺っておると、四十八年を四十九年まで延ばしたらどうかというようお話でございましたが、いまからたった一年延ばすことについて、従来の考え方にこの際手を入れる必要はないのではないかと私は思います。それから問題は、結局だらだらおくれないようにしたい、そういうことでむしろこの問題に対処してまいりたい。  それから中間対策を云々のお話がございましたが、中間報告を求めて、それによってまずさしあたりの対策を立てるということは、形の上では成り立つようでございますけれども石炭対策は、全体が一つの一環として考えなければならない問題でありまして、それをこうよりよりにと申しますか、きれぎれにして、そしてまず四十四年度の対策はこうだ。あとは一体どうなるんだ。あとのことはあとのことだ、こういうことになるのでありまして、かえって非常な不安を醸成することになると思います。ここのところはなるべく急いで、そして全体の構想をとりまとめて、その一環として四十四年度からかくかくの手を打つのだということにしたほうが業界に対して安定感を与えるということになると思います。
  81. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 今度の対策はいわゆる失敗されない背水の陣の対策だと思います。先ほど植村会長さんに聞きましても、きのうの小委員会のわずか六人のメンバーがそろわない。その小委員会を終えてその後また総合部会等が開かれるということになると、これはいつのことかわからぬぞというような懸念も起こるわけです。はたしていま私たちが思っているような確固たる対策が立てられるのかという心配からの質問でありますので、こういう点をもう十分踏まえた上で対策を立ててもらいたい。それについて最後に一言意見をお聞きしたいと思います。
  82. 椎名悦三郎

    ○椎名国務大臣 植村会長にお願いしておるわけでございますが、植村会長もできるだけ早く結論を得たい。時期ははっきり言えないようでございましたが、なるべく今月中にというようお話もありましたが、信頼して待たなければならぬと思います。
  83. 大橋敏雄

    ○大橋(敏)委員 終わります。
  84. 堂森芳夫

    堂森委員長 次回は、来たる二十日水曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十三分散会