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1968-05-21 第58回国会 参議院 内閣委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月二十一日(火曜日)    午前十時五十七分開会     —————————————    委員異動  五月十七日     辞任         補欠選任      佐藤 一郎君     菅野 儀作君      岡本  悟君     源田  実君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         井川 伊平君     理 事                 石原幹市郎君                 八田 一朗君                 伊藤 顕道君                 山崎  昇君     委 員                 菅野 儀作君                 二木 謙吾君                 山本茂一郎君                 前川  旦君                 多田 省吾君    国務大臣        国務大臣     木村 武雄君    政府委員        行政管理庁行政        管理局長     大国  彰君        行政管理庁統計        基準局長     片山 一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        相原 桂次君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○行政機構簡素化等のための総理府設置法等の  一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 井川伊平

    委員長井川伊平君) ただいまから内閣委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十七日、佐藤一郎君、岡本悟君が辞任され、その補欠として菅野儀作君、源田実君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。関係当局からの御出席は、木村行政管理庁長官大国行政管理庁行政管理局長片山統計基準局長、以上の方々です。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 山崎昇

    山崎昇君 たいへん忙しい中を、地震で北海道へ視察に行かれまして、私が出身でもありますし、また国会議員の一人としても、長官にまず敬意を表しておきたいと思います。これからお尋ねする一局削減問題とはおのずから別でありますから、わかるまでひとつ教えてもらいたいと思うのであります。  第一に、この間の委員会で私にあなたが閣議にかけると約束したんですが、文書の取り扱いについてどういうふうに閣議決定になったのか、その経過とひとつ結果から御説明願いたい。
  5. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) この席上で閣議にかけようと、こう思っておりまして、いままでの経過を調査してみたのです。その結果、内閣官房長官指令も出ておりまするし、いろいろな関係があったものですから、これは内閣官房長官と相談して、官房長官のほうから指令徹底せしめたほうがよろしい、こう考えまして、こっちで調査いたしました書類を持参して、官房長官と相談をいたしまして、そうして官房長官のほうからそいつを全体に、もう一ぺんでも二へんでも、最初の官房長官指令どおりにしてもらうように打ち合わせをしたのであります。
  6. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、長官あれですか、官房長官から趣旨徹底をやるというのですが、これはあらためて文書通達を出すのか、あるいはそれとも関係各省の者を集めて口頭でやるのか、方法論はいろいろあろうと思うのですが、どういう方法徹底をされるのですか。
  7. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) これはやはり大きな事務でありまするから、官房長官事務当局と連絡をとりまして、そうして事務次官会議のようなものを督励して、そういう方針にさせると、こういうように了解してくださればよろしいと思うのです。私閣議で話をしようと思いましたけれども、こちらで調査いたしましたところが、「内閣および各省各庁において、各種の公用文作成するに当っては、これからは、「公用文改善協議会報告第一部公用文改善」によることとする。」として、「公用文作成基準について」、二十四年の四月五日の閣議了解事項があります。四月五日に官房長官から次のとおりの各省大臣依命通達が出されておったのです。「公用文作成基準について」、「本日別紙のとおり閣議了解となりましたから、この趣旨を全省庁員徹底させて、公用文を平易簡潔に作成事務を正確かつ敏速に処置するようお取り計らい下さい。」、こういう文書が出ておって、その書き方につきましてもここに列記したものがあるのであります。それでありまするから、これはやはり官房長官を中心にして、もう一ぺんこれを事務当局徹底せしめるほうがかえっていいのじゃないか、こう思いまして、官房長官とこの旨について打ち合わせをしたのであります。
  8. 山崎昇

    山崎昇君 さっそく長官のほうから私には閣議にかけると言ったんだが、いろいろ調査したら、過去にそういう閣議決定があって、官房長官から通達が出ておるのだが、一向に守られてないわけですね、これは。したがって、事務次官会議、その他事務当局会議等を開いて徹底するというわけですから、これはもう必ず守られるように私は監視してもらいたいと思う。そうでなければ、これまた会議を開いたけれども、出てくる文書は右左別々であったり、横書きであったり縦書きであったり、全く整理するほうからいえばやりきれない状態にあるわけですから、この点は重ねて今後の長官のひとつ実施に期待をして、この点は終わっておきたいと思うのです。  そこで第二番目に長官にお聞きをしたいのは、ゆうべの夕刊からけさ新聞等を見ておりますと、定員法については、どうも国会で成立しそうがない、こういう何か判断等があって、したがって、文部省の先生のふえる問題だとか、あるいは国立療養所看護婦問題等から問題が発展をして、各省設置法でそれらの措置をとるべきではないのか、こういう政治判断がいまなされておるというふうに私どもは聞いておるわけなんです。また、けさ新聞でも一部そういう報道がなされておるのだが、担当の大臣として、こういう問題についてどう判断されておるのか、また、どうされようとするのか、まずお聞かせ願いたい。
  9. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) この定員法を出すにあたりましては、いままでの国家公務員に対するいろいろな政府の処理についての歴史も調査してみたのであります。そしてその歴史とは何ぞやと言いますると、御承知のように戦後非常に公務員の数が膨張をした、それから戦争戦争を遂行するために臨時に雇った者も相当おりましたし、それだけでなくて各地域で、いまのことばで言いますると植民地で働いておった人々なんかも相当こっちに、内地に帰ってこられまして、それを収容しなきゃならない。非常に大きな問題となって、その一切の者を収容して、役人体制というもの、役人行政というものが行なわれておったのだろうと思いまするけれども、とてもそれではまかない切れなくなってきた。当時は占領治下でありましたから、まかないを担当しておったのはアメリカが主たるものであろうと思いまするけれども、とてもこの状態ではまかない切れるものではないというようなことから、いろいろな議論があったのではないだろうかと思います。そして昭和二十三年にこの国会でも非常に、昭和二十三年にそういう点について非常な議論があったようであります。そして公務員増加を抑制するために、昭和二十三年十二月十八日、行政機関に置かれる職員定員設置又は増加暫定措置等に関する法律を公布したことがあったと思います。その法律の内容は、雇用人等は予算に規制されていたが、昭和二十三年十二月三十一日限り各省の省令で規制することにする、それから第二が、昭和二十四年一月一日以後においては定員増加法律で行なうこと。そのときもいろいろな議論がここで戦わされたようでありまするけれども、社会党の山下さんの議論などは、私は非常にいま顧みて参考に値すると、いういうように思ったのであります。  そうして行政機関職員定員法が制定されたのであります。これに基づいて吉田内閣では第一次の整理を行なって、二十三万九千人を整理しておる。相当膨大な役人がおったことは、この一事を見ても明瞭になると思うのであります。それを約十年ばかりやってまいりまして、昭和三十六年の四月一日にまた国家行政組織法第十九条を改正して、現行法のような「恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤の職員定員は、法律でこれを定める。」というようなものにしたのじゃないかと、こう思っております。そのときには国家公務員のほうは法律できめるというても、五現業のほうは政令で規制するものとするというような別々なやり方を十年近くやってきたのであります。  その二つの足跡を顧みますと、五現業は何らの支障なく運営されておったけれども、別の国家公務員のほうは、非常に技術革新やいろんなことのために行政需要の消長というものが行なわれてきたのでありまして、それに対応する対策がこと欠くような状態になってしまった。そうした関係から今度の定員法を出す。しかし、定員法を出すにあたりまして、かつて騒がれたことがありました首切りとか、そういうようなことは一切行なわない。そしてなおかつ弾力性のある行政を行なうためには、そのほうがよろしいという定員法を出すようになったのでありまして、非常に自分考えまして、この法案でありましたならば、野党各位の御協賛は間違いなく得られるだろう。それから働いておいでになりまする人々に対しても、三公社五現業十年間の歴史に顧みて不安を与えるようなこともないだろう。こういうことでほんとうに考えまして、行政管理庁の全知全能をしぼって出した法案でありまして、第二案とか第三案なんというものは、当然考えてもおりませんし、通してくださるものであるという確信をいまだに持っておるような次第であります。これをどうするかというようなことは、私の立場においては、ただ通してくださるものであるという御期待を申し上げるだけでありまして、その扱いのことはあげて党におまかせしておる、こういう形であります。
  10. 山崎昇

    山崎昇君 いま長官から長々と定員法になった経過説明がありましたが、そういうことは私のほうも承知しているのです。ただ会期があと三日しかありませんで、巷間新聞等で伝わるところによると、定員法はどうも成立しそうもないという政治判断に立たなければならぬ時期になっておるのではないだろうか。そして、もし成立しなければ、一部に困る事態が生じてくる、こういうこともまた明らかなわけですね。したがって、私は、政府提案者ですから、そういう政治判断をすべき時期に来ているのではないか。もしもこの法案が通らぬ場合に、そういう困った事態を招来させないためにはどうしたらいいかという点で、当然提案者としては判断をすべきではないだろうか、そう私ども考えるから、巷間新聞等でいろいろ伝わるところによると、いろいろ政治舞台で話し合いがなされているようでありますけれども、何としても、私は提案者長官判断がきめるものだと思うわけですね。  そういう意味で、この定員法がいまの国会の現状からいくと、国会意思がどうも結集できない状態にある、そういう判断をあなたはなされているのかどうか、ひとつ伺いたい。もしもそういう判断をなされるとすれば、これまた新聞報道されているように、困る部分であると言われる文部省なり厚生省なり、あるいはその他二、三省あるようでありますが、そういうものが困らない状態をつくり上げるのもあなた方提案者政府の私は責任でないかと思うんです。そういう意味国会意思那辺にあるかということをあなた方も判断すべき時期ではないか、こう私が思うから、ここは長官がやっぱり政治判断をして、端的に言えば、定員法なら定員法をあきらめて、そしてもしも次善の策がとられるというならば、各省設置法等を出して、国会意思を問うことがあなたの責任ではないだろうか、政治責任ではないだろうか、こう私が考えるから、いま定員法に関連して聞いているわけです。もう一ぺんひとつその点は明確に答えてもらいたい。
  11. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 御親切ありがとうございます。私はその御好意は感謝申し上げまするけれども自分でも内閣委員長としてこういうものを取り扱った経験があるのであります。そうでありまするから、一番最後設置法の一部を改正する法律案が瞬間に通ったという経験を持っておるものですから、瞬間まであきらめないでやっていく、こういうことであります。私の考えは瞬間まではあきらめない、そういうことでありますが、ただ私の考えだけでいくものでありません。あげてそういうことは国会運営の問題でありまするから、国会運営のほうから非常命令がきた場合においてはおのずから別である。しかし、提案者といたしましては信念をもって出した法案でありますから、瞬間まであきらめないというのが定石ではないか、こういうふうに考えて、瞬間まであきらめないということであります。
  12. 山崎昇

    山崎昇君 たいへん殊勝な心がけとも受け取れないわけじゃないのです。しかし、もしもあなたが瞬間まであきらめないでやって、これが成立しない場合に、それじゃああなたはどういう政治責任をとりますか。そういう場合に起きる事態について、あなたはどういう改善策を持っているのか、その改善策があればこの機会にお聞かせ願いたい。
  13. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 先ほども申し上げましたとおりに、私はこの法案を出すにあたって非常に研究して出した関係上、第二、第三案なんというものは一つも持っておりませんのです。これが全部なんでありまして、これ以外の何ものも持たない。そしてこの法律案が通らなかった場合において、おまえはどういう責任をとるのだ、こういうことでありまするけれども、そのときに私は自分のとるべき責任決定していく、非常に責任を感ずる場合には、そう感じただけの処置はとらなければならない。出した以上は責任を持っていくのでありますから、そのときに考えなければならない。現在は、皆さま方にお願い申し上げますることは、何としても通しておもらいしたい。通すために自分でできることであったならば、どのようなこともしなければならない。こういう考えだけでありまして、現在はそれより以上何も持っていない。こういうことであります。
  14. 山崎昇

    山崎昇君 たいへんりっぱに聞こえる答弁ですがね。私はそれはやっぱり政治家としてとるべき態度ではないのではないか。なぜならば、議院内閣制ですから、当然内閣国会に基礎を置いていろんな問題を処理しなければなりませんね。そういう意味で、この定員法をめぐるいま国会意思は、大詰めにきて那辺にあるかというのは、幾ら提案者であったとしても判断をすべきではないか、そういう国会意思判断できないのであれば、私はこれはやっぱり政治家としては残念ながら及第点上げるわけにはいかないのではないか、こう思うのであります。  そういう意味で再度あなたにお尋ねいたしますが、あと委員会も一回、せいぜい最終日やったとしても二日程度しかない。いまだに衆議院ではこの問題はあまり議論されていない。そういう状態において、あなたが最後までそれは努力すると言っても、私は結果としてそうでない場合があり得る。そういう場合、あなたはどうする、そういうことについてもすでにあなたの中には政治判断は私はあるのではないか。通った場合はどうなるか、通らぬ場合にはどうなるか。したがって、私はいま心配するがゆえに、通らない場合に政治家としてどういう判断をするかということを私はあなたに聞いておるし、もっと言えば、国会のいまの状況等判断されて、これは次善の策をとるべきだという判断に立つのが正しいのではないか、こう私は考えるので、重ねて私はあなたの決断を促したいと思って、そういう意味を込めてもう一ぺんあなたの考えを聞きたい。
  15. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 非常に山崎さんの御好意は感謝申し上げますが、私は政治家として一番大切なことは、自分所信に生きることである、こう考えておりまして、自分所信が行なわれない場合においては、政治家としての態度決定するというのが私の政治の信条であります。そうでありますから、それ以外の何もの考えていない。その段階に達してその所信を行なうことができないという状態になったならば、おのずから結論を得るということでありまして、私は政治家の第一には、自分所信に生きる、その以外のものではないと、こう考えておりまするから、ただ所信に生きてみたいという気持ちでおります。
  16. 山崎昇

    山崎昇君 先ほど長官は、党のほうでいろいろいま動きがあるのだが、そういう方向決定をされれば、長官としては従わざるを得ないであろう、こういうような趣旨先ほど発言がありました。そこで私は重ねてお聞きをしておきますが、いま衆議院舞台にしていろいろ動いておるようでもあります。私どもは当事者でありませんから、内容的に詳しいわけでありませんが、方向だけはいろいろ聞いております。そうすると、そういう方向に従って最終的な決断はあなたが下します、こういうふうに私は受け取っておきたいと思うのですが、いいですか。
  17. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 国会運営のもとは党の国会対策、または幹事長執行部がきめると思います。その判断が下った場合において自分はどうするかということは、おのずから別でありまして、私は自分所信に生きる、信念に生きる、信念を生かして、その場合には、おのれをむなしゅうして信念に生きるかもしれません。そのときはそのときの判断によって私は私の政治信念に生きる、こういうことであります。
  18. 山崎昇

    山崎昇君 それじゃ私は重ねて具体的にお聞きをしたいのですが、これも新聞の報ずるところでありますから、それが真実かどうかはわかりませんので、これから真実かどうか、長官から聞きたいと思う。もしも定員法が流れるとすれば、文部省あるいは厚生省で一部困った事態が招来をする。そこで、それらを解決するために、国家行政組織法の第十九条の二項によって、政令定員をきめるという政府考え方であるということが報道されておる。これがまず第一に事実かどうか、そういうお考えがあるかどうか、まずお聞きをしたい。
  19. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 政府のどこであるか知りませんけれども、私はそんな考えはいま毛頭持っておりませんです。先ほども申し上げましたとおりに、通してもらえるものだと、通してくださるものだと、こういう気持ちでこの法案と取り組んでおるだけでありまして、そんな考えは、私現在持っておりません。
  20. 山崎昇

    山崎昇君 それじゃ重ねてあなたに確認しておきますが、政令−十九条の二項で、そういうことはやりませんね。
  21. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 現段階において秋はそういうことは考えておりません、こう申し上げておるのであります。そうでありまするから、そのことについての返事は、私はいまはそんなことを問われてみたって、私はそういうことは考えておりませんから、やるとかやらないとかなんということは、答弁範囲外であります。
  22. 山崎昇

    山崎昇君 私は先ほど来言っているようにね、この定員法は、私ども判断からいえば、不成立が必至だと私ども判断をする。そこで、不成立になった場合に困るであろう文部省なり厚生省なり、その他あるかもしれませんが、おおむねそう言われておるから、そういう省においては、何らかの対策を講じなければならぬのではないか。だからあなたに、不成立になった場合に、政府はどういう処置をおとりになられるのですか、こういうことを聞いたら、あなたは、最後最後まで成立を信じて、私は考えておりません、こう言った。そこで私は、仮定であるかもしれないけれども不成立に終わった場合には、新聞報道で、十九条二項を発動して政令で定数をきめるのだという報道が流されておるから、事実かどうかと言ったら、そういう考えはありませんと、こう言うのですから、私が確認をしておきたいのは、いま国会が開かれておって、対策を講じようとすれば講ぜられる状況にあるのに、十九条の二項で国会が終わってから政府の権限でやろうとするがごときは許さるべき行為でないと思うから、この十九条の二項によってそういうようなことはやりません、こういう考えですねということをあなたに聞いておる。もう一ぺんひとつはっきりお答え願いたい。
  23. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 私の考えは、たびたび申し上げましたとおり、どうしても通してもらいたい、通してもらえるものだと、その客観情勢がどうあろうとも、私はそういう気持ちでこの問題と取り組んでおりまするので、私の現在の気持ちはどうだろうということを聞かれましても、それ以外には何も御答弁申し上げることはできない。客観情勢判断は甘いのじゃないかとか、そんなばかな考えがあるかということをどう言われましても、私は私の所信に生きるというのが私の政治信念であります。それ以外のことは何も考えていない、こういうことであります。
  24. 山崎昇

    山崎昇君 あなたは先ほど国会運営については国会対策でやられておることだし、党の執行部できめられることだ、したがって、そこらである程度方針が出れば、そのときあなたの所信を述べるでしょうが、それに従わざるを得ないでしょう、こういうあなたの答弁ですね。そして私どもが、ある意味においては、あと二、三日後でありますけれども、推定するのに、この定員法が通らない場合もかなり濃厚になってきておる、こう判断するから、その場合に、あなた方が困られる事態をどう処理されるのか、この点私も国会議員の一人としてきわめて心配するので重ねてお尋ねしているわけです。ところが、新聞報道等では、そういう場合に、国家行政組織法の十九条の二項で政令定員をきめるから差しつかえないのだという報道が流されておるから、それがどうかと言えば、あなたはそんなこと考えていないと言う。考えていないなら、定員法が流れた場合といえども政府は十九条の二項でそういうことはいたしませんと、これが私の信念なら信念だとか、私の所信なら所信だとか、明快にひとつ御答弁願いたい。
  25. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 人はいざ知らず、私は考えておりません。
  26. 山崎昇

    山崎昇君 考えておりません一それじゃ事務当局にちょっとお聞きをしておきたい、十九条の二項の法解釈で。昭和三十六年の国会審議会の際に、「特別の事情」ということについてかなり議論されておる。その場合に、法律制定手続のいとまがないような場合、あるいはまた国会審議を願ういとまがないような場合を「特別の事情」と説明をされておるわけです。そこで、いま長官から、長官としては十九条の二項でやりませんと、こういう答弁であるのだが、この十九条の二項の考え方について、一応法律解釈として事務当局からも聞いておきたい。
  27. 大国彰

    政府委員大国彰君) ただいまの十九条二項の要件でございます。これには「特別の事情により」と、それから「緊急に増加する必要」がある場合という二つの面があるわけでございます。「特別の事情により」と申しますのは、この三十六年の審議のときにも問題になりましたが、予見し得ざる事態の発生、こういうことになっておりまして、それはそのときのケス・バイ・ケースで判定する、かように考えております。
  28. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、いま答弁ありましたように、予見せざる場合と、こういうのですね。いま国会開会中ですから予見できるわけですね、手続をとろうと思えば。そういう意味から言うと、法解釈からいけば、十九条の二項は、これは発動できない。国会が終了後に、あなた方が苦しまぎれに十九条の二項で、この解釈を拡大をして定員増をはかるなんということはできない、こう私ども解釈しておきますが、いいですね。
  29. 大国彰

    政府委員大国彰君) 現在私どももその点をまだ研究しておりませんので、その事態の起こりましたときにまた検討いたしたいと思います。
  30. 山崎昇

    山崎昇君 それはあなた、事務当局きわめて不見識じゃないですか。あなた方が最も管理すべきこの国家行政組織法について、何もやっておりません、検討しておりません、そのときになったら検討しますというのは、不見識だと思う。あらかじめ予見される条件というのは、それは災害が起きたり、緊急の事態が起きたりして、思わざることがあり得るかもしれない。しかし、いまはそういう状態じゃないですね。当然事務当局としても、十九条の二項の解釈からいって、できるのかできないのか、そういう点は検討されていなければならぬと私は思う。しかしこれは、長官からやりませんと、こういうことですから、これ以上あなた方に聞く必要もないのですが、私は法解釈上からも、この特別の事情あるいは緊急の事態に当てはまらないと、こう私ども思うのですね、今回の場合は。そういうふうに私どもはこの十九条の二項というのは、厳格にやはり解釈すべき必要がある、こういう見解からいまお尋ねしているのであって、これは私ども解釈に間違いがあるならある、間違いだとすればどこが間違いなのか、もう一ぺんひとつ私は聞いておきたい。
  31. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いま事務当局がああいう答弁をいたしましたのは、長である私が、国会開会中はそんなことは考えるべきではない、取り扱うべきではないと、話し合いをしましたときにそういう指令を出しましたから、そういうことは事務当局考えていないということは、私が長である関係上それはほんとうのことでありまして、考えさせない方針を私はとっております。ただ、先ほども申し上げましたとおりに、私は一つの信念に生きる男でありまして、事がどうあろうとも、そのときの状態において自分自分で処理するという考えを持っておりまするから、私の所信だけは重ねて申し上げておきます。
  32. 山崎昇

    山崎昇君 いや、長官信念は私は疑うわけにいかないし、どうこうせいということは言えない。しかし、信念信念としても、予定をされる政治判断について、その政治判断ができないということなれば、私は政治家としてはあまり及第点を出すわけにはいかない。信念は別ですよ。ですから、私ども心配しているのは、いろいろ巷間伝わっているところを総合すると、どうもこの定員法というのは、国会意思が確定できない、そういう段階が、あと二、三日後ではあるけれども、来そうな状態にあると私は思うから、その場合にあなた方は政治家として、どうそういう事態に対処する政治判断をなされるのかということを聞いているのですが、しかし、あなたは最後まで、定員法の成立を願うだけであって、何の対策もありません、ほかに案はありません、そして巷間、新聞で伝わるように十九条の二項、したがって政令等でやる意思もありません、こう言うのですから、この点は私は確認をしておいて、次の質問に移りたいと思うのです。  そこで長官に重ねて伺いたいのですが、この定員法、あなた方昭和四十三年度でいろいろ苦心をされたということは聞いております。そして将来三カ年に向かって五%の削減をやるという案も聞いておる。だが私は、一つ不思議なことは、かなり多数の定員職員を持っておる、その定員職員は全く非常勤ばかりではない。予算上見ますというと、開発庁のごときはきちんと常勤職員という予算科目さえ載せられておる。あるいは、林野庁の場合でも、一万人ぐらいの常勤的非常勤という名前のものがおる。それらがおらなければいまの事業が達成できない、行政事務が遂行できない、こういう状態にあることは長官も御承知のとおりだと思う。そこで、この定員外の職員というのは現在どれだけおって、そしてほんとうに日々雇用等の、正確な意味における非常勤というのはどれくらいで、常勤的非常勤と称せられる一年以上の雇用者がどのくらいあるのか、まず現状からお聞きをしておきたい。
  33. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) その定員外のまあ常勤にひとしいような職員がおいでになるということは、私も承知いたしております。その内容については局長のほうから御報告申し上げまするが、私のいま考えておりますることは、こういうような人々を何とか早くその定員の中に繰り入れたい、こういう考えでおりまして、そのことでことしは取り組んでみたい、こういう気持ちを去年から持っておったのでありまして、こういう人々の中で、一体、なるべく多くの人を定員の中に繰り入れるにはどりしたらいいかということでいま節は悩んでおります。ただ、その定員外の人も、全部いなければ行政運営が円満にいくかいかないかという点に対しましては、もっと合理的にものを考えていく必要があるのではないか、私はそういうふうにも考えております。  それから、いまの答弁ではありませんけれども、まあ政治家にもいろいろな型がありまするが、私は、大別いたしますると、功業に生きる者と大義に生きる者と二通りの型があると思います。私は功業に生きる型の者じゃない、大義に生きる者である、こういう気持ちを持っておりまするから、信念だけをお話し申し上げておるつもりであります。
  34. 山崎昇

    山崎昇君 答弁残っているのですね、現状について事務当局から説明してください。
  35. 大国彰

    政府委員大国彰君) ただいま的確な資料を持ってまいりませんので、数字が若干違っておるかもしれませんが、手元の資料でお答え申し上げます。  行政機関に置かれております非常勤職員の数は、五現業を除きまして、全部で十八万三千六百九十四という数字が出ておりますが、この中には、御承知のように、委員、顧問、参与、そういったものも入っております。また統計関係の調査職員も、あるいはまた観測、監視等に当たります職員、そういったもの全部を含めておるわけでございまして、いわゆる非常勤職員の全部の数でございます。その中で、お話しのように六カ月以上継続してということになりますと、その数は、現在私どもの手元で承知しておりますのは四千五百四十四名ということになっております。
  36. 山崎昇

    山崎昇君 いま事務当局から説明された数字ですが、これは去年の七月一日現在の数字ですね。——で、いまあなたの説明の中に、全体で十八万三千六百九十四名、委員、顧問、参与等が三万九千七百七十名、これを引いても、一般職と通常思われる定員職員は十五万人いるわけですよ、十五万人。そうして、あなたがいま、六カ月以上が四千五百四十四名と、こういうことですが、それは五現業を除いていると、こういうのですね。もしも五現業が入れば、約二万名近くなるわけです。そうすると、こういう職員がいなければ、いまの行政事務が安全遂行できないこともおわかりのとおりだと思うのです。なぜ、昭和四十三年度で定数査定するときに、こういう定数外に置かれておって常勤的非常勤と称される人々を、なぜ定員化できないのですか。  特に、私は北海道ですから北海道開発庁の実情を言っても、約二千六百名は一年以上の勤務者ですよ。そして開発庁の予算を見れば、常勤労務職員の給与がちゃんと載っておる、予算科目に。そういう状態でありながら、なぜこれが定員化できないのか。たとえば昭和四十三年度の予算で言うと、開発庁、常勤職員給与、非常勤職員手当、開発事業工事諸費、常勤職員給与、非常勤なし、予算上でもですね、ちゃんと常勤的職員については明確になっている。そういうものがなぜ定員化できないのか。そうして凍結欠員を削ると、そうして開発庁の場合でも百六十八名ぐらい定員を削っておる、逆に。これは私はね、ほんとうは定員法のときにもっと詳しくやりたいと思っておるのですが、原則論ですからきょうはお聞きをしておきたいのです。こういう職員を放置をしておいて、三%削ります、あるいはことしはどうでござるの、あなたのほうの定員のやり方というのは、きわめて片手落ちではないか、こう私は思うわけです。  そうしてさらに、この常勤的非常勤という人の労働条件を調べると、ほとんどなっていない。ほとんど一般職に与えられておるような条件はない。特に北海道開発庁の場合なんかは、四月の二日に採用して翌年の三月三十一日でやめる。四月の一日だけ一日切って、また四月の二日に採用して翌年の三月三十一日にやめる。十年以上の者がざらにおる。そういう非合法なことをやらなければ職員の任用ができないような措置をとっておきながら、片っ方では、定員削減でござる、こういうことで、あなた方は三年計画だと称して、実質の首切りはないかもしれぬけれども定員削減を行なっているのは、私は論理の矛盾ではないかと思う。したがって長官にお尋ねしたいのは、こういう定員職員というのをどうされるのか。いま聞いただけでもざっと十五万人おる。この中には日々雇用もおるでしょう。しかし、いずれにしても私は、かなりな人数は一般職の常勤として定員化をしなければ業務がとまるような状態である。そういうことを放置して、行政管理庁が単に五%削減なんという方針を出すところに、私はいまの政府のやり方というのはどうも納得がいかない。ですから定員法と関連をして、この非常勤職員定員職員というのをどうされるのか、長官からひとつ聞いておきたい。
  37. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 私ども考え方としては、順を追うて逐次定員の中に繰り入れていきたいと、こう考えております。やっぱり同じ職場におって、そういう定員とか定員外とかという不公平な待遇だけは一日も早くやめていきたい、やめるべきものだ、こう思っておりまするから、この問題は取り組んでいきたい、こう考えておるのです。
  38. 山崎昇

    山崎昇君 取り組むというんですがね。長官、あなたのやっておることは、これからの三カ年計画は五%削るんですよ。そのやり方も、欠員不補充をやって、欠員は一切認めないで、その欠員がある時期にきたらずぼっと削って、定員として今度は削っておる。いつ、どういう形で、それではこの約十五万人までいかぬにしても、常勤的非常勤と称されるものの定員化をやるのですか。これは魔術師でなければできないですよ、あなたの答弁では。具体的な方法についてお聞かせください。
  39. 大国彰

    政府委員大国彰君) お話のように、国の行政事務、必ずしも全部定員内の職員でやっておるわけではございません。現在国家公務員といたしましては、常勤職員はれっきとした公務員でございます。で、私どものほうの担当しております定員と申しますのは、十九条に書いてございますように、「所掌事務を遂行するために恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤の職員」という定義になっておりますので、先ほど申し上げました十八万の方々の職そのものに目をつけますと、これは定員内の職員でもって充てる職ではないという解釈のもとに私ども非常勤職員として扱っておるわけで、ございます。
  40. 山崎昇

    山崎昇君 私はいずれあなた方に、給与台帳を持ってきて一ぺんお見せしたいと思っているんです。これは別の機会に私はもっとやりたいと思うんだが、いまの局長の答弁では私はどうしても納得できない。なぜかといえば、いま私のノートにあるだけでも、昭和三十六年から同一の人間が、先ほど言われたような任命のしかたをして今日まで至っておる。あるいはまた、別なものについてもそういう方法がとられておる。これはいずれ私は給与台帳を持ってきて、あなたにお見せしますけれども、こういう人がいなければ、現実にいまの北海道の開発行政はできないんじゃないですか。あるいは林野の場合でもそうではないですか。一万人常勤の労務者がいなければ林野行政できないではないですか、定数内では。そういう現状をあなた方はどう見られるのですか。そうして先ほど申し上げたけれども長官はこれは、定員内に入れなければならぬと言う。私ば十五万人全員せいと言っているわけじゃない。この中には日々雇用もおるでしょう。あるいは全くその日のパートタイム的な存在もあるでしょう。この色分けは私は後ほどまた聞きたいと思いますが、ただ、いま局長の言われた六カ月以上だけでも四千五百四十四名。私はこんな数字じゃないと思うけれども、一応それを信用したとしても、それじゃこの四千五百四十四名、いつこれを定数化するのですか。あなた方の計画というものは五%削るわけですよ。やめた人のあとは補充しないというのですよ。いままでは補充しないだけだった。今度は補充しない欠員は定員として削るというんだ。自後は補充しようにもしようがない、定員がないのですから。そういうことをあなた方三カ年計画でやっておって、長官定員内に繰り入れたい。一体どういう私は策を持てばそういうことができるのか。もっと具体的に長官、これは答弁してくださいよ。
  41. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) まあ全体と取り組むということはなかなか困難でありまするが、去年から林野庁とそのことについていろいろ話をしておりまして、そして最近林野庁の中にできたものを御紹介申し上げますと、職員問題協議会というものをつくって、その職員問題協議会が主体となりまして、林野庁と行政管理庁が相談いたしまして、臨時職員人々を逐次定員の中に繰り入れていこう、こういう考えで、いまつい最近発足したばかりなのでありますが、私はそういうようなところでいろいろなものをつくりながら、逐次定員の中に繰り入れていくことはできるのじゃないか、こういう考えを持っております。
  42. 山崎昇

    山崎昇君 私はどうしてもわからないのです。繰り入れるべき定員をあなた方が削っておって、どうやって入れるのですか。どこかのサーカスの魔術師なら私はそれでいいと思う。そうじゃないんです。現実にあなたは定員を削っているんだ。いままでのように欠員を補充をしないで、定員そのままになっておる。そしてこういう人は、その欠員を使ってある程度補充していくというのなら、時間はどうするかはあるとしても、方法論はある。しかし、あなたの出されておる三カ年計画というのは、定員そのものを削っちゃうんです。長官がいま幾らそう言ったってやりようがないじゃないですか。私はさっき予算額言わなかった。しかし四十三年度の開発予算を見ると、北海道開発事業工事諸費、常勤職員給与一億八千六百十四万四千円、ちゃんと予算上では常勤労務者というものを認めて、そして一般職同様の給与までちゃんと給与費として組んであるのですよ。ただ、本人は定員外だという形で、さっき言われたような任命形態がとられておる。その他の労働条件はきわめて差別待遇されておる。ですから長官の言う繰り入れるというなら、三年計画の中で、三年間たったら全部きれいにするという意味ですか、それならそれで私は理解をしますよ。その点どうですか。
  43. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) その三年の間に定員外のものを全部処理するということは、私は大体困難だと思います。しかし、三年かかろうが五年かかろうが、この問題だけは解決したいと考えます。その解決の方法なのでありますけれども定員外の人を新規採用してとるという方法もありまするし、方法はあるのじゃないかと思います。そういう点で、各省、各庁別にいろいろなもので考えていく。こういうために、一つの問題解決のかぎとして、林野庁にそういうものをつくっておる。私はことしから何人かそういうものを解決していく、こういうふうに考えております。
  44. 山崎昇

    山崎昇君 だから長官、私はどうしてもわからないのですよ。入れるべきますをあなた方削っておって、入れます入れますと言うのだが、どうするのですかと言うのですよ。何べんも言いますが、従来のように欠員のままで定数は残す、だから新規採用あるいは昇任その他の方法で解決していくというのなら、まだ私は時間がかかる問題であっても方法論は残ると思う。しかし、あなたが出しているすなわち三カ年計画というのは、欠員は補充いたしません。そしてその欠員は定員として削ります。だから出血はしません。こういう説明ですね。それじゃ入れるべきますがないのではないですか。そこにどうやってあなた方入れるというのか。別に定員化するというのか。そうすればこの総定員法というのは私はやっぱり天下の悪法だと思う。入れるべき定数を持たないのに、非常勤職員をほったらかして、入れます入れます、事実上は何にもしないということにひとしいのではないですか、そうなると。もっとわかりやすく言ってくださいよ。
  45. 大国彰

    政府委員大国彰君) 私ども考えております三年五%は、そうした欠員を全部切るというわけではないのでありまして、大体各省平均いたしまして年間に四%の離職者が出るわけでございます。三年計画を実施いたします場合に、大体そのうちの一・三%程度を凍結と申しますか、不補充にするということで目的を達せられると思います。したがいまして、残りは新規採用ができるわけでございますので、いわゆる非常勤職員の中で適格な者をその中に入れることは十分可能だと思っております。
  46. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、長官に確認しておきますが、三カ年の間には、十五万全部でないにしても、ある程度定員職員については定数内で解決できますというふうに確信していいですか。
  47. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 確信されてけっこうでございます。そのときいろいろのものを試験のような形をとるでしょうから、適格な人になりますけれども、確認されてけっこうであります。
  48. 山崎昇

    山崎昇君 それでは三カ年間で定数外の職員はおおむね解決するという確信を持っていいというあなたの答弁ですから、それを信用しておきます。もしもそうじゃなかったら、これはもちろん私はたいへんなことになると思うが、いまは信用して、次の質問に移りたいと思います。——何かありますか。
  49. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) おおむねとおっしゃいましたが、十五万人の大半を三年の間に解決するというわけにはなかなかいかないだろうということは、最初に申し上げておったのでありますが、それを目途にいたしまして、定員の中に繰り入れて解決の方法を講ずるということであります。
  50. 山崎昇

    山崎昇君 だいぶ違うじゃないですか。私は十五万人全部と言ったのじゃないのです。この十五万人の中身も、本来ならば詳しく聞かなければならない、各省別に、あるいは職種別に。そしてさらに言えば、等級別に私は聞かなければ、なかなか確信を持てないけれども、いまは定員法審議でありませんから、原則論であなた方の態度を聞いているわけです。  そこで、さっき聞いたが、もう一ぺん繰り返しますが、十八万三千六百九十四名おります。そのうち委員、顧問、参与等の文字どおり非常勤の職員は三万九千七百七十名、差し引いても十五万人は一般職でおるということです。このうち私が承知しているだけで、例をあげればこの数字でもありますように、北海道の開発庁で六千八十九名、五現業でありますが、林野庁で約一万といわれ、そのほか法務省とか、たくさんあります。そこであなたに、こういう人については、これがいなければその行政がある意味ではとまるわけですから、ですから定数内に入れますかと聞いたら、確信していいと言うから、それじゃ三年の間にそういうことをやることを確信してもいいかと言ったら、最初いいと言った。いま何か目標として努力しますでは、だいぶ違ってくる。  そこで、私はもう一ぺん、あなたは信念信念と言われるから、あなたの信念を聞いておきたい。三年の間に十五万人全部と私は言いません。この中で少なくとも常勤的といわれる職員については、三年間で解消しますね。
  51. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) あなたのおっしゃった、十五万人と言われたものですから、とても責任を持てないのです。しかし、常勤的な、ほんとうに一年通して働いておられる常勤的な人で適格な人は、必ず解決したいと思います。
  52. 山崎昇

    山崎昇君 それでは大臣答弁ですから私は信用して、三カ年間で確実にひとつこの非常勤職員の問題は解決してもらうことを重ねて切に要望して、次の質問に移りたいと思います。  そこで、過去の行政改革の実績を私ども見てみますと、これは審議会等を設けてやられたのがおおむね十四回あるのですね。いずれも一部実施したものもあれば、ほとんどそのまま投げられたものもある。そこで、最終的に日本のフーバー委員会と称される臨時行政調査会が設置をされて、本格的に行政改革をやろうとあなた方なされたわけです。その答申が出されてすでに三年を経過しているのですが、ほとんどといっていいくらい何もされていない。この点は、本会議の質問で、佐藤総理も認めたところなんですね。そこで私は、過去の行政改革のやり方を見ると、必ず事務の整理であるとか、あるいは機構に先行すべき条件の整理についてはほとんどやられていない。必ずと言っていいくらい一律方式がとられておる。そうしてその改革が終わって翌年度くらいになると、ほとんど復活をしている。現状では五割増しくらいの機構がふくれ上がっている。こういう私は過去の実績をいえば、今回のこの一省一局削減というやり方も、また残念ながら過去のこの轍を踏むのではないだろうか、こう私ども判断をせざるを得ないのです。そういう意味長官は、過去の行政機構改革が単なる一律方式をとったために、何の合理性もなかったためにほとんどそういう状態になっておるという、こういう状態をどう考えられておるか。そうしてこの前も聞きましたが、この一省一局削減という方針は、再びそういう轍を繰り返すことになりはせぬか。それは何といっても何の合理性もないから、ただ佐藤総理が削減案を出しなさいと言っただけでやられておるとろこに、今度の問題の本質があるのじゃないかと思うのですが、過去の実績と関連をして、長官の見解を聞きたいのです。
  53. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 臨調答申が出まして、そして臨調答申が実際的に行なわれなかったということは事実なんであります。行なったものも若干ありまするけれども、ほとんど見るべきものはなかったと私は思います。何が一番大きな原因かと思って私は調べてみたのでありまするが、結局こういうことが一番大きな原因でありまして、行政管理庁が他の省庁と関係なしにいろいろな改革について立案計画いたしましても、各省庁の協力が得られないということが一番大きな原因だったと思います。言いかえれば、行政管理庁が独走してはならないという結論であったのであります。そうでありまするから、全体として全部の各省庁が共同作業をやるにはどうしたらよいか、共同作業を行なわしめるにはどうしたらよいかということで、非常に総理といたしまして考えられた結果、行政改革の閣僚協議会というものをつくりまして、全体として作業を始めるための一つの機構として置いたのでございます。それからその下に行政改革本部というものをつくってこれも全体として動く体制を整えたのであります。  そうしてその二つの立場から、今度は行政改革の根本問題と取り組んでいこうという考えを総理が起こされて、その根本問題と取り組むためには、やはり一番最初に、非常な改革でありまするから、ショック的なものかもしれません、突破口、といわれるかもしれませんけれども、ともかく、乱暴かもしれませんけれども、一省庁一局削減というものを打ち出してみて、これに成功すれば、自後の三カ年計画案というものを実行することができる。いわゆる閣僚協議会、それから行政改革本部というものが主体となって、自後の共同作業を円満に行なうことができる。これすらも各省庁の協力を得られないということになりましたならば、なかなか困難である。ともあれ、これをやってみる、こういう判断をされたと思います。今度の一省庁一局削減というものは唐突に行なわれたものではない。準備がありまして、準備というものは、こうやるための準備ですね、そういうものがありまして、その立場に立っておおよその判断がされて行なわれた。だから私は、いままで失敗してきた、いままでできなかった過去の歴史というものを十二分に検討いたしまして、今度の行政改革三カ年計画案の立案に着手することができるのでありますから、私は、失敗が再びの失敗ではない、適去の失敗というものの上に立って反省して、十二分に生かして進めることができる、こういうふうに判断をいたしております。
  54. 山崎昇

    山崎昇君 この間の委員会でも長官に申し上げたけれども、今度の一局削減は、結論からいえばただ局が二つなくなっただけですよ。あとは何もないのです。そうして、申し上げたけれども、逆に職がかなりふえている。だから長官は一局削減、一局削減というけれども、私どもからいえば何も削減になっておらぬ。私は過去の実績からいうと、河野さんが管理庁長官時代にやられた課の二割削減についても、すでに今日では逆に六七%ふえている。そういう状態を私ども見ますと、この一局削減というのは合理性がないだけに、科学性がないだけに、私は心配な点があると思うわけであります。そういう意味で、過去のこういう轍を私はまた踏むのではないかという心配がどうしてもあるのです。その意味で、もう一ぺんそれを聞いて、一応時間がきているようでありますから、午前の質問を終わりにして、午後から引き続きもう二、三原則論を聞きたいと思います。
  55. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 河野行政管理庁長官の時代に一度は職を減らしたけれども、また即座に復活したのじゃないか、こういうお話でありますが、それもそのとおりでありまして、そういうことなども、やはり行政管理庁がただ独走をした結果だと、こういうふうに判断いたしております。したがって、今度はそういうことのないように、何といっても行政改革の中心というものは総理大臣でありますから、そこで総理大臣を中心にした閣僚協議会というものをまずつくって、その下で全体の事務運営をやります行政改革本部というものをつくりまして、そこでいろいろなせんさくをやって、今度でき上がった一省庁一局削減、行政改革三カ年計画でありますから、私は今度は過去の失敗の上に立って考えられたものであるだけに、必ず実行できると、こういうふうに自分判断いたしております。
  56. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 午前はこの程度とし、午後一時再開といたします。  休憩いたします。    午後零時四分休憩      —————・—————    午後一時二十一分開会
  57. 井川伊平

    委員長井川伊平君) これより内閣委員会を再開いたします。  午前に引き続き、行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
  58. 山崎昇

    山崎昇君 午前に引き続いてもう二、三点原則的なことをお聞きしたいと思うのです。政府から出されました今回の法律案の提案内容を見ますというと、「行政の簡素化と能率化をはかるため、総理府本府ほか十七省庁について、それぞれ内部部局一局を整理」するというふうに説明されているわけです。そこで今度の一省一局削減というのは、その基本的な理由が簡素化と能率化にあることはもう明らかだと思うわけです。そこでこの法律案のどこが簡素化でどこが能率化なのか、まず具体的にお聞きをしたいと思うのです。
  59. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 額面どおりまず一省庁内で一局削減をいたして、とにかく局の少なくなったことは、局長のいなくなったことは事実であります。そしてかりに行政管理庁で申し上げますると、統計基準局と管理局が一緒になって一つの局になりまして、全体の支配者が、前でありましたならば二人でしたけれども、今度は一人になった。二人でやっておったことを今度は一人で責任を持つようになった。そういうことだけでも私は簡素化のあらわれだろうと、こういうふうに見ております。能率の点でも、いままで二人でやっておったところを今度は一人でやるようになりまするから能率もあがる。それだけでなくて、行政の簡素、能率化のための行政改革として一省一局削減というものが提起されたというだけでも、人心に対してはそれ相当の好影響を与えておりまして、私の主管しておりまする行政管理庁などは、前に比較いたしますると非常に能率があがっておりますから、一般の省庁も同じと、こういうふうに見ております。
  60. 山崎昇

    山崎昇君 長官から、何が簡素化と聞いたら、局がなくなったこと、二人でやっていたことが一人でやるようになった、三つ目には、提案しただけでもいい影響を与えたと、こういう話ですね。しかし、局がなくなったのは防衛庁と経済企画庁だけであって、あとは全部部ができ上がった。あるいはまた、いま例に出された行政管理庁でいえば統計主幹というものができた。事実上これは統計基準局長と同様ですね、何も減ってない。特にあとでこれもお尋ねいたしますが、文部省のこときは逆にふえておる。どうしてこれが簡素化になりますか。さらに四月四日の衆議院内閣委員会における自民党のこれは質問でありますけれども、「委員会並びに国会に対する重大な侮べつ」だと言っている。こういうことばすら吐いているわけでしょう。これは与党の自民党からの質問ですよ。今度の一局削減というのは何の合理性もないし、もっと極端に言うなら、八百屋の店先にあった一山幾らのリンゴを売っているようなものだとさえ衆議院内閣委員会では言われておる。一つもこれは簡素化になってないんじゃないですか。どこがほんとうに簡素化になったのか、もう少し具体的に答えてください。
  61. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 私の行政管理庁の話を申し上げましたけれども、いままでは局長が三人おったのですが、今度は二人になるのであります。その一人が統計主幹ですか、そういうものになりまするが、その統計主幹は局長の下につくものでありまして、それは前の局長と同一に並ぶようなものではない。したがってそういう点でも変わっております。そういう点で私は能率があがる、こういうように見ております。それから二軒が全部家族連れで財産を持ちまして一緒になって、一軒になったということなんでありまするから、私はそういう点でもこれからは、初期には目に見えるようなものはあまりないと思いまするけれども、時がたつに従って内部で合理化されていく、そういう点で私はそれ相当に必ず能率化されるものだと、こういうふうに各省庁とも判断いたしております。
  62. 山崎昇

    山崎昇君 いま大臣は、二軒のうちが一軒になったというふうに言っているが、一軒になっていないじゃないですか、何にも。だから、二軒のうちが一軒になったのは、防衛庁の人事局がなくなった、それから経済企画庁の、名前は忘れましたが、局が一つなくなった。あとは全部身がわりなんですね。だから、大臣の言うことを私のほうでもし言えば、局が部になれば、格下げになれば簡素化になる、こういうふうに言うわけですか。しかし、それでは何も簡素化じゃないじゃないですか。人員も何も変わりがない。ただ局長という名前が部長という名前に変わっただけだ。いままでならば、局長の権限である程度自主的に判断して行政事務ができたものが、今度は部長ではもう一ぺん局長の判こをもらわなければできない。もっと極端に言うならば、行政事務の流れからいうならば、判こが一つふえた、そういう結果しか招来していないじゃないですか、何にもこれでは簡素化にならない。それからあなたのいま強弁されている統計主幹も、これはあと管理局長に統計主幹の権限については私は法律的に聞きたいと思っているのだが、それはあとに譲ります。しかしこれも従来の統計基準局長の権限が統計主幹に委任をされるだけの話であって、人員も全部そうである。どこにも簡素化されたこともなければ、二軒が一軒になった覚えもない。それであなたが簡素化とか能率化とか言うから、さっき紹介しましたように、四月四日の衆議院内閣委員会では与党の委員からこういう極端な表現さえ使われているわけですね。どこにも簡素化しないし、能率化しないじゃないですか、どうですか。
  63. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) その統計基準局というものがあったのでしょう。それから管理局というものもあったのです。その二つが独立しておったのですが、今度は一つになるんですよ。それでその最高責任者が管理局長になると、それからいままで統計を担当しておった人が主幹になる、こういうことですから、何も判が一つふえたということではないんですよ。それだけでなく、一つの屋根のもとに二軒が暮らすようになりますから、今度はその中でいろいろな簡素化について、能率化について協議が行なわれまして、具体的なものが必ず出てくると、それは管理状態だけでなく、全体的にそうである。それはそれだけで切り離してお考えになりますると、なるほど目に見えないようなもの、微々たるものであるかもしれませんけれども、これがはしりとなりまして、氷山の一角のようなもので、あとから三カ年計画というものが続いてまいりまするから、それの全体として判断されますと、すばらしい簡素化ができあがる、それから能率のあがる行政機構というものができあがる、こういう考えでこの問題と私はいま取り組んでおるのであります。
  64. 山崎昇

    山崎昇君 盛んに統計主幹の話が出るから、私も具体的にじゃああなたに聞きます。従来なら統計基準局に属する方々の仕事は、統計基準局長の判だけもらえばよかった。これはまあ仕事の内容にもよりますが、たとえば統計調整法だとか、局長に委任をされておった仕事については主管局長の判をもらえばよかった。今度は管理局長の下だというのですから、したがって統計主幹の判をもらって、さらに管理局長の判をもらわなければ事務は進まないんですよ。かえって複雑になるんですよ。監督官がかえって一人ふえるんですよ。事務の流れからいえば、私はそうなると思うんです。これがどうして能率的になりますか。だから完全に統計主幹なんというのはなくなって、そして統計基準局長がなくなって、いきなり管理局長が全部見るというなら私はまだいい。ところが説明資料を見ると、この統計主幹というのは、従来統計基準局長が持っておった権限を全部委任されるというんです。これは人員もそっくりそうなんです。だから局長という名前が単に統計主幹というのに変わって、機構上でいえば管理局長の下に入るなら、管理局長の判をもらわなければ行政事務運営できないということになる。どうしてこれが簡素化ですか、能率化ですか、私にはどうしてもわからないんです。
  65. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いまのお話でありまするが、局をなくしたということ自体が、私は簡素化になると、人が減る減らないは別として、とにかく局をなくしたということ自体が簡素化になる。それから能率化の問題は、これ以後能率化が必ず発生する。それだけなくされたことによって、いろいろな点で私は能率的な運営をしなきゃならないと思っておりまするから、能率化は必ずできる。だから局をなくしたこと自体が私は簡素化だと、こういうふうに解釈いたしております。
  66. 山崎昇

    山崎昇君 長官、統計基準局という名称はなくなりましたよ。しかし統計基準局で所管をしておった仕事は一つもなくならないのですね、一つもなくならない。そこで、従来の統計基準局長が所管をしておった仕事は、統計主幹というものを別につくって、そこでやらせるというのでしょう、何が変わりました、そしてその統計主幹は法律上の制限があるから管理局長の下において、管理局長の監督に服さなければならぬ、管理局長の判をもらわなければ仕事ができないじゃないですか。何がこれが能率的ですか、何が簡素化ですか、どうも私は理解できないのです。
  67. 大国彰

    政府委員大国彰君) 統計基準局を廃止いたしまして行政管理局に入れました場合に、統計基準局長が統計主幹にそのままなるという考えは持っていないわけでございます。局長は、新しくできました管理局長が局長として統括するわけでございます。ただ、統計の専門的な必要がございますので、新たに統計主幹というものを中段階に置いたという考えを持っております。したがって、局といたしましては一局明らかになくなったわけでございます。その面で簡素化と私ども解釈しておるわけでございます。  なお、お話のとおり、ほんとの簡素化のためには事務の整理というものが当然伴わなければならないわけでございますが、今回は非常に急な要請でございましたので、事務の整理はいわゆる三カ年計画の中に織り込んで徹底的に行なう、こういうことになっておるわけでございます。まず形の上で局の削減ということをやりましたのが、今度の一局削減でございます。その思想は簡素化につながるものであるというふうな考えを持っております。
  68. 山崎昇

    山崎昇君 いま局長から答弁ありましたが、なおさら私はわからないのです。統計基準局長というのはなくなる、それは確かになくなりますよ。しかし、統計基準局で扱っておった従来の所掌事務や権限は一つもなくならないですね、一つもなくならない。それは行政管理局長の中に入っていくわけでしょう。ですから最終的には、従来統計基準局でやっておった仕事は行政管理局長責任を負わなければならぬわけでしょう。ところが、統計基準局でやっておった仕事があまりにも膨大だから行政管理局長一人ではさばき切れない、そこで中二階みたいなものをつくって、統計主幹というものをつくって、従来統計基準局長がやっておった仕事そっくりそのまま統計主幹がやる。ですから従来の事務の流れその他からいえば、統計基準局長に部下がまっすぐ判をもらえばいいものを、統計主幹の判をもらって、管理局長の判をもらって、長官の判をもらわなければ事務が進まないということになるのじゃないですか。逆にこれは中二階のようなものができて事務は複雑化するだけであって、何も簡素化にならないじゃないですか。それでもなおあなた方は簡素化になったと、能率化になったと言えますか。私はよけいなものができたと思うのです、こんなものは。統計主幹がなければ別ですよ、主幹がなければ私は長官の言うように、すなおに二軒が一軒になったというふとにある意味では了解してもいいと思うが、そうではないのです、これは。無理やり統計基準局長をなくしたから、その仕事はあまりにも膨大だし、管理局長ではさばき切れないから、いま申し上げたように中二階をつくったわけですね。事務の流れからいえばかえって複雑であって、よけい判を一つもらわなければ事務は流れない、これで簡素化ですか。
  69. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いまお話を承っておりますると、まあうなずく点もあるのです。しかし、ともあれ、局を廃止して、いままで局が担当しておったことは、主幹ができて、一応事務の統制を行なう、そして管理局の屋根の中に入っていく、こういうことになったのでありますから、私はやっぱり局をなくしたということで一つの簡素化ができた、こういうように判断いたします。そのあとに主幹をつくってしまった、そうすると主幹をつくったこと自体から見て、正直な意味の簡素化とは言いかねるのではないか、こういうお話だと思いまするが、そういうことは非常にごもっともだと私は思いまするし、こういう矛盾はかりにこの問題だけでなく、あちこちにもあるのじゃないかと判断いたします。そういう点は今度の三カ年計画の中で十二分に考慮しなければならないかもしれませんが、ただ、局がなくなったこと自体が、私はこれから大きな簡素化を行なうために非常に役に立つから、そういう意味でも私は簡素化につながる。能率化の問題は自後の問題、こういうふうにいまの段階では解釈いたしまするが、そのために能率化も当然そこで出てくるだろう、こう私は見ておるんです。
  70. 山崎昇

    山崎昇君 長官のことばじりを私つかまえるつもりはないですけれども、いまあなたはやっぱり矛盾があるということを認めておる。そこでこの矛盾を三カ年計画の中でなくするようにすると、こういうんですね。そうすると私はさらに疑問を持つのは、三カ年計画の中では、この統計主幹も含めて再検討されるんですか。そうすると、いまの一省一局削減の法律案内容も含めて、三カ年計画ではあなた方は検討されるんですか。あらためてその点私は聞いておきたい。
  71. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) この一省庁一局削減というものも、一つの行政機構の改革でありますから、この全体を含めて三カ年計画案というものが樹立されるものでありまして、これだけが抜けるというものではありませんから、全体を含めて三カ年計画案というものが樹立される、こういうことであります。
  72. 山崎昇

    山崎昇君 さあ、またわからなくなったがね。そうすると、この間の委員会では、これが突破口であって、この一省一局削減が成立をしたら、これに付随して課とかその他の問題は、あなた方は三カ年計画で整理をするというふうに私は理解をしておった。ところがいまあなたから聞くと、全体を含めてということになると、この一省一局削減の法律案の内容も含めて三カ年計画で練り直すということになるわけですか。そうすると、私はこの前の委員会であなたに迫ったように、この一省一局削減案というものはやはり撤回すべきです、そうなると。そうなれば、三カ年計画をあなた方から出してもらって、こういう青写真ですという具体的なものを出してもらって、その中でこの一省一局削減に伴う矛盾点はどうなのか、この矛盾はどこでどう解決するのか、こういうことに私ども審議しなければ、これはもうおかしくなっちゃうんじゃないですか。ですから、私は最初からこの一省一局削減案というものはこれはいさぎよく撤回して、三カ年計画と一緒に出し直しをしなさい。そうして私どもが納得がいけば、私どもの意見も、あなたが事前に言ってくれと言うから、言う場合もあるでしょうということをこの間申し上げた。どうですか。
  73. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) この前も申し上げましたとおりに、これが行なえないと三カ年計画案というものの樹立は困難だと思います。したがって、これはどんなことがあっても解決しておかなければいかぬ。しかし、これが三カ年計画という中から全部かけ離れてしまうというものではない。三カ年計画の言いかえれば一つの突破口でありまするから、これも全体を含めて三カ年計画案というものが樹立される、こういうことでございまして、これはこれで解決したから、これだけは全部抜いてしまうものではない、こういうように申し上げておるわけで、ございます。
  74. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、私頭が悪いせいかなかなか理解が困難なんですが、こういうふうに私理解しますが、いいですか。それは、この一省一局削減案がかりに通っても、三カ年計画の中でこの一省一局削減案にまつわる矛盾点を解決するために、他の省も削る場合もあり、あるいは省が別にできる場合もあり得る、でき上がった統計主幹なんぞというものは、これは直す場合もあり得る、こういうことも含めて全体の中という意味ですか、それが三カ年計画という内容ですか。
  75. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) そういうふうに私はお考えになってけっこうだと思います。ただ、あなたは頭が悪いとおっしゃるけれども、あなたは決して頭なんか悪くない。あなたが頭悪いとすれば、私のほうも悪いのであります。悪い者同士の話し合いになってくると、どこにそれていくかわかりませんが、決して悪くはありません。私はあなたがそうして一々指摘されておりますることの中で、非常にいいものもありまするから、そういうようなものは三カ年計画の中では取り入れることに決してやぶさかでない。私から言えば、これからは、いま作業しておる三カ年計画では非常に参考になるものがあるものですから、それでまあうなずいて聞いておるのであります。あなたは頭悪いなどということをおっしゃるのであればとんでもないことと私は思います。頭よ過ぎて、非常に参考になってありがとうございますと、実は感謝申し上げておるのであります。
  76. 山崎昇

    山崎昇君 どうもこれは年の差で軽く、一生懸命やっているのですが、いなされて、たいへんほめられたりして恐縮ですが、ただ、いま長官からね、これも含めてということになると、そうすると、私どもはこれだけ汗流して、私も一カ月にわたってこれはいろいろ検討してみてね、それがまたやっぱり別な形になり得るということになってきますとね、せっかくの機会ですから、長官の頭の中にある一体三カ年計画では、どういうものが問題になって、いまの論議されている法律案と関連してね、あなたが矛盾と考えられる点はどういう点で、そういう点はどういうふうにあなたの信念でやっていかれようとするのか、アウトラインでもいいですから、それじゃお聞かせくださいませんか。そうでないと私のほうは、やっぱりわかたようでわからぬわけです。
  77. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いまあなたが御指摘なさいました、統計局をやめて、その上に主幹を置いて、その上にまた局長があるというようなことはですね、簡素化につながらないのじゃないかというお話があったんです。そうでありますから、なるほどと私は思ったんでありまして、そういう主幹などという地位を置かないで、いままでやってきた統計基準局の仕事というものはくずれないで、体系がそのまま維持されてですね、そうして能率のあがるように、しかもそれでなおかつ簡素化ができるような方法があったならばなるほどだと私は思ったものですから、そういうことも含めてですよ、その全体として三カ年計画は考えるべきものだと、こういうふうに私は申し上げたのであります。あなたは、まあ一カ月間も汗水たらしてこの法案審議したことは無意味になるのじゃないかとおっしゃいましたけれども、決して無意味になんかなりませんです。あなたのおっしゃいましたこと、特に一生懸命になって、汗水を流してお話しになりましたことなど、みな肉となり血となって、行政改革の中に織り込まれてまいりまするから、決して無意味になんかなりません。いまの私は、固定した気持ちで三カ年計画案というものをお話ししているのじゃないのです。まだまだ流動的なものであります。そうでありまするから皆さま方、民間の、国会のいろいろなりっぱな御意見があったならば、そういうことはことごとく取り入れてみて、ただ単にお役人にだけ作業をおまかせして、お役人がつくったものを絶対是なりとするようなものの考え方は持っていない。八月一ぱいまでは、いまだ流動的なものでありまするから、お話をお聞きして、決してむだじゃありませんから、ひとつ思い切って悪い点なんかどしどしと指摘してくださいませんか。どのような憎まれ口を言われましてもけっこうでありまするから、すべて血となり肉となりまするから、どうぞおっしゃってくださいますようにお願い申し上げます。
  78. 山崎昇

    山崎昇君 長官からどんどん言ってくれと言われてたいへん勇気が出てきましたがね。あとでまたいろいろ聞きたいと思います。  ただ、ここでひとつ、いまの長官答弁からですね、この一局削減は矛盾があるから、三カ年計画の中でその矛盾は直すことも考えておりますと、その場合にですね、いま例にあげられた統計主幹のようなものはやめて、もとの統計基準局長のような機構に変えることもあり得るというふうに私はいまとったわけです。それはそうするという意味じゃないでしょうけれども、そういうことも含めてですね、もしも三カ年計画やるとすれば、いまの一省一局削減案というものが大幅に直されることもあり得る。場合によっては一部もとに戻ることもあり得る、こういうことも含めて三カ年計画でやるんだというふうに私はいま理解したのですが、間違いありませんか。
  79. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 行政はやはり国民に非常に便益でなければならないと思っております。やってみてかりに間違いがありましたならば、直すということはやぶさかではありません。しかし、いま申し上げましたことは、もとに戻るということではなく、率直に言いますると、統計基準局の中に企画課と統計審査官というものが局長の下におったのですね。今度局長をやめさして主幹というものを置くことにした。その主幹というものを置かないで、いまの企画課のようなもので全体の統制ができ得るようになったならば、それが可能であったならばそういうこともあり得るんだ、こういうことでありまして、逆戻りという意味で申し上げたのではありませんけれども、やってみて非常に不自由であったならば、当然私は変えなければならない、こういうふうに考えております。
  80. 山崎昇

    山崎昇君 私は必ずしも逆戻りというふうに聞いておるわけではない。あなたは先ほど来、矛盾点を認めたから、その矛盾をどうするのですかと言ったら、三年計画の中で直す、その三年計画の中では全体を含めてというから、全体とは何ですかといったら、この一省一局削減でやった内容も入ってくる、こういうのですね。さらに、いまやってみておかしい点があれば直すこともやぶさかでない。こう言うから、少し先走るきらいはあるけれども、いまのやり方をもとに戻すようなことも含めて、三カ年計画の中では相当私どもは一省一局削減というものは手直しされるのではないだろうか、こう思うのですが、そういうふうに理解をしていいのですか。
  81. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) そう御理解されてけっこうであります。
  82. 山崎昇

    山崎昇君 そこでさらに私はお聞きをしたいのですが、行政組織法の第八条に「附属機関」というのがあるわけですね、この「附属機関」というものの定義と、それからここに「試験所、研究所、文教施設、医療施設」、こうあります。その下に「その他の機関」と、こうあるわけですが、「その他の機関」というのは、これはどういう性格の機関で、現在どういうものがあるのか、お聞かせ願いたい。
  83. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 局長から答弁いたさせます。
  84. 大国彰

    政府委員大国彰君) 八条機関と申しますのは、「附属機関その他の機関」となっておりまして、附属機関だけではないわけでございますが、第八条に定めておりますいわゆる八条機関、それの全部に共通する定義というものを申し上げることは非常にむずかしいわけでございます。御承知のように、第七条におきまして内部部局を定め、第九条におきまして地方支分部局を規定してございまして、それとこの八条機関、この三カ条で全部の国の行政組織を網羅する形になっておるわけでございます。したがって、八条機関に本来制定した趣旨の当初におきまして、原則といたしまして、行政権を直接行使しないという考えでおったようでございます。何ぶん行政組織と申しますのは、行政そのものが流動的でありますと同様に、その機関の性格も、そのときの時勢の要求に応じまして変わってまいります。現在では行政権の行使を直接やっておるものも含まれるわけでございます。  一応八条機関を大体分類いたしますと、民間の有識者の専門的な知識を吸収するという意味審議会、調査会、こういったものが一つございます。それから試験研究機関、こういったものが第二の分類になろうかと思います。それから文教施設、それから医療施設、こういったものは、ほとんど行政権のいわゆる直接行使ということには関係ないところで、ございますが、さらに検査、検定機関、これに至りましては明らかに行政権の行使ということをやっておるかと思います。それからさらに現業の造幣、印刷というような現業機関もこれに入るわけでございます。そうして最後に「その他の機関」ということになりまして、いわゆる警察庁だとか、在外公館、そういった以上の七条、九条に該当しない機関全部が一応「その他の機関」に入るというふうに、こういうふうに私は解釈しております。
  85. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、八条の附属機関と、それから七条の内部部局と、九条の地方支分部局と、性格的にこの法律をつくったときには多少違っておったようですね。しかし、いま説明にあるように、附属機関でもかなり権力的なことをやるとすれば、内部部局と一体どう違うのか、それからもっと言えば、外局と一体どう違ってくるのか、性格上の違いをもう少し私は説明を聞きたいと思うのです。私は附属機関というのは、当初は行政法でいう営造物ぐらいに当たるのではないだろうかというふうに考えておったのですが、いまの説明の中では必ずしもそうでもない、非権力機関でもない、こうなってくると、どうも性格があいまいになってくるのじゃないかと思うので、もう少し説明願いたい。
  86. 大国彰

    政府委員大国彰君) 七条の内部部局は、これはその長の大臣を直接補佐する補助機関というふうに解釈しております。第九条の地方支分部局は、その行政機関の所掌事務を地域的に分掌させる、こういうふうに思っております。それ以外のものがいわゆる八条に全部ここで網羅する、こういうことになっておるわけでございます。確かにこの八条の書き方は非常にあいまいな、いまから思いますと非常にあいまいなことになっておるわけでございまして、いろんな機能を持っておる機関のすべてをここに押えておるということで、私どもも八条機関そのものを、今後どういうふうに規定していくかということを、目下検討しておる最中で、ございます。
  87. 山崎昇

    山崎昇君 もう一つお尋ねしますが、「その他の機関」というのと、それから外局ですね、これと実際上どう違うのか、教えてもらえませんか。
  88. 大国彰

    政府委員大国彰君) 外局は、これは第三条で規定してございまして、結局いまの国家行政組織法におきましては、行政機関と称するものには、府、省のほかに庁と委員会二つを設けておるわけでございます。御承知のように現在の分担管理は、内閣行政権を分担管理しております現在の日本の制度のもとにおきましては、あらゆる事務は府、省が一応分担する。それを第二次的に分担しておりますのが内局であり、地方支分部局であり、また外局であるわけでございますが、その外局としての庁と委員会のみは別に行政機関という定義を与えてあるわけです。したがってお話しの八条機関におきますと、外局との差異について申し上げますと、これはこの法律にも書いてございますように、外局は一応行政機関として、告示制定権であるとか、職員の任免権とか、それから職員に対する訓令、通達を発する権限とか、そういう権限を持っておりまして、ある程度監督の所管の大臣から独立いたしまして権限を行使する、こういうことになっております。八条の機関はそれがないわけでございます。
  89. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると八条にいう「その他の機関」も、いまあなたの説明からいくというと、外局に持っておるような権限はないということになりますね。そういうことになりますね。いいですか、それでも。
  90. 大国彰

    政府委員大国彰君) 別にほかに法律によって定めがない場合にはそういうことになります。
  91. 山崎昇

    山崎昇君 いや、私は局長ね、国家行政組織法上から聞いているんですよ。日本の行政組織はこれによって置かれているわけですね。そしていま言うように、基本は府、省、あるいは外局とは委員会、庁、それから府、省の権限を補助するために内局と、ある程度独立性の強い外局が置かれているわけですね。  そこで八条の「附属機関」というのは、行政機関意思決定するまでの間に内部でやる協議機関か、もしくは非権力機関として、公共施設として使用するようなものを称して「附属機関」といっている。「その他の機関」というのは何かというと、これはやはり一つの行政機関だと思うのですね。そこで第八条にいう「その他の機関」というのは、これは外局に当たるんですか、内局に当たるんですか。しかし条文が違いますから、あなた方はそうでないと言う。それならば権限の中でどういうこれが違いがあるんですか。もう一ぺんひとつ教えてくれませんか。
  92. 大国彰

    政府委員大国彰君) 外局と申しますのは、先ほども申し上げましたように、訓令権、公示権、こういうものを法律上持っておる組織でございます。八条の「その他の機関」におきましては、それがないわけでございます。
  93. 山崎昇

    山崎昇君 そうするともう一ぺん繰り返しますが、八条の「その他の機関」というのは、行政権限がないということになりますね。何といいますか、強制的といいますか、通常いう行政行為が行なわれませんね、そうすると。
  94. 大国彰

    政府委員大国彰君) そういうことはないわけでございまして、訓令を制定したり、あるいはみずからの名前で公示するという権限がない、それが与えられていないわけでございますが、行政権を行使する権限のあるものも八条機関に含まれておるわけでございます。
  95. 山崎昇

    山崎昇君 だから私は聞いているんですが、府、省が、これが国家行政組織の基本ですね。その独任性の官庁を補助するには内局か外局か、あるいは内部機関としては附属機関の施設も含めまして、営造物でもいいですが、ある。そこで、ここでいう「その他の機関」というのは、一体どういう性格のものであるかということを聞いているのです、これは。だから通常の行政法上でいう行政機関なんですか、そうでなくて非権力機関なんですか、この「その他の機関」というのは、どうも私にはわからないんです、ここが。だからもう一ぺんに教えてください。
  96. 大国彰

    政府委員大国彰君) この八条の「その他の機関」と申しますのは、上のほうに審議会、協議会あるいは試験所、研究所と例示してございまして、「その他の機関」ということになっておるわけでございます。したがってこれは、行政権の行使を、その権限を与えられていないものでなければいけないということは書いてないわけでございまして、直接行政権を行使するものもこの中に入っておるわけでございます。たとえば検査機関あたりは明らかに国に対しまして検査の権限を持っておるわけでございますし、また、警察庁も、これも外局ではなしに八条機関というふうに私どもいまは見ておるわけでございます。先ほども申し上げましたように、この八条の書き方で、残りの内部部局並びに地方支分部局以外のものも全部ここで網羅しようという考え方に立っておりますので、この点非常に問題の条文であろうかと思っております。
  97. 山崎昇

    山崎昇君 どうもわからないんですがね。そうすると、「その他の機関」には現在何々ありますか。さっき在外公館と警察庁というお話でしたが、そのほかに何かありますか。
  98. 大国彰

    政府委員大国彰君) その他には近畿圏整備本部とか中部圏整備本部、学術会議もこれに当たると思います。それから社会保険審査会等がこれに該当すると思います。
  99. 山崎昇

    山崎昇君 それではお尋ねしますが、いま例にあげられた警察庁で、私はちょっとこれは国家行政組織法上から聞きたいんです。そうすると、国家行政組織法上からいえば、総理府の外局として国家公安委員会がありますね。そうすると、国家公安委員会のもとに警察法で警察庁が置かれておる。とすれば、警察庁の性格は総理府の外局である国家公安委員会事務部局に私はなるのではないか。そうでなければ、この国家行政組織法上から警察庁の性格を私どもは見出すわけにはいかない。「その他の機関」ということにはなってこないんではないだろうか、こう思うんですが、どうですか。
  100. 大国彰

    政府委員大国彰君) お話しのように警察庁が国家公安委員会事務局的性格を持ってはおるんですが、この国家行政組織法におきます委員会事務局を置くという、これには該当しておりません。結局八条の後段の「その他の機関」ということで私ども解釈しておる次第でございます。
  101. 山崎昇

    山崎昇君 そこで、あなたに聞きたいんです。国家公安委員会は総理府の外局ですよ、これは外局。そうすると、外局の中に置く組織というのは、どういうことになりますか。外局の中の内部組織なら私はわかります。あるいは外局の事務局なら私は理解をします。しかし、総理府の設置法で外局は国家公安委員会ときめておいて、その中の警察庁は八条の「その他の機関」ということは、無理じゃないですか、これは。
  102. 大国彰

    政府委員大国彰君) 第八条には、第三条の各行政機関には、その他の機関を置くことができると、こういうふうになっておるわけでございまして、国家公安委員会は第三条の行政機関でございますので、それに「その他の機関」として警察庁を置くということになっております。
  103. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、もう一ぺんあなたに聞きます。第三条のその他の機関と、八条のその他の機関と、どう違いますか。同じですか、いまあなたは第三条だと言うから。
  104. 大国彰

    政府委員大国彰君) 第三条には「その他の機関」ということばは使ってございませんで……。
  105. 山崎昇

    山崎昇君 ないでしょう。
  106. 大国彰

    政府委員大国彰君) 第三条に規定してあります府、省、庁、委員会、この機関にはその他の機関を置くことができると、これが第八条でございます。
  107. 山崎昇

    山崎昇君 それは第八条のどこに書いてありますか。第八条のどこにそんなことが書いてございますか。あれですか、「第三条の各行政機関には、」という意味ですか。
  108. 大国彰

    政府委員大国彰君) はい。
  109. 山崎昇

    山崎昇君 そんならわかりました。  いまあなたから、警察庁というのは事務部局的存在だと、こう言われたわけですね。そうでなければこれは意味がないじゃないかと私は思うんです。これだけなぜその他の機関で置かなきゃならぬのか、これも私にはわからないんで、もう少し教えてくれませんか。
  110. 大国彰

    政府委員大国彰君) 警察庁は警察法の第五条第二項の各号に掲げてございます権限を直接みずから行使する機関でございまして、その面では事務局的ではないんでございますが、一方国家公安委員会の監督下にございますので、やはり事務局的な性格も持っておる、こういう両面の性格を持っておるわけでございます。そういたしまして、現在のこの組織法の解釈からいたしましたら、八条の「その他の機関」に該当するとしか解釈できないものでございます。先ほども申し上げましたように、この八条の書き方が、現在の時勢に合わなくなってきておるやに考えられますので、私どものほうといたしましては、こういった警察庁は、はっきりした地位に置くべき何らかの法制上の修正を加えなければいけないんじゃないかという考えで、目下検討を進めておるわけでございます。
  111. 山崎昇

    山崎昇君 そうするとあれですか、警察庁の存在というのは、法制的に見れば、これは不備である。ですから、国家行政組織法は、その面に関する限り直さなければ、警察庁の存在そのものがおかしくなっちゃう。おかしくなるということは、少し誤解されたら困りますが、すっきりせぬといいますか、そういう存在になる。  そこでさらにお聞きしたいのは、この警察庁の内部組織ですね、これは第三条によって内部組織というのはきめることになりますか、第三条ですか、第七条ですか、七条の三項に該当しますか、どうなりますか。
  112. 大国彰

    政府委員大国彰君) これは、七条の第三項は、外局である庁についての規定でございまして、警察庁は、同じ庁ということばを使っておりますが、外局ではございませんので、この三項によるのではございません。したがって、第八条の「その他の機関」ということで置かれておりますが、「その他の機関」の内部組織については、現在のところ、この国家行政組織法では何らの規制はないわけで、ございます。
  113. 山崎昇

    山崎昇君 規制がなければ、当然この国家行政組織法全体から見て、内部組織をきめるというのは私は本筋ではない。何も規定がないからここだけ別のものをつくってもいいということにならないのじゃないですか。そうすると、この国家行政組織法の一条、二条等々から関連をしてきて、全体として統一ある行政機構をつくるということになれば、当然私は七条の三項が準用されてしかるべきものだと、こう思うのですが、どうですか。
  114. 大国彰

    政府委員大国彰君) 警察庁の内部組織は、警察法できめられておりまして、国会の御承認を得て、その内部組織をきめておるわけでございます。
  115. 山崎昇

    山崎昇君 私も警察法を持っておるから、それは警察法できめられておるということは知ってますよ。私は国家行政組織法上からいまあなたに質問しているわけです。警察法で聞いているのではない。なるほどこれは法律も通っております。しかし、行政機構をつくる場合には、当然基本法というものは国家行政組織法でしょう。これにのっとってやるべき性格のものだと思うのです。その場合に、どこが準拠法令になるかといえば、当然内部組織については、全体的に外局であるとか、そういう行政機関については、これは七条三項が適用がまずければ、準用さるべきではないか。したがって私は、警察法、このきめ方についても多少疑問を持っておるわけです。そういう意味であなたに質問しているのですが、そうすると、将来この警察法で内部組織そのものをあなた方検討いたしますか。これはここに局一ぱいありますが、本来ならば官房か部しかならないと思う。その点どうですか。
  116. 大国彰

    政府委員大国彰君) 先ほど申し上げましたように、第八条の規定そのものにつきましていろいろ矛盾が出てまいっております。私どもは、そういった点を解消するために検討しておるわけです。なお、警察庁の内部組織につきましては、一応第八条には、必要機関につきましては内部組織の規制が何もございません。しかし、警察という仕事の重要性にかんがみまして、法律でその内部組織をきめていただきたい、こういうふうに思っております。
  117. 山崎昇

    山崎昇君 それは全体に検討していると言うのですから、この点は指摘だけにしておきたいと思います。  そこで、外局についてお尋ねをしたいと思うのです。外局には、ここにもありますように委員会と庁とありますね。これは文字も違いますが、性格も違うわけです。そこで、委員会とはどういう性格であり、庁とはどういう性格であって、なぜそういうふうに使い分けをしておるのか、御説明を願いたい。
  118. 大国彰

    政府委員大国彰君) 行政組織法におきましては、外局とは何かという、その内容的な説明は全然ないわけです。外局ということばが正式に取り上げられましたのは戦後でございます。現在の組織におきましては、お話のように庁と委員会、その二つになっておるわけです。その区別でございますが、これも非常にまあ明確にはいたしにくいのでございますが、一般的に申しまして、その独立性の強弱によりまして、委員会と庁とに分けておるわけでございます。  原則的に申し上げますと、庁と申しますのは、大体内局、内部部局の局とするには事務量が多過ぎるという、大体量的な面で庁となってきておるわけでございます。それから委員会のほうは、その専門的な、あるいはまた行政の中立性なり、あるいは慎重な判断を要するというその質的な面から、相当程度各省大臣から独立した権限行使を行なわせる必要があるということによりまして、この委員会が設けられておるわけでございます。
  119. 山崎昇

    山崎昇君 そこで今度の法律案の内容の一つであります文部省の文化局がなくなり、そして外局であります文化財保護委員会がなくなって、いま説明のありました事務量が膨大だから外局として、文化庁というのを設定することになっておるのですね。そこで私はこれを見て、性格の違うものを二つひっつけて、そして外局にしておって、これが簡素化だとか能率化だとかいうことに置きかえられておるのです。ほかの省の局の統合とは少し私は性格が違うのではないだろうか。こういう意味で、この文部省の文化庁という構想について、なぜこうなったのか、それから文化財保護委員会というこの委員会がなぜなくならなければならぬのか、そういう点、少し説明聞いてから質問したいと思うのです。
  120. 大国彰

    政府委員大国彰君) 今回の一局削減の中で、文部省関係におきましては、内局である文化局と外局でありました文化財保護委員会とを統合いたしまして、独任制の文化庁としたわけでございます。文化財保護委員会は、終戦後できまして、いろいろ文化財の保護に貢献してまいったわけでございますが、最近のように文化財の関係が非常に広範に、建設行政あるいはその他のいろんな各方面との行政との関連がふえてまいりまして、やはり迅速な処理というものが相当要求されてまいるようになってきたわけでございます。したがいまして、従来のように、いわゆる行政委員会としての合議制のもとにおきましては、ややその現在の時勢に適しないという関係にございますのと、それから、文化と申しましても、新しい文化と古い文化と両方あわせまして、日本の文化行政を強力に推進するというたてまえにおきまして、内局の文化局とこれとを統合いたしまして、しかも処理の迅速を期するために文化庁という外局を設けたわけでございます。なお、文化財の指定その他につきましては、国民の権利義務に非常に密接な関係がございますので、その関係の専門的知識を十分尊重する意味におきましては、強力な審議会をつくりまして、それに諮問するということで慎重な判断を行なっていく。こういう考え方におきまして文化庁をつくったわけでございます。
  121. 山崎昇

    山崎昇君 先ほど局長から委員会と、それから庁の性格の違いについての説明がありましたね。そこで私どもも調べてみると、何といってもいま議院内閣制であって、そうして現実的には政党内閣でありますから、政党の影響を受ける。そこで、そういう政党の影響を受けたのでは公正を期すことができないという意味で、第三条の行政委員会というのがつくられておるわけですね。したがって、その委員の任命についても国会の承認案件になっておるわけです。そういうものを、使命が終わったとか必要がなくなったというのであれば、私は別であるけれども、今度の一局削減というこういう考え方だけで、せっかく民主的に、あるいは相互の利益の階層を含めて中立的で公正な機関としてつくられた行政委員会が、簡単に捨て去られるということは、ひとつ私は国会軽視ではないか。もう一つは、この行政委員会というのは、行政権の行使もさることながら、さらに準立法的な機能もあるとし、場合によりましては、準司法的な機能もあわせ持っているわけですね。そういうものが、ただ事務が膨大だということで、内局から外局である庁に一括されるということは、あまりにも内容的にみそもくそも一緒にした改革案になっているのではないか、こう私は思うわけです。ですから私は、国家行政組織法からいって、なぜこんな無理をしなければならんか、どうもこの点も私ども納得いかないのですね。ですからこの文部省の文化庁のごときは、全く性格の異なるものをくっつけて一緒くたにして、そうして一局削減だなんていう言い方は、もう不合理きわまるものではないだろうかと、こう思うので、この点について長官として、これは一体どう思われるか、もう少し見解を聞きたいと思うのです。
  122. 木村武雄

    政府委員木村武雄君) なぜやったかという説明は、いま局長がやりましたが、そのとおりなんであります。ただ私は、不合理の点を山崎さんが指摘されました。それから委員会の誕生した理由から必要性を力説しましたが、私はあなたの御意見にうなずくところがたくさんあるのですよ。しかし、なぜやったかという説明は、局長と同じであります。
  123. 山崎昇

    山崎昇君 長官ね、いまも私のほうからすでに申し上げたように、委員会というのは、政党内閣の影響をある程度はずさなければならぬ、そういう意味でつくられておるわけですね。しかし今度は、文化庁という全くの外局ですから、これは政府の任命する長官で、独任制でやられるわけですね。そういう意味でいうと、民主的な点はゼロになる。機構面からいえばゼロになる。ただ審議会をあとでつくるというけれども、これは附属機関であって、行政権限を行使する主体ではない。ですから行政機構面からいえば、行政の民主化というのはゼロになっちゃう。そうして先ほど説明では、迅速な処理だけで説明されているけれども、もっと文化財の問題は、迅速に処理するだけではおさまりきれない問題が含まれているのではないだろうか、そう見ていくならば、ずいぶん一局削減にはいろいろな局の問題ありますけれども、私は、この国家行政組織法上からいって、第三条の委員会が、七条の内部部局がなくなるのに関連をして、いきなり庁になってしまう、こういうやり方は、あまりにも私は不合理ではないか、こう思うのですが、この点はどうですか、この点はあなたも不合理だと思いますか。
  124. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 私はあまりへたな理屈言いたくないのですよ。そうですからこの一省庁一局削減というものには、先ほど申し上げましたとおりに、相当の矛盾もあるし無理も含まれておるのだと、こういうことは私も認めておりまするし、いま山崎さんの御意見、十二分にそしゃくいたしております。
  125. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると長官、さっき言ったように、矛盾がたくさんあるから、これも含めて総体的に再検討すると、こういうのですね。それじゃこういう——いま私は極端に文部省の例を出しましたけれども、こういうものをあなた直す用意がありますか。
  126. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 三年計画の中で、無理を承知でやったと、あとから無理だとわかったことは、是正することにやぶさかではありません。
  127. 山崎昇

    山崎昇君 外局の性格論はもう少しやりたいのですが、あとでまた具体的問題に触れてやりたいと思う。  そこで次の質問は、国家行政組織法の十七条の二と二十条の三項で、総括整理職あるいは課長と同格の職を置くことになって、法律で置く場合もあるし、政令で置く場合もある。そこでまず第一にお聞きをしたいのは、十七条の二と二十条の三項と、これは法律で置く場合と政令で置く場合とありますけれど、一体実質的にどういう違いがあるのかということが第一点。  それから第二は、今度置かれると予定されているやつをずっと見ますと、なるほど課長職に似たようなものもあるし、場合によっては局長と同じようだというようなものも含まれておるようだし、それから各庁に置かれておる次長と同格と思われるようなものもあるし、そうやってみると、法律で置くのと政令で置くのと、何か少しごちゃごちゃになっておるのではないか、こういう気もしますので、法定のものとそうでないものと、どういう基準でこれは区分けされるのか、お聞きをしたいと思う。
  128. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 局長をして答弁させます。
  129. 大国彰

    政府委員大国彰君) 第十七条の二の四項にあります法律職でございますが、これは府、省及び各庁等に置く総括整理の職でございまして、大体これはいわゆる次官クラスということに考えております。非常に大きな総括整理の職でございますので、これは法律できめるということにしてまいるわけでございます。それから二十条の三項でございますが、二十条の三項におきましては、これは官房、局、部あるいは事務局等におきまして、普通の部課制以外の一部の事務を総括整理する。あるいはまた課という形をとらないで分掌させたほうがいいような、それに適する仕事を担当させる職、そういったものにつきましては、原則として政令で置くことができるということになっておるわけでございますが、その中で特に国民生活に関係の深い、あるいはまた対外的にその存在を明確にし、その永続性をはかるというためのものは、法律により設置することができる、こういうふうに解釈をしておるわけでございます。
  130. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると法律で置くものは、十七条の二が全部ですね。それから二十条の三項については、国民生活に密着するもの、対外的に法律で明確にしていいもの、これが法律で置くと、こうなるのですね。具体的に言えば、二、三でけっこうですが、どういうものがありますか。
  131. 大国彰

    政府委員大国彰君) 二十条三項によりまして置かれておりますのは、たとえば防衛施設庁の調停官、それからこれは各省にございますが、いわゆる特殊法人の監督をやります公団監理官、それから建設省に置かれております監察官、こういったものがございます。
  132. 山崎昇

    山崎昇君 そこでお聞きをしたいのですが、この十七条の二と、それから二十条の三項というのは、法定、政令、きめ方はいろいろありますが、職を置くことになっておるわけですね。そこでこれは長官がお答えにならなければ、事務当局でけっこうでありますが、官と職とどう違うか、これをひとつ御説明願いたいと思います。なぜそれをお聞きをするかというと、新聞報道では、官を置くことになったという報道になっておる。それが私ども、いまあなたのあげられた、あとで聞きますが、自衛隊法を見ても、防衛庁設置法を見ても、官と職というのは明確でない。だからこの二十条の三と十七条の二というのは職を置くことになっているが、官と職とはどういう区別であって、区別がないのかあるのか、その点お聞きをしておきたいのです。
  133. 大国彰

    政府委員大国彰君) 官と職ということでありますが、職と申しますのは、行政機関の所掌事務を遂行するための組織を構成する単位ということに私ども解釈しております。官と申しますのは、現在はそういった行政組織には全然官というものは使ってございません。職でございます。その職に当たるものに官という字をむしろつけておるということじゃないかと思っております。官ということばは行政組織法上にはないわけです。
  134. 山崎昇

    山崎昇君 それじゃ私の勉強が間違っておったら指摘を願いたいと思うのですが、国家行政組織法にはありませんが、人事院規則に任官ということばを使っておるのですね。人事院規則の八−十二ですか、それの第九十三条には「職員の任官については、人事院が別に定める日まで、なお、従前の例による。」というのですから、私は官というものは存在をすると思う。それから国家公務員の職階制に関する法律を見ると、用語の定義があって、官職というものがきめられておる。そこで、ここでは官と職と一緒になっているわけですね。  そこで私がお聞きをしたいというのは、たとえば総理府でいえば参事官というのがありますね。これは任命形式を私ども聞いてみますと、総理府参事官に任命するということであって、その他この人が具体的にどういう職務をとるかということについては、別段の補足的なものがない。そういうことになると、これは官なのか職なのか、私どもにはわからない。あるいは防衛庁設置法を見ましても、防衛庁には、十人以内の参事官を置くと、こうなっておる、参事官でなければ局長になれないと、こうなっておる。局長は私は職だと思う。そうすると、この参事官というのは、これは官、そうすると、参事官に任命はしたけれども、局長という職がなければ、一体この人は何をするのかということになる。だから、私は官と職というのは一体どういう関係にあるのか、これはいまの行政組織法上からいけばもの入り乱れているんじゃないか、こう思うんですが、どうですか。明確ですか。
  135. 大国彰

    政府委員大国彰君) 官と申しますのは、まあ官と職とが分離しておると言われますのは、旧憲法時代におきまして、いわゆる判任官、高等官と、そういう区別がありました時代には、任官と補職とは別になっておりました。しかし、現在ではそういう区別はないわけでありまして、たとえばお話しの防衛庁でございますが、参事官も、われわれは官ではなしにこれは職であるということを考えております。で、その中で局長にならない者は現在三人おりますが、これは参事官としてやはり長官を補佐する職をとっておるわけでございます。あくまでもこれは職であると私ども解釈しております。
  136. 山崎昇

    山崎昇君 私はもう少しあなたに具体的に聞きますがね、たとえば内閣でいうと、国務大臣というのは官ですね。どうですか。行政管理庁長官というのは職ですね。あるいは農林大臣というのは職ですね。違いますか。
  137. 大国彰

    政府委員大国彰君) 確かにお話しのように、官と職とはやはりまださい然とした、明確な、はっきり職に統一ということではないわけでございまして、従来の例によるということで、まだ官というのも一部生きておるのもあるわけでございます。
  138. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、あなたは人事院規則八の十二による官というものは、これは従前の例によると、こうなっている。ですから任官行為があるわけですね。それは一、二級、三級とか、判任官、奏任官の区別はありませんが、任官という行為はある。したがって、官というのは、これは公務員にとっては身分法上の問題だと思うんですね。しかし、職は、この国家行政組織法上に言う十七条の二だとか、二十条の三項というのは、これは何々官という公務員の身分を取得した者が、具体的に権限がどうで、どういう仕事をするかというのが職になると思うんですね。ところが、いまあなたにお聞きをしたように、ずいぶんこれは官という名前のものがたくさんあるんですけれども、これは官なのか職なのか区別のつかないものがたくさんある。たとえば、さっき言われた防衛庁に書記官というのがありますね。書記官というのは課長になることになっている。書記官というのは課長になることになっていますよ、防衛庁設置法を見ますと。だから、課長にならない書記官は一体何かと、こうなりますと、これも明確ではない。だから、私が聞いているのは、一体、官と職というのはどういうふうに違うか、いまもうこんがらがっているんじゃないか、ある意味でいうと。これはやはり行政組織法上からいっても明確にすべき時期ではないのか、こう思うんですが、どうですか。それはなぜかというと、公務員の職階制に関する法律がまだまだ先の話ですから、職級も明細でありませんし、そういう意味行政管理庁は官と職というものはもう少し私は明確にしてもらいたい。  そこで、先ほど新聞ではありませんけれども、この政令で設けられる職、それから法律で設けられるもの、これは一体官なのか職なのか不明確なのですね、中身を見ますと。その点もし区別をされるなら区別してもらいたいし、それから現状で資料出せるなら、私は資料を出してもらいたい、どういうふうになっているのか。もう適当に各省の名前をつけてつくられておる。それが政令でつくるから、よけい議論せずに、ああいいではないかということで簡単につくられる。そういう意味で、私はこの官、職というのはもう少し厳格にきちんとすべきではないかと思うのだが、その点も含めて見解を聞いておきたいと思います。
  139. 大国彰

    政府委員大国彰君) お話のように、いわゆる官というのは相当たくさんになっています。現在、各省の本省にあります政令による官、いわゆる二十条の三項に基づきました官の数は全部で五百五十五あるわけでございます。お話のように、この二十条三項の規定も、これは国家公務員法の職階制と関連ございますが、先ほどの八条と同じように、八条と二十条とはやはり私ども根本的に検討をしなければいけないという考えで、目下これも検討しておる最中でございます。各省によりまして、その参事官、審議官等のランクの扱い方も違っておりまして、不統一になっておる、そういうものもなるべく統一したい、こういう考えで進んでおるわけであります。
  140. 山崎昇

    山崎昇君 いま二十条の三項は五百五十五と聞いておるのですが、十七条の二は幾らですか。
  141. 大国彰

    政府委員大国彰君) 先ほど、私、政令によって設けた官と申しました。これは政令によって設けました職でございます。官ではございません。  それからいまの十七条第二項によります職は、全部で現在のところ八種類でございまして、複数のものがございますので、人数は二十一人となっております。
  142. 山崎昇

    山崎昇君 いま具体的に数字のお答えがありました。そこで、十七条の二による「総轄整理」の職というのは次官クラスというのですね。もしくは局長クラスだと思うのですが、格から言えば。そうすると、ことばを変えてこれを私ども理解をすると、次官が二十一人いるということに匹敵をする。それから二十条の三項というのは課長と大体似たような職ですね。そうすると、行政機構上は課長ではないけれども、実際に課長らしきものは五百五十五名もおるということになる、長官、これはいま職だというのですね。このほかに私は数字は大してつかんでおらぬけれども、官と称されるものがかなりおる。これはもう各省設置法を見たら無数にあります、各課に。そういうものも入れたら、優に行政機構上は何にもないけれども、実際問題として、局長や課長に似たようなものが七、八百おることになっちゃう。こういういま行政機構になっておって、何かお尋ねすれば、それも三年計画だとか、検討中だとか、こういうのですが、あまりにも私はこの行政組織法をあずかる行政管理庁としては無責任だと思うのです。さらに、私はなぜこういう職や官ができたかといえば、給与法上の問題がかなり影響を及ぼすわけです。なぜかというと、課長にならなければ等級が上がらない、月給が上がらない、やむを得ないから、こういう職をいっぱいくっつけて給与法上優遇しているわけです。等級別定数を変えておるわけです。これは人事院総裁もそういうことを言っている。だから、いまの国家行政組織というものは、これだけ見ておったのでは片手落ちになってしまうのですね。給与法も見なければできないと思うのですが、いずれにしても、いま説明のあったような内容になっているわけで、私はこの問題を取り上げたのは、一体、行政管理庁は、今後、官と職、もちろんこれは明確にしてもらいたいし、規則もそうなっておるわけですから、それと同時に、さらに言えば、一挙に十九もふえるというような話がある、こういう実情をあなた方どうお考えになっておるか。ですから、そういうことのほうが私はむしろ先ではないか。それをやるには行政事務を整理しなきゃできないのです、これは。だから、私はこの一省一局削減というのは、前提条件になる行政事務を整理をして、そしてこういうものを整理をして、その後に機構というものはこうあるべきだというのがやはり本筋ではないのか。いまのあなた方のやっているのはやはり本末転倒ではないのか。そういう意味で官と職の問題は重要問題を含んでおるので、もう一ぺんひとつ、最初の論点に戻るわけですが、一省一局削減というのはこの面からも不合理だと思うのです。どうですか、取り下げませんか。
  143. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 取り下げませんが、あなたのお話をお聞きいたしておりまして、私は非常に勉強になるのですよ。いま思い切って勉強しようと思っているものですから、非常に勉強になるのでありまして、私、行政管理庁長官になって、事務当局からいろいろなお話を聞いて、特に行政の名前というものはわからないのです。頭が痛くなる。結局こういうような質疑応答の形態で聞いておりますると非常に話がわかってくるのでありまして、そういう点で非常に役に立ちますが、おっしゃるような官、職とか、そういうようなものを一目りょう然にわかるような内容、名前というものにしなければならないというのはよくわかりました。それは何も三カ年計画と結びつけなくてもいいですよ。何もかにも結びつけておっしゃいますけれども、結びつけなくていいものは結びつけないでやりますが、これはまあ私ほんとうにわかりませんし、下を信頼しないわけじゃありませんけれども、そういう点で山崎さん個人から教えを受けにお伺いすることがあるかもしれません。しかし、これは何といってもわかりやすいものにしておかないと非常に困りますね。私のようなものが特に困る。私のようなものが困るのですから、一般の国民なんか何ぼ困るかわかりません。これはおっしゃるとおりにしてみたいと思います。三カ年計画なんかと関係なしに、この統一だけはおっしゃるとおりにしてみたいと思いますが、そういうときにはひとつ山崎さん、先生になったつもりで教えてください。
  144. 山崎昇

    山崎昇君 大臣に上げたり下げられたりしてどうにもなりませんが、もう二、三お聞きをしたいと思います。  そこで、官の問題については、当然これは人事院の任用とも関係ありますから、また別な角度でやってみたいと思うし、それから給与制度と関係ありますので、これも別な機会に委員会でやりたいと思います。  そこで、次にお伺いしておきたいと思いますが、審議会等のあり方ですね、これもこの間、伊藤委員から、法律で置いているもの、閣議決定でやっているもの、閣議了解でやっているもの、さまざま聞いて、決定と了解とどう違うのだというところまで意見が行って、たいへん長官のほうも答弁に窮しておったようですが、一体この審議会というものの性格について長官はどういうふうに理解されて、そして、多少臨調の答申に基づいて整理をしているようでありますけれども、今後どういうふうに考えられるのか、まずお聞きをしておきたい。
  145. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 私は戦争前の政治経験もあるのですが、そこから言いますると、このような審議会というものは昔はあまりなかったものですね。したがって、政治家がほんとうに責任を持って、あからさまな姿で行政を担当しておったのが昔の時代だったと思います、自分経験から言いましてですね。戦後、民主政治になったものですから、民間の意見を広く行政に取り入れようと、こういう気持ちでこういう審議会というものがたくさんできたのじゃないだろうか。特にアメリカがああして占領政治なんと言っておりますけれども、実際は植民地行政だったのです。それですから、そのような植民地行政というものをやわらかく国民に訴えるためには、こういう形態が非常に都合がいいという考えで、私はこういうものをやたらにつくらせるような方針をとったのじゃないだろうか。アメリカではこういうものが必要だったと思いますのは、世界じゅうから集まった民族、そういうものをじょうずに統制運営していくためには、こういった形態がアメリカでは役に立っておったのだろうと思います。それをそのまま日本に移植してきた。一つは植民地行政というものをごまかすための手段にも使っているのじゃないか。それに迎合した日本人の悪い性格もあったろうと私は思っております。その結果がやたらにこういうものがたくさんできてしまったと私は思うのであります。民主政治というたてまえからいいましたならば、こういうような機構をつくって、広く民間の意見を取り入れることはたいへんだと思いまするけれども、それが逆に行政の隠れみのになってみたり、政治の存在を晦冥ならしめるような傾向が顕著なのではないか。したがって、臨時行政調査会あたりがこれを取り上げて大きく整理の対象にしたことは、私は当然だと思っておるわけであります。そして、なるべく廃止するような方向に今日まで進んでまいりましたけれども、遅々として進まない。ほんとうに遅々として進まないのであります。一つの委員会だけを対象にして整理しようと思うと、やはり局部に立ちますると、非常に必要な要素がたくさん出てくる。大局に立ちますると不必要だと判断できまするけれども、局部で判断いたしますると、それ相当の理屈が立ちまして、そしてなかなか整理が遅々として進まないのだろうと、私はこういうふうに思っておりまするが、そういうように私は判断いたしましてこの審議会の問題と取り組んでおるわけであります。
  146. 山崎昇

    山崎昇君 いま長官からたいへん積極的な意見がありました。しかし、最近私ども政府のやっていることを見ると、長官の見解とはかなり違って、私的諮問委員会まで入れると逆にふえておるのではないだろうか。最近は法律で置くとか、そういうものとは別に、農林大臣の個人の諮問機関だとか、あるいは何々大臣の個人の諮問機関だとかいう形のもののほうが最近はふえてきておるのではないだろうか。そういう意味で言うと、何か政府行政責任について責任のがれの一つに利用しているのじゃないか、逆に言えば、そういうふうに私は批判せざるを得ないのですが、その点はどうですか。
  147. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) そういう点も実は自分でも恐縮しておるんでありましてね、各大臣がそういうものをおつくりになるときに相談しておつくりになれば、行政管理庁長官として発言の機会もあるのですよ。ところが黙ってつくっておられるところが間々あるわけです。それが閣議にはかられたときには、私もよく承知して、そのときにはくぎを刺しております。臨時的なものだから、目的が達せられた場合には即座にそれを廃止してもらいたいということでくぎを刺して、たとえば運輸省の問題のときなんかははっきりくぎを刺しております。そして一月だったか、建設大臣から、どうしても土地問題について広く民間の意見を聞きたい、これはほんとうに臨時的なものだからつくらしてくださいという報告がありましたから、そういうときに認めたことはありましたけれども、黙ってつくられると困ってしまって、あとの祭りになってしまうんですよ。これからは口をすっぱくして言わなきゃならぬ。場合によったならば、かりに個人的な諮問機関であったとしてでも、こっちの了解なしにおつくりになったものは認めない、廃止してもらいたいなどということも言わなきゃならないんじゃないか、そうでないと、頭隠してしり隠さずみたいなことになってしまって、これじゃ答弁に苦しむこともあるんで、そういう点はこれから非常に注意していかなきゃならないと考えております。そういうお話を承ったときに、私はどうのこうのと実はへ理屈は言いたくないわけです。
  148. 山崎昇

    山崎昇君 そこで長官、これは私が言うわけじゃないけれども、日本医師会のニュースを見ますと、この審議会についてかなり痛烈な批判をしてるわけです。内容は全部読むわけにいきませんが、第一に、日本の審議会は古手の官僚の登用機関ではないかというのが第一点、第二点は、政府に都合のいい御用学者ばかり入ってるじゃないか、逆に言うと、政府方針に批判的な学者等はほとんど委員として任命されてない、第三点は、これは野党対策のために審議会なんぞというものを設けて、政府責任をごまかしてるんじゃないか、第四点目には、公益委員にジャーナリストが多いようであるけれども、これは性格上、官僚依存が強くて、そして実践段階では無責任だという、こういう批判をやってるわけです。これは日本医師会のニュースです。こういう民間の批判について、一体、大臣はいま言われたことがある程度当たってると思うのか、そうでないのかが第一点で、それから第二には、役人委員その他で入っている審議会が、おおよそでいいですから、どれぐらいあるのか、全然役人が入ってないならけっこうですけれども、そうではないと私は思うんですが、その点まず聞いておきたい。
  149. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 半々だと思いますね。お話の四つの点なんですが、古手の官僚が多いんじゃないか、それから政府の都合のいい者とか、大体人間ですから、都合の悪い者なんというものは任命したくないものでしょう。それですから、結論において都合のいい者になってしまうのじゃないでですか、こういう点は私も見まして当たっていると思いますが、野党対策という点は当たってないように思いますね。それほどしりを重たくとても考える余裕なんか持ってないと私は思います。そこまで考えるならば、いまの政党がこんなすばらしくない発達はしてないと思いますね。それから公益委員のジャーナリストが実践の段階では無責任だ、こういう批評でありまするが、これもやっぱり、一番こう常識的な、広くものを知っておる人となれば、そういう人が多いものですからね。そういう人々の意見を聞く、その意見を聞いて、その人方は意見を述べられますけれども、さて推すという段になってまいりますと、そこまではいかないのじゃないか。ですから、推さなかったから無責任だというようなことばを当てはめることは酷じゃないかと、こう思っております。そうでありますから、四つの指摘された点から判断いたしますると半分半分、こう申し上げます。  それから、審議会の官僚の天下りはどうだ、どういう審議会があるのだとおっしゃいましたが、これは私わかりませんから事務当局から御説明させます。
  150. 大国彰

    政府委員大国彰君) 公務員が現職のまま入っている委員会の数は、ちょっと私どもいま手元に資料ございませんのでお答えできません。
  151. 山崎昇

    山崎昇君 あとでもけっこうだと思うのですが、現職の公務員委員その他に入っている審議会がかなりあると思われますか。その点だけ。
  152. 大国彰

    政府委員大国彰君) 相当数の委員審議会等に入っておると思います。
  153. 山崎昇

    山崎昇君 そこで、これは長官、私は原則論として聞きたいのだが、この前、米審で国会議員委員から抜けるべきだという、こういう意見ですね。そこで、私は審議会、調査会、名称はどうでもいいのですが、そういうところに現職の公務員委員として入ることは、私はおかしいと思うのです。自分行政執行しなければならぬのに、その補助として意思をきめるなり、あるいは意見を聞くところに執行すべき公務員が入るということになると、私は米審の国会議員よりもっと別な意味でおかしいのではないか、こういう見解をとるのですが、あなたの見解を聞きたい。
  154. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 米審はことし、さる年なものですから、私は見ざる、聞かざる、言わざる、こういう方針をとってきたのですけれども、しかし、いろいろな審議会の中であなたのおっしゃるように、執行者がそういう審議会に入るというようなことは、私はやめるほうがいいと思いますな。
  155. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 さる十六日の日に、当委員会審議会のことについてお伺いしたわけですが、そのとき資料の提出を要求したわけです。そうして、その資料に基づく質問の点については、次回に留保しておいたわけです。そこで、後ほど伺おうと思ったのですが、たまたまいま審議会の質問が出ましたから、関連事項としてお伺いしたいと思います。  まず、資料そのものですが、まことに誠意のない、特に法律によらない審議会等については、ほとんど資料がないわけです。私が前回指摘した勤労者財産づくり懇談会、それから土地問題懇談会、これはもう私は現に十六日の日に当委員会で指摘したわけです。指摘したのでやむを得ず出してきたと思うのですがね。それ以外の法によらないものについては全然資料がないわけです。これ一体どういうわけなんですか。
  156. 大国彰

    政府委員大国彰君) 御要求がございましたので、関係各省全部にさっそく照会をしたわけでございます。メンバーを固定して、懇談会や審議会類似の答申、その他意見を聞く会議等で相当期間継続するもの、こういうものの有無を照会したわけでございますが、それに対しまして、各省からは、先ほど御指摘になりました二つ以外を除きましては該当なしという回答に接しましたので、私どものほうとしましては、その以上現在の段階では調査することができませんので、そのままお出ししたわけであります。
  157. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 前回も指摘申し上げたわけですけれども、そういうものが全くなければけっこうなんですが、もしあとでわかると問題がややこしくなるので、ひとつ誠意を持ってお調べの上、提出願いたいと、そういう意味のことを申し添えたはずなんです。それが全くないかあるかということについては、ここでにわかに判断しがたいので、いまその問題については留保しておきますが、さてこの資料について見ますると、非常に、これは関連でお伺いするわけですから、問題をしぼってお伺いいたしますが、臨調はかねがねいわゆる機能を果たしたものについてはすみやかに廃止すること、あるいはまた設置目的が類似のものについててはこれを統廃合すること、そういう意味の答申があったわけです。そこで、ここで問題になるのは、二、三例をあげますと、この資料の二ページに公務員制度審議会、これは四十二年には総会一回、部会は全然開いてない。検察官適格審査会、これは四十年、四十一年、四十二年とも総会を各一回づつ開いただけで部会は全然開いてない。それと九州地方開発審議会、中国地方開発審議会、北陸地方開発審議会等については、ほとんど総会を一年に一回程度開いて部会は全然開いていない。こういう事実があるわけですね。なお極端な場合は、台風常襲地帯対策審議会については、四十年、四十一年、四十二年の三カ年間、総会も部会も全然開いてない。毎年何にもやってないということ、そういうのがたくさんあるわけです。いま時間の関係で一々申し上げませんが、全然やってないということは、ここに問題が起きるわけです。使命を果たしたからもうやることがないのか、あるいは怠慢でやらないのか、その二者いずれかだと思うのです。たとえばまた金利調整審議会、これは四十年、四十一年、四十二年全部ゼロです。総会、部会とも全然やってない。そうすると、ここでお伺いしたいのは、使命を果たしたからやらないのか、もう機能を果たしてやることがないのか、もし使命を果たしたということであるならば、これは当然統廃合してしかるべきです。また廃止してしかるべきだと思うのですが、臨調が明確にこの点は指摘しておるわけです。使命を果たしたものはすみやかに廃止すること、こういう点でこれは怠慢か、あるいはまた使命を果たしたのかということがわれわれには判断できないわけです。連合国財産補償審査会、これも三年間何もやってないのです。部会も総会も一回もやってない。これでは、こういうことから片づけないと行政改革などはとうてい期待できないと思うわけです。この点ひとつお答えいただきたいと思います。
  158. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) ごもっともだと思います。使命を果たしたがために委員会を開かないのか、怠慢のためかどうかということは、私自身もまだこの問題を具体的に調査いたしておりませんからお答えできませんけれども、ただ、全体についてのお尋ねは全くごもっともだと思います。それで審議会をどうして早く整理するかということについて、先ほども申し上げましたとおり、一つ一つ取り上げていままで行政管理庁としても審議の対象にしておったのでありますが、そうなってまいりますと、いつ解決するかわからない状態でありますから、とりあえず二つ方法考えてみたのは、一つは各省庁ごとに一つにしてみよう。そこにあるものを全部各省庁ごとに一つにしてみたならば十八で済むのじゃないか、こういう案が一つ。それからもう一つここに書いておきました「行政不服審査の裁決等に関与するもの」というこの種別によって一つにまとめる方法がないものだろうか、こういうことで大きくまとめて取り上げて、そうして審議会の整理を促進してみよう、こういうわけで、いま行政管理庁としてはこの問題と取り組んでいる最中なんでありますが、どっちにまとめようかということは、まだ決定していないのであります。国会も終わりましたならば、これは取り上げて、これは三カ年とは関係ありません。関係なくこれは取り上げて解決する方針でおりますが、こういう問題を取り上げてやり出しますと非常に困難が伴って、運動があるのです。やめてもらっては困るとか、あの手この手の運動があって困る。私なんかそういう点ではなるべく会わないように、聞かないように、心を鬼にしてやっているのでありますが、こういう場合お頼みするのが国会なんでありますから、どうか御協力くださったならば促進することができる、こう考えているわけです。
  159. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 これは三年間も全然部会も総会もやってないことについては、その個々の場合場合は自分にはわからぬ、大臣はそうおっしゃるわけですが、これは事務当局はどうなんですか。
  160. 大国彰

    政府委員大国彰君) 昨年一年間におきまして全然開かなかった審議会が相当、ございます。その中で、特に不服審査関係審議会におきまして、これは国民の不服審査が生じましたときに開くたてまえになっておりますので、これは九つばかりの審査会におきまして年間一回も開かれなかったわけでございますが、これは国民からの不服審査がなかったために開かなかったということになっているわけでございます。  それから先ほど御指摘になりました個々の審査会におきまして、特に台風常襲地帯対策審議会その他地域関係審議会等につきましては、お話しのように、これをなるべく統合したいという方向で私どもも努力しているわけでございますけれども、地域関係の立法は大体議員立法で成立しております関係もございまして、なかなか私ども考えているとおりに進まないわけでございます。  それから金利調整審議会も開かれていないわけでございますが、これは日銀政策委員会の諮問に応じて開く金利の最高限度の変更に関する審議をすることになっておりますが、たまたま昨年はその事態がなかったために開かれなかった、こういう理由は私どものほうで調べております。
  161. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 私のお伺いしているのは、事情があって一年間やれなかったということでなく、三カ年全然何もやってないということが許されていいものかどうか。先ほども言ったように、金利調整審議会、それと連合国財産補償審査会、これは三年間何もやってない。総会も部会も何もやってない。ところがそういうのがたくさんあるわけです。時間の関係で一々指摘申し上げませんが、ところがたとえば科学技術会議などは四十年に総会二回、部会を百五回も開いております。それから四十一年には総会一回、部会は八十二回、四十二年には総会一回、部会八十三回、こういうふうに百回前後のまじめな会議が持たれている審議会等も幾つかあるわけです。この表にも明確で、これはあなたのほうから出された資料だから間違いないと思うのです。これによっていまお伺いしておるわけですけれども、これを見れば明確なように、三年間全然ゼロというのが相当あるわけですね、これはもう一々申し上げませんけれども。そうすると、これはほんとうにわれわれとしては判断に苦しむわけです。もう使命を完遂したのか、それなら廃止してしかるべきですね、臨調の答申の趣旨に従わにやならぬわけですから。行管は臨調の答申の趣旨を尊重しているんだ、これは前の池田内閣から佐藤内閣と連続して臨調の答申は尊重すると言明し続けてきたわけです。そういうたてまえからいっても、三年間何もやらなかったことについて、これをそのまま放置するということは行管の立場から無責任きわまると思うのですね。それは一つや二つじゃないでしょう。この資料の中でごらんになればわかるように、あっちこっちたくさん出ておるわけですね。これはほんとうに了解に苦しむわけです。どちらかひとつ明確にお示しいただきたい。ほんとうに使命を果たしたのであるならばこれは廃止してしかるべきだ、三年間何もやらぬのは。それとも怠慢ならこれを叱咤して、その使命完遂のためにひとつ最高限度の努力をしてもらう。二者いずれかをひとつここでお約束いただきたいと思うのです。
  162. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) お説のとおりでありますが、これは使命を果たしたとして、怠慢なんて言わないで、使命を果たしたとしてやめるほうがいいと思います。それから、三年間ゼロというものではなく、一年に一ぺんか二へんか開いておるようなものもやめていいのじゃないか。こういうような審議会ができたときには、その審議会をつくろうというときの情勢が必要があってこういうものをつくったのでありましょうから、その際には精力的に会議を開いてその目的を達成しなければならない、せしめなければならない。それと同時に、つくりっぱなし、監督も何もしなかったというようなことは、全くお話のとおり、何と申し上げていいかわからない。こういうようなことが私はほんとうに行政のむだだと、こう思っております。それで、いままで何もしなかったかわりに、今度は三年分、四年分思い切ってやる、こういう考えでいま取り組んでおる最中でございます。必ず近き将来に一つの案を出しまして、これは御協力をお願い申し上げたいと思います。
  163. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 関連ですから、これ以上お伺いいたしませんけれども、とにかくこの一局削減の法案にしろ、もうおそらく運命きまったであろう定員法についても、行管が何とかひとつ行政改革をこの機会に断行したいというそれだけの熱意があるならば、前々から当委員会で長年の間問題になってきた審議会等の整理一つできぬようで、どうして行政改革などができますかと、そういう問題が出てくると思うのです。いわんや私は、特に法によらない——この国家行政組織法第八条、これに明確に出ておるわけですね。「第三条の各行政機関には、前条の内部部局の外、法律の定める所掌事務の範囲内で、特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより、審議会又は協議会(諮問的又は調査的なもの等第三条に規定する委員会以外のものを云う。)」云々とあるわけです。これは明確になっておるのです。だから、審議会等については必要があれば存置することけっこうでしょう。しかし、必ず法によってやること、法によらない、あなたのほうで発表しておる閣議決定とか閣議了解、これはもうこの八条に合わないわけですね。法違反ですよ。政府みずからが法違反を犯しておる、こう言われてもこれは答弁できぬと思う。まさしくここに明確に出ている、第八条にですね。したがって、閣議決定であろうと閣議了解であろうとも、これはもう早急に整理してしかるべきだと思うのです。いわんや各省庁かってにつくることは相ならぬ。これで、また先ほど大臣から、ひとつ将来は各省一つくらいの審議会等にしたい、これも決してかけ声に終わらないようにひとつ十分考慮してもらいたいと思うのです。そういうことから、ひとつ審議会等についていま繰り返し申し上げた必ず必要があれば法によること、使命を完遂したものについてはすみやかに廃止すべきこと、また、類似のものについてはこれを統合すること、この前もお伺いしたように、たとえば住宅対策審議会、宅地審議会、これは建設省関係のものですが、これは特に例をあげればそういうことです。これもすみやかに統合することに指示しているわけですね、臨調は。こういうもの一つでもまだ統合できていないわけですね。そういうふうに審議会一つとらえてみても問題点がたくさんあるわけですね。そういうものから解決していかぬで行政改革などはとうてい期して望めないということが、ここではっきり言えると思うのです。このことについての大臣のひとつはっきりしたお考えをお述べいただきたいと思います。
  164. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) いま伊藤委員が御指摘、御指示になりましたとおりにやってみたいと思います。お話の内容につきましては、いささかの異存もありません。そのとおり精力的にやっていきたいと思っております。先ほども申し上げましたとおりに、審議会の整理は三カ年計画とは関係なしにやります。三カ年の間にやるということと関係なしにやっていきたいと思います。法律ででき上がったものであっても、なおかつ必要でなくなったものは、国会に提出して解決してまいりたいと思います。政令でできたものはやめていきたいと思います。その際にはどうか御協力くださるよう私のほうからもお願い申し上げておきます。
  165. 山崎昇

    山崎昇君 それでは審議会の問題の締めに私は三点ほど長官に確認をしておきたい。  第一は、先ほど審議会に行政の執行者である公務員が入ることはどうも妥当ではないという長官のことばであります。そこで、いまこれはどういうのがあるかは調べてもらうことにしますが、即刻そういうところから公務員をはずしてもらって、委員の任命がえをやってもらいたいということが第一。第二は、日本医師会のニュースの批判については、野党対策であるということは別にして、長官から半々だと、こういう話です。そこで、先ほど指摘をされた古手官僚が中心に登用されておるとか、あるいは政府に都合のいい学者ばかり任命しておるとか、あるいはまた、公益委員と称してジャーナリストが多いようでありますが、これについてもかなり批判が述べられておる、こういう点は今後の審議会を考える場合に十分心得えて八選その他やってもらいたいと思うが、できるかどうか。第三点目は、いま伊藤委員から指摘したように、国家行政組織法に違反をして適当に審議会、調査会を置いておるわけですから、これもすみやかに整理して、国家行政組織法にのっとって、法律によって設置をするものは設置をする、やめるものはやめる。そういう整理をして委員会にかけるのかどうか、そういう点をひとつ三点まとめて私は確認をしておきたいので、長官の見解を聞いておきたい。
  166. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 「審議会等の設置および運営について」という、これは去年の十月の閣議了解でございます。その中の七に、「国会議員および行政機関職員は、原則として、審議会等の構成員にしないものとする。」こういうことがきまっておるにもかかわらず、行政機関職員で入っている者があるということでありますが、私はわかりませんけれども、それは至急調査してはずすように、これから指導していきたいと考えております。国会議員ということばがありますけれども国会議員は私はここでは言及したくありません。私は私なりの考えがありますので、言及したくないのであります。それから古手官僚、医師会ニュースの中にあります古手官僚の問題でありますけれども、古手官僚の中で全部が全部はずすということでなく、役に立つ者と役に立たない者がおるかもしれません。そういう点で、全部が全部ではなくて、原則としてそういうふうな方針をとらしていただきたいと思います。それから、政府に都合のいい委員の任命も同様であります。その解釈もなかなかむずかしいとは思いまするけれども、私はやはりそういうように思われるだけでも決してプラスになっていない、こういうように考えまするから、そういうふうにしていきたい。これからおいおいそういうふうに訓示していきたいと考えております。
  167. 山崎昇

    山崎昇君 だいぶ時間ですから、あと総括的に二点ほど聞いておきたいと思うんですが、そのうちの一点は、この間の委員会で、長官は世論というものを大切にすると、こういう話でした。これは私も賛成をするわけですが、そこで、長官にお聞きしたいのは、臨時行政調査会の答申もそうであるし、それから行政監理委員会の当面の課題の中にも入っていますし、それから全国知事会、議長会、あるいは関係する労働組会、あるいはその他新聞論調等も含めて、あらゆる団体、機関が委譲すべきであると言う地方自治法附則八条の地方事務官制度について一体どうされるのか、今日までどういうあなた方は努力をされたのか。去年、私どもお聞きをしますと、行政管理庁は何か調査をされるというふうに聞いておったんだが、どういうことをやられたのか、まずその点から聞いておきたい。
  168. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 地方事務官制度の問題でありまするが、これは二十年間も事務当局の間でいろいろな意見の交換があったようであります。しかし、とても事務レベルでは解決がつかない。それで、厚生大臣と運輸大臣と労働大臣と私と四人で、これは事務レベルでは解決がつかないから、大臣レベルでとにかく解決しよう、二十年来の懸案は解決しよう、メドはいつにするんだ、こういうことで、おおよそ八月一ぱいまでの間に解決しよう、こういう約束はでき上がっておるのであります。したがって、事務当局がおのおのの立場に立って、意見の調整のできないものはもっともっと意見を戦わしながら、これは解決していくんだということを早くきめなさい、こういう指示を与えておりまして、私のほうの立場は、臨調答申と、それから監理委員会の答申の線に沿うて話は進めておりまするけれども、そうでないものがありまするから、その全体の調整は官理庁でやる、こういうことで話はそこまで進んでおります。そうでありまするから、国会が終わりましてから——何せ国会で忙しかったものですから、国会が終わりましてから、今度は各事務当局で話をまとめまして、そして調整に入っていきたい、調整も相当いろんな点で難航すると思いますけれどもへ時間的には八月一ぱいをメドにしてやる、こういうことになっておりますので、それまでには解決したいと思っております。
  169. 山崎昇

    山崎昇君 そうすると、八月一ぱいに先ほどお話しのあった四大臣で話をされて、そしてこれはかなり大幅な法改正を必要とするんですね、やろうということになれば。そうすると、私どもの想定からいきますと、ことしの暮れの通常国会ぐらいには、その結論に基づく関係法律の改正案というものを政府としては準備をするというお考えなのか、それから、方向としては臨調の答申が中心になると思うんですが、そういう意味で、幸い全国知事会から、こういう地方事務官の移管に関する詳細な要望書が来ているわけですから、こういう点等も十分ひとつ参酌して、この地方自治法の附則八条というのは、すみやかにやはり私どもは解決してもらいたい、こう思うのですが、その二つの点についてお答え願いたい。
  170. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 八月一ぱいまでに何とかめどをつけまして、通常国会までには解決しなきゃならない法律案があれば早く出していきたい。それをそのとき話がつかないから、いつまでもまた二十年間もじんぜい日を空しくするようなおろかなことはしたくはありませんから、通常国会までの間に必要な法案を出すというその決心で、八月一ぱいまでの間にめどをつけると、こういう考えであります。非常に困難の伴う問題だと思いますけれども、意見が非常に分かれておるのであります。まあ衆議院段階では、大出君なんかは委譲してはならないというような意見なんかも徹底的に述べられておりますし、山崎さんの意見を聞いておりますと、委譲せいと、こういう考えでありまするけれども、相当いろいろなことがありますけれども、とりあえず、八月一ぱいまでにめどをつけて、そして通常国会までにその改正法案を出す、まあその点で、非常にまだ御不満の点があるかもしれませんけれども、せっかくやったものですから、そのときにはどうか御賛成くださるように、いまからお願い申し上げておきます。
  171. 山崎昇

    山崎昇君 せっかく長官から重大な決心が述べられたのですが、ただ、御不満の点があるかもしれませんがなんて余分なことは、ひとつ撤回をしてもらって、私はやはりぜひ臨調の答申、行政監理委員会の意向、それから現地の知事の意向ですね、それから関係する労働組合、その他あらゆる機関は、これは解決しなさい、そして地方に委譲することが筋道だというふうに言っているわけですから、したがって、その道だけは踏みはずさぬようにやってもらいたいし、八月一ぱいに答申を出して、できれば通常国会に、関係する法案を出すのだというのですから、それを私はここでまた確認をしながら、信用してこの問題は終えておきたいと思う。  そこで最後に、私は行政管理庁長官にお伺いしたいのは、行政効果の測定について、一点だけお聞きしておきたいと思うのです。これは行政法の中でも、あるいは行政管理の中でも、かなりむずかしい問題であることは私も承知をしております。ところが、いまこの行政管理庁の地方部局であります行政監察局を見ますと、何か投書事件による調査、あるいは何かミスがないかという調査、いわば検察的な事項が多いように私ども聞きます。それは、私ども地方へ行って、関係する行政機関の方々からいろいろ聞くと、どうも行政監察局との間が、必ずしもしっくり私は行っていないのではないか。そういう意味で言うと、私はむずかしいだろうけれども、むしろ行政効果の測定に力点を置いて、今後の行政監察というのは行なうべきではないか、こういう見解をとるわけなんですが、もしこの行政効果の測定に具体的な方針があれば、あるいはこうしたいというような将来の考え方等あれば、この機会にお聞きをしておきたい。
  172. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) どうもその山崎さんの意見と、私の意見があまり合い過ぎるものですから、私も何だかおかしいような気がしてならないのですが、管理庁の監察行政というものに対して、私が長官として来ましてから実は疑問を持っておるのであります。その点について、監察行政のあり方というものを根本的に考え直しをしてみようという気持ちを持っておったのですけれども国会の途中で、要りもしないときにそういう発言をして、かえって内部的に疑惑、混乱を起こさせてはいけないと思いまして、いままで何にも言わないできておったんでありますが、監察行政のあり方につきましては、私は長となって見ておりまして、いま疑問を持っていることは事実でありまして、根本的に考え直しをしなければいけない。そして、あなたのおっしゃるような行政効果の測定という大きな役割りを今度果たすような仕組みにしてみたらどうかと、こういうお話でありますけれども、そういうことも含めまして、私、考えさしてもらいたいと思っております。ただ、監察行政の測定をまたおっしゃったから、うのみにすると、何もかにも同じようになりまするから、それは一つの御意見として、私がこれからの監察行政と取り組む大きな参考資料にさしていただきたい、こう考えます。
  173. 山崎昇

    山崎昇君 長官から賛成だという御意見ですから、そう私のほうでつけ加えることもないんですが、ただ、私はやっぱり行政監察、あるいは各省で行なわれる部門監察を見ましても、どうもミスの発見だけがやはり多い。それは当然監察ですから、勢い目はそう向くんだと思いますけれども、むしろ、一体いまの法律がどういうふうに生きておるのか、あるいはいまのっけられた予算が執行されてどういう行政効果があがっておるのか、そういう面についてはわりあい目が向いていないのではないか。だから監察の書類を見てもやり方を見ても、たとえば都道府県で言えば、補助金の適正化法律に合っているのか、合っていないのか、ちょっとしたオーバーした予算支出をしても何か必ずやられるということを、そういうことを私どもよく聞かされるわけです。これは実情かどうかわかりませんが、そういう意味で私は長官に賛成してもらいましたから、ぜひこの行政監察のあり方は行政効果の測定が中心だということを忘れられぬように頼みたいし、それから先ほどもちょっと触れましたけれども、どうも投書あるいはその他によって何か行政監察がかなり動かされておるというふうに私ども聞いています。ですから、そうなると何か検察権の行使みたいになりまして、どうも官庁同士であまりいい感じではない。したがって、地方に行きますというと、地方の行政監察局に対して、口先ではうまいことを言っておるけれども、腹の中では何しに来たんだというような、あの役所は何だというような、こういう不信感がある程度あると見ているわけです。そういう意味で、いま長官からたいへん賛成の意向でありましたから、これ以上申し上げませんが、行政効果の測定については早急にひとつ、むずかしい問題でありますけれども、具体案をつくって、そうしていま指摘したようなことのないように私はしてもらいたい。  それからあわせてもう一点私は申し上げておきたいのは、これは許認可の制度のときにも申し上げようと思っておったんだが、各省から出先の機関、あるいは自治体等々に対する定期報告、調査報告、これがまた膨大なものなんですね。特に定期の報告なんぞは法律が一つできるたびに、政令ができるたびに、あるいは省令、通達が出るたびに一つずつふえてくるんです。したがいまして、出先の機関なり、自治体等の総務課でありますとか、内部管理の部門はこの調査報告書をつくるだけでたいへんな事務量になっておる。そういう意味で、私は許認可はもちろん大事でありますが、この報告だとか、何とかいう、いわば事務上の責任を伴うようなものについては思い切って私は整理をしてもらいたい。そうでないと、これだけでも人員をふやす最大の要因になっているわけですね。この点についてもおそらく三カ年計画か何か、また言っているんでしょうけれども、この機会に長官からひとつきぱっとした見解を聞いておきたいと思います。
  174. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 先の監察行政でございますが、つい最近も漁業のやり方について勧告したのですよ。ところが与党からえらいおしかりをこうむったのです。あんな勧告をすると漁業行政というものが根本的にこわれていって混乱するのだ、あのようなばかばかしい勧告なんてあるものかといって与党からえらいお小言をちょうだいしたりしたのでありますから、それだけでも私は身にしみております。監察行政のあり方については根本的に考えさしてもらいます。  それから、調査報告というものが非常に膨大なものになっておる、このためにむだな費用と、それからむだな人というものが非常に多く使われているということを、私も今度お聞きいたしまして、まあ三カ年計画と言いますとおしかりをこうむるようでありまするけれども、とにかく今度の計画の中で、少なくともそういう調査報告の二割以上は削れと、こういう指令を出してみたわけであります。その報告を、この前の週の木曜日の政務次官会議におきまして、どういう状態だということを聞きましたところが、そのことは順調にやれると、こういう話がありましたから、つけ加えてこの際お話しを申し上げておきますが、やっぱりそういうようなことがたくさんにあるんで、確かにいまの行政というものは、整理すればむだを省くことが可能でありまするから、どうかいろいろな点で、まあ私もあなたのもとに参りまするから、あなたにも来てもらって、そうして対等で聞いたり言ったりしてやらしてもらいたいと思います。私の調査資料も差し上げまするからね。前の官職の問題なんかは、あなたの御意見、こうしたらどうかという意見だけは、これには関係ありませんけれども、教えてくださるようにお願いを申し上げます。いまの私にとりまして非常に参考になるのは、お役所の意見もさることながら、民間の意見、国会の意見、特に反対の立場で要望される意見というのが非常に私にとっては参考になるんでありますから、心からお礼を申し上げさしていただきます。
  175. 山崎昇

    山崎昇君 まだまだほんとうは臨時行政調査会の答申内容から、あるいは特殊法人の問題から、私は総体的に聞いておきたいことがたくさんありますが、かなりの時間でもありますから、この程度でやめたいと思います。  そこで、この前の委員会以来、私は私なりに行政機構のほか、いまの事務のやり方から、それから今度の一局削減の問題について、あらゆる角度から検討してみて、どうしてもこの一省一局削減というのはやっぱり合理的ではない。あまりにも矛盾が多過ぎ、あまりにも拙速主義であって、そういう点から、いまだに私はこれは賛成することはできないわけですが、また別の委員会のときに、今度は各省別に私はもっとこまかにいろいろ聞いてみたいと思うのですが、きょうは総括質問、この程度でやめたいと思います。しかし、最後にもう一ぺん、これだけ申し上げて、不合理の点はあなたもおわかりになったわけだから、どうですか、下げませんか。撤回しませんか。
  176. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) この内部に含まれておりまする矛盾とか、不合理の点のお話は、まあ身にしみて感謝申し上げますが、撤回するということは何としてもできない。どうかその点はお許しをお願いいたしまして、ぜひ通してくださるようにお願いを申し上げます。
  177. 多田省吾

    ○多田省吾君 昭和三十九年九月に臨調の答申が出まして、それ以来四年近くもたちますけれども行政機構の改革については思わしいものがないのみか、ほとんど見るべきものがございません。また、この一省一局削減につきましても、昨年の十一月の閣議で、総理のちょっとした思いつきのような乱暴な指示が出まして、そうして一省一局削減ということになったわけでございますけれども、ただ単に局を部に格下げするだけではないか。いままでの一委員会十八局二部を廃止して、新たに一庁十二部一所、またさらにほかに職も三つふやすというような姿でございまして、いわゆる行政の簡素化、合理化というものはほとんど行なわれないで、ただ単なる名称の変更にとどまるというような非常に不合理な案でございます。先ほどから登山口になるだとか、あるいは精神的なショック療法だとかいうようなお話がございましたけれども、それでは私たちとして納得できる理由とはなり得ない、またはっきりした大義名分がない、合理的な根拠がないということを痛切に感ずるわけです。で、もっと大臣としてそういった納得できる説明をしていただきたいし、また、行管長官は実行力に富んだ方であると、そういうもっぱらの定評でありますし、行政改革の実現のため今後おやりになることをみんな注目しているわけです。まあ六月の三十日にその具体的なものが出されるということでございますが、一体どういう方向で、具体的にどういう方策を行管長官としてとろうとなされているのか、まずこういうことからお聞きしたいと思います。
  178. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 臨調答申以来、数年を経過いたしましたが、行政改革の見るべきものが何にもなかったのではないかというおしかりは、まあごもっともであります。若干いろいろなことをやったことは間違いありませんけれども、取り立てて誇示するようなものがなかったことは事実だと思っておりまするが、佐藤総理といたしましては、そのための準備は心でも機構的にも非常に考えられておられたこともまた事実なんであります。総理が行政改革と取り組むのだという決心をされたのは、あの日韓問題が解決したときなんでありまして、日韓問題が解決したならば、もう国内での大きな問題はなくなるように思われるが、今度は何をやるんだということを当時の船田衆議院議長から聞かれたときに、おれは行政改革と取り組むのだということをはっきりと言われておるのであります。しかし、御本人が何せ行政から政治家になられた人でありまするから、行政改革の困難なことは人一倍知っておられるのではないかと思います。そして、心であれやこれや準備されまして、機構としてはやっぱり行政改革の主になるものは行政の最高の長である総理大臣みずから陣頭指揮をしなければならない、そういうものをつくらないで行政改革というものはできない、今日までできなかったのもそこに大きな原因があると、こういうように判断されまして、総理みずからが中心になって行政改革の閣僚懇談会というものをつくられた。その下に行政改革本部というものをつくられまして、各省庁の事務次官及び局長などを網羅して、全体として行政改革と取り組むという根本方針を立てられたのであります。そして一省庁一局削減と、こう言われたのでありまするから、決して唐突の議論でもない、唐突の考えでもない、ほんとうに思慮分別の結果、一省庁一局削減というものをお出しになったわけでありまするから、その形そのものはまあ御指摘のとおり、これが合理的とはあながち言いかねる、合理的なものもありまするけれども、全体として合理的とは言いかねる。しかし、あえてこれをやらなかったならば行政改革の根本改革というものは樹立できないと、こういう考えでおやりになったのであります。そのあとを受け継ぎまして、私が総理の御命令によりまして行政改革に対する三カ年計画案というものといま取り組んでおるのであります。先ほども申し上げましたとおりに、構想は、行政全体が、各省庁全部が共同作業でやるという構想のもとに、行政改革本部が中心になりまして、いま三カ年計画案というものをつくっております。そうして、行政改革本部で、とりあえず、各省庁に対して指令いたしたことがあります。その指令いたしました内容につきましては、局長から説明いたさせます。
  179. 大国彰

    政府委員大国彰君) 「今後における行政改革の推進について」と申しますことしの二月二日の閣議決定に基づきまして、三月の終わりに、行政改革本部から各省に改革計画作成につきましての留意事項を述べてございますが、このおもなものは、まず事務の整理、それから機構の簡素化、それから法令の整理と、こういう三つでございまして、許認可、補助金、あるいは行政事務の下部機関への委任、共管競合、そういったものにつきまして、事務の簡素合理化をはかる。それから機構につきましては、内部組織の簡素化並びに審議会その他いわゆる付属機関等の整理再編成、地方支分部局の整理再編成、これらの点につきまして全面的に各省庁におきまして自主的に再点検をいたしまして、それに基づきまして改革案をつくるということを主にしておるわけでございます。
  180. 多田省吾

    ○多田省吾君 総理が前々からこの行政改革については前向きの考えを持っていたという御答弁がございました。それで、去年の十一月に、総理がこの一省一局削減ということを指示なさる前に、行管長官にも一応相談があったわけですか。そうして慎重に検討した結果、こういった指示が出されたというのかどうかですね。
  181. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 一省庁一局削減というものを自分の構想として発表されるときには、私が長官をしていない、松平長官の時代だったんであります。それで、松平長官には、自分はこういう考えを持っておるのだ、そうして、三カ年計画にするか、五カ年計画にするかは、そのときの状態によって判断したいと思うけれども、とにかく三カ年計画でも五カ年計画でも行政改革はやってみたい、そのために一省庁一局削減というものをうたい出すから、君はそのあとを受け継いでやってくれと、こういうような相談は、松平長官にあったそうであります。その長官から私が受け継ぎまして、そうしてその一省庁一局削減の問題と取り組んで、曲がりなりにも、非常に困難でありまするけれども、一省庁一局削減というものが額面どおり行なわれましたならば三カ年でする、額面どおり行なえなかったならば、なかなか困難な問題ですから五カ年にする、どっちにするかということは、一省庁一局削減が額面どおり行なわれるか行なわれないか、それは行政当局が協力するか協力しないかという判断等もありまするので、この問題と取り組んで、そうして額面どおりできたものですから、五カ年にしないで三カ年にする、三カ年の見通しはかなりある、こういう判断でやったのでありまして、松平前長官から、そのときの様子はやや詳細に承っております。
  182. 多田省吾

    ○多田省吾君 やはり行政機構真実の改革、前向きの改革をしようと思えば、今回のような、課の数も減らないし、職員の配置数の削減も伴っていない。あるいは、ほんとうに事務の簡素化をはかるものでありましたならば、省庁にまたがるような局部の統廃合というものも当然必要でございますけれども、それもなかなか手が打たれていない。また、二、三年前から新たに設置されたり、あるいは局に昇格したものが朝令暮改的に今度廃止になる。総理府の青少年局は四十一年三月の設置、また経企庁の水資源局は三十七年の設置、厚生省の国立公園局は三十九年の昇格、あるいは労働省の安全衛生局は四十二年の昇格という姿もございます。長官も非常にこれは朝令暮改だということは当然認めておられると思いますけれども、なおわれわれとしてちょっと残念に思うのは、いわゆる自治省の選挙局が選挙部に格下げになっている。議会民主主義の発展のためには、やはり選挙は重要な問題でありますし、現在も政治資金の問題等が強く要望されている、そういったときに、幾ら一省一局削減はすべての省にまたがらなければ意味がないとはいっても、あまりにも選挙局の格下げというようなことはたいへんショックである、このように思うわけです。こういった点に関して、もっとほかの考え、案というものがなかったのかどうか、長官としてこういったことをどう思われているのか、これを端的に簡明にお答えいただきたい。
  183. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 今度の一省庁一局削減は、とにかく各省庁に対して実質的に一省庁の中で一局を削減せよと、こういう指令を出したのでありまして、各省庁から出された答案をまとめる役をつとめたのが行政管理庁なんであります。したがって、まあどの局をやめるかということにつきましては、各省庁ともに非常に苦慮されたようであります。その苦慮された結果、結局その省庁内において、まあ必要の限度とそれから力関係とか、いろいろなものが考慮されまして出てきたのが今度の結果になってあらわれたのでありまして、事情をお聞きいたしますと、各省庁ともに非常にお苦しみになったようであります。それはそうだと思います。特に新しくでき上がったものなどをやめるなどということはほんとうに苦しかったに違いないと思うのであります。要らなくなったものでも使い古したものを捨てるということは相当の努力を要する。自分のポケットにある紙くず一つでもなかなか捨て切れないときに、何十年間も使い古したものを捨てるなんていうことは、整理するということは非常に苦しかったと御同情申し上げておりますが、こちらのほうでは、上がってきたものをまとめて出したのが今度の法案でありまして、しかし、なかなか困難だと思ったものができたということによりまして、大きな行政改革が、根本的な行政改革が可能だという判断に達しましたことは、まあお苦しみもあったればこそだと思いまして、私はその点では御同情申し上げながら喜んでおる次第なんであります。  自治省の選挙局の問題でありまするが、外郭団体も非常に反対されたそうであります。内部でも非常に議論されたようであります。特に赤澤自治大臣といたしましては、自分が選挙局を廃止するという答案を出したのじゃない、前の大臣が出したあと始末をさせられました関係上、相当お苦しみになったようでありまするが、まあ十年前は部でやっておった。そして十年間局でやっておったのだが、十年前にさかのぼってなおかつやってやれないこともないだろうし、特に自治省のお役人が非常に有能なそうであります。選挙局長は山形県出身であるから有能だと申し上げるわけではありませんけれども、非常に有能な方でありますから、こういう人材をたくさん擁しておれば、あえて局が部になりましても、従来の選挙局が担当しておりました仕事の能率を下げるようなことは万々ないと、こういうように判断した、こうおっしゃっておったようでありまするが、多田委員が御指摘になったように、いろいろな点で苦慮したことは事実なんであります。非常に苦慮された結果、一省庁一局削減という問題ができて、行政が反対しないで協力するという姿になったことで、根本的な改革案と取り組むことができた。御指摘のことは重々わかりますけれども、そういう事情もあったということだけは御指摘のとおりでございまして、御了承をお願い申し上げます。
  184. 多田省吾

    ○多田省吾君 私、選挙局のことを御質問したのは、自治大臣の苦慮であるとかいうことは何ら関係ないのであって、いまの自治大臣なるものは、私たちから見ればうしろ向きで非常に残念に思っている次第でございまして、私はそんな意味で申したのじゃございません。ただ、やはり議会民主主義の発展のために、また選挙の重要性にかんがみて非常に残念なことである、こういうふうに申し上げたわけです。  次に、本年の二月二日に閣議決定した定員五%の削減ということと、それから三カ年を目途とするところの行政改革計画というものはどのような関係があるのか、お答えいただきたいと思います。
  185. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 定員五%減、これも三カ年計画案でありまして、それから今度のやつも三カ年計画にしたのでありまするが、やっぱりいろいろな点で事務の整理も行なう。それから先ほどもお話がありましたとおりに、調査だとか、報告だとか、許認可だとかいうものの整理もこれから大幅に行なう、これが来年度から三カ年の間に行なわれるとすれば、そのほうが、両方一緒に進んでいったほうが非常に都合がいいのじゃないかという気持ちも加わりまして、行政改革というものを三カ年計画案と、こうしたのであります。最初にきめたのが定員五%減、そのあとを追うたのが行政改革の三カ年計画、こういうことになっております。
  186. 多田省吾

    ○多田省吾君 私はほんとうの行政改革の実効をあげ、また、財政硬直化を是正するためには、端的にもう証拠の出るところの公庫、公団、事業団その他の特殊法人等の統廃合、それもまだ現在までほとんどなされておりませんけれども、これを行管長官としてやはり前向きの姿勢で、これを一挙にやり切られたほうが、真実にいまの佐藤内閣行政改革に意欲を持っておるのだという大きな証拠を示すので、これはだれしも、世論もこれは絶対支持していることでありますし、全くそれができれば前進的なことだと思うのです。これをなぜ初めにやられないのか、これからほんとうにやる御意思があるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
  187. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 私の性格からいたしますれば一挙にやりたいのです。そうして四つの特殊法人の整理と取り組んでみたのです。ところが、非常にこういうものを整理するという段になってまいりますと、そこで働いておいでになりました人の問題が出てまいりまして、そう簡単なものでないということがわかったのであります。一時内閣は、北海道地下資源の会社を民間に移行するという問題が出て、ごくあっさりと考えておりまして、それは会社自体でいかようにもできるものだというふうに考えておったところが、そうでない。そこで、取り組みまして、一時はどうなることかと思ったのでありますが、幸いに社会党の議員の方々の非常な御協力によりまして、事なきを得まして、私はいまほっとしておるような次第でございます。衆議院段階では、法案その他のときには、単に社会党だけでなく、公明党、民社党から御協力を得まして、私はまた実は自信を取り戻したわけであります。最初は自信を失いかけたのであります。御協力があって自信を取り戻したのであります。今度はまあこの問題を大きく取り上げなければいかぬ、こういう考えでおります。
  188. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、この前から汚職の問題で、電子計算機のことがだいぶ取り上げられました。この前、情報革命時代の重要な一環として、行管庁が電子計算機を共同利用することを専門家グループに委託されていた。そして、そのことを勧告なさったということを聞きましたけれども、これは一体どうなっておられるのか、お伺いしたいと思います。
  189. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 行政に電子計算機を取り入れなければならないということは当然なことと思っております。やはりあらゆるものが合理化され、機械化されておる中で、一番おくれておるものは行政でありますから、行政を早く機械化していかなければならない。そして効率化、合理化をはかっていかなければならない。それで、行政改革の機構改革についてほぼめどがつきましたときに、こういう場所は電子計算機を入れて機械化する必要がある、全体を総合統制するためには、こういう方法が要るのだという案をつくりながら勉強しておった最中に、電子計算機の購入問題につきまして汚職ができた。それが購入されたところ必ず汚職ありという状態だったものですから、私のほうでは実はびっくりしたのであります。そして仔細に検討してみますると、非常に大きな金額になってくる。かりに借りるにいたしましても、買うにいたしましても、大きな金額になっていく、したがって、業者といたしましては、あの手この手でそこに食い込む関係上、ああいうふうな汚職事件ができましたから、これは早く解決の方針を樹立しないと、汚職はとめどなく続くだろう、こういう考えで、閣議で相談いたしまして、その統制の役割りは行政管理庁が担当するのだ、こういうことにきめたのであります。いま一生懸命になってその具体案の樹立中であります。
  190. 多田省吾

    ○多田省吾君 いま電子計算機の利用というものが、アメリカに次いで世界で二番目の利用率である、非常に高水準の利用がなされておるということも聞いております。私ども各省間の事務のやはり簡素化、合理化という面から考えましても、こういった電子計算機の共同利用は各省庁のセクショナリズムというものも反省して連携作業が合理的にできるようになる。あるいは各省庁でばらばらに専門技術者の研修や養成が行なわれておりますけれども、こういったことは非常にむだではないか、こういう具体的な問題でもお考えになっておられると思いますけれども、具体的な方針としてどの程度行管として確立されているのか、お伺いいたします。
  191. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 具体的な方針も立てましていま計画の立案中なんでありまするが、ちょっといまはっきり、なかなかそういうことは、私が何と申しまするか、そういう予備知識もないものですから、覚えづらいのでありまして、直接やっておりまする者は、私のほうの庁の調整課長で、その人を呼んで聞きますると非常に明確にわかりまするけれども説明いたしますると明確にわかりまするけれども、私がいまここで答弁するということは困難でありまするが、こういうことをこういうふうにやっておるのだということをあとから書類で御報告させます。私もそういう横文字や何か非常に弱いのですよ。なかなか覚えられない。どうかひとつ御了承願います。
  192. 多田省吾

    ○多田省吾君 私はきょうは最後に、三月二十六日に長官閣議でいまの審議会二百四十九の半分を統廃合の検討の対象にするというようなことをおっしゃって、全力をあげて取り組むという前向きの姿勢を示されたわけでございますけれども、いま具体的にどのようにそれを進めていかれようとしているのか、それを最後にお伺いしまして終わりたいと思います。
  193. 木村武雄

    国務大臣木村武雄君) 三月二十六日の閣議では半分にしてみようということを発言したのです。そうしてその半分にしようと思って取り組んでみたのです。そいつは、その取り組み方が個々の審査会というものを対象にして取り上げて取り組んでみたところが、遅々として進まないのであります。でありまするから、半分というようなことよりも、思い切って飛躍してみよう、こういう考え方を起こしていま調査しておりまするのが、一省庁の審議会のようなものは一つにする方法がないものか。それですから、結局二百四十なんというものが十八になる方法がないものかどうか、それからもう一つは、この仕事の内容、たとえば「行政不服審査の裁定等に関与するもの」として二十五もある、そういうようなものは、そういう目的の同じものを一つにするという方法がないものかどうかといって、そのことでいままとめ役をしておるのであります。その中間のものなんかも考えておりまするけれども、この問題は先ほど申し上げましたように、何としても早くめどをつけてみたいと思って、いま一生懸命になって督励をしております。
  194. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  195. 井川伊平

    委員長井川伊平君) 速記をつけて。  本案につきましては本日はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会      —————・—————