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1968-03-28 第58回国会 参議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月二十八日(木曜日)    午前十時二十八分開会     —————————————    委員異動  三月十四日     辞任         補欠選任      大森 久司君     木島 義夫君  三月十五日     辞任         補欠選任      木島 義夫君     大森 久司君  三月二十一日     辞任         補欠選任      山内 一郎君     大谷藤之助君  三月二十二日     辞任         補欠選任      大谷藤之助君     山内 一郎君  三月二十八日     辞任         補欠選任      奥村 悦造君     船田  譲君      鈴木 一弘君     浅井  亨君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤田  進君     理 事                 稲浦 鹿藏君                 内田 芳郎君                 山内 一郎君                 大河原一次君     委 員                 大森 久司君                 中津井 真君                 船田  譲君                 沢田 政治君                 瀬谷 英行君                 田中  一君                 浅井  亨君                 春日 正一君                 相澤 重明君    国務大臣        建 設 大 臣  保利  茂君        国 務 大 臣  宮澤 喜一君    政府委員        経済企画庁水資        源局長      今泉 一郎君        建設政務次官   仮谷 忠男君        建設大臣官房長  志村 清一君        建設省計画局長  川島  博君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省河川局長  坂野 重信君        建設省道路局長  蓑輪健二郎君        建設省住宅局長  三橋 信一君        建設省営繕局長  横山 正彦君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○水資源開発公団法の一部を改正する法律案(内  閣送付、予備審査) ○治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○道路整備特別措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  理事補欠互選についておはかりいたします。  山内一郎君が去る二十一日委員辞任され、翌二十二日再び委員に選任されましたが、この委員異動により理事に欠員を生じましたので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤田進

    委員長藤田進君) 御異議ないと認めます。  それでは理事山内一郎君を指名いたします。     —————————————
  4. 藤田進

    委員長藤田進君) 水資源開発公団法の一部を改正する法律案議題といたします。政府から提案理由説明を聴取いたします。宮澤企画庁長官
  5. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 水資源開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  経済の発展及び国民生活の向上に伴う水資源の総合的な開発及び利用合理化必要性にかんがみまして、全国的に重要な水系開発に当たる水資源開発公団に、従来、木曾川水系及び豊川水系開発に当たりました愛知用水公団を統合し、その技術及び経験を高度に活用することにより、今後の水資源開発事業を総合的かつ効率的に施行するため、今回この法律案提案した次第であります。  本法律案は、このため、愛知用水公団を解散して、その一切の権利及び義務水資源開発公団に承継させるとともに、水資源開発公団業務範囲等を改めようとするものであります。  以下、本法律案内容の概略を御説明申し上げます。  第一点は、昭和四十三年十月一日をもって、愛知用水公団法を廃止するとともに、愛知用水公団を解散し、同公団の職員の雇用関係及び国際復興開発銀行の借款を含めて、その一切の権利及び義務水資源開発公団に承継させることとしたことであります。  第二点は、愛知用水公団から承継する愛知豊川用水施設管理その他の業務は、水資源開発公団が行なうこととし、同施設建設費賦課徴収等については、愛知用水公団の例によることとしたことであります。なお、同施設管理その他の業務主務大臣は、農林大臣といたしております。  第三点は、水資源開発公団が行なうかんがい排水にかかる業務に関し、愛知用水公団の例により、関係者間の権利調整等について、土地改良法規定を準用することとしたことであります。  その他この統合に伴う所要経過規定を定めるとともに、関係法律所要改正を行なうこととしております。  以上が、この法律案提案理由及び概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、御可決あらんことをお願いいたします。
  6. 藤田進

    委員長藤田進君) 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。     —————————————
  7. 藤田進

    委員長藤田進君) 治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から提案理由説明を聴取いたします。保利建設大臣
  8. 保利茂

    国務大臣保利茂君) ただいま議題となりました治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  政府におきましては、現行治山治水緊急措置法に基づき、昭和四十年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定し、これにより治山治水事業計画的な実施を推進し、今日まで相当の実績をあげてまいりました。  しかしながら、この間、目ざましい経済の成長、異常な災害の発生等に伴いまして、計画事業の大幅な繰り上げ実施計画外事業緊急施行の必要が生じたのであります。また、近年国土利用開発が著しく進展し、被災のおそれのある人口、資産が急速な膨張を続け、また各種用水需要が急激に増大している事態に即応いたしまして、治山治水事業を強力に推進することが緊要となってまいったのであります。  このような情勢に対処するためには、現行五カ年計画を改定し、新たに昭和四十三年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することにより、治山治水事業を緊急、かつ計画的に実施して、国土の保全と開発をはかる必要があるのであります。  以上が、この法律案を提出いたしました理由でありますが、次に、この法律案要旨について御説明申し上げます。  第一に、ただいま申し上げましたとおり、現行治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を改定して、新たに昭和四十三年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することといたしました。  第二に、新たに治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画が策定されることとなるのに伴いまして、国有林野事業特別会計法及び治水特別会計法所要改正をすることといたしました。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、御可決くださいまするようお願いをいたします。
  9. 藤田進

    委員長藤田進君) 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。     —————————————
  10. 藤田進

    委員長藤田進君) 道路整備特別措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますが、その補足説明を聴取いたします。蓑輪道路局長
  11. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) ただいま議題となりました道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その内容を逐条的に御説明申し上げます。  まず、第八条第一項の改正は、第八条の二の規定新設に伴いまして、形式的な字句修正でございます。  次に、第八条の次に新設いたします第八条の二の規定でございますが、これは、第八条の規定による建設大臣許可を受けて有料道路建設を行なう道路管理者である地方公共団体に対し、国が、その建設資金の一部を無利子貸し付けることができる根拠を定めますとともに、この貸し付け金償還方法は、別途政令で定めることといたしたものでございます。  次に、第九条第一項の改正は、第八条の二の規定新設に伴う形式的な字句修正でございます。  最後に附則でございますが、第一項は、この法律施行期日昭和四十三年四月一日とする旨の規定であります。  第二項は、道路整備特別会計法の一部を改正するものでありまして、まず第一条第一項の改正は、この法律の本文の改正により行なわれることとなります国の貸し付け対象事業は、道路整備緊急措置法に基づく道路整備五カ年計画対象事業でありますので、この貸し付け金に関する国の経理を、他の五カ年計画対象事業の場合と同様に、道路整備特別会計において処理することができるようにするものでございます。第三条の改正は、この貸し付け金償還金道路整備特別会計の歳入とするようにするものでございます。  以上、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的な御説明を申し上げた次第であります。
  12. 藤田進

    委員長藤田進君) これより質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  13. 田中一

    田中一君 現在地方公共団体が行なっている有料道路は、どの程度ありますか。
  14. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 現在特別措置法によりまして地方公共団体が行なっております有料道路といたしましては、三十三路線ございまして、三百三十九キロございます。さらに現在工事中のものが十八路線ございまして、二百二十九キロございます。
  15. 田中一

    田中一君 これはおおむね、目的はどういうものになっておりますか。
  16. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 目的といいますと、やはりこれは特別措置法に基づきます有料道路の、本来の有料道路にできるというものの条件がございます。といいますのは、非常に当該路線有料にすることによって、通行者利用者が非常に利益が多いような場合とか、そのほかの代替路線のあるような場合、こういうものに該当しておるものでございます。さらに内容を言いますと、非常に産業的なもの、観光的なもの、そういうものがございます。
  17. 田中一

    田中一君 現在ある、たとえば地方道を改修しないで、整備をしないで、こうした新線有料道路によって交通をまかなっておるというような事例があるのではないかと思うのです。たとえば、予算の点ばかりではなくて、いろんな困難な面がある。これに依存して、将来はそれを無料に公開すれば、県道なら県道に持っていくのだという考え方でもって計画している道路もあるのではないかと思います。そういう点はどういうふうになっておりますか。
  18. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 地方公共団体で行なっております特別措置法に基づきます道路につきましては、これは本来道路法上の道路になっておりまして、道路種別が、県道市町村道というような種別がございます。このほかにいわゆる道路運送法でやられております道路につきましては、これは道路法上の道路でございませんので、県道とかそういう種別はございません。これにつきましては、あるいはいま先生のおっしゃいましたように、将来無料で開放するというような規定もございませんが、将来は県道として当然必要なものになれば、道路管理者がそれを何らかの形で買い取るとか、こういう形で、県道その他の認定があり得るものだというふうに考えております。
  19. 田中一

    田中一君 並行線とまでいわなくても、やはり起点から着点というものが、同じような道路地方道についてある。それを整備するのが先なのに、有料道路でまかなおうというような傾向がありませんか。
  20. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) やはり本来の道路というのは、無料が原則だと私は考えております。そういう意味から言いますと、やはり現在の県道を改修しないで、別な路線有料道路としてやっておるというような姿になっておるのはございますが、やはり有料道路の本来の目的が、地方道路整備を促進するということでございますので、やはり一つ県道公共事業として改修いたします一般道路事業が不足いたしますと、そういうような有料道路として早く通行ができるようにして、それに料金をとっておるという例はございます。
  21. 田中一

    田中一君 五カ年で事業費が二百億、それに対する貸し付けが三十億ということに一応想定、計画されておるようでありますが、この程度の無利子貸し付け金で、従来の三十三路線並びに現在やっておる十八路線、おそらくこれによってどのくらい地域社会開発というか、利益をもたらすような計画が達成されるかということを考えると、非常に、何がために四十三年度の予算でも一億だ、どの路線幾らを出そうとするのか。かりに現在出ている十八路線というものに対してこれを行なおうとするならば、これはおそらく新規の事業に行なうかもわからぬけれども、何路線に対して幾らずつやるのか、こういうことを考えると、実に情けないようなものであって、ただ地方公共団体利益になるのは、その金利が無利子というところに魅力がある。地方債でも不可能ではないわけなんですね。一億円程度のものを無利子で貸して、どういう効果と、それから地方公共団体がそれに対する意欲ですね、それをかき立てるのかということを考えると、どうも目的がどこにあるのかということに対する疑問を持たざるを得ないのです。その点はひとつ建設大臣どうお考えになるか。
  22. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 田中さんの御指摘のように、一般地方道整備改修を急ぐということが非常に大事である。そこでたまたま並行線みたいなものにこういうものでやるということは、本筋のほうが手抜かりになってくるのじゃないかということは、運営上非常に注意を要することと思います。注意してまいりたいと思います。  なお一億円の予算を計上して無利子融資をするということで、一体どれだけの効果が期待されるかという御懸念はごもっともだと思いますが、大体は、有料道路としていままでやっておられるのは、みな起債、地方債でやっておる。それと道路公団でやっております有料道路資金金利とは、やっぱり地方債のほうが高くなっておる。せめて地方開発の上からいって、県の有料道路を構築しようという場合に、まあ道路公団でやっております有料道路金利程度には、国として御援助することが妥当じゃなかろうかというようなことで、大体この無利子融資をすることによりまして道路公団並み金利に薄めるという効果がございますので、それ以下というわけにはまいらぬでしょうし、それ以上というわけにもまいらぬ。大体おしなべて、そういう事業量を想定して運営をしてまいりたいというようなことがねらいになっております。
  23. 田中一

    田中一君 たとえ一億の金利といっても、年六分五厘ならば六百五十万ですよ。六百五十万が、一つ路線に一億を投入すると、これが早期完成することによって経済効果が非常に大きいのと、あるいは地域社会開発なり安定なりに資するのだというならいざ知らず、いままでの三十三路線、今度が現在十八路線、一体これは、一億はどのくらいの路線に配分しようとするつもりでいるのか。私は一本ないし二本というものを急速にしなければならないのだということなら納得がいくものが感ぜられるのですが、これが十七や十八の路線にこれを配分して、結局ねらうことは、このような意欲有料道路というものをつくって、そうして地方財政を多少とも救いながら所期の目的を達するのだということならいざ知らず、おそらくこれは一年でもって完成しようという道路一つもないでしょう。やはり五年なり六年なりというもので、長期の計画でしなければならぬものだと思うのです。現在やっておる十八路線、二百二十九キロ、これが単年度で全部完成するものだというものじゃなかろうと思う。そうなると、どういう目的でそれをやろうとするのか。たとえば、いいですよ、佐賀なら佐賀にずいぶんひどいところがございますよ。たとえば何というか、日本海側と、妙な地域ですけれども、一本やるのだというなら、早期に一本なら一本、二本なら二本順位をつけてほしい。重要度によって早期完成させるのだということによって運用するなら私はいいと思うのですよ。ただ、ばらばらっとおわんの中にゴマをまいたように、そんなものじゃ意欲がわかないのです。利益は何かというと、無利子と有利子ということだ。利子つきと無利子ということだ。それを一億まるまるもらったって六百五十万だ。これだけが浮くのだということになる。そうすると、地方財政が豊かなところは、必要によって自分で地方債有料をやったところもあろうと思うのです。どのくらいの効果があるか。じゃ、このいまのこの一億をどこの何路線に配分しようという考えでおるのか、ひとつ説明してください。
  24. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) ただいまの、ことしの一億をどういうような形で配分するかという問題につきましては、現在いろいろ検討しておりますが、まず候補路線として、大体ことしは六本ぐらいを考えたいということでございまして、まず一番大きな事業でございます熊本県の菊池から阿蘇へ行く道路、これは総事業が約三十一億ぐらいございます。こういうもの、及び西吾妻道路、これは山形から福島へ行きます山を越える道路でございます。これが全体事業が約十億程度、千葉の市川道路市川の周辺の道路でございます。これが総事業は約十二億八千ぐらいでございます。そのほかに愛知県の西加茂道路とか静岡の熱海から三島にくる熱函道路、こういうものが一応いま候補として検討している状況でございます。これを見ますと、やはり全体十億以上三十何億になりますと、やはり用地買収から工事を終わるまで三年から四年はかかるということで、まずその初年度といたしまして用地買収にことしまあかかるわけでございますが、その場合やはり初年度はまあ非常に金を使いませんので、いまの一億の金を配分いたしましても、事業費といたしましてはやはり六億六千ぐらいの事業費になりますので、各路線平均一億以上の金が使えることになるわけでございます。で、そういうことで用地買収を四十三年度は積極的に進めていきたいということでございます。  その前に先生のおっしゃいました非常にこういうような一五%の無利子ということで、その金利から見ればわずかなものではないかという趣旨でございますが、私たちもやはりいま地方公共団体でやっております有料道路を見てみますと、やはり金利が高いために非常に大規模のものが手がついていない。で、簡単な二億か三億くらいのもので採算のとれるようなもの、こうなりますと、やはり主として観光道路が主体になってこようかと思います。そういうようなことは。やっぱり金利が非常に高いということで非常に産業道路みたいなものがなかなかできないというような事例もございますので、そういう意味で、かなり全体の事業量の高い事業費の大きなもの、これは非常に金利採算を支配いたしてまいりますので、そういうものについて重点的にこういう制度を適用いたしまして、できるだけそういう公共的にも必要なもの、こういうもので大規模のものをこういう制度でやっていきたいというふうに考えております。
  25. 田中一

    田中一君 もう少しずばり、だれもが納得するような答弁をしたほうがいいと思うんだ。公共性なんていうものを考えておらぬでしょう。公共性ならば公共事業でおやりなさいと、そうじゃなくて金利がこれくらいの金利なもので助かるんだということをまあ局長が言っているけれども、民間じゃ有料道路はどのくらいあります、民営の有料道路
  26. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 特別措置法によりますものは民間はございませんので、道路運送法に基づきます有料道路につきましては、これは公共団体でやっておりますものと公社でやっておりますものとございますが、大部分が民間施行でございまして、現在供用しておるものが、民間施行のもので四十五路線ございます。延長が二百九十五キロでございます。工事中のものが九路線ございまして、延長が七十キロでございます。
  27. 田中一

    田中一君 この料率は、これは全然民間企業だから、向こうの採算にまかしているということなんですね、料率は。
  28. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) この民間でやります道路運送法に基づきます料金は、これは費用を償還するほか適当な利潤を含めた料金でございまして、これは一応料金は私のほうでチェックはいたしておりますけれども、特別措置法みたいに厳格に利潤を計算いたしておりません。ただ全体から言いますと、やはり特別措置法よりはかなり高いものになっておるのが実情でございます。
  29. 田中一

    田中一君 料率を、民間道路運送法道路料率をチェックするという権限があるんですか。
  30. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) これは建設省にはございませんで、道路運送法運輸大臣のほうになっております。ただ私たち指導といたしましては、公共性の強いものについては、民間のこういう道路運送法有料道路はなるべく認めないというような方向で、できるだけそういうものについては公共道路でやるか、特別措置法有料道路でやるかというように指導しておる次第でございます。
  31. 田中一

    田中一君 建設大臣に伺いますがね、この道路運送法道路、それから道路法道路、二つありますね。道路行政二元化ですね。むろんいままではいろいろありますよ。これ福島県にもあったと思う。茨城県から福島に出る道路がかつては鉄道が敷いてあった。そいつが鉄道を撤去して道路にしてある。これを有料道路にするというところもあったように記憶するんですがね。こういう歴史的な背景があればこれは別なんですけれども、新設するのに道路法上の道路道路運送法上の道路なんという道路行政二元化ということを、大臣どうお考えになりますか、これに対する対策としては。
  32. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 道路政策が一元的に行なわれなければならぬということは、私どもも全くそのとおりに考えます。道路運送法許可というのですか、免許というのですか、運送法による企業はまあ建設省運輸省で共管になる、料金のほうは運輸省できめられるというようになっているようでございますが、これはまあとにかく道路整備といいますか道路構築の要請が、時勢に照らしまして非常に強い。それにこたえる十分な措置がとられないためにこういうものが出てきていると思うのでございますけれども、これはやっぱり国の道路政策というものがやっぱりかちんとしたものがつくられて、運送法による道路はこうだ、道路法道路はこうだというようなことはあまり好ましい現象じゃないように私は率直に思います。ひとつ検討さしていただきたいと思います。
  33. 田中一

    田中一君 下水道法もやはり前国会で一元化したわけでありますから、この問題はひとつ十分熱意を持ってひとつ処理してほしいと思うんです。  そこで前へ戻るんですがね。一億の金の配分というものを、まあ大体いま六路線、四十三年度の六路線というところに配分すると一体どうなるのか。重点的にこのうちのこれがどうしてももう一歩で、いわゆる経済企画庁が持っている調整金的なことで、これが一本出せば早期完成するのだというようなものにずばり出すということのほうが効果的だと思うんですよ。だからねらっている目的は、有料道路という計画を促進させる一つの呼び水にするのか。この程度の金じゃどうにもならないんですよ。用地取得のために云々とあって、用地取得というものは、計画路線によって非常に変わってくるわけなんですね。路線の設定のしかたによって非常に変わるわけですよ。それがはたして厳密にいって経済効果がどうこうということになると、この程度の金じゃそれがそれだけの、早期完成早期完成という効果をねらっておるのか、何をねらっておるのかという疑問を、どうしても私はふっきれないと思う。何をねらおうとするのか。
  34. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 私はあえて御提案を申し上げましたのは、この公共事業として地方道整備を急いでまいりたい。これが基本でございますけれども、しかしその地元、地元の産業ないしは観光、そういうことで地元の開発についても相当各方面に強い要請がございますが、そういうものは、公共事業費がこういうふうだからしんぼうしてくれというだけでは能のない話で、そこで、いままで各県で持っているところでは、相当無理な金利の金で開設をしておる。そういう需要はやっぱり依然として強い。でありますから、その地域地域開発、発展のために有料道路でやりたいということであれば、せめて国としては道路整備法でやっております有料道路の原資並みにはなる程度の援助をするということは、妥当じゃなかろううか。そういう関係、感じで御提案をいたしたような次第でございます。
  35. 田中一

    田中一君 道路行政はですね、たとえ地方公共団体といえども、やはり公平に行なうことですね。それから地域格差をなくすということに努力することです。たとえば周期的に道路通行がとまるというような個所が、各県道でもたくさんあるわけなんです。季節的にですよ。たとえば出水時には、必ずその道路は一年のうちに一週間なら一週間つぶれる。あるいは落石、なだれ等で、周期的に冬期の交通が途絶するのだ、あるいは積雪でもってだめになるのだというのがあるのです。こういうものこそ、いま言う菊池‐阿蘇の三十一億の資金なんというものは、そういう地域にこそ先行投資をして、地域住民の安住ということをねらいながら行なうのが、私は地方行政の道路に対しては主眼だと思うのです、先行すべきだと思うのです。それが、そういうものはさておいて、菊池‐阿蘇の観光道路をつくってということになる。また一面、これによって高収入をあげて、そうして、それを財源として、そういう格差のある、一年に何回か通行どめになるところの道路整備するのだということを考えているのかどうか。私はそれよりも、まず最初に三十一億という、地方財政にしては相当大きな金を使うならば、そういう年に何回か通行どめになるというような個所にこそ、先行して安全な通行のできるような道路をつくるということのほうが、国として指導するほんとうの精神じゃなかろうかと思うのです。三十一億の金を投じて、三カ年でこれができた。それが県民のためにどれだけのプラスになるか。いわゆる、とうとうといま公共事業も営利化されているというものもあります。そうじゃなくて、そうした陸の孤島的な地域開発こそ、先行すべきだと私は思うのです。そういう、たとえば菊池‐阿蘇の問題、これをとらえて、熊本県にはそのような陸の孤島的な地域がありはしないかどうか。道路費というものをそこには使っておらないで、こういうところに使うのはおかしいのじゃないか。そういう点が一つもない。もう全然そういう不便なところはなくなって、そこで今度、ここでもってたくさんのお客さんを呼ぶために観光道路をつくるのだということならば、一つ方法かもしらんけれども、それにしても、そういう調査を十分に行なって、それで判断をしようということになるべきで、私は菊池‐阿蘇のこの路線というのは、これは道路緊急措置法の道路だと思う、融資をする以上は。民間でやる場合には、これは道路運送法上の道路ということになる。同じ路線です。それで有料道路としての条件が満たされているから、これで融資をするのだということだけでは、政治の姿勢として、道路行政をつかさどる建設大臣としては、非常に足らないと思うのです。そういう点をひとつ十分に検討しなければならんと思うのです。ただ菊池‐阿蘇間の問題だけを考えて、これを許可するの何のということじゃなくて、全体の道路行政というものが、地方県民に与える公平というものに欠けているのじゃなかろうか。あるいは前段に申し上げたように、陸の孤島がある時期にはできるというような地点に対しては、県はどういう考えを持ってやっているのかというようなことも、十分政治的な配慮というものを考えていかなければならんと思う。ただただ地方の長官の——各地方にもあります。人気取りに一つ路線開発をやって、それで次にまた再選するためにそういうことを行なうという、いわゆる政略的に使っているものもあると思うのです。そういう点についてのいままでの、いままで許可したものに対する考え方というものは、道路局長あたりが考えるなら、どうしてもその路線そのものに対する経済性とか、どうペイするかということしかないと思うのです。大臣としてはそれではいかんと思うのです。やはり県全体の道路行政というものが行き届いたものになっているか、いないか、ないならば、そういう点を充足しなければだめだぞ。そうしてこういうものは、ほかにも道路公団なりあるわけですから、そういう方向でさせるというぐらいの指導をひとつしてほしいと思うのですが、建設大臣どうですか。
  36. 保利茂

    国務大臣保利茂君) ごもっともな御意見だと思いまして、拝聴いたしております。有料道路計画する限りは、やはりそろばんに乗らなければ計画もできない。ところが、そのそろばんにうまみがつきますという地点は、道路運送法民間企業がどうしても出てくる。地方公共団体としては自分のほうでやりたいのだということで競合してくる場合がある。これは私も直接聞かされているわけです。しかし、道路はやはり本来無料供用すべきものであるわけですから、営利の対象として扱っていくということはいかがであろうか、私は疑いを持つわけでございますし、そうすれば、民間でやりたいというところを、いやそれは県のほうでやらしてくれんかということであれば、やはりそちらのほうにおいて他日無料開放をされるという期待を持たせつつ道路目的を達するには、そのほうに重点を置いて考えていくべきじゃないか。ただ、前段お話しになりました点は、これはもう公共事業にもっと力を入れて、いわゆる陸の孤島というようなところが存置されるというようなことのないように、一般道路整備を急がなければならんということは、私ども十分心得ているわけであります。まあとにかく、その地域の県が、主管する県が、民間企業でなしに県営としてとにかく有料開発したいという意欲のあるところは、これは御注意の点は重々私ども運営上気をつけていかなければなりませんけれども、そういう道を開く。それから、道路公団でもやらせればいいじゃないかと、お説のとおりだと思いますけれども、道路公団は、まあ従前はたくさん道路公団も、あっちこっち有料道路をつくっておりますけれども、今後は主たる道路公団の使命というものは、幹線自動車道といいますか、七千六百キロの計画を、一日も早く達成していくというところに重点を置いていかなければならぬのではないか、そういうふうな地域、地方的な地域のようなものを道路公団が一々取り扱っていくということは、私は必ずしも適当じゃないんじゃないだろうかというようにも考えますので、こういう御審議をお願いした次第でございます。
  37. 田中一

    田中一君 現在ある地方道というものが、この有料道路開発によって整備されないんです。これはたとえば、あれも県道だと思うんですが、熱海‐伊東間の県道なんというものは、もう利用されておらないんですよ。道路公団のあの海岸線ができたために整備もされておらぬですよ。旧態依然たる寸断された道路になって残っておるわけです。私は、地方の県が計画する路線というもの、現在持っているところの県道の改修というものは非常に困難だと、金がかかるんだと、だからこの有料道路に、どっちみち金を三十億使うならば、新しい道路にやったほうが改修も楽なわけですよ。土地を買収するんだって、県道沿いには当時の有効な、経済的な価値のある土地なり、あるいは部落があったりするわけですから、この場所はたいへんだ、それよりどっちみち金を使うんなら、新規に持っていってしまえということで、有料道路計画が変更されるような路線があると思うんです。これは県全体の財政から見た場合には、そのほうが有効かもわかりません。また、そのほうが経費がかからないかもわからぬ場合があるんです。私は、いまこの三十三と十八で五十一の路線というものを一つ一つしらみつぶしに調べてもいいと思うんです。そうなると、かつて非常に便利であり、かつまた、自分たちの住んでいる地域というものは経済的にも価値があった、それがなくなってしまうわけです。道路の改修はしてくれない、維持管理もおろそかになるということにならざるを得ないと思うんです。こういう点は、道路局長もおそらく知っておると思うんです、こういう場所があることは。それらに対しても、やはり道路行政の根本の姿勢として、建設大臣は全体をにらみながら配慮しなければならぬと思うんです——これの許可等に対してはですよ。建設大臣がこの道路法によるところの有料道路許可をするということ、これが反対なら、道路運送法によってここに道路をつくりましょうということになるかもしれません、経済的にそのほうが効果があるならば。したがって、前段に申したように、道路行政の一元化を急速にしなければならぬということが一つ。そして、現在あるところの県道なら県道というところを廃道に追い込むような計画に対しましては、十分にその点に対する県の態度を聞き、路線のつけかえするならつけかえでけっこうなんです、これは新しい開発ですから。そういう点を考慮しながら、そうしてこまかい計算の上に立って、県の負担というものは、将来何年問を想定した場合には、このほうが利益なんだという場合には、この踏み切りもいいと思うんです。私は、十何年前に有料道路というものがこれでもって出たときから、割り切る以上もう割り切っているんですよ。これは無料公開ということが原則でしょうけれども、しかしこうして野方図に自動車産業というものが発展する、これに対して政府が何にも手を打たない。世界第三位の自動車の製造高を現在誇っております。こういう時代ではもう追っつかないからやむを得ないという踏み切りをしておるわけでありますけれども、しかし国全体の道路行政というものは、これは高速道路という思想でもって、現在着々と幹線だけは一応の形がつくられつつあるのであります。しかしながら、一歩地方の公共団体地域社会に行ってみると、これまた非常な混乱があるけれども、それに拍車をかけるのが今度のこういう地方道に対するところの有料化ということですね。だから意図がどこにあるかということを、前段から聞いておるのはそれです。何を目的にやるか、その点の解明なり許可をする場合にも、これは相当に考慮しなければならぬ面が多々あるのです。それから五年間に三十億程度のものを出して、それで少しでも整備が促進されるということを考えるのはこれは建設大臣、少しあなたは総花式な、ほかに何か意図があるのじゃないかという疑いを持つくらいの金額なんですよ。三百億出そう、たとえば事業費に二百億出そうじゃないかというなら、かっさいします。こういう点について総体的な建設大臣道路行政のひとつ姿勢を話してください。
  38. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 本法の運営にあたりましては、ただいま田中委員の御注意は、十分私はじめ道路当局者もしっかり頭に置いてあやまちのないように期したいと思います。ただこの法案、こればっかりのものをやるのは何かあらせんかというお話でございますが、私何にもありません。まあまあそんなに地方で求められ、またどうも予算編成時期等におきまして、これだけはせめてやってもらいたいという非常な要請も各方面からございまして、そういうものかなというくらいのところで、実は私は了解をしておったわけでございますが、しかしだんだん真摯に考えてみますというと、御指摘のような傾向が全国に多うございますから、ひとつ運営にあたりましては、十分に気をつけてまいりたいと思うわけであります。本来言えば、こういうものは必要があるなら公共事業でやるべきであって、苦しまぎれの何かかようなこと、はなはだそういう点に御疑念もあろうかと思いますけれども、地方の要請にもこたえて、この程度のものでひとつ、あとでどういうふうに発展してまいりますか、差し向きこの程度のことでやらしていただいたらいかがであろうかと、こう考えております。
  39. 田中一

    田中一君 現在の有料道路料金がどういう形で決定されておるか。それから一番最初にできたワンマン道路は、何かあれはたしか昭和二十年だったかな、建設費の償還というか、をみようとしたのは。ところがもう二十年どころではない、十年足らずで償還になったですね、ワンマン道路が。だからこれは有料道路に対する料金を早くペイしようという考えならば何でもないですよ。並行する道路をそのままうっちゃっておけばいい、早く料金を回収しようとすると、並行道路をうっちゃっとくんです、必ず。二十年のものが十年でペイしちゃうんです。私はそういう意図がありありと見える個所を知っているんです、全国的に道路を歩いてみましたところが。一つも改修もしなきゃ、維持管理もしない。しょうがない、有料道路に殺到するわけなんです。二十五年償還というやつが十年足らずしてできちゃうんだから、これは国民を食いものにするものなんですよ。ほんとうの正しい行政じゃないと思うのです。そこで通行料の料率はどういう形で……、しゃくし定木に、三十年なら三十年未満で、いつからの時点をきめようじゃないかということできめられているいままでの傾向があるんです。たとえば関門隧道なんか、はずいぶんこの国会で論議したものです。あの高い料率を取られたんじゃ、いままではしけで荷物を運んでいた連中は、一番使うのは関係の付近の通行に使うわけなんですね。長距離の人じゃないんです。最近は長距離の車がずいぶん出ていますが、これだってたかが知れたものです。その犠牲がどこにくるかというと、その有料道路の関係する付近の住民が一番負担をしているという傾向が多いのです。それで料金制度というものを根本的に変えにゃならぬと思うのです。地方債あるいは借金が三十年償還になっているから、三十年じゅうに何とかしなくちゃならぬという考え方じゃなくて、長期なら長期でもいいんです。プールしてもいいんです。何か新しい方向を示して、新しい体系というか、体系を打ち出してほしいと思うのですよ。そうしてできるだけ利用者に対して負担を軽いようにする。これを国鉄並みに長距離に、何というか遠くへ行くほど安くするという方法をとっている、いわゆる定期券を使って通勤に使うというような、国鉄の料金は一番高いのです。一番もうかるところなんです、国鉄でも。遠くに行くほど割引きになっている。これを道路料金がやはりそういう形で国鉄並みのようないき方をするならば、これはたいへんなことになりますよ。もう建設大臣、御存じでしょう。定期で通う料率を、うんと今度三七%も上げました。この路線は必ず国鉄は黒字なんです。長距離路線は赤字なんです。こういうことをもしも新しい料率制を確立するために考えているなら、これはたいへんな間違いだと思うのですがね。その点ひとつ道路局長はどういう——これは大臣がわからぬというより、これはちょっとこまかいから無理かと思うから、道路局長説明してください。
  40. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) ただいま御指摘の料金のきめ方、これは高速自動車国道と一般有料道路では、少し考えが違っておるかと思います。一般有料道路の場合は、やはり料金のきめ方というのは費用を償還するということと、いろいろ迂回路を考えまして、受益の限度をこえないというような線でございます。また高速道路については、費用を償還するということのほかに、公正妥当な料金にしなきゃいかぬということになっております。まあそれで料金のきめ方、多少ニュアンスが違っておるのでございますが、やはり有料道路そのものが、ひとつの料金で償還するというようなたてまえになっておりますと、まず料金を非常に高くすれば利用者が少ない、安くすれば利用者は多いけれども、なかなか償還できないというようなことになりますので、その問においてどういう形で適正な料金をつくるか、これは非常に問題があると思います。この辺は、ただいまいろいろ道路審議会の料金部会でも検討してもらっておりますが、われわれ率直に言いますと、まあ利用者——通行者が払える料金ということ、これがまず一つ考え方ではないかというように考えます。というのは、まあそのときの経済情勢とか国民所得によると思いますが、非常に便利のあるもので、そういう便利があるから有料道路の場合百円なら払える、二百円くらいなら払える、しかしこれが利益はあるけれども、たとえば東名高速、名神高速がつながりまして、東京‐大阪間が五百三十キロくらいになりますと、いまの名神高速道路のトラックの料金九円五十銭ということから計算いたしますと、東京‐大阪間が片道五千円になります。なかなか五千円という金額がほんとうに払えるかどうか、この辺が一つの問題ではなかろうかと思っております。確かに一つの短い区間をとりますと九円五十銭でも十分払えるような金額かもしれませんが、いま言いましたように長くなると非常に料金がかさむということ、これはそれによって利益が少なくなるわけではもちろんございませんが、ただし料金考えるときに利用者が負担できるということも、ひとつその料金のきめ方の中に考えるべきではないか。そういう意味から、できるだけ長距離の輸送にサービスするということになりますと、いまの遠距離逓減という考え方が出てまいると思います。これもいま先生言われましたように、遠距離逓減そのもののほんとうの理屈から言いますと、それだけ利益があるなら何も逓減するということもないということになりまして、これが非常にむずかしい問題でございますので、料金部会にもはかりまして、十分慎重に検討したいと思っております。
  41. 田中一

    田中一君 そうすると、この地方公共団体有料道路もその考え方で国がきめるのですか。それともあるいは地方は地方で自主的にきめるという、あとで国が認可でもしようということなのですか。
  42. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) これは、そういう有料道路計画書を国に出してもらいまして、建設大臣許可のときに料金もあわせて許可するという考え方でございます。
  43. 田中一

    田中一君 この貸し付け金を借りなければ、かってにやってもいいのですか。
  44. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) これは道路整備特別措置法に基づきまして、融資を受ける受けないに限らず、特別措置法許可は受けなければならぬと思います。
  45. 田中一

    田中一君 大体これで質問もやめますが、前段に申し上げているように、これが金を余分に出すことによって、あと促進されるかもわからぬ。そのために本来の公共事業が忘れられるという危険がある。それで道路整備法によるところの道路の申請というものは許可になると、道路運送法でもってくる、運ぶ物体は同じなんですね。歩いているものは同じなんです。通行するものは同じものなんです。したがってこういう点について、大臣は非常に庶民性があり、私はあなたが官僚でないからとっても好きなんですよ。あなたはほんとうに国民の生活に即した方向にぴんぴんと敏感であられるのでいいと思うのですが、少なくともこういうことによって道路の社会化と申しますか、道路がまだ国民のものになっておらないという方向に進んでくる。いや金を持っているものだけが通れるので、お金を持ってないものは通れないのだという考え方ですね、低所得の人間でも、必要な場合は通らなければならないということ、そういう点についてこの料率というものはがっちりと今後真剣に取っ組んでいただいて、たくさん利用するという人たちに対しては回数券制なり、定期券制なり、ああした措置をとったって私はよかろうと思うのですよ。  それから料金の徴収事務というものを、これを最近は全部請負にしているのです。なるほど考えてみますと道路公団の、大学を出た青年を料金所へやって、それこそ単調な仕事を機械的にやっている姿を見ると、これも一つの経験だとは思いますけれども、あれが長期になったらたまったものじゃない。国鉄なんか、ここに瀬谷さんいるけれども、国鉄なんか旅路という映画を見ると、みんなそういうことをやってきているらしいので、これも一つの経験でしょう。しかし、請負制そのものは非常にぼくは疑問がある。大臣だって料金払わないからわからない。——払っていますか。私たちはいつも払っています。こういう点もひとつ十分検討してほしいと思うのですよ。料率の問題、請負制そのものが、もういまの段階でいい悪いというのじゃない。実際、通行利用するものに対して十分か十分でないかという点です。こういう点もこの機会にひとつ、——いまは道路公団でも自分の関係職員なんかやめると、それにそういう会社つくらして、それが徴収をやっている。一人だけ公団の職員がいって、監督でしょうね、いるのです。あと十人ぐらいは徴収員で請負、そういうことをやっている。そういうこともあわせて、この法律が成立するでしょうから、その機会に十分に勉強して、国民のための道路であるということに徹してほしいと思うのです。道路というものは国民のためだ、国民のものなんだ。あまりアメリカの戦争行為ための通行なんか大臣だって好ましくないと思うでしょう。国民そのもののものだということに徹してほしい。それを中心としたところの考え方、具体的にこの場合にも公団等のいま行なっているものも考えてほしい。  それからもう一つの問題、橋梁はもうやめなきいというのです。橋梁は無料にしなさいというのです。二億か三億でつくった橋をやっぱり金をとって、そこにも人間が何人か要るのですよ、どうしても。全然ぺイしない、二十年償還が三十年になっても償還ができなかろうという橋もありますよ、大臣。いままでそういう政治有料道路がたくさんありますけれども——最近なくなりましたが、たくさんある、まだそんなものが。例の長良大橋だったか、濃尾大橋なんというものはひどいものですよ。向こうには例の銅像が立っています。銅像のそばに新幹線の駅もできましたよ、ちょっととまる。ああいう橋やなんかを有料道路にするということは、愚の骨頂ですよ。そうして向こうへ行けば、まだ取つけ道路も完全にできていない。あれは舗装したかどうか、砂利道でびしゃびしゃやっていましたが、こういうようなものは、もう率先して開放するのです。ひとつこの機会に大臣は全部の有料道路を点検していただきたい。これだけ申し上げて質問を終わります。
  46. 保利茂

    国務大臣保利茂君) だんだん御注意をいただきました。なるほど勉強が足らぬところがだいぶあるように教えられまして、たいへんありがとうございました。勉強します。仰せのとおり政治行政の第一のねらいというものは何だと、どうしたら国民のために、国民のしあわせを築き上げていくことができるか、ねらいはそこに置かなくちゃならないわけです。そういう観点からこの法律の運用も十分、だんだんの御注意もございますから、幸いに成立して運用するということになりますれば、十二分にひとつ注意をいたしてまいりたいと思うわけでございます。  それから一般有料道路の従前とられてきております料金の設定については、これはとにかく道路がそこに開設されますというと、想像以上に利用度が高くなってくるという地帯が多いようでございますが、そうかといってさっぱり利用のない、ただいまお話しのようなところもある。なかなか適正な料金の設定というのは、実績にかんがみてむずかしいのじゃないか。そこでやがて東名道路も一年ぐらいで全線開通をするというにあたりまして、料金の立て方というものを、いまお話しになりました点等を十二分に考慮していかないと、ただたくさん回数を利用する人に回数券でも高率割引でもやってやったらどうかといっても、これがまたどうも大企業によけいどうしても、何すれば大企業のために利便をはかっていくということにもなりましょうし、そこらに非常にむずかしいところがあるように思います。慎重にいま検討していただいておりますから、結論をつけられる段階までには、私自身も少し教えていただいて勉強しまして、妥当な結論を得て手直しをしてみたいという感じでおります。どうぞ御了承いただきたいと思います。   〔委員長退席、理事大河原一次君着席〕
  47. 相澤重明

    ○相澤重明君 二つ三つ、時間がないですからお尋ねしておきたいのですが、有料道路の場合の投資の償還期限というものをきめる根拠ですが、先ほども料率をきめてそれぞれ回収をはかるというわけですが、これは現在のところは何年に償還というものをきめておるのですか。
  48. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 一般有料道路につきましては、これは先ほど言いましたように、料金のきめ方が建設費用を償還するということと一般有料道路についての受益の限度をこえないというようなきめ方でございますので、受益があればかなり料金も上げられる。そうなりますと早く償還できるような料金の償還徴収期間をきめられるわけでございます。一般的に料金の徴収期間というのは三十年以内に償還するように考えております。
  49. 相澤重明

    ○相澤重明君 その三十年以内に、二十八年という一つの、この有料道路法を制定する当時の考え方はわかっておったのですが、その後この考え方に変わりはないのですか。いわゆる、先ほども田中委員から御発言がありましたが、吉田さんがかつてワンマン道路をつくって、そうしてこれは十年足らずで、九年何カ月ですが、開放したわけです。しかし、その後やはり回収がなかなかつかぬ道路もあるというので、プール制にしたらどうかということが、一時私は建設省で検討されたと思う。ですから、もうかっておるから早く開放してしまう、もうかっていないからこれは長期間やはりいつまででもそのまま基本料でいく、こういうことなのか、それともプール制という、全体の有料道路に対するプール制という考え方でいくのか、その点はどうなんですか。
  50. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 相澤さんと同じような疑問を私も持って道路局長をだいぶいじめてみたわけなんでございますが、どうも収益といいますか、収入があがらない地帯はやはりそれだけ利用率の低い、したがって経済活動もそれだけ弱い、負担力も弱い。そういうところをいつまでも高い料金を取られなければ利用できない、いわゆる地域開発という目的は達しないんじゃないか、料金をどんどん予定の半分ぐらいで償還できるようなところは非常に経済力が強い、負担力が強い、そういうところは早く公開をされてしまうという、それはどうかということをまあ感ぜざるを得ない。私もしたがってプール制というのには非常に魅力を感じまして、局長にもだいぶ無理を言っておるわけなんだが、そこでまあ先ほど申しますように、道路公団の主たる何は、幹線といいますか、縦貫の、そうしますとこれに例をとりましても、おそらく東海道区域というものはたいへんな利用だろうと思う。それに引きかえてさほど、東北なんというものは非常に利用率がそう期待できない。しかしそれがうんと利用されていくようになって初めて地域格差といいますか、地域開発という目的が達せられるわけでございますから、そういう点等を十分考えて今後料金の設定をやってもらいたいという考え方でおるわけでございます。     —————————————
  51. 大河原一次

    理事大河原一次君) この際、委員異動について報告いたします。  本日、奥村悦造君及び鈴木一弘君が委員辞任され、その補欠として船田譲君及び浅井亨君が選任されました。     —————————————
  52. 相澤重明

    ○相澤重明君 いま建設大臣の言われる料金のプール制の問題ですね。これは十分検討する必要がある。つまり国の資金でいわゆる投資をするわけですから、これが効率的にやはり全体の国民のための奉仕になるように考えていくことは、これはやはり政府としては考えなければならぬ問題だと思うんです。地域のへんぴなところの人がいつまでたっても高い料金を払わなければならない。先ほど田中委員からもお話しのように京浜間のようなところは、これはきわめて回収が早い。私ども京浜間に住む者から見れば、早く開放してもらうのはいいことなんだけれども、半面国全体から見ると、道路行政のあり方から見ると、やはり問題点があるんじゃないかと思う。そういう点でこれは基本的な問題としてひとつ御検討願いたい。  二つ目に、かつて衆議院におりました、いまの鎌倉の市長の山本正一さんが、鎌倉に有料道路をつくることについて非常に地元民との間に問題が起きたことがあった。ということは、有料道路をつくる場合に迂回道路というものはつくることが必要なのか必要でないのか、これはもう地域住民は、たとえば有料道路をつくられたために、その道路を通らなければ自分のうちへ帰れない、あるいは通勤、通学ができない農作業もできない。こういうような場合に迂回道路をやはりつくってやらなければ日常の生活に影響を与えるわけです。この由比ケ浜の有料道路の設定のときにもこれが非常に問題になった。ですから私は、有料道路をつくる場合には、確かに有料道路だから一々料金を払わなければ通れない。しかし一般の地域住民は、道路ができたためにかえって出費が多くなって、しかも仕事に影響を与える、こういうことはもう国民の権利を侵すものだと私は思うんです。そういう面で、有料道路をつくるときには、その付近の住民が自由に通行のできる道路というものを私は建設する必要があるのではないか、こういう点については建設省はどうお考えになっておるか。そういう方向で私はお進みになっていると思うのだけれども、この際、ひとつ明らかにしておいてもらいたい。
  53. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 前に鎌倉の有料道路のときに問題になりまして、私も承知しております。その後いろいろ検討をいたしまして、有料道路をつくる場合には、沿道またはその近傍に住居、事務所、事業所がございまして、そういうものが使用いたします車両で、この公団有料道路を通らなければならぬようなものについては、料金を徴収しなくてもいい車両として指定いたしまして、無料にしております。そういうことで全国的にやはり、有料道路をつくりました場合に、その住民にはいままで通行しておったものが阻害されないような形の措置をとっておるつもりでございます。
  54. 相澤重明

    ○相澤重明君 関連ですから、少しで終わりますが、いま一つ、基本的に考えてもらいたいというのは、先ほどの有料道路のいわゆる償還年限ですが、これを三十年以内というふうにおきめになっておる。そうすると、先ほど田中委員の御発言のように、いわゆる民間でつくった有料道路と、国がつくって維持しておる関係の道路との——確かに民間の場合には私の権利、私権というものが発生しておりますから、問題があるけれども、投資が回収をされたならばこれはやはり道路として専用道路という問題を、いつまでも放任しておくということは問題があろうと思うのです。かつて箱根山風雲録ということを言われましたように、いわゆる東急と西武とがものすごく実は争いました。運輸大臣がこの道路を通す問題について、ずいぶん騒ぎをやったこともあります。それはやはり、専用道路、私権の道路というものが公共性を持つか持たぬかという、地域の中における重要な課題になっているわけです。ですから国が有料道路を三十年以内に償還ということをきめて開放するというならば、私は、私権があってもやはり、道路の公益性ということを考えれば、この点も道路の一元化という問題について検討しなければならない問題じゃないと思うので、私はそういう点で、幾つか私がつくったいわゆる、私有の道路というものも見ております、乗っておりますが、そういう点について建設大臣はどう考えておりますか。
  55. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 画一的にふえん的に言えますかどうか、たとえば箱根の山を会社がやっているか、県がやっているか、国がやっているか、さしたる影響はないと私は感ずるわけなんです。しかし、どうしてもいわゆる経済活動、産業活動の上からして通らなければ、利用しなければならないという地点については、やはり公共の目的ということを達する上からいって、十分お説のようなことを検討しなければならぬ、私はそう思います。
  56. 相澤重明

    ○相澤重明君 それからいま一つ伺っておきたいのは、地方道が新たに設定をされます。そうすると、いままで通っておった道路がいわゆる旧道といいますか、廃道になる、あるいは道路としてはそのままにしておいて、とにかく新しいほうだけが先によくされて、そこだけはおかれる。こういう場合のいわゆる廃道にした場合には、どこに権利というものはいくのですか、土地の権利はどこにいくのですか。つまり、国有地として保存をしておくのか、地方道として、いわゆる、地方——都道府県にその財産権というものが譲渡されていくのか、あるいはそれは無籍のものになってしまうのか。いまの国有財産法でいけば、私の権利、私権のないものについてはこれは国有地、国有財産として認めなければならぬ、こういうふうになっておると思うのでありますが、道路が新しくできて、古い道路が放任された場合には、その財産権というものはどこにいくのか、この点をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのです。
  57. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) これはバイパス及びいま先生おっしゃいました有料道路によりまして旧道になった場合、これにつきましては、不用物件になった道路でございますから、これについてはその道路管理の費用を負担しておった地方公共団体にこれは譲与できるということが、道路法の九十四条に書いてありますが、それでやっておるのであります。
  58. 相澤重明

    ○相澤重明君 その場合は無償ですか。それともいま言った譲与できるということになれば、有償、無償という議論が出てくるわけですね。いままで建設省がとってきた方針は、どういうことなんですか、有償ですか無償ですか。
  59. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) これはいままで無償で譲与しております。
  60. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうすると結局、先ほどのお話ではないけれども、無償で地方公共団体建設省……国から譲与を受ける。その場合はもう補修もしないし、ほうりっぱなしになってしまうのですね。したがって今度は、新しい道路ができたところの人はいいけれども、その古い道路のところの付近の住民というものは、きわめて今度は格差をつけられた、いわゆる道路を通らなければならぬということも生まれてくるのじゃないかと思う。ですから、そういう場合に何か条件というものはないのか。道路は無償で地方公共団体に譲与をしても、やはり地域住民のためにそれは補修を義務づけるとか、あるいは、これが廃道として——使用される場合はもちろん別でありますが、道路として残っておる場合は、これは何らかの措置をしなければならぬと私は思うのですが、その点はいかがですか。
  61. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) これは当然、道路として残っておる限りは、道路管理者がそれを管理する、維持修繕する義務があると思いますが、何ぶん、いま御指摘のようなことは義務はあるんですが、市町村はなかなか財政が困難だという理由で、やっていない、放任しておくこともございます。いまおっしゃいました、たとえば有料道路につきましても、国道のバイパスにつきましても——国道のバイパスなんかの場合は必ず舗装までして渡すようにはしておりますが、有料道路の場合もやはり用地買収その他の条件でそういうようなことをよく言われることがございます。こういうものにつきましては、できるだけ……市町村も苦しい財政かとも思いますが、新しい道路をつけるための一つの協力としてそういうものもなるべくやってもらうように指導しておる次第でございます。
  62. 相澤重明

    ○相澤重明君 そういう場合に、いま言った地方公共団体に無償で譲与されるという場合に、いまの局長が答弁されたような指導方針が明らかになっておれば、私は地方の住民も困らないと思う。ところが事実は、ぺんぺん草がはえたり、砂利はなくなってしまって、道路の形態をなさなくなってしまう。いつの間にか全く住民が通ることも困難を来たすような状態が多いと思うのです。私はそういう意味で、もしいまのような政府の方針であれば、地方に譲与される場合に、そういう具体的な指示を私はしてほしいと思う。そういうことができるかできないのか御答弁いただいて私、質問を終わります。
  63. 保利茂

    国務大臣保利茂君) 道路事情がずいぶん変わってきておりますから、かつての交通が錯綜しない時代の扱り方と今日の扱い方は、よほど変わっていかなければいかぬだろうと思いますが、もとならば古い道はそのまま廃道になって使わなくてもよかったでしょうけれども、いまかりにそういうことをしようとしても、どこもここも目一ぱいの交通状態でございますから、そういう点は十分これからの指導で気をつけてまいるようにしなければならぬと思っておりますので、気をつけてまいりたいと思います。
  64. 大河原一次

    理事大河原一次君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 大河原一次

    理事大河原一次君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 大河原一次

    理事大河原一次君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  67. 大河原一次

    理事大河原一次君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 大河原一次

    理事大河原一次君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会      —————・—————