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1968-04-05 第58回国会 参議院 沖縄及び北方問題等に関する特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月五日(金曜日)    午後一時十一分開会     —————————————   委員異動 三月二十七日     辞任         補欠選任      瓜生  清君     向井 長年君     —————————————   出席者は左のとおり。    委員長          伊藤 五郎君    理 事                 増原 恵吉君                 山本茂一郎君                 岡田 宗司君                 佐多 忠隆君    委 員                 井川 伊平君                 植木 光教君                 内田 芳郎君                 大谷 贇雄君                 小柳 牧衞君                 安井  謙君                 川村 清一君                 春日 正一君    国務大臣        国 務 大 臣  田中 龍夫君    政府委員        総理府特別地域        連絡局長     山野 幸吉君    事務局側        常任委員会専門        員        瓜生 復男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○沖繩島宮古島及び石垣島相互の間における極  超短波回線による電気通信に必要な電気通信設  備の譲与に関する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 伊藤五郎

    委員長伊藤五郎君) ただいまから沖縄及び北方問題等に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。去る三月二十七日、瓜生清君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が選任されました。     —————————————
  3. 伊藤五郎

    委員長伊藤五郎君) 次に、沖縄島、宮古島及び石垣島相互の間における極超短波回線による電気通信に必要な電気通信設備譲与に関する法律案議題といたします。まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。田中総理府総務長官
  4. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) ただいま議題となりました沖縄島、宮古島及び石垣島相互の間における極超短波回線による電気通信に必要な電気通信設備譲与に関する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。  この法律案は、沖縄援助の一環として、政府において沖縄島、宮古島及び石垣島相互の間における極超短波回線による電気通信に必要な電気通信設備沖縄における公衆電気通信業務を行なう機関に対して譲与することができることとしようとするものであります。  以下これが譲与を必要とする理由の概略について申し述べます。  現状における沖縄島、宮古島及び石垣島相互の間の電信電話等電気通信事情を見ますと、これら地域相互には短波方式等による三ないし四の電話回線、一の電信回線があるのみであり、また、これらの回線空中状態により雑音混信等障害が多く通話品質が非常に劣り、さらに夜間は休止しているような状況であります。  このような電信電話事情改善するための電気通信設備設置については、かねてから現地住民はもとより琉球政府の強い要望でありましたが、一方、琉球政府または琉球電信電話公社がこれら電気通信設備設置することもその財政力経済力から見てきわめて困難であります。  政府は、これらの事情かんがみ昭和四十二年度予算及び今国会に提案いたしました昭和四十三年度予算合計六億七千七百二十九万三千円をもって、これら地域相互の間の電気通信に必要な電気通信設備設置することとしております。この設備は、極超短波を用いた見通し外通信方式によるものであり、沖縄島、宮古島及び石垣島相互の間を各十二回線及び附加回線十二回線電話回線で結ぶものであり、これによりおおむね即時通話が可能となり、最使用時においても数十分に短縮され、通話品質も飛躍的に改善されることになります。  この設備昭和四十四年三月にはほぼ完成見込みでありますので、財政法第九条の定めるところに従いこの法律を制定いたし、この設備完成後すみやかにこれを沖縄において公衆電気通信業務を行なう機関である琉球電信電話公社に対し譲与することといたし、もって当該設備がこれら地域における通信に有効に使用されるようにいたしたいと存じます。  以上がこの法律案提案理由及びその概要であります。  なにとぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
  5. 伊藤五郎

    委員長伊藤五郎君) 引き続き補足説明を聴取いたします。山野特別地域連絡局長
  6. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) ただいまの長官の御説明を補足いたしまして簡単に御説明申し上げます。  ただいまお話しございましたように、現在沖縄本島と先島の間におきます電話短波による電話が四回線電信が一回線。また、宮古島との間には超短波電話回線が三回線設置されております。これまで、沖縄に対します電気通信改善向上につきましては、政府昭和三十六年に本土沖縄との間にマイクロ回線設置をいたしまして、これを流球電電公社譲与いたしまして、本土沖縄間の電気通信事情がこれによって著しく改善されたのでありますが、沖縄本島先島間電気通信状況は、いまお話のありましたように、非常に現状では空中状態が悪くて、雑音混信等障害が多く、そのため夜間の午後六時から午前七時の間は、現在ほとんど休止のような状態でございます。このため、最近における待ち合わせの時間は普通電話で半日、至急で約二時間にも及んでおりまして、これが改善につきましては至急を要する状態であったわけであります。そこで、昭和四十二年度、昭和四十三年度予算におきまして、ただいま御説明ありました極超短波回線による施設をつくって、これを琉球政府譲与することといたしておるのであります。で、特別立法を必要とします法的根拠につきましては、これはさきに宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備譲与に関する法律を昨年御議決いただいたのでありますが、これと同様な理由でございまして、今回のこの電気通信施設は、国の予算でつくって設置される国の物品でございます。で、国の物品につきましては、財政法第九条一項の規定によりまして、法律に基づく場合を除く外、適正な対価なくしてこれを譲与してはならない、こういうぐあいに規定されておりまして、国の物品無償譲与に関する現行法の中には、これは譲与可能な態様が制限列挙で規定されておりまして、したがいまして、今回の場合は、この特別立法として御議決をいただいて琉珠政府譲与するということに相なるわけでございます。この工事の現在までの進捗状況について申しますと、沖縄側における無線局新設新設局舎工事が本年五、六月に大体完成をする目途で工事中でございまして、この今回の通信機械設備工事は、これらの工事が完了後直ちに着手できるように日本電信電話公社において目下諸般の準備を進めておる次第でございます。また、この工事は、したがいまして、昭和四十四年三月には完成見込みとなっております。なお、本設備譲与します琉球電信電話公社は、琉球電信電話公社法によって設立された法人でございまして、その業務内容日本電信電話公社に準じておるのでございます。  以上、簡単でございますが、補足説明といたします。
  7. 伊藤五郎

    委員長伊藤五郎君) 以上で政府からの説明聴取は終了いたしました。  本案に対し質疑のある方は、順次御発言願います。
  8. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 いまの御説明によりますと、これは昭和四十二年度の予算でも若干計上されているのですが、四十二年度、四十三年度、おのおの幾らになっているのか。
  9. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) 実はこの前御提出いたしましたこの法律案関係資料の十ページに載っておりますが、昭和四十二年度歳出予算に一億二千七百四十六万三千円でございます。で、四十三年度の予算に五億四千九百八十三万円、合計六億七千七百二十九万三千円でございます。
  10. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、昭和四十二年度予算に基づいて、すでに工事なりなんなりに着手し始めていたのかどうか。
  11. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) これは昨年の予算が成立いたしまして以来、この工事を進めておるわけでございます。
  12. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、昭和四十二年度において、すでに若干の設備なりなんなりができていたとすれば、これを譲渡する特別な法案というのは、そのときに同時に出されていなければならないのじゃないかと思うのですが、四十二年度にはそういう問題が起こらないで、四十三年度になって初めてこの法律提案する理由が出てきたというのはどういう事情なんですか。
  13. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) この点につきましては、昨年のこの予算を御審議いただきました場合にも、たしか分科会かどっかで御説明申し上げたのでございますが、全体の計画を御説明申し上げまして、完成したら無償譲与をすることになります、したがって、そのときには特別法を御審議をいただくようになりますという御説明をしてあるわけでございます。で、これはやはり完成して譲与する時点で法律を御審議いただくのが前例になっておりまして、いろいろこの間には従来御議論もございましたけれども、結局、完成して譲与する状態ができなければ、この特別立法をしていただいて、それに基づいて譲与するという事態が生じませんので、したがいまして、従来からテレビの場合もそうでございますし、マイクロの場合もそうでございますし、その他の場合も全部そのように取り進めているわけでございます。
  14. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、設備完成をするまでの間のその設備所有権というのはどこが持っていますか。
  15. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) それはもちろん国でございます。日本政府でございます。
  16. 井川伊平

    井川伊平君 本案関係しまして一つだけ聞きたい。  これは譲与いたしまして、それはそれで済むんでありますが、沖縄施政権日本に返るときには、これはどういうように処分されるものか。やはり無償でこちらに返してくれるといったようなものですかどうですか。その点を承っておきたいと思います。
  17. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) これは日本沖縄が返ってまいりましたときに、向こうの現在ございます電信電話公社と、まあ本土日本政府電信電話公社関係がどうなるかという問題になりますが、おそらく日本電信電話公社下部機構かそういうものになるんじゃないかと思います。したがいまして、当然日本政府がそのまま引き継いでいくということになろうかと思います。
  18. 井川伊平

    井川伊平君 その沖縄施政権が返るときには・ですね、日本のほうにそれが来るときには、これは無償で返すべきものだというようなことは、どこかでそういうことを表示しておかんでもいいかという、こういう心配から申し上げておる。
  19. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) その問題につきましては、実はこの前のテレビ施設につきましても同じような問題がございましたが、私ども本土へ返ってまいりますと、当然本土と一体化する問題でございますし、日本電信電話の体制の中に当然入ってくるわけでございますから、したがいまして、そういうことは特に念を押しておかなくても、むしろ当然のことのように私どもは考えております。
  20. 岡田宗司

    岡田宗司君 田中さんに一、二お伺いしたい。  第一の点は、この間大浜ミッションが出かけまして、それでいろいろ目的があったようですが、その一つB52の問題の調査があったようです。大浜ミッション、帰ってまいりまして報告をされたと思うのですが、その報告をお聞きになったと思うのですが、その概要をお知らせ願いたい。
  21. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) ただいま御指摘の大浜委員会がこちらに帰られまして、特に総理から委嘱になりましたB52の問題につきまして報告がございました。それにつきましてあらためて御報告申し上げますが、「B52の駐留による被害には、直接的なものと間接的な心理面のものがあると思う。直接的なものには、付近民家で爆音が激しく睡眠がとれないというもの、墜落した場合を予想しての不安があるというもの等であった。一般住民が心理的に核の搭載、常駐による報復爆撃等に対する危惧、不安を持っておることが感知された。直接的な被害に対しては、とりあえず防音壁の改良、エンジン調整場所変更、コースの変更などがなされればかなり解消されると思うが、根本的には、長い間にわたって他国の施政権下に置かれ、返還の時期も現時点においては明示されていないこと等に対する不満というか、反発が心の底にあり、このような事情B52の問題にも反映しているものと思われる。いずれにしても心理的な面の不安感B52の撤去のめどがつかない限りなお続くものと思うが、今回の調査により、沖縄にいるB52の機種は核装備用のものでないことが明確であることでもあるので、当面このような事実を周知させることも不安感を解消することに通ずるのではないかと考える」との報告でございました。
  22. 岡田宗司

    岡田宗司君 大浜さんが口頭かなにかで、政府はもう一度アメリカに対してB5撤去交渉を始めたらいいというようなことを言ったことはないんですか。
  23. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) これは口頭でおっしゃいました点の、まあ要約と申しますか、でございます。
  24. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、何ですか。B52を撤去したほうがいいという、そういう意見は全然出なかったんですか。
  25. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 大浜さんがこちらへ帰られまして、総理に会われました際は、私立ち会いいたしておりませんので、その点は存じませんが、やはり大浜さんの御意見といたしましては、ここに仰せられましたような考え方のもとに率直に見解を述べられた、かように存じております。
  26. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると大浜調査団つまり報告というものは、B52は核装備をしてないということと、それから、住民の不安はあるけれども、直接の被害等ついで対策を講ずれば、その不安はなくなるんだと、こういうことで、全然B52の撤去という問題については何らの見解も示してないし、報告もしておらない、こういうことでございますか。
  27. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 総理に対しましては、このB52に非常に現地沖縄の方々が不安感を持っておられるということと、同時にまた、それに対する日本政府としての善処方をしかるべく行なうべきだという御意見は述べられたやに承っております。
  28. 岡田宗司

    岡田宗司君 善処方というのはどういうことなんですか。その防音壁をつくれとか、そういうことが善処方なのか、それとも、B52の撤去をもう一度アメリカに話せということが善処方なのか、その善処方内容がわからなくちゃしようがないじゃないですか。
  29. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) これは撤去が望ましいということも申されたと存じまするし、また同時に、現地におきまする防音施設の問題やら、いろんな問題についても、できる限りのことをするということであろうと存じます。
  30. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、その善処の中に、撤去が望ましい、こう言われた。これは一般的には初めからわかっている、問題は調査団が行って、そういう報告を出したならば、これに基づいて政府がどうするかという見解を出すのだから、具体的にアメリカに対してB52の撤去について何らかの交渉をすべきであるという、そういうことを述べたのかどうかということをお聞きしているのです。
  31. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) ただいまの点につきましては、大浜さんから総理にも報告をされ、また、外務大臣にも報告があったと存じますので、外務大臣からまた外交交渉において、これを進めるとかどうとかという問題は、当然必要な時期に考えられるものと存じます。
  32. 岡田宗司

    岡田宗司君 どうも総務長官の話を聞いておりますというと、あなた何かたな上げされているみたいですな。沖縄担当総務長官からたな上げされているみたいな御返事をいただくとは、非常にどうも予想しなかったのですが。
  33. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 御案内のとおりに、外交上の問題は外務大臣の所掌でございますが、私どもはぜひとも一日もすみやかな本土復帰のための一体化の問題につきまして、真剣に取り組んでいるのでございまして、外交の問題は外務大臣のほうにおまかせをいたしておるわけであります。
  34. 岡田宗司

    岡田宗司君 もう一点だけお伺いいたします。ジョンソン声明が出ましてからね、北爆部分的停止が行なわれておるのですね。部分的停止が行なわれるということは、やはり沖縄から飛んで行く飛行機の数もおそらく減っているだろうと思うのです。多分そうなってくると、沖縄からのB52の発進ということは、現在減っているのじゃないかと思うのですが、総務長官、いわゆる沖縄からのB52の発進が、ジョンソン声明の前のように毎日どんどん行なわれているのか、一日以降はB52の発進が停止されているのか、その情報は把握しておられると思うが、どういうふうになっておりますか。
  35. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 私は把握しておりません。
  36. 岡田宗司

    岡田宗司君 これはやはり沖縄の全体の問題、民生の問題に関係あるのですかちね。そのくらいのことは把握しておかんと困ると思うのですよ。山野君どうですか。
  37. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) 私どもも何ら正式な連絡あるいは報告を受けておりませんので、私どものほうでははっきりしたことを申し上げるわけにはいかないわけでございます。
  38. 岡田宗司

    岡田宗司君 非公式には——正式になければ、非公式には。
  39. 山野幸吉

    政府委員山野幸吉君) 新聞等情報を聞いている程度でございまして、ここで格別御答弁申し上げるほどの情報はないわけでございます。
  40. 岡田宗司

    岡田宗司君 それは、公式でなくても、非公式でもそういうことは把握しておかなくちゃしようがないじゃないか。少し怠慢じゃないですか。とにかくこの問題は今後の外交交渉にも関係のある問題だから、沖縄住民の福祉、それから不安の除去にも非常に関係のある問題なんで、そういうことはやはり把握しておかなくちゃならぬ問題ですよ。ひとつ怠慢でないようにやっていただきたいと思います。
  41. 伊藤五郎

    委員長伊藤五郎君) 他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑は、この程度にいたします。  次回の委員会は四月十二日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十七分散会      ——————————