○
池田(禎)
委員 国務大臣の
演説に対する
質疑は、去る二十七日以来
議院運営委員会の
理事会におきまして
協議をされました。これはしばしば
理事会が開かれまして、しばしば休憩をされ、ことに二十九日のごときは、延々七時間に及びまして、
各党の
個別折衝まで行なわれる、こういう労作を伴いまして、各位におきまして非常な御苦心をいただいたことを深く感謝申し上げます。
と同時に、私は、この際、
理事会というものは、
記録のないものでございまするので、わが党が
提案をいたしましたものの経過と、その理非につきまして、本日ここに私としての
動議を、あらためて、
理事会に出したるものを
委員会に提出をいたしたいと思うものでございます。
この二十七日に
提案されましたものは、わが党は、
国務大臣の
演説に対する
質疑は、従来の
慣例をこの際一新をして、まず第一日において
院内交渉団体を持つ
野党三党の
委員長を登壇せしむることが至当ではないか、かように思うので、この案に基づいて、
各党におきまして御
協力をいただきたい、こういうことを申し上げまして、
各党それぞれお持ち帰りをいただいたのでございます。翌々二十九日、
理事会を開きまして、この議がなかなかきまらずいたしまして、
各党の
個別折衝というような、たいへんな時間と労力をいただいたわけでございますが、その結果といたしまして、いろいろな
提案がございましたけれ
ども、結局これは
日本社会党のいれるところとならずいたしまして、この案は一応撤回せざるを得なくなったのであります。
したがいまして、私は、本日の
委員会におきまして、これは長い時間と長い
努力をいただいたけれ
ども、実現の不可能な状態にあることを率直に認めざるを得ない。そこで、これを撤回いたしまして、
日本社会党の
主張するように、
日本社会党三人、
自由民主党一人、
民主社会党、
公明党、
共産党の一人ずつの
質問については、
日本社会党の
主張のとおりこれを認めよう。ただし、
質問の日数は二日間であるので、総合計いたしますると七人でありますから、
質問の第一日に三人をおやりになって、
質問の第二日目に四人をおやりになることが、どう考えても至当ではありませんか、これは
国民のどなたがお考えになっても納得のいくところであろう、こういう
提案をいたしました。
しかるところ、
各党におきましても、それぞれ御勘案をいただきまして、
自由民主党のごときは、ほとんどの方は、個人的にはもっともな案であると同意を示されたのでございます。しかるに、今日最後の
協議におきましては、それは残念ながら同調できない、こういうことになったのでございます。
御承知のように、
議運の
理事会は、あるいは本
委員会は、できるだけ
採決ということを避けて、
各党の話し合いで、持ち寄って
満場一致の姿を出したい、このことを私もよく承知いたしております。しかし、私、今日考えるときに、院の構成からいたしまして、七人の
質問者があるのに、初日にだけ二人やって、
あと五人、しかも、その中には、
野党といえ
ども、小なりといえ
ども政党の党首を立ててやるものがいるならば、それがごみための中に掃き捨てられるような姿に置いておかれる、こういうことを思わなければなりません。したがって、この
順位については、私は
日本社会党の
主張のとおりの
順位を認めるが、人数については、本日について三人、第二日目の明日に四人、こういうことにこれはできないかという
相談をいたしました。さようにならないというのが
結論でございます。私は今日なお、この
考え方は間違っていないと思っております。先ほどの
議運の
理事会においても、わが党の
主張が間違っておるか、それが暴論であるか、
天下に向かってそれは恥ずべき行為である
かいなやということを
各党の御
判断をいただきたい、かように申し上げたところ、それはもっともであるけれ
ども、それぞれ
事情があるから、
事情とは何かというならば、私はこの席において公にいたしませんけれ
ども、これは全くそれぞれの小異なる問題から発生しておることでありまして、衆議院における
各党の
協力のもとに、
施政方針の
演説に対して党の
代表を立てて
質問する順番を決定する段階におけるところの至公至平なる姿とはおよそ遠きものがあると思うのであります。さらにまた、
自由民主党の
方々が大ぜいお見えになりますが、その全部の方とは申しませんが、私が御
相談を申し上げた
方々の中に一人として
反論者はありません。もっともである、これが当然の姿である、さようあらねばならぬ、こういうことを申されております。しかしながら、現実的に最終的になってくると残念ながらさような
結論を出されなかった。
この問題は、将来
議長の
手元における
国会正常化の
委員会の中においておいおいと
審議をし、
協議を重ねていきたいという
自由民主党の御
提案に対しましては、残念ながらこれはあなた方の詭弁にすぎない。何となれば、かつて本院におきましては、
常任委員長の配分につきましては
各党の頭割りによって
案分比例でするということを明らかに
各党の
首脳会談において決定し、公式な
記録として残っておるにもかかわらず、
国会の
運営の
審議におきましては常にこれは竜頭蛇尾でありまして、多数党の前にはいかなることもできない。イギリスの
議会では、
議会政治においては男を女に変える以外、多数を持つならば何でもできるというが、そういう
慣例を
日本の
国会の中につくりたくないというのが私
どもの存念であります。したがいまして、多数党の横暴を排して
少数党の
意見を尊重せよ、常にこれを
野党は唱えてまいりました。ところが、
少数党の
意見を尊重せよということはひとしく
一致いたしまするが、われより少なきものに対しましては、これまた
少数党の
意見を尊重せざるような姿というものが毎
国会にあらわれておるということは、私は
少数政党を
代表いたしまして遺憾至極である。しかし、これは見るべき
国民がどう
判断をするか。
民社党が
提案し、
公明党が
賛成をし、
自民党といえ
ども個人的にほとんどの人が
賛成しておる、反対しておる人はいない。にもかかわらず、現実の
運営の面においてはこの事実は否決されようとしておる。しかも、でき得るならばこの席において
満場一致、言うならば
民社党だけが黙っておってくれれば、
公明党にはすでに話がついた、したがって
民社党がここでひとつ黙ってこれをのんでくれれば、これはスムーズにいくわけだというお話がございました。残念ながら、私
ども小なりといえ
ども天下の公党といたしまして、私
どもの
主張したことが、今日の
憲法政治のもとにおける
議会政治の上において、はなはだしく奇異なる道をたどるものであるか、それとも、われらの
主張は正常であるけれ
ども、多数の前には、
自民党、
社会党の
連合軍の前には敗れたという姿を見せるか、これは
国民の
判断にまつのみでありまして、本
委員会において私が
発言を求めたことは、この
記録を残して、そうして
国民がこれを見て、なるほど
民社党が横暴だ、
民社党が第一日に三人やらせい、翌日に四人やるということは間違いだ。それは何といっても
社会党と
自民党は大
政党だ、
あとはこみの
政党だ、だから、
社会党の
あとにやるのが当然だと
国民が
判断をする
かいなや、これは
国民の
政党に対する信頼の度合というものを示すものでございまして、これは選挙をはじめといたしまして、それぞれの公的な
立場において、私的な
立場においてささやかれることでございましょう。こういう意味で、
公明党の
諸君は本日
採決にだけは加わりたくないという。私は他党の
立場というものをきわめて尊重いたすがゆえに、いままでは御回調いただきましたけれ
ども、今後のことにつきましては
公明党の
自主性におまかせ申し上げます。いささかも、この点につきましては、私
どもは他意を抱きません。このことを申し上げて
公明党の
諸君に御了解をいただいたわけでございます。
したがいまして、私がざらに声を大にして言うことは、
議会政治の
運営というものは一党の専制ではありません。
各党がそれぞれ持ち寄って、
各党がもっともとろなずけるところの、その
道理に基づいた
運営をすることが
国会の
正常化である。ところが、それが何らかの
事情において、それが正論である、それが正しいと認めつつもそれが通らない、そういうことが
国会の中において堂々と、
総括委員会ともいうべき本
委員会において論議をされなければならないとすることはまことに遺憾にたえない。これがわが国の
民主政治を立てる殿堂の
総括委員会であるかと、ひそかに私は心寒きものを覚えるのであります。
さらにまた、参議院の
発言の
順位等を顧みましたならば、私
どもは、いままでとりきたった姿というものはすべて
便宜主義である、もっと
道理に基づいて
発言の
順位、
発言の期日といろものがきめられなければならない、かように痛感をしておるものでございます。したがいまして、今後私はかようなことが一朝一夕に直るとは思いませんけれ
ども、私の申すことにおいて、
各党におきまして異論がございまして、おまえの言っていることは間違いだ、それは正しくない、
国会運営のルールからいってもそれは正しくない、
少数党のごときは、
発言の
機会は、われらの慈悲をもって与うるものなりというお
考え方を持って
反論を示される方があるならば、私は喜んでそれを受けて、わが党といえ
ども、行き過ぎであるというならばつつしんで反省の
機会をつくり、党員おのおの戒めて、再びかようなことのなからんことを私はこの
委員会において言明し、皆さんのこれに対する御
批判を仰ぎたい。
したがいまして、私の提出いたしまする
動議は、
理事会におきましてはしばしば言明をいたしましたが、本日の本
会議におきまして、
日本社会党の第一陣の方、
自由民主党の一人の方、続いて
日本社会党の第二陣の方、この方の
質問演説を行ないまして、明日は
日本社会党の第三陣の方、続いてわが党の
西村委員長、
公明党の竹入
委員長、
日本共産党の
川上貫一君、以上の
順序をもって本
会議を開かれるよう私は特に要望いたします。さらにまた、
日本共産党につきましては、
発言の
順位等あるいは時間等、このことにつきましては、認めるならばそれだけの、言い得るだけのことをさせてあげるべきだ。ただお
義理だけのことでやるならば、これまた、先ほど来申しました
国会運営に対する
各党の
協力、
各党の胸襟を開いた、よりよき
運営の姿というものをつくるゆえんではない。ただお情けだ、お
義理だといろだけならば、むしろこれは、何と申しましょうか、はなはだ体裁のいいお
義理だけを済まして糊塗しようとしておるものではないかとさえ思えるのでございます。
つきましては、先ほど申しましたように、私の
動議に対し、この私の
主張に対し、
各党の御
批判をいただくならば、私は喜んでこれを拝聴いたしまして、もって私
どもの戒めといたしたい、このことを特に私は
発言をいたしまして、
各党の活発なる
反論をいただきたい、かように思っておる次第でございます。