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1967-12-01 第56回国会 衆議院 議院運営委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年十二月一日(金曜日)    午後四時三十八分開議  出席委員    委員長 坪川 信三君    理事 小平 久雄君 理事 渡海元三郎君    理事 竹下  登君 理事 田中 六助君    理事 安宅 常彦君 理事 勝澤 芳雄君    理事 池田 禎治君 理事 正木 良明君      小宮山重四郎君    坂本三十次君       竹内 黎一君    塚田  徹君       西岡 武夫君    武藤 嘉文君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  委員外出席者         議     長 石井光次郎君         議     員 林  百郎君         事 務 総 長 知野 虎雄君     ————————————— 九月十三日  委員麻生良方辞任につき、その補欠として池  田禎治君が議長指名委員選任された。 同日  理事麻生良方君同日委員辞任につき、その補欠  として池田禎治君が委員長指名理事選任  された。 同月十九日  理事中嶋英夫君同日理事辞任につき、その補欠  として勝澤芳雄君が委員長指名理事選任  された。 十月七日  委員中谷鉄也辞任につき、その補欠として下  平正一君が議長指名委員選任された。 同月十一日  委員下平正一辞任につき、その補欠として井  岡大治君が議長指名委員選任された。 十一月一日  委員井岡大治辞任につき、その補欠として三  宅正一君が議長指名委員選任された。 同日  委員三宅正一辞任につき、その補欠として中  谷鉄也君が議長指名委員選任された。 同月十日  委員中谷鉄也辞任につき、その補欠として渡  辺惣蔵君が議長指名委員選任された。 同日  委員渡辺惣蔵辞任につき、その補欠として中  谷鉄也君が議長指名委員選任された。 十二月一日  委員楯兼次郎君及び柳田秀一辞任につき、そ  の補欠として神門至馬夫君及び只松祐治君が議  長の指名委員選任された。     ————————————— 八月十八日  一、国会法等改正に関する件  二、議長よりの諮問事項  三、その他議院運営委員会の所管に属する事項閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  副議長辞職に関する件  同意人事に関する件      ————◇—————
  2. 坪川信三

    坪川委員長 これより会議を開きます。  去る十一月二十五日、園田議長から辞表が提出され、同日、議長において辞職を許可いたされました。  右御報告いたします。  この際、発言を求められておりますので、これを許します。勝澤君。
  3. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 議長さんにお尋ねいたしたいのですが、園田議長から辞表が提出された以後、どういうふうな経過で御承認をされたのかという点をまず最初にお伺いしたいと思います。
  4. 石井光次郎

    石井議長 去る十一月の二十五日、議長は、園田議長から辞表を提出されましたので、これを受理したわけでございますが、かねてから副議長地位というものは非常に大事なものでございまするし、今度の内閣改造について副議長名前がちらちら出ておったのでございますが、副議長の職にあったままで組閣本部に呼ばれて行かれるということは好ましくないことだと私は考えておりましたし、また、そういう注意をしようと思っておりましたが、園田君から、もしそういうふうな場合になったならば、私はまず辞表を出して、そうして副議長でない形になってから組閣本部なり何なりに出かけていきたいというような話があっておりました。二十五日の十二時ちょっと過ぎでございましたか、園田君から辞表の提出がございました。一身上理由でやめたいということでございました。そこで大体の見当はついて、入閣されるつもりだな、こう思いましたわけでございますが、いずれにいたしましても、辞表を出してやめたいということでございます。大事なことでございまするからして、これは国会が開かれてない場合の役員辞職議長が専行していいということになっておるのでございますけれども、大事な問題だと思いまして、急に議運理事方々にお集まりを願ったのでございますが、おられない方もございまして、あるいは代理になった方等もございましたが、御相談をいたしました。本人からの願いであればしかたがないであろうということでございました。それではひとつ聞き届けることにしようということで、十二時五十分ころでございましたか、これを聞き届けるということで、本人にその旨を言い渡したわけでございます。そういうことで、本人辞表を聞き届けられた後、組閣本部に出かけられていったというようなことであったと思います。
  5. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、いま議長お話をお伺いいたしておりますと、入閣をされる予定であるというので、辞表を出されたというお話があったわけでありますが、国会権威を高めるということで、長い間立法府行政府の問題は議論をし尽くされた問題でありますが、そういう意味からいいますならば、立法府最高役員である副議長というものが、このたびのような形で入閣されるために、一身上の都合で辞職をしていくということについて、立法府最高責任者としてどういうふうにお考えになられるでしょうか。
  6. 石井光次郎

    石井議長 これは理屈を申しますと、国の最高立場にあります国会、その副議長でございますから、いいかげんなことであってはいけない、副議長になったらちゃんとそれをやっていけというのが理屈でございますが、私、園田君の場合といたしますと、二年間副議長をやっておられました。そうして今度自分から一身上理由でやめたい。大体目的は見当はつきましても、そういうことがあったときに、それはやめておけということは私としては言えなかったということでございます。
  7. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 国会立場から、あるいは、正常化なりあるいは国会あり方というものについて議長を中心にいろいろと議論をし尽くされてきたと思うのです。その中で言われておることは、過去に例のあったことで、たとえば議長、副議長党籍を離脱すべきだというところまで議論を尽くされ、また、そういう一時期もあったわけですね。そういう立場からいうならば、議長、副議長というものは、まさに三権分立の中におけるいわゆる最高地位にあるものだと思うのです。ですから、そういう立場にあるものが、いかに政党政治のもとに置かれたとしても、いまだかつてないこういう形で、何といいますか、入閣要請に応じられたということについて矛盾といいますか、を当然議長としてもお感じになり、これについての取り扱いも相当慎重でなければならなかった、私はこう思うのです。ただ単に辞表が出されたからということだけで、言うならば、それでは国会における副議長という功績を買われて入閣したのかという極言まで実は出ざるを得ないと思うのですが、その話はともかくといたしまして、やはり議長として、ただ単に辞表が出されたから許可したんだというだけでは、私は国会地位を高めるという、今日まで議長さんがお考えになられてきたことと相反するのではないかという気がしてならないのですが、そういう点についての御解明をもう少し——何といいますか、党籍を持っている議長にお尋ねするのは無理かとは存じますけれども、やはり議会人立法府という最高地位にある立場でものの判断というか、お考えというものをこの際御発表していただきたい、私はこう思うわけです。
  8. 安宅常彦

    安宅委員 その前にちょっとあわせて、関連して答弁を承りたいと思うのですが、いいですか。
  9. 坪川信三

  10. 安宅常彦

    安宅委員 ただいま勝澤先生からお話がありましたが、そのことと関連して、私は現在の政治あり方といいますか、ことに国会運営あり方とも兼ねあわせて考えなければならないのは、政治そのものが好ましくないような方向に進んでいるのではないかということを非常に心配するわけです。  そこで議長にお伺いしますが、この間吉田さんの葬式がございましたが、そのときに院のほうで全然知らない間に、佐藤総理から衆議院、参議院の副議長吉田さんの葬式の実行副委員長というのに任命されておった。それではけしからぬではないかということで、これは表面に出ないままに私どもはそれは断わるべきだ、そういうことで断わったいきさつがあるわけです。平気で政府が院の副議長を、いわるる国葬ていさいを整えるためであったということは別として、そういうことをやることに怒りを感じた。それと同じような意味で、このたび行政府のほうから院に対して、院の副議長行政府にほしいということは、事前に何らのお話がなかったのか。先ほどの説明ではないようですね。その点について、いまの勝澤さんに対する御答弁とあわせて私に対しても御答弁願いたい、こう思います。
  11. 石井光次郎

    石井議長 正式にどうというお話はございません。しかし、どこからとなくそういうふうな意味の話が伝わっておったことは確かでございます。そこで、本人がこの問題をどう考えておられるかということが、この問題を解決する最後の点だと思っておるわけであります。いまもやはりそのとおりに思っております。というのは、私どもはこうだと思っておりましても、その人がそうでない考えを持っておられるならば、その人の一身上の問題でございますから、あまり強く進んでは言えないことだと思っているのであります。しかし、いろいろなことを考えておるならば、それはどういうことかということになってくるのでありますが、いまのように、私は議長とか副議長とかというものは軽い地位とは思っていないという意味におきまして、形の上では議長がさっさと辞表を取り上げるなら取り上げるで、そのままでよろしいといってもいいわけですが、閉会中でありますから、議運諸君相談して、そうしてみんなと話し合いをして、みんなからもいろいろ話が出ましたが、この際根本的にどうでもこうでも、いまお話しのような意味でやめさすべきだという議論までは進まなかったと私は記憶しております。それなら副議長心持ちの問題であろうということに最後にはなると思います。辞表を出される、一身上理由だと誓えば、最後はそこに落ちつくということはやむを得ないであろうということになったのが実情でございます。
  12. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 副議長心持ちの問題であったというのは、確かに結論的には私はそうなると思うのです。しかし、国会権威を高め、立法府行政府という立場の相違、こういうものを考えてみますと、副議長心持ちだけで、自己の一身上の問題だけでこの問題が片づけられていいかどうかと・いうことに私はたいへん問題があると思うのです。そういう意味で、政党内閣である、政党政治であるということは私は認めます、現にそうですから。しかし、長い間議論し尽くされてきた、議長、副議長というのは党籍を離脱すべきである、もっと高い立場国会正常化というものをやるべきであるということを言われ尽くされた中で行なわれた今回の問題については、やはり議長としての権威を持った見解というものが私はあるべきだと思います。経過はわかりました。経過についても、私の党からも代理が出てお聞きいたしましたので、経過についてはわかりましたけれども、やはり議長としての権威を守る、議会政治を守る、こういう立場からの御発言というものはあってしかるべきだ。それをただ単に副議長心持ちだというだけでは、国会正常化なり地位を高めるという問題——議会政治というものの危険といいますか、問題といいますか、こういうものを私はたいへん感ずるわけであります。そういう点について、自民党の御出身である議長だという立場ではありますけれども、やはり議会政治を正常な形で、そうして行政とは違うものだという立場から考えるならば、そこに一つの見識といい、ますか、見方というものがあるべきではないだろうか、こういう点を御質問しておるのでありまして、再度ひとつ……。
  13. 石井光次郎

    石井議長 御趣旨よくわかりました。私がいま申しました趣旨は、私が意見をかってに述べて、こういうわけであるからこうだと言って決定をしてもらうだけではいかぬと思って、みな議会正常化問題に一生懸命やっていただいておる諸君ばかりでございますから、議運の代表的な方々に集まってもらって、その意見を聞いて、そうしてそれによって注意するものがあるかと思ったのでありますが、先ほど申し上げたようなわけでありましたから、そのように決定したわけでございます。私とすればいまおっしゃったような心持ち、これは一応も二応も副議長に対しまして、それがどんなに重要な立場であるかということを、言わぬでもわかっておる人でありまするけれども、それかもう一ぺん私から念を押して、そういうことも考えて、なおかつ、あなたがそういうふうにするかどうかということを考えてもらいたいということを私から言うべきであったということは言えると存じます。しかし、皆さん相談した結果、私は自分だけの意見でなしにみんなのお考えを伝えようということに重点を置いて、みんなの考えをそのままにすなおに出したということであります。今後の問題としては、そういうことをとっくりと考えていく必要があると思っております。
  14. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、私は議長のお考えはわかったわけでありますが、問題は副議長大臣にさせるという任命権者総理のものの考えがが重大な問題だと思うわけであります。先ほどからも民社、公明、皆さん一緒になりまして総理の御出席を求めて、総理立法府に対するものの見方というものを実はただしたかったわけでありますけれども、別の機会にということになっておりますので、議長見解はわかりましたので、別の機会総理としての考え方としいうものをただしたいと思いますので、私の質問はこの問題はこれで終わっておきます。
  15. 安宅常彦

    安宅委員 さっき私が質問したことは、議長さん、たいへん重大な問題だと思うのです。ただいまの答弁で、園田さんに、非常に重大な職責だったんだということを、一応十分わかっておる人であるが、さらに私が言うべきであったと思う、こういう御発言でありました。こういう点は了承いたしましたが、議長という立場で今後こういう場合には、少なくとも前例のないことであったわけですから、また現実に起きたのは副議長に対して入閣要請があったのであるから、こういう場合には、本人にストレートでちらちら耳に入った程度ではなくて、ほんとう行政府から院の副議長に対して入閣をしてもらいたい、そういう人間がほしい、こういうふうにきた場合には、、議長というのは、それはいろいろ議運に諮問してどうしたらいいか、本人にも、ただいま勝澤さんが質問したことに対して答弁されたような措置議長がとる、そういうことは当然だと思うのですが、その前に議長として、そういうことが直接本人にいくようでは困る、大体院の議長に対して、その副議長である人を内閣でほしいというときには、事前に連結があって、それから議長の許可があってはじめて本人が行きたいとか行きたくないとか結論を出すべきである、こういうことをきちっとしておかないと、この前のように、何だかわからないけれども葬式国葬という名前を使って、そうしてその国勢には院は全然関係していない。これは、昔の明治憲法時代には内閣総理大臣が一番偉いような顔をしてもよかったでしょう。しかし現在では国葬という名前がつくときには、院が全然関係していない国葬なんというものはないと思う。主権在民の一番中心的な役割りを果たしている地位にある院が全然関係なしにいわゆる国葬が行なわれる、こういうことになってしまった。その過程で、議長というのは行政府の長より上だということになっておるものですから、それをするわけにいかないので副議長二人にしたのかわかりませんが、そういう意図がはっきりしておったのであのときは断わった。こういういきさつと同じように、内閣から何かもの申すときには、議長はき然たる態度でそういう場合に処していかなければならないのじゃないか。したがって、この場合でも、そういうような場合には、内閣は院に対してあらかじめ了解を得る、そういうことをしてもらいたい、ということではなくて、もらうべきであるということを内閣総理大臣に対して議長が申し入れる、これくらいのきちっとした御態度が私はほしいと思うのでありますが、そういうことをやられる御意思はないでしょうか。
  16. 石井光次郎

    石井議長 手続の問題でございますし、そういうふうなことは何でもないことでもございますし、また、そういうことが当然だと思いますので、今後そういう扱いをいたします。
  17. 坪川信三

  18. 池田禎治

    池田(禎)委員 議長さんにお尋ねしますが、安宅さんからも、院の議長に対して行政府より、という希望的な、あるいはまた、かくあるべしというような意見が出たのですが、端的に申しまして、総理大臣から、衆議院の副議長入閣せしめんとするものである、かような交渉があったのでありましょうか、なかったのでありましょうか、その点をまずお尋ねいたします。
  19. 石井光次郎

    石井議長 さっき申しましたように、はっきりしたものはございませんです。前日に関係者いろいろ話をしたときにちらちら名前が出ましたけれども、まだ何もきまっていないのだから、きまったような状態になったら、またいろいろ進む状態があるだろうというままで、私のところはその相談にあずかっておりません。
  20. 池田禎治

    池田(禎)委員 私は特に申し上げておきますが、衆議院の副議長入閣をしてはならない、こういうことを言うものではございません。その識見と力量というものを買われて行政府にタッチすることも私は異論はない。ただその場合に、この衆議院みずからがどういうことを多年唱えてまいったでありましょうか。憲法第四十一条は「国会は、国権最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」この憲法の条章というものをわれわれが世々体得いたしまして、そうして国会権威をどうすれば高めることができるかということで、歴代議長、副議長を入れ、すべての議員が相協力をしてこの国権最高機関たる国会にふさわしい権威をつくろうとして努力してまいったのであります。しかるに、今度の副議長入閣のごときは、対社会的に見るならば、全く喜々として、喜び勇んで入閣をした、さような印象も、漫然としてでなくして、明らかに新聞その他を通じてあらわれておるのであります。それでは、歴代議長、副議長が、あるいは全議員国権最高機関権威を高めなければならないと言いつつも、みずから行政府の下に隷属することを天下に公表するものであります。私はまことにもって遺憾千万である。少なくとも内閣からそういう交渉がなかったとするならば、院の議長としては、個人に対して交渉があったとしても、衆議院の副議長入閣せしむる場合においては行政府はいかなる態度をもってこれを迎えんとするものであるか、これだけの、言うならば三顧の礼をもってするだけの礼儀を尽くし、国権最高機関権威を認めるというだけのものがあるならば、私はこれもけっこうなことだと思うが、そういうものもなくして、これをただ単に、二年間も三代の議長に仕えた副議長一身上のことであるから、それ以上は言えなかったということ、これは個人としてはさようであろうとも、衆議院議長としては私は断じて許すことができない、かように思っておるのであります。したがいまして、この院としては、われわれはこれからどうあるべきか。国権最高機関などと言える理由はない。国会権威を高めるというようなことをみずから葬るような事態を招来している、かようにさえ各党は思っているのであります。その中で、自由民主党は与党であるから、政党政治のたてまえから、総裁から入閣を求められるならばしかたがないというお考えを持つかもしれませんが、それは憲法の精神である三権分立の中における国会権威というものをみずから卑下するものである、みずからが自分たち地位々低下せしめているのであります。このことはどうしても私は許されないと思うのであります。したがって、その経過措置のことは、社会党の諸君は承ったと言いましたが、私の聞きます範囲においては、各党議運理事をお呼びになったけれども、おる人もおる、おらなかった人もおる。ある政党においては、議員でなく、事務局長が代行して承っておる。さようなことすらあるのであります。私はその点もまことに遺憾至極であると思っている。そういう点の了解を求めんとするならば、あなたは国会の中においては常に各党国会対策委員長であろうと書記長であろうと、自由に喚問なさって意見を聞き、国会運営をスムーズになさることを念願されるとすれば、なぜ堂々と各党の幹部を招致して、内閣よりこういう何があったんだ、たとえこれは副議長個人の問題であっても、これはどう思うか、そのくらいの御相談があってしかるべきである。それはいいことではないか、行政府がそれほどの礼をもって尽くすならば、議会としてもこれを認めるにやぶさかでない、こういうお取りつけくらいはあってしかるべきではないかと、私は個人では判断するのでございます。したがいまして、こういうことにつきまして、私どもは、今後の国会をどうするかということにつき深き関心を持つならば、議長としての所信をこの際承りたい、かように思うのであります。
  21. 石井光次郎

    石井議長 政府からこういうことについて相談を受けないということはおかしいのじゃないかという御意見ですが、前の日にその話をしたのですが、まだ何も進んでおりません、だれが入るか入らないか、どうなるかまだきまっておりませんから、ぎりぎりになってきまって御相談するようなことになるということでありました。さっきもおことばがありましたように、園田君が辞表を出されるのとちょうど相前後いたしまして、党のほうから私のほうに正式に、園田議長に入ってもらいたいと思うからよろしくお取り計らいを願いたいという話がございました。と、ほとんど間を置かないで、同じような話が園田君からありまして、園田君から辞表が出たというようなことであります。あんな話があったのだから、前からいろいろ話があってよさそうなものだとお思いになるのもごもっともだと思うのですが、前の日に私が聞いたときには、だれがどう入って、だれがどこにつくかまだきまっていないので、何とも御相談する余地はないのだからということでございまして、私はそのとおりそのまま受け取っております。これはうそでも何でもない。だから、それはそのとおり受け取っておってもらいたい。あなた方をだまくらかす考えはございません。ほんとうのことです。  それから、これから先の問題でございますが、議会権威という問題でございますが、政府のほうからいいかげんにひっかき回されるということがあってはならない、議会議会らしくということは、絶えず皆さん方一緒にいま考えておるものでございまして、その線については、今後とも皆さん方とぜひおかしくないような行動をとるつもりでございます。御心配は御無用で、御一緒に御相談しながら、あなた方に知らせずにいいかげんなことを、私がふところの中にしまい込んでやみ取引はいたしません。
  22. 池田禎治

    池田(禎)委員 私と食い違っておる点は、どうしてもこれはいまここで解明できません。今度国会が召集されます四日の日に、国会法に基づきまして劈頭に副議長選挙をやらなければなりません。いかなる人が選ばれましょうとも、副議長権威というものをまざまざと今日われわれが見せつけられた段階において、どういう選挙をやるか、私ども議員全体として重大な関心を払わざるを得ません。この中にもその候補者がおられるから、あまり言われないかもしれませんが、あなた方が高めんとすると言いつつも、結果的には低下するような、そういう情勢を馴致しておるということはまことに遺憾である。このことは本委員会もまた協議をすることでありましょうが、議長としても十分なる御判断と、これに対処する道をお考えいただきたい。あなたは議長就任にあたりまして、各党満場一致、一人の異論もなくしてなられた方である。そのあなたの議長御就任のごあいさつを読んでみると、まことに天下の名文であります。園田君またしかりであります。その、国会の本会議の席上において議長、副議長が全員に誓ったことばを弊履のごとく捨て去られておることを見るときに、これはまことに残念しごくなことである。そういうことが繰り返されるならば、議長、副議長がいかに声を大にしてあの壇上からお叫びになっても、議員全体は権威を認めない、こういう事態がきたときにはどうなるか。私は率直に言いまして、議長、副議長の権限というものは絶対なものだと思っております。演壇を占領する者があれば、即座に退去を命じてもよろしい。懲罰に付してもよろしい。みずから権威を持って、至公至平の精神をもって当たるならば、議長、副議長の権限は非常なものである。国会の混乱というものは即座に解決できる。それほどの権威を持たせなければならないと思っておるのです。それをみずから低下するようなことをなさるならば、これは残念ながら、口で何と申しましょうとも、全議員は、あるいは国会に対する国民の眼は冷笑の眼に変わるということを、この際特に申し上げておきたいと思います。
  23. 石井光次郎

    石井議長 池田君にお答えいたしますが、ささいなことでありますが、あなたのところの代表に、幾らでも幹部がおるのになぜ呼ばなかったか。それはあなたの誤解です。あなたのところに言ってやりましたら、おられないから、しかし、内容は聞いてわかったから、まあ、よろしい、しかし、中の様子を知るために事務局を出すからこれでよろしゅうございますということで、事務の方が出られたというように私、聞いております。それで代理の方が出ていただくのはありがたいと言っておいたのであります。いいかげんに形だけとればいいというつもりでやったことではないということをひとつ申し上げておきます。
  24. 池田禎治

    池田(禎)委員 それは、そういう者が来たら、かわるべき者を正式にあなたが事務局に命じてでも喚問してしかるべきだ。それほど私は事の重大性を認めておるということです。
  25. 石井光次郎

    石井議長 そういう意味ならわかります。
  26. 安宅常彦

    安宅委員 議長さん、私が大体簡単に言ったことについて、いま池田先生から詳しくお話があったわけです。その答弁の中で、二、三日前からそういうことが聞こえてきたので、幹事長室に行って、どうなんだ、そのときは断わってくれよという意味のことを言ったのだという御発言、それはいまのところ何もわからないから申し上げられないという話があって、園田さんの辞表を出したときとほとんど時を同じゅうして党のほうからそういうお話があったということですが、これは、党のほうからというのは、どなたから言ってきたか、それも重要ですが、党のほうからくるのではなくて、これはやはり総理大臣本人からあなたに、立法府役員である、しかも枢要な地位を占めておる副議長がぜひほしいのだというふうにくるのがあたりまえです。先ほどあなたはごくあたりまえのことだから今後はそうしたいという話だったのですが、逆に言えば、ごくあたりまえのことができなかったということですね。それはなぜかというと、政府がどたんばまで発表しないし、そうして議長にも事前了解がなかったということですから、そういうことであってはいけない。それが院の権威というものを結果的に傷つけ、そうして総理大臣も、ことばは悪いようですが、なんだ、石井ごときにはそんなことを断わる必要はない、こういうふうに思ってやったのかもしれませんよ、意地悪く言えば。あなたはそれがごくあたりまえではない、つまり逆に言えば、私があなたに質問したことに対して、当然内閣からそういうふうに通知があるべきだ、それがごくあたりまえだとあなたはおっしゃったのですが、そういうあたりまえのことを政府がやるべきであったということをあなたはお考えでしょうし、当然そういう御答弁があろうと思います。それで今後もそういうことが当然、葬式とも関連してさっきも言いましたが、総理のほうから議長に対して、優秀な人だと思うのでぜひ内閣としてもほしいのである、放しがたいところであろうが、議長さん、ひとつお願いできないか、こういうふうにきた場合には、議運理事を招集するなり、あるいは各党の代表を呼んで、どうだという御諮問をなさるなり、そういうことをやるのがごくあたりまえのことだ、こういうふうに私はさっきあなたから答弁を聞いたのですが、今後はそれをやられるのだ、そういうのが院と行政府との立場からいって当然の、ごくあたりまえのことだ、こういう御答弁だったというふうに確認してよろしゅうございますか。
  27. 石井光次郎

    石井議長 そのとおりでございます。
  28. 坪川信三

    坪川委員長 正木君。
  29. 正木良明

    ○正木委員 議長の話を聞いて、大体その経緯はわかりましたが、そのお話を聞きますと、重要な論点が二つあると思う。一つは、長年苦労してきた園田議長が、一身上の都合によって副議長をやめたい、なぜやめるかということはほぼ推察はできておったけれども本人がやめたいというので、これはやめさせてあげたほうがいいと思ったから許可した、これが一つ。もう一つは、辞表が提出されて、そのあと議運理事または各党の代表を呼んでそのとき相談した。相談した結果、各党が了承したからこれを許可したのだ。大体この二つで今度の処理をなさったというふうにお話しになったと私は了解しております。  この第一番の、いわば人情論で辞任を許可したということにつきましては、議長は院の権威を守る、また高めるということについては、常に大きな関心を持っておるけれども、しかし、人情論のほうが優先したということで、はたしてこれは議長としてよかったかどうかということにはなはだ疑問があると思う。  もう一つは、先ほど申し上げた代表者を集めて了解を求めて了解を得た。私もその場におりましたので、その経過が、議長と私の間では一番よくわかるのですが、私はあざやかに議長のおっしゃったことは耳の中にまだ大要残っております。その大要は、十二時十分に園田議長から一身上の都合によって辞任をしたいという辞表が提出された。閉会中は議長がこの許可をすることができることになっております。これについて皆さん方の御了解を得たい、こういうお話でありました。したがって、私どもは、さようでございますか、それじゃ許可していただいてけっこうですというふうな形での御返事は申し上げていない。ほかの方々からもお話がありましたが、私からも特に、副議長というような国会最高役員政府の都合で、言い直せば一党の都合でその地位が左右されるというようなことは、私どもにとってはなはだ不本意である、こういうことについては大いに反対である、疑問がある、このことをたしか私は議長さんに申し上げた。しかし、閉会中は議長の権限によってその辞任を許可できるということになっておるのでありますから、これはわれわれとしてもいかんともしがたいというので、最終的にはそのような形をとりましたが、しかしこの問題はあとへ残すということははっきりと申し上げてある。したがって、いま議長がお答えになった、議運理事またはその代理である党の代表に対してはすでに了解を求めてある、にもかかわらずこういう問題がいまさら蒸し返されるということについては、これからよほど考えなければならぬというような御発言があったが、私にとってははなはだふに落ちない話であります。そういう点ひとつもう一度明らかにしていただきたいと思います。
  30. 石井光次郎

    石井議長 あなたのおっしゃった御発言はそのとおりで、御趣旨一緒でありますが、大体皆さんのそのときの空気は、そういうものであるが、まあ、しかたないであろうという心持ちが中にずっと流れておったと私は思います。絶対にだめだというほどではなかったというように私は了解いたしまして、これはこの際はということで許可した。と同時に、こういうふうな問題は、今度初めて起こったわけでありますから、いろいろ国会正常化の問題についてわれわれがやっておる際なので、今後の問題として、こういう問題についてもっといろいろなことを考えなければならないのではないか。どう扱うかというような問題についても、こんなあわただしいときにやらないで、あとの問題として、根本的には副議長議長とともにどんなに大事な地位であるかということをがっちりとみんなの頭に入れて、そしてそれを土台として、今後こういう場合にはどういうように処していくべきかということ等を、われわれだけでなくて、今度のこともありましたから、政府のほうともいろいろ話をして、今後こういう場合がまた起こらぬとも限らないので、そういう場合にはどうすべきだということを話し合うことにしていきたいと思っております。
  31. 正木良明

    ○正木委員 お考えとしてはよくわかりました。これからそういうようにお願いしたいと思います。私どもは、かねがね議長、副議長は不偏不党でやっていただきたいという立場から、当然党籍を離脱すべきではないかという考え方を強く持っているわけです。たとえばこういうふうな問題が起こったときに、議長、副議長大臣になるための踏み台というふうな、極端な言い方かもわかりませんが、こういうふうな形というふうに考えられると、議長、副議長立場が、その議長、副議長の時代において、大臣になったりするために大いに点数をかせがなければならぬ、与党の覚えをめでたくしなければならぬというところまで発展すると、これはまさに院の権威がますます失墜するのではないか。政府の、いわゆる行政府にあごの先で使われるような立法府ができるのではないかということを私はおそれるわけであります。そういう意味からいって、かつて党籍離脱の例があるようでありますけれども、こういう点も大いに考えていただかなければなりません。石井議長は決してさようではないと私は確信いたしておりますが、どうかひとつ今後とも院の権威をむしろ高めていくというほうに御努力をお願いしたいというふうに思います。
  32. 石井光次郎

    石井議長 いまのお話は同感でございます。その線で努力してまいりたいと思います。     —————————————
  33. 坪川信三

    坪川委員長 この際、小林郵政大臣出席されております。  同意人事の件について質疑の通告がありますので、これを許します。池田君。
  34. 池田禎治

    池田(禎)委員 郵政大臣にお尋ねいたしますが、今度、日本放送協会経営委員会委員に四名の方々が任命されているのでございます。これはあらかじめ、閣議の決定をする前に本院の了承を求めるということで、政府側から本院の同意を求めてまいったのであります。正直なことを言いますと、これは私ども少し軽率でありまして、よく調査もしないで同意を与えました。同意を与えた結果、閣議としてはたしか二十二日、これを委員に任命するということの新聞報道がなされたのであるが、その新聞報道の後に、こういう者に対して同意をしたと返事をしたところが、それはこういうわけである、ああいうわけであると、いろいろな問い合わせや意見が開陳されたのであります。これは正直に申しますと、各党とも同意したのでありますから、ここで決してこれについて取り消しとか、一たん認めたけれども認めないとか、さようなことは政党としてはできないのであります。ところで、その資料も、郵政省よりまいりましたのは二十七日であります。そして二十八日にそのことが発覚しまして、郵政大臣出席を求めたけれども、ついにお見えにならなかった、こういうことでありますので、これはすでにもう自然効力を発生しておるものであります。したがって、ある意味ではこれはむだな発言かと思いますけれども、将来のために承っておきたいと思うのであります。  今度の委員の任命の中に、それぞれの立場から意見を申されたものといたしましては、特定の政治家のひもつき、あるいはある政党に長く奉仕することによってこれは推薦されたものである、これが一点。もう一つは、従来科学技術関係から選ばれておったものを、これを取り消して再び郵政関係からの人を任命している。こういうことはどう考えてみても妥当な道ではないではないか、こういう意見がひんぴんとして出ているのであります。こういう事例について郵政大臣はお気づきになっておりますか、あるいはそういう事実はないと仰せられるのでありますか、お伺いをいたします。
  35. 小林武治

    ○小林国務大臣 これはNHKの経営委員に限らず、いずれの関係委員にいたしましても、それが満期になったり欠員ができたという問題においては、いろいろな方から御要望もあり御推薦もある、これはまことにけっこうなことでありまして、その中で、それも参考にして政府がこれを選考して、最も適当と思う方にお願いをする、こういうことであります。したがいまして、今度の委員の中にも、ある方々が推薦された、ある方が要望された、こういう事実がございますが、これはまたけっこうである。いずれにいたしましても、どなたからも広くそういう御注意をいただくことはけっこうなことではないか、かように私は考えております。
  36. 池田禎治

    池田(禎)委員 御注意ということでなくして、私の申しておることは、すべてとはいわなくても、特定の人については天下りとか、ひもつきとか、政治臭の最も激しいものだとか、こういう者についても、それはいろいろな人から推薦を受けたのであるからけっこうだという意味なのですか。どちらですか。
  37. 小林武治

    ○小林国務大臣 私は、非常に不適当ないろいろなそういう事情があったとは思いませんが、ある方から御推薦のあったというようなことの事実は、私もこれを認めます。
  38. 池田禎治

    池田(禎)委員 ずいぶんこれは昔になりますが、七年前か八年前くらいに本委員会におきまして、ある地方の推薦を受けて日本放送協会の経営委員に就任をされた方があります。その方は特定の代議士の選挙事務長を幾たびかいたしました。また、その御子息が今度出るにあたってはその事務長もした。その功労を買われて経営委員に推薦を受けた。その問題が、この委員会で同意を与えるにあたりまして話題になりましたときに、これは前例としない、こういう者は再び出さないようにするから、今回だけは認めてほしいということであった。これは議事録にも残っておるのでありますが、そういう事実は御承知でしょうか、いかがでしょうか。
  39. 小林武治

    ○小林国務大臣 私はうかつで、そういう事実は承知しておらなかったと申し上げます。
  40. 池田禎治

    池田(禎)委員 これは事務当局をしてお調べになればおわかりになることであります。その地域は申し上げません、名前も申し上げませんが、あまりにも私がいま申したことだけで肯定されるものがある。お調べになればすぐわかることであります。今回の場合におきましても、その点につきましては、自由民主党の中からすら、こういう者について議運は同意をしたのかという問い合わせがひんぴんとしてございます。逓信委員の中からも、それはどういうわけだ、これはわれわれが了承しておらないことで、かってにやったことである、しかし、そういうものが許されるならばこれはたいへんなことになる、こういう御注意を受けて私どもとしては驚いて、これは同意をしたのであるが、ひとつ郵政大臣を一ぺん呼んで、そういうものは困るじゃないか、将来についてそういうことのないように——第一、国家の放送政策の何たるかも知らぬ者を、特定の政治家のひもつきや、ある種のボスの推薦というものを得て、天下の公器であるところの放送協会の経営委員にするなんということは不届き千万だということは、いろいろと言われております。こういうことをあなたはお認めになるものであるかどうであるか。さらにまた、先般本委員会が同意したのですが、逓信委員の中から出てきたものは、郵政からくる人間は前例なき四選までも与えておる。郵政の監督権がだんだんふえてきて、他の部面から、科学技術の面から出されておった委員も今度はのけられて、また郵政関係から天下りがある、こういうような事例もあげられておりますが、あなたとしてそれは不当である、いや正当である、いずれにお考えでありますか。
  41. 小林武治

    ○小林国務大臣 いま仰せになったような事実もあります。必ずしも私は適当でない、こういうことで、これからは十分反省をすべきである、かように考えております。
  42. 池田禎治

    池田(禎)委員 郵政大臣がそこまでお話しになるのであれば、私はこれ以上追及はいたしませんが、本委員会が同意をしたのですから、委員会としても重大な責任を持たなければならないのです。私はもちろん一方的に言ったからといってその言だけを信頼して取り上げたのではございません。現にあなたの所属する政党の、堂々たる国会議員方々からしばしばの助言もあったことでありますので、あえて今日私はこういうことを申し上げたのでございます。さなきだに放送事業というものが国家の統制機関の中にだんだんと狭められるという世論が起きているときに、いわゆる最も不偏不党である日本の放送事業の中心をなすNHKの経営委員というのは、国家の放送政策に準拠して、できるだけ識見の高い人、そして公正な人、そして政治色のない人、そういう人々を選任されることを、今後のあなたの手腕に期待し、あなたがその任にあろうとあるまいと、郵政全体にまたがって、そういうお考え方に立って行政指導されることを衷心から希望いたしまして、私の質問を終わります。
  43. 小林武治

    ○小林国務大臣 お話しの向きは私は非常にごもっともと、かように考えますので、今後十分気をつけてまいりたい、かように考えます。
  44. 坪川信三

    坪川委員長 これにて小林郵政大臣に対する質疑は終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十一分散会