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説明員(磯崎叡君) まず第一の御
質問でございますが、
昭和三十九
年度までは運輸収入も輸送量も大体伸びておったわけでございます。で
昭和四十
年度以降、実は旅客輸送におきましても貨物輸送におきましても、徐々に実は伸びが減ってまいりまして、ことに
昭和四十一年、昨年運賃を上げさせていただきましたあとからは、実は予想以上の収入の減を来たした次第でございます。これらにつきましては、いま先生のおっしゃいましたとおり、いろいろ理由があると思っております。たとえばいわゆる社会全般の産業経済界の不況等も一つの原因だろうと存じますが、やはり道路の発展、あるいは自動車の生産量の増加等に伴う国鉄の独占性の崩壊等、いわば輸送構造の変化が、旅客の面でも貨物の面でも徐々に起こりつつあるという具体的な直面した事実からも目をおおうわけにいかないというふうに考えております。現在それらに対していかに対処すべきか、また都市の過密化問題と
関連いたしまして、これはもう鉄道でなければどうにもならない、いわゆる通勤輸送の問題を今後どうするかということが、私どもに課せられました大きな問題でございまして、何と申しましても三兆にのぼる膨大な資産をもって仕事を運営しておりますので、これを有効的に使えるか使えないかは、やはり国民の皆さま方に対する非常に大きな経済的な問題と思いますので、これらを総合いたしまして、今後、現在進捗しておる第三次長期
計画の中において極力収入をふやす、極力
経費を節約する、しかしある程度の人件費のアップはこれはやむを得ないことと考えまして、今後の経営を続けてまいりたい、全般論としてはそういうふうに考えております。
それから次に東海道新幹線でございますが、ただいま御
説明申し上げました三十九
年度の
予算におきまして完成させていただきまして、九月から開業したわけでございますが、開業当時はまだ車両も少なく、列車回数も少なかったのでございますが、
昭和四十年には年間平均いたしますと一日約八十本になりました。それから
昭和四十一年百十本、現在の
昭和四十二
年度は大体年間平均百三十本ぐらいの列車を動かす予定にしております。その結果、収入は徐々に好転いたしまして、三十九
年度はただいま
お話のとおり八十億の赤字でございます。それから四十
年度も百二十三億の赤字でございましたけれども、まだ正確に四十一
年度の
決算は出ておりませんが、大体百六十六億の黒字に転じまして、本
年度四十二
年度、ただいま国会で御審議中の
予算におきましては二百三十八億の黒字を組み込んでございまして、これは現時点におきまして大体予定どおりいくというふうに考えています。この東海道新幹線の建設費は約三千八百億所要いたしました。そのうち用地費が大体一五%の六百億になっておりまして、いろいろずいぶん用地の買収につきましては
関係者も努力いたしましたが、極力用地を安く買う、しかし地元の方には極力御迷惑をかけない、いろいろなむずかしい情勢の中で用地買収をいたしましたので、当初よりは相当用地費が上がったことは事実でございます。今後は、後ほど御
説明いたしますが、山陽新幹線につきましては十分とは申しませんが、極力前回のように
予算が足りなくなったということなどのないような
予算を組んでおりますが、かと申しまして、多少たっぷりしたと申しますか、余剰ぎみの
予算を組むわけにはもちろんまいりませんので、いま想定いたしますぎりぎりの線で
予算を組んでおるわけでありまして、東海道新幹線を建設する際に、世界銀行から八千万ドルの借款をいたしました。
日本金にいたしまして二百八十八億でございます。当初一億ドルの予定でございましたが、いろいろな事情で八千万ドルになりまして、これは条件といたしましては、実は私のほうで現在借りております一兆数千億の金の中で一番実は条件のいい金でございまして、利率が五分七厘五毛、借り入れ
期間は三年半の据え置き、二十年償還、
資金効率からいいますと非常にコストの安い
資金を借りました。すでに
昭和四十一
年度までに二十七億を償還いたしました。四十二
年度以降五十六
年度までに二百六十一億を償還いたすことになっておりまして、先ほど申し上げました黒字、赤字はこれらを全部含めまして減価償却費、それから利子、それから償還額等を含めましての黒字、赤字の数字を申し上げたのでございます。
なお、山陽新幹線の建設につきましては、後ほど御
質問によりまして詳しい御
説明を申し上げますが、一応大阪−岡山間ということで現在
計画いたしておりますが、これは大阪−岡山間の現在の東海道並びに山陽線の輸送力が、
昭和四十六
年度時点にはほぼ現在の東海道線を凌駕するような過密な
状態になるというために、やはり大阪−岡山間に一本複線を引かなければやっていけないということに端を発したものでございまして、それは東海道新幹線を延ばすという形でもって一応現在
昭和四十六
年度までに岡山まで、大阪−岡山間約百七十キロの
工事をいたしたいというふうにいたしまして、今
年度予算にもその一部を計上さしていただいたわけでございますが、用地買収あるいはその他の隧道等につきましては、担当の仁杉理事からもう少し詳しく御
説明することをお許し願いたいと思います。