○佐藤(文)
委員 私は青果物の
生産と
流通、そして
消費の問題について
質問をしたいと思います。
これは総理府の統計局で東京の
消費者物価の値上がり率を調べた数字ですけれ
ども、昭和三十五年を一〇〇として、昭和四十年では食糧については一四〇・三、家賃地代については一三九・九、教育費の一六八・二と、こういうぐあいに
消費者物価の値上がり率が出ておりますが、その中で、食糧の値上がりの最大は
生鮮食料品でありまして、その値上がり率は一七〇・四ということになっております。したがって、
生鮮食料品の値上がりを抑制できれば
消費者物価の値上がりが大きく押えられるのではなかろうか、こういうぐあいに考えております。特にまた家計支出のうちで最大の支出は、エンゲル係数によりましても三六・八で、食糧でございまして、その中の最大は
生鮮食料品であります。したがって、私は青果物を中心にして
質問をしたいと思いますが、
委員長の許可を得まして、
流通機構がわかりやすいように資料を張らせていただきました。
〔佐藤(文)
委員、図表を示す〕
まず私は、
生鮮食料品の
消費者価格は、やはり
生産者価格に大きく左右されるということを考えまして、これは大分県にできます高冷地キャベツを例にとったのですが、
生産者と書いてあるところから右のほうにずっとおりているのが北九州市の中央卸売市場のある
地域です。それからその
生産者を中心にして左のほうにおりているのは、
生産県である大分の市場であります。したがってこの資料から、右のほうを大阪にとれば、左のほうが阿波
物価といわれておる徳島
地方にもなるでしょうし、あるいは右のほうを仙台にたとえれば、左のほうの市場が青森市場になるでしょうし、東京近郊の市場、こういうぐあいに、これは
一つの
モデルになるのではなかろうか、こう思いましてこれを書いたのでございます。
昨日、私は赤坂の八百屋さんでキャベツの値段を調べてみましたところが、ちょうど四十円でございました。大体、一番下のほうに大阪、東京のキャベツの
消費者の値段が四十五円と、こう書いてございますが、昨日のキャベツの東京の市場の
小売り価格は四十円である。大体一玉二十センチ、二十円で
生産者が出したキャベツを、大分の市場で二十六円七十銭というぐあいにせり相場が確立されますと、それから歩合と運賃、
容器代を引いたのが
生産者に渡っていく。それから仲買い人と
小売り人が三割ほどとって三十五円になる。それが
消費者価格になっていく。それから東京の市場あるいは北九州の卸売り市場になりますと、卸売り人と仲買い人と
小売り人とがそれぞれ入って、
消費者価格が、北九州では三十七円八十銭、東京、大阪では四十五円、こういうぐあいに、高冷地キャベツがそれぞれの
流通過程を通るうちにこういう
価格になるのですが、これは大体
生産者の
価格の二・五倍ですから、大体まあ
生産者価格の三倍くらいが私は妥当じゃないかと思うのです。イギリスでも、アメリカでも、フランスでも、大体
生産者価格に対して
消費者価格の青果物の平均値というものが、
消費者価格を一〇〇にして、
生産者価格は三〇ないし三五ということになっておりますので、非常にキャベツは安く
消費者に渡っているという、これは
一つの例であります。
ところが、三十九年のことでしたが、キャベツとは違いますが、白菜の値段が非常に下がりました。産地仲買い人が
生産地に行きまして、暖冬異変で
生産過剰になったために、白菜を一個一円というぐあいにたたき買いをされました。それが、産地仲買い人から卸売り人に渡ったときがちょうど十円、卸売り人から仲買い人を経て
小売り店にいったときには二十五円になった。そこで
消費者のほうは、これはまだ非常に高いじゃないか、産地のほうじゃ一円で買いたたかれている白菜が
小売り店では二十五円、二十五倍になっている、これは高いじゃないかということで、仲買い人、卸売り人、産地仲買い人をそれぞれ調べてみたのですけれ
ども、いろんな理由でそう利潤を得ていない。みんなやっとやっとの、まあ赤字にならない
程度でもって
流通をさしておるんだということがわかったわけです。
生産者が一番そこでひどい目にあっているわけですが、私は、
農林省の
所管の方にお聞きしたいのですが、この
生産過剰になって非常に野菜が暴落する、こういったようなことで産地に対するところの
対策はそれぞれとっておられると思うのですが、現在どのような
対策をとって、どういうような産地
対策をしておるかということを園芸
局長にお尋ねいたします。