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武藤説明員 先生の御
指摘は、
公害問題の処理のしかたについて、歴史的な
発展過程から、やはり
地方公共団体を
中心に、かつまたその
地方公共団体におきまして
技術的な問題が
中心になって進められるべきである、こういう御議論だろうと思います。御
指摘のように
外国におきましても、地方のそれぞれの、アメリカでいいますと各州あるいは各市等でいろいろ
公害対策が行なわれておりますし、ドイツにおきましても、最初ラントで
公害対策が行なわれて現在に至ってきておりますが、御
指摘のようにその後いろいろ
公害問題が広
範囲になってきまして、連邦政府が乗り出してきている実情でございます。
日本におきましても、皆さま御存じのように、大阪、東京、福岡というような工業都市におきまして
公害防止条例がまずスタートいたしまして、その後各地にいろいろの条例ができまして、その後いろいろ国がそれに対して
対策を援助するという方向に至りましたことは
先生の御
指摘のとおりでございます。
この本案で、第四条、第五条と並べて、国のほうを先のほうに書いて、いかにも
公害問題は国が第一次
責任があって、次に
地方公共団体がやるのだというようなニュアンスではないかというような御
指摘でございますけれども、現在におきましては、そういう歴史的な経過のほかに、御
承知のように
公害問題が広
範囲になってきていますし、それからまた国としていろいろ
公害対策を積極的にやるべきではないかという議論もございますし、また、地方に対していろいろ援助をすべき問題もございます。したがいまして、国の
責務にこの
公害基本法では非常に重点を置いたわけでございます。決して地方の自主性なりあるいは歴史的な
発展過程の事実を否定するものではございません。第五条では、住民の健康を保護し、
生活環境を守るために、国の
施策に準ずる
施策を講ずるとともに、当該地域の自然的、社会的
条件に応じた
公害防止に関する
施策を策定し、実施する
責務を有するということをうたっておりますが、これは前段におきましては、国の
施策と同種の
施策を講ずることができる、たとえばばい煙規制法という
法律がございますけれども、その
法律に従いまして、国とそれぞれの
責任分野を持って
施策をやっておるわけでございます。それからその次の、自然的、社会的
条件に応じた
公害防止に関する
施策をやるということにつきましては、先ほど申しました
公害防止条例の中で、
騒音の問題とかあるいはばい煙の問題とか、その地域、地域の特徴的な問題を、その地域にマッチした
対策を、それぞれ条例をつくってやっているところでございます。