運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-06-23 第51回国会 衆議院 大蔵委員会農林漁業用揮発油税に関する小委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年六月二十三日(木曜日)     午後三時十一分開議  出席小委員    小委員長 金子 一平君       奥野 誠亮君    田澤 吉郎君       村山 達雄君    毛利 松平君       川俣 清音君    中澤 茂一君       永末 英一君  出席政府委員         大蔵政務次官  藤井 勝志君         大蔵事務官         (主税局長)  塩崎  潤君  小委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   嶋崎  均君         大蔵事務官         (主税局税制第         二課長)    吉田富士夫君         農林事務官         (農政局農政課         長)      松元 威雄君         農 林 技 官         (農地局建設部         長)      小川 泰恵君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 六月二十二日  小委員川俣清音君同月七日委員辞任につき、そ  の補欠として川俣清音君が委員長指名で小委  員に選任された。 同日  小委員毛利松平君同月十七日委員辞任につき、  その補欠として毛利松平君が委員長指名で小  委員に選任された。 同日  小委員中澤茂一君同月二十一日委員辞任につ  き、その補欠として中澤茂一君が委員長指名  で小委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  農林漁業用揮発油税に関する件      ————◇—————
  2. 金子一平

    金子委員長 これより会議開きます。  農林漁業用揮発油税に関する問題について調査を進めます。  質疑の通告がありますから、これを許します。川俣清音君。
  3. 川俣清音

    川俣委員 先般この委員会農林省に対して、ガソリン原動力とする農業用機械台数についてお尋ねをしておったのですが、農林省自身の最近の統計を見ますと「農業機械統計要覧」を見ますと明らかにしておるところでありますが、やはり馬力数をかなり重要に資料として持っておられるわけです。これを見ましても、かつては四馬力以下だったのを、十馬力以下、十一馬力以上というふうに台数を分けておられるくらい、または総延べ馬力を出しておられるのでございますから、当然、従来のように一台どのくらいのガソリン原動力にしておるかという計算基礎を変えなければならないはずだと思うのです、こういう資料を出しておられるのですから。  まず第一にお尋ねしたいのは、「農業機械統計要覧」というのは農林省農業機械課監修で出しておられますが、この資料は大体お認めになりますかどうか、これをお尋ねしておきます。
  4. 松元威雄

    松元説明員 おっしゃるとおり、農政局機械課で編集いたしたものでございます。
  5. 川俣清音

    川俣委員 そういたしますと、大蔵省農林省の間において、協定——協定かどうかわかりませんけれども、話し合いをしてきた一台どの程度ガソリン消費量だという点は、これは一台では十分じゃなかったということをいま反省しておられますかどうか、この点ひとつ農林省大蔵省お尋ねしておきます。
  6. 松元威雄

    松元説明員 その点につきましては前回も御質問があり、お答えを申し上げたわけでございますが、非常に精緻に算定いたします場合には、一台当たり平均だけでは不十分だということは御指摘のとおりでございます。ただ、その場合にいろいろ私も申しましたが、そもそもガソリン消費量は、台当たりにいたしましても馬力当たりにいたしましても、どのように把握するかということはなかなか技術的にむずかしい問題でございまして、いわば各種の推定を用いているわけでございますから、完ぺきな資料につきましてはなかなか不十分でございますが、極力正確に近づくように努力いたしたいと思っております。
  7. 吉田富士夫

    吉田説明員 大蔵省といたしましても、算定します経過はただいま農林省お話したとおりでございます。実は私どもといたしましても、できるだけ消費数量を正確に把握するためには、馬力数、それから実際それがはたしてどの程度面積にどの程度作業内容によってやったかによって非常に違うわけでございますので、ほんとうはそこをかなり詳しく調べたい、サンプル調査でやりましても、そこは個々のケースで非常に違っておりますので、そこに実は減免税の割り当てのむずかしさもあるのじゃないかというのが、いままで感じたところでございます。したがいまして、非常にこまかくやればやるほど正確なことはよくわかりますが、まあ、いま利用できます資料といたしましては、非常にその点は不十分だったものでございますから、われわれといたしましては、年の中途の台数を出しまして、それから年一台当たり使用消費量を出しまして、それで推定しておるという経緯になっておるわけでございます。
  8. 川俣清音

    川俣委員 私の指摘したのは台数じゃないのだ。ガソリン消費を問題にしておるのです。台数を問題にしておるのじゃない。あなたのほうでもそうでしょう。台数を問題にしておるのじゃない。つかみにくいから、台数からはじくというはじき方はありましょう、計算のしかたはありましょう。しかし、台数でないということはお認めでしょう。
  9. 吉田富士夫

    吉田説明員 私のほうといたしましては、実は二つの目的がございまして算定いたしました。  一つは、おっしゃいますように、消費数量でございます。これが結局主計のほうの予算数理につながっておるわけでございまして、消費量推定でございます。もう一つは、実は、はたして何件ぐらいの免税件数があるか、あるいはそれに対してどのくらいの人がいるかというようなことが必要なわけでございます。そのためには、まず台数を出しまして、そして一台で大体何軒ぐらいだろう、もちろん自分で持っておる場合には、一台一軒でございますが、皆さん共有しておるような場合には一台で何軒の場合もあるだろうというような件数をあわせて出しました。消費量と、それから使用件数が最終の目的でございまして、台数はその一つの過程でございます。
  10. 川俣清音

    川俣委員 これは不十分です。なぜかというと、台数じゃない、使用だ。使用というのは何かというと、ガソリンをどのくらい使用するかということなんです。そうすると、馬力数によって違ってくる。あなた方、小型自動車大型自動車区別は何でするかというと、馬力数区別しておる。税の対象もまた同じです。ガソリン消費量に基づいて税のきめ方がされておる。自動車の一台じゃないのです。二千cc下あるいは千五百cc、これで額がきまっておるのでしょう。結局ガソリン消費量と申しますか、活動量を主体にしなければならない。機械というものも機械活動量を問題にしなければならないということであれば——これはもし活動量ということになると、ガソリン消費量です。それが動力になる。そうすると、台数じゃない、活動だということになると、何軒で使おうと活動ということになると、三馬力のものと五馬力のものと、十馬力のもので違ってくる。最近の動向を見ますと、私も資料を整理したのですが、三十四年の生産台数から見ますと、だんだん一台当たり馬力数は高くなってきておる。金額もまた一台当たり金額が物価の変動によるよりも機械の構造による金額の上昇がふえてきておるのです。証券市場からこの前も確かめましたが、きょうは資料は持ってまいりませんでしたけれども生産台数がわりあいに減っておるにかかわらず、しかも、農業機械が普及すると同時にわりあいに安くなっておるにかかわらず一台当たり単価が高いというのはなぜであるか調べてみますと、馬力数が高くなっておる、強力になってきておるということが資料で明らかなんです。そうすると、台数ということは——台数は、過去の馬力数の小さな、消費量の小さな台数ではなく、最近の台数はかなりガソリン消費量の高い台数に変わってきているんだというこの実態をお認めにならなければならぬはずだと思うのです。これは何にも見ておられないじゃないですか。農林省もまただらしがなさ過ぎる。  主計局おいでになったら聞きたいのですが、主計局も、農業機械大型化について助成金を出しておる、補助金を出しておる。それだけ台数がふえたという報告をしておりながら、これを認めていない。一方では金を出して奨励をしておりながら、大型機械化奨励をしておりながら、しかも金をつけておりながら、それはないんだというようなことは一貫してないんじゃないですか。主計局おいでになったらこの点を答えてください。ないものに対して補助しているのかどうか。
  11. 嶋崎均

    嶋崎説明員 お答えいたします。  先ほど来、農林省のほうからあるいは主税局のほうからお話がありましたとおり、農業用ガソリン消費量をどうして的確につかむかということの資料的な勉強として、先生指摘のように、馬力数の問題も吟味をして、単に抽象的に一台当たりというようなことで掛け算をしたのでは適当じゃないという御議論に対して、一台当たり消費量というものは、それは機械種類ごとによって違うでありましょうし、馬力も違うでありましょうけれども、そういうものを平均的に調べたところで一台当たり消費量が幾ばくであるかということを推定して計算をするというたてまえになっておれば、一応はそれで消費量推定できるのだろう、より正確な方法がいろいろあるならば、これは改善すべきであろうと思いますけれども、私のほうも、予算積算、それぞれ分野がありまして、その基礎となる数字につきましては、一応主税局のほうでいろいろ調査資料に基づいて計算されたものを尊重して認めたという経緯になっているわけでございます。
  12. 川俣清音

    川俣委員 主税局で調べたものをもとにしたというのですが、何年の時代の、何年度の機械平均を見たのですか、あるいはガソリン消費についても、何年度の平均を見たのですか。その当時の状態と現在と違っているんじゃないか。主計局がわざわざ大型機械に対する補助をしておる、それが進行しておるということを認めておりながら、古い資料平均をもってするのはおかしいじゃないか。主計局はずいぶんこまかいことを言いながら、こういうことが抜けているのはどういうわけなんです。
  13. 吉田富士夫

    吉田説明員 実は積算のほうは、主計官が申されましたので私から御説明申し上げますと、先ほど申しましたように、一台当たり消費量台数をかけて出しました。そういうやり方をしましたので、消費量といたしましては、三十七年、三十八年の傾向値を見まして、三十八年でやっております。それから台数といたしましては、三十九年の一農林統計数字を一応もとといたしまして、それを通産統計出荷統計で伸ばしまして、そうして四十一年度といたしましては、四十一年の九月現在の推定をいたしまして、それで出しております。三十九年の数字から、通産省出荷統計でさらに最近の数字がございますので、それを伸ばせるだけ伸ばしまして、あとはその先を推定いたしまして、四十一年の九月を推定の時点といたしまして出しております。
  14. 川俣清音

    川俣委員 私は、前のガソリン消費事情といまとは一台当たり変わっていないかということを問題にしている。あなたは前のとおりだというのですが、いまは情勢が違っておる、生産条件も違っておる。通産省に聞いてみましても、これは通産省があらためて証券市場に出しておる資料を調べたところで、そうたいした違いがないけれども違っております。これは半年の決算期計算する。生産台数が違っております。決算期を前にして在庫が減って出荷がふえる、一年を通算した場合の在庫決算期前の在庫とだいぶ違っておることは御承知のとおりです。しかも、台数は必ずしもふえていないのに利益が上がっているというのはどういうわけか。台数が減っているからこの株はあやしくないかと言ったら、いやそうじゃないんだ、台数はふえていないけれども、一台当たり単価が高くなってきているから利益は多いんだということで、この株は安全だという証明をしてくれておる。一般生産市場では、機械メーカーで明らかにそういうことを出しておるのにかかわらず、台数台数だと言われるのはどういうわけかということです。台数は必ずしもふえていないのです。もちろんふえてはおりますけれども、それほどふえていない。しかし内容が変わっているんだ。それによって利益そのものも高くなっておるのだということの説明は行なわれておらぬ。そうでなければ、あなたの言うようなことだと、株の暴落を来たしますよ。あれはインチキだ、大蔵省の言うとおり、古い機械より使っていないんで利益は上がっていないんだということになったらこれはどうなります。たいへんなことになるでしょう。農業用ガソリンだから関係ないのだといって逃げるわけにいかないんだ。この点はどう説明されますか。主計局はそんなにやかましく調べておるならば、予算を出したのがどの程度効率的に使われておるかどうか、依然として旧態機械補助をしているのか、大型化に対して補助をするといいながら、大型化が行なわれていないということになるのか。製造台数からいえば大型になっているのです。これが出荷していることは事実です。したがって、これは大型化が行なわれておるんだということも、この点からも証明できると思う。台数旧態依然たる台数という考え方ですが、そこに大きな開きがある。ずいぶんやかましく調べたと言われるからには、この点は明らかになっていなければならぬ。どうですか。
  15. 嶋崎均

    嶋崎説明員 お答えいたします。  私も非常にこまかいところまで勉強しておらなくて恐縮でございます。考え方としまして、機械馬力数が大きくなって、機械の性能が上がる、そのかわりに一台当たりガソリン消費量増加するということは事実だろうと思うのです。逆にまた、これは私自身十分検討したわけではありませんけれども、それによって耕作面積なり作業面積というものの能率も上がって、馬力当たりの効率というものがどういうぐあいになっているかということもあわせて考えなければならない、したがって、そういうような基礎資料を積み上げて計算をするということが克明にできるならば、それは努力をしてみるべきものであろうというぐあいに考えておりますけれども、そういう機械馬力数増加が即使用量増加になるかどうかという点について全くの疑問がないわけでもないわけでございますので、そういう点もあわせてひとつ今後検討をすべきものじゃないか、今後われわれガソリン消費量を見ていく場合に、主税局からお出しになった数量についてもよく検討をして見ていきたいというふうに思います。
  16. 川俣清音

    川俣委員 いや、あなたに聞いているのはそんなことじゃないです。大型機械化に対して、農林省の要請に基づいて予算の裏づけをしておるが、そのとおりの実効が上がっていると考えておられるかどうかと聞いておるのです。大体上がっていると見ておりますか。それならそれでいい。別にそれが悪いというのではない。そうするならば、主税局が旧来の馬力数計算しておられるから、それに大蔵省自体矛盾を感じないか、そういうことを聞いているのです。予算はつけたけれどもあまり成績が上がっていないんだというなら、それならそれでいいですよ。主計局はそうは言わないだろう。片一方の答弁によると、旧態依然とした機械だ、こういう答弁だ。別なことばで言えば旧態依然、前の機械ガソリン消費量だ、こういう計算で出している台数が問題です。台数が合ったとしても、そういう考え方がいま出ておる、それじゃ大蔵省自体で内部に矛盾を感じないか、こうお尋ねをしておるのです。  それからもう一つ大蔵省はそんなに正確に出すということまで私は追及しているんじゃないのです。おおよそだ、こう言うけれども、おおよそというものはある程度基礎がなければならぬ、基礎があって初めておおよそだということが言えるのです。基礎なしにおおよそだなんというのは、それはでたらめなんです。だから、基礎があるというからには基礎を明らかにしてもらいたい。
  17. 吉田富士夫

    吉田説明員 ただいまわれわれとして馬力数においてとらえなかったのでおおよそということで、その基礎でございますが、私どもといたしましては、大型化傾向も実はいろいろのほうから検討したわけでございます。そしてどうしても馬力数に踏み切れなくて、先ほど申しました馬力数別消費量は把握がなかなかできなかったというのが第一点でありますが、もう一つは、大型化傾向は非常に波がございまして、先生この前御指摘のように、通産生産統計牽引型で見ますと、三十七年までは非常に大型化傾向が早かったわけでございますが、この前先生お話のように、三十五年に三・五キロワット以上、約四・五馬力以上でございますが、それが四万二千台だったのが、三十七年には実に十三万五千台に上がってきております。ところが三十八年、三十九年がまただんだんダウンしてまいりまして、大型機械が三十七年十三万五千台が、三十八年九万七千台、三十九年九万三千台と、またダウンした傾向になりまして、全体のティラー、牽引型の馬力の中を一〇〇といたしまして、その中で大型小型と四・五馬力で両方分けてみますと、三十七年、その前に三十五年は小型——かりに小型と申しますと、小型が六三・四%に対して大型が三六・六%、先ほど申しました七万台というのは三六・六%にあたるわけであります。約四割が大型だった。ところが三十七年になりますと、先ほど申しました十三万五千台が大型でありまして、全体が二十七万九千台でありますので、大体半分弱、四八・四%と大型がだんだんふえてきたわけです。ところが、その比率が三十八年、三十九年になるとまた下がってまいりまして、三十八年は四二・一%が大型、三十九年は三八・二%がまた大型、また少しダウン傾向にございます。こういう数字を見まして、三十七年が一つのトップではあったと思います。その後また若干停滞の傾向にございますものですから、これにつきましては、われわれとしましてはおおよそで見当をつけたということでございます。
  18. 川俣清音

    川俣委員 それを見込んでいるのですか。そうじゃないでしょう。従来のとおりの計算でしょう。台数で、馬力数全然見ていないのじゃないのですか。
  19. 吉田富士夫

    吉田説明員 したがいまして、従来から馬力数は見ておりませんが、非常に大型化が顕著であったのが三十七年までで、それ以後は大型化はむしろとまったんじゃないか。一時的に、少なくとも一番新しい統計といたしましても、そこまでしかおおよそ把握できないものですから、その前提が一台当たりで単純に出したということを申し上げたわけであります。
  20. 川俣清音

    川俣委員 それはおかしい。あなたの資料なんだから計算できなければならぬ。ダウンしているかもしれませんよ。だがしかし、ダウンしているならダウンしているなりで、計算できないことはないじゃないですか。ダウンしているから計算できないというのはおかしいじゃないですか。その資料をお持ちならば、それでなぜ計算ができないのかと私はお尋ねしておるのです。
  21. 吉田富士夫

    吉田説明員 この修正値は出ると思います、算術的に。ただ、一台当たり大型小型消費量を分けてやるというのが一番大きな問題でございます。
  22. 川俣清音

    川俣委員 いま資料としては総馬力数が出ているのですから、それでなぜ計算ができないのか、それと、馬力数台数計算した開きはどのくらいあるのか、あまりないというのか、あり過ぎる結果が出てくるのか。何も検討していないじゃないですか。それで十分検討しましたということにはならない。あなたの持っている資料でできないことはないじゃないですか。資料がないというなら別ですよ。持っておられるじゃないですか。持っていてやらないというのはどういうわけですか。持っていてやらないというのは私にはわからない。ないためにやれないというならわかるが、そうもとれるような答弁をしますけれども、いま言われたとおり持っておられる。農林省統計を見ますと、最近出ておるのですね。総馬力数が出ておる。それをなぜ使わないか。それだけ使うのが危険だというなら、平均をして比べてみた結果がこうだとか、これが検討じゃないのですか。それを称して世の中では検討だというのです。世の中はそうなんだ。大蔵省は別ですよ。世の中ではそういうことをすることを検討だというのです。これが日本語なんです。大蔵省日本語というのは別かもしれません。世間では、それを二つ出してみて、どうだとか比較することを日本語では検討というのです。なぜ日本語のとおりの検討ができないのですか。
  23. 吉田富士夫

    吉田説明員 私の御説明がちょっと不十分で申しわけなかったのですが、一台当たり消費量というものは把握できておるわけでありますが、大型小型別馬力別の一台当たり消費量がわれわれとして把握できておりません。それが一つ、それからもう一つは、農林省統計は、確かに今度の四十年の統計では馬力別に出ております。この上のほうの馬力のものでございます。たとえば五馬力以上十馬力、十馬力以上二十馬力と、非常にこまかくできておりますが、この中で、はたしてどの程度ガソリンプロパーであり、それ以外のもので、ガソリンでなくて灯油など兼用と申しますか、ほかの油のものがどの程度かという統計が実は出ていないものですから、それが一つの危惧であったのですが、何と申しましても、一台当たり消費量馬力別に出ていないというのが一番の基本であります。
  24. 川俣清音

    川俣委員 ですから、これをごらんになってみましたか、ディーゼル及びガソリン原動とするやつが種類別に出ている、明らかに出ているのです。私はこれによって質問しているのです。ガソリン原動とする、あるいは重油を原動とする区別が出ているのですよ。通産省統計の中にも最近は出てきているのですよ。それをこんなりっぱな資料があるにかかわらず、大蔵省は持っていないのですから。それを活用されて計算をした結果こうだという結論ならわかるのですよ。できません、できませんというけれども、できているのですよ。故意にごまかそうとすることでありますなら、たいへんなことですよ。資料がないというなら別ですよ。最近だんだん整備されてきて、できているのではないのですかというのが第一の問題提起です。農林省も最近はそういう資料をつくっておりますということを明らかにしておる。だから、これをごらんになっていますかということを聞いておるのです。
  25. 吉田富士夫

    吉田説明員 その統計は見ております。
  26. 川俣清音

    川俣委員 見ていたらわかるでしょう。
  27. 吉田富士夫

    吉田説明員 先ほど申しましたように、農林統計から最近の数字を引用いたしますには、通産省の今度生産統計が毎月毎月新しく数字が出ておりますので、それを引っぱってこなければならないわけですから、その段階ではこの前私御説明いたしたと思いますが、通産統計といたしましては、原動機のほうの油種別統計があります。つまり、エンジンとしての統計、つまりエンジン農業機械だけでなくていろいろなものにつけるわけであります。農業機械につけたり、工業機械とかあるいは工作機械とか鉱山のほうの機械とか、原動機がどういう部分にいったかが通産統計ではわかりませんでして、ただエンジンとしては揮発油エンジンがどのくらい、ディーゼルエンジンがどのくらい、こういう統計がございます。ところが、われわれの計算します基礎となる統計通産統計ではありませんでして、動力耕うん機牽引型の統計なんです。この場合には油種別に実は統計が出ておりません。そのために推計ができないということを申し上げたのであります。
  28. 川俣清音

    川俣委員 それにしてもおかしい。農林省ではわざわざ実態調査をして、実態調査に基づくものだ。しかも、抽出ですから、必ずしも正確じゃないとは私も思いますよ。抽出の結果必ずしも正確でない。正確率は九〇何%ということは言える。しかし、この統計があるからには、その九〇何%の信用率を使うよりほかないんじゃないですか。あなた方が資料を持っていない。農林省統計を持っている。それを信用するよりほかにないでしょう。それに基づいて主計局予算をつけているんです。大蔵省の内部がおかしいのです。これは大蔵大臣を呼ばなければだめです。内部の統一がない。だから、ただあえてもう一ぺん検討し直すということであれば問題ないですよ。いまあなた方の資料を十分持っておられるのなら、その資料でひとつ検討してみるという良心的な返事があってしかるべきじゃないですか。これは惰性でやってきた、しかし、もう惰性の域を脱して検討しなければならないというのなら、私はそれで済みますよ。十分じゃないと言いながら、なかなかできないんだと言いながらやらないということは、どういうことですか。しかもこれは、大蔵大臣が国会で約束したことなんですね。約束した以上は、法律と同じ行為で、法律行為なんです。それをできないのだなんというのは——どんなにお金がかかろうとも、それをやらなければ政治信念というものは貫けない。国会は無意味になる。どうしてもできなかったのだというなら、これは別ですよ。あれだこれだと口実をつけてやらないようにして、できないのだというならば、これは大蔵省、ひとつ解散してもらわなければならぬですよ。やってできないなら、これはやむを得ませんよ。やらないで、できぬのだといったら、これは怠慢ですよ。重大な怠慢です。そこで検討して、従来もガソリン消費量については十分じゃなかった。私は完全なものはできるとは思いません。完全なものを期待しておるわけじゃない。おおよそだというのです。そのおおよそというものについてもう一ぺん検討する必要があるんじゃないか。おおよそということは、でたらめじゃないのですね。ある程度基礎があって、この程度ならやむを得ないんだというのがおおよそなんです。根拠のないおおよそというものはない。一体、大蔵省というのは日本語を知らないんじゃないですか。この点、もう一度とにかく検討してみるんならそれはいいですよ。これはあなた方のほうでほんとうは資料を調べて、こういう資料の結果こうだというなら別だというんです。資料があるにかかわらず、なるべくそれを逃げて、自分の気持ちのところへ合わせようとするなら、これは大きな間違いです。これは怠慢ですよ。これは行政上の怠慢ですよ。
  29. 吉田富士夫

    吉田説明員 最初に申しましたように、実はこの消費数量推定は非常にむずかしい問題でございまして、ケース、ケースによって非常にばらばらの場合が多いということを、実態調査しましてわれわれは認識したわけでございます。したがいまして、何らかの信用される統計でできるだけ真実に近いものをいろいろさがし求めまして、われわれの努力が足りなかったというおしかり、ごもっともでございますが、われわれとしましては、官庁統計で一番新しいもの、あるいはいろいろな全国的な、平均的な統計はできるだけのことはやったつもりでございますが、なお不十分でございまして、われわれとしまして、消費数量推定につきまして、あるいは馬力別に見たほうがいいかどうか、あるいはもっと消費量なり、その面積等の関係はどうかということは十分今後とも勉強していかなければいけないと思います。
  30. 川俣清音

    川俣委員 おかしいですよ。馬力数で見たほうがいいか、一台で見たほうがいいかということは、機械に対する認識がないということが一つ、農業というものはどうしてこれは行なわれるか、一台のティラーが動いて耕うんできるんじゃないのですよ。原動力がなければ動かないのです。動かないということがわからなければならぬはずですよ。動くための動力は何を使っているかというと、ガソリンによっているのだ。そうでしょう。それは馬力じゃないですか、能力じゃないですか。能力を馬力というんですよ。能力のない機械というのはナンセンスですね。その台数というのはナンセンスです。そこで、固定資産の償却もしたがってそういう面で行なわれておるんじゃないか。能力ですよ。すなわち遊休機械については、耐用年数にも計算しないでしょう。活動しているものについては対象になる。活動しているというのは何かというと、ガソリンを使うもの、あるいはディーゼルを使う場合、重油を使う場合、そういうことでしょう。したがって、馬力数が問題にならないのだという考え方はおかしい。台数が問題になって、馬力数は問題にならないというのはおかしい。しかし、その何馬力のものがどのくらい消費するかということについてこれから検討することは、これもあえて私は非難しませんよ。いままで勉強が足りなかったということを暴露しただけで、台数で動くものだと思ったわけでしょう。一台あれば、庭にあっても、たんぼにあっても、それは耕うんの力はあるんだという考え方大蔵省にあるんだと思います。持っているから耕うんができるのじゃないのです。動かさなければ農業作業にはならないのです。そうじゃないですか。農林省、どうなんです。所有しておれば耕うんができるというふうにお考えですか。農林省がそんなことだったらたいへんだ。
  31. 松元威雄

    松元説明員 御指摘のとおり動くから消費されるわけでございます。  そこで、この前も申し上げましたが、私ども計算でも台当たりを正しいということを申し上げたわけではなかったわけでございます。ただ問題は、馬力と同時に稼働面積がまた働くわけでございます。つまり、何馬力機械が何時間動いた、その結果何ヘクタール耕うんされたということによりまして全体の消費がきまるわけでございます。その点につきまして、これは不勉強と申せばそうでございますが、遺憾ながら、過去のデータでは完全な資料がないわけでございます。台数統計がございますけれども、何馬力のものが何時間動いたとか、その場合一馬力何リットル使うという統計はないものでございますから台数を使ったということを申し上げたわけでございます。
  32. 川俣清音

    川俣委員 農林省がそういうならお尋ねしましょう。大蔵省にもお尋ねしなければなりませんが、農林省の関係ですと、これは生産用具でございますから当然生産費に計算されなければならない。そうすると、農林省のいままでの生産費というものは、そういうものが加味されていない生産費調査をしておった、こういうことになりますか。そもそもそういうものは検討しない生産費であったんだ、こういうことを暴露したことになるのじゃありませんか。松元さん、あんまり抗弁するとだんだんまずくなりますよ。
  33. 松元威雄

    松元説明員 前回も生産費についての御質問があったわけでございます。その場合、私は米の生産費を例にとりまして、米の生産費の中で反当たり諸材料の中にガソリンを幾ら使ったということの資料はあるというふうに申し上げたわけでございます。ただ、その場合直ちにそれをもって全体の農業の消費量推定はなかなかむずかしい。その場合、遺憾ながら全体の、ガソリン消費量はわかりますけれどもガソリンを使います機械種類別の量までは必ずしも把握されていない。それからまた、もう一つ先生のおっしゃいましたとおり、他方トラクターが米以外にも使いますものでございますから、その場合、いわば共同費用ですからこれを配付しなければならない。その場合、それぞれの使用時間が基準になる、そういうものも一つ推定になるわけでございますが、目下の段階では個票では配付しておりますが、中央段階では統計で集計しておりません関係上直ちに使用できなかった、そういう事情もあるわけでございまして、もちろんこれから統計のやり方についてさらに精緻なるものを求めれば不可能とは申しませんが、現在の段階では遺憾ながら完全な推定はできかねるということを申し上げているわけでございます。
  34. 川俣清音

    川俣委員 それでは台数ならなおだめだということじゃないですか。あなたの説明によると、一体どのくらいの行動力を持ったか、それがわからなければだめだ。台数ではなおわからない。庭へ置いておったものも台数計算になる。使わないもの、修繕中のものも台数になる。なおだめな数字だということになるのじゃないですか。だめな数字は使っていい数字は使わないということはおかしいじゃないですか。一体大蔵省に対する説得力が足りないのですよ。農業というものはこういうものだ、しかもこれは天候にもよるのですよ。ガソリン消費は天候にもよる。自動車でもそうです。一年じゅう一番能率のあがるような天候も拠るでしょう。非能率な天候もあるのです。それを台数だなんて、なおおかしいじゃないですか。まず、非常におかしいことを整理するという考え方、その次に、さらに検討していくといろなら話はわかりますよ。私はわからぬと言っているのじゃない。まずそういう前進のしかたをさせなければならないじゃないですかということを議論しておる。これは十分なものは得られればということで問題にしているのじゃない。よりベターなものがあるじゃないかという指摘なんです。よりベターなものを使わないということはおかしいじゃないか。それをなぜできないのですか。完全なものができないということはそのとおりでしょう。よりベターなものもやれないということにはならないと思うのです。どうも農林省は少しふぬけだと思わざるを得ない。従来のガソリン消費をもって満足している。農民の問題だ。前からこういう計算になっているのを農林省は承諾したのだ、何ですそれは。検討もしないで承諾をした。だれにかわって承諾したのだ。農民にかわって承諾しなければならぬのが農林省なんです。大蔵省の言うなりでなければだめだなんて、どこにそんなことがありますか。法律上、農林省の要求が大蔵省の言うなりでなければならないなんという規定はどこにもないのです。意見があったら意見を述べなければならない義務がある。よりベターなものに進むという態度でなければならない。どうですか。これは省議でも開いて、しっかりしてくださいよ。
  35. 松元威雄

    松元説明員 先ほどの説明は、過去の資料はそうやってできたのだということを申し上げたのであります。したがって、今後そのとおりやるということを申したつもりはないのであります。そこで、私が申し上げたことは、ただ資料の制約がありますから、どの程度できるかということは、完全にはできないけれども、いろいろ先生の御指摘も考慮いたしまして、今後検討いたしましょうということを申し上げたわけであります。
  36. 川俣清音

    川俣委員 農林省検討するというのですが、大蔵省はどうですか。
  37. 吉田富士夫

    吉田説明員 大蔵省農林省と歩調を合わせまして検討いたしたいと思っております。
  38. 中澤茂一

    中澤委員 関連。  去年の十月の予算委員会で政府側答弁で、たしか数量は四十一万五千キロリットル、それから、それに対する税額は百二十九億円という答弁をしているのです。その数量は再検討し直すということですね。それだけ一応はっきりしてもらいたい。
  39. 吉田富士夫

    吉田説明員 私が申しましたのは、今度四十二年度のやり方におきまして、従来どおりのやり方じゃなくて、新しい年度でございますから、また、どうせ来年度問題になると思いますので、その点について申し上げたつもりでございます。
  40. 中澤茂一

    中澤委員 そうすると、推定数字じゃなくして、去年の答弁の百二十九億円、四十一万五千キロリットルということを、どうせ来年度のものですから、予算編成には推定のものを出さなければならないのですよ。その数字というものでいままでの消費動向の伸び率をかけて出していくということはやらないで、いま一度実態調査をして、再検討し直して四十二年度の数字を出すということですね。そうなんですか。去年の百二十九億円を基礎にして、消費動向推定でいくのですか。その点、百二十九億円という去年の基礎、いま川俣さんの質問しているのを根本的にいま一度再検討し直すというのですね、この四十一年の分を。消費動向推定で四十二年度のあれはやらぬで、いま一度去年答弁した百二十九億円の基礎数字の根底を再検討し直すということですね。
  41. 吉田富士夫

    吉田説明員 百二十九億円は四十一年度でございます。実は、四十一年度分は、川俣先生おっしゃったように、四十年度と同じようなやり方で二年間やったわけでございます。それは、基本的には台数と一台当たり消費量をかけたものです。今度、先ほど川俣先生お話のように、馬力数あるいは消費量といいますか、稼働時間と申しますか、そういうものについて四十二年度の推定をする際に、従来の惰性でなくて、もう一度農林省実態調査をやられる、検討されていると申されますので、大蔵省としてもそれに合わせて調査してまいります。四十二年度についてでございます。
  42. 川俣清音

    川俣委員 私、もっと詳しい資料を実は持っているのです。自分で計算してきたやつがあるのです。これは必ずしも正確じゃない。機械計算したのじゃないから、間違いがあるといけませんけれども、およその動向だけを述べたものですが、農業白書の中に、最近の機械化の伸び率あるいは大型機械になりつつある、馬力数もふえている。面積大型化とは必ずしも並行してはいないのですね。ただ、実際上、何といっても大型にとりつかれておるということは、必ずしも農業上経済的であるかどうかということについては疑問があるだろうと思います。私も疑問に思う。それほど大型機械化して、ガソリン消費をふやしていかなければ生産があがらないのかどうか、あるいは生産性が高まらないのかどうか等については疑問がありますけれども、趨勢としては、ガソリン消費量大型機械化に伴ってふえていくという実態は明らかになっている。一台どのくらいであるかということは、私は明らかにしておりません。そういう趨勢にあるということだけはいろいろな資料から出てまいります。この資料は、私から言わせるならば、ほんとうは当然農林省は持っていなければならぬはずなんですね。そうでなければ、生産費調査をやりましたなんて大きなことは言えませんよ。うそでもやっていると言わなければならぬはずになっておるのですね。そこで、あるいは米価などについてもそういうことが起きてくると思って、指数化方式だというようなことで逃げるかもしれませんけれども、これは逃げるだけであって、農業に忠実だとは必ずしもいわれないと思う。そういう点から見まして、農林省はすみやかに地方の統計調査部、いま局で大体統一しておりますから、趨勢ぐらいは、およそぐらいのことはわかる。完全でないかもしれぬけれども、およそのことはわかる。いままでの計算ではどの程度の誤りが起きるかというぐらいの趨勢はわかる。実態に合わなかったというぐらいのことはわかる。何%ぐらい合わなかったかということはなかなかむずかしいと思いますけれども、およそおよそということばを非常に使われますから申し上げますが、およそ台数でいったのと馬力数でいったのでは開きがあるのだということぐらいは出てくると思う。最近のガソリン消費量、材料費の中に出てくるガソリン消費量から見て、しかもあなた方が奨励している大型機械がどのくらい普及しているかという、そういう動向をにらみ合わせて、従来の台数では不完全だ、国会答弁にはならないというぐらいのことは出てくると思う。しかし、役人というのはなかなかあやまったというようなことを言いたくないのですね。だから、自分で計算してみて非常に開きがあったというなら幾らか良心的でしょうから、非常に開きがあったのだというようなくらいのことは出てくるであろうということを想像するわけです。そのくらいの検討をしてみてもらいたい。大蔵省検討に乗るというのです。いままでは乗らないからやむを得ないのだといって弁解しておったのですけれども、今度は明らかに、農林省がそういう資料調査をすれば、それに基づいて検討しますという。これは松元さん、少し無理かもしれませんが、農林省を代表してこられているのだから……。
  43. 松元威雄

    松元説明員 いまの御質問の中で、台数計算した場合と馬力数計算した場合とどのくらいのギャップが出るかという点は、遺憾ながら過去の統計で申しましたとおり、馬力当たり消費量を持っていませんものですから、今後そういう点は検討はいたしますが、総数でどの程度になるかということはわからぬわけでございます。もちろん、従来の傾向といたしまして、たとえば生産費調査でとりますれば、ガソリン費が非常にふえているということは事実でございます。たとえば三十五年、三十九年の全体のガソリン消費量を比べますとふえている、その点は御指摘のとおりでございますけれども、ただ今度は、三十九年という年次を基準としまして今後はどうだということは、それだけの判断でいかぬものでございますから。それからまた、大型傾向にもいろいろございまして、これは先生十分御承知でございますから私が申し上げるのもなんでございますが、いわば大型トラクター——大型化といえば、大型トラクターを使う場合でございますと、必ずしもガソリンは使わないわけであります。いわば大型トラクターでありますと、むしろ軽油、灯油を使うということでございますから、いわゆる大型ということは特に結びつかぬわけでございまして、したがいまして、そういう意味でトラクターの種類別と申しますか、それがガソリンを使うか軽油を使うか、そういう点まで立ち入って検討しなければならぬということになるわけであります。
  44. 川俣清音

    川俣委員 なお、大蔵省答弁の中に、大型化大型機械によるというと、その耕うん面積使用面積等も検討しなければならぬ。トラクターの使用面積がふえてきているということは農林統計の上に明らかです。大型になればなるほど、それを多額の農業用機具でありますだけに、どうして活用するか、あるいは貸し付けるか、あるいは共同利用をするかということですね。使用面積がふえてきている。面積がふえると時間もふえる。しかし、小型と比べて見てどれだけふえるかということはさらに検討を要するだろうと思いますけれども面積はふえてきている。これは統計で明らかです。大型機械であればあるほど能率をあげなければならぬ、償却をしなければならぬために面積をふやしていることは事実です。また、時間の問題が出てくると思います。時間にしても、これは大型になってきますと、大体小型でありますと家族の君がやりますけれども大型になってまいりますと、大体技能のある者を使ってやるということになります。すなわち、家族労働じゃないという傾向が出てくるわけです。したがって、その利用率も小型よりも高いと見なければならぬ。家族でやる場合と専門の運転手がやる場合では、運転率も高いと見なければならぬ。それはわかるでしょう。自家用車とタクシーを見れば、どっちがガソリン消費量が多いかわかる。必ずしもそれと一体ではないでしょうが、専門の運転手を置けば、あるいは雇えば、何といってもその機械のフルな運転をしなければならない、効率をあげなければならない、そういう点からいって耕作面積はだんだん進んでいきます。機械化による耕作面積が進んでいく、これは農林統計に出ている。そういう点から見て、できないなんという、逃げることはやらないということだということを指摘したいのです。農林省と十分、あるいは主計局とも十分協議をして、一貫した資料をまとめるようにしていただきたい。これは第一段の質問です。やられるということで、中澤委員からの質問に対して検討するということですから、それ以上は追及しません。しかし、やらないということになると、これはどうしても大蔵大臣を呼んで答弁を求めなければならぬ。大蔵大臣がやらせる力がないなら、ないなりにしなければならぬ。ほんとうですよ。私はこのくらいなことは大蔵省ができないことはないと思う。有能だといわれておるあなた方がですよ。有能で、有能な上に大蔵省から離れても職があるというほど有能であるといわれている。したがってこのくらいの検討ができないことはないのですよ。  もう一度念を押しますが、馬力数によってガソリン消費量が違う。一時間当たりでは、何といいましても大型のほうがガソリンを要することは明らかです。あるいはガソリンを要するために軽油にするとか重油にするという機械もないわけではありません。それはないわけではない。しかし、原動力となるものを使わなければ動かないのだ。多量に使わなければ動かないのが大型の本質なんです。ただ台数ではないのだということ、これはもうこれ以上説明する要がない。だから、従来の台数でやったことについて再検討して、ガソリン消費量検討し直して——これは重油とみな分かれています。農林省統計も重油とそれからガソリンと分かれておりますから、これで推定をするということも必ずしも不可能じゃないのです。あなた方は推定がじょうずです。おおよそ推定なんという、非常におおよそを使って推定することがじょうずなんですから、これでおおよそ推定ができないことはない。どうでしょうか。
  45. 吉田富士夫

    吉田説明員 先ほど御答弁いたしましたように、いろいろな問題点をさらにわれわれとして研究いたしまして、実態調査農林省でやっていただきまして、それに合わせて検討したいと思います。
  46. 中澤茂一

    中澤委員 去年の予算要求、国会でああいうことになって、結局減税できないから、見合いの全額を農道がおくれているから回しましょう、こういうことになって予算要求したとき、六十億円という数字は、一体あれはどこから出てきたのですか。国会答弁では百二十九億円というものがはっきり政府側答弁で出ているが、予算要求では六十億円しか要求してないわけですね。あの数字というものは農林省はどこから出したのですか。
  47. 松元威雄

    松元説明員 それは前年の四十年度できまったと同じ方式で計算をいたしたものであります。
  48. 中澤茂一

    中澤委員 それはおかしいですよ。百二十九億円というのは、十月の臨時国会の答弁で政府からはっきり出ているのですよ。それが一体何で六十億円しか要求しなかったのか。その辺に何か事情があったのですか。
  49. 松元威雄

    松元説明員 その点、先生も御承知と存じますが、四十年度でガソリン税の減免の対象として身がわり財源に使わるべきガソリン税相当の金額と申しますか、それについて議論のあったことは御承知と思いますが、そこで四十年度できまったとおりの計算をいたしまして要求の額がきまったわけでございます。
  50. 中澤茂一

    中澤委員 だってあれじゃないですか。百二十九億円という数字は、ことしの予算で出てきたのではないのですよ。去年の臨時国会の予算のとき政府から、四十一万五千キロリットルの消費量、それから減税額はかけると百二十九億円になります、というのは去年の十月の数字ですよ。あれは農林省答弁したか大蔵省答弁したか、ぼくも記憶がないが、それははっきり臨時国会の予算委員会でそういう答弁が出たのです。そこで、当然われわれは百二十九億円の額を農林省大蔵省——地方税のはね返りがありますがね、地方税の剰余分、ありますけれども、それを差し引いても百十億円くらいにはなると思うのです。だから、その予算要求の根拠が私はわからないのだ。六十億円という根拠は一体何で出したのか。要求額は六十億円でしたね。
  51. 松元威雄

    松元説明員 四十一年度のただいま百二十九億円と申しますのは、ガソリン消費量にキロ当たりの揮発油税の額及び地方道路にかかるものを乗じて算出した数字というふうに理解いたしております。そういたしますと、六十億円は前年度五十億円をきめましたと同じ方法で算出いたしたわけであります。
  52. 中澤茂一

    中澤委員 政府答弁がはっきり十月、百二十九億円と出ているのですよ。予算委員会で、たしか四十一万五千キロリットルだと覚えておる、書類持って来ぬが……。予算要求というものは、減税をやらない場合はそっくり身がわり財源として、農道がおくれているから農道に使いましょうと、こういうことなんだから、当然おたくのほうの要求額は百二十九億円——地方税の分が大体十九億円か二十億円あると思うのです。それを引いた額というものは、当然予算要求額にならなければいかぬわけです。それを六十億円しか要求してないというその根拠。その前の年の田中氏のやったのは、あれは実は政治折衝だったわけです。五十億円を削ったら承知しないと居直ったので、田中さん、五十億円出しましょうということになった。だから、あの経過からいって、当然あなたのほうで要求すべき予算額を要求していないという理由がわからないのだ、ぼくは。だからその辺、何も四角ばって考えなくていいですよ。
  53. 松元威雄

    松元説明員 中澤先生、その点は経緯は御承知かと思ったものですからあえて数字は申し上げなかったわけですが、確かに、御指摘のように、かけるべき単価につきまして、揮発油税はキロ当たり二万四千三百円、それから地方道路税はキロリットル当たり四千四百円、それを乗じまして百二十九億円になる、御指摘のとおりでございます。その場合に、身がわり財源の対象といたしまして、道路予算算定方法は、四十年度が二万四千三百円については、従来物品税だった当時において一万一千円ある、したがいまして、目的税の分はそれを差し引いたものであるということで四十年度はきまっておりますから、それに従って六十億円の予算要求をいたしたわけでございます。
  54. 中澤茂一

    中澤委員 依然としてその方式以外は大蔵省はのまないのですか。その辺はどうなんですか。またそういう計算方式を四十二年度もやるつもりですか、予算要求を。
  55. 松元威雄

    松元説明員 四十二年度の予算要求はまだ態度をきめておりませんものですから、いろいろ経緯を考慮いたしまして検討中でございます。
  56. 中澤茂一

    中澤委員 それから最後にいま一点聞いておくが、本年度のあの予算内容をどういうふうに配分したというか、ぼくに言わせればおかしいのですよ。四つくらい使っているじゃないですか。生活改良なんかにもあれ使っているじゃないの。話が違うのです、予算の使い方がね。その辺はどうなんです。何のためにああいうことをやるのですか。県道、国道が進んじゃって、一番農道がおくれちゃって、だから全額農道還元というのが、われわれ国会で論議した中心なんですよね。それがほかのことに使われているという理由はどういう理由ですか。
  57. 松元威雄

    松元説明員 身がわり財源の用途は、御指摘のように道路関係としまして農道、林道、それから漁港関連道路、そういう三つの道路と農業改良資金の基金造成に使っております。その理由といたしましては、私も当時の深い経緯は存じませんが、ガソリン税は多数の農民から徴収いたすわけでございまして、その使い方が、どのようにしたら最もその趣旨に合うであろうかということをいろいろ考慮しまして、道路に着目する見方もございますし、広く均てんする趣旨もございまして、両者勘案いたしまして、改良資金といたしまして、生活改善資金、後継者育成資金に充てるための、原資十億円を当時割り当てたように理解いたしております。
  58. 中澤茂一

    中澤委員 それは確かに理屈は通るのです。理屈は通るんだけれども、やはりこれだけおくれている農道をほかに——別にあなたのほうが、農道に対して農林省がまとまった五十億円なり百億円を毎年とっているんなら話は別ですけれども、一番おくれている農道をどうするかということは、いまの農業開発の構造改善にしろ、中心課題になっているんですよ。それを、ほかのほうからもとるからというのも、それは一つの理由ではあるけれども、そういう使い方はわれわれ賛成できないのです。  それから、いま一つ伺っておくが、これはぼくはずいぶん議論した過程で、林業関係のガソリン消費の問題はどういうふうになっていましたか、ちょっと記憶ないんだが、林業関係でもチェーンソーとか、いま非常に機械化されてガソリン消費しているが、これは総体の百二十九億円の計算の中に林業機械というものが入っているのか入っていないのか。
  59. 松元威雄

    松元説明員 入っております。林業における消費量の分も入ったものでございます。
  60. 中澤茂一

    中澤委員 私は、林業のほうは了承します。漁港関連というのは、ちょっと漁港関係の方は不満かもしれぬが、これは実はA重油の減税というものを事実やっているわけですよ。これは当初目的税をつくったときから農林委員会で問題にして、おかしいじゃないか、海の中を走っているものから道路を直す目的税を取るのはおかしいじゃないか、このときはすんなりいって、これは当初からやってないですよ。だから、漁港関係にもぼくは若干異議があるんです。それは漁港関係の予算として別にやってもらうべきであって、この予算というのは、私はやはり農道に全集中をしてもらう予算だと思うのです。それでも、いま県道、国道進んじゃっているから、農道というのは全くいま置き去りにされているんです。町村道関係というのは、これまた全然前進してない、そういう事態ですからね。これはいずれまた委員会を休会中やるでしょうが、ひとつ、予算編成のときに基本的にそういう考え方でこの金はやってもらわぬと、いろいろな理屈をつけて予算分散をしてしまうと、それは全然重点がまたぼけちゃう。ちょうどいろいろな特別立法を、われわれ国会で、やれ湿田地帯だとか、やれ何だかんだといって七つも八つも法律をつくったけれども、あんなものは何の役にも立たない。ないのと同じことですよ。予算の効率的な使い方というのは、そういうようなぼけたことをやってはいかぬですよ。やはり目に見えてどんどんよくしていくということでないと、みんなぼけて——それは大ぜいから取っているからほかのほうにも使わなければならぬ、それは一つの理由ではありますよ。理由ではありますけれども、やはり一番おくれた農道をどうするか。もしそれに対して大蔵省が、農道予算というものをいままでに五十億円なり八十億円なりずっとつけているなら、こんな問題はあるいは出なかったかもしれぬ。あなたも御承知のように、これがいま農政の盲点になっている。国道はできた、県道は舗装されてきた、ところが農道は全然できていないから、まるで半道も迂回して自分のたんぼに入っていく、だから、構造改善対策としても、私は農道整備に農林省が全力をあげるべきだ。これはいつか坂田君にぼくは言ったけれども、坂田農政の重点にしたらどうだ。このことは、御承知のように、この問題が出てから要望を見ればわかるでしょう、全国で二千本以上の要望が出ているでしょう。それだけ農民がいま農道の整備に非常に急がなければいかぬと思って困っている。これは構造改善対策と結びつくわけですよ。だから、そういう点において、私は予算編成において、今後の問題ですが、そういういろいろなぼけたことを少なくともやってもらいたくない。われわれ減税をまだおろしておりませんよ。社会党は基本方針は減税ですよ。おろしていませんけれども、最悪の事態の次善の策で、もうこれ以外しかたがないというどたんばにくれば、やはりそういう一番おくれている農道をどうするかということを一番中心に考えてもらいたい。これは予算編成に対する要望ですが、以上でけっこうでございます。
  61. 川俣清音

    川俣委員 私さっき指摘したんですが、なお一つ加えておきたいと思いますが、最近の動向から見ましても、三十五年が百万町歩くらいであったのが、いまは二百四十万町歩ぐらいの面積機械によって耕うんされておる。二倍半にものぼっておるわけです。この結果はどうかというと、やはり能率の高い面積を消化する力のものがあるということであろうとも思います。台数のふえたことももちろんでありましょうが、それ以外にも、かなり高度な機械が入っておるために耕うん面積もふえておる、こう見るのが妥当であろうと思います。面積はふえておることは明らかであります。三十五年が百七万町歩のものが二百四十万町歩、昨年は三百万町歩に及んでいる。三倍にも耕うん面積使用面積がふえている。これをただ従来と同じようなガソリン消費量だと見るところに誤りがあるとごらんになりませんかどうか、これをもう一度お答え願いたい。使用面積、耕うん面積がふえておる。この統計は否認なさらないだろうと思う。この実態がよくわからないと——面積はふえている、使用時間がふえた。これは高能率のものといいますか、耕うん能率の高いものを使っているということにも必ずしもならないかもしれないけれども、そうも理解できる。それにもかかわらず、依然として検討が十分でないからガソリン消費量はわからないのだと逃げられることは、検討が十分じゃなかったということになるじゃないでしょうか。面積がふえないというのならこれは別ですけれども、調べてみると三倍にもなっている。三倍という面積はたいへんな好成績でしょう。それほど稼働をしておるということでしょう。これは認めるでしょうね、稼働している、動いているということは。動いてなければこれだけ面積はふえないのですから、面積から見ると稼働しておるのである。稼働しておれば、何らかの原動機の機能を発揮するための原動力が使われておる、ガソリンであるか、重油であるかは別にして。この資料はまた別に検討することにして、ともかく活動しておる。これだけはいなめないのじゃないでしょうか。これはどうですか。
  62. 吉田富士夫

    吉田説明員 ごもっともだと思います。
  63. 川俣清音

    川俣委員 もっともだという答弁があったからには、いままでのやつはもっともでなかったということにもなりますね。これだけ稼働能率が上がっているのに従来と同じだという考え方には反省を要するということだけは明らかでしょうね。どうでしょうか。
  64. 吉田富士夫

    吉田説明員 機械全体といたしましてそれだけの面積を稼働しておりますので、それだけだんだんふえてきたことはもっともだと思います。ただ、先ほど申しましたように、油種別が全然われわれとしてはキャッチできないものですから、揮発油のグループが伸びてきたのか、ディーゼルのグループが伸びてきたのか、この辺は今後十分検討していかなければならぬと思います。
  65. 川俣清音

    川俣委員 だからディーゼルのエンジンを使ったのかあるいは軽油のエンジンか、ガソリンエンジンか別にしまして、面積の面からいうと、これだけ稼働をしておるということだけは明らかだと思う。ただ、従来検討は十分でなかったでしょうけれども、従来はこんなに稼働しているとは思わなかったということも明らかですね。あなた方が検討している時代は七万町歩でしょう。いま三百万町歩です。三倍の稼働をしている、それは何によるかは別にして。農業機械による稼働能率というものはそういうふうに面積を増大さしておる。それは農業生産に非常に寄与しておる。これだけは明らかです。それに基づく計算をしておらない。これは非常なミスではないにしても、大蔵省としては検討が不十分である。検討いたしましょうということばはここから出てきたんだ、こう理解してよろしゅうございますか。
  66. 吉田富士夫

    吉田説明員 先ほど申しましたように、われわれといたしましては油種別の最終的な消費単位がつかみにくかったものでございますから、過去の数字もできるだけ台数を中心にしてやらざるを得なかったという事情は申し上げたとおりでございます。その際にも、台数の伸びはできるだけ十分に最近の数字まで、官庁統計の一番新しい数字を使って、一番最近まで推定したわけでございますが、おっしゃいますように一台当たり消費量に変化があった場合に、それをどの程度加味できたかということ、これもわれわれとしては資料が十分ではなかったものですから非常に不十分でございました。
  67. 川俣清音

    川俣委員 それはそれだけにして、もう一ぺん根本に戻っていきたいと思います。  あなた方が予算委員会の理事会に提出された資料によりますと「再度税制調査会にもはかり検討した結果、税制上の措置をとることが困難なので、」こういう弁解をしておられるわけです。減税をしなければならないということになりますならば、どんな努力を払っても減税をすることが、私は国民に対する正しい態度だと思う。税金を下げるべきものを、むずかしいから下げないんだというようなことは、これは一方的な言い分でありまして、国民から税金を取るからには、どんな困難を押しても正確に取るべきものは取ることが正しいでしょう。取らないものもやっかいだから取らないんだというようなことで逃げるわけにいかないと思いますが、主計局の考えをひとつ——やっかいな税金は免税しないんだ、こういうことになると、これは税制調査会が何といおうと正しい課税の方法じゃない。正しくないという答申があればそれを尊重する。あなた方は、意見が合わないといって調査会の意見だっていれないこともあるでしょう。無条件にいれるからには、これがいい意見だというふうにお考えになったのだと思う。税制調査会が、困難があろうとも、やるべきだけれども現時点では実行不可能ということなら別ですよ。それで税制上は困難だから財政措置を講ずる。財政措置を講ずるということは、税制上免税すべきだけれども、その分を財政措置の方法を採用する、こういうふうに理解をする。財政措置ならば、税で免税するよりも安上がりだから財政措置をとるということじゃないんだ。そういうふうには理解できない。同額だけれども、それを財政措置によって有効に使うのだ、こういうふうに私は理解をする。そのほうが低いから財政措置をとるのだ、こうではないはずだと思うが、この点どうですか。
  68. 塩崎潤

    ○塩崎政府委員 もうこの問題はたびたび御議論されたことでございますので、私から抽象論あるいは基本論を申し上げてもしかたないかもわかりませんが、最後の川俣先生言われました、他に財政上の措置によって、国民経済的に見て十分目的を達成せられる方法があるからというのが私は基本的な考え方だと思うのでございます。税制上の措置によって減税することは、私は、税務官僚をむちゃくちゃにふやし、さらにまた、農民との間に、やれ受け取り証があったかどうかというような、そういったむだをやりながら——これは絶対にやれないものではございません。しかしながら、それに伴うところの国民経済上のむだは御想像のとおりでございます。私どもの税制の中でも、所得税ですら完全にいっていない、最も大事な所得税ですら常にトラブルが多い、いつもおしかりを受けているような現状でございます。それにもまして、揮発油税の減税をこういった農業用機械についてやりますことは、もう一つさらにむだが出てくるし、またトラブルも出てきまして、税務執行上の弊害、税務に対する不信の問題、弊害がかえって多いかと私は思うのでございます。そんなようなことを考えますと、どうしても財政上の措置によってやるほうが、はるかに国民経済的にむだもなければ、むしろ益するところのほうが多いように考えられる、これが税制調査会にもいれられてこういった結論が出たのではないか、私はかように考えております。
  69. 川俣清音

    川俣委員 それには私二点疑問がございます。  第一の問題点として、職員をふやしていかなければならないのであって、これが国家的な経済にマイナスであるということは、私は非常に誤った考え方であると思う。どんなに国家的に不経済であろうとも、取るべきじゃない税金は取らないというのが厳然たる態度でなければならない。取らなければならないものは取ることは当然なことです。どんなに人件費をかけても取らなければならぬものは取る、これが本来の姿だと私は思うのです。取ってならないものを取るについては、どんなに経費をかけても取らないという趣旨を貫かなければならない、これが税の本来のたてまえだと私は思う。そんな便宜主義で、課税をしたりあるいは免税をしたりするということは——免税を拒むということはあり得ないはずだと思うのです。これは抽象論になりましょうから除きますが、ただ、それがいいのか、ほかに財政措置を講ずることによって、よりプラスの面があるんじゃないかという意味だとすれば、これはまた別ですけれども、たいへんな経費がかかるから——経費がかかろうとかかるまいと、国民から取るべきでない税金は取らない、それは原則でなきゃならない。そんなことを言うと徳川時代みたいになる。近代国家ではないですよ。したがって、それよりもっと効率的なものがあるんだからそれに振りかえようということであるならば、それも必ずしもうなずけないことはない。それにしても、やはり取るべきものはどのくらいであるか、取るべからざるものはどのくらいあったという正確なものを握って、それを財政措置に回すのだということでなければならない。財政措置のほうが便宜だ、軽度で済む——これは大蔵省の金じゃないのだからね。国民の金ですからね。したがって、取るべからざる性質のものであるけれども、やむを得ず取るんだ、そのかわり別な面で救済をしていくんだというからには、その見返りになるものの基礎がはっきりしてなければならぬ。財政だとかいや何だとかいうようなことで、なるべく軽少で済ませようなどということは、これは許されない。そういう許されないところから私はああいう大臣答弁になっていると思うのですよ。
  70. 塩崎潤

    ○塩崎政府委員 川俣先生のおっしゃるとおりだと私思うのでございます。税の筋道から申しまして、やはり取るべからざるところから取ってはならぬということは私どもも考えております。したがいまして、かりにそういったものに課税すべきでない、還付すべきであるなら、そのような方法で国民経済上もむだの生じない還付の方法があってしかるべきだ、その一つがこの財政上の措置だ、かように私は思うわけでございます。税制といたしまして、取るべからざるようなところからはやはり取ってはならぬと私も考えております。そんな意味でこの農免道路が考えられておるわけでございますが、受益者に対しますところの一つの還元方式として、税務職員をふやし、税制上の厳密なる非課税方式といいますか、免税方式でやるよりも、このほうが取らないことと同じような結果になっていいではないか、こういうことからきていることは、全く御意見のとおりでございます。数量にいたしましても、確かに御指摘のようにまだまだ私どもの研究の不十分なところ、御不満もございましょうけれども、趣旨はいま申し上げたようなところにあるのでございます。農林省とも十分打ち合わせまして、実態に即するような消費数量をつかむことに努力したいと思います。
  71. 金子一平

    金子委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後四時三十五分散会