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1965-08-03 第49回国会 参議院 議院運営委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年八月三日(火曜日)    午後三時二十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         田中 茂穂君     理 事                 亀井  光君                 栗原 祐幸君                 鍋島 直紹君                 大矢  正君                 柳岡 秋夫君                 渋谷 邦彦君     委 員                 江藤  智君                 楠  正俊君                 熊谷太三郎君                 田村 賢作君                 玉置 和郎君                 土屋 義彦君                 温水 三郎君                 山内 一郎君                 瀬谷 英行君                 前川  旦君                 森中 守義君                 渡辺 勘吉君         —————        議     長  重宗 雄三君        副  議  長  河野 謙三君         —————    政府委員        内閣官房長官  橋本登美三郎君    事務局側        事 務 総 長  宮坂 完孝君        事 務 次 長  岸田  実君        議 事 部 長  海保 勇三君        委 員 部 長  小沢 俊郎君        委員部部長   浅原 喜文君        記録部長     佐藤 忠雄君        記録部部長   福地 和正君        警務部長     二見 次夫君        庶務部長     若江 幾造君        管理部長     佐藤 吉弘君        渉外部長     荒木外喜三君    法制局側        法制局長     今枝 常男君    説明員        日本専売公社総        裁        阪田 泰二君      ——————————   本日の会議に付した案件 ○調査承認要求取り扱いに関する件 ○今次通常選挙に関する件     —————————————
  2. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 議院運営委員会を開会いたします。  まず、調査承認要求取り扱いに関する件を議題といたします。  委員部長報告を求めます。
  3. 小沢俊郎

    ○参事(小沢俊郎君) 内閣委員会外十三委員会から、お手元の資料のとおり、調査事件十六件につきまして、それぞれ調査承認要求書が提出されております。
  4. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) ただいま報告調査承認要求に対し、承認を与えることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 次に、今次通常選挙に関する件について、大矢君から発言を求められております。  なお、本件に関しまして、橋本内閣官房長官及び阪田日本専売公社総裁が出席されております。  それでは発言を許します。大矢君。
  7. 大矢正

    大矢正君 私はこの際、先般、参議院通常選挙が行なわれまして以降、新聞その他一般の報道機関等の中で、終始非常に大きく取り上げられてまいりました専売公社中心とした小林章君の選挙違反関係をして、特に専売公社総裁官房長官お尋ねをいたしたいと存じます。  まず第一にお尋ねをいたしたいことは、この選挙が終わりまして以来、専売公社からかなり逮捕者を出し、今日、専売公社の機能がある程度麻痺状態にあるとまで言われているこの中で、今日までの選挙違反関係をする逮捕者及び取り調べられた者について、専売公社それ自身としても、総裁は、これほど重大な関心国民に持たれている問題でありまするからして、おそらく調査をされたことと思うのでありまするが、総裁として、この選挙違反にまつわる調査結果について、まず御報告を願いたい、こう思うのであります。
  8. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) お答えいたします。  今回の選挙にあたりまして、公社関係職員等から多数逮捕者を出し、または調べられるという者が出まして、非常に関係各方面にもお手数をかけておりまして、また世間をお騒がせしていることにつきましては、私ども非常に申しわけなく思っている次第でございます。ただ、現在、それぞれ検察当局で、逮捕、お取り調べの最中であり、私どもといたしましては、全体の実情が判明いたしておりませんので、現状におきましては、その具体的な内容につきましては、私どもとしては申し上げることがないわけでございます。
  9. 大矢正

    大矢正君 専売公社総裁としてのいまのような御発言であると、われわれは、ここでもう一度あなたの責任的な立場というものを追及せざるを得ないのでありますが、あなたは、専売公社総裁として、今日まで、各地方の局、それから支所等を通じて、どれほどの取り調べ警察当局から受けたのか、あるいは逮捕というものがどの程度にのぼっておるのか、そういうことがわからぬわけがないじゃないですか。それをあなたが言わないということは、いかにもあなたが怠慢であるということになる。自分部下逮捕されたり、取り調べを受けているにもかかわらず、そういうことをいささかも調査しないというのだったら、これは問題です。
  10. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいまその点についてお答え申し上げます。公社職員全体といたしまして、今日までに逮捕されました者が百三十九名ございます。そのうち、すでに釈放されました者が五十六名、したがいまして、勾留取り調べ中の者が七十一名、そういうことになっております。実情はそういうことでございます。
  11. 大矢正

    大矢正君 あなたが調べられた限りにおいて、逮捕された理由取り調べを受けたその理由というものは、おおむねどういう点にあったのか。この点のお答えをいただきたい。
  12. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 詳細の内容は、私ども、初めに申し上げましたように、承っていないわけでありますが、大多数の者は地位利用あるいは事前運動というような、そういった意味で逮捕された、取り調べられている、こういうふうに承知しております。
  13. 大矢正

    大矢正君 私が新聞その他で知り得たところによりますと、一つには地位利用、いま総裁が言われた問題がある。いま一つには、免許その他をめぐっての利益誘導、それからいま一つ重大なことは、この選挙運動公金使用されているのではないかという問題、この三点が重大な関心事であることは、これは国民の大多数が知っている問題であります。あなたは、いまここで地位利用のことしか言っておらぬが、現に、きのうあなたが新聞記者会見された際には、公金使用というような疑惑が出ているが、公金使用した覚えはないと、こうあなた自身答弁されていることは、これが一つの大きな問題になっていることをあなた自身が認められているのではないか。それに対して、いまの答弁では、地位利用ということだけしか御答弁がないようだが、問題はそんな一つだけの問題ではないのではないか。もっと具体的に答弁してもらわなければ困りますよ。あなた幾ら隠そうとしても、新聞には、どこでどういう人間逮捕された、その理由は何か——たとえば証拠隠滅をした、そのために逮捕された、というふうに問題が具体的にあがっているじゃありませんか。もしあなたが知らないと言うなら、あなたはよほどどうかしているんですよ。
  14. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど私が申し上げましたのは、今回逮捕されました者の逮捕された理由は、伺いましたところでは、地位利用あるいは事前運動、こういうものが大多数である、こういう趣旨で申し上げたわけであります。  なお、ただいま公金使用といいますか、専売公社資金選挙に使ったという問題につきましては、これは新聞紙上報道その他で私ども一拝見しているわけでありまして、取り調べ中の者につきまして、公金使用ということでただいままでに起訴になりましたとか、問題になりましたということは、まだ聞いてないわけであります。それで、私どもといたしましても、こういったことがあってはたいへんでありますので、——また従来、選挙関係にそういう者を出したということは私どもはまだ承知しておりません。それから、そういう記事を見ましてから、私ども部内におきましてもいろいろと取り調べてみましたが、そういう事実が私どもにはわからないわけであります。そういった状況を申し上げたわけでありまして、それが新聞記事になった、こういうふうに考えております。
  15. 大矢正

    大矢正君 あなたは、新聞記者会見をするときにはいろいろなことを言われるが、この議院運営委員会に出席しては非常に口がかたくなって、具体的な答弁を避けている。これは、まことに私どもににとっては、おもしろくない態度であります。少なくとも、証拠隠滅の容疑で逮捕者山口県その他から出ている。これは新聞に明らかであります。そのことを、あなた自身調べてみたことがあるのかどうか。それから、山口県でいままでかなり逮捕者が出ているということは、これはどういう理由によって逮捕者が出たのかということを、私は、あなた自身調べてみなければならぬ理由があると思う。国民疑惑を持たれているときに、みずから積極的に、あなたは、やはり、いやそういうことはないはずだということを言わなければならぬ。きょうこの議院運営委員会で正式にあなたを参考人として招致をして、今度の専売公社選挙違反関係をする問題についてあなた自身質問をしようということを決定をして、やられるその前の日になって、初めて記者会見をして、専売公社総裁としての立場を明らかにしたようであります。その明らかにした内容というのは、私はあとから具体的に質問をしますけれども、あなたのさっきから言われていることは、まことに、今日の専売公社総裁という重要な役職にとっては不つり合いな言動だと、それから、何らこのことについては総裁として責任がないのだという態度に通ずる問題であります。私は、根本的にあなたにその点から考え直してもらわなければ、毎日でもあなたに来てもらいますよ、もしあなたがそういう態度をとるならば。
  16. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど申し上げましたのは、大多数の者が、地位利用あるいは事前運動、こういうことで逮捕されているように伺っている、こういうことを申し上げたわけでありまして、たしか、御質問のとおり、山口県には、地位利用に関連して、その証拠隠滅をはかったということで逮捕されている者があると思います。
  17. 大矢正

    大矢正君 今度のこの選挙違反関係する問題は、言ってみますると、上から下に縦につながっている。もちろん、横でも部分的につながっているところもあるけれども、考えてみると、結局、上から下に縦につながっている。今日、専売公社本社捜索を受けたという、しかも二度にわたって受けたという事実もある。  そこで私は、特にこの際、念を押してあなたに承っておきたいことは、小林章君の選挙運動というものを、あなたが、あなたの部下に対して、やれと指示をしたのか、それとも部下が、かってにやったのか、かってにやったとすれば、だれがそういう指揮をとったのか、この点をひとつ明確にしてもらいたい。
  18. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 公社組織を利用するといいますか、公社総裁という権限のもとにおきまして、公社職員選挙運動を指揮する、こういったようなことはいたしておりません。
  19. 大矢正

    大矢正君 もちろん、あなたがこの席上で、専売公社総裁として、個人資格ではなく、総裁資格でもって、小林章君の選挙運動をやりなさいということを言ったと言われるなら、 これは重大問題である。そんなことを聞いているのじゃない。そんな、総裁としてどう言った、こう言ったということではなくて、あなた自身、今度の小林章君の選挙運動については、自分部下に対して積極的に選挙運動をやれと言ったのか、言わないのか。個人的立場であろうと公的な立場であろうと、あなたはそういう態度をとったのか、とらなかったのか。もし、それを、あなたが言わなかった、そういう態度を示したことがないということになると、あげてその責任は一切部下にある、あなたには責任一つもない、ということに通ずるかもしれないが、しかし、少なくとも今日までの職員部長をはじめとしての逮捕経過を見ますれば、本社を主体として、これがみな下に流されている事実が明瞭になってきているのであります。なればこそ警察当局も、これほど悪質な選挙違反というものは、いまだかつて見たことがないと言うほどの段階にまできている。したがって、あなたは、選挙運動をやりなさい、選挙の応援をしなさいと言ったのか、そんなことは何も言った覚えはないと、こうおっしゃるのか。まずその点から明らかにしてもらいたい。
  20. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 私個人といたしましては、小林章君は、これは同僚であり、また公社出身者でもありますから、そういう人が選挙に出られることは公社にとっていいことがあるということで、小林君を支持し、支援もいたしておるわけでありますが、公社組織を通じて、総裁権限のもとにおきまして、小林君を応援せよ、協力せよといったようなことを、部下といいますか、組織を通じて申したようなことは全くございません。
  21. 大矢正

    大矢正君 そうすると、本社職員部長逮捕されたり、それから企画課長ですか、本社におきましては。そういう人々が逮捕されたというのは、あくまでも彼らは、個人的に、あなたの意思とは反してやったということになるわけですか。
  22. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 本社職員部長企画課長逮捕されておりますが、これは内容からしますと、本社職員部長は仙台の地方局長をいたしておりました。また、企画課長は、東京局総務部長をいたしておりました。そのときの事件について不正の容疑ありとして逮捕された、そういうことのようでございます。本社捜索を受けましたことがございますが、これも、たまたまこの企画課長が当時東京局に在勤しておりましたので、その関係で、その関係のものを捜査された、そういうことのように承っおります。
  23. 大矢正

    大矢正君 あなたは非常に責任のがれのことをおっしゃるが、自分の身のかわいいことは、だれでも同じだけれども、しかし、あなたの場合は、ちょっと度が過ぎているのじゃないかと、こう私は思うのですね。いま、国民の中から何と言われているか。つい最近の新聞囲み記事にもありましたとおり、専売公社というものは選挙買収公社だと言われているじゃありませんか。いままで出ているのは、一つ地位利用利益誘導、それから公金使用、そして買収供応選挙違反のありとあらゆるものが専売公社中心として出されてきていることは、これは間違いないのです。かりに、あなたの意思ではなかったにしても、そういう結果が出てきたということは——あなた方が、いやいや、つかまったのは、たまたまおれのほうだけつかまったので、これは運が悪かったのだという考え方が、あなたの腹の底にあるとすれば別でありますよ。しかし、そうではなくて、選挙違反というものの事実の上に立って、逮捕者が出たということは、自分部下から出たということは、私ども立場にとっては非常に残念なことであり、申しわけないという態度があってしかるべき問題じゃないのかしら。私はそう思う。あなたの新聞記者会見その他を見てみても、いささかもそういう態度がない。選挙違反なんてやった覚えはない、たまたまそれは、つかまっただけの話であって、われわれはそんなことは全然関知しません、それから、立候補者が出たとすれば、これは応援するのはあたりまえじゃないか——これじゃ、あなた方のものの考え方というものは、私や国民が考える考え方と、およそ違ってくるんじゃありせんか。あなた自身は全然責任ないとおっしゃるのですか。
  24. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) この点につきましては、ただいま利益誘導とか、買収供応とか、いろいろそういう事例をあげてお話がございましたが、そういう点が、おそらくただいま捜査されているものと思います。私どもといたしましては、その実態が判明いたしませんので、私としてはそれについて申し上げることがないのでございます。
  25. 大矢正

    大矢正君 きのうの、このあなたと新聞記者との会見記を読みますると、立候補者を応援するのは当然だ、こういうあなたの御発言があった。これは、自分のところから出たから応援するのはあたりまえじゃないか——それは私は、まあ選挙権を持つ一人の人間という立場においては、そういうことは言えると思う。しかし、その限度において選挙運動が行なわれておれば、今日のような逮捕者というものは出てくるはずがないじゃありませんか。そうでしょう。あなたの部下が、どういうところからどれだけの金をもらって、こういうことをしなさいと言われたから私はやっておるのですと言ったことが発端となって、百三十九人にも及ぶ逮捕者が出ているということになっているじゃありませんか。それをあなたは、あくまでも、立候補するのも自由だし、われわれが応援するのも自由じゃないか、だからそのどこが悪いのだ——せんじ詰めてみると、きのうの記者会見のあなたの態度というものはこういうものでありますが、そんなことであなた、許される立場ではありませんよ。普通の民間企業ならばいざ知らず、確かにこれは、あなたの言われるとおり、専売公社というものは国家公務員ではないかもしれない、ないかもしれないけれども、国の機関であることは間違いない。その予算はまた国の機関においてこれが審議されることも間違いない。それは性格的には国家公務員ではないかもしれぬが、内容的には、国の、言うならば役人であるといっても差しつかえがないじゃありませんか。にもかかわらず、選挙運動というものを前面に押し立てていくということになれば、結果論的には、その地位を利用したり、利益誘導をしたり、公金で、もし使えるものがあったら使ってやろうということになるのじゃありませんか。あなたの答弁というものは、まことに不誠意きわまりない。
  26. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど来、たびたびお答え申し上げますように、公金の問題、あるいは利益誘導という、そういった問題につきまして、いろいろ報道機関等から出ておりますが、私どものほうでは、先ほどから再々申し上げまするように、その実態がわかりませんので、私どもとしてはそれについて、ただいまのところ申し上げることがないわけであります。
  27. 大矢正

    大矢正君 あなたは、専売公社総裁として、実態がわからない、わからないということで、ほおかぶりをして過ごせる立場ではないと私は思う。これだけのことをしでかした総裁というものは過去にない。あなたをもって初めとするわけなんです。だから、私に言わせれば、あなたがそういう態度をとるなら、悪いけれども、あなたに面と向かって悪口を言わざるを得ない。私は、少なくとも、もっとあなたが紳士的に御発言願えるならば、われわれも焦点を一点にしぼって、国の機関というものが国民から選挙にまつわる疑惑を持たれることは好ましいことではないという限度において発言しようと思ったけれども、あなたのそういう態度は、きのうの新聞記者会見以来一貫して流れている態度のようでありますから、それはこの際明確にしなければならぬと思うのだが、あなたのいまの発言からいくと、金は、これは全然公社の金ではないのだ、選挙に使った金は。選挙に使ったのは、おそらく選挙資金から出た金であろう、それからまた、日常業務は当然専売公社としてあるのだから、そのことについては、とやかく言われる筋合いのものじゃない、われわれが選挙運動をやるのは、選挙権のある限りあたりまえの話じゃないか、こういうことで済まされる段階ではないですよ。私はそう思うのです。  あなたは、大蔵省役人として、かなりキャリアがあるというようなことを、いろいろ新聞やその他が過去にも書いたことがあるのだが、そういうことは、あなたがずうずうしくきめ込んで、私は知りませんという態度をとることがキャリアではない。少なくとも、あなたの今日までの大蔵省における立場や、専売公社に行かれてからいままでの経過、そういうものから考えて、あなたみずからは、自分部下からこういうものが出たということについては申しわけないという態度が必要じゃないのか。あなたの、きのうからきょうにかけての態度には、一貫してそういうものが見られない。私のやったことが何が悪いのかという態度じゃありませんか。あなたは、もう一回考えてみる必要があるのじゃございませんか。
  28. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) さきにお答え申し上げましたように、今回のように多数逮捕される者が出まして、いろいろ取り調べを受けるということにつきましては、私どもたいへん遺憾で、申しわけがないというふうに衷心から考えておるわけでございますが、ただ、そのあとで御指摘のございました資金を使った問題、いろいろそういったような問題につきましては、そういう事実は、私どもの調べました限りでは、わかりませんので、結局、お調べの結果がはっきりしてくるのを待つほかないのではないだろうか、こういう趣旨で申し上げておるわけでありまして、私としては、責任を回避するというような気持ちは毛頭ございません。専売公社の中で起こりましたことについては、私に全面的に責任があると思います。  なお、いろいろと選挙運動の点につきまして、新聞記事につきまして御指摘がありましたのですが、御質問にもございましたように、専売公社職員、これは、原則として、政治行動なり選挙なりについては、権利があるといいますか、することができるわけでありますが、それだからといって、何でもできるということではありません。もちろん、公職選挙法に触れるようなことは絶対してならないわけでございますので、私ども、いろいろ会合のつど、そういうことはかねがね指示してまいっておるわけであります。十分にそういうことは徹底しておると考えておりましたわけでありますが、たまたまこういう多数の逮捕者を出すという事態ができまして、あるいはこういう指導が十分でなかったのではないかといったような点、非常に心配しておるようなわけであります。ただ、現状におきましては、何ぶん内容の具体的なところがわかりませんので、これ以上申し上げるわけにまいらないわけであります。  なお、いろいろ日常業務の点につきまして逮捕者が出ましたことにつきましても御指摘がございましたが、これも、私ども仕事をやっていきます上におきまして、これは一種の、官庁の仕事と違います面がございますので、日常業者と接触するという機会が非常に多いわけであります。そういう関係仕事、これは、選挙のある折りでありますから、疑われるような機会をつくらないために、やらないほうがいいといったようなわけにもまいりませんので、そういうことで、毎年やっておりまする販売促進のためのいろいろな仕事、こういうことは例年どおりやっておったという実情を御説明申し上げたのにすぎませんので、そういうことに関連して選挙違反の行為があったということでありますれば、これはもちろんけしからぬことだ、こういうように考えております。
  29. 大矢正

    大矢正君 あなた、新婚旅行だか何だかわからぬけれども、六月の中ごろから七月九日まで日本の国におらなかった。ちょうど選挙の間にはおらぬから、おれの責任じゃない、こういうお気持ちがあるのかどうか私はわかりませんけれども、あなたの御発言というのは、三回くらい同じことを聞いて、初めてほんとうのところ、答弁をするといういかっこうです。これはまことに大蔵官僚の典型ともいうべきかっこうですね。同じことを三回聞かなければ、あなた御答弁願えない。  そこで、この選挙違反というものが、具体的には結果としてどうなるか。それから、かりに、百三十九名逮捕された者がいるが、その中で、実際に罰則を適用される者がどのくらいいるのか、そういうことは何年も先にならなければわからないはずだ。最高裁まで行って争われるということになったら、いつのことになるかわからないわけです。問題は、今日、新聞その他、多くの国民の中に疑惑を持たれているこの事実に対しては、あなたは、やはり率直に責任を感じなければならぬと、私はこう思う。あなたが日本の国にいたとかいないとかの問題ではないと思う。  私はこの際、官房長官お尋ねしたいのだが、先ほど来の阪田総裁答弁、このことと関連をして、あなた自身官房長官はどうお考えになるか。私は、総理大臣に来てもらいたいと思っておったんだが、たまたま経理大臣は出席できないというので、総理大臣にかわって官房長官に来てもらったわけなんで、政府を代表した立場でもって、官房長官は、先ほど来の話の内容、また、あなた自身も毎日新聞をお読みになって、専売公社というものが選挙違反国民の中からどれほど疑惑を持たれているかということは政治的にわかっていられるわけだが、あなたからこの際ひとつお答えをいただきたい。
  30. 橋本登美三郎

    政府委員橋本登美三郎君) 最初に皆さんにお礼を申し上げなければなりませんが、臨時国会が開会されまして、また議案の審議並びに人事問題等について議運委員会の各位にはたいへんにおせわになりました。心からお礼を申し上げます。  ただいま大矢さんから、今回の日本専売公社に関連する大規模な選挙違反が出ましたことについての御質問でありますが、かねがね総理からは閣議を通じて御注意があり、また私の名で通達を出しております。選挙に際しては、いわゆる綱紀の粛正といいますか、公職選挙法にひっかかるようなことのないように、あるいは官吏、公吏として進退を誤らせぬように常に注意をするように通達をいたしてまいっておりますにもかかわらず、今回このような大多数の違反者が——これはまだ嫌疑でありますけれども、出ましたことは、いずれにせよ、世論に対して考えましても、まことに遺憾千万であると考え、その点、この疑惑に対しまして、政府といたしましても、心から遺憾の意を表する次第であります。ただ、先ほど来、阪田総裁が申しておりますように、実は政府といたしましても、目下、多数の検挙者がありまして、それを捜査中でありますので、その内容については報告を受けることもできませんので、いわゆる数字等につきましては、先ほど阪田総裁から申しましたような数字は報告を受けておりますけれども取り調べ内容については、これを承る権限もなければ、また報告も受けておらないような次第であります。逮捕状には理由が付してあるのでありますから、もちろん、本人はどういう理由逮捕請求状が出たか、承知しているだろうと思いますけれども、私のほうまでには、どういう理由かということも知らされておりませんので、その点申し上げかねるのでありますか、いま大矢さんの私に聞かれましたことは、このような大規模な選挙違反が出た、それに対して、いわゆる公社総裁としての責任等がどうあるべきであろうかという意味であろうと思います。  もちろん、刑法上の責任問題は、これは別問題でありまするが、今日いわゆる明るい選挙ということを言われており、政府みずからも、これを強く国民の皆さんに訴えておるおりから、あまり明るくない事態が起きましたことは、まことに遺憾に存じます。政府としても、これらの事態が明らかになりますれば、これら関係者に対しては、綱紀粛正の上からして適当の措置をとる考えでおります。同時にまた、総裁といたしましても、先ほど来みずから遺憾の意を表しておりまするが、いわゆる政治的な責任については、みずから考えるところがあるのでありましょうし、そういう意味において、阪田総裁の先ほど来の答弁も、決して皆さんに対して不遜な考えで、ものを申しておるのではなくして、謙虚にものを考えておる。ただ、法律上の問題と政治上の問題とは、事の性質が違いますからして、その間においては、いわゆる明瞭を欠くがごとき印象を与えておりましょうけれども阪田総裁の心境は、その点についての政治責任自分にある——政治的な責任といいましょうか、全体の統括上の責任自分にあるということを明確にされておるわけでありますので、問題が明らかになりますれば、その点については、政府といたしましても、全体の措置についても善処いたしたい、かように考えておるわけであります。
  31. 大矢正

    大矢正君 いま官房長官から、責任総裁は感じておるであろうという御発言ですが、もちろん、責任を感じてもらわなけりゃ、これほど世の中を騒がしておいて……たとえ今日被疑者の段階であって、裁判所で確定しない間は、これは、はっきりとした結論ではないかもしれない。ないかもしれないし、あるいは百三十九名のうち何名具体的に、これが選挙違反として正式に起訴されるのか、それで処罰を受けるのか、そういうことは明らかじゃありませんが、そういう将来のことは将来としても、今日これほど世の中を騒がせ、選挙というものの醜さというものを国民に植えつけ、しかも結果はどうであろうと、われわれの吸うたばこ、国民全体が吸うこのたばこの高い税金の中から選挙費用がまかなわれたのではないかという疑惑というものを国民に与えたことに対しては、これは当然総裁として負うべきものが私はあると思うのです。そこで、いま官房長官は、当然総裁としては責任を感じておられることであろうという御発言だが、総裁はどう考えておられるのか。
  32. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいま官房長官から仰せになりましたとおりでありまして、私としては、専売公社全体の仕事を統括し、部内全体を監督しておる責任のあるものでありますから、事態によりまして、それに基づく責任をとるということにつきましては、官房長官が仰せになりましたことと全く同じでございます。
  33. 大矢正

    大矢正君 官房長官お尋ねしますがね。責任をとるといっても、事態が明らかになってからという御発言なんです。事態が明らかになるということは一体どういうことなのか。たとえば、正式に手続上起訴された場合に、これが事態が明らかになったという解釈をするのか。裁判所でもって、下級裁判所でもって結論が出たときに、事態が明らかになった、したがって責任をとるというのか。最終的に最高裁判所まで持っていって、五年かかるか六年かかるかわからぬが、そのときに初めて、あのときの責任を感じます、こういうことになるのか。一体、事態が明白になった場合に責任を感ずるというのは、事態が明白になるというのはどういうときを指して言っておるか。そのところをお答え願いたい。
  34. 橋本登美三郎

    政府委員橋本登美三郎君) まあ皆さん、政治家でありますからして、政治的責任論のことは御理解になっていらっしゃるという前提で私は申し上げたのでありますが、御承知のように、政治的責任論というものは、法令もしくは何かの形で規制すべき性質のものではなくして、本人が事態を認識し、その事態のいずれの時点をもってとるべきか、これはやはり本人の持つ一つ考え方であります。先ほどから申しますように、今日明るい選挙、正しい選挙というものが言われておって、それにもかかわらず、これほどまで多数の者が出来たということについては、もちろん責任があります。しかしながら、この事態は、いまなお捜査中の段階のであり、かつまた、公社自体の全体の統率者としての責任も別にあります。職務上の責任もある。そういうような観点から、いろいろの点を総合的に判断して、必ずしも、起訴が条件であるとか、あるいは判決が条件であるとかいうような技術的な問題ではなくして、総裁として日本専売公社の多数の職員をみずからが責任を持って統率しておる、そういう全体のいわゆる職務上の責任もあり、また今回のごとき、いわゆる選挙違反に関連する政治的な責任もある。それらをかみ合わせて行なわれるのでありますからして、当然阪田総裁の良識にまって、これが処置せられるものであろうし、また、その良識をもって阪田総裁は全体を処理してまいるものと信じておるわけであります。その点はひとつ御了承を願いたいと思います。
  35. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 総裁の先ほどの御答弁を聞いておりますと、百三十九人という数字を明らかにしましたけれども、その百三十九人は、どういう容疑をもって逮捕されたのかということについては、大多数は地位利用だろうということで、正確なお話はないわけです。そこで、少なくとも専売公社組織の中で、下部の重要な地位にある者が逮捕されているわけですから、組織上からいっても、当然下部機関からそれぞれ報告がなされていると思うのです。したがって、ここでそれが明白にできないということはないと私は思うのですが、その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  36. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいまの点、逮捕状等で逮捕理由が示されておると思いますので、取り調べればわかると思いますが、現在私のところには、そういった逮捕理由別の資料というものは参っておりません。ただ、先ほど来申し上げておりますように、大体私が伺っておりますところでは、地位利用その他、先ほど御指摘がありましたように、証拠隠滅といったようなものがございます。それから、たしか、どこかで一件、戸別訪問といったようなものがあったと思います。さらにまた、多少変わったケースとしましては、文書関係の違反が、これは数件でございますが、あると思います。が、文書といいますか、そういったような関係があったと思いますが、大多数は地位利用というようなものであると思います。詳細については数字を持っておりません、遺憾でございますが。
  37. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 ひとつ、詳細な資料を、できましたら提出していただきたいと思うのです。私は、少なくとも総裁として、最高幹部として、そういう下部の職員の問題について全然把握をしておらないということはないと思いますので、その点ひとつあとでもけっこうですから、資料として出していただきたい。
  38. 大矢正

    大矢正君 すでに起訴されている者もあるわけです。それから逮捕されている者もあるわけです。逮捕状には必ず理由が明白になっているはずです。理由がなくて逮捕するわけがないから、逮捕するときには必ず逮捕状に理由が明らかについていなければならない。それから起訴された者については、どういう理由で起訴されたということも、これも明らかになっておるはずです。そういうことを一切ここの場で隠して言わない。こういう態度が私はまず問題だと思う。この席上でこれを明らかにするまでは、私は話をこれ以上進めませんよ。ほおかぶりして、知らない顔して通そうということなら、あなたがそういう態度をとるなら、われわれはこの際、厳然たる態度で臨むのでありますが、あなたはこの場で言える資料があるはずだ、あなたの手元に。それを、あなたは意識して言わない。さっきからあなたと何回やり合っても、同じことを三回ぐらい繰り返すと初めてまともな答弁をする。柳岡君はあとでいいと言うが、それでは済まない。少なくともこの場で、逮捕された者はどういう理由で、何名、それから起訴された者はどういう理由で起訴された者がおるのだということを、この際明らかにしてもらいたい。
  39. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  40. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 速記をつけて。
  41. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 逮捕状の逮捕理由別ということでございますが、実は私、現在ここに資料を持っておりません。本社でまとまっておりますかどうか、取り調べまして、わかりましたら、また御答弁申し上げたいと思います。ただ、起訴の関係でありますが、これは、現在わかっておる起訴されております者が、十二名ございます。その起訴の適用法条から見ますと、地位利用が二名、地位利用及び事前運動が九名、戸別訪問が一名、合計十二名、こういうことになっております。逮捕状のほうの理由別は、現在まだわかっておりませんので、御了承願いたいと思います。
  42. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 いま大矢委員が言われましたように、私は知らないということは言えないと思うので、やはりその問題が明らかにされない限り、私どもは前に進まない、こういうように思いますので、その点ひとつ早急に明らかにするように要求します。  次に、先ほどのお話を聞いておりますと、公社として何ら指示をしておらないとかいうような話もちょっとありましたが、少なくとも、ああいうような運動をなされるということになりますれば、私はやはり組織的なものがあったのではないかというふうに考えるわけです。そこで、一部新聞報道によりますると、専売公社の中に秘密選挙対策本部、こういうものがつくられておった。こういうふうに報道されておりますが、この点はいかがですか。
  43. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) その点につきましても、先ほど申し上げましたように、もちろん本社の中に秘密選挙対策本部、そういうものが存在しておったということは、私は存じておりません。
  44. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 関連。官房長官総裁答弁を聞いていると、非常にどうも「ふ」に落ちないので、関連して一、二お伺いしますが、たとえば、小林章君の前の勤務地であった仙台地方局、ここが特に力を入れて、前の局長、現在の職員部長山口方夫なるものがトップになって、仙台地方局の局内に選挙対策委員会のようなものを設置している。そしてこれには、行動力のある部長部長代理クラスが中核分子になって、局内各部、工場、病院などで構成されている。しかも、選対委員会の中で特に活発に動いたのは、調達部、生産部、販売部とこういうことが、るる——これは仙台地方局でありますから、宮城県警の参議院選挙取締本部の添間英治捜査二課長の談話になって、きょうの某紙に発表になっている。すでに、こういう重大な捜査上の事実が発表されているにかかわらず、まだ被疑事件であって全貌が明らかでないというようなことは、これはきわめてその場を糊塗する答弁であるとしか言えないわけであります。しかも、選挙投票日の四日前の六月二十日という免許更新の期日を控えて、明らかにこれは利益誘導あるいは公務員の地位利用、公選法の百三十六条の二なり、あるいは二百二十一条に抵触した選挙活動をやっていることは、すでに捜査当局の中間報告で明らかになっている。そういう段階でなお、いろいろ大矢委員から質問しても、具体的な内容等はまだ手元にない。——参考人として呼ばれた限りは、あらゆる資料を具備して出頭して、質問がなくても必要な事項は、これは述べるのが当然の責任だと思うのであります。それすらない。同じことを繰り返し聞かなければ本音が出ないというようなことでは、私は、この事件に対する総裁責任のあり方というものに非常に大きな疑問を抱く一人であります。  具体的に、一つの事実として伺いますが、山口支局長の藤木順治なる者が、証拠隠滅をはかって、七月十八日ごろ山口支局で、三十九年四月一日から四十年三月三十一日までの文書収受簿、出張命令簿を部下に焼却させたという事実がある。これは総裁として事実を掌握しておりますか、どうですか。
  45. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 山口支局におきまして、文書焼却というような理由逮捕された者があるということは伺っておりますが、その容疑といいますか、お調べを受けておる内容については、私は承知しておりません。
  46. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 私は、総裁ともある者が、こういうふうに天下を衝動させているような大きな選挙違反事件部下が起こしているときに、新聞等でこう具体的に報道されていることが事実無根であるならあるということを、天下に向かって大きく声明する責任もあって、その事実を確認する責任があると思う。それがまだわからぬというようなことでは、私はこの問題に取っ組んでいる総裁態度というものは、ますます理解ができない。少なくとも、そういうことがないことを私は期待して、それをお調べになったかという質問をしているのです。幸いにしてそういうことがなければ、一つの問題が晴れるわけですが、そういうことを調査もしなければ、新聞を通じで事実を知らされている国民はそれを一そう是認してしまう。そうしていわゆる専売公社選挙買収公社と通ずるというような、「天声人語」にまで出るような、そういう大きな醜状を天下にさらしている。こういう、刑法の百四条なり、あるいは刑法の二百五十八条に抵触する事実は部下になかったということを、あなたは明らかにするためにも、やはり詳細な調査をして、これはなかった、これは遺憾ながらあった、ということくらいは、参考意見として述べる責任があるんじゃないですか。それすらも、何ら調査をしていないとなれば、私は全体におけるあなたの責任というものは、ことばの上ではどう言おうとも、どうもその感覚が非常に国民の期待する立場に立っていないというふうに断ぜざるを得ないのですが、そういう事実は調べていないのですか。
  47. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 御指摘の点でございますが、最初から申し上げておりますように、現在捜査御当局においてお調べの最中——捜査中でありまして、その関係が私どもにわからないということが非常にあります。また、そういう前提におきまして、私どもあほうからとやかく捜査中のものに対しまして意見を申し上げる——そういう事実があるとか、ないとかということを申し上げる立場にないわけでありまして、まあ先ほど来、資金の問題等が出ておりますので、私どものほうで調べました範囲内では、こういう事実は認められないといったようなことを申し上げておるわけでありますが、ただいま御指摘のございました証拠隠滅等の問題につきましては、これは捜査当局がそういうそれぞれの書類を引き揚げられましてお調べになりますので、私どものほうでも、どういうふうなものがあり、どういうものがなくなり、どうなっておるかというような事態は、残りましたものでは確認できないわけであります。実際、私どものほうで、今回の事件につきまして、逮捕されました者がどういうことをやって、どういうことになっておるのか、いろいろ調べようといたしましても、そういうわけで実際的にわからないということが非常にあるわけでございまして、そういう意味におきまして、先ほど来いろいろ申し上げておりますように、もう少し事態の判明するまであまり申し上げることができない、こういうことを繰り返し申し上げておる次第であります。わかっていることを申し上げないでおる、こういうことではないので、御了承願いたいと思います。
  48. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 これはそんなことではないのです。たとえば文書を押収すれば、押収の受け取りにちゃんと検察官が検印を押して、押収して帰っていきますよ。そこで、私が具体的に尋ねているのは、去年の四月から、ことしの三月までの山口支局で備えつけの公の文書収受簿とも、出張命令簿を証拠隠滅して焼却した。焼き捨てたといっているが、その事実を確認されたのかどうか。確認されたとすれば、それはどういう事態なのかということを、少なくとも最高責任者は、そういう事実をやはり掌握しておく必要があるんじゃないか。それは、それがなければ隠滅したということになるでしょう。焼き捨てたということになるでしょう。押収すれば押収簿にあるでしょう。やはり部下の処理したことをそこまで十分掌握して、総裁責任でどうするかということを、かまえていかなければならない。私が取り上げたのは、ささたる一つの事実ですよ。そういうことさえ、組織を通じてこれを掌握しないで、責任ある態度と言えるかということを聞きたい。それがわからないはずはない。それをやらないとすれば、これは明らかに職務怠慢です。もう一回総裁——あなたは、かみそりのような、非常に理知的な総裁のはずだから、理詰めに聞いているのだから、もう少し理詰めに答えてください。
  49. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいまの山口県のことでございますが、これは私のところに報告が届いていないということであるかもしれません。あるいはわからないということであるかもしれませんが、現在のところ、私のほうでは事態について聞いておりませんので、あるいは取り調べますれば、判明してまいるかもしれません。あるいは逮捕されておる者に接見を許されるというような機会がありますれば、わかるかもしれません。現状におきましては、少なくとも私どものところではわかっておりませんので、何も申し上げられません。
  50. 大矢正

    大矢正君 総裁、あなたはずいぶん逃げておられるが、私のところに選挙違反が始まって以来の、小林章派の違反に関する新聞記事の切り抜きがこれだけある。その中に、明確に「違反の証拠隠滅に公文書焼捨てる」、「山口県で八人逮捕」ということが七月二十六日の新聞に出ている。あなたは、専売公社から選挙違反が出ても、そんなものどこ吹く風という気持ちがあれば別ですよ。少なくともこういう事態を起こしたことは、自分総裁としてまことに申しわけないという気持ちがあれば、新聞は、専売公社以外のことは読まなくても、専売公社選挙違反関係する新聞記事はおそらくみんな読んでおられるはずだ。読んでおられるとすれば、こういうように常々と、あなたの部下が八人も山口県で証拠隠滅をやって逮捕されたということが出れば、自分で、それは事実であったのかどうか、焼き捨てたのはどういうものなのか、押収されたのはどういうものなのかということを、当然あなたは聞いてしかるべき問題です。先月の二十六日の新聞に出ているから、たとえ部下報告がなかったにせよ、あなた自身やはり連絡して、それを聞かなければならぬ立場にあるはずだ、この議運委員会を待っているから、あなたは電話をかけて聞いてきなさい。
  51. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 御指摘の点、ただいままでわかっておりませんことはまことに遺憾でございます。現在におきましては、そういう新聞記事が確かにありましたのに、具体的なことを私どものほうで確認していないということはたいへん手落ちでございますので、至急調査いたしたいと思います。
  52. 森中守義

    ○森中守義君 関連。阪田さん、ちょっと聞いておきたいのですけれども、いま、なるほど百三十九名調べを受けているんですが、できるだけこういう事件内容を口外しないように真相をほうぼうへ散らしたくない。そういう気持ちから、ここでうっかりしゃべって、ますます広がったのじゃ困る、そういうことで、ずいぶん一枚かぶせたような答弁をされているんじゃないですか。そういうようなことであれば、これまた、委員長理事打合会で、話をする場所、その内容、そういうことについて少し検討しないと、いまのような、なまず問答に終わるのじゃないかと、私はそう思うのです。その辺はどうですか。要するに、捜査当局に事実を知られたくない。したがって国会においてすらも、うっかり本当のことを言ったのじゃ大事になる。そういうことの答弁上の配慮があるのじゃないですか。
  53. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいまの点につきましては、国会で御質問のあることでございますので、私どものほうでわかっておりますことは、これはもうお答え申し上げるつもりでございます。ただいま山口県のことにつきましては、私は具体的に調査して承知しておりませんでして、たいへん恐縮でありますが、これは至急に調査いたしたいと考えております。なお、捜査当局に対する配慮といったような御質問がありましたが、これはいろいろな者が逮捕されまして、取り調べを受けておる。こういうことがございましたが、私どもといたしましても、公社仕事実態はこういう状況であると、全体として捜査当局に御理解を願うということが、非常に必要であるということを考えておりますので、捜査当局に対しましては、先方から説明を求められますれば、積極的に、公社仕事はこういうふうにやっておって、こういうことであるということは、それぞれ説明をいたすようにいたしたいと思います。
  54. 大矢正

    大矢正君 とにかくさっきのを答弁してくれなければ……とにかく電話をかけるなり何なりして、明らかにしてくれ。
  55. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  56. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 速記を起こして。  それでは、阪田総裁、先ほどの大矢君の質問に、この場でお答えできませんか。——速記をとめて。   〔速記中止〕
  57. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 速記を起こして。
  58. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいまの逮捕をされましていろいろ取り調べになった事件につきまして、私どものほうで、あるいは私といっていいか——こちらでわかって調べるべきことが十分調べられていない、ここにその資料を持っておりませんことは、まことに申しわけありませんが、現状さようでございますので、取り調べまして、また御返事を申し上げたいと思います。  なお、責任問題について御質問がありましたが、これはまた、先ほど来申し上げておりますように、私、専売公社仕事、人事、部下の職員のやりましたことにつきまして、全面的に責任があることでございますので、その事態に応じた責任をとるということで考えたいと思っております。具体的にかなり事実がはっきりいたしますか、またいかなる措置を講ずべきか、こういうことがはっきりしました場合には、それに応じた責任をとる、こういうつもりでおります。
  59. 大矢正

    大矢正君 私は、もう一回繰り返して言いますが、最終的には、裁判所において、それぞれ選挙違反を行なった百三十九名の者が、これは違法行為であったかどうか、違反であったかどうかということ、また、それに伴っての刑の確定なり、その他が行なわれて、初めて明るみに出た、あるいは明確になった、こういう解釈の仕方もあるでしょう。しかし今日、これほど連日新聞をにぎわして、朝刊といわず、夕刊といわず、専売公社選挙違反逮捕者というものが、選挙終了後ずっと連続して必ず出てきたことは、あなただってお認めになっておられる。だから、明るみに出たとか出ないとかいう問題じゃなしに、これほど問題になり、世間を騒がしたというこの事態についての責任を、あなたはどうお考えになるか。将来の責任責任としても、いまの時点における責任——百三十九名も逮捕者を出してしまった。あなたは警察が悪いのだ、警察の行き過ぎだ、こう言うのなら別です。そんならそれで、ここで堂々と言いなさい。逮捕されていることは間違いない。逮捕されている限りは理由がある。警察の行き過ぎだとあなたがここで発言されるならば、われわれは警察当局に来てもらって、専売公社総裁は、警察の行き過ぎだ、こう言っているが、あなたはどう思うかと聞くから、どうですか。だからそうじゃなしに、今日の時点で、あなたはどう考えるかということを明らかにしてくれと言っている。
  60. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど来、事態がわかりましてからということを申し上げておるわけでありますが、もちろん御指摘がありましたように、事件は、起訴される者が出まして、その裁判が最終までいって、確定するまではわからないといったようなことを申し上げるつもりは毛頭ございません。ただ現在、たとえば新聞紙上にいろいろ公社資金を使った、こういうような記事が出ておりますが、こういう点につきましては、私どものほうで調べましてもわからない問題がありますので、そういう事態か——どういう事件があって、どういうふうなことで嫌疑を受けておるのか、また起訴されておるのか、そういったことが十分判明しまして、わかりましたときに、私としましてもそれぞれの責任問題について考えていきたい、かように考えておるわけであります。
  61. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 関連。私は、いまの総裁答弁に、はなはだどうも不満なんです。大体あなたは官僚のエリート意識の一番濃厚な代表者だと私は見る。日本の官僚は、一番いかぬのは、法的責任がなければ行政的な責任を感じないという一貫した思想に貫かれている。いまこれだけ大きな問題で専売公社があげて世に問われているその責任——社会的責任が非常に大きい。これほど大きいことは、かつてなかったじゃないかと思う。そういう大きな政治的な責任、社会的な責任というものは、法的な責任がなければ、これはのがれ得るのだという従来の官僚エリート意識で、これは片づけるべき問題じゃないと思う。宮城県警の捜査課長が発表しているように、専売公社の中に選対本部を設けて、その手先になっているのは、専売公社出入りの業者、たばこ小売人組合、塩小売人組合と、その三つが中心になって戦力を醸成してきたと指摘されている。こういう大きな専売公社の上からの権力をもって押しつけた選挙——専売公社がその組織をあげて活用されているという事態において、いまいろいろ公職選挙法なりあるいは刑法の容疑を受けて捜査されているが、そういう責任が明らかにならないならばということでは、私は済まされぬ段階に来ていると思います。そういうこととは別個に、より次元の高い問題として、大きな政治責任総裁は感ずるのかどうか、いまの時点において。むしろおそ過ぎる時期であるかもしれないが、いまからでもおそくはない。この段階において専売公社総裁として大きな社会的責任をどう痛感しているかということを、関連して私は伺っておきます。
  62. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど来申し上げておりますように、専売公社部内から選挙に関連しまして多数の逮捕者を出して、社会的にも問題になっているということにつきましては、私としてもたいへん遺憾なことであり、申しわけないと考えております。そのことにつきましては、私が責任を感じていないということは全然申し上げておりません。衷心から責任を感じ、恐縮している次第でありますが、ただ先ほど来申し上げておりますように、そのもとになっております事件内容というものが、全く現状におきましては私どものほうでわからない点がございます。このような点もありますので、そういう事態が判明いたしましてから、それに基づいて、私としてはそれに応ずる責任をとる。こういうことを考えたいということを申し上げているのであります。
  63. 大矢正

    大矢正君 あなたがはっきりした態度をとらないならば、私は何回でも同じことを聞きますよ。これまで大蔵省役人というものには、筋を通すとか理論的とかということでわれわれは実は尊敬してきたのです。昭和六年に大蔵省に入られて、あなた、大蔵省役人の大先輩でしょう、そのあなたが、のらりくらり、何を言っているのか、わけのわからないようなことばかり言ってがんばられるのなら——同じようなことを答弁されるのなら、私としては根くらべでがんばります。あなたがはっきりした答弁をするまで私は何回でも聞きますよ。官房長官、あなたどう思う。  それから官房長官に聞きますが、いままでに明らかになった話の内容では、選挙違反でつかまった百三十九人というものが悪くて、こういうことになったのか、あるいは、そうではなくて、どこからか選挙運動を大いにやりなさい、そのためには多少の地位利用もやむを得なかろう、利害誘導もやむを得なかろう、公金使用もやむを得なかろう。そのためには証拠の隠滅もしようがありませんということで、こうなったのか、そういう点がまず不明確であること。したがって、その問題に対しての総裁としての明らかな所信の表明がない限りは、私どもは追及の手をゆるめるわけにはまいりません。それから、私も詳しくは存じませんが、専売公社総裁にやめてもらうためにはどういう手続が要るのですか、官房長官お尋ねいたします。
  64. 橋本登美三郎

    政府委員橋本登美三郎君) まあ先ほどから、阪田総裁からして、同期といいますかの話が出ておったようでありますが、小林貴君が自分の同僚である、したがって総裁地位ということでなくて、個人として小林君をよく承知しているようであり、大蔵省の同僚であり、したがって、かれが立候補した以上は当選してもらいたいという気持ちで、こういうような話で……どこからか、そういうような趣旨でやれとか何とかといったことでないように聞いております。したがって、阪田総裁としては、純粋に、個人的ないわゆる小林氏に対する同情といいますか、同僚を助けようという気持ちが主たるものであろうと思いますが、それはともあれ、とにかく先ほどから、大矢さんはじめ皆さんから御質問がありましたように、専売公社という大きな機関が、まあ世間から言えば、まるで全公社がこぞってということでありましょうか、そう思われるほど大きな規模で、いわゆる選挙運動に巻き込まれたということについて、総裁としては心から遺憾を表明し、また申しわけないという気持ちは持っておられると思うのであります。ただ先ほど私が申し上げましたように、もちろん多数の被疑者を出したということ、それについての、しかも世間を騒がしたという意味においての責任を痛切に感じておられるだろうと思いますが、ただ他面、阪田総裁日本専売公社総裁でありますからして、現在の公社の機構自体がスムーズに今後とも運行するような状態にまで、いまの状態を回復したいというような仕事もあろうと思います。したがって責任の発生は、もちろんこうした大量の被疑者を出したというところに——これが起訴されるとか、あるいは最終的に多数の着が判決を受けたということを目標とすべきではなく、そうした事態に対してまず責任を感じておるというほどの意味であるように聞いております。したがって、やはり、総裁の良識によって、これは政治的な処断が行なわれるものと考えるし、政府としてはいわゆる綱紀粛正といいますか、そうしたものが、綱紀粛正の上から考えますれば、事態がある程度はっきりした上において、これらの問題に対しては考えを新たにしていくことなろうと思います。そこに政治的責任と、綱紀粛正の行政上の責任があろうと思いますが、政府はあくまでも厳正公平に、この事態に対しては峻厳なる態度をもって進みたい、かように考えておりますので、議員各位の御理解を願いたいと思います。
  65. 大矢正

    大矢正君 御理解願いたいと言われたって、なかなか御理解はできないのです。この話はまた最後に出しますが、そこで総裁に、私二つお伺いしておきますが、一つは、今日百万円とか、七十万円とか、あるいは七百万円というような専売公社公金選挙運動——一〇〇%使われたかどうかは別としても、使われたという事実を警察当局がつかんで、そのことのための証拠固めに入った。ところが認拠隠滅でもって、書類が全部焼かれてしまっている。こういうことが新聞等を通じて報道されているのであります。そこで、警察当局公金使用したのではないかという前提に立って調べておりまする内容というものは、予算書で言うと——ここに私のところに予算書があるが、この予算書のどういうところの金が、選挙の買収資金であるとか、供応であるとかいうものに使われたとみなされているのか。これは、あなたの手元に予算書を渡しますから、具体的に説明してもらいたい。  それからもう一点は、百三十九名にのぼる逮捕者を出し、そのうちすでに釈放された者もありますが、いずれこれは遠からず刑が確定をしたり、ある場合には無罪になる人もあるかもしれないが、そこで、公社というものはこれら選挙違反を行なった者に対して、具体的にはどういう措置をとるつもりなのか。たとえば、これが最終的に刑が確定をいたしましても、いろいろあると思うのであります。公民権停止で、あとは罰金という者もあるでしょうし、それからまた、体制——禁錮刑ということもあるだろうし、いろいろあると思うが、そういう場合には公社としてどういう取り扱いをするのか。具体的には、一人や二人の話じゃない。百何十人にも及ぶ話でありますから、これについての具体的な答弁を願いたい。抽象的にどうという答弁じゃなく、結果が出てからどうということじゃなく、いま、とりあえずどういう措置をしているのか。逮捕された者その他に対して、公社か上のほうから選挙運動をやりなさい——やらしたんだから、あまりひどいこともできないから、国民の目をそらす意味で、多少のことは——休職等をやらなければならぬが、当分の間は何を言われても、じっと黙って、知らぬ顔の半兵衛でもってやっていこうというお気持とは十分わかります。わかりますが、いまの段階では、逮捕された多くの人々に対してどういう措置をとっているのか。それから具体的に刑が確定した場合に、どのような状態のときには解職をし、どのような状態のときには戒告をし、そうしてどのような状態のときにはそのまま置くという、そういう一つの方向というものが私はあると思うのですが、それを具体的にお伺いしたい。
  66. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) ただいまの御質問でありますが、今日現在の状況におきまして起訴された者も相当あるわけでありますが、起訴された者につきましては、従来から公社といたしまして休職にするという措置をとっておりまして、今回の場合もさような措置をとっております。それから、具体的にこういう者に対しての処分の確定した場合の問題でございますが、これはもちろん、その事件内容、情状によりまして、それぞれ処分の態様が異なってくると思うのでありますが、ただ、禁錮以上の刑に処せられました場合には、これは当然職を失うということになっております。禁錮に達しない、罰金等の場合には、それぞれ情状に応じて戒告等の処分がとられる場合もありますし、いろいろの場合が事態に応じてあり得ると考えております。  なお、先ほどちょっと御返事ができなかった点でありますが、逮捕者の事由別の内訳でございますが、ただいま資料が届きましたのでお答え申し上げたいと思います。地位利用事前運動が百十一名、戸別訪問が七名、地位利用、戸別訪問が二名、地位利用、買収が五名、証拠隠滅が十一名、それから被買収事前運動が三名ということになっております。
  67. 大矢正

    大矢正君 予算の話は……。
  68. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 予算の関係は、専売公社の事業関係で、たばこ関係に使います費用は大体たばこ事業費という項になっておりますが、このたばこ事業費の中で、たばこ消費税——これは仕事別に販売費とか、試験研究費とか、葉たばこ調達費とか、いろいろそういった区別があるわけでありますが、現在事件はもっぱらたばこ販売の関係で起こっておりまして、こういう意味におきまして、おそらく今回問題になっておりますのは、この予算書中の販売費という項目ではないかと思います。販売費の中では、販売報償費、旅費、消耗品費、役務費、あるいは、たばこ販売団体交付金といったものがありますが、おそらくこういう費目について問題になっておるのではないかと思いますが、具体的には私どものところでは判明いたしかねるわけであります。
  69. 大矢正

    大矢正君 聞いてみますると、一つには予算の流用、公金使用して選挙運動をやったのではないか、こういうことが重大な問題であります。これは一般の民間企業が行なうそういう行為でありますれば、確かにそれは問題ではあるにしても、国民にそのことによって直接負担をかける問題ではないけれども、少なくとも、たばこから税金として半分近いものを取り上げておる限りにおいて、その金の中から選挙不運動の費用が出たということは、これは重大な問題であります。こういうことになった場合に、国民というものは、政府関係機関に対して、とうてい理解や信頼というものがなくなってくる。それから問題は、小林章だけの問題ではなしに、たとえば兵庫県におきましては、自由民主党所属の県会議員十三名が逮捕をされて、県会それ自身が解散をしなければどうにもならぬ状態が出ている。だれの選挙運動をやったか。これも同じく、山内一郎君——建設省の前の次官である。かれの選挙運動をやって、そういうような事態になっている。また、長野県、山梨県等おいては、郵政省の前の事務次官であった西村君が、これまた同様のことをやって、かなり逮捕者を出している。専売公社の問題は、逮捕者があまりにも多くて、戦後最大と言われる逮捕者を出し、幅広い選挙違反であったために問題になっていることが一つと、特に警察当局やその他が、戦後始まって以来のこれは悪質な選挙違反であるということにねらいをつけられているところにも問題があるわけです。したがって、こういうような高級公務員が選挙運動をみずからの組織にやらせるという、それをまた諾々と受けてやる今日の政府の機関なり政府の機構というものには、この際、根本的なメスを入れなければ、重大な問題になってくる。官房長官として具体的にこの問題についてどう処置されるのか、重ねてお伺いをしておきたいと思う。
  70. 橋本登美三郎

    政府委員橋本登美三郎君) ただいま大矢さんのおっしゃるとおりに、公職選挙法のたてまえから考えましても、かつまた、政府機関の行政権の上から考えましても、これらの機関が堂々と選挙に使われるようなことがあっては、これはたいへんな問題であります。現実にはそういう傾向があったというおしかりを受けておるわけでありますが、きょうも参議院の本会議で質問がありまして、泡沫候補の問題が出ましたし、これに関連して社会党の秋山さんからも高級官吏の立候補の制限問題等の御質問があったわけであります。これらの問題は、何といっても、選挙がきたなくなってはいけない、明るく正しい選挙が行なわれなければならないという、この国民の願望は、同時にまた、われわれの願望でもあります。そういう意味で、いま大矢さんのおっしゃいましたように、国の行政機関なりあるいは関連政府機関なりが、そうした問題に関与すべきでは、もちろんないのでありますからして、これらがそうした明るい選挙、正しい選挙を行なうためには、どういうような措置が必要であるかは、もちろんこれは政府自身も検討を加えなければなりません。当然これは検討を加える考え方でおりまするが、同時に、御承知のように、現在、選挙制度審議会、これもやはり明るく正しい、かつまた、金のかからない選挙をめざして、あの選挙制度審議会ができておるのでありますからして、これら学識経験者の集まっておる審議会におきましても、これらの問題を含めて十分なる検討をして、皆さんの御期待に沿いたいと、かように考えております。
  71. 大矢正

    大矢正君 きのうの新聞記者会見で、総裁は、立候補した者を応援をするのはあたりまえなんだ、まあこういう御発言で、何ら今日のような重大な事態を招いたことに対しては、みずからを戒める態度がない。言ってみれば、きょう議運委員会で、このようにして、専売公社中心とした選挙違反の問題を、われわれが手がける前の挑戦みたいなもので、新聞に書かれている内容は、各紙とも全部、これはわれわれが立候補した者を応援するのが何が悪いのだと言わんばかりの態度である。まず、ここに私は問題があると思うのであります。  そこで、先ほどの問題に私はまた戻りますが、総裁それ自身として具体的にどうお考えなのか。それは、こういうような事態になったのは、専売公社総裁が悪かったのか、あなたが悪かったのか。そうではなく、あなたの部下がかってなことをやったために、こういうように国民から疑惑を招くことになったのか。それとも警察が専売公社に因縁をつけて、専売公社は何も選挙違反をやっていないのに、かってに吹っかけて、そうして騒いでいるのだ、こういう解釈をされているのか。この三つのうちどれかはっきりと答弁願いたい。
  72. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 今回、かように専売公社関係に多数の逮捕者を出しまして、いろいろと関係御当局にお手数をかけておりまするし、世間でも非常に非難の的にしております。その点につきましては私どもの十分な監督指導の行き届かなかった点がございますと思います。この点につきましては、その意味におきましては私の責任であると思っております。警察関係におきまして取り調べになっておりますことにつきましては、私どものほうでも、先ほど来再三申し上げておりますように、お取り調べ中のことでありますので、私どもそれに対して申し上げることは現在ないわけであります。
  73. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 先ほど官房長官は、高級公務員の立候補の問題について、これから結局選挙制度審議会の答申の中で検討していきたい、こういうことなんですが、すでにこの高級公務員の立候補制限については、昭和三十四年の選挙制度調査会の答申の中にも入っておりますし、また三十六年の答申の中にも入っているわけです。それを故意に自民党が、あるいは政府が、これを無視して公選法の改正をしなかったというところから、今日のような問題を起こしておると私は思います。したがって、いまさら政府がこれを検討するという、そういうことばでなくて、やはり答申に基づいた公選法の改正を、この際はっきりと政府は約束をすべきではないか。こういうふうに私は思うのですが、もう一度この点についての御見解を伺いたい。
  74. 橋本登美三郎

    政府委員橋本登美三郎君) ただいまおっしゃるような答申の趣旨は出ておりまするが、これもまだ皆さんの間で、あるいは学識者の間でも御意見がありますように、選挙権、被選挙権の自由——憲法上の問題ですが、それらの問題とのからみ合わせもありまして、いまなお政府としては最終的な結論には達しておりませんけれども、たとえば皆さま方にもいろいろ御議論がありましたような、知事の何選をどうのこうのというような問題も、かつて国会の中でも議論をし、十分に、まじめに研究をなされておりましたが、それらもまだ最終的な段階に至っておりません。かように憲法問題とのにらみ合わせもありまして、まだ政府として最終的な見解に到達いたしておりませんけれども、なお今後とも、この問題は前向きの姿勢で検討を進めてまいりたい、かように御了承願いたい。
  75. 大矢正

    大矢正君 ちょっと速記をとめてもらいたい。
  76. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 速記をとめて。   〔午後四時四十七分速記中止〕   〔午後五時一分速記開始〕
  77. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) それでは速記を起こして。
  78. 大矢正

    大矢正君 ここに官房長官、だてに来ているわけじゃないんだから、明確な答弁があるまでは何時間もやるから……。
  79. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  80. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 速記を起こして。  この際、阪田総裁並びに官房長官から発言を求められております。これを許します。まず、官房長官
  81. 橋本登美三郎

    政府委員橋本登美三郎君) 先ほど来、大矢委員から強い質問がありました件につきましては、政府としても十分に考えたいので、この点を御了承願います。
  82. 田中茂穂

  83. 阪田泰二

    説明員阪田泰二君) 先ほど来、いろいろ新聞記事に関連いたしまして、御質問といいますか、御指摘がありましたわけでございますが、実は、この事件が起こりましてから、いろいろ捜査当局で御捜査中の事件でございますので、私としては一切発言を控えたい、こういうことでおりました。したがいまして、昨日の記者会見も、私から求めて記者会見をしたというわけではございません。これは、毎週月曜日に専売公社詰めの新聞記者記者会見をしておるその席で、いろいろとこれに関連したことで記者の諸君のほうから御質問がありましたので、私どものほうで御説明申し上げることは御説明申し上げたのでございます。それに関連いたしまして、公社職員の、何といいますか、政治運動、選挙活動、こういうものはどういう形になっておるかということにつきまして、いろいろと御説明申し上げたわけであります。国家公務員法の適用は公社職員は受けておりません。しかし、公職選挙法によっていろいろ禁止されておる行為があるのは、これはもちろんのことで、そういうことも御説明申し上げまして、公社職員には、そういうことで、原則として国家公務員と違って選挙あるいは政治活動という権利がある。基本的にはそうでありますが、違法行為をやっていけないことは、これはもちろんであります。こういう趣旨のお話を申し上げたわけでありますが、それがまあ、こういうような形でとられまして、私のことばが足りなかったかもしれませんが、たいへん考えておりますることと違いました記事になりましたことは、私たちもたいへん不注意でありまして、申しわけないことだと思っております。  記事に関連いたしまして御指摘がありましたので、一言言いわけを申し上げるわけではありませんが、おわび申し上げておきます。
  84. 大矢正

    大矢正君 官房長官お尋ねをいたしますが、先ほど、責任総裁にあるということは明らかに確認をしてもらった。そこで、当然内閣としてもしかるべき措置をとるということも、いま言われた。私の解釈によると、責任をとるということは、これはまあ、普通の理事とか副総裁とかいうような立場の人ならいざ知らず、専売公社総裁という立場の人が責任をとるということは、言わずもがな、これはみずから身を引くということに私はつながっている問題だと思うし、もしそれをおやりにならないとすれば、政府として何らかの措置をとる、こういうことに通ずると思うのであります。しかもそれは、裁判所でその逮捕者の刑が確定したとか、内容が明らかになったとかいうようなことでなしに、今日これほど国内を騒がせた、いまの時点における政治的、道義的責任から、そういうことを感じているのだというように私は解釈をするのでありますが、官房長官は、それでいいのですか。よもや、半年も一年もたってから、責任を感じたからやめましたとかなんとかということではないでしょうね。それは念を押します。
  85. 橋本登美三郎

    政府委員橋本登美三郎君) 先ほど申しましたように、政治的責任とは、本人の、いわゆる阪田総裁の良識において行なわれるものである、また、阪田総裁は、良識をもって、そのみずからの責任を処理するものであろうと思う——こういうようなお話を申し上げました。そういう時期といいますか、そういう問題については、もちろん、判決が出てきてからというような問題を考慮することなく、責任の発生の事態をも考慮に入れて当然とられるものであろうというような意味に御了解願ってよろしいと思います。
  86. 大矢正

    大矢正君 これは、官房長官、はっきり言わないうちは何回でも食い下がりますが、あなたの発言は、具体的にはどういうことを言っているのかという点になると思う。私の解釈と、あなたの言っていることとが一致しない場合には困る。せっかくここまで議論が発展をしているわけですから、ですから私は、遠回わしに、阪田総裁はおやめになったらどうかということを言っているのだが、総裁は感じ取っているのかおられないのか。おられたとしても、大蔵省のお役人で頭がいいから、知らぬ顔をしておられるのか知らぬけれども、さっぱり明快な御答弁がない。これはもう、阪田総裁と幾らやり合ってもしょうがないから、私はその時点で問題を打ち切るとしても、政府としてどう考えるかということになると、これはまた別問題だと思うのであります。これは、ちゃんと法律にも書いてあるとおり、専売公社総裁というものは、大蔵大臣が任命することになっているわけですから、任命をするということは、言ってみれば、これは解任をすることもできるわけです。ですから、最終的には、内閣にその一切の権限があることは明らかなんです。その内閣の一切を行なう官房長官責任を痛感をしているので、将来の問題は別としても、今日の時点における道義的、政治的責任において、すでに政府として十分な処置をしなければならない、こういうような御発言のように私は解釈をするわけですけれども、それは遠からず、最も近い日のうちに、そういうようなお考えを出されるのかどうか、重ねて御答弁をいただきたいと思います。
  87. 橋本登美三郎

    政府委員橋本登美三郎君) 先ほど来申し上げましたように、行政上の綱紀粛正という問題と、この問題とは、性格的には違うと思います。したがって、政府が行政上の責任をとって、これをどうのこうのという問題とは、少し性格が違うように思います。その意味で、先ほど来からして、総裁の良識によってこれが処理されるであろうというような言い方をしていることが、あるいは御理解を不十分ならしめているかもしれませんが、それ以上のことを申し上げることは、私の立場からいっても、それは困難であり、かつまた、大矢さんにしても、そこまで問い詰めることは、またどうかと考えますので、少なくとも、阪田総裁の良識をひとつ御信頼願って、将来の円満なる解決、そうしてりっぱな処理がつくことを御期待願ったほうがよろしいのではないかと私も考えまして、いま申したような答弁をしているような次第であります。
  88. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  89. 田中茂穂

    委員長田中茂穂君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午後、五時十六分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      ——————————