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1965-06-01 第48回国会 参議院 社会労働委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年六月一日(火曜日)    午後七時四十六分開会     —————————————    委員異動  六月一日     辞任         補欠選任      井川 伊平君     二木 謙吾君      木村 睦男君     北畠 教真君      鹿島 俊雄君     山本  杉君      小平 芳平君     二宮 文造君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         小柳  勇君     理 事                 草葉 隆圓君                 丸茂 重貞君                 藤田藤太郎君     委 員                 亀井  光君                 川野 三暁君                 北畠 教真君                 紅露 みつ君                 佐藤 芳男君                 竹中 恒夫君                 二木 謙吾君                 山本  杉君                 横山 フク君                 鈴木  強君                 藤原 道子君                 二宮 文造君                 村尾 重雄君                 林   塩君    国務大臣        厚 生 大 臣  神田  博君    政府委員        厚生政務次官   徳永 正利君        厚生大臣官房長  梅本 純正君        厚生省公衆衛生        局長       若松 栄一君        厚生省年金局長  山本 正淑君        社会保険庁年金        保険部長     実本 博次君        労働省労働基準        局長       村上 茂利君    事務局側        常任委員会専門        員        中原 武夫君    説明員        通商産業省鉱山        保安局石炭課長  佐伯 博蔵君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○厚生年金保険法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○船員保険法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○労働問題に関する調査  (山野鉱業株式会社山野鉱業所爆発事故に関す  る件) ○診療事故調停処理機関等設置に関する請願(第  二七七四号) ○全国一律最低賃金制確立に関する請願(第二  七七五号)(第二七七六号)(第二七七七号) ○健康保険制度改悪反対等に関する請願(第二七  七八号)(第二七七九号)(第二七八〇号)  (第二八七二号) ○戦傷病者の妻に対する特別給付金支給に関する  請願(第二七八三号)(第二八〇一号)(第二  八一八号)(第二八一九号)(第二八二三号)  (第二八七五号) ○療術業務医業類似行為)の新規開業制度化  に関する請願(第二八〇四号)(第二八三八  号) ○失業対策事業に従事する労務者に対する就職支  度金増額等に関する請願(第二八三〇号) ○精神衛生法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまより社会労働委員会開会いたします。  委員異動についてお知らせいたします。本日、井川伊平君が委員を辞任され、その補欠として二木謙吾君が選任されました。また、小平芳平君が委員を辞任され、その補欠として二宮文造君が選任されました。     —————————————
  3. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 厚生年金保険法の一部を改正する法律案及び船員保険法の一部を改正する法律案議題といたします。  両案に対し、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  4. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 時間もありませんし、この厚生年金保険法案についてはいろいろと審議されてまいりましたので、問題点だけを二、三質問をしておきたいと思います。  一つの問題は、所得保障という認識が、厚生年金ができたときと違って、今日では、非常に経済発展国民生活全体の重要な要素所得保障がなっていると思います。ですから、何としても、最低生存費がいま幾ら必要なんだ、最低生存費の上に、より再生産に対する生活が満たせるような所得保障という問題を考える時期にきております。これが経済からいえば消費の面の重要な要素になって、生産消費経済的発展という要素のことも考えながら所得保障の問題は世界じゅうの国が努力をしておるのが今日の段階だと、私はそう思っております。そういう意味で、この厚生年金の将来の問題として、そのような要素をどういうぐあいにして研究し、持っていくか、具体的には年金額増大の問題になります。それから、もっと突っ込んで申し上げますれば、五人未満事業場をどうするか、日雇い労働者をどうするか、こういう問題の整備をして、一般の国民年金が来年改定ということになっておりますから、これとの関係においても重要な要件の一つだと思いますから、所信を承りたい。
  5. 神田博

    国務大臣神田博君) ただいま藤田委員のお述べになりましたことは、まことに重要な事柄でございまして、政府といたしましては、いまお述べになったような方向に向かいますように十分努力いたしまして、この年金制度が満足されるようになるようなことを誓っておる次第でございます。
  6. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 もう一つの問題は、私は、経済との関係においても重要な要素と申し上げましたが、この年金制度所得保障制度の、一ぺんにそうはまいりませんけれども、漸次統一方向——全体の国民がどの分野に働いていようと、社会全体の連帯生活のこれは社会に対する貢献者だと思うわけでありますから、次には統一の問題を考えなければならぬと思います。この統一の問題、明年度国民年金改定期にあるわけですから、その他いろいろと年金制度が分かれておりますから、この年金統一化の問題、通算制はできましたけれども、具体的な統一化の問題について厚生大臣はどのような方向で一応進めていこうとされているか、これも聞いておきたい。
  7. 神田博

    国務大臣神田博君) いまお述べになりましたことも一非常に重要な点でございます。厚生省といたしましては、制度の問題も十分考えてまいらなければなりませんが、問題は、内容の問題であろうと考えております。そういう点につきまして十分配慮してまいりたいと、かように考えております。
  8. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 それから、こまかいことになりますけれども、この年金が一歩一歩前進していくわけでありますけれども、一つの問題としては、少なくともいまの共済年金までこの千八百万の加入する民間厚生年金対象者を上げていかなければならぬ。これがさしあたっての要求だと私は思うわけであります。ですから、このスライドの問題についてもいろいろお考え願わなければなりませんけれども、少なくとも五年先の改定期、また、物価その他で生活が困窮になりますれば、これは緊急に処置しなければなりませんけれども、五年ぐらいを目標共済年金と同じようにするという目標を、少なくとも被用者年金厚生年金目標を立てなければならぬのではないか、私はそう思うわけでございます。そのことについてもひとつ御意見を聞かせていただきたいし、たとえば母子家族や遺族の関係児童の問題や、それから、身体障害者家族の問題、そういう問題に十分なやはり配慮がなければならぬのじゃないか。私は、時間がないので、あまり詳しくは申し上げませんが、そういう点にどういう配慮をしているのかというのが第二番目。  三番目の問題は、子供の多い多子家族の問題というものを、これはやはり所得保障の一環としてEEC諸国が昨年あたりから踏み切りましたところまでは、私は、その思想は生かして、そしてこの所得保障生活ができるように、子供生活費を含んでやらなければならぬというところにきているのじゃないか、こういう点についても、すでにこの前の国民年金のときに議論をいたしましたけれども、本来はこのときにやろうと思っておったわけでありますから、そこらあたりの問題も、少し構想や決意のほどを聞いておきたい、こう思います。
  9. 神田博

    国務大臣神田博君) いまお述べになりましたこともきわめて重要な問題でございます。共済組合等も同様でございますが、所得水準の上昇に伴いまして、そういう場合、年金を五カ年ぐらいのめどで変えたらどうかということは、政府といたしましても、もとよりそういう考えのもとに考慮していく、こういう考えでございます。  また、母子家族問題所得配分をどういうふうに考えているかという、いわゆる児童手当等につきましても、これはできるだけすみやかな機会に踏み切りたい、こう考えております。  その他は政府委員から答弁させたいと思います。
  10. 山本正淑

    政府委員山本正淑君) ただいま大臣から御答弁ございましたが、最近の年金水準というものは、国際的に見まして、フルに勤務期間をつとめた者につきましては、最近の傾向は、やはり六割目標というような傾向になっていることも十分承知いたします。そういった方向考えたいと同時に、身体障害者等、特別の配慮を必要とする者につきましては、やはり年金制度の中において十分な措置を講じていく問題として、十分検討していきたいと思っております。
  11. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 この年金法案で、一番被保険者側でもめた問題は、調整年金の一の問題だったと私は記憶いたしております。大筋の立場として、調整年金は、社会保険審議会意見を十分に尊重をして、いずれ修正案でそういう方向になると思いますけれども、この施行の日を政令できめていくということにこの法案の結末をつけていただくことになろうと思いますが、何といっても、実際に受ける被保険者のやっぱり意思、気持、願いというものを十分に反映して、審議会でも十分なよい結論努力をして出していただく、まあ政府は、諮問する機関でありますから、直接どうこうということはありませんけれども、そういうかじとりや指導その他については十分処置をしていただきたい、これをお願いしておくわけであります。そういう意味で、要するに、厚生年金保険法の具体的な施行というものが、だんだんと来年、再来年になると二千万をこえると私は思うわけであります。日本の産業の柱であるこの民間労働者厚生年金保険の被保険者、むろん使用者加入負担になりますけれども、この方々の所得保障をやはり確立して、主権在民国民国家体系の中で、より事が発展していくという期待を私は持っているものの一人といたしまして、厚生省は一段とこの法律について努力をしていただきたいことをお願いをしておきます。御所見があったら聞いておきたい。
  12. 神田博

    国務大臣神田博君) ただいま藤田委員のお述べになりました御意見は、非常に重要な意味を持っておりまして、また、尊重すべきものと考えておりまして、厚生省といたしましては、十分尊重いたしまして処していきたいと、かように考えております。
  13. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  15. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 委員異動についてお知らせいたします。  本日、木村睦男君が委員を辞任され、その補欠として北畠教真君が選任されました。     —————————————
  16. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 厚生年金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案草葉君から委員長手元提出されておりますので、この際、本修正案議題といたします。  草葉君より修正案趣旨説明を願います。
  17. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 厚生年金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案をまず朗読いたします。   厚生年金保険法の一部を改正する法律案の一  部を次のように修正する。   附則一条ただし書中「第八十一条第五項の  改正規定(同項第四号に係る部分に限る。)は、  昭和四十年六月一日から、」を削り、「同年十一  月一日」を「政令で定める日」に改める。   附則第二条中「昭和四十年五月一日から」の  下に「、この法律による改正後の厚生年金保険  法第八十一条第五項中第四種被保険者に係る部  分の規定は、同年六月一日から」を加える。   附則第二十一条及び附則第二十二条中「昭和  四十年十一月一日」を「附則一条ただし書に  掲げる規定施行の日」に改める。  以上朗読いたしました修正案趣旨を御説明申し上げます。  衆議院から送付されました法案では、調整年金に関する部分施行日が「昭和四十年十一月一日」となっておりますが、さらに社会保険審議会審議を求め、その策申を尊重して、調整年金に関する部分施行昭和四十年の十一月一日からとなっているのを、「政令で定める日」からに改めたいと思うのであります。なお、これに伴う所要調整をするものであります。  以上修正をいたしたいと思います。何とぞよろしく御賛同を賜わりたいと存じます。
  18. 小柳勇

    委員長小柳勇君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は、順次御発言を願います。——別に御発言もなければ、質疑はないものと認め、これより原案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより厚生年金保険法の一部を改正する法律案閣法第二号)について採決に入ります。  まず、草葉提出修正案を問題に供します。本修正案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  20. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 多数と認めます。よって草葉提出修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  21. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 多数と認めます。よって修正部分を除いた原案は、多数をもって可決されました。  以上の結果、本案は、多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
  22. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は、厚生年金保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を提案いたしたいと思います。  まず、その案文を朗読いたします。     厚生年金保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   政府は、厚生年金保険制度改善拡充に一層努力し、特に左記事項については特段考慮を払い、早急に適切な措置を講ずべきである。      記  一 年金に対するスライド方式確立については、なるべく速やかに結論を出す措置を講ずること。  二 定額部分増大については、今後一層努力すること。  三 五人未満事業所に対する厚生年金保険適用については、改正法公布後二年を超えない期間内に立法化を図るよう努力すること。    なお、日雇労働者に対しては、その雇用の実態を勘案し、これが適用についても速やかに検討すること。    右決議する。  以上でございます。何とぞ御賛成くださるようお願いいたします。
  23. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいま述べられました藤田提出附帯決議案議題といたします。  藤田提出附帯決議案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  24. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 全会一致と認めます。よって藤田提出附帯決議案は、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。     —————————————
  25. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 次に、船員保険法の一部を改正する法律案に対する修正案草葉君から委員長手元提出されておりますので、この際、本修正案議題といたします。  草葉君より修正案趣旨説明を願います。
  26. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 では、まず、その案文を朗読いたします。     船員保険法の一部を改正する法律案に対     する修正案   船員保険法の一部を改正する法律案の一部を  次のように修正する。   附則一条ただし書を削る。   附則第二条中「昭和四十年五月一日から」の  下に「、この法律による改正後の同法第五十九  条第五項第三号の規定は、同年六月一日から」  を加える。   附則第五条中「(附則第一条本文の規定によ  る施行をいう。以下同じ。)」を削る。  以上が修正案でございまするが、その修正案につきまして御説明を申し上げます。  この修正案は、さきの厚生年金保険法の一部を改正する法律案に対する修正案を御議決をいただきましたので、それに見合って文言上の整理をいたすものであります。どうぞよろしく御賛同を賜わりまするようお願いを申し上げます。
  27. 小柳勇

    委員長小柳勇君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は、順次御発言を願います。——別に御発言もなければ、質疑はないものと認め、これより原案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより船員保険法の一部を改正する法律案閣法第三号)について採決に入ります。  まず、草葉提出修正案を問題に供します。本修正案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  29. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 多数と認めます。よって草葉提出修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。  修正部分を除いた原案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  30. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 多数と認めます。よって修正部分を除いた原案は、多数をもって可決されました。  以上の結果、本案は、多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
  31. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は、ただいま可決されました船員保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     船員保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   政府は、船員保険制度改善拡充に一層努力し、特に左記事項については特段考慮を払い、早急に適切な措置を講ずべきである。      記  一 年金に対するスライド方式確立については、なるべく速やかに結論を出す措置を講ずること。  二 年金定額部分増大については、今後一層努力すること。    右決議する。  以上でございます。何とぞ御賛成くださいますようお願いいたします。
  32. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいま述べられました藤田提出附帯決議案議題といたします。  藤田提出附帯決議案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  33. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 全会一致と認めます。よって藤田提出附帯決議案は、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの両案の決議に対し、神田厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。神田厚生大臣
  34. 神田博

    国務大臣神田博君) ただいま厚生年金保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議並びに船員保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきまして、政府といたしましては、この決議趣旨を尊重して、善処いたしたいと思います。
  35. 小柳勇

    委員長小柳勇君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、両案とも、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後八時六分休憩      ——————————    午後十時二十一分開会
  37. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまより社会労働委員会を再開いたします。  労働問題に関する調査中、山野鉱業株式会社山野鉱業所爆発事故に関する件を議題といたします。  まず、本件に関し、政府より概況の説明を聴取いたします。佐伯石炭課長
  38. 佐伯博蔵

    説明員佐伯博蔵君) 本年に入りまして、夕張炭鉱伊王島炭鉱に続きまして、三たび大きな災害を起こし、まことに申しわけございません。ただいままでにわかっております範囲山野炭鉱爆発災害の状況を御報告申し上げます。  災害が起こりましたのは、山野鉱業株式会社山野炭鉱の本坑でございます。場所は、福岡県の嘉穂郡稲築町にございます。災害が起こりましたのは、本日、六月一日の十二時四十分ごろと推定をいたしております。災害ガス爆発だというふうに考えますが、あるいはガス爆発から炭じん爆発を誘発したおそれも一あるのではなかろうかというふうに考えております。当時、本日の一番方の作業中でございましたが、一番方ではこの坑内には五百五十二名の人が入坑して就業いたしておりましたが、そのうちで二名の方が死亡なされ、九名の方が負傷をされました。それから、なお、二百四十三名の方が坑内にまだ入っておられるわけでございます。その二百四十三名のうちで、十五名の方は、杉谷第一卸しの八百メートルレベルのところでなくなっておられるのを救護隊が発見、確認をいたしておるわけでございます。  災害が起こりまして、直ちに当鉱業所救護隊を編成いたしまして坑内に入り、罹災者救出に当たっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、まだ多数の方が坑内に残っておられるわけでございまして、私たちといたしましても、一人でも多くの方が無事に出てこられることを祈っておる次第でございます。  災害が起こりまして、私のほうといたしましては、福岡鉱山保安監督局長の麻田をはじめといたしまして、石炭一課長等、十三名の者を直ちに現地派遣をいたしておりまして、罹災者救出指導に当たっておる次第でございます。現地に参りました監督官は、できます限りのところの坑内に入りまして、罹災者救出指導に当たっておるわけでございます。また、先ほど申しましたように、なお多数の方が坑内に残っておられるわけでございますので、なお、本省のほうといたしましても、鉱山保安局長をはじめとして、三名の監督官等現地派遣をすることにいたしまして、ただいま出発することになっておる次第でございます。  以上のようなことで、災害が起こりまして相当時間がたっておりますが、なお二百名以上の方が坑内に入っておられます。一刻も早く救出できますように、万全の努力をいたしておる次第でございます。  ただいままでにわかっております範囲で御報告申し上げた次第でございます。
  39. 村上茂利

    政府委員村上茂利君) 労働省といたしましては、災害の情報を得まして、福岡労働基準局長が本日かわりましたので、次長と安全課長がとりあえず現地に急行いたしまして、本省からは安全課長、それから、安全課長補佐労災補償部補償課長補佐、この三名の者を派遣いたしております。  なお、ガス爆発によりまして一酸化炭素中毒患者の発生のおそれがございますし、至急に処置を講ずる必要がございますので、先般の夕張炭鉱にも派遣を願いました九州大学の黒岩教授現地に出張をお願いいたしまして、午後六時ごろ到着して、患者の診察及び治療の指導に当たっております。なお、一酸化炭素中毒患者の使用いたします循環蘇生器などをとりあえず四台現地に回送いたしましたが、このほか、大牟田の三井の天領病院にございます循環蘇生器等転用方も手配をいたしておるようなわけでございます。  なお、所要の救急の薬品をすでに送りましたが、なお、現地関係病院につきましてはベッドを準備さしておりますが、とりあえず炭鉱病院の八十と、日赤病院及び飯塚に労災病院がございますので、その両方を合わせまして六十、合計百四十三のベッドをとりあえず用意いたしておりますが、今後の情勢いかんによりましては、さらに労災病院等を活用いたしまして、応急対策に遺憾なきを期したい、かように存じておる次第でございます。
  40. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 本件に関し、質疑のある方は、順次御発言を願います。
  41. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 先ほどテレビのニュースだったと思うのだけれども、奥のほうで坑道がこうあって、その爆発した個所をよけて他の坑口から上がれるような条件にあるからというようなことを聞いたのですが、その状況はどうなんですか。
  42. 佐伯博蔵

    説明員佐伯博蔵君) 炭鉱は、あの場合、山野炭鉱におきましては、人気の立て坑と排気の立て坑がございます。また、別に斜坑もあるわけでございます。坑内の奥深くにつきましては、現在、一酸化炭素及びメタンガスが存在しているところがございます。そういうところは酸素救命器をつけました救護隊によって救助作業をいたしております。そういうガスがないところにつきましては、マスクをつけない人が入って救助作業に当たっておるわけでございますが、現地からの情報によりますと、落盤をしておる個所が相当あるようでございまして、直接にその場に行けない、回っていかなければならないというふうな点もございまして、救助活動に困難を来たしておるように聞いております。なお、先ほど申し上げましたように、主として救護隊によりまして救助作業に当たっておりますが、一刻も早く無事に救出できますように祈っておる次第でございます。
  43. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 いや、私の聞いているのは、その爆発個所の奥におられる方は他の坑口から出られるようなところがあるのだというような話を聞いたのだが、その真偽はどうなのか。
  44. 佐伯博蔵

    説明員佐伯博蔵君) そのような形でございまして、坑道がずっとつながっておるわけでございますので、落盤をいたしておりましても反対側のほうから出れるわけでございますが、そのあたりに有毒ガスがありますと、これまたあぶないわけでございまして、その有毒ガスの排除をしてからのほうがいい場合もございますので、その辺、一がいにはなかなか申せないわけでございますが、まあ一般的にはガスマスクをつけました救護隊員によって救出いたしまして、それからきれいな空気を送りまして救助するというふうな方法を併用していたしておるわけでございます。
  45. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 現地にわれわれ社会労働委員会からも派遣をして、現地委員会から行っていただいて、その上で詳しく将来の問題についてここで議論をして対策を立てなければならぬと思うのですけれども、ただ、お願いしていることは、できるだけ早くその救助をしてもらいたいということが一つ。それから、何の原因でこういう爆発が起きたかということを明らかにとにかくしてもらいたい。  私は、大臣もおいでにならぬから、あなたにこれ以上申し上げませんけれども、いつも事故が起きても何の原因で——また、責任の所在が明らかにならないで、いつもうやむやになってしまう。これは一番私は問題だと思いますから、現地においでになりましたら、私のほうからも行って調べていただきますけれども、あなたのほうとしても、それだけの災害責任の所在を明らかにしてもらいたい。何の原因でこうなったのだということを明らかにしてもらいたい。これだけはお願いしておきたい。炭鉱の災害というのは、そこがいつもぼやけてしまって、そして責任の所在が明らかにならないわけですから、ただ、労災補償があるから、労災で補償さえすればとにかくもういいんだということが次の事故を繰り返しているとしかわれわれは考えられないと思いますので、ぜひその点だけは、局長もおいでになり、現地にもおいでになるのですから、そのことだけは今度の事故で明らかにするようにひとつ努力をしていただきたい。これだけは課長、ひとつぜひ大臣にも現地にも行って明らかにしていただきたいということだけをお願いしておきまして、もうこれ以上は、せっかく行っていただいて実際調査をしていただくのですから、ここで類推的な私は質問をやめておきたいと思いますが、それだけはお願いしておきます。
  46. 佐伯博蔵

    説明員佐伯博蔵君) ただいま先生からお話がございましたように、ただいまはまだ多くの方が坑内に入っておられますので、罹災者救出に万全を尽くしておりますが、罹災者救出が終わり次第、災害の原因を徹底的に究明いたします。今後このような災害が起こらないように、上司とも十分に相談をいたしまして、万全を期していきたいと存じます。
  47. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 他に御発言もなければ、本件に関する質疑は一応この程度にとどめておきます。     —————————————
  48. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 第二七七四号、診療事故調停処理機関等設置に関する請願外十六件を議題といたします。  以上十七件の請願は、一応専門員のもとで整理してもらい、委員長及び理事打合会におきまして審査いたしましたので、その結果について専門員より報告いたさせます。中原専門員。
  49. 中原武夫

    ○専門員(中原武夫君) 十七件を事項別に整理いたしますと、お手元の表にありますように、六項目になります。そのうち、五の番号の打ってありますもの以外は、すべて十八日の委員会で御決定をいただきました請願と重複しております。そこで、そのときの判定基準にのっとって事務的に処理いたしますと、一から四までの項目は採択、六は保留ということになります。  新たな事項を内容とする請願五について簡単に申し上げます。失対事業就労者が一般の常用雇用へ復帰する場合、または独立自活の職業に転ずる場合に、その労働者に対して、就職支度金を貸し付ける制度が三十七年から実施されております。貸し付け額は三万円であります。貸し付け要件は、転職先の職業を一年以上継続する見込みがあることとなっております。請願の内容は、貸し付け金額の増額と貸し付け要件を緩和されたいということであります。委員長及び理事打合会におきましては、採択してしかるべきではなかろうかという御意向でございました。そこで、全部を整理いたしますと、採択すべきもの十四件、保留すべきもの三件ということになります。
  50. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいま専門員より報告いたしました第二七七四号、診療事故調停処理機関等設置に関する請願、第二八〇四号、第二八三八号、療術業務医業類似行為)の新規開業制度化に関する請願、第二七七八号、第二七七九号、第二七八〇号、第二八七二号、健康保険制度改革反対等に関する請願、第二七八三号、第二八〇一号、第二八一八号、第二八一九号、第二八二三号、第二八七五号、戦傷病者の妻に対する特別給付金支給に関する請願、第二八三〇号、失業対策事業に従事する労務者に対する就職支度金増額等に関する請願、  以上十四件の請願は、議院の会議に付することを要するものにして、内閣に送付することを要するものと決定し、第二七七五号、全国一律最低賃金制確立に関する請願外二件の請願は保留とすることといたしまして御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後十時三十六分休憩      ——————————    午後十一時二十八分開会
  53. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまより社会労働委員会を再開いたします。  精神衛生法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
  54. 藤原道子

    ○藤原道子君 時間もないことでございますから、二、三の点についてお伺いしたいと思います。  私は、第二十九条の二の緊急入院制度について伺いたいと思います。緊急入院の制度を発動する場合の要件をお聞かせ願いたいと思います。「急速を要し、」とはどういう場合を指向しているか、この点について明確な御答弁を願いたいと思います。
  55. 若松栄一

    政府委員(若松栄一君) 精神衛生法におきます措置は、原則として、通報、申請をもとにして、その申請があった後に初めて鑑定を行なって措置をするというたてまえをとっております。しかし、申請、通報のない場合において、現実にあばれておるという状況で、しかも、申請保護がないという場合には、これを緊急保護を要する場合ということになるかと考えております。
  56. 藤原道子

    ○藤原道子君 あばれていれば全部気違いでございますか。  それから、もう一つ、知事が強制的に入院させるということになっておるようですけれども、その場合の強制措置とはどういうことか。この二十九条を見ますと、一応は精神衛生鑑定医が診断をして鑑定をした結果となっています。それがずっと続けて書かれておりますので、結局、都道府県知事の権限で強制的に措置できるというふうに考えられて、これはちょっとおかしいと思うのです。精神衛生鑑定医の診察の結果をまつまでもなく、知事の権限で措置できる。非常に危険だと思うのですけれども……。
  57. 若松栄一

    政府委員(若松栄一君) あばれている者がすぐこれは精神障害者かというと、決してそうではございませんで、そういう場合に、もし通報があればそれを鑑定するということでございますし、第二十九条の二の、都道府県知事は入院さすことができるということは、知事が直ちにどんな場合でも即時強制できるという意味ではございませんで、必ず鑑定医の診察をまって、鑑定医が精神障害者だと鑑定したときに初めて強制措置が働くわけで、知事がかってに強制措置を初めから行使することはできないたてまえになっております。
  58. 藤原道子

    ○藤原道子君 あくまでも鑑定医の診察がなければできないわけですね。それは明確ですね。ところが、精神的な問題が多く起こりますのは、資料等を見ましても農漁村が多いのですね。農漁村のほうにそういう者が出た場合に、直ちに鑑定医の診察を受けると、こういう場合にはどういうふうになりますか。
  59. 若松栄一

    政府委員(若松栄一君) 農漁村の場合に多いということは、精神衛生実態調査の結果から見ますと、市街地よりも、むしろ農山漁村のほうが率が高いという結果が出ておりますので、これは制約やいろいろな問題がありますのでそういう結果が出ておりますが、そういう危険な者が特に農漁村に多いというふうには私どもは考えておりません。しかし、そういう農漁村の場合に、必ず鑑定医をできるだけ早く派遣するということに努力してまいるつもりでおります。
  60. 藤原道子

    ○藤原道子君 それは明確に承っておきます、そういう危険があるように思いますので。もし、それが明確であるなら、ここで第二十九条の二の項を別途に項を起こしたほうが私はいいと思うのです。  それから、精神鑑定医が診察した結果、本人がどうしても拒否した場合にはどうなるのでしょうか。身体を直接に拘束できるものは、司法的強制の立場は警職法の第三条による場合に限られるのではないかと、こう思います。それを知事にまで権限を拡大するのは非常に不都合であり、心配である。こういう意味で、くどいようでございますが、この点を明確にしておいていただきたい。
  61. 若松栄一

    政府委員(若松栄一君) 先生御心配の点は、私ども、そうでないようにこの条文に出ておるつもりでございます。すなわち、知事があぶないと思ったら、すぐ本人に手をかけて直接強制するということはできないたてまえになっております。必ず鑑定医に診察させる、診察されるまでは、知事はいかなる強制もできないわけでございます。診察した結果、精神障害者だと診断したときに初めて強制行為が発動できるというたてまえでございます。
  62. 藤原道子

    ○藤原道子君 次に、第二十四条の改正趣旨について伺いたいのですが、現行法では、警察官が通報義務を負うのは、警職法の第三条による保護を加えた場合に限られておるわけです。その理由について、私は次のように了解してきたわけです。警察官も、精神医学についてはしろうとであると思うのです。私とたいして変わらない。ところが、通報を受け取る側からいうと、一般人の通報よりも重大に受け取られがちになる。同じしろうとの判断が、警察官という身分によってとかく誤った確信を人にいだかせるおそれがある。その昔、衛生行政官が警察所管であった時代に、医療の必要性のことよりも、むしろ別の要素によって乱用されてきた例がしばしばあるわけなんです。苦い経験を私自身も戦前において持っているわけなんです。そういうわけで、戦後は衛生行政を警察から切り離すことにしたことは御案内のとおり。それが再びこういうふうなことになると、またまた昔に返る危険性がある。そういう点は厳重に処置していただかなければ、とても不安でたまらない。したがって、医療の面よりも、むしろ保安行政のほうが先に立つような危険を私は感じるわけなんです。そういう点についてひとつ十分にお考えを願いたいし、あなたの考えも聞きたい。現行法の第二十四条の規定はその趣旨をくんで定められたものである。ところが、警察官が人命または財産保護の必要に対して保護拘束をしなければならない場合があったときに、その者が精神障害者である場合には、早く適当な収容施設に移す必要があるから、必ず保健所へ連絡してもらいたい、その限りにおいてのみ介入してもらいたいという趣旨であったのでございますが、この改正案から見ますと、保護の必要に至らない障害者についても通報義務を拡大しようとしていると私は理解するわけです。これは精神障害者について監察の隔離対策を使用して、医療本来の対策への転換を目ざす今回の改正の精神には矛盾しているものじゃないか、こう思うわけです。これについてあなたのお考えをお伺いしたい。なぜこういうふうに拡大をしなければならないか、なぜこう改悪をしなければならないか、一歩前進だと言いいながら、こういう危険性がついて回るような考えを与えるような今度の法改正というものについて、納得のいく御説明を伺いたい。
  63. 若松栄一

    政府委員(若松栄一君) 従来の警察官の通報は、警職法の三条の規定によりまして、精神錯乱、あるいは自傷他害等の場合に、これを保護した場合にのみ通報するたてまえになっております。ところが、警察官が現実に職務を執行するにあたりまして職務質問をし、あるいは捜査の段階、あるいは逮捕等を行なった場合におきましても精神障害者を発見することがございます。その場合にも、現在の規定では、二十三条の一般人の通報の規定によってこれをやっていたわけでございます。それでは二十三条の規定は非常にゆるくて、疑いがありさえすれば通報できるたてまえになっております。したがって、それでは二十三条を警察官が利用するということでは非常にぐあいが悪い、むしろ警察官の通報は非常に限定しなければいけないということから、警察官の通報を、この条文にもありますように、単に精神障害の者、あるいは疑わしい者というような規定でなしに、「精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認められる者」というふうに強く限定したわけでございます。したがって、異常な挙動、その他周囲の事情から明確に判断できるものを限定して、単に疑いがある者というようなものは警察官は通報しないというような、むしろしぼった考え方でございます。
  64. 藤原道子

    ○藤原道子君 この点は非常に不安を持つ人が多いわけでございますから、厳重に施行にあたっては留意してもらいたい。  次に、時間もないので急がれておりますが、精神科医の資格について、その保証基準についてひとつ伺っておきたい。精神障害の診断は、他の病気の診断ほどに客観的な基準が確立されていないわけです。そうでしょう、腹が痛いというのと違いますから、そういう場合に、診断に当たる医師の診断基準によって違ってくる要素が非常に大きいと聞いておりますが、それは医師の資格に信頼を置く度合いが非常に高いことを意味することだと思うのですけれども、こういう場合にどういう基準でこれをするか。なかなかこの間の御答弁の中にも、精神科医が非常に少ない、こういうことを率直に言っていらっしゃるのですね。そういうところにこういう法律が出てくれば、非常に専門医というものが必要になってくるわけです。専門医がいなければ危険なんですよ。どういう方法でこの師医の基準をきめ、しかも、その医師の充足はどういう方法でやっていかれるのか、この点についてひとつ伺っておきたいと思うのです。
  65. 若松栄一

    政府委員(若松栄一君) 御承知のように、現在の医師法、医療法におきます医師は、その専門でなくても自由に標榜ができるたてまえになっております。そういう意味で、一般の一般的な内科、小児科、外科というようなものは、専門の程度がどのくらいであるかわからない人でも、それぞれ専門医らしく標榜ができますが、精神科医におきましては、幸い、比較的そういう専門の非常に分野が狭いために、全くしろうとといいますか、精神科の素養の低い人が精神科を標榜するという例が他の科目に比べて非常に少ない。現在のところはいいと思います。しかし、これは現在のところでございますが、将来もさらに一そう専門家を必要といたすわけでございますが、専門医制度につきましては、現在、他の専門医制度と同じように、専門機関に諮問してこれをやるという方法になっておりますので、しばらくその他の制度と歩調を合わせるまでやっていかざるを得ないという状態であろうと思います。ただ、精神衛生法上の職権を行使する専門鑑定医につきましては、三年以上の明確な経験を規定いたしまして、少なくとも一専門医といわれるに近い程度の資質の確保をいたしておるわけでございます。なお、一般的に精神科医の確保につきましては、これは養成とかというような方途はなかなかむずかしくございますので、やはりベッドの増床というようなものとにらみ合わせまして、大学等の医局等が、それぞれの需要とうまくにらみ合わせて医師を現実に訓練していくということにまつよりしょがない状態でございまして、そういう意味で、遺憾ながら、若干ずつ養成がベッドの増等におくれているという事態がございますが、近い将来にベッド増その他が、ある程度足踏みする段階になってまいりますと、ある程度の充足が期待できるのではないかと存じております。     —————————————
  66. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 委員異動についてお知らせいたします。  本日、鹿島俊雄君が委員を辞任され、その補欠として山本杉君が選任されました。     —————————————
  67. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたも一のと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを、願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  精神衛生法の一部を改正する法律案閣法第八五号)を問題に供します。  本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  70. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  71. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 私は、この際、ただいま可決されました精神衛生法の一部を改正する法律案に対し、各派共同の附帯決議案提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。  以上でございます。何とぞ御賛成くださるようお願いいたします。
  72. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいま述べられました藤田提出附帯決議案議題といたします。  藤田提出附帯決議案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  73. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 全会一致と認めます。よって藤田提出附帯決議案は、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、神田厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。神田厚生大臣
  74. 神田博

    国務大臣神田博君) ただいまの精神衛生法の一部を改正する法律案に対する附帯決議趣旨につきましては、十分尊重いたしまして、政府といたしまして検討してまいりたいと、かように考えております。
  75. 小柳勇

    委員長小柳勇君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後十一時四十六分散会      ——————————