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中井小
委員 この
三矢研究につきまして、私
ども言っておりまするのは、あなた方の
答弁と筋かいになって困るんだが、あなた方の、用語の選択とか文章の表現に誤解を招く個所がございます、これは、冒頭の私
どもの
同僚委員の
説明と違いまして、一応これを私はきょうは認めておる。認めておった中で、
内容を私はちょっと……。認めておるというのは、あなた方の言うことは、それはそれとして聞いておる。
内容を聞いておるんだ、
内容を。そうすると、案外正直な面があるわけですね。中国や北朝鮮は海軍はあまり強くないのであるし、はっきり言うと、大体中国民族は船に乗ったことのない人、ばかりです。大連に来て、大きな川じゃなと言ったというのですからね。川は揚子江あれ一本だと思っておるというふうなことで、よほどのことのない限りは船に乗って
日本を攻めていくなんて、二千年の長い、歴史の間で、元寇以来ないでしょう。それも、あれはシナ民族ではありません。あれは蒙古族です。ここにはしなくもそういうことが出ている。そんなものはなかなか
日本に攻めてきやしませんよ。そういうようなことについて、私はかってな放言のように言いますけれ
ども、これはやはり歴史的な事実、現在の
兵器の
関係その他から考えて私はこないと思う。それで、こう読んでいってはっと思いましたのは、対馬、津軽、宗谷、これは何ですか。
日本と中共あるいは北鮮と事があるとすれば、こんな海峡が何で必要ですか。すぐに九州へ行き、能登半島へ行き、新潟へ行って――これはアメリカとの
関係だから必要なんです。それを回って東京へ出てくるという
議論もありましょう。それから瀬戸内海へ入ってくるという
議論もありましょうけれ
ども、根本はやはりアメリカとの共同
作戦だから、これは必要になってくる。単独ならこんな必要はないと言うのです。それは憎まれ口は言いますし、口は悪いし、いまも世界中は毎日宣伝戦をやっておりますが、しかし、現実にそれでは戦闘行為にどうするかというようなことのときに、ぼくはこれを読んで、ああ語るに落ちて、やはりその
程度のことはもうちゃんとわかっておるというふうに思うのです。
そこで、この三矢
作戦の全体をずっと見ますと、たとえばそれから
あとにもあるのですが、「現在の中共および北鮮の能力から直らに
日本に対し本格的上着陸
作戦を
実施することは困難であろうから、当面、間接
侵略あるいは海空攻撃と関連し、西
日本方面とくに離島に対し潜入し、あるいは小規模コマンド
作戦が予想される。」こういうことを書いてあるのです。ソ連が介入した場合にはどうこう、こうこう。それも、しかし北
日本方面に対しては一ヵ月、西
日本方面に対しては四ヵ月ぐらい
あとになる。ソ連が参画してもそうなる。こういうふうに書いてあるのですから、全体の空気といたしまして――私は冒頭申し上げたように、
軍事の問題についてはしろうとでありますが、ずっと読みましての印象といたしましては、これはやはり
安保条約があるので、逆にどうも
日本が足かせ手かせみたいなことになって、心配せぬでもいいことを心配して一緒にやらなければならぬ。こういうふうな形を非常に感じるわけでございます。いまの外交上の関連からいきましてどうでございますか。中国とソ連の仲はいまあれだけ隔たりがあります。そういう中でどうなりましょうか。そういうことを考えますと、この
研究も、それはけっこうでありますが、
皆さんにおかれまして
安保条約と
防衛関係について――終戦の講和条約を結びまするとき、その他いろいろ
事情があったでありましょうが、私
ども社会党は反対をいたしました。いたしましたが、今日、この
作戦の
研究を見ましても、外交だけではない、
軍事的立場からちょっとべっ見しただけで、どうやら逆に重荷になっておりゃせぬかというふうなことを私は感じましたが、いかがでございますか。