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1965-03-19 第48回国会 衆議院 本会議 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十九日(金曜日)     —————————————  議事日程 第十八号   昭和四十年三月十九日     午後二時開議  第一 科学技術庁設置法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  第二 地方税法の一部を改正する法律案内閣   提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  日程第一 科学技術庁設置法の一部を改正する   法律案内閣提出)  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提   出)  日程第二 地方税法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認   を求めるの件  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関   する法律の一部を改正する法律案内閣提出)   の趣旨説明及び質疑    午後二時十五分開議
  2. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出)  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出
  3. 海部俊樹

    海部俊樹君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、日程第一とともに、内閣提出法務省設置法の一部を改正する法律案を追加して両案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  4. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第一、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案法務省設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。    〔河本敏夫登壇
  6. 河本敏夫

    河本敏夫君 ただいま議題となりました二法案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案要旨は、科学技術庁付属機関である航空宇宙技術研究所にその支所を設けることができることとすること、職員の定員を四十六人増員すること等であります。  本案は、一月二十七日本委員会付託、二月四日政府より提案理由説明を聴取し、慎重審議を行ない、三月十八日、質疑終了討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、法務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案要旨は、定員を九十八人増員するほか、鈴蘭台学園の位置及び名称を改め、青森、帯広両少年院を新設すること等であります。  本案は、一月二十三日本委員会付託、二月四日政府より提案理由説明を聴取し、慎重審議を行ない、本日、質疑終了討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  7. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  8. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 地方税法の一部を改正する法律案   (内閣提出
  9. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 日程第二、地方税法の一部を改正する法律案議題といたします。
  10. 田中伊三次

  11. 中馬辰猪

    中馬辰猪君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査経過及び結果の概要を御報告申し上げます。  本案は、地方財政の実情と今年度に引き続き行なわれる住民負担軽減を考慮しつつ、第一に、個人事業税事業主控除額引き上げ電気ガス税免税点引き上げ等、主として中小所得者等負担軽減をはかるための改正を行ない、第二に、法人税税率の引き下げに伴う住民税法人税割税率の調整を行ない、第三に、自動車税及び軽自動車税負担合理化をはかるため、一定の用途及び車種について税率引き上げを行なうことを骨子とし、あわせて所得税法及び法人税法全文改正に伴う関係規定整備等を行なうことを内容とするものであります。  本案は、二月二十六日付託され、三月二日自治大臣から提案理由説明を聴取し、自来、参考人から意見を聴取し、熱心に審査を行ない、十一日には、本案及び石油ガス譲与税法案審査に万遺漏なきを期するため、地方税法の一部を改正する法律案等審査小委員会設置し、慎重な審査を行ないました。  昨十八日、亀山小委員長から小委員会審査経過及び結果についての報告を聴取した後、本案に対する質疑終了いたしましたところ、本案に対し、日本社会党から、住民負担軽減をはかるための大幅な減税骨子とする修正案提出されました。よって、政府原案及び日本社会党提出にかかる修正案について討論を行ないましたところ、久保田委員自由民主党を代表して政府原案賛成日本社会党修正案反対秋山委員日本社会党を代表し、また、門司委員民主社会党を代表して、政府原案反対日本社会党修正案賛成意見を述べられました。  かくて、採決の結果、日本社会党提出にかかる修正案賛成少数をもって否決され、政府原案賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本案に対し、自由民主党日本社会党及び民主社会党の三党共同提案により、一、非課税規定の整理と住民負担軽減合理化、二、指定都市等財源充実強化、三、自動車税増税についての慎重な考慮、及び公営水道事業に対する電気ガス税免除検討、四、自動車税決定における輸出振興及び観光施策への配慮内容とする附帯決議を付すべき旨の動議提出され、全会一致をもってこれを付することに決しました。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  12. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 討論通告があります。これを許します。秋山徳雄君。   〔秋山徳雄登壇
  13. 秋山徳雄

    秋山徳雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対し、反対討論をいたしたいと存じますが、地方行政委員会におけるわが党の修正案内容の一部についても触れてまいりたいと存じますので、あらかじめ多少の時間的延長のあることをお許しいただきたいと存じます。(発言する者あり)ゆっくり聞いてください。  地方財政は、戦後の混乱期から一時好転したかに見えたのでありますが、昭和三十六年度を峠に加速度的に悪化の方向へ進行いたしております。三十八年度決算について見ると、一般会計決算赤字団体数は四百九十二、赤字額は二百七十二億円、これに公営企業赤字三百七十六億円、国民健康保険赤字百三十二億円を加えると、赤字額は約八百億円にも達しているのであります。しかも、この傾向はさきの財政再建のときと異なり、特に大都市及び都市において著しくなってきているのが特徴でございます。  こうした地方財政悪化の原因は、物価上昇に伴う給与費社会保障費等義務的経費の増加に加え、政府高度経済成長政策のもとで、国家的公共事業に伴う膨大な公共投資支出をしいられて財政需要は急増している反面、地方税収伸びが鈍化しているからでございます。その上、大都市においては、産業人口の集中によって生ずる過密化の当面の対策に追われて財政支出の膨張をもたらし、一方、農村漁村部においては人口の流出、農業中小企業等の衰退によって収入の減退を来たし、乏しい財政のやりくりに四苦八苦している状況でございます。  四十年度は、地方交付税交付金も、交付税率が二九・五%、〇・六%引き上げられたにもかかわらず、前年度比一二・三%の伸びにとどまっております。  政府は、こうした地方財政事情の窮屈さを顧みず、大型予算を編成し、地方に対し、直轄事業補助事業を不当に低い単価で押しつけ、一千億円に及ぶ超過負担を行なわせています。また、地方財政赤字拡大とともに、最近の地方債増額のテンポには著しいものがあり、地方債残高は一兆数千億円にも達しているのであります。このしわ寄せば、増税料金値上げ元利償還金増大等によって、住民負担が転嫁されてきているのであります。  政府提案地方税法の一部改正法案では、以上のような地方財政の窮乏とひずみを根本的に是正し、地方財政強化、発展させるにはほど遠いものがあり、かつ、物価高に悩む国民生活を守るためには、所得の名目的な上昇に見合う程度ぐらいは当然減税措置を行なうべきにもかかわらず、見るべき減税はほとんどなく、三十九年度改正の四十年度実施分を別とすれば、初年度八十億円の増税になります。さらに、国税における租税特別措置拡大のため、地方税へのはね返り減税を増大し、国民税負担の不均衡と地方財政への独占の圧迫という両面で、問題を一そう大きくしていると言えるのであります。  この際、憲法に保障する地方自治住民福祉を守る立場から、大衆負担軽減並びに地方財政強化立場に立って、地方税財政の改革を行なうことは緊急の要事でございます。私は、この見地から、地方自主財源充実のため、国税大幅地方移譲骨子とする財源の再配分、国と地方との間の行政秩序の確立、国の予算編成についての地方財政との関連等につき、根本的な検討政府に要求いたしたいのであります。  以下、私は、改正案の重点につき、わが党の見解を披露しつつ、反対立場を明らかにいたしたいと思います。  第一に、住民税についてでございます。住民税が高いということは、いまや国民の常識でありまして、その軽減地域住民の念願なのであります。それは、所得税に比して住民税課税最低限が著しく低く、最低生活費にまで食い込んで課税されていることにあるからでございます。すなわち、道府県民税課税方式超過累進税率制への復元、市町村民税所得割における制限税率標準税率の一・二%に押えること等であり、これらの措置は、従来から本文方式及び準拠税率を採用してきた市町村には、昨年の改正による減税がないこと、あるいはまた、所得税に比し、住民税課税最低限が著しく低いこと等を考えると、当然の措置であると考えないわけにはまいりません。  第二に、事業税についてでありますが、事業税は本来二重課税的な性格を持つものでありまして、個人事業税は将来撤廃することを目途軽減していくべきであります。政府案事業主控除を二万円引き上げていますが、専従者控除とともに大幅な引き上げが必要であります。  なお、住民税の場合と同様に、農協、生協その他に対する非課税課税標準特別措置を復元し、税負担軽減して、その発展をはかるべきであります。  第三は、自動車税についてであります。改正案によりますと、営業用小型自動車観光貸し切り用バス以外のバス、トラックを除き、税率を五〇%と大幅に引き上げておりますが、物価安定策として、公共料金の抑制が緊要事であること、大衆自動車利用趨勢を考慮し、小型自動車及び観光貸し切り用バスについてはすべて税率を据え置くことが妥当かと思うのでございます。なお、同趣旨によりまして、軽自動車税引き上げはすべきでありません。  第四は、固定資産税についてでございます。特に、農地、農機具等農業用固定資産税は全廃を目途として大幅に軽減すべきでありまして、政令で定める田畑、牧野、果樹園、作業場、農機具その他農業用固定資産については、すべて課税標準評価額の三分の二とすることを主張いたします。これらの措置は、立ちおくれている農業基盤整備経営近代化が、国民経済全体の上から強い要請となっており、諸外国でも農業用固定資産について軽減措置を行なっていることからも、当然の配慮であろうと考えるものであります。また、零細な大衆負担軽減のために、土地、家屋、償却資産等に対する免税点を大幅に引き上げるとともに、大企業に対する特権的な課税標準の特例を廃止すべきでございます。  第五は、電気ガス税についてであります。税制調査会は、免税点引き上げと、産業用非課税規定合理化を答申いたしましたが、政府は、新たに四品目の産業用電気非課税措置を講じようとしていることは納得ができないのでございます。(拍手)また、数年来わが党が主張し、政府検討を約しておりました公営水道事業に対する非課税措置について、何らの措置が行なわれていないことは重大な問題であるといわないわけにはまいりません。今日の水道事業国民生活に及ぼす影響と、その経営の危機を考えるならば、当然非課税にすべきものでございましょう。  その他料理飲食税国民健康保険税軽減措置とともに、自主財源充実のために、たばこ消費税率地方交付税率引き上げるとともに、消防施設税の創設、租税特別措置法の改廃により、当然地方税大幅増収を得ることができるのでございます。これらをなし遂げることによって、税財政の大改革を通じて、初めて大衆負担軽減と、地方自治の本旨を全うすることが可能なりと考えるものであります。(拍手)  以上申し上げまして、私の反対討論を終わりたいと存じます。(拍手
  14. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  15. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 起立多数、よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承   認を求めるの件
  16. 海部俊樹

    海部俊樹君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  17. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
  19. 田中伊三次

  20. 内藤隆

    内藤隆君 ただいま議題となりました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に関し、逓信委員会における審査経過と結果とを御報告申し上げます。  この議案は、日本放送協会昭和四十年度収支予算事業計画及び資金計画について、国会承認を求めようとするものでありますが、その内容の概略を御説明申しますと、まず、収支予算の規模は、収入支出ともに総額八百五十六億四千万円と予定されておりまして、内訳といたしましては、資本収入百五十六億六千八百万円、事業収入六百九十九億七千二百万円、資本支出二百三十七億五千五百万円、事業支出六百十四億八千五百万円、予備金四億円となっております。  また、これに照応する事業計画は、テレビジョン放送全国普及をはかるための積極的な置局の促進、FM放送普及開発教育テレビジョン放送番組拡充及びローカル番組拡充のための報道取材網整備等を重点的に行なうこととなっております。  なお、この収支予算等に対し、郵政大臣は、これをおおむね妥当と認める旨の意見書を付しておられます。  逓信委員会においては、二月十六日本案付託を受けて以来、数次の会議を通じて、政府並びにNHK当局より説明を聴取し、質疑を行なったのでありますが、三月十九日、討論採決の結果、全会一致をもって本議案はこれに承認を与うべきものと議決した次第であります。  なお、採決の後、委員会は、UHFテレビFM放送普及開発に関することなど、三項目を内容とする附帯決議を付することを全会一致をもって議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  21. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 採決いたします。  本件委員長報告のとおり承認するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  22. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 起立多数。よって、本件委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に   関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出)の趣旨説明
  23. 田中伊三次

  24. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  最近における各国原子力平和利用は、原子力発電所の建設、原子力船開発、放射線の利用等各方面において著しい進歩を示しております。特に、原子力エネルギー源として利用する原子力発電及び原子力船開発の分野におきましては、米国ソ連をはじめとして、各国とも独自の開発方針を樹立し、原子力経済性を既存のエネルギーに匹敵し得るまでに高めようと努力している状況でありまするし、原子力船につきましては、すでに米国原子力商船サバンナ号ソ連原子力砕氷船レーニン号が活躍しており、西独におきましても原子力貨物船オットーハーン号が進水を終えた状況にあります。  わが国といたしましても、従来から、このような各国原子力開発利用趨勢に沿い、外国技術の吸収と研究施設整備をはかってまいりましたが、最近に至り、ようやく研究開発体制を整え、原子力発電原子力船を中心に、新たな開発進展をはかる段階を迎えようといたしております。特に原子力船につきましては、昭和四十三年度完成を目標に原子力船開発事業団において原子力を動力とする海洋観測船の建造を進めつつあるところであります。  以上述べましたような、原子力平和利用進展は、いまや二十世紀の人類の獲得した最大の成果となろうといたしております。しかしながら、原子力利用につきましては、放射能の危険を防止する必要があり、各国とも安全性確保遺漏のないよう規制を加えつつ、その推進をはかっている次第であります。  わが国におきましても、従来、核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律に基づき、原子炉設置内閣総理大臣許可にかからしめること等により、国内における原子力利用が平和の目的に限られ、かつ、これらの利用が計画的に行なわれることを確保し、あわせてその災害を防止して、公共の安全をはかることにつとめ、船舶設置する原子炉につきましても、その安全性確保を主として設置段階ではかることといたしてまいりました。  しこうして、従来から関係各国間において検討され、原子力船運航に関する事項を定めておりました千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約も、本年五月には発効の運びとなり、一方外国原子力船も近い将来わが国を訪問する事態が予想されますので、政府といたしましては、このような状況に対処し、本邦における外国原子力船規制をはかりますとともに、この機会にあわせて国内原子力船につきましても、入港の際の規制を新たに加えることとし、この法律案提出することといたしたのであります。  改正の第一は、外国原子力船本邦の水域に立ち入らせようとする者が、当該原子力船立ち入りに伴い、原子炉本邦内において保持することを内閣総理大臣許可にかからしめ、その安全審査を行なうことを明らかにしたことであります。  現行法におきましては、原子炉船舶設置することを内閣総理大臣許可にかからしめ、その安全審査を行なうこととしておりますが、前述の海上における人命の安全のための国際条約におきまして、原子力船は、訪問する相手国政府承認を得た安全説明書等を提供し、その安全審査を受けるべきものとされ、外国原子力船規制に関する取り扱いが同条約発効により明確にされることとなったのであります。したがいまして、わが国といたしましては、原子力船立ち入りに伴い、船内の原子炉本邦内における原子炉設置と同様に内閣総理大臣許可にかからしめ、その際に原子力委員会におきまして、その安全審査を行なうこととしたわけでございます。  改正の第二は、原子炉設置者及び外国原子力船運航者原子力船本邦の港に立ち入らせることを内閣総理大臣への届け出にかからしめ、これに伴い、内閣総理大臣運輸大臣等は相協力して、その港における環境条件に即して、災害の防止について遺漏なきを期するための各種措置を講ずるものといたしたことであります。  すなわち、原子力船が港に立ち入る場合には、当該港自然環境社会環境等により、停泊地点の選定、出力制限等災害を防止するための各種措置が必要とされますので、入港前にあらかじめ内閣総理大臣にこれらの措置内容を届け出させることとし、内閣総理大臣は、その措置内容十分審査の上、その必要を認めるときは、災害を防止するため、原子力船の側において講ずべき措置にかかる事項運輸大臣に通知することといたしました。この通知を受けて、運輸大臣港長等は、それぞれの権限に基づき、原子炉設置者または外国原子力船運航者に対し、災害を防止するために必要とされる各種の具体的な措置をとらせることといたしました。  以上が、核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案趣旨でございます。(拍手)      ————◇—————  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に   関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出)の趣旨説明に対する質疑
  25. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) ただいまの趣旨説明に対して質疑通告があります。これを許します。原茂君。   〔原茂登壇
  26. 原茂

    原茂君 私は、日本社会党を代表いたしまして、核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案が本国会に提案されました機会に、政府原子力行政及び本法改正に関連する重要問題につきまして、二、三政府見解をただしたいと存じます。(拍手)御答弁は、佐藤総理からは全事項にわたって、補足的に科学技術庁長官外務大臣防衛庁長官にお願いいたしたいと存じます。  まずその第一は、原子力潜水艦に関連する問題であります。  わが国原子力基本法原子力平和利用に限る三原則をきめておりますが、政府は、この趣旨に反し、国民並びに原子力科学者大多数の反対意見を無視いたしまして、すでに二回にわたってアメリカ原子力潜水艦佐世保入港を受け入れたわけでございます。特に、世界の世論に反しまして、アメリカ南北ベトナムへの不当なる武力介入を開始いたしております今日のこの情勢の中で、今後も引き続いて原子力潜水艦寄港を認めるということは、日本アメリカ極東武力政策に協力をし、アジア人である日本人が同じアジア人であるベトナム人民を敵視するのと全く同断であります。一体、政府は、このようなアジア情勢の中で、また国民の批判の高まりの中で、引き続いて米原子力潜水艦寄港を受け入れ、アメリカ戦争政策に協力するつもりなのかどうか。この際、政府は、わが国並びにアジアの平和を確保するために、直ちにアメリカ原子力潜水艦寄港承認を取り消し、入港を拒否する英断を下すべきであると思うが、所見を承りたいと存じます。(拍手)  さて、この一部改正案によりますと、近く米原子力商船サバンナ号日本への寄港申請が行なわれることを予想して、外国原子力船本邦水域に立ち入る場合、政府許可を受けなければならないこととするなどの所要の規制を加えることが改正の大きな理由となっておるわけであります。しかしながら、この外国原子力船のうちには軍艦は除かれるのだといたしてあります。なぜ、真にわが国国民の安全を求める日本政府であるなら、軍艦を除く外国原子力船についてのみ所要の資料の提出を求めたり、安全審査の周到を期したりしながら、原子力潜水艦については同様の取り扱いをしないのか、まことに判断に苦しむわけであります。(拍手)  衆議院科学技術振興対策特別委員会における多くの科学者の説明によりますと、商船の原子炉よりも原子力潜水艦原子炉のほうが制御系統が簡単にしてあり、原子炉安全性を犠牲にし、軍艦としての性能を高めてあることが指摘されておるのであります。安全性の点で、原子力潜水艦原子炉のほうがきわめて危険度が高いと言えるわけであります。これをアメリカ側の言うままを受けて、政府は不当な手続により安全であるとの結論を出しましたが、一月九日の米国議会合同原子力委員会でのスレッシャー号沈没事故についての証言内容によっても、原潜の構造の実際と基準が安全性の見地から十分ではなかったということを指摘しており、その上、米海軍の原潜の最高権威といわれるリコーバー中将も、最近原潜数隻が設計、建設、材料の不備、検査方法の欠陥などのために、危うく沈没しそうになったと証言するなど、これまでの日本政府見解が否定されるような発言が行なわれておるのであります。(拍手)  ここで特に重要なことは、さきの原潜が安全であるとの政府並びに原子力委員会の結論は、わが国安全審査の最高機関である原子炉安全審査会が科学的には全く関与しなかったという事実であります。この際、政府は、原潜の安全性について再検討をし、原子炉安全審査会の慎重審議にかけ、科学者の政治的でない検討にゆだねるべきだと考えますが、これを行なう決意はないか。また、本改正案外国原子力船には当然軍艦をも含めるべきであると考えますが、所見を伺いたいのであります。(拍手)  アメリカでは、原子力商船サバンナ号アメリカの港に入るにあたりましても、きびしい規制をつくり、これを実施いたしております。このアメリカ原子力委員会原子炉規制局の公表した資料によりますと、その入港にあたっては、第一に、港内非常対策計画が立てられ、地域住民安全性に関する準備万端整っていることなどの六項目の条件が満たされるまでは、いかなる港にも入港してはならないとされております。また、起こり得る最大事故を想定して緊急避難の準備を整え、たとえば、制限地域においても二時間以内に総退避できる地域を設定するというような基準の設定を行なっております。  米原子力潜水艦寄港する横須賀、佐世保をはじめ、原子力商船寄港が予想されるわが国の港は、いずれも人口稠密地帯であります。デンマーク政府は、同国原子力委員会の、安全性についてはあらゆる角度から検討したが資料、情報が十分でないとの答申を受けて、アメリカ原子力潜水艦のデンマークヘの入港を拒否し続けていることは御承知のとおりであります。そこで、わが国においても、いまだ確実に安全性が外的にも内的にも保証されていない今日、今後寄港の予想される原潜はもとより、原子力商船に対しても当然入港を拒否すべきだと思うが、国民の安全のために、その決意のほどを表明されたいと存じます。  また、万が一このサバンナ号の寄港を許すといたしますなら、一体、わが国のどの港を予定しておいでになるのか、この際、明らかにしていただきたい。  なお、原潜の寄港地とされつつある佐世保、横須賀はもちろん、今後原子力商船寄港が予想される港湾のある地域において、万一起こる可能性のある事故に備え、政府は、どのように危険区域の設定と港内管理、緊急避難の準備を整えておいでになるのか、いかなる考えがおありになるか、いかなる想定のもとに具体的対策を用意しておられるかを、ともに明らかにしていただきたいと存じます。本一部改正案を見ましても、予想される事故対策については、ほとんど触れられておりませんし、万一、事故の発生した場合の処置などについても、何ら具体的な規制がないのであります。これは当然規定すべきだと思うが、いかがか。  第二に、わが国原子力行政についての重要問題に、茨城県東海村原子力施設地帯に隣接する米軍水戸射爆場返還の問題がございます。これらの地帯は近年急速に発展しており、人口稠密な市街地でございます。これまで水戸米軍対地射爆場周辺市町村において明らかに確認されました飛行機による爆弾誤投下事故、墜落事故などは、百四十一件にのぼっており、茨城県全体では、死者二十名を含む約三百十六件の事故が発生いたしております。この射爆場における爆弾投下演習は、一日実に二百八十回から四百八十回にも達しており、特に昨年六月以来、F105D戦闘爆撃機の横田演習強行によって模擬爆弾の誤投下事件が頻発し、その危険度はいよいよ増大、教育並びに各産業、人心に及ぼす障害は、はかり知れないものがございます。万一、F105D機などの墜落、誤投爆が、この隣接する原子力施設の上に行なわれましたならば、放射能等による周辺一帯の被害は甚大、筆舌に尽くせぬものとなります。このため、茨城県知事をはじめ、わが党石野久男議員を中心に、県民すべてが、数年来、米軍水戸対地射爆場の返還と、F105D爆撃機の演習即時中止等を要求し続けておるわけでありまして、県議会と二十九に及ぶ市町村が決議を行ない、昨年中で四十五万人の反対署名がなされるなど、衆参両院の科特委におきましても、強く返還すべきであるとの決議を行なっておりますことは、すでに御承知のとおりであります。  しかるに、政府は、移転先がないということを口実にいたしまして、返還をいまだ実現せず、一片の誠意すら示しておりません。はたして、政府は、これらの切実なる要求を米軍に対し真剣に要請、交渉したことがあるのか。このままに推移いたしまして、おそるべき事故が発生した場合、いかなる責任をとる決意と用意がおありになるのか、あわせて明確に御答弁願いたいと存じます。  さらに、わが国原子力関係諸法律の中に、新たに、原子力施設周辺には危険な射爆場などの基地施設並びに危険を予想されるすべての施設を置いてはならないという規定を設ける必要があると考えますが、政府見解を承りたいと存じます。(拍手)  すでに、三十八回国会におきまして成立を見ました原子力損害の賠償に関する法律附帯決議におきましても、原子力施設地帯の環境整備を国の施策として実施すべきことが打ち出されておるのでありまして、茨城県などもその推進を強く希望いたしておりますが、具体的な施設を今日までどのように政府は進めてこられたのか。なお、茨城県では原子燃料再処理施設設置反対する決議をも行なっておりますが、これにどう対処するおつもりか、所見をあわせて承りたいと存じます。  次いで、アメリカにおけるサバンナ号の入港基準STS−一〇による入港条件、入港受け入れ条件、港内における安全管理と措置、港湾解析報告書等にある細部の規定に照らしまして、本一部改正案を通じて用意されるわが国のこれに準じた基準は、アメリカのそれと全く同じたぐいのもになるのか、またもし違う点があるとすればいかなる点が違うものとなるのか、この際明確にその方針をお聞かせいただきたいと存じます。  さて、サバンナ号そのものについてでありますが、これは本来アメリカの世界に対する原子科学の力を誇示するデモンストレーションに使われたものであり、すでにヨーロッパに対するデモは終わり、いよいよアジアにそのデモが向けられてきたと見るべきではないか、それともすでに客員貨物を運ぶ実用に使われてわが国寄港するものと見るか、また、わが国へはいつごろ入港の予定なのか、ともにお答えいただきたいと存じます。  さらに、海上人命安全条約の署名国中十三カ国がいまだに批准されておりませんが、その理由は那辺にあるのか。  なお、本改正案には国内原子力船ということばでさらりと触れておりますが、これが政府・自民党のお家芸の、いつの間にか自衛隊で原子力潜水艦建造を始めてしまい、やがて日本国民を不安におとしいれるようなことがあってはならないと存じますが、そのような計画は断じてしないと明言していただきたいと存じます。  最後に、ただいま問題になっている国産原子力船の建造についてでありますが、コスト高並びに保障の問題などで各造船メーカーが受注建造を渋っていると聞き及んでおります。もしメーカーが保障を含めたコスト高を原因として、無理な、妥当でない安値で原子力船をつくらざるを得なくなり、その無理が原子炉安全性に及ぶことのないよう十分留意することが肝要と思うが、政府としてはこの早期建造にどのように対処しようとされているかをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと存じます。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇
  27. 佐藤榮作

    内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。  わが国は日米安全保障条約によりまして国の安全を守る、こういうことを国防の基本にいたしております。この安全保障条約によりまして、ただいま原子力潜水艦寄港も許しておるのでございますが、これはどこまでも防衛的のものでありまして、ただいま言われるようなベトナム問題とは、もちろん関係ございませんし、またこれはどこまでも防衛的なものである、その点をはっきりいたしておきたいと思います。  また、ただいま原子力潜水艦安全性についていろいろ御議論をなさいました。私は、社会党の原さんはたいへん進歩的な人物だと思いましたが、原子力の何たるかについての御理解がないこと、まことに残念に思います。申すまでもなく、スレッシャー号が事故を起こしましたが、その事故はいわゆる原子炉による事故なりや、一般の事故に原因があるのか、そういう点が十分に明確にされるならば、何らの疑問はないはずであります。  また、サバンナ号についてもいろいろのお話がございましたが、デンマーク自身がサバンナ号の寄港を許し、そしてこのサバンナ号をあそこの王室御一家はじめ四万五千人の者がこれを見物しておる、そういう事実をごらんになれば、この原子力船安全性は十分確保されておる、このことがおわかりになるはずだと思います。(拍手)  この際にさらにつけ加えて申し上げておきますが、御指摘のようにわが国原子力基本法は、私どもは平和に徹する、平和利用においてこれを進めていくという、その態度をはっきりいたしております。この点で、わが国原子力研究が他の方向へ向いておる、こういうことがあれば御指摘になってしかるべし、私は、どこまでも原子力平和利用、その方向で全力をあげておることを御承知願いたいと思います。  また、原子炉安全委員会等が原子力潜水艦についての審査ができない、これを商船同様軍艦にも及ぼせ、かようなお尋ねでございますが、国際法を無視した考え方です。ただいま軍艦の持つ特権というものは、これはすでに御承知のことだと思いますから、私はあえて多くを申しません。そういう立場にありますので、これは別なことだ。しかし、商船についての私どもの安全審査、これはどこまでもいたすつもりでございますので、今回法律を制定し、御審議をいただくつもりでございます。  次に、サバンナ号はいつ寄るかということでありますが、ただいままで正式に寄港の申し出を受けておりません。したがいまして、それより以上お答えいたさないことにいたします。  それから、その次は水戸射爆場の問題であります。ここにただいま申し上げるような原子炉があり、同時に飛行機の演習場があること、これは私どももまことに遺憾に思います。私もかつて原子力委員長をいたしまして、その関係でアメリカにも強力にこの移転方を要請いたしました。もちろん適当な場所があるならば、これはかえるということであり、また、政府も関係各省が努力いたしまして、一日も早くこの他への移転、これを考えておるわけでございますが、ただいままで実現しないことはまことに遺憾に思います。ただいまは次善の方法といたしまして、飛行方法なりあるいは投爆方法なりについていろいろくふうをさせておるような次第であります。  最後に、原子力船第一船の建造問題が、ただいま御指摘のようにまだはっきりきまらない。これまた、まことに遺憾に思っております。本来わが国は造船国だといって、これは自慢のできる、外国に比しても劣らない第一の造船国でございますが、そこにおいて新しい原子力を動力にする船をつくることがまだ十分確信をもってできない、そういうような入札がまだ行なわれておらない、かようなことはまことに残念に思う次第でごさいます。その詳細については関係大臣からお聞き取りをいただきたいと思います。(拍手)   〔国務大臣愛知揆一君登壇
  28. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 重要な点につきましてはほとんど総理大臣からお答えがございましたので、きわめて簡単に補足してお答えを申し上げます。  原子力潜水艦の問題につきましては、ただいま総理大臣からお答えのとおり、国際法上軍艦として特殊な地位を有するものである、このことは先ほど御説明いたしました千九百六十年の条約においても明らかにされておるところでございますから、世界的に通ずる国際法上の原則でございます。したがって、原子力潜水艦というふうな軍艦につきまして立ち入りの検査をするというようなことはできない。そこで、日本原子力委員会といたしましては、持っておりまする知識や経験に基づきまして、国民安全性確保するために必要と思われる米国側の保証とその他の約束を取りつけまして、国民安全性に支障がないかどうかということを判断したわけでございます。その結果は、累次御報告を申し上げ、公表いたしておりますように、原子力潜水艦の佐世保における入港前、停泊中、出港後、いずれにおきましても、バックグラウンドの調査においても、モニタリングの調査におきましても、放射能等の変化が全然見られませんでしたことは、客観的な科学的な結果でございますから、国民的に御安心願えることと存じます。(拍手)  それから、原子力船自体の安全性につきましては、先ほど詳細改正法案につきまして御説明申し上げましたとおりでございまして、必要によりましては、日本側の関係係官が、入港する際に、その前に、実際の立ち入り検査を行ないまして、安全性を確認いたします。また、万一、万々一の場合の損害の防止につきましても、この法律の運用によりまして、十分御安心願える措置がとれるわけでございます。  それから、茨城県東海村の周辺の原子力施設地帯の環境整備についてお尋ねがございましたが、この件につきましては、実は昨年十二月、原子力委員会に基本方針についての専門部会がございますが、その答申の提出がございました。一方、茨城県当局におかれましても、国からの委託に基づきまして、本年六月提出を予定にいたしまして、具体的な調査を進めておられます。これらをあわせまして、地元の調和的な発展を配慮しつつ、政府として講ずべき施策を検討いたしたいと考えております。  また、再処理工場につきましては、現在全国的に適地をさがしておりますことは、御指摘のとおりでございます。ただいまはっきりこの場所というふうに、まだ正確な決定には至っておらないわけでございます。  なお、これと関連いたしまして、環境整備等について、さらに立法措置が必要ではないかというお尋ねがございましたけれども、われわれといたしましては、原子炉等の施設につきましては、原子力委員会あるいは安全審査専門委員会等において、周辺の具体的な条件も十分考慮に入れて安全審査を行なっておりまするし、これに基づいて具体的のいろいろの措置もいたしておりますので、これ以上に新たな立法上の措置は必要ないと考えておるわけでございます。  最後に、原子力第一船の注文の問題につきましては、ただいま総理からお答えのとおりでございますが、われわれといたしましても、これは日本としての最初の試みであります。造船会社の側におきましても、最初のことでございますから、研究その他に手間どっておるわけでございますが、政府としても大きな関心を持って見守っておりますが、事態の推移によりましては所要の措置を講じたい。いずれにいたしましても、その建造が計画どおり進められるように期待しておるわけであります。  その船価について、安全性との関係でお尋ねがございましたが、実は原子力船の船価三十六億円というようなことについては、造船や原子炉やそのほかの業界を含め、また専門の学者等の意見も十分徴しまして、専門部会の報告に基づいて作成したものでございますから、特に不十分なものとは考えておりません。また、したがって、その船価が安い、あるいは成約を急ぐのあまり、安全性をそこなうというようなことは絶対にないようにいたすつもりでございます。(拍手)   〔国務大臣椎名悦三郎君登壇
  29. 椎名悦三郎

    国務大臣(椎名悦三郎君) 千九百六十年の海上人命安全条約に署名した国でまだ批准しない国が相当多数ある、これらの諸国の批准がなぜおくれておるかというお尋ねでございました。  これらの国の受諾がおくれておる理由といたしましては、関係国内法の整備が済んでいない等の技術的な理由に基づくものと考えられております。千九百六十年の海上人命安全条約は、いまだ発効しておらない。この条約は、本年の五月二十六日に効力を生ずることになっておりまして、効力を生ずれば、前記諸国も早急に受諾措置を進めるものと見込まれております。  以上、御報告いたします。(拍手)   〔国務大臣小泉純也君登壇
  30. 小泉純也

    国務大臣(小泉純也君) 総理の答弁で大体尽きておるものとは存じますが、水戸射爆場の問題について申し上げますると、地元住民の要望その他の情勢からいたしまして、私どものほうでもすみやかに返還、移転を実現いたしたいと存じ、米軍側と数次にわたって交渉を続けてまいりました。米軍側といたしましても、適当な代替地があれば、その移転に応ずるということでございまして、関東一帯にかけて鋭意代替地の調査検討をいたしてまいりましたが、米軍側の条件に沿うような適当なところなく、また多少条件に近いところがございましても、地元の反対等においていまもって行き悩んでおるのが実情でございます。最近におきましては、米軍側に対し、代替地の条件緩和について極力再考方を求めて、鋭意これが実現に努力を傾倒いたしておるのでございまするが、今日まで実現を見るに至らず、まことに遺憾に存じておる次第でございます。今後とも、なお一そう強力に米軍側と交渉を続けていく所存でございます。  なおまた、原子力潜水艦の建造についてのお尋ねでございましたが、世界の商船のすべてが原子力を推進力とするというような時代がまいりますれば、当然また考慮しなければならないかとも考えられまするが、現在の段階においては、原子力潜水艦をつくるというような意思もございませんし、また具体的な検討をいたしておらないのでございます。(拍手
  31. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 質疑終了いたしました。      ————◇—————
  32. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時十七分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         法 務 大 臣 高橋  等君         外 務 大 臣 椎名悦三郎君         国 務 大 臣 愛知 揆一君         郵 政 大 臣 徳安 實藏君         自 治 大 臣 吉武 恵市君         国 務 大 臣 小泉 純也君  出席政府委員         内閣法制局長官 高辻 正巳君         科学技術庁原子         力局長     村田  浩君         郵政省電波監理         局長      宮川 岸雄君      ————◇—————