○
津田政府委員 まず、
刑法の一部を
改正する
法律案について
逐条の御
説明を申し上げます。
第一項は「第四十五
条後段中「
確定裁判」を「
禁錮以上ノ
刑ニ処スル確定裁判」に改める。」というものであります。
この
改正は、
刑法第四十五
条後段の
併合罪となる罪の
範囲を、
禁錮以上の刑に処する
確定裁判があった罪とその
裁判確定前に犯された罪とに限るものとしようとするものであります。
元来、
数個の罪について訴追された
被告人に対しまして
有罪の
裁判をする場合に、一罪につき一刑を科する
原則をとりますならば、犯罪の数だけの
有期自由刑を併科することとなって
犯人に過酷な結果を来たし、また
死刑と
死刑、
無期刑と
無期刑を併科することとなって、刑の
執行を不能ならしめる等、不当な結果を生ずることとなるのでありまして、諸国の
立法例におきましては、このような場合には、
併科主義を緩和いたしまして、後記のいわゆる
吸収または
制限のある
加重主義を
適用し、
数個の罪の全体を評価して一刑を科することとしているのであります。
わが
刑法におきましては、
確定裁判を経ない
数個の罪を同時に審判して
有罪の
告知をする場合は、これを第四十五条前段の
併合罪として、これに科すべき主刑につきまして次のような
原則によっているのであります。
まず第一は、いわゆる
吸収主義に関しまして、一罪について
死刑に処すべきときは、他の刑を科さない。これが第四十六条第一項であります。また、一罪について
無期の
懲役または
禁錮に処すべきときは、
罰金及び
科料以外の他の刑を科さない。これが第四十六条第二項であります。第二に、いわゆる
制限のある
加重主義に関しましては、有期の
懲役または
禁錮に処すべき罪が二個以上ありますときは、その最も重い罪の
法定刑を
一定限度で加重した
刑期範囲内で一個の
懲役または
禁錮の刑を科するのであります。これが第四十七条であります。
また第三に、いわゆる
併科主義に関しましては、第一、
罰金については、
死刑以外の他の刑とはこれを併科し、
罰金に処すべき罪が二個以上ありますときは、その
合算額の
範囲内で一個の
罰金刑を科するのであります。これが第四十八条。第二に、
拘留は、
死刑及び
無期の
懲役または
禁錮以外の他の刑と、また
科料は、
死刑以外の他の刑と、いずれも併科し、
拘留または
科料に処すべき罪が二個以上ありますときも二個以上の
拘留または
科料をいずれも併科することになっております。これが第五十三条です。
すなわち、わが
刑法は、
原則といたしまして、
禁錮以上の重い刑に処すべき罪が二個以上ある場合には、
併科主義を緩和する
吸収または
制限のある
加重主義をとっており、
数個の罪のうちに
罰金以下の刑に処すべき罪がある場合は、
原則として
併科主義によることとしているのであります。例外となります場合は、
数個の罪のうち、一罪について処すべき刑が
罰金以下、ただし
拘留を除くのでありますが、
罰金以下でありまして、他に
死刑に処すべき罪が競合しているとき及び一罪について処すべき刑が
拘留であって、他に
死刑または
無期の
懲役もしくは
禁錮に処すべき罪が競合しているときでありまして、この場合には
吸収主義をとっているのであります。
ところで、審判の対象となっている
数罪の間にすでに
確定裁判が存在する場合は、その
確定裁判があるにもかかわらずさらに犯した罪とその
裁判確定前に犯した罪とを併合して全体として評価し、いわゆる
吸収または
制限のある
加重主義のもとに一個の刑を科するものとするときは、不当に
犯人に利益となることがあるのでありまして、わが
刑法は、第四十五
条後段におきまして、右の
併合罪の
範囲を
制限し、
確定裁判にかかる罪とその
裁判確定前に犯した罪とを
併合罪とするものとし、右の
確定裁判後に犯した罪につきましては、これを別個に評価して別に刑を科することとしているのであります。したがいまして、ある罪について
確定裁判があった場合、その前後に犯された二個以上の罪が右の
確定裁判のあった後に審判されるときは、これら二個以上の罪の
併合罪関係は右の
確定裁判によって遮断され、その
犯人は常に二個以上の刑に処せられることとなるわけであります。
しかしながら、この場合、右の
確定裁判の前後に犯された罪がいずれも
禁錮以上の刑に処すべき罪であるときは、
確定裁判後に犯された罪を別個に評価し、
確定裁判前に犯された罪との間に
吸収または
制限ある
加重主義を認めない点において、
併合罪関係を遮断するかどうかに最も実質的な差異が生ずるわけでありますが、
確定裁判の前後に犯された罪がいずれも
罰金以下の刑に処すべき罪またはそのいずれかが
罰金以下の刑に処すべき罪であるときは、その罪の処断が
原則として
併科主義によります以上、別個に評価するかどうかに実質的な差異はほとんどないわけであります。
したがいまして、かように
数個の罪の
併合罪関係をその間に
確定裁判が存在することによって遮断することは、前後の罪がいずれも
禁錮以上の刑に処すべきものであるときに最も
実質的意義があるとすれば、このような
併合罪関係を
禁錮以上の刑に処する
確定裁判によって遮断することは別といたしまして、必ずしも
罰金以下の刑に処する
確定裁判によってまで遮断しなければならないというものではなく、かえって、
罰金以下の刑に処する
確定裁判によっても
併合罪関係を遮断することとすることは、
刑事審判の
手続及び刑の
執行の
手続に複雑さを加えるものでありまして、また、
犯人に
不利益を生ずる場合もありますので、この際、
刑法第四十五条を
改正して
併合罪の
関係を遮断する
確定裁判を
禁錮以上の刑に処するものに限ろうとするものであります。
近時、
道路交通法違反事件は急激な
増加を示しております。これに伴って、同
法違反の罪によって即決または略式の
裁判で
罰金以下の刑を
告知される者の数も
増加しているのでありますが、このような
裁判も、それが確定すれば
刑法第四十五
条後段の
確定裁判に含まれるので、
数個の罪で訴追されたすべての事件の
裁判においてその
調査を必要とするのであります。そのため、検察庁における捜査の段階においても、
裁判所における審理の際にも、右のような
確定裁判の存否について明確を期するため、その
調査を行なっているのでありますが、元来、この
調査には相当の時間と手数を必要とし、その
事務量は少なからぬ
実情にあるのであります。そこで、右のような
実情にかんがみ、
刑法第四十五
条後段につき、早急に今回のような
改正を加えることは、現下における
刑事裁判手続の迅速円滑な運用をはかる上においてもきわめて有
意義であると考えるのであります。
なお、すでに公表されている
改正刑法準備草案は、第六十三条におきまして、今回の
改正法律案と同
趣旨の
規定を設けていることを付言いたす次第であります。
第二は、「第二百十一条中「三年以下ノ
禁錮」を「五年以下ノ
懲役若
クハ禁錮」に改める」この
改正は、最近の
自動車運転に基因する
業務上
過失致死傷事件及び
重過失致死傷事件の
実情にかんがみまして、その
法定刑に新たに五年以下の
懲役を加えるとともに、
法定刑の
禁錮の
長期を五年に引き上げようとするものであります。
まず
法定刑に新たに
懲役刑を
選択刑として加える点でありますが、近時における
自動車運転に伴う
業務上
過失致死傷及び
重過失致死傷事犯中には、傷害、
傷害致死等のいわゆる
故意犯とほとんど同
程度の
社会的非難に値するものが
相当数見受けられるに至っているのであります。たとえば
相当量の飲酒をした上での
酒酔い運転、
運転技量の未熟な者の無
免許運転、はなはだしい
高速度運転等のいわゆる無謀な
運転に基因する
事犯中には、きわめて軽度の注意を払えば人の
死傷等の結果を容易に予見し、その発生を防止することができたのにかかわらず、これをさえ怠ったために重大な結果を発生せしめたような
事案が見受けられるのであります。これらの
事案は、
故意犯に属するいわゆる未必の故意の
事案と紙一重の
事案であり、このように人命を無視するような態度で
自動車を
運転した結果人を死傷にいたした場合も、単に
故意犯でないとの理由で
禁錮刑ないし
罰金刑によって処罰せざるを得ないことは、国民の
道義的感覚からいってむしろ不自然に感ぜざるを得ないというべきであります。この
種事犯中、きわめて悪質重大なものに対しては
懲役刑を科し得るものとすることが相当であると考えられるのであります。
次に、
法定刑のうち、
禁錮刑と新たに加えるべき
懲役刑の
長期をそれぞれ五年とする点でありますが、近時における
自動車交通の発達に伴い、主として自
道車運転に基因する
業務上
過失致死傷及び
重過失致死傷の
事案は、一般的にその
過失の態様、
程度のみならず、その
行為の結果において重大なものが
増加しつつあることにかんがみますとき、犯情の最も重大なものに対しても、現行の
禁錮刑について定められた三年をもって責任を評価することはいささか軽きに失すると考えられるのでありまして、諸外国のこの種の
事犯に関する
立法例等をも参酌しますれば、
法定刑の上限をこの
程度に引き上げることが望ましいと考えられ、これにより
過失の態様、
程度及び
行為の結果に応じ
具体的事案に即したより適切妥当な刑の量定をなし得ることとなるのであります。
なお、すでに公表されている
改正刑法準備草案は、第二百八十四条において、
業務上
過失致死傷及び
重過失致死傷の罪に対する
自由刑として、今回の
改正法律案と同様「五年以下の
懲役もしくは
禁錮」を
規定していることを付言いたしておきます。
次に、
附則一項は「この
法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から
施行する。」これは、
改正法の
施行期日を定める
規定であります。
附則二項は「この
法律による
改正後の
刑法第四十五条の
規定は、
数罪中のある罪につき
罰金以下の刑に処し、又は刑を免除する
裁判がこの
法律の
施行前に確定した場合における
当該数罪についても、
適用する。ただし、
当該数罪のすべてがこの
法律の
施行前に犯されたものであり、かつ、
改正後の同条の
規定を
適用することが
改正前の同条の
規定を
適用するよりも
犯人に
不利益となるときは、
当該数罪については、
改正前の同条の
規定を
適用する。」これにつきましては、この項の前の項によりますれば、
改正法の
施行後に
罰金以下の刑に処し、または刑を免除する
確定裁判、以下
確定裁判と申しますが、があった場合におけるその罪とその
確定裁判の前及び後に犯された罪について、
改正法による
改正後の
刑法第四十五条の
規定、以下
新法と申しますが、の
適用があることは明らかであります。しかしながら、
改正法の
施行前に
確定裁判があった場合におけるその罪と、その
確定裁判の前及び後に犯された罪について、
新法の
適用があるかどうかは必ずしも明らかではないので、この項は、その本文におきまして、これらの罪についても
新法を
適用することを明らかにしたのであります。したがって、
改正法施行前に
確定裁判があれば、上記の罪のうち、
確定裁判の後に犯した罪が
改正法の
施行前にあろうと
施行後にあろうと、すべて
新法が
適用されることとなります。これは
確定裁判の前と後に犯された
数罪を
併合罪としない
現行法に比し、
新法は
併合罪とすることによって一般的に
犯人に有利な
取り扱いとなり、また、
新法の
取り扱いによれば
刑事裁判の迅速円滑な運用をはかり得ることとなるので、このような
取り扱いを認めることといたしたものであります。ただ、特定の場合には、
新法を
適用することが
改正法による
改正前の
刑法第四十五条の
規定、すなわち、旧法を
適用するよりも
犯人にとって
不利益と一なることがありますので、
刑法第六条の
趣旨をくみまして、この
項ただし書きで、対象となっている
数罪がすべて
改正法の
施行前に犯されたものである場合において、
犯人に右のような
不利益が生ずるときは、例外的に旧法によることとしたのであります。
第三項は、「
前項の
規定は、この
法律の
施行前に確定した
裁判の
執行につき
従前の例によることを妨げるものではない。」ということであります。この項は、
前項の
規定が、
数罪中のある罪につき
罰金以下の刑に処し、または刑を免除する
裁判が
改正法の
施行前に確定し、その他の罪の全部または一部につき
改正法施行のときまでにまだ
確定裁判がない場合に関する
規定でありますので、その他の罪の全部または一部につき
改正法施行前に
禁錮以上の刑に処する
確定裁判があった場合におけるその刑の
執行については、すべて
従前の例によるべきものであることを念のために明らかにしたものであります。
以上が
刑法の一部を
改正する
法律案の
逐条説明であります。
次に、
経済関係罰則の
整備に関する
法律を
廃止する
法律案の
逐条説明を申し上げます。
第一項は「
経済関係罰則の
整備に関する
法律(
昭和十九年
法律第四号)は、
廃止する。」というのであります。これは、最近の
経済事情にかんがみまして、
経済関係罰則の
整備に関する
法律を
廃止しようとするものであります。
次に、
附則の一項は「この
法律は、公布の日から
施行する。」ということになっておりますが、この項は、この
法律の
施行期日を定めた
規定であります。
第二項「この
法律の
施行前にした
行為に対する
罰則の
適用については、なお
従前の例による。」という
規定であります。この項は、
罰則に関する
経済規定であり、この
法律による
経済関係罰則の
整備に関する
法律の
廃止及び
附則第六項による
罰金等臨時措置法の
改正前にした
行為については、その後においても、
廃止前の旧
経済関係罰則の
整備に関する
法律及び
改正前の旧
罰金等臨時措置法をそれぞれ
適用することを明らかにしたものであり、
一般行政罰則を改廃する場合の例にならい設けられた
規定であります。
第三項「
日本航空株式会社法(
昭和二十八年
法律第百五十四号)の一部を次のように
改正する。第十八条の前の
見出しを削り、第二十条を第二十二条とし、第十九条を第二十一条とし、第十八条を第二十条とし、第十七条の次に次の
見出し及び二条を加える。」これは新たに、第十八条及び第十九条を設けたために、条文の整理を行なったものであります。
「第十八条 会社の取締役、
監査役又は職員が、その職務に関して、
わいろを収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の
懲役に処する。これによって不正の
行為をし、又は相当の
行為をしなかったときは、五年以下の
懲役に処する。 2
前項の場合において、収受した
わいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。」この条は、
日本航空株式会社の取締役、
監査役または職員についての収賄罪の
規定であります。すなわち、第一項は、これらの者がその職務に関して
わいろを収受する等の収賄を行なったときは、三年以下の
懲役に処し、さらに、右の収賄によって不正の
行為をし、または相当の
行為をしなかったときは、その刑を加重して五年以下の
懲役に処する旨の
規定であります。第二項は、収受した
わいろについては、その没収または追徴を必要的なものとする
趣旨の
規定であります。なお、この条は、
経済関係罰則の
整備に関する
法律の第二条及び第四条に相当する
規定でありますが、同法第二条によれば、収賄し、よって不正の
行為をし、または相当の
行為をしなかった場合の刑の
最高限は
懲役七年と定められているのを、
懲役五年と改めているほか、同法第三条に
規定されているいわゆる事前収賄及び事後収賄の各
規定を削除することとしているのであります。これは、最近設立されましたこの会社と類似の組織と機能を持つ各特殊
会社等についての同種の
罰則の構成要件及び
法定刑との均衡を考慮し、その例にならったものであります。
「第十九条 前条第一項の
わいろを供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の
懲役又は三十万円以下の
罰金に処する。 2
前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。」この条は、
日本航空株式会社の取締役、
監査役または職員に対する贈賄罪の
規定であります。すなわち、第一項は、前記第十八条第一項の
わいろを供与する等の贈賄を行なった者は三年以下の
懲役または三十万円以下の
罰金に処する旨の
規定であり、第二項は、 贈賄者が自首した場合においては、
裁判所の裁量により、その刑を減軽し、または免除することができることを定めた
規定であります。なお、この条は、
経済関係罰則の
整備に関する
法律第五条に相当する
規定であり、その
法定刑も、
懲役刑については、これと全く同じでありますが、
罰金刑の
最高限については、
経済関係罰則の
整備に関する
法律においては五千円であり、
罰金等臨時措置法第三条第一項第三号により二十五万円以下の
罰金とされているのを、この条におきましては
罰金刑の
最高限を三十万円に改めることとしているのであります。これは最近設立されたこの会社と類似の組織と機能を持つ各特殊
会社等についての同種の
罰則においてこれと同様の
罰金刑の
最高限を定めていることとの均衡を考慮した結果によるものであります。
次に第四項、「
電源開発促進法(
昭和二十七年
法律第二百八十三号)の一部を次のように
改正する。 目次中「第四十一条」を「第四十三条」に改める。 第四十一条を第四十三条とし、第三十七条から第四十条までを二条ずつ繰り下げ、第三十六条中「前条」を「第三十五条」に改め、同条を第三十八条とし、同条の前に次の二条を加える。」これは第三十六条中「前条」を「第三十五条」に改めたのは、
昭和三十一年の
電源開発促進法の一部
改正によって第三十五条の二が新設されたので、第三十六条中「前条」とあるのも、右の
改正に伴って「第三十五条」と改めるべきであったと考えるので、この
法律を
改正する機会に、この
改正を行なうものであります。その他は、新たに第三十六条及び第三十七条を設けたために、条文の整理を行なったものであります。
「第三十六条 会社の役員又は職員が、その職務に関して、
わいろを収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、三年以下の
懲役に処する。これによつて不正の
行為をし、又は相当の
行為をしなかつたときは、五年以下の
懲役に処する。 2
前項の場合において、収受した
わいろは、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。」この条は、
電源開発株式会社の役員または職員についての収賄罪の
規定であります。その内容等は、前述の
日本航空株式会社法の新第十八条と同じであります。
「第三十七条 前条第一項の
わいろを供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の
懲役又は三十万円以下の
罰金に処する。2
前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。」この条は、
電源開発株式会社の役員または職員に対する贈賄罪の
規定であります。その内容等は、前述の
日本航空株式会社法の新第十九条と同じであります。
次に第五項「
商工組合中央金庫法(
昭和十一年
法律第十四号)の一部を次のように
改正する。第五十条を第五十条ノ三とし、第七章中同条の前に次の二条を加える。」新たに、第五十条及び第五十条ノニを設けたために、条文の整理を行なったものであります。
「第五十条
商工組合中央金庫ノ
理事長、
理事、監事又ハ職員其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ三年以下ノ
懲役ニ処ス因テ不正ノ
行為ヲ為シ又ハ相当ノ
行為ヲ為サザルトキハ五年以下ノ
懲役ニ処ス
前項ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス」この条は、
商工組合中央金庫の
理事長、
理事、監事または職員についての収賄罪の
規定であります。その内容等は、前述の
日本航空株式会社法の新第十八条と同じであります。
「第五十条ノ二 前条第一項ノ賄賂ヲ供与シ又ハ其ノ申込若ハ約束ヲ為シタル者ハ三年以下ノ
懲役又ハ三十万円以下ノ
罰金ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽シ又ハ免除スルコトヲ得」この条は、
商工組合中央金庫の
理事長、
理事、監事または職員に対する贈賄罪の
規定であります。その内容等は、前述の
日本航空株式会社法の新第十九条と同じであります。
第六項「
罰金等臨時措置法(
昭和二十三年
法律第二百五十一号)の一部を次のように
改正する。第三条第一項第三号を削る。」
経済関係罰則の
整備に関する
法律違反の罪につき定められた
罰金について、その多額の五十倍に相当する額をもってその多額とする旨を
規定した
罰金等臨時措置法第三条第一項第三号は、
経済関係罰則の
整備に関する
法律の
廃止により不要となるので、これを削除するものであります。
以上であります。