○
田口(誠)
委員 いろいろその点には気を使って、
法律をつくったり
指導をなされておるということはわかりますが、その実効がまだ乏しいのか、成果があがっておらないという点を、私は指摘をしておるわけであります。それで、まあ端的に申し上げますなれば、同じような事故がどうして同じ職場で何回も起きるかということになりますれば、それはやはりよく検討してみますと、Aという起きた原因があるのに、BやCやDのほうにぐっと金をかけて力を入れてやっても、Aというものを見のがしておりますから、同じような災害が防止できないということなのです。だから、これは簡単といえば簡単なのですよ。労働基準審議会のほうでいろいろ検討するとかどうとかということは、現場の
実情を見ておってやるのではなくて、審議会の場合なんかは、どちらかといえば、中央の労働基準審議会は、まあ法的な面とかそういうような面についていろいろ検討されるのであって、
地方の労働基準審議会のほうがこういう問題を具体的に取り上げてやらなければなりませんけれども、
予算がない。それから実際問題として、
地方の労働基準審議会というのは、極端なことばで言えば、
法律でつくるようになっておるからつくっておって
委員を任命しておるだけであって、全国一律的には言いませんけれども、大半のものはあってものうてもそんなに影響がないということなんです。一年に一回か二回か三回開いて、そこで審議されることはどういうことかというと、何か審議しなくてはいかぬので、災害の事件の件数とか
内容とか、いろいろなものをプリントして、そして
委員がおいでになったときにその場で配って、そして課長さんなり担当者なりがその
説明をする。
説明を聞いて、どうですか、こう言われてみたとて、その場でプリントをもらって
説明を受けたとて、直接
一つの問題に
関係をしておった人なら建設的な意見が出ますけれども、なかなか意見の出るものではないのです。そして、それでは御苦労さまでした、異議なしでプリントをもらって帰るというのが事実なんですよ。だから、実際に労働災害を防ぐために、労働災害の審議会のほうは、これはまた別に具体的にいろいろ問題を取り上げてやっておりますけれども、基準審議会のほうは、性格的にも違いますけれども、いまのところではもう少しここに活躍の場を与えてもらわなくてはならないと思うのです。これは建議をすることができるということだけのことなんですね。建議をして、その建議が中央でどう取り上げられるかということはわかりませんけれども、その程度のものなんです。
一つの
法律をつくって、頭をつくれば下部もつくらなくちゃならないといって形式的につくっておるのであって、労働省はそういうような実際の運営の面の把握が足らないと思うのです。十分に把握されておるとするなれば、七年も八年も前と今日とは相当進歩した
内容でなければならないけれども、どちらかといえば、ところによっては、できた当時はまじめに会も開いておったけれども、
予算の
関係等もにらみ合わしてでしょうけれども、
委員が二人以上連名をして、こういう問題があるから審議会を開いてほしいと
請願を出しても、なかなか腰が立たないというのが事実であるわけです。ぼくらが
地方で審議会の
委員をやっておるときは、全繊から出ておる
委員といつも連名で書いてはぶっつけて、そして審議会を開いてもらってやりましたけれども、やってみても、なかなか労働省が考えておられるような
考え方に寄与することが、現在の審議会の
委員としてできないというのが
機構の実態であるわけなんで、こういう点は検討してもらわなくちゃいかぬと思う。そういう
機構があり、有効に運営をして、そして目的が達成できるようにしてもらわなければ、ただ
機構だけつくっておいたとて何にもならないと思いますので、そういう点につきましても、今後検討をしていただくということで強い
要望を申し上げて、いまちょっとお聞きしましたら、
大臣は社労のほうへ行かれるそうですから、ずいぶんたくさんありますけれども、きょうはこの辺で終わらしていただきます。