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1965-03-18 第48回国会 衆議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十八日(木曜日)    午前十時二十分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 秋田 大助君 理事 上林榮吉君    理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君    理事 栗原 俊夫君 理事 森本  靖君       小渕 恵三君    大野  明君       金丸  信君    木部 佳昭君       佐藤 孝行君    中山 榮一君       本名  武君    井手 以誠君       片島  港君    佐々木更三君       畑   和君    柳田 秀一君       栗山 礼行君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 徳安 實藏君  出席政府委員         郵政政務次官  服部 安司君         郵政事務官         (大臣官房長) 淺野 賢澄君         郵政事務官         (電波監理局         長)      宮川 岸雄君  委員外出席者         文部事務官         (初等中等教育         局審議官)   安嶋  弥君         参  考  人         (日本放送協会         会長)     前田 義徳君         参  考  人         (日本放送協会         副会長)    小野 吉郎君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   田辺 義敏君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   赤城 正武君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   春日 由三君         参  考  人         (日本放送協会         専務理事)   栃沢 助造君         参  考  人         (日本放送協会         総合企画室経営         総務)     野村 忠夫君         参  考  人         (日本放送協会         総合企画室主計         総務)     志賀 正信君         参  考  人         (日本放送協会         放送総局総務) 岡本 正一君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 三月十六日  委員柳田秀一辞任につき、その補欠として森  義視君が議長指名委員に選任された。 同月十七日  委員森義視辞任につき、その補欠として柳田  秀一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月十五日  電波法の一部を改正する法律案内閣提出第一  二一号) 同日  北海道東鷹栖村の市外電話即時通話に関する請  願(安井吉典君紹介)(第一七四〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認  を求めるの件(内閣提出承認第三号)      ————◇—————
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、前会に引き続き質疑を行ないます。上林榮吉君。
  3. 上林山榮吉

    上林委員 御承知のように、昭和四十年度はNHKにとっても、民放にとっても、ある意味では非常に多難な時代であるかと思われるわけですが、私は、まずNHKに対しまして質疑を申し上げ、かつ大臣が来たら、大臣に引き続いてNHKの問題、並びに関連した民放問題等についてお尋ねをしておきたいと思うわけです。  NHKがオリンピックを頂点として、非常に技術水準の高い放送をやって、国内的に、国際的に非常に貢献したことは、私は近来における一つの大きな歴史になるであろう、こういう意味において、その点は深く敬意を表する次第であります。  ただ、そうしたような大きな成果をあげながら、われわれが気になる点は、世帯が大きくなればなるほど、管理部門というところに非常に力を入れて計画を立てていかなければ、結局マンモスのためにちぐはぐになり、マンモスのために所期目的を達することができなくなるであろう、こういうように考えるわけです。  私は、さき申し上げましたように、一部の世間がいうようにNHKを見ておりません。また、一から十までNHKがいいとも考えておらない。けれども、いま申し上げたような意味において、確かに私は大きな貢献をしておる点が多いと思うのです。ことに最近においては、ヨーロッパあるいはアメリカなどからですら、技術水準の高いことを見学にあるいは研修に来るという状態になったことは、これは確かに一大飛躍であると考えまして、今後もこういう点については特に努力をしていかなければならぬのではないかと思います。  そこで、いま私が指摘申し上げました管理部門に対して、今後どういうところに重点を置いてNHK事業を推進していこうとされておるのか、この点は、まず一つポイントだと思いますので、前提として伺っておきたいと思います。
  4. 前田義徳

    前田参考人 お答え申し上げます。  全く先生のおっしゃるとおりでございます。私どもといたしましては、第一次五カ年計画、また、ただいま御審議いただいております第二次六カ年計画の第四年度分としての昭和四十年度予算でも御理解いただけるかと思いますが、いわゆる管理方式について、私どもといたしましては、いままで世界的要請によって伸びてきた事業の範囲をどのように合理化するか、また、全国組織としてこれをどのように運営するか、というこの二つの点に重点を置いております。ただし、一般にいわれる管理部門とか、あるいは編成部門とか、あるいは技術部門とかという、これまでの考え方による各部門の個別的な運営ということは現在は考えておりません。総合的にどのように管理し、どのように経営するかということに重点を置いております。したがって、御承知のように最近の機構の手直しにおきましても、この点をはっきり打ち出してきてまいっておるというように私は考えておりますし、また、同時に、NHKの四十年の歴史の中で、終戦後の二十年と戦前の二十年は、体質的にも非常な変化がございますので、この点を勘案しながら、人員構成との関係で、管理の新しく、かつ合理的な方式を確立してまいりたい、このように考えているわけでございます。
  5. 上林山榮吉

    上林委員 言うまでもなく、一番大きな点は、何といっても近代的な合理化をいかに推進するか、NHKにふさわしい合理化、それをいかに近代的に推進していくかということが一つであろうと思います。  第二点は、その中で働いておる会長から一受付までの従業員方々が、それにふさわしい能力技術品性、そうしたようなものが要求されるのではなかろうかと思うのです。そういう意味合いにおいて、この職員に対する研修あるいは訓練、こうしたようなものを、時代逆行的でなくて、前向きでがっちりしたものにしていくことについて、どういう具体案を持っておられるのか。この辺は、いままでもある程度やっておることを承知しておりますが、この辺で四十年度はひとつ大きくたがを引き締めていくべき時期ではないか。私はそういうふうに考えておるのですが、その点はどういうようにお考えか、お答え願いたいと思います。
  6. 前田義徳

    前田参考人 お答え申し上げます。  この点につきましても、私どもも全く先生のお考え方と同じ立場に立っております。御承知かと思いますが。NHKは足かけ六年前になりますか、中央研修所というものを東京に置いて、全職員の一斉訓練あるいは研修組織的に行なって今日に至っております。研修のしかたその他については、それぞれの担当から御説明申し上げることになるかと思いますが、私どものここ数年来の考え方は、この新しい状態に対処し、また今後のNHK社会的な環境と経済的な見通しの上に立って、すべての職員は定期的に研修を行なう。しかもその研修は、単なる研修のための研修ではなくて、同時にそれは一種の資格能力の判定の部分的基礎とするという考え方で今日に至っております。もとよりこれが現行の形で内容から見て完璧であるということは申し上げられないと思いますが、少なくとも完璧な域にまでこの研修方式と基礎的な考え方を実行に移してまいりたいという努力をいたしております。
  7. 上林山榮吉

    上林委員 私は、特に職員訓練あるいは技術向上、さき申し上げました時代にふさわしい品性の陶冶、言うまでもなくそれは、正しい意味における能率向上になる、ひいてそれが合理化につながる、ひいてそれがあまねく国民に良質の放送をしなければならぬNHK目的を達するというように、資本を半ば超越したような一つポイントになりかねないほど重大な問題だと思うのです。だから、この点は従来にまして今後一そうの御精進を願っておきたいと私は考えます。  そこで、NHKの中に、たとえば本社あるいは大阪の支社、こういうところに二けたくらいのコミュニストがいる。これがいろいろと放送内容について外部とつながり、それぞれいろいろな障害を、外部においてはすでに起こしておりますが、NHKにも起こしてくるのではなかろうか。日本憲法は言うまでもなく思想は自由でございます。だが、思想が自由であるという観点に立って、自分の持っておる思想というものをがむしゃらに、あるいはその他の方法によって、経営内容に立ち入り、あるいは番組編成に影響し、放送方法にこれが影響してくるということになれば、これは管理者としてはしゃんとした考えを持って進まなければならぬのではないかと思うわけです。  かつてNHKにも左翼的偏向放送をやった事実を、私どもは当委員会その他において指摘いたしました。そういうような放送内容方法あるいは経営内容、そうしたものに、思想が自由であるからという理由のもとに、これが介入してくるということを、どの辺でピリオドを打たなければならぬか。これは経営者として、管理者として、私はき然とした態度で御決意なされなければならぬと思うのですが、民放のことはさておいて、NHKのお考えはどうであるかということと、私の言うような懸念というものは全然ないというふうにお考えになっているのか、この点を伺っておきたいと思います。
  8. 前田義徳

    前田参考人 お説のとおり、終戦後の社会的現実の中で、そういう傾向が一般的にあったし、また、現在もあるであろうということは想像されます。私どもは今日約一万五千の同僚を持っているわけでありますが、その一万五千の同僚が、すべて自分考え方を持つということに対しては、私は必ずしもこれを個人的な意味では統制する気持ちは持っておりません。しかし、NHKという公共放送運営するという立場においては、一万五千の一人一人がどう考えようと、NHK社会的責任、それから法律上の義務というものを中心として、私といたしましては、NHK基本方針に従って番組を制作、編成し、それからまた、NHK全体の運営に当たるという基本方針を、これまでも確保してまいっておりますし、今後も、私といたしましては、この立場を微動だもしないように守り続けてまいりたい、このように考えております。  したがいまして、あるいは一部で偏向的な、あるいは少数の力に左右されているのではないかという危惧を抱かれるような印象を与える場合もあったかと考えますが、私どもといたしましては、一万五千がすべてただいま申し上げたような基本的立場を堅持しながら、法律上の義務社会的責任を果たしてまいりたいという決意をいたしております。
  9. 上林山榮吉

    上林委員 会長決意は、言うまでもなく、管理者決意であり、同時に、いま言われた趣旨においては、全従業員のお考えになるだろうと思うのです。私はそのおことばを信頼していきたいと考えますが、三十八年十一月にできました放送関係者共闘会議というのがあります。この内容は、NHK民放労、全電波、これらで構成をしておる共闘会議です。その事務局長、次長は郵政省の全電波から出ております。議長民放労、副議長は、NHK、こういうふうにやっておる。これが労働運動としての範疇に属する間はよろしい。しかしこれが労働運動以上のらち外に出てきますと、私どもはこれを黙殺するわけにはいかない。そういう意味合いにおきまして一つは申し上げたわけです。  ことに、これは郵政大臣にも聞こうと思っているのだが、電監局長、全電波は、言うまでもなく穏健な社会主義者じゃない。大部分人々共産主義者だといわれておる。だから、そういうような意味合いから考えますと、私はこうした共闘会議というものがいろいろ動いておるのを見ておりますと、労働運動らち外に出ておる問題がある。また出ようと計画しておる。これでは、前田会長が、いまNHKに関する限りと言われたから、私は信頼すると申し上げましたけれども危惧の念なきを得ないので、いま申し上げたわけであります。私は、いわゆる経営権に介入してくるというようなやり方に対しては、これはやはりき然たる態度をもって進むべきものであるということを言っておるわけです。ただいまのお答えがございましたので、これ以上この問題は申し上げません。  次に、NHK教育放送をやっておる立場から、当然ではあるけれども、その当然である中に、出発当時から私が期待をし、また敬意を表しておったものに、高等学校通信教育があります。恵まれない子弟に対しまして、NHK公共放送立場から教育放送に力を入れて、そうしてこういう人たちに明るいチャンスを与えようとしておられる点、これは私は高く評価すると同時に、今後これが充実については、ひとつ文部省以上に、あるいは教育者以上に、NHKそのものが力を入れてもらいたいと考える点であります。  そこで、すでに出発してから三年たちますが、この三年の間にどれくらいの人が学んでおるか、あるいは来年度は第四年度を迎えるわけでありますが、来年度には幾らくらいの恵まれない子弟がこのラジオ、テレビを通じて通信教育を受けるか、これをまずお聞きしたいのであります。
  10. 春日由三

    春日参考人 三十九年度におきましては、現在でございますが、一万四千五百名の生徒が在校いたしております。四十年度に新たに一年生として入学いたします者を七千名と考えておるわけです。
  11. 上林山榮吉

    上林委員 これは全国指定校があって、この指定校にときどき通信教育を受けておる人が行って、実際に教員と面接して教育を受けておる、こういうことですが、それはどの程度やっておるか。それから、ほかの一般大学その他でやっている通信教育は、これは夏休み、冬休みに、たとえば一カ月講習をやる、あるいは三週問続けて研修をやる、こういうふうにして、いわゆる耳で聞き、目で見ただけの教育にとどまらずに、ここで教育内容の強化をはかっているんですが、NHK通信教育はどういうふうにやっておるのか、これを聞きたいのであります。
  12. 春日由三

    春日参考人 先生承知のように、通信高等学校の場合、ラジオを利用している場合には、先生のいまの等指摘のスクーリング面接教育の三割が免除になって削減される。テレビジョンだけ利用している場合は五割が削減される。それからラジオとテレビジョン両方利用している場合には、スクーリングの六割が免除されるというふうな形でございますから、いまの通信高等学校の通常の状態では、年間約二十日間のスクーリングという規定になっておりますので、それの六割、十二日程度スクーリングが免除されますので、八日程度が最低必要な項目となっております。  いま御質問のございました、どういうふうにスクーリングをやっているかということにつきまして、三十八年度の実績では、東京の国立にございます本校で月四回、それから協力校で月二回平均行なわれております。  なお、御参考までに申し上げますが、協力校全国で七十五校ございます。それからそのほかに、私どもは、単なる本校及び協力校規定どおりスクーリングのほかに、先生生徒一緒になって勉強し合う。そのことは、また添削とかその後の勉強にも非常にいい影響を及ぼしますので、合宿スクーリングというものをやっております。合宿をいたしまして、寝食をともにいたしまして、先生生徒一緒勉強、これが本校においては年六回、二月に一回平均ですが、地方におきましては年十六回、これを合わせまして所期効果をあげるような努力をいたしております。
  13. 上林山榮吉

    上林委員 その通信教育関係者には、NHK職員の中に、たとえば教育者的な人、あるいは教育者であった人、こういうような人々組織が入っておりますか。それとも、従来のNHK職員便宜そういう仕事を担当しておるということになるのかどうか、この点を。
  14. 春日由三

    春日参考人 学校事務といたしましては、NHK職員経験を持った者、あるいは便宜NHK職員の者が出向しているという場合もございますが、いわゆる教える先生方につきましては、新たに教える先生資格を持たれた方々通信高等学校就職していただいて、専門家が教えておるわけでございます。したがいまして、先生の中にはNHK職員である者はいないというたてまえでございます。
  15. 上林山榮吉

    上林委員 これは、NHKは単に——極端なことを言えば機械的に放送すればいい、これは専門家人たちがそれぞれの立場からタッチしていただいておるのだからそれでいいのだ、こういう考え方はもうぼつぼつ改めていいんじゃないかと思うんです。私はそれに携わる職員の一部の者は、やはり教育経験者というものが、あるいはそういう方面の教育を多分に受けた人が入って、実際教育に当たっておる方々とともにその橋渡しとなって、これがめんどうを見ていくくらいのきめのこまかいNHKのあり方でなければ、ほんとうの教育効果というものをあげることはできないんじゃないか、こういうように考えるわけです。その点は、一つの研究問題として善処願いたいという程度に申し上げておきます。  そこで文部省の方が見えておると思いますので、文部省の方に便宜お聞きいたしますが、いまNHK通信高等学校として通信高校講座をやっておるわけです。それから、十二チャンネルが、これまた通信工業高校講座をやっているのです。略称は通信高校講座というわけですが、そういうふうにやっておるわけです。これは通信高等学校令によって二つとも許されておるわけですか。ただ、それに準拠してこういう学校NHKも十二チャンネルもつくっておる、こういうことですか。
  16. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 十二チャンネルでやっておりますものは科学技術学園高校というものでございまして、これもNHK学園高校と同じように、学校教育法に基づきまして高等学校通信教育として施行されておるものでございます。
  17. 上林山榮吉

    上林委員 僕の言う意味がよくわかっておらぬ。僕の言っておるのは、いわゆる高等学校令によっているのかよっていないのかということ。同時に、それは高等学校令によって認可を受けたものかどうか。ただそれに準拠してかってにやっているのかどうかということです。そこをはっきりしてもらいたい。
  18. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 おことばでございますが、現在高等学校令というものはございません。学校教育法の中に高等学校という章がございまして、その法律に基づいて認可されておる正規の課程でございます。
  19. 上林山榮吉

    上林委員 高等学校令と僕が言ったけれども、それは法律のことだよ。だから、それはないが、こういう法律に基づいてできておりますと言えばいいでしょう。そういう答え方があるかね君。あなたの答弁があいまいだから再び言うわけなんだよ。そうすると、それはいま学校教育法によって認可されたのか、準拠しているのかということなんだ。認可ですか。
  20. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 認可でございます。
  21. 上林山榮吉

    上林委員 認可であれば、これは言うまでもなく、正規通信高校としての資格を十分に持っておるわけで、それを卒業すれば、所定の試験を受ければ、言うまでもなく大学にも進級できる、こういうことになるわけですが、そこで、私は文部省にも希望したい点は、ネコもしゃくしも、経済が許そうが許すまいが、頭がよかろうが悪かろうが、だれでもかれでも高校に入れなきゃならぬという思想を持っておる人たちが一部いるんですよ。これはあながち一から十まで私も悪いとは言わぬけれども、それは事情に適しない考え方なのですね。家庭経済上、上の学校に行こうとしても行けない階級がおるわけなんです。それで、育英資金を出してやっても、まだ十分に行けない家庭が多いわけです。こういうものは働きながら勉強して自分理想を達成していこうとするわけなんですね。そういうわけなんですが、通信教育の卒業生、これは私がいま指摘している二つ学校ではなくして、通信教育を受けた学生の就職状況高等学校を出たと同じ待遇を与えられているかどうか、そういう状況は一体現在どうなんです。
  22. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 的確な調査は私どもいたしておりません。現在資料を持ち合わせておりませんが、一般的に申しまして、通信教育を受けておる生徒は、現に職を持っている者、ないしは家業に従事している者が多いかと思います。したがいまして、新規学卒者と同様に就職上の差別扱いがなされているとか、あるいは待遇に差等があるというような問題は、おそらくは現実には起こっていないのではないかと考えております。
  23. 上林山榮吉

    上林委員 あなたは私の質問に半分しか答えていない。というのは、就職状況はどうかとの質問に対して、そうであろうという想像論だ。不親切きわまるものだ。就職上の問題は起こらないであろうということは、ちょっとおかしいですよ。起こっているのです。パーセントは別として起こっています。  その次に、昼間の高校を出たと同じ待遇を、卒業して卒業証書を持ってきたら与えておる現実なのかということを聞いておるのです、第二問は。そこまで文部省思いやりを持って教育していけば、恵まれない、通信教育を受けている生徒が、明るい理想を持って世の中のために貢献するのだ、よけいな高等学校をたくさんつくらぬでもいいことになるのです。高校の全入運動などという、そういう共産党めいた運動どもしないで済むのです。また、いわゆる労働能率を上げていく階層をつくっていく上においても必要なんです。これは非常に重要な仕事をしているわけだ。それを案外に文部省もしかたなくやっている、私は血が通っていないのじゃないか、こう思うのです。そういう意味できょうは来てもらったのです。NHKとか、あるいは十二チャンネルとか、そういうところで、いわゆる教育基本法学校教育法か、そういうものによってやっているわけです。ひとつ文部省は、恵まれない、働きながら勉強している者に対する態度を、官僚的な思想、形式的な思想、そういうやり方を払拭して、もう少し私は思いやりのある行政をやってもらいたいと思うのです。それで来てもらったわけです。  そこで、会長に伺いたいのですが、いまお聞きのとおりです。文部省は少しは力を入れておるが、あまり力を入れておらぬ。残念なことです。だが、NHKにひとつ模範を示してもらいたいと思うのは、今度通信高校を卒業した者が、大学通信教育NHKを通じて受けられるように、あと一年たったらなるんじゃないですか、それとも計画があるかどうか、この辺のところを、やはりつなぎを考えてもらう、四年で卒業するのですから、再来年度は是が非でも大学通信講座を設けて、それを卒業したら、昼間の大学を出たと同じような待遇社会が与え得るような実力をつくる機会を小まめにひとつやってもらいたい、こう思うのです。これが一点。  それから第二点は、来年、再来年のことですけれども、この通信高校のうちで、文部省はほとんど一〇〇%就職の必要はないと言うのですけれども、中には、NHK通信高校を出たのだから、NHK試験を受けてNHKに入りたいという青年諸君も、私は出てくると思うのです。こういうものに対しては、会長、りっぱな青少年であれば、昼間の高等学校は出ていない、NHK通信高校しか出ていないけれども、これを十名なり二十名なり、NHKの事情の許す範囲内でけっこうですから、ひとつそういう門を開放してもらいたい。再来年のことですけれども、そういうような考えを持っていけば、この通信教育はもっと血の通ったものになって、非常に恵まれない日本の青少年が、NHKを通じて社会に立っていくわけなんです。この点に対してどういうように考えておられるか。
  24. 前田義徳

    前田参考人 お説のとおり、私どもは、この通信高等学園をつくるに際しまして、その点まで検討いたしております。私といたしましては、当委員会にも適当な時期におはかりを申し上げて、第一回の卒業生が出る再来年度においては、それが四年制の大学になるか、あるいは短期大学になるか、これはやはり経営の基礎との関連もございますので、私といたしましては、適当な機会に当委員会の御意見を伺い、また御審議を願いたいという心がまえを持っております。また通信高等学校の卒業生に対しましては、私といたしましては、もしNHKに入りたいという希望のある卒業生に対しては、一般高等学校の卒業生と同様の処置をいたしたい、このように発足当時から考えております。
  25. 上林山榮吉

    上林委員 発足当時、私も当委員会で、あるいは予算委員会でこの問題をひっさげて進言したことがあります。そういうふうにしたらいかがですか、これに対して、その当時から、いま会長が言われたようなことを前の会長から聞いております。その方針が変わらずに、いよいよあと一年たつとそれが実行期に入るわけで、このことがもし通信教育を受けておる諸君の耳に入ったら、それこそ一つの明るい理想をさらに持つのであろう。NHKに限らず、NHKがまずそういう門戸を開放すれば、ほかのところも開放するであろう。卒業証書を持って帰ってくれば、いままでは中学卒として待遇しておったけれども、直ちに高校卒業生として待遇を改善してくれるであろう、こういう期待を持たせること、あるいはさらに進んでは、大学通信教育を受けても、成績がよくて、人柄がよければ、社会は見捨てていないのだ、青年はたくましく進むべきだ、こういう気概を与えるのじゃなかろうか、私はこう思っておるわけです。私は、もっとこういう問題は、NHKも遠慮せず、ひとつPRをしていいものではなかろうか、こういうように考えます。  そこで、これは言うまでもなく、NHKは国内的にできるだけ放送を充実していかなければならぬということですが、しかし、さりとて世界のいわゆる孤児、あるいはひとりよがりになってもいけないわけでございます。最近十七カ国の正会員あるいは九カ国の準会員をもって組織されておるアジア放送連合のことでございますが、あれが発足してからどういう影響を東南アジアに与えておるか。  それから時間の関係で申し上げますが、東欧のOIRT、アフリカの放送連合、それからアメリカのAIR——南北アメリカ放送連合ですね、こういうふうに各ブロック別にみんな放送連合が世界にできつつあるし、いな、もうできておるわけですが、このブロック別の放送連合は、世界放送連合というところにまで進んで、共同の利益、交流あるいはそれぞれの放送向上技術向上という点について共通の点があるだろうと私は思うのです。こういうことに対して遠慮せずに——こういう問題を遠慮しておったらできません。だから、分に応じて、立場をよくお考えになって、こういう問題についても、それぞれ手を伸ばすべきである、こういうように考えるのでございます。もちろんそのためにたくさんの費用を使い過ぎたり、国内の放送を充実する妨げになったりしてはならないわけですが、その一線をはずれない限り、必要であると考えておりますが、これに対する考え方参考に伺っておきたいと思うのであります。
  26. 前田義徳

    前田参考人 その点につきましては、お説のとおり昭和三十二年以来NHKは、少なくともアジア地域においても放送連合体をつくるべきであるという考え方に立ちまして、アジア関係諸国の放送機関との間に数回にわたって会合を開き、ようやく一昨年のクアラルンプールの会議におきまして放送連合をつくろうということが各関係機関の間で一致いたしまして、その放送連合憲章の起草委員会がクアラルンプールの会議で結成され、これに引き続いて一昨年の京城の会議で連合憲章が成立し、これに基づいて昨年十一月シドニーにおいて正式のアジア放送連合の第一回総会が開かれたわけでございます。  そういう背景があったということをあるいは表現するかもしれませんが、私はからずも、その総会において、初代の放送連合の会長に選出され、そしてまた副会長としてはインド放送会長、アラブ放送連合の協会長が就任してくださいまして、事務総長としてはごく最近までオーストラリア放送協会の会長をつとめた方が事務総長になってくださることを快諾され、この一月一日から正式にその事務局も発足いたしたわけであります。  私は、この過去九年間のNHKを中心とするアジア並びに南太平洋地域の各国放送機関が、全く一致した立場で、しかも先ほど来先生も御指摘されましたように、NHK放送歴史というものを通じて、アジア各国がいかにNHKに対して親近感を示してくれているかという点については、今日依然として深い感銘を受けております。  私は放送事業の、しかも日本の公共放送の責任者でございますが、このアジア放送連合の運営につきましては、会長の任期内において、私はNHKというこの立場に立たず、アジア全体の放送向上放送を通じての諸国民の理解を深め、同時に、文化をお互いに助け合いながら向上させていくという方向に、全力を尽くしたいと考えておりまして、この点については、去年十一月のシドニーの第一回総会においてはっきりした決議となってあらわれております。  御質問の第二点に関連してまいりますが、東欧放送連合機関、西ヨーロッパの放送連合機関、アフリカの放送連合機関及びアジア放送連合はほぼ時を同じくして世界放送連合の結成についての決議をいたしております。これと関連しまして、南北アメリカにも基本的に異論はございません。したがって、ことしの後半から少なくともすでに結成されている各地域の放送連合の会長ないし事務総長の会合が持たれることになると思います。私といたしましては、単にNHK会長としてばかりでなく、国際社会における日本の立場、特にアジアにおける日本の立場というものを十分に考えながら、私はアジア放送連合の会長として、最終目標である世界放送連合の結成に微力を尽くしてまいりたいという決意を固めております。何ぶんよろしくお願い申し上げたいと思います。
  27. 上林山榮吉

    上林委員 大臣が参議院の審議の関係で時間があまりないということでございますので、うんと用意してきているのですけれども、要点を二、三お尋ねしておきたいと思います。  まず第一点は、先ほど少し話が出たのでございますが、三十八年十一月にできました放送関係者共闘会議というのがあります。大臣御存じですか。これはあなたが監督しておる全電波、それから民放労NHK、この三つでつくっておる共闘会議でございます。しかも全電波には共産主義者が非常にたくさん入っているということですが、大臣はそういう点を御存じかどうか。そうしてこの会議事務局長は全電波から出ております。次長もまた全電波だと思います。議長民放労、副議長NHK、こういうふうに役員を占めておるわけですが、これが法を守って、しかもその範囲内での労働運動であるならば何をか言わんやと思います。しかし、そのらち外に出て、これが経営内容に介入してくるということになりますれば、これは大臣、そのままにいかないのではなかろうかと思いますが、まずこの基本点をどうお考えになりますか。
  28. 徳安實藏

    徳安国務大臣 お説のとおりでございます。私もさように考えます。
  29. 上林山榮吉

    上林委員 大臣が公開の席上ではっきりと言われたのでありますから、私はそのおことばを信頼申し上げます。そして、ことに役人である全電波の諸君が、組合運動以外の方法で、たとえば放送法の改正に対して一から十まで反対運動を起こすとか、あるいは、たとえば日本テレビにもフジテレビにもあったことですが、日本テレビの場合は「列外一名」というのを制作して上映しようとしたが、上映できなかった。それからフジテレビの場合は「自衛隊飛び歩き」でございましたか、これに反対をしておるわけでございます。ここは非常に微妙なのですよ。私も単純には割り切りませんけれども、しかしことに不可解なのは、番組向上委員会というのがあるでしょう。学者や経験者を集めて番組向上をして、いわゆる白痴化を駆逐しなければいかぬ、ほんとうの番組向上をしていかなければいかぬ、こういう問題に対して、反対運動を起こしておりますね。どう思います。この場合は主として民放ですが、経営権に対する介入というふうにお考えになりますかどうか、どうです。
  30. 徳安實藏

    徳安国務大臣 各放送関係に共産党の諸君が相当あるというようなことは私も耳にいたしております。したがって、これも合法政党でございますから、合法政党としての立場から逸脱した行為をなされない限りは、これは認むべきだと思いますけれども、しかしいまお話のように、中立性を守り、最も公平であらねばならぬ放送番組等に対して、そうしたものの圧力によってそういうものが取捨されるというようなことは、やはり放送法の精神にも反すると思いますししますので、そういう事態が起こりますれば、私の知らぬうちに葬られてしまえば別問題でございまするが、そういうことがはっきりわかりまして、御相談でもありますれば、現在の法のたてまえから申しまして、放送番組等は、何ものにも侵されない、政府といえども権力をもってこれをどうすることもできない、自主性をかたく堅持しておるものでございますから、それが他のものによって左右されましたり、あるいは取捨されますというようなことは、これはまことにおそるべき思想でもあり、慎むべきことだと思います。この点につきましては、今後も十分気をつけまして、少なくとも放送番組が、ある特別な人の意思によりましたり、あるいはスポンサーなどの外部の力によったり、そういうことがないように、しばしば機会あるたびに注意はしております。今後におきましても、その点につきましては十分気をつけたいと思います。
  31. 上林山榮吉

    上林委員 この問題は、あなたが想像される以上に活躍して、それぞれ困っておる状態でございますから、もう少し御研究になって、そして高い次元からそういうことがないようにあなたの部下を御督励になって、各方面の知識も活用して、そういうことがないような方向に、さらに一段と善処をしていただくということで、この問題はおきますが、最近私が不思議に思っておる点は、RN構想に対する、さっき申し上げたような組合なり共産党なり共産主義者なり、こうしたような方面の反対運動が熾烈に起こっておることですね、これはあなた方はどういうようにごらんになりますか。
  32. 徳安實藏

    徳安国務大臣 私のほうにはまだそういうものが寡聞にして提出もされておりませんし、意見の開陣もございませんので、あるいは、まことに寡聞であるかもしれませんが、一応すぐ調査はいたしてみます。要するに一国民としてなされる自由の許された範囲においての行動はいいと思いますけれども、やはり先ほど申し上げましたような、放送そのものは何ものにも侵されないという立場から考えまして、意見を言われることはいいと思います。これは何人も意見を言っちゃならぬということはないと思いますけれども、力で圧力をかけて、そうしてそれが曲げられるというようなことがあってはいけませんので、やはりこれをきめるほうも、もちろん自由意思によって、何ものにもとらわれなく、各方面の意見を参酌しながら公正妥当なものをきめるべきものであるし、また、言うほうも、それでへし曲がるような考え方じゃなしに、一国民としての正しい声を反映させるということでなければ、これは承知できないと思いますが、そういう限度内においてやっていただきたい、こう考えております。その他の点につきましては、一ぺん私のほうでも調査してみます。
  33. 上林山榮吉

    上林委員 RN構想ということは御承知ですか、電監局長
  34. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 私不敏にしてRN構想ということばを存じておりません。
  35. 上林山榮吉

    上林委員 かいつまんで言えば、結局は、いわゆる合理化をやるとか、あるいは系列化になってしまうとか、こういうことですね。これは地域放送と地域放送でない全体の放送との調和ということになるのでしょうが、これが首切りにつながるとか、あるいは整理につながるとかいうような意味で反対しておるわけです。専門語か略語かよく知らないが、いわゆるネットワークの問題だと思うのですが、こういう問題に対して非常に反対している。しかもあなたのところの全電波が非常なる熱心さをもってやっておる。こういう点はどういうふうに考えておられるかという点を聞いておきたかったのですが、御研究した上でということであるから、時間がないので私も残念ですが、ここでこの問題はほこをおさめます。おさめますが、これはある程度は推進していかなければ時代におくれるのである。それがあまり急であったりいろいろしてくると、反作用が大きいからできないというだけの問題で、一から十までだめである、これは首切りに全部つながるのだ、こういうような反対運動は、これも私は行き過ぎだ、こういうふうに考えているので、この問答は、時間をあらためてまたやらなければ結論はすぐは出ないと思いますので、もっとあなた方のほうでも用意してください。私ももっと、ひとつ一皮むいて質問をさしていただきます。  そこで、大臣、十二チャンネルの問題です。これはあなたも御心配になっていると思う。昭和四十年度の一つの注目を浴びている課題です。これについてまず私の聞きたいのは、協力会の会費の集まりぐあいは、予想の何%ぐらい集まっておるかということ。それから、視聴率は幾らぐらいであるかということ。それから、スポンサーからセールスで集まる金が予想のどのくらいに当たっておるかということ。それから借り入れ金が、いまいろいろ借りておりますが、あるいは担保に入れたりしていろいろ借りておりますが、これがトータルで幾らになっておるか、三十億円をこえたともいっておりますが、どのくらいになっておるかということ。この点をまず伺ってから続いて質問をいたしたいと思います。
  36. 徳安實藏

    徳安国務大臣 十二チャンネルが各方面から注視、注目されておりますことは、お話のとおりでございます。いまお話のような数字的なことにつきましては、政府委員から答弁することにいたします。
  37. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 第一番目の御質問でございますが、協力会費の問題でございますが、免許に際しまして、予定の事業収入の年間十五億のうち約十二億円は協力会費から入るものと見込んだのでございますが、これが純然たる協力会費として入らなかったというような事情があるようでございます。約一億円に満たない額が協力会費として入っているというのが第一の御質問に対するお答えでございます。  第二の御質問の聴視率の問題でございますが、教育放送関係といたしまして、聴視率はほかのものと比べまして低いと申し上げて差しつかえないのでございます。その詳細なる数字につきましては、ただいま手元にございませんが、非常に低いということはいわれております。  それから負債、借り入れ金等の問題でございますが、建設に要しました全額約二十四億円を財団債と借り入れ金によってまかなっているということでございますし、最近におきまして協調融資五億円を受けたということも聞いておりますので、建設費の二十四億円と合わせましてその程度のものが、お説のように財団債、借り入れ金という形になっているわけでございます。
  38. 上林山榮吉

    上林委員 それから事務当局からでもけっこうですが、番組は、免許当時の区分は、教育放送が七五%、報道放送が二五%となっておりますね。七五対二五の比率となっておるわけですが、現在はどうも計算をしてみませんけれども、われわれはときどき十二チャンネルをひねって見ているのですが、これが守られておりますか。どうも守られていないように見受けられるのですが、その点いかがですか。
  39. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 そのような御批判があることも耳にしております。このたびの再免許の申請にあたりまして、はたしてこの条件が守られているかどうかということは、十分に審査しなければならないことでございますので、番組計画と同時に十分に守られているかどうかを判定するに足る資料といたしまして、一週間を通しました番組をサンプルとしてとるとかいうような方法によりまして、よくその内容を検討いたしたいということで、ただいま再申請書を審査している段階でございます。
  40. 上林山榮吉

    上林委員 電監局長をいじめるわけじゃないのだから、誤解のないように願いたいのだが、いまあなたは、六月ごろにならなければ、免許のときにならなければ、いま調べておるからその。パーセントはわからないというような答弁のようですが、これはそのときになって調べてようやくわかるというのでは、世間のいろいろな批評に対する答えにならぬのではありませんか。将来どうするかというような建設的な問題は別として、現時点においては、ありのままをお互いが知るということがやはり必要じゃないでしょうかね。そういう意味で私聞いておるのですが、どうなんですか。
  41. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 お説のように、この番組につきましては条件がついておりますから、われわれとしても当然十分の注意を払って見ていかなければならないことだと思います。ただいままでの報告によりますと、教育番組につきまして七七・四%、教養番組が九・六%、これは三十九年九月二十日から九月二十六日までの一週間の実績、これが先ほど申しました一つのサンプルとしてとったものでございますが、財団側によりましてこういうような報告が来ております。しかしながら、この内容につきまして、はたして教育と分類したものがほんとうに教育番組であったかどうかというような点につきましては、なおしさいに検討の要があろうかと考えておる次第でございます。
  42. 上林山榮吉

    上林委員 大臣事務当局の話をかねて聞いておられるから、もうよくおわかりと思うのですが、この免許をめぐる進行中の裁判ですね、これはどこまでいっていますか。まだ高裁で係争中でしたか。いまどういうところまでいっておるか、これもやはり知っておく必要があると思うのです。また、その裁判を気にして郵政当局が、たとえば免許当時の七五%を守らせることは、これはよろしい。だが、それをはるかにこえて、一時的ながら七七コンマ何がしというように視聴率を上げさせた、こういうことはないのですか。認可当時は七五%なんですね。ところが、裁判問題なんかがあるので世間が注意しておる、そういうことから、科学技術教育放送として出発したのですから、七五%が、いまの説明によりますと、わずかの間ではあるけれども、七七コンマ幾らに引き上がっておる、こういう話のように受け取ったのですが、それは十二チャンネルが自発的にやっておるのか、それとも郵政省が途中において、世間の批判もあるから、裁判もあるからということで、何か注意をしたのかどうか、こういう問題です。
  43. 徳安實藏

    徳安国務大臣 裁判のほうは、高等裁判所でただいま係争中でありまして、八回の裁判が行なわれまして、次に行なわれますのが九回になるわけであります。私どももいろいろな資料等も求められておるわけでありますが、その見通しは、まだいつかということは見当がつきません。  さらに、ただいまの放送番組の問題でありますが、これは最初から訴訟になっておりますので、急にいまそういうものをつくったとは私ども考えておりませんが、しかし一応は監督の責任がありますから、そういう批判があるたびに、私どものほうでも、機会あるたびに十分条件を守るようにということの注意くらいはいたしておると思います。ここに書き出しておる期間だけ特にその注意のもとにやったものとは考えませんが、もしそういう疑いがございますれば、他の期間も摘出いたしまして調査いたしたいと思います。
  44. 上林山榮吉

    上林委員 オリンピック当時、NHKがいろいろと協力して番組も活発であったようですが、最近はいろいろな意味でどうも初期の勢いはないように見受けられるわけですが、これについてたとえば科学教育放送公社もしくは特殊法人として経営をやり直したいから、そういう方向でひとつ大臣何とかしてもらいたいというような陳情を受けたことがあるかどうか。それがないならば、何らかの形でそれに類したことがあったかどうか、この点をひとつ伺っておきたいと思います。
  45. 徳安實藏

    徳安国務大臣 現在の経営者も、最後における問題につきましては、非常な慎重な態度をとっておるようであります。同時に先ほどお話がございましたように、各方面からの批判等もございますし、裁判等の関係もございますから、私も慎重な態度をとっておるわけであります。  そこで、再免許等に直面いたしまして、今後どうあるべきかという問題について、現在の責任者が相当に慎重な考慮を払っておられることは事実のようであります。一応形だけの再建と申しますか、つまりつじつまの合う今後の計画というようなものも、今回の再免許にあたって出ておるようでありますが、いろいろ世間の批判もございますので、そういうものをただまるのみにしていくこともいかぬことでございますから、十分私のほうでも検討を加えますし、向こうのほうでもさらに考慮されて、そうしてどこに出しても非難されないような再建計画というものがあるならば示してほしいという話はいたしてございます。ただ、こういうことにしてこういうような公社でもつくってこうだというようなことにつきましては、あるいは裏のほうで非公式にそういう話はあるかもしれませんが、私のほうに、そういうような公式な話は一つも参っておりません。
  46. 上林山榮吉

    上林委員 この問題は、大臣が再免許を控えて慎重に扱いたい、こういうお話であるので、私もこれ以上はお尋ねをいたしません。  そこで、この問題に関連してお尋ねしたいことは、全国から再免許の申請がほとんど出るわけですね。その再免許の申請が出た場合、一社ぐらいは、再免許まかりならぬ、いままでの実績その他からいって、どうもふさわしくないので、御遠慮願いたいというのが、一社くらいありますか。あるいはそれがないとするならば、書類の中に注意を喚起して、こういう方面に配慮が足りなかったと思う、将来は御注意願いたい、こういういわゆる条件をつけて再免許するものが二、三ありますか、一つもないか、これをまず承っておきます。
  47. 徳安實藏

    徳安国務大臣 非常に意味深長な御質問でございますので、私も答弁はきわめて慎重にしなくちゃならぬわけでありますが、いま、向こうから参りました書類について、概括的に一応の荒削りの調査はいたしております。しかし、ほんとうの最後のよろしいという調査の段階にはまだいっておりません。荒削りだけの調査でございますが、その中におきまして、いろいろといまお話しのような問題も世間にはいわれておりますし、さらに、こちらのほうから許したもので、それが満たされていないものも少しあるようであります。そういう点が、どういう事情で満たされていなかったか、あるいは満たす意思があるのかないのか、そういう点につきまして、ただいまそういうものも調査いたしております。  それがもし故意にしなかったとかなんとか、その条件を不履行であるという問題が明確になりまして、その理由等も首肯し符ないものであるといたしますならば、あるいはこれはある程度まで注意をしなければならぬと思いますし、それがどの程度の注意、どの程度の戒告、どの程度に処置すべきかということは、今後に残された問題であろうと思いますが、私どもはできるだけ今後放送法の精神にのっとりまして、そうして将来に悔いが残らないように、世間から非難を受けないような形のりっぱなものをつくりたいということで、いま調査いたしておりますので、そういうものは何件でどうかという具体的な問題につきましては、いますぐにはちょっと申し上げかねる段階でございますから、お許しいただきたいと思います。
  48. 上林山榮吉

    上林委員 私が、答えにくい問題を、しかも率直にお聞きした精神は、大臣もおわかりだと思います。だから、あなたの答弁も、それでこの段階では私はけっこうだと思います。  ただ、申し上げたい点は、あなたは人柄のいい人だから、ほかの閣僚にはまたなられると思いますけれども、おそらく郵政大臣にはおなりにならぬかもしれない。こういう時期に、だれかがちっと思い切った、腹を据えて、こうしたような方面に、いわゆる是正のほこを向けるというような行き方でないと、これは百年河清を待ってもいまの日本の状態ではできないわけですね。私はそういう意味から申し上げたのです。そしてまた、世界にその例があるのです。世界に手本があるのですよ。そういう手本を、放送法の改正などにも、あるいは再免許のときにも、やはり考えていくべきなんです。  いま私は、お互い知り合った仲ですから、歯に衣を着せながら申し上げているけれども、ほんとうは、私は、外国の例を参考にして、もうこの辺で日本もカーブを切っていかなければ、いまの、たとえば放送一つ考えてみても、一方のほうからは右翼的な放送じゃないか、一方のほうからは、極左的な放送が多いじゃないか、NHKは、大臣の答弁をわずか一分して、労働組合の答弁は四分もやったではないかというように、一方からまた言われるのですよ。だから、そういうような意味から、番組の自主規制はこのままでいいだろうか。また、番組の自主規制によってそうしたような偏向放送というものはなくなると、いままでの御体験から思われるかどうか。何らないのですよ再免許のきめ手というものは何一つないと言っているのです。だから、単なる利潤の追求になってしまったり、内輪がもめたり、権力争いが出たり、この国民の電波を利用して勢力争いが出ているじゃありませんか。だから、この点については、ほんとうに私はすべてを超越して申し上げているのです。  こういうことを言えば、われわれ、一部の人々からきらわれるということも知っております。知っておりながらもこれを申し上げなければならぬ。だから、大臣に一言申し上げたいことは、いまの自主規制だけで番組編成がうまくいくかどうか、あるいは、再免許については、いまのままの制度で十分だとお考えになるのかどうか、これを最後のポイントとして締めくくりに質問申し上げますから、あまり歯に衣を着せないでひとつ御答弁願っておきたいと思います。
  49. 徳安實藏

    徳安国務大臣 私も就任以来、番組につきましては始終気をつけておりますし、また各方面からの批判も指導もひんぱんに行なわれまして、満足していないことは事実でございます。  ただ、現在では、ああいうりっぱな放送法ができておりまして、これは衆参両院が衆知を集めて、数回にわたって継続審議なさってできたものでございまして、しかもその内容は、権力の介入というようなものに対しては十二分の、最大の注意を払われ、すべて自主的だという大きな眼目を立てて、そのもとに集約されたような法律でございます。  でありますから、いまの法律そのままで考えてみますと、各当事者の自主的な判断に待つ以外には手の下しようがないというような、そのときはそういうことでございまして、再免許にあたりまして、そういう放送法の精神を逸脱するようなものがあれば、これに対して勘案することはできますけれども、それ以外には、自主的にやってもらう以外にはないというような法のたてまえであります。  そこで、いろいろ皆さんから御注意がございますから、その注意のあるたびに関係者に注意を喚起しているわけでございますが、いまの自主的な、法律上認められております委員会というものは、私は忌憚なく言って、法で期待したような結果は出ていない、かように思います。と申しますことは、かりにある方から御注意がございまして、私どもも、なるほどこれはちょっと行き過ぎではないかなと思うものもございますから、そうした問題につきましては——これは超党派的な問題でございます。そういう問題について注意を喚起する場合がございます。自主的に、事業者が自分のところでそういう設備を持っておるわけでありますから、私のほうで何日か経た後に注意したときには、実はそういう問題については、もう私のほうで、こういう関係についてはこうしました、あるいは、こういうぐあいに悪い点がありましたので今後気をつけますとか、何か返事があるべきでございますが、そういうときに注意しますと、ああ、そういうことがございましたか、ではひとつ調べましてということがほとんど全部でございます。してみると、自主的にやっていくということは、やっていく形はありましても、お雇いの委員諸君が形式的にやっておられる。しかもその職員がだいぶその中にも入っておるということで、極端なことを言えば、ただ法をごまかしておられるのじゃないかというような節もあります。これはまことに私は遺憾だと思います。  そこで、機会あるたびごとに私がやかましく言うものですから、少しくらいはきらわれておると思いますけれども、これはやはり私ども監督の立場におきましては、注意を喚起することはあたりまえだと思っております。最近、NHKあるいは民放等におきましても、責任者等において相当にこれはお考えになったと見えまして、本年の春、協力して委員会、懇談会というようなものをこしらえて、それによって自主的に向上発展をはかりたいということで、規約も拝見いたしましたし、それからりっぱな方々のお名前も拝見いたしました。それによってできれば、非常にけっこうだと思いますが、しかしあまりにも有名過ぎる人ばかりで、上のことはわかるかもしれませんが、下々のことはわからぬのじゃないかと私は思います。ですから、そのときに注意いたしまして、これはまことにけっこうな計画ではありますけれども、どうも雲の上の諸君ばかりでおきめになりましても、ほんとうに各界、各層、裏長屋の諸君等の意見をくみ入れるにはどうも私は不満足だと思います。形を変えて、もう少しそういう方面からの要望等を吸収される策を講じられてはどうかという話もいたしました。ところが、その御回答によりますと、いや、一応この七人なら七人が主になってやるのですけれども、私どもが世論を調査して、そうして各民放あるいはNHK等に示唆を与え、また参考資料を提供し、そうしてこれを国民の前に発表するに至るまでには、各層、各界、婦人層も、青年層も、あるいは職域におきましても、あらゆる方面からの意見を十分聞いて、そうして私どもでまとめて最後の決定をするのでございます、決して私どもだけできめるわけじゃありません、そういう方面のことは十二分に参酌いたしますからと、こういうお話でもございましたから、それをほんとうに実行していただくならば、私も一応はそれでけっこうだと思いますから、ひとつやっていただきたい、こういうことで了承をいたしておるのが現在でございまして、その懇談会も最近は三、四回くらいはお開きになりまして、そうした方面に世論の吸収と申しますか、国民の気持ちを反映させるような処置をおとりになりつつあるのではないかと考えております。  私は決していまのものには満足しておりません。あまり活用されていないといいますか、あまり能動的に働いていないという現状は、早く改めるべきであります。もしそういう自主的にやったってとてもだめだから、これは法的にも別の形で措置しなければならないという御意見がありますれば、これは法改正のときにも十分御意見も伺わなくちゃならぬのでありますが、いまのままでは、よほど事業者が自制をし、その責任の重大なることを反省せざる限り、ちょっと最後の目的を達することは困難ではなかろうかというように考えております。
  50. 内藤隆

    内藤委員長 それでは次に片島港君。
  51. 片島港

    ○片島委員 それじゃ大臣への質問はあと回しにいたします。  NHKのほうの第二次チャンネルプランは、すでに説明を承っておりますが、民間放送の第二次チャンネルプランの消化状況は、どういう状況になっておりますか。これは郵政当局から……。
  52. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 第二次チャンネルプランは、中継局の設置が主体となっておりまするが、第二次プランで民間放送におきまして割り当て地区数が二百八十三地区でございますが、最近までに置局を完了いたしております数が百八十六局になっておる次第でございます。
  53. 片島港

    ○片島委員 民放の第二次チャンネルプランが全部消化されてしまうのは、いつの予定でございますか。
  54. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 NHKの二次プランの消化とあわせまして、そのとき一緒に置局を進めるように強力に指導いたしておりますが、一部のものにつきましては、NHKの置局に間に合いかねるものもできております。NHKの第二次ブランの終了が四十年度末というような見込みでございますので、民間放送も中継局の設置につきましては、それに合わせるように強力に指導してまいりたいと思いますが、必ずしも四十年度末までに完了する予定をただいま民間放送自体が持っているかということにつきましては、若干疑問はあろうかと思います。
  55. 片島港

    ○片島委員 第二次六カ年計画の置局予定は、最初は四十一年度までという予定だったのですが、いまおっしゃるように、NHKは四十年度末で全部を消化してしまう、そういうことになりますと、四十一年度以降の置局の構想はどういうふうに考えておられますか。これは郵政当局、NHK、両方からお伺いいたします。
  56. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 詳細につきましては、NHKから答弁があるかと思いますが、二次チャンネルプランを終了しましても、なお微小電力をもってまかなわなければならない地区が相当あるかと思いますが、そういう方面に対しまして、さらに置局を進めていくようにいたさなければならないと思っております。
  57. 田辺義敏

    ○田辺参考人 お答え申し上げます。  先ほどお話がございましたように、当初の六カ年計画におきましては、第二次チャンネルプランの完了を四十二年度と考えておりましたが、その後推進いたしまして、早期建設完了の線で進めてまいりまして、いまお話しのございましたように、第二次チャンネルプランの地区は、本年度末におきまして百十七地区まだ残っておりますが、これは四十年度に計画しております百二十局の中に百十七が入りますので、四十年度末をもちまして、NHKにおきましては第二次チャンネルプランの地区は全部完了という計画でございます。引き続きまして四十一年度、四十二年度等につきましては、大体四十年度と同じ程度の数を置局いたしまして、四十年度末におきましては、百二十局完了とともにカバレージは九三%になります。それから第二次チャンネルプランの終了時のカバレージになりますが、四十一年度末は約九五%、四十二年度末は約九六%、その後引き続きまして、さらに一〇〇に近い方向に漸次持っていきたい、かように考えております。
  58. 片島港

    ○片島委員 微小電力局の問題ですが、その二次チャンネルプランの補完として、微小電力局の免許をする、その免許基準というのはどういうふうになっておるか。いわゆる三千世帯というのが一つの基準となって第二次チャンネルプランが実施されておるようですが、三千世帯以下ということになりますと、その以下どこまでなのか、下限のほうは承っておらぬのですが、一体どの程度までを微小電力局の免許によって救済されようとしておるのでありますか。
  59. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 第二次チャンネルプランの修正のときの中継局設置基準が一応三千世帯でありますことは、御指摘のとおりでございますが、さらによりカバレージをふやすために微小電力局というものを考えたわけでございます。  このときにも一応の目安というものをどこに置こうかということについて検討をいたしたのでございますが、一応目安をつけようと思いましても、これはなかなかむずかしい問題があるわけでございます。つまり山間僻地でございますので、世帯が非常に散らばっているということもございますし、また放送波によって中継をするときに、必然的にその前にある中継局をつくらなければならないというようなことがしばしば出てまいりますので、一応基準というものを幾つにするということでなく、微小電力局というものは、その地区に関する限り基準をきめないで現在設定されております。
  60. 片島港

    ○片島委員 そうすると、免許基準、それから置局していく順序というものは、運動の激しいようなところからやっていくとか、それから隣近所の関係でやっていくとか、これはやはり役所として免許を与えられるについては、何かはっきりしたものがないと、ただそのときの感じで免許していくというわけにもまいらぬと思うのです。また、免許するほうの側、置局をするほうの側も、感じでやっていくというわけにいかぬと思うのです。でないと文句が出てくるところがあると思うのですが、そういう基準がないというのはかえっておかしいのじゃないですか。置局する場合の順位なども、あなたのところはもうちょっと待ってもらわなければ、こういうところがまだ残されておるのだとかいって断わる場合にも、断わりようがないのじゃないですか。
  61. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 世帯数につきましては、ただいま申しましたように基準がございませんけれども、微小電力局の免許方針というものを三十九年の四月に定めまして、地域的な条件、番組、それから周波数の問題及び空中線電力というようなものにつきまして、これをきめております。もちろんこの精神といたしましては、当然その世帯数が多くて、それが公共の福祉に非常に役立つということを先に考えて指導をしてまいっている次第でございます。電力といたしましては三ワット以下、UHFの場合十ワット以下ということによりまして、ただし、先ほども申しましたように、空中線の設置場所であるとか、地形であるとか、そういうものによって特殊な場合が非常に多いのでございますので、場合によってはVHFの場合十ワット、あるいはUHFの場合三十ワットまで指定することもあるというような基準をつくってやっております。
  62. 片島港

    ○片島委員 私が聞いておるのは、置局していく場合の順位、そういうものを聞いておるのですが、どうですか。
  63. 田辺義敏

    ○田辺参考人 お答え申し上げます。  私どものきわめて常識的なお答えになると思いますが、私どものほうといたしまして置局の順位を考えます場合には、それによってカバーされます世帯数の比較的多いものを順位を高くするということと、それからもう一つは、その地区の難視聴の程度が非常に高いもの、その両者を勘案いたしまして順位をきわめていくべきかと思っております。   〔委員長退席、秋田委員長代理着席〕
  64. 片島港

    ○片島委員 答弁になっておらぬじゃないですか。どのくらいのエリアのところまで救済しようと考えておられますか。最初第二次プランのときは三千世帯という一つの目標があったわけですが、微小電力局で、この電力は三ワット以下、Uは十ワット以下、こういうようなことでありますが、一体どのくらいのところのエリアまでを救済するつもりでやっておられるのか。  それからこれは技術開発の問題とも関連してきますが、非常に小さいエリアのところまでカバーしていこうということになると、経済的な負担も、建設費のほうにかかってくると思うのです。いわゆるそれの技術開発と並行してどのあたりまで救済されるという一つの目標というものがなければならぬと思うのです。だんだんと研究も進んでいるのでありますから、技術のほうも進歩していくのでありますから、どういうところまではNHKに課せられた——あらゆる地域に、あまねくテレビ放送を見てもらう、聞いてもらう、こういうことになれば無限であります。もうNHKはあまねく電波を受信できるような努力をしていかなければならぬ。その努力目標といいますか、それがなければならぬと思うのですが、その点はいかがですか。
  65. 田辺義敏

    ○田辺参考人 お答え申し上げます。  現在、先ほどちょっとお答え申し上げましたように、三千世帯というのが一応第二次チャンネルプランの基準になっておりますが、引き続きましてやってまいります地区につきましては、千世帯程度がまだ残っておりますので、千世帯程度のものをまず優先的にやっていくべきかと考えております。それにしましても相当の数になりますので、それ以下の数のカバレージが地方までまいりますのには、まだ若干時間がかかるかと思っております。  それから将来の問題としましては、この数はもちろん千以下に入ってまいりますが、その場合、これを三百程度を対象にするか、あるいは五百程度を対象にするか、あるいはもう少し小さいものにするかということは、いろいろケース・バイ・ケースで、いまここで何世帯以上はやります、何世帯以下は絶対にやりませんという、正確な数字はちょっと申し上げかねるかと思います。  これに関連いたしまして、現在までも千世帯前後あるいは多少それを下回った地区に置局した例が二、三ございますが、これは第二次チャンネルプランで一応それをカバーするということを、第二次チャンネルプランの場合に地区として入っておりましたところで、そこに一局置きましただけでは、その第二次チャンネルプランの指定しております地区全体が十分カバーできないという場合に、これを二つなり三つなりの局に分けまして、それぞれ一つ一つの局では三千世帯になりませんが、合わせて三千世帯程度に持っていく、そういったような補完的な置局も若干いままでやっております。したがいまして、今後といえども、第二次チャンネルプランの置局に際しましては、そのあらかじめ予定されております地区の中に、一部難視聴地帯ができるという場合には、比較的世帯数の少ない場合にも、適当な場所があれば補完的な意味で置いていく、そういうこともあり得るかと思っております。  それからもう一点、経済性の問題でございますが、これにつきましても、だんだんカバレージが小さくなってまいりますと、それに要します経費と、その中で新しく加入してまいります受信者からの受信料収入との間がうまくペイするかどうかという問題が起こってくるわけでございますが、それが世帯数が小さくなればなるほど、その問題が深刻になってくるかと思っております。したがいまして、現在でもすでにサテライト装置の簡易化あるいは合理化等につきまして、機械、空中線あるいは設置場所等につきましても、いろいろ鋭意やってまいりまして、ある程度その成果をあげつつございますが、今後も、これにつきましては、最大の努力を払って、なるべく経済的な建設をやっていきたい。これに関しましては、小なりといえども、郵政省の検査を受けます関係で、その基準等もいろいろございますが、こういうものにつきましても、なるべく小さなものについては、そういうふうな経済性というものを重視する意味におきまして、検査のほうも、若干こまかい点につきましては緩和していただくというようなことにつきましても、郵政省といろいろ御相談をしておる段階でございます。
  66. 片島港

    ○片島委員 受信料の問題、これはたびたび委員会で問題になったことでありますからくどく繰り返しませんが、昨年当委員会NHK予算を承認するときに附帯決議——今年の附帯決議は、まだそのことは検討しておりませんが、昨年の委員会で予算が承認されるときにいろいろ問題になった受信料について、ばく然とでありましたが、受信料の検討をすること、受信料の検討といえば体系の問題、乙契約の問題、甲との関係、あるいは民放などでは受信料の使途についてまでいろいろ意見もあるように聞いておるのでありますが、郵政省から意見を付して提案せられたNHKの予算でありますから、郵政省としても、この附帯決議は尊重されたはずでありますし、NHK当局としても、この附帯決議については相当検討せられる義務があったわけでありますが、どういうふうに検討せられたのか、また、検討の結果どういう結論を得て今度の予算を提出されることになったのか、この点についてお伺いしたいと思います。
  67. 小野吉郎

    ○小野参考人 今年度予算の承認に伴いましていただきました受信料の検討という附帯決議に関しましては、即刻検討を始めまして、四十年度予算編成に至りますまで精密な検討をいたしました。  当時の問題点といたしましては、契約乙なるものを全廃するかどうかというような問題もあったわけでございます。そのようになりますと、契約甲との関係は一体どうなるか、体系上の問題にも関連をいたしますし、またNHKの将来の構想に基づきます事業計画を円滑に遂行していくための財源に対して過不足がどうなるかというような諸般の問題もあるわけでございます。その他受信料の性格の問題でございますとか、いろいろな問題もございますが、ごく端的に申しますと、いろいろ検討いたしました結果、契約乙についてこれをとやかくいたしますことは、当然に契約甲に関連を持ってまいることでございますし、しかもこの問題は、立法技術上から申しましても、現行法下においては、契約乙を全廃をして契約甲にはそのまま手をつけないということは、きわめて疑議のある問題であるようでございますので、法律上のもとにおいても、そういうような方向ではこれは扱うべきではない。と同時に、しからば将来のいろいろな問題といたしまして、契約甲、乙のあの体系をつくりました当時の経緯にかんがみまして検討いたしますと、やはり、契約乙は契約甲に漸次移行いたしまして、完全ゼロにはなりませんが、減少の傾向にありますことは見通し得るわけでございますけれども、体系としてやはり甲、乙を維持すべきである、こういう結論に到達いたしました。  財源的に申しましても、先ほどもいろいろ御質問もございました今後における置局問題等関係等をも勘案をいたし、諸般の事業計画等をも勘案をいたしますと、まだまだかなりのそういった建設資金を要することでございますし、それに関連してかなりの外部資金も導入しなければならないというような面を想定をいたしてみますと、料金の関係につきまして、これを現在の料額よりも引き下げ得る見込みは毛頭ございません。そういうことで、四十年度予算の基本になっております受信料の問題については、甲、乙の体系を維持し、しかも現在の料額をそのまま据え置くべきである、こういう結論に達したわけでございます。
  68. 片島港

    ○片島委員 放送法制調査会の受信料の性格についての答申——私は昨年本委員会でやはりNHK予算審議のときに質問をしたのでありますが、NHKのほうでは、公の社団としての性格を持っておる会員としての自発的な拠出金というような用語を使っている、これは非常に都合のいい解釈を加えたものではないかといって私がお尋ねしたわけです。今度の調査会の答申で、これも非常に明確でないのですが、特殊な負担金というような表現を使っておるようであります。これは受信料が、契約ということでなくて、ただ負担金として徴収できるといったような、全然性格に触れておらぬように考えます。しかし、放送法改正の場合には、当然一番問題になってくる点ではなかろうか。もうすでにこの国会に放送法の改正を提出するために相当準備を進めておった、ただちょっとしたところでどうしても整調が間に合わないので、提出を見送ったということであります。しかし、こういう大事な点について、おそらくもう今年、この国会に提出をしようという決意で今日まで準備が進められておるとすれば、すでに受信料の性格というものについて、郵政当局としてははっきりした結論といいますか、性格づけができておらなければならぬと思うのでありますが、NHKが意見とした出した考え方、性格、また民間放送もこれについては意見を申し述べておる。それに対して調査会が答申をしておるのでありますが、郵政当局としては、受信料の性格についてどういう結論を得ておられるのか、この点を伺いたい。
  69. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 NHKの受信料の性格につきましては、現在法律で三十二条、三十七条等によって規定されておりますので、これに対しましてどういうふうに省が考えておるかということにつきましては、省としては一応見解を持っております。その見解といいますか、解釈と申しますものは、受信料というものは、放送法によって課せられておりますところの、いわゆるNHK業務全般につきまして、これをNHKがやっていくために必要な費用というものを受信者である国民が支払う、いわば公的な負担と申しますか、そういうふうに解釈するのが一番妥当であろうという解釈を、省としてはいままで立てておったのでございますが、今度の答申におきましても、大体その線に沿ったような答申が出ております。省といたしましては、今度の放送法の改正におきましても、これをどういうふうに最終的に解釈し、法律的に明文化するかということにつきましては、なおきまっておりませんけれども、いままでにおきます省の解釈、並びに答申の中におきましてもそういうような見解が述べられておりますので、この答申の見解は十分尊重すべきものと考えておる次第でございます。
  70. 片島港

    ○片島委員 NHKの受信料、要するにNHK予算は、毎年相当ふえております。しかし、ことしの予算を見ますと、従来から見ると、だんだんと受信料の全体の徴収が鈍化しておるように見えるのであります。これは当然でありまして、あらゆる家庭にもう必要な受信機が設置されてしまいますれば、それから先は少しも伸びないというような結果になろうかと思うのであります。そのピークは大体いつごろになるのか、これは受信者の開発の問題とも関連をしてくるのでありますが、ことしはことし、来年になれば来年だというわけにいかぬと思うのです。やはりNHK百年の経営の大計を立てていくについては、ずっとグラフを書いてみて、どのあたりになったならばもう上昇がとまっていくか。それから先は平行していくのか。しかし、それについては当然また建設費も、難視聴地域に対しての建設費は相当つぎ込んでいかなければならぬ。人件費はどうしても若干ずつはふえていかなければならぬ。網が広がってくれば、それに伴って保守管理の経費も当然ふえてくるでありましょう。そういった関連からして、料金の値下げは考えていないと言うが、値上げの問題にも関連をしてくるのではないか。受信料のこれから先の見通し、NHK経営管理についての受信料総額との関係、こういったようなものについてどういう見通しを持っておられるか、これをお伺いをしたい。
  71. 小野吉郎

    ○小野参考人 まず受信料の将来の趨勢について申し上げます。  この主体は契約甲でございます。契約甲の件数が将来一体どのように見通されるかということになりますと、四十年度の予算におきましては九十八万件の増加を計上いたしております。三十九年度は百三十万件でございます。四十一年度におきましては八十五万件ぐらいになるであろう。四十二年度では七十五万件、四十三年度で六十七万件、四十四年度ごろには六十万件、さらに四十五年度には五十五万件、四十六年度、七年先でございますが、五十二万件ぐらいになるであろう。それ以後におきましても漸次鈍化をしてまいります。  そうなってまいりますと、一方には、置局の推進等によりまして、おおよそ四十六年、これから七年先ぐらいまでには、カバレージを九八%ぐらいまでのところに持っていきたいというような期待を持っております。そうしますと、あとの二%なるものは非常にこれは微小な部落になってまいりまして、一団としての世帯の数も非常に少ないという個所が多数ございます。あるいは置局という方法でこれを処理すべきものか、あるいはその他の技術開発によってこれを処理しなければならないかという問題が、並行して起きてまいるわけでございますけれども、そういうような状況から見ますと、収入は漸次鈍化をしてくるということは必至でございます。おおよそこの辺で見ますと、終局の山は四十六年度ないし四十七年度ごろでございまして、その後におきましては——絶対ふえないとは申しませんが、日本の世帯が漸次ふえる割合で、そのうちのテレビ世帯になりますものがふえる、これはごくささやかなものになろうかと存じます。  そういうことに関連をいたしまして、一方におきましては、一体どのような計画を現在持っておるかということでございますけれども、現在確実に持っておりますものは第二次六カ年計画でございまして、ことしは第四年目でございます。あと二年、昭和四十二年にはこれは終わるわけでございますので、ここまでの状況では、現時点ではいろんな問題を推定いたしますのにきわめて期間が短うございます。さらに、これを四十年度から先七カ年くらいを一応見通しておりまして計算をいたしてみますと、事業の収入の総額におきましては、この七カ年間におきまして五千四百九十五億くらいの収入があがってくるわけでございます。しかも、そのうちにおきまして、九八%のカバレージを得ますための建設関係に所要な経費といたしましては千二百四億、しかも、これは自己資金だけではとうてい充当できませんので、外部資金おおよそ四百億近くくらいのものを期待しなければこの計画は成り立たぬのではないか、かように考えております。  そういうことでいろいろ計算をいたしてみますと、いわゆる建設関係を除きました運営関係の経費といたしまして総額三千九百三十六億円くらいしかございません。これでは現在ここに持っております諸般の計画をそのまま一〇〇%に遂行するといたしてみますと経費は不足を来たすわけでございまして、その不足額の合計はおおよそ三百三十億円くらいになるわけでございます。そういう情勢から見ますと、現在の料金でもって七年先までをまかなうことはかなり困難であるということは明確に申せようと思います。  しかしながら、昭和四十二年の現在持っております第二次六カ年計画の終末時までにおきましては——現在すでに収入の鈍化に伴ういろんな圧迫がまいっております。しかも、この運営費の中には、光熱料金とか、使用いたします水道料金でございますとか、あるいは通信費でございますとか、管理費でございますとか、そういうような面の関係における一般の世間の値上がりがございますので、この面をやはり既定の経費でまかなってまいらなければなりません。そういうような関係もございますけれども、これはいろいろ経費の効率的な使用で努力をいたしまして、四十二年度までは現在の料金を値上げするということはいたしたくない。これが現在の気持ちでございます。  しからば、四十三年度以降になったらどうかということになってまいりますと、いまの指標で見ますとかなり苦しい状況になるわけでございますので、その場合には、客観情勢とも関連をいたしまして料金の調整ができれば、これで当然できますし、あるいは、そういうことが不可能であれば、この描いております計画内容の変更をしなければならないとか、あるいは、その他のいろんな措置を新たに考案をしてみなければならないというような趨勢になるのではないかと存じております。
  72. 片島港

    ○片島委員 難視聴地域対策としてNHKが今日まで行なわれておる共同聴視施設についてでありますが、この共同施設の助成の基準が従来二十世帯以上ということになっておるのでありますが、この二十世帯以上という一つの基準、それを全部消化をしてしまうのには、何年間くらいで救済できるものかどうか。それから、それより先のことになりますが、救済した後には二十世帯以下のところもさらに検討していかなければならぬ。しかし、まずそういう基準に合致したところが相当残っておるとすれば、それはこれから先何年くらいたてば救済が完了するのか、その点の見通しをお伺いしたい。
  73. 田辺義敏

    ○田辺参考人 お答え申し上げます。  共同受信につきましては、置局によりますカバレージの増大とともに、本質的にはその数は減っていくべきものと考えております。御質問の二十世帯以上のものが全部完了するのは何年後かということに対しましては、非常に明確な数字を持っておりませんが、置局のほうを推進してまいりますので、比較的早い時期にそういうふうな共聴をやりたいという希望が減ってまいるような時期がくるかと期待しております。  それで、現在におきまして二十世帯以上というような基準を設けておりますが、これにつきましても、昨年も先生御指摘ございましたように、実際はその二十世帯程度、あるいはそれ以下のところ、比較的少ない数のところがほんとうの難視聴地域で、ほんとうに困っておる地域も多いと考えられておりますので、一応二十世帯という基準はつくっておりますが、なるべく勧誘いたしまして、十五軒くらいある場合でも、いろいろ勧誘いたしまして、それを二十くらいに加入申し込みの数をふやしまして、当初は二十以下のような希望のところも、できるだけ二十というような数にいたしましてやっておるというような現状でございます。しかしながら、御指摘のとおり、将来の方向といたしましては、二十世帯以下のものに対しても、漸次助成するというふうな方向に行くのが筋道かと思っております。
  74. 片島港

    ○片島委員 加入電話につきまして、これは電電公社の関係でありますが、毎年毎年積滞数を減らすつもりで架設をふやしていきましても、それをまた上回る積滞が出てきておるような状態でありますのに、大体何年先にはどのくらいの電話を完了して、積滞をなくするように努力したいという一つの目標がきまっておるわけなんです。NHKとしても、そういう難視聴地域に本気で取り組んでいくとすれば、やはり何年先までには——現在大体二十世帯という一つの基準があって、その助成の申請が来たのを、予算の関係その他で、その申請を受け付けなかった。今年はそれは助成しなかった。こういうのは毎年何%くらい、申請したのと実際に助成をやったのとの比率はどのくらいになっておりますか。まずそういうものから推していって、これから微小電力局あるいはいろいろ置局を進めていくにつれてだんだんと難視聴地域が解消するのは当然でありますが、そういうものともにらみ合わして、何年先くらいになったならば、こういう基準のところまでは解消できる。また、それ以下のところにも、それから何年後くらいからは手をつけていくという、一つの見通しというものがなくてはならぬと思いますが、その点どうですか。
  75. 田辺義敏

    ○田辺参考人 お答え申し上げます。  三十九年度におきましては、ちょうどオリンピックもございまして、広く国民がオリンピック放送を見たいという要望も強うございましたので、非常に広く、こちらは予算を若干オーバーしても助成をして、できるだけ広範囲の方にテレビを見ていただこうという方針を立てまして、その希望を全国的に求めたわけでございますが、三十九年度におきましては、これを非常に的確でないもの、たとえば相当電波が強く行っておって十分に受信ができるとか、そういったような共同受信の基本的な方針にはずれるものの若干を除きましては全部助成いたしました。したがって、現在におきましては、いままでの希望に関しましては全部終わっております。したがって、来年四十年度におきまして、おそらく新しくまたいろいろ共聴の希望が出てくるかと思いますが、一応現在におきましては、三十九年度といたしましては、その的確なものに関しましては、要求数に対して全部完了しております。  それからもう一つ将来の問題でございますが、これは何年たてば二十世帯以上が全部終わるかということの見通しが困難のようなことをちょっと申し上げましたのですが、おそらく四十年度におきましても一応御審議願っております予算で七百八十施設、受信者の予想といたしまして五千五百程度予想しておりますが、おそらくこれが、四十年度におきまして希望が出てまいります数のほとんどこの数が一致する数かと期待しております。したがいまして、この数がだんだん減ってまいりまして、何年後とはっきりはここで申し上げにくいと思いますが、おそらく四、五年後には二十世帯以上の基準に合ったものに対します助成はほぼ終わるのではないか、さように考えております。
  76. 片島港

    ○片島委員 助成の対象となっている共同受像施設はNHKでもわかるわけでありますが、この助成の対象となっておらない共同施設はやはり電監局の認可が要ると思うのですが、全国でどのくらいありますか。十世帯とか、あるいは十五世帯といったようなところで共同受像施設をつけているところの世帯数というのはどのくらいありますか。
  77. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 世帯数について明確でないのでございますが、共同聴視施設の数といたしましては、テレビジョン共同施設といたしまして四千七百六十八施設、ラジオの共聴施設といたしまして三千三百五十五施設、これが三十九年十二月現在におきますところの全国の数でございます。
  78. 片島港

    ○片島委員 その共同受像施設で、しかも有線によるものはどのくらいありますか、有線放送によって共同聴視している施設の数というのはどのくらいありますか。
  79. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 テレビジョン共同施設、ラジオ共聴施設、ともにアンテナから受けましたものを有線によって送るのでございます。それがいまの数でございます。
  80. 片島港

    ○片島委員 この共同受信施設で自主番組を作成して流している数というのはどのくらいありますか、ラジオ、テレビで。
  81. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 テレビにおきまして自主番組をつくりましてこれを放送しているのは、現在までの報告によりますと全国で三カ所でございます。これは岐阜県におきます郡上八幡、兵庫県におきます香住、和歌山県におきます新宮、この三カ所で共同聴視施設を利用いたしまして、そこで自主的な番組を作成してやっておる。こういうのは三カ所でございます。  それから、ラジオのほうは、先ほど申しました数字のうち、約三千百五十施設が告知放送を実施しておるのでございます。自主的な番組をつくって告知的な放送をしておるのでございます。
  82. 片島港

    ○片島委員 この無線局の免許、放送局の免許を与える場合には、一つの条件、免許基準があって与えているわけですが、届け出だけによってやっている施設で自主番組をつくって出している。それについては何ら免許の場合の条件というものはむずかしい条件も何もないわけですが、それは放送法との関係で有線放送業務の運用の規正に関する法律というのと放送法との関連ではどういうことになりましょうか。この有線放送業務の運用の規正に関する法律によると、そういう場合でも放送法を準用すると書いてありますが、放送法による放送局の免許には、それぞれ免許基準というものが条件がついておるわけです。一方のには届け出だけをやっておって、自主番組を組んでおって、こういう——早く言えばいま低俗番組とかいろいろなことが問題になっておるのでありますが、それについては何ら——これは免許をする場合の、届け出と免許という非常な差がついておりますのに、その放送番組については放送法規定を準用するということになりますと、非常に均衡を失するのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
  83. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 ただいま先生の御指摘になりましたようなことは、一つの問題点であると考えております。現行法規によりますと、有線放送の業務というものは届け出をすればよいことになっておりまして、郵政省といたしましては、それによって全国状態を知悉し、数を知悉し、その内容を知悉しているわけでありますけれども、ただいま御指摘のように、その放送番組等につきましては、すべてこれは放送法の条項を準用するようになっておる次第でございまして、確かに御指摘のように免許の点につきましては、一般の無線局は免許基準を設けまして、厳重な免許をいたしておりまするが、有線放送業務につきましては届け出でやっているという点につきましては、確かにその点は違いがあるわけでございますけれども番組内容、編集、そういうものにつきまして十分な放送法の条項の準用によりまして監督いたすことによって、一応現在内容等におきます問題につきましては監督ができるかというふうに考えております。
  84. 片島港

    ○片島委員 それは現在の状態においては、そう差しつかえのできたようなことはないと言いましても、法のたてまえから言います場合には、免許基準というのが国会においても非常に問題になっておるときでありますが、一方は免許を受けなくて届け出だけでやってよろしいというのがあるわけです。しかもその内容において、自主番組をつくった場合に、その効果社会的な影響というものは、全く放送と同じことになるのであります。これは現状においてそれを逸脱したようなことがあるとかないとかということだけでなく、法体系として問題ではないか。しかもこれは、一部の新聞の報道で見たのでありますが、いまおっしゃった和歌山県の新紀というのですか、そこが読売テレビとネットワークを協力をする、こういうようなことをちょっと見たのであります。しかもその有線テレビ局は、七千世帯というような加入者があるというのでありますが、一般放送局と同じようなことをやる、しかも、だんだんと一般放送局がそこにネットを協力提携していくということになれば、ほかの免許をやかましく言って免許を与えた放送局と同じ機能を果たしていくということになりますね。そういうことになれば私は問題になるのじゃないかと思うのです。一方においては番組はどうだの、免許基準はどうだのと、やかましいことを言っておって、一方は手放しで、放送局と同じ機能を果たすものがぽんぽんできてくるということになれば、これは法体系として問題じゃないですか。
  85. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 電波監理局といたしましては、電波の公正な能率的な利用をはかるために、ただいま電波監理行政をやっておるわけでございますが、そのほか有線業務、有線施設を使いましての放送業務、あるいは電話業務、あるいは告知業務というようなものにつきまして、有線放送業務の運用の規正に関してのみ電波監理局の所掌といいますか、法律電波監理局がこれを所掌しているわけでございます。ただいま御指摘の有線放送テレビ会社と申しますか、そういうようなものができました場合におきまして、これをさらに免許制に持ち込むかどうか、あるいはその場合免許基準をどうするかというような問題につきまして、先生の新しい御指摘というものは、非常に私たち考えていかなければならないものと思っておりますが、現在の法のたてまえから申しまして、むしろこれは電波監理局というよりも、省全体といたしまして、監理官室等も含めまして検討してまいりたいというふうに考えます。
  86. 片島港

    ○片島委員 この有線放送の業務の運用の規正に関する法律というのは、改正について検討しなければならぬ点があるのじゃないですか。これはあなたのほうの所管でないと言われるならあれですが、政務次官、どうですか。
  87. 服部安司

    ○服部政府委員 御指摘の問題、免許と届け出という問題に関連して非常に重要だと考えますので、ひとつ十二分に検討を重ねたいという決意を固めております。
  88. 片島港

    ○片島委員 時間も過ぎましたので進みますが、番組向上委員会というのができておりますが、この番組向上委員会の性格というものはどういうものでありますか。それと、この委員会と郵政省とはどういう関係になっておりますか。この委員会運営についての経費はどういうふうなことになっておりますか。この三点について……。
  89. 宮川岸雄

    ○宮川政府委員 番組向上委員会NHKと民間放送連盟及び日本放送連合が推薦いたします学識経験者を委員として構成いたしまして、放送番組に対する世論を収集いたしまして、それを批判、意見、希望等をまとめまして、それを各事業体に知らせるほか、一般の人にも、こういう意見があったというようなことを知らせることによりまして、ただいまの法によってやっております各事業体の自主的な番組規制というものに一つの強力な指針と申しますか、その精神を向上させていくという目的を持って生まれたものでありまして、これができます過程におきまして、郵政省が、現在の自主的な番組審議機関というものが果たしている役割というようなことにつきまして、問題を投げかけたことはございますけれども、このできましたものにつきましては、郵政省といたしましては直接の関係はございません。  それから、その経費等につきましては、目下この委員会におきまして相当な経費を実際上は要することになろうかと思いますので、関係諸団体からそういう必要な経費の捻出その他についても具体策を検討しているように聞いております。
  90. 片島港

    ○片島委員 郵政省が関知したことでないかもしれませんが、NHKは当然これに入っておるわけですから、NHKとしてはもう何回も会議に出られてわかっておると思うのですが……。
  91. 春日由三

    春日参考人 お答え申し上げます。  番組向上委員会は、NHK、民間放送連盟、電電公社、そういった関係団体が過去においてずっとやっております放送連合の中の一つの機関というふうな形になっております。過去において委員会三回、それから各NHK及び民間放送各局から出ております幹事との懇談会を一回、この二十二日にその二回目をすることになっておりますが、そこで日本の放送全体の、ことにテレビジョンの番組向上させるためにはいかなる考え方、いかなる施策をすべきかというふうなことを十分に検討し合って、それを各局から幹事として出ております者が持ち帰って、自分の局の番組の中に消化していこう、そういうふうな話し合いをいたしております。  経費につきましては、NHK民放、それぞれ放送連合の分担金というものを過去において出しておりますから、それの増額という形において、放送連合の分担金のうちで、その運営をはかっていくというふうな考え方でございます。
  92. 片島港

    ○片島委員 オリンピック放送の問題を一つ承っておきますが、昨年の予算を審議する場合の、その予算と実際の経費との比較はどういうことになっておりますか。
  93. 志賀正信

    志賀参考人 お答え申し上げます。  昨年の秋のオリンピックに際しましての三十九年度の予算に組みました総額は、六億五千二百九十一万六千円でございまして、その後実際に実行いたしました結果、六億四千四百四十一万三千円で上がっております。  以上でございます。
  94. 片島港

    ○片島委員 NHKの給与問題についてお尋ねをしておきたいと思うのですが、この前の資料で、退職時などの退職年金、退職手当などの資料をいただいたわけでありますが、このNHKの給与については、ほかの類似の事業と比較をした場合に、どういうことになっておりますか。またNHKとしては、独自の立場から、この給与問題というものについては検討をしておられると思うのでありますが、この点についてまず承っておきたい。
  95. 栃沢助造

    ○栃沢参考人 協会の給与と他社の比較の問題は、非常に微妙でございまして、各社の給与の体系も違いますが、しかし、われわれの間におきまして、経営者側においていろいろ会合を持っておりまして、大体各社の内容をよく承知しておるわけでございます。他社の状態をつまびらかに御報告申し上げるというわけにいきませんが、大づかみに申し上げまして、給与におきまして大体一〇%程度協会のほうが低い状況でございます。また、賞与におきまして、民放関係と比較いたしますと、年間臨給が二カ月程度低いという状況でございます。
  96. 片島港

    ○片島委員 ほかのところよりも低くていいのですか。
  97. 栃沢助造

    ○栃沢参考人 そこにいろいろ問題がございますが、協会の性格の問題もございますし、また従業員の数の問題もございまして、協会自身がある一定時期に景気がよければこれをどうするというような事業体でございませんから、相当長期の展望において、ある安定というものを考えておりまして、しかもまた、各社に給与がおくれをとらないようにということも考慮して、組合と十分話し合いの上で決定をしておるわけでございます。
  98. 片島港

    ○片島委員 給与も低い、手当も低いといってしゃあしゃあとしておられるが、それはやはり類似の企業とそう劣ってはならぬと思うのです。これは私は民間放送のことを特に言うわけではないけれども、民間放送は全く類似の企業でありますが、しかしその場合でも、民放の場合は、従業員は転勤ということもあまりなくて、そこに定着しております関係上、住宅問題といったようなことも、ないことはないが、あちらこちらに転勤して歩く場合がないのではないか。その住宅対策としては、従来NHKとしては、給与との関連において考えられておるのかどうか。私が見たところでは、どうもたいして住宅対策というものも十分講じられておらないというような点がある。そういうことになりますと、やはり他社よりも低いということは、給与だけが低いのじゃなくて、その他の点についても不合理な点がいろいろ検討してくれば出てくるのじゃないか。そういう点をもう少し真剣に検討をお願いしたいと思うのですが、どうです。
  99. 栃沢助造

    ○栃沢参考人 ただいまの職員の転勤に関する住宅の問題でございますが、ほかの各社と比較いたしまして、協会の住宅対策は非常に完備しておるということは申し上げかねると思いますが、相当進歩しておるのじゃないかと思います。大体転勤者に対しては、協会が責任を持って住宅を確保するというたてまえをとっておりますから、その意味におきましては、必要の条件を満たしておるつもりでおります。そういう意味におきましては、ほかの新聞社等の転勤の状況から見まして、格段の相違があるのじゃないかと思います。
  100. 片島港

    ○片島委員 先ほどの御説明で、受信契約の伸びがだんだんと鈍化をしてくる。そういうことになってきた場合、予算そのものも、節約、合理化していかなければならぬ。こういうようなことになりますと、弾力条項の発動というような余地もだんだんと幅が少なくなってくる。こういったような問題もくるめて、私は全般的な給与あるいは厚生施設の対策、そういうものについては、今後ひとつもっともっと力を入れて検討していただきたいということを付言いたしておきます。  それから地方演奏所の整備計画ですが、これはどういうような基準によって進められておるのでありますか。いままでに整備せられたところを見ますと、地方の中都市あるいは小都市あたりでも、りっぱな放送会館などが建設されておる。しかし地方の県庁所在地あたりで、相当大きなところでも、重要なところでも、その整備計画はずっとあと回しになっておる。こういうところがたくさんあるのでありますが、どういう基準をもって、どういう順位で進められておりますか、その点をお伺いしたい。
  101. 田辺義敏

    ○田辺参考人 お答え申し上げます。  一応、NHKといたしましては、地方におきます局といたしまして中央放送局、それからそれに準じます比較的大きな局——大きな局と申しますのは、その局のカバーしておりますエリアの人口、それから世帯数あるいは番組が多く出る、そういったような点などから、比較的、中央局ではございませんが、それに準ずるような局が数局ございます。それから県庁所在地あるいはそれに準ずる都市で、それにまた準ずる放送局を各県に一ないし二持っております。そういうものにつきまして、その番組制作の体制を早く固める必要があるというような点。それから、その時点におきまして、その局のその時点の設備がきわめて老朽しておるかどうかという点。それからもう一つは、新しく会館を建設いたします場合に、適当な土地が早く入手できるかどうか、そういう点などを考慮いたしまして、なおそれに若干全国的なバランスなども考えまして大体順位をきめておりますが、現在までに、中央局は東京を含めまして八つございます。これは松山が若干不備でございますが、大体これは全部完了しております。  それから御指摘の、地方の局につきましても、全部で、いわゆる電波を実際出してそこで番組を制作しております局、言いかえますと、たとえば東京付近の千葉とか、あるいは浦和とか、そういった局を除きました番組制作並びに電波を持っております局の全国の総数は四十五、中央局八局のほかに四十五局ございますが、そのうち現在までにでき上がりましたもの、それから現在工事中で近く完成いたしますものが三十二すでに終わっておりまして、残りは十三局あるわけでございますが、これにつきましても——若干おくれました理由としまして、土地の入手が非常に手間どったとか、あるいは、現在交渉しておりますが、まだ土地が入手できない等のところもありますので、これらのところも急ぎまして、これらの局につきましては、第二次六カ年計画の完了いたします昭和四十二年度末までには一応全部完了したいということで、なるべく工事を促進していきたい、かように考えております。
  102. 片島港

    ○片島委員 大臣が見えましたからお伺いしたいんですが、十二チャンネルの問題は、先ほど同僚議員から質問がありましたので、その点は繰り返しませんが、この十二チャンネルの問題について科学技術庁なり政府から何か助成をするのじゃないかというようなことをちょっと聞いたんですが、そういうことはありませんか。  それともう一つ、これはそれと関連してくるのですが、民間放送会社でありましても、設立する場合の免許を与える場合に、当然財政的にも経営で安定しておるということが一つの基準になるわです。経営をしてみたらずっと赤字経営で、経営が非常に不安であるということになれば、免許基準に合わないことになってくるのですが、その場合に、現在の民間放送の中でも非常な格差があって、特にラジオの単営放送局といったようなところは、御承知のようにそれは苦しいわけです。そういうふうに赤字経営のものがあり、非常に苦しいものがあるが、これは再免許する場合には、免許のときの条件と違う、こういうことでこれが再免許の場合に支障になる、当然このときは免許しない、その条件に合致しないから、こういうことにもなりかねないのでありますが、その点についてはいかがでありますか。その二点について……。
  103. 徳安實藏

    徳安国務大臣 ただいま御質問の十二チャンネルのことでありますが、現在の経営者が各方面の意向を打診しましたり、あるいは希望を述べておるということは聞いておりますけれども、私どものほうにまだ正式にそうしたものに対する具体的な提示もございませんし、話し合いもいまのところではございません。もしそうした政府関係筋でございますとか、いろんなほうから援助でもするということが具体化いたしますれば、当然私どもに話があると思いますけれども、いまはまだそれはやっている経営者の希望的観測ではないかと私は考えております。その域を出ていないだろうと思います。  それから、ただいまの最後の御質問でございますが、免許いたしました条件に合っていない、その合っていないことに対する今後の見通し、これはもう幾ら立て直しをしてもやっていけない、赤字だらけだというような見通しがはっきりつきまして、もう経営は困難だというものにつきましては、もちろんこれは考え方が別だと思います。しかし、過去におきましては、多少議論はございましても、相当の経営もやり、将来においても十二分に経営の成り立つ案が出まして、そうしてこれはもっともだということで、政府の考えておりますることと一致いたしますようなものを、無理にみだりに圧迫することもいかがかと思われますので、十二分にそうしたものに対する向こうの申請書の書類を検討いたしまして、そうして何びともが納得いくような案ができましたら、私どものほうもそう小さいことにこだわることもなかろうと考えております。  しかし、いずれにいたしましても、現在はまだ大荒削りのところを見ているだけでございまして、はたして欠損が何社あって、その内容はとうていぬぐうべからざるものかどうか、しんのところまで入っておりません。いずれしんに入ってくると思いますが、そういうものに入りまして、そうして傷が非常に深いか、深くないかというような問題も考えながら、いまの問題も善処したい。決してほおかむりして歩こうという考えではございません。
  104. 片島港

    ○片島委員 番組が適正であったかどうかという問題は、場合によれば、これは教育放送だ、これは教養番組だということで議論の対象になりますけれども、この数字がはっきり出てきているのは、数字から見て議論の対象にならぬわけなんです。何億円も赤字を出しているということになれば、いやそれは赤字ではないということは言えないわけです。ですから、免許を与える場合の基準を番組で争うということは水かけ論になりますけれども、数字で争う場合には水かけ論にならぬ。そういう場合に、これは非常に不安定であるという場合に、この次には免許しないのかどうか。  それから、先ほど十二チャンネルの問題で、話があったならば私のほうに話が来るはずだと言われましたが、そういう話があなたのほうに来た場合にはどうされますか。それは出すべきである、あるいは出すべきでない、その点ははっきり——それから検討するということではなくて、十二チャンネルに免許を与えたときからそういう腹はきまっておらなければならない問題だと思うのですが、政府としてそれを援助するとかなんとかということになりますか。
  105. 徳安實藏

    徳安国務大臣 過去における実績を聞きますと、スポンサー的な立場において科学技術に対する普及と申しますか、知識の向上と申しますか、そういう面においては、多少政府筋のほうでも、過去におきましては応援しているようでございます。これはスポンサーというような立場から、超党派的と申しますか、とにかく高い次元においてやっていることでありまして、もちろん一党一派に偏するような考え方でないことは申し上げるまでもございません。  今後におきまして、この十二チャンネル経営を維持するという考え方でなしに、そのために援助するというのではなしに、高い次元において、これは国家的にかくあるべきだという政府の方針がきまりますれば、あるいは、全然そういうことは一考の価値がないのだとは言いかねるかもしれませんけれども、何しろ向こうの案なども見ておりませんから、何かそういう希望的観測を持って話をされているらしいというようなことをうわさに聞くだけでございまして、私ども何らの証拠もございませんし、話もございませんので、そうした問題について政府としてどうするかというようなことを考え合ったことがないのでございますから、本日ここではっきりした御返事はできないと思いますけれども、もしかりに将来そういうことがあるといたしましても、やはり大局的見地に立ちまして、十二分に勘案の結果、かくあるべしという結論が出ませんと、むやみやたらのことはいたしませんので、どうぞこれはおまかせを願って、もうしばらくその成り行きを見ていただきたいと思います。
  106. 片島港

    ○片島委員 それじゃ、最後に一つだけお伺いしておきますが、調査会の答申によっても、UHFの使用は「TV難視聴地域の解消による全国普及を促進し、並びに民放の各地域最低2局」——民放の各地域最低二局という問題で、御承知のように地方放送局があなたのほうに相互乗り入れの問題も陳情しているわけなんです。新たにここに放送局を設置するか、あるいは相互乗り入れによって二局以上、——同じ民放二局といいましても両方があるわけです。この点についてはおそらくすでにもう検討されていると思うのですが、大臣はどう腹をきめておられますか。もうそういういつまでもうやむやにしておくわけにはいかぬ問題だと思うのですが、いかがですか。
  107. 徳安實藏

    徳安国務大臣 答申の趣旨には沿っていきたいという考え方で作業いたしておりますが、相互乗り入れの問題につきましては、新しい問題として調査会からも相互乗り入れに対する示唆もございまするし、場所におきましては必ずしも複数化しなくて、新規のものをつくらなくても相互乗り入れにきわめて便利であって、地域的にもそれが望ましい姿だというものも一、二カ所あるやにも聞いております。しかし現在のところでは、再免許のほうに急なものでございますから、はっきりとこの場所だけは必ず相互乗り入れにして、民放一局、両方から乗り入れにして新しいものは許可しないとかなんとかというところまでは、まだ結論が出ておりません。出ておりませんが、あの趣旨には沿いまして、一部可能なところでしかもそれが非常に県民にも地方民にも利益だ、また資材を投じますのにそれは経済的だというものにつきましては、その趣旨に沿って検討していく。近くそういうものはできるのじゃないか、かように考えておりまして、いまどこの地区、どこの地区と申し上げる段階にまだなっておりません。
  108. 秋田大助

    ○秋田委員長代理 この際、春日参考人から発言を求められておりますので、これを許します。春日参考人
  109. 春日由三

    春日参考人 過般の当委員会におきまして、大柴先生から海外のニュース取材の問題についての御質問がございました際に、若干調査して御報告申し上げますという項がありましたので、その分を補足して御説明させていただきます。  北ベトナムの取材につきましては、NHKは昨年の八月原水爆禁止大会のために来日いたしました北ベトナム代表に取材班派遣の正式な申し入れを行ないました。その後日本ベトナム友好協会を通じまして、六回にわたって北ベトナム政府対外文化交流会あて取材班受入れを要請し続けておりますが、今日ただいままでこれらの申し入れに対しては公式な返答を得られておりません。今後私どもは引き続き実現するための努力を行ないたと存じます。  以上、補足させていただきます。
  110. 秋田大助

    ○秋田委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明十九日午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後一時三分散会