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1964-05-25 第46回国会 参議院 本会議 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月二十五日(月曜日)    午後一時五分開議   ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十四号   昭和三十九年五月二十五日    午後一時開議  第一 大気圏内、宇宙空間及び水中   における核兵器実験禁止する条   約の締結について承認を求めるの   件(衆議院送付)  第二 住宅地造成事業に関する法律   案(内閣提出)  第三 運輸省設置法の一部を改正す   る法律案内閣提出、衆議院送   付)  第四 外務省設置法の一部を改正す   る法律案内閣提出、衆議院送   付)   ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、日程第一 大気圏内、宇宙空間   及び水中における核兵器実験を禁   止する条約締結について承認を   求めるの件  一、日程第二 住宅地造成事業に関   する法律案  一、日程第三 運輸省設置法の一部   を改正する法律案  一、日程第四 外務省設置法の一部   を改正する法律案
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。    ————・————
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  日程第一、大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験禁止する条約締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。外務委員長黒川武雄君。   〔黒川武雄登壇拍手
  4. 黒川武雄

    黒川武雄君 ただいま議題となりました条約は、核実験停止に関する米英ソ三国間の、四年有余に及ぶ交渉の結果、昨年八月署名されたものであります。  条約は、すべての国に開放され、わが国をはじめ百九カ国が署名し、米英ソ三国の批准により、十月に発効を見たのであります。  この条約は、大気圏内外及び水中における核兵器実験及び他の核爆発禁止し、さらに、地下における核爆発も、放射能爆発の行なわれる国の領域外に及ぶ場合は禁止されるのであります。また締約国は、他国の核爆発実現させ、奨励し、またはこれに参加しない義務を負うことになっております。  委員会におきましては、この条約が、原則として地下核爆発禁止していないこと、条約対象とする事項に関連して異常な事態が生じ、自国の至高の利益を危うくするに至ったと認める国は、三カ月の予告をもって条約から脱退できること等をめぐる諸問題のほか、核兵器拡散防止その他の軍縮問題、十八カ国軍縮委員会へのわが国参加の問題、米ソ核戦力の現状、フランス及び中共核開発の状況、わが国安全保障地下実験探知可能性等の広範な問題に関し、大平外務大臣福田防衛庁長官及び佐藤科学技術庁長官の出席を求めて、熱心かつ慎重な審議が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  五月二十一日質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して岩間委員より、この条約は、地下実験を合法化し、大気圏内実験準備するための、米帝国主義欺瞞的目的に出づるものとして、反対意見が述べられ、次に、自由民主党を代表して長谷川委員より、日本社会党を表代して岡田委員より、公明会を代表して二宮委員より、民主社会党を代表して曾祢委員より、それぞれ賛成意見が述べられました。これらの賛成意見にほぼ共通して、おります点は、この条約地下実験を禁じていないこと、フランス及び中共の不参加、脱退についての規定等は遺憾であるが、また、人類死の灰恐怖から救われること、米ソ相互信頼の回復を通じて緊張緩和契機となること、全面核停と全面軍縮への道を開いたこと等に大きな意義ありとして、賛意を表しつつ、政府に対しましては、今後、全面核停、拡散防止軍縮委員会へのわが国参加等実現努力するよう要望されたことでありますが、さらに岡田委員は、フランスの太半洋における実験計画の中止、アジアにおける非核武装地帯実現等への努力を要望し、また、曾祢委員は、この条約成立は、わが国核実験禁止運動の正しさを証明するものであるとし、今後さらに、全面核停と全面軍縮達成するための有効な管理と査察の方法の探究に努力すべきことを要望されたのであります。  かくて、討論を終わり、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  5. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 本件に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。岩間正男君。   〔岩間正男登壇拍手
  6. 岩間正男

    岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、部分核停条約反対するものであります。  この条約については、衆参両院審議を通じて、「少なくとも空中水中放射能汚染が減るから、ないよりはましだ」という見解が盛んに述べられました。わが党も死の灰脅威がなくなることを心から願っています。共産党こそ、戦後一貫して、空中実験を含む全面的な核実験禁止のために率先して闘っていることは、何人も知っているところです。しかし、この条約の賛否をきめるには、大気汚染という一点だけから見てはなりません。全国民悲願である核実験核兵器全面禁止、さらに、核戦争の根絶の立場から、この条約がそれに沿うかどうかを判断しなければなりません。このような立場から検討した結果、この条約国民悲願をかなえるものではなく、むしろ逆のものであると断ぜざるを得ません。われわれは、このような条約は、ないほうがもっとよいと考えるものであります。以下その理由を述べます。  その理由の第一は、この条約は、アメリカの都合の悪いときには、いつでも脱退でき、自由に大規模な空中実験ができることを許していることであります。事実、この条約を利用して、いま大がかりな空中実験を再開する計画が着々進められています。すなわち、四月二十日のAFP電は、アメリカ国防長官原子力委員長が共同で大統領に提出した核実験計画書内容を伝えています。その中には、特に「大気圏内実験再開に備えて」という注目すべき条項があります。そして、そこには、一九六五年一月を目ざして、今年中に、貯蔵中の核装置実験と、完全な核体系実験を二カ月以内にやる。そして、新構想開発のための実験を三カ月以内に完了させ、さらに核爆弾軍事的効果に関する実験の全体系を六カ月から九カ月以内に整えるという、具体的な計画が発表されているのであります。このような計画が、この条約のもとで、現に強行されているのであります。これでは、空中実験停止どころか、むしろ拡大強化ではありませんか。これはケネディ大統領の方針に基づくものです。ケネディは、昨年八月、「太平洋ジョンストン島の実験場に巨額の予算をつぎ込んで、いつでも空中実験ができるよう、急テンポで準備を進めている」と言明しているのであります。さて、準備は完了した、そこで、三カ月の予告でどかんとやる、こういうことになれば、死の灰脅威からの解放も何もあったものではありません。このようなことを許す条約は、まさは、ないほうがはるかによいのであります。  第二に述べたいことは、この条約では地下実験が合法化されていることであります。これこそは、この条約最大の抜け穴、地下にあけられた大穴であります。本条約によって地下実験は公然と野放しにされ、事実、アメリカは、最近八カ月の間に二十数回もの実験をやっています。一体そのねらいは何でしょう。それは、一つには、核兵器開発生産を急速度に進めること、二つには、それを土台として、さらに大がかりな大気圏実験準備を完了することであります。現にマクナマラ国防長官は、「地下実験だけで、三十五メガトン以上の大型爆弾をはじめ、ほとんど全範囲にわたる生産開発ができるし、これがこの条約の最も重要な点である」と証言しました。  次に、この条約は、恐るべき地下実験を合法化しているために、この条約賛成する者は、アメリカのこのような傍若無人の地下実験に対して、抗議さえできないようになっているのであります。現に、池田政府は一度も正式の抗議をやっていないじゃありませんか。さらに、この条約は、空中実験停止に次いで、地下実験停止に進む足がかりになるように、賛成論者たちは言っています。しかし、この条約にはそのような保証は何一つありません。反対に、アメリカ代表ハリマンは、「何の足がかりも与えなかったのがこの条約の特色だ」と大統領報告しているではありませんか。しかも、たとい加盟国の過半数が地下実験停止を決議したところで、アメリカは、原締約国の特権を使って、これを拒否することができるのであります。こういう仕組みにこの条約はなっている。つまりこの条約は、核実験全面禁止に役立たないのみか、かえって、これをおくらせ、妨げているのであります。以上のような点から、この条約はないほうがよいのであります。  第三に、この条約は、核戦争に対する人民警戒心を麻痺させ、核実験核兵器全面禁止運動をにぶらせ、また、分裂させるために、アメリカ帝国主義によって計画された、と言っても差しつかえはありません。これがこの条約の最もおそろしい点の一つであります。このことは、われわれだけが言っているのではありません。最近の朝日ジャーナルは、アメリカ軍縮論者イングリス氏と朝日新聞社友田中慎次郎氏の対談を載せています。この中で、はっきりとこう言っている。田中氏は、「部分核停条約ができてから、日本人の気持ちがゆるんだというか、安心したというか、それがある。残念ながら認めないわけにはいかない。」これに対して、イングリス氏はこう言っています。「そういうことは、実はアメリカでもほかの国でも感じられます。そういう気分のゆるみは不幸だと思います。死の灰脅威などは、実際の核戦争が始まったときの脅威に比べれば、取るに足らないものなんですから……。」私も、確かに、部分的核停条約ができてから、わが国のみならず、世界核戦争反対核兵器全面禁止運動に、以前のような激しさ、力強さが薄らいできたことを、はなはだ残念に思っております。アメリカが二十数回も地下実験を行なったのに対して、日本共産党と二、三の団体のほか、アメリカ抗議したものはありません。これが実情です。それだけではありません。この条約は、これらの運動を分裂させる道具に積極的に使われています。このことは、昨年八月以後の日本原水禁運動平和運動、その他の民主的運動が、この条約を「踏み絵」にして、波乱分裂させられている事実を見ただけでも、明らかであります。アメリカ帝国主義者はこのことを実はねらっていたのです。つまり、全面禁止、平和への一歩というムードをつくり、人民警戒心を失わせておいて、その間に、核兵器開発生産貯蔵を続けながら、核戦争準備を積極的に進めているのであります。死の灰脅威もさることながら、核戦争脅威に比べれば取るに足らないというイングリス氏のことばは、まさにわが国人民に与えられた痛切な警告と言っても差しつかえないと思うのであります。  最後に、部分的核停条約の問題は、一九六一年九月にも、翌六二年八月にも、米英政府から提案されました。このとき、すべての社会主義国世界共産党平和運動家は、これに反対いたしました、すなわち、この条約は、平和の事業にマイナスであり、熱核戦争脅威をむしろ増大するものである、こういう見地から反対したのであります。ただいま本国会に、前年の条約案と実質的にはほとんど同じ内容のものが上程さてれたのであります。これに対して、わが共産党は、今日まで一貫してとり続けてきた態度をごうも変更する必要を認めません。あくまで日本人民の真の利益世界平和の立場に立ち、日本共産党自主独立立場に立って、この条約案反対するものであります。(拍手
  7. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 井上清一君。   〔井上清一登壇拍手
  8. 井上清一

    井上清一君 私は、ただいま議題となっております「大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験禁止する条約締結について承認を求めるの件」に関し、自由民主党を代表して、賛成討論を行なわんとするものであります。  本条約締結に至る経緯、本条約内容につきましては、すでに詳細なる審議を重ねましたので、私は、本日の討論におきましては、特に、本条約成立重要性と、わが国の本条約加入意義とについて、一言申し上げたいと思います。  核兵器実験全面的禁止が、世界平和の維持にとって、いかに重大な意義を持つものであるかにつきましては、いまさら申し上げますまでもございません。特に、核兵器による惨禍を身をもって体験いたしましたわが国民にとりましては、これが全面的実験禁止は、全国民悲願と申しましても過言ではないと信ずるものであります。そもそも、大国による核兵器実験開発と、その蓄積への努力は、これら大国間の不信感恐怖心に基づくものでありますことは申すまでもありません。大国間の不信感が、東西間の重要問題、なかんずく、核兵器実験禁止問題の解決を困難にしていた最大原因であったのであります。幸いにして、昨年、完全ではないにいたしましても、地下を除く核兵器実験禁止につき、米英ソ三国間に合意を見ましたことは、これら大国間の不信感が幾ぶんなりとも緩和したことを示すものにほかなりません。さらに、この条約成立は、東西間に横たわる困難な問題が、相互間の忍耐強い話し合いによりまして解決し得るものであることを実証いたしましたことは、今後の世界平和維持にとってきわめて意義深いものであると申さねばなりません。私は、まずこのような意味において、この協定成立に対し衷心より賛意を表するものであります。  もちろん、この協定は、それ自身が軍縮を意味するものではなく、特に、核兵器地下実験禁止対象から除いております点につきましては、きわめて不満を感ぜざるを得ないのであります。したがって、われわれは、この協定意義を決して過大評価すべきでないことは申すまでもありません。しかしながら、技術的にも幾多の困難な問題を包蔵する軍縮問題、なかんずく、核兵器実験全面禁止が、一朝にして実現することを期待することは、あまりにも非現実的であると申さなければなりません。もしこの条約が未成立でありましたならば、われわれはいかなる状態に置かれるでありましょう。私は、大国間の核実験競争が相次いで行なわれ、日々放射能被害の悪夢に悩まされた、あの暗いみじめな時代を思い起こさずにはいられないのであります。この条約によって、われわれが、大国による核兵器破壊力の無限の拡大と、放射能汚染に対する恐怖と不安から解放されることだけを考えてみましても、われわれは、この条約成立を心から祝福しないではいられないのであります。この条約署名国がすでに百九カ国の多きに達している事実は、この条約が全人類共通の願望に合致するものであることを立証するものにほかなりません。  しかるに、一部の国々がいまだにこの条約署名せず、なかんずく、わが国に隣接する中共政権が、この条約欺瞞であるとして、公然これに反対し、みずからの核武装を高言していることは、まことに遺憾であると申さねばなりません。さらに、少数とはいえ、わが国の一部にこの条約反対する向きが存在し、あたかも中共政権主張に同調するがごとき議論を、本国会の議場において耳にいたしますることは、われわれのまことに心外とするところであります。まして、その主張日本国民の平和を守るとの美名のもとに行なわれていることは、これこそ、平和を冒涜し、日本国民を欺くものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)  われわれは、さきに述べましたとおり、この条約に決して全面的に満足しているものではありません。また、この条約成立によって世界平和の前途に対し安易な期待を持つことが許されないことも、申すまでもありません。  この条約前文には、「国際連合目的に従って厳重な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する合意をできる限りすみやかに達成し、その合意により、軍備競争を終止させ、かつ、核兵器を含むすべての種類の兵器生産及び実験への誘因を除去することをその主要な目的とし、核兵器のすべての実験的爆発永久的停止達成を求め、その目的のために交渉を継続することを決意する」と述べられております。私は、この機会に、世界の各国、なかんずく核保有国が、この前文に述べられた精神をあくまで堅持して、全面完全軍縮への道を一歩でも二歩でも前進することを強く訴えるものであります。  軍縮が、均衡のとれた軍事力の逓減と、厳重な国際管理のもとに行なわれなければならないことは、不動の鉄則であります。均衡を失した軍備縮小は、かえって平和を危くするものであります。また、厳重な国際管理を伴わない軍備縮小は、かえって国家間の不信を増加さすものであります。特にわれわれは、地下における核実験禁止協定成立を阻害している原因が、米ソ両国間における厳重な国際管理に関する意見の相違に存することを、銘記しなければなりません。  私は、この機会に、この問題について米ソ両国がさらに一段の努力を傾けてこれを解決し、一日も早く核兵器実験全面禁止実現することを、強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)   —————————————
  9. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 加藤シヅエ君。   〔加藤シヅエ登壇拍手
  10. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になっております本条約承認賛成するものでございます。  いまさらここに繰り返して申し上げるまでもないことでございますけれども、私ども日本民族が、広島に、長崎に、原爆の洗礼を受けまして、被爆犠牲者の苦悩は、これは単なる戦争の惨害の程度をはるかに越えた、人類そのもの破滅に追い込む人道問題として、これを深刻に体験し、しかも、その後に至っても、水爆実験による死の灰犠牲者をも出し、原爆に対する恐怖をわが肌によって感じ、この脅威を取り除くことについては、国民の総力をあげての熱意が表明されているのでございます。したがって、日本国民としては、本条約が、後に述べられるところの数点の欠点、不満はあるといたしましても、われわれの悲願達成への大きな一歩前進として喜ばなければならないと思うのでございます。  以下、順を追って賛成理由をあげてまいりたいと思います。  第一に、本条約が、昨年八月五月、モスクワにおいて米英ソ三国によって署名されたことは、第二次世界戦争後、実に二十年という長きにわたって続いた緊張が緩和され、東西陣営が「核戦争は絶対に避けなければならぬ」という決意をこの条約によって表明し、平和共存への努力こそ、今日の時代に課せられた国際間の共通目標であり、また、その目標に向かって進むことを世界に宣言したことでございます。このことは、同時に、際限ない核兵器開発と製造によってばく大な国費を浪費してきた苦い経験から脱皮して、自国国民防衛費の負担を軽減し、国内の経済的繁栄をはかることをも、可能ならしめるものであります。  実に長い間繰り返してきた東西間の「相互不信ことばのやり取りをする時代」、これを踏み越えて、「東西間の信頼への道」に接近していこうとする契機を、この条約がもたらしたことは、すでに、この新しい機運のもとに、米国の小麦の対ソ輸出の一例に見られる東西貿易促進の傾向、ひいては、わが国対ソ、対中共貿易促進にも自信と根拠を与えることになってきた事実にも見られるのであります。そればかりでなく、今日、世界的に存在する東西ならぬ南北の問題、すなわち、国際間の文化的、経済的格差是正のために、低開発国は援助されなければならない、その目的のためにも、もっと本格的な取り組み方ができるようになるであろうということも、本条約締結がもたらす明るい面と考えられます。  本条約成立にあたって私どもが考えられることは、破壊はやすく、建設には忍耐努力の積み重ねが要求されるということであります。  顧みれば、第二次世界戦争が、原爆投下による人間の大量殺戮によって終止符を打ったという事実は、戦勝国戦敗国の境なく、原爆に対する絶望的な恐怖を感ぜしめたのであります。それですから、国連においても、すでに昭和二十一年、原子兵器を含む原子力国際管理の問題が取り上げられておりましたが、一向に誠意ある解決方法は案出されないままに年月は流れ、ついに、一昨年の秋のキューバ事件の際には、原爆炸裂の命令のボタンはまさに押されんとし、世界じゅうの人々の心臓を寒からしめましたことは、私たちの記憶に新たなところでございます。しかし、この世界戦争勃発のせとぎわに立った教訓は、米ソ両国首脳をして、世界は好むと好まざるにかかわらず平和共存への道に転換せざるを得ないことを悟らせ、まず、偶発的な戦争勃発を防止するために、米ソ両国首脳間に、緊急の際、話し合いのできる電話設備が設けられ、次いで三十八年の四月には、米英首脳フルシチョフソ連首相との書簡の交換となり、六月十日には、故ケネディ米大統領アメリカン大学における演説に見られる「高級核停会談開催」の決意表明となり、そうして、続いて七月二日、フルシチョフ首相の同様な決意は、東ベルリンにおける演説によって表明され、八月五日、ついにモスクワにおける三国の署名と相なり、現在までにすでに百九カ国が署名するに至ったことは、本条約がいかなる苦難な経路をたどってきたか、また、いかに重要な意義を持つ東西間の政治条約であるかが、うかがわれるのであります。  さらに、このようにして醸成された平和共存ムードは、昨年十一月十七日、国連総会において、「核兵器など大量破壊兵器の宇宙軌道打ち上げ禁止」の決議がなされ、人工衛星等を利用しての核実験禁止されることになりました。さらにまた、本年四月二十日、ジョンソン米大統領フルシチョフソ連首相は、同時に核分裂物質生産の削減を声明しております。かく見てまいりましても、本条約人類平和共存への道を前進させる城門でもあったことについて、われわれは高く評価するものであります。  第二の賛成理由といたしまして、この条約が直ちに軍備縮小であるとは申されませんが、従来全く停とん状態になっておりました軍備縮小交渉に光明と希望を与えたことであります。全面完全軍縮達成は、われわれの強く希望するところでありますが、科学兵器の進歩と国際情勢複雑性とは、前途に多大の困難が控えていることを見ないわけにはまいりません。けれども、この条約全面完全軍縮達成に向かって、大きく、強く、ものを言っているという点で、支持さるべきものと考えます。  第三に、この条約実施によって、全世界放射能をまき散らす害毒を食いとめるということであります。すでに、この条約締結の前後から米英ソ三国はその実験停止したため、世界にまき散らされる放射能は著しく減ってきており、特に、地理的に東西陣営の間に位して、死の灰の谷間にあるとして脅かされてきた日本といたしては、この不安から解除されることを歓迎すべきことだと思います。  以上は、わが党として、本条約成立賛成するおもなる理由でありますが、口を開けば平和、戦争反対と叫んでいる日本共産党が、本条約反対しているのは、はなはだ遺憾であり、(拍手)また、その反対理由としてあげられているものは、どれもこれも、われわれ日本人が理解に苦しむものであり、この一握りの反対者のために本会議における満場一致の賛成が得られないことは、返す返すも残念なことであり、大衆政党革新陣営の看板が泣くであろうことを考えて、まことに遺憾しごくでございます。共産党のために惜しむものであります。真に人類の福祉をこいねがうならば、核兵器を伴う戦争をすることは、どこの国がどんな理由でやろうと危険であり、人類破滅を意味することは、子供にもわかる理屈であります。ある特定の国がやる戦争に限って聖戦であり、正当化されるべき戦争であるなどという理論は、イデオロギーをとうとぶ政党として、全く矛盾きわまるものであります。本条約反対することは、すなわち核実験を野放しにし、大国間の核実験製造競争、放射能による空気の汚染をも放任してかまわないということになり、全世界の平和への願望を裏切ることになり、共産党がかかる考え方を持っているということに、私は強く反省を求めるものであります。  以上述べましたところは、本条約賛成する理由としてあげられたものですが、本条約は長い間の東西陣営緊張と苦悩の陣痛の中に生み出されたものでありますから、その間の事情を察し得られないわけではありませんが、でき上がったものが完全でないことは、本条約五ヵ条を審議する際、多くの同僚議員から指摘されたところであります。  その第一として、本条約は、大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験禁止しておりますが、地下におけるそれを含んでいないことは、不完全と申さなければなりません。現に、アメリカがこの条約締結、批准後、たびたび地下実験を行ない、かつ、大気圏内実験をいつでも再開できる準備を公然と進めていると言っていたことは、大統領選挙を目前に控えた国内事情にもよることかと解釈できないわけではありませんが、この条約の不完全さについて一まつの不安を覚えることは、いなめません。  次に欠点の第二は、本条約の期限は無期限とされておりますが、第四条に、異常な事態が自国の至高の利益を危うくすると認められたときは、三ヵ月の予告をして脱退することができるという点であります。  このような不完全さを持つ条約ではありますが、われわれ社会党は、前に述べました理由に基づきまして、本条約承認すべきものと認め、同時に、この際、政府に対し、次の数点を要望しておかなければならないと思います。  その一つは、本条約はすでに世界百九ヵ国の署名を得たにもかかわらず、いまだに署名せず、しかも、いまなお大気圏において核実験を行なっている国、及び行なおうと計画している国に対しては、直ちにかかる意図を停止するよう勧告すること、  その二は、他の条約署名国とともに、国連の場を通じて、あるいは軍縮委員会と協力して、完全な禁止条約成立に向かって率先努力すること、  その三は、フランスが、もし近き将来実験をしようとしているならば、これをやめさせるように働きかけること、フランス、中国、その他の未調印国に署名参加を求めるための活動をすること、  核拡散防止のための努力をすること、  アジアにおける非核武装地帯を設けるために努力すること、  などであります。  最後に、日本はこの際、その地理的、工業力的、民族的、あらゆる角度から見て、どうしても軍縮委員会参加しなければならない使命を負った国として、その参加実現するよう各国に働きかけ、日本国憲法が高らかにうたい上げている平和への念願、ただ一つの被爆国としての悲しき経験、そこから得たとうとき教訓、その上に立った積極的な軍備縮小へのフォーミュラーを研究して、その実現のために活動を始めることを、この際、政府に強く要望して、本条約賛成するものでございます。(拍手
  11. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 白木義一郎君。   〔白木義一郎君登壇拍手
  12. 白木義一郎

    ○白木義一郎君 私は、公明会を代表いたしまして、ただいま議題となっております部分核停条約承認につきまして、悲惨な戦争の思い出を新たにいたし、人類の幸福を破壊する戦争への憎しみの念をかみしめながら、賛成討論をせんとするものであります。  原爆の被爆体験と死の惨禍を身をもって味わった唯一の民族として、原水爆禁止運動の先頭に立って戦っていく自覚と信念が、われわれ日本民族並びに政府に課せられた大きな責任であると思うものであります。地下核実験の継続など、この条約が至って不完全なものであることは否定できませんが、しかし、いかに欠陥はありましても、それは核戦争恐怖から脱出するための国際政治上の大きな成果であり、少なくとも死の灰による大気汚染の増加を食いとめたことは事実であります。したがって、国民のほとんどがこの条約を歓迎しているのは、全く当然のことであります。  このように、この部分核停条約は、心理的効果に大きな重要性が認められますが、まことに象徴的であり、残念なことには、米ソの指導者たちは、この条約戦争の防止を保証するものでもなく、軍縮の第一歩でもないと強調していることであります。なぜかならば、この協定には、三ヵ月の事前通告で脱退できる条項が存在しております。ソ連が中共の核保有に対する牽制と、フランスがドゴール大統領のもとに、米英に対し反旗をひるがえすという、共通の利害に立脚して協定された条約であることを忘れてはなりません。したがいまして、中共並びにフランスが、現在の初歩的段階から、米ソに肩を並べる核保有国になったときには、この協定は完全にほごになることは明らかであります。  西暦紀元前一五〇〇年から西暦紀元一八六〇年までの間に、約八千にも及ぶ平和条約署名が行なわれ、恒久平和を維持するのに役立つと考えられましたが、平均二年しか続かなかったとは、ある学者の調べた皮肉な歴史の事実であります。しかし、人類一人当たり高性能爆薬に換算して十数トンという米ソ陣営の核貯蔵下にあって、世界人類は「続かなかった」では、すまされない、ぎりぎりの状況に置かれており、完全平和の実現こそ、現代のわれわれがどうしても達成しなければならない目標であります。核兵器の撤廃も、実験停止も、そして世界平和の実現も、いわゆる利害や取引の上に成立したものは不安定というほかはありません。結局は人類全体の繁栄と幸福を実現できる最高の思想をもってしなければ、世界平和は確立できないのであります。この人類の生存の危機に対しては、人間共通の問題として、最も基本的な人類の生存権、生命の尊厳を第一とする政治の最高理念をもって戦っていかなければなりません。  人間生命の尊厳、その生存権こそ、あらゆる思想に先行する第一条件であらねばなりません。国際間の問題といたしましては、この思想は、いまだに第一の位置に安住しているとは言えないのであります。なかんずく、核兵器の製造、使用は、人類生存権に対する反逆であります。いかなる国を問わず、原子爆弾を使用したその指導者は悪魔であり、サタン、魔物であり、ことごとく死刑に処すべきであるという思想を、強く全世界の人々に訴えることこそ、われわれ日本人に課せられた使命であると、わが公明会主張するものであります。  かつて日本共産党は、ソ連の水爆は医者のメス、アメリカのそれは気違いの刃物と、珍妙な理論を世界に発表いたしましたが、死の灰の殺人力に社会主義や帝国主義の差はあろうはずはなく、いずれの国の核実験であろうと、その死の灰は全人類の生命を奪うおそろしい灰なのであります。したがって、われわれは、だれが平和の敵であり魔物であるかを識別し、戦争を肯定し、世界に誇る戦争放棄の平和憲法を改悪せんとしたり、核実験を強行しようとする、平和論の、その奥に隠されたおそろしい爪を、もぎ取らなければならぬと、この際、強く主張するものであります。  地球上の人類は、今日ほど複雑かつ密接に共同責任を負わされている時代はありません。核戦争脅威は、単に一国家一民族の紛争にとどまらず、たえずそれは直接的に人類そのものの存亡を左右する危機をはらんでおります。したがって、地球上に住む全人類一つの民族として運命共同体としての使命を持たされ、こうした時代は、過去にその類例を見ないところであります。また、通信技術の発達につれて、世界の一隅に起こった事件は直ちに電波に乗って伝播され、交通機関の発達は地球上の距離を著しく短縮しております。世界の波動が直接個人生活の上に大きな影響を及ぼす実情であります。このことは、民族間の親近感を増大させ、全人類の連帯感を強めるための大きな力となっております。  今日、アメリカとソ連の対立、すなわち自由勢力と共産勢力の力の均衡の中に、全人類の規模において戦争脅威が論ぜられております。またその反面、平和への提唱も両陣営利益や自己保存の観点のみから論ぜられております。しかし、現実の国際情勢からすれば、真実の平和建設のためには、いずれの陣営側からだけの見方では偏狭と言わなければならないのは当然であります。地球全体、世界を見回して、その平和と繁栄という立場から考察したとき、初めて真の平和運動もはっきりするし、これから進んでいく方向も明らかになるものであります。  かく見てくるならば、戦争と平和の問題も、全人類は運命共同体であるとの判断が必要になってくるのであります。すなわち、現在の国連中心主義による集団安全保障体制をもって平和共存をはかる段階から、さらに一歩前進を目ざすならば、それは地球民族主義でなければならないのであります。地球上の全人類に、運命共同体としての自覚が強く浸透し、民衆も指導者も、ともに新しい時代感覚と世界観を身につけることによって、真の平和を実現することができると確信するものであります。かくして地球上の全人類一つの民族として団結し、ある国家の繁栄が他の国家を犠牲にすることなく、平和と繁栄を期することが、究極の理想であります。ここに公明会が地球民族主義を提唱するゆえんがあります。政府は、この見地に立って、あくまでも核兵器全面廃止の実現に向かって格段の努力を払うべきことを重ねて強調いたしまして、私の賛成討論を終了するものであります。(拍手)   —————————————
  13. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 曾祢益君。   〔曾祢益君登壇拍手
  14. 曾禰益

    ○曾祢益君 私は民主社会党を代表して、わが国が部分的核停条約締結することに賛成するものであります。  わが党の綱領は、世界平和の達成について次のごとく述べております。「現在の世界平和は、世界の民衆の平和への熱望によることはもちろんのことであるが、東西陣営の武力の均衡によってかろうじて維持されている事実は否定できない。この均衡を急激に変更することはかえって戦争の危機をまねくおそれがある。われわれは、究極において、武力によらない世界平和の達成に努める。それにはまず、両陣営がおたがいに信頼感を回復するとともに、双方の歩みよりによって軍事的対立を同時かつ漸進的に解消するよう導くことが必要である。このため、双方の軍事力の増強を停止し、核兵器禁止はもとより、完全な査察制度をともなう相互軍縮協定成立につとめなければならない。」  一昨年十月、ソ連のキューバに対する核ミサイルの持ち込みは、米ソ軍事力均衡をにわかに破壊し、世界は、人類ともに滅びる核戦争の危機に直面しました。幸いに、米ソの最高首脳者の冷静かつ果断な措置によって、戦争は回避し得ましたが、ケネディフルシチョフの両巨頭は、賢明にも、このキューバ危機の教訓に学び、自来、相互の歩み寄りによる漸進的な緊張緩和努力を続けてきました。部分的核停条約成立は、その成果にほかなりません。私たちは、かかる意味合いにおいて、過去十八ヵ年間の冷戦の曲がり角、平和共存への具体的な第一歩として、本条約を高く評価するものであります。この条約に踏み切った米ソ両国は、漸進的な平和への接近と、限定的ではあるが、相互信頼並びにNATO、ワルシャワ両同盟条約の現実の承認という、新しい平和路線を、それぞれの従来の仲間であるフランス中共の冷たい仕打ちや攻撃にもかかわらず、世界に提示したのであります。したがって、本条約意義は、「平和とは、アメリカ帝国主義との闘いと、日本の一方的な無防備、無抵抗の中立だ」という、わが国内の一部の平和論を、根本から反省せしめるところにあります。と同時に、民社党や社会主義インターナショナル、核禁会議などの平和論や核兵器禁止運動の前進と成果を物語るものであります。  さりながら、私たちは、決して本条約を手放しで歓迎するものではありません。いな、それは理想とはほど違いものであります。まず、本条約がすべての核爆発禁止を意味するものでなく、地下爆発実験を除外しているのは、最大の欠陥であります。さらに、中仏両国がこの条約参加していないことは、単に中仏両国による実験爆発の可能性を残しているばかりでなく、条約第四条に定めたところの、異常な事態が発生した場合に、条約国が、この条約から三ヵ月の予告で脱退できるという抜け道が、中仏の実験爆発理由として実際に利用され、ひいては、せっかくの米ソ英三国の実験禁止が御破算になる危険すらあるのであります。  このように、本条約の種々の欠陥は、われわれがとくと承知するところであります。しかし、一方では、本条約の利点も正しく評価しなければなりません。  まず第一に、核実験禁止悲願達成が、ここに厳粛な国際条約の形でその初歩を踏み出したということであります。従来の核実験の野放し状態や、いわゆる核爆発の自発的停止なるものが、実は大気の汚染と緊張激化の悪循環以外の何ものでもなかったことに比べるならば、地下爆発を除いたとはいえ、実験禁止条約成立意義は、まさに画期的であります。また、大気の汚染にストップをかけたことの人類の安全に対する貢献を高く評価すべきであります。  さらに、本条約成立自体が、前述のように、米ソの雪解けの所産でありまするが、本条約成立契機として、米ソは、昨年十月、国連総会における決議をもって、核兵器などの大量破壊兵器の宇宙軌道打ち上げ禁止協定し、また、本年四月、それぞれ濃縮ウランの生産の削減とプルトニウム生産の大型原子炉の建設の取りやめとを同時に発表するなど、好ましい相互信頼の歩一歩の回復の措置が継続されてきたのであります。これこそ、本条約締結最大の効果というべきであります。  以上の理由に基づき、私は、本条約賛成するとともに、日本としては、これに積極的に参加することによって、核兵器禁止軍縮国民悲願達成に一そう励むべきものと信ずるのであります。  元来、平和の達成は、漸進的、かつ、長期にわたるものであり、それは、有効な査察制度を伴う核実験禁止、次いで核兵器拡散防止と、兵器そのものの禁止、並びに全面軍縮という順序を踏むべきであります。したがって、わが国は、本条約に加入することによって能事終われりとするのではなく、引き続いて、まず、本条約の残した地下爆発禁止のため、特に、有効で、しかも両陣営が許容できる査察制度を発見して、協定を結ばせるために、わが国みずからも積極的に努力すべきであります。中仏両国などに対する核兵器拡散の阻止のためにも、まず、米ソ英三国の間に地下爆発を含む全面的核実験禁止条約成立せしめて、その道義的な圧力を中仏などに加えることが近道であることは、言をまたないところであります。  民社党は、原水爆の唯一の犠牲国である特権を持ち、また、平和憲法を誇るわが国民の悲願にこたえて、今後とも、核禁会議と協力し、(1)日本の非核武装を貫く。(2)核兵器中共その他への拡散を阻止する。(3)有効な査察を伴う核兵器実験禁止から、核兵器全面的禁止軍縮達成するという三目標のために、国の内外において闘いを進めるものでありまするが、この際、政府においても、国民の意向を背景として、右に述べました核兵器禁止軍縮のための外交を、国連総会軍縮委員会などの場において活発に展開することを、強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わりといたします。(拍手
  15. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  本件を問題に供します。表決は記名投票をもって行ないます。本件賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。   〔議場閉鎖〕   〔参事氏名を点呼〕   〔投票執行〕
  16. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 前田佳都男君から、歩行困難のため、投票を参事に委託したいとの申し出がございました。これを許可いたします。  投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。   〔投票箱閉鎖〕
  17. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。   〔議場開鎖〕   〔参事投票を計算〕
  18. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数    百五十四票   白色票     百五十一票   青色票        三票  よって本件承認することに決しました。(拍手)      —————・—————   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百五十一名       山高しげり君    市川 房枝君       鈴木 市藏君    鬼木 勝利君       野知 浩之君    二木 謙吾君       牛田  寛君    青田源太郎君       赤間 文三君    北條 雋八君       浅井  亨君    前田佳都男君       鈴木 恭一君    森部 隆輔君       堀本 宜実君    小平 芳平君       二宮 文造君    森 八三一君       野本 品吉君    松平 勇雄君       最上 英子君    白木義一郎君       柏原 ヤス君    高瀬荘太郎君       奥 むめお君    三木與吉郎君       原島 宏治君    辻  武寿君       和泉  覚君    村上 義一君       佐藤 尚武君    木暮武太夫君       森田 タマ君    植木 光教君       鈴木 一司君    沢田 一精君       源田  実君    栗原 祐幸君       熊谷太三郎君    丸茂 重貞君       坪山 徳弥君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    谷村 貞治君       徳永 正利君    中野 文門君       豊田 雅孝君    竹中 恒夫君       鈴木 万平君    八木 一郎君       村上 春藏君    山下 春江君       山本 利壽君    館  哲二君       佐藤 芳男君    鍋島 直紹君       紅露 みつ君    木内 四郎君       杉原 荒太君    田中 茂穂君       寺尾  豊君    黒川 武雄君       重政 庸徳君    天埜 良吉君       井川 伊平君    日高 広為君       温水 三郎君    野上  進君       山本  杉君    米田 正文君       西田 信一君    小西 英雄君       柴田  栄君    大谷藤之助君       江藤  智君    石井  桂君       吉江 勝保君    塩見 俊二君       井上 清一君    剱木 亨弘君       田中 啓一君    高橋  衛君       草葉 隆圓君    小柳 牧衞君       村松 久義君    郡  祐一君       安井  謙君    高橋進太郎君       石原幹市郎君    青木 一男君       鹿島守之助君    木村篤太郎君       津島 壽一君    野々山一三君       柳岡 秋夫君    瀬谷 英行君       稲葉 誠一君    吉田忠三郎君       櫻井 志郎君    杉山善太郎君       林  虎雄君    大森 創造君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    武内 五郎君       柴谷  要君    北村  暢君       横山 フク君    白井  勇君       森 元治郎君    鈴木  壽君       大河原一次君    伊藤 顕道君       近藤 信一君    戸叶  武君       松澤 兼人君    中村 順造君       小山邦太郎君    佐多 忠隆君       加藤シヅエ君    秋山 長造君       大倉 精一君    阿部 竹松君       渡辺 勘吉君    小林  武君       松本 賢一君    高山 恒雄君       野上  元君    横川 正市君       大矢  正君    鈴木  強君       相澤 重明君    田上 松衞君       岡  三郎君    阿具根 登君       加瀬  完君    永岡 光治君       成瀬 幡治君    中田 吉雄君       小酒井義男君    藤原 道子君       椿  繁夫君    大和 与一君       木村禧八郎君    岡田 宗司君       野溝  勝君    千葉  信君       羽生 三七君    赤松 常子君       曾禰  益君     —————————————  反対者(青色票)氏名      三名       岩間 正男君    須藤 五郎君       野坂 參三君    ————・————
  19. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第二、住宅地造成事業に関する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。建設委員長北村暢君。   〔北村暢君登壇拍手
  20. 北村暢

    ○北村暢君 ただいま議題となりました住宅地造成事業に関する法律案につきまして、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  近時、大都市周辺におきましては、民間企業による住宅地造成事業が活発に行なわれております。本法案は、かかる民間企業により造成された住宅地にかかわる災害を防止し、かつ、環境整備をはかるとともに、適正な施行を促進するため、必要な規制及び助成措置を講じ、良好な住宅地の造成を確保しようとするものであります。  その内容のおもなる点は、  第一に、建設大臣は、人口の集中の著しい都市及びその周辺地区については、関係都道府県または指定都市の申し出に基づき、都市計画区域内に住宅地造成事業規制区域を指定することができるものといたしております。その際、建設大臣は、都市計画審議会の意見を聞くことになっております。  第二点は、同規制区域内で政令で定める一定規模以上の住宅地造成事業を施行しようとする事業主は、事業計画を定めて都道府県知事等の認可を受けなければならないことであります。この事業計画においては、災害を防止し、環境の整備をはかるため、道路、排水施設等の公共施設の整備計画は、建設省令で定める技術的基準に従わなければならないものとし、また、工業地域、災害危険区域など住宅地の造成を行なうのに不適当な区域の土地は含めてはならないものとしております。  第三点は、宅地造成事業の認可を申請しようとする事業主は、あらかじめ事業計画に関係がある公共施設の管理者等の同意を得、かつ、新しく設置される公共施設の管理者と協議しなければならないこと、また、新たに設置された公共施設は、工事完了の検査を受けた後、その翌日から市町村の管理に属することとなっております。  第四点は、認可を受けた事業主に対する国等の援助に関するものであります。すなわち、農林大臣または都道府県知事は、この事業にかかる農地の転用許可について事業促進されるよう配慮するものとするほか、国または地方公共団体は、技術士の助言または資金上その他の援助につとめるものといたしております。そのほか、設計者の資格、認可の基準、施行者に対する監督並びに罰則などについて規定いたしております。  本委員会における質疑のおもなる点は、住宅地造成事業規制区域の指定、住宅地の造成と農地の転用許可、新たに設置された公共施設の管理、国または地方公共団体の助成措置についてなどでありますが、特に宅地の造成と農地の潰廃の関係につきましては、農林、建設両大臣の出席を求め、また、農林水産委員会と連合審査を行なうなど、慎重な質疑が行なわれたのであります。その詳細は会議録により御承知を願います。  かくて質疑を終了いたしましたところ、各派共同による修正案が日本社会党田中委員より提案されました。その内容は、事業計画を定める場合に、「放流先の状況等によって、やむを得ない場合には、一時雨水を貯留する施設を設置することを妨げない」という第五条二項三号ただし書き以下を削除するというものであります。本修正案に対しては質疑なく、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決に付しました結果、全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  21. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案の委員長報告は修正議決報告でございます。  本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  22. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は、委員会修正どおり議決せられました。    ————・————
  23. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第三、運輸省設置法の一部を改正する法律案、  日程第四、外務省設置法の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長三木與吉郎君。   〔三木與吉郎君登壇拍手
  25. 三木與吉郎

    ○三木與吉郎君 ただいま議題となりました法律案二件について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、運輸省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案内容は、  第一に、現在伊勢湾地区の高潮対策事業を処理するため、愛知、三重両県を管轄区域として臨時に設置されている伊勢湾港湾建設部を、高潮対策事業を除く港湾整備事業量が増加してきたため、恒久的な組織に改組して、第五港湾建設局とし、その管轄区域を愛知、三重、静岡の三県とすること、  第二に、自動車輸送行政の事務量の増加が東京陸運局管内において特に顕著になってきたため、東京陸運局自動車部の事務を、旅客関係と貨物関係の二部門に分離し、自動車第一部、自動車第二部で処理させること、  第三に、運輸省の常勤の職員の定員を、本省において百九人、海上保安庁において八十一人、海難審判庁において二人、気象庁において七十二人、計二百六十四人増加することであります。  なお、本法律案は、衆議院において、施行期日につき所要の修正が加えられております。  本委員会におきましては、伊勢湾地区における高潮対策事業の概要、伊勢湾港湾建設部を恒久的機関に改組する理由、最近における自動車輸送行政の事務量増加の内容、都道府県陸運事務所のあり方、陸運行政及び航空行政における定員問題、交通事故防止対策、新東京国際空港の設置計画、国鉄の安全輸送対策、日本国有鉄道交通基本問題懇談会の運営と国家行政組織法との関係等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   —————————————  次に、外務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案内容は、  第一に、賠償及びこれに伴う経済協力等の実施は、その内容において資本財を主とするわが国生産物及び役務の供与であり、通常の経済協力と相まって最大の協力効果をあげる必要上、賠償部を廃止して、その所掌事務を経済協力局に移すこと。  第二に、従来以上に積極的に、諸外国との文化交流、日本文化の紹介等を行ない、わが国外交の円滑な遂行に資するため、情報文化局に文化事業部を新設すること。  第三に、海外移住に関する実務の面は、できるだけ昨年七月発足した海外移住事業団に移譲することとし、外務省の付属機関たる移住あっせん所を廃止して、その土地、建物等を同事業団に出資すること。  第四に、従来、OECD関係事務は、在フランス日本大使館で処理していたのでありますが、今般の経済協力開発機構加盟に伴い、新たにパリに経済協力開発機構日本政府代表部を設置すること。  第五に、在外公館の新設、増強並びに本省機構の改正に伴って、特別職三人、一般職二十六人、計二十九人の増員を行なうことなどであります。  なお、本法律案は、衆議院において、施行期日につき所要の修正が行なわれております。  本委員会におきましては、賠償並びに経済協力の実績、賠償部廃止の理由、情報活動の現状、移住政策の大綱、海外移住事業団の業務内容、経済外交推進上各省との連絡調整問題、在外公館における各省からの派遣職員の状況等のほか、巡視船ちくごの連行事件、米国原子力潜水艦寄港問題、米国のバートレット法成立わが国漁業に及ぼす影響、水戸射爆場返還問題等についても、質疑応答がなされましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  26. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  27. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十九分散会