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1964-05-22 第46回国会 参議院 農林水産委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月二十二日(金曜日)    午後一時二十三分開会     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     青田源太郎君    理事            櫻井 志郎君            森 八三一君            渡辺 勘吉君            北條 雋八君    委員            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            温水 三郎君            野知 浩之君            藤野 繁雄君            堀本 宜実君            森部 隆輔君            大河原一次君            小宮市太郎君            矢山 有作君            高山 恒雄君   政府委員    農林政務次官  松野 孝一君    農林省農林経済    局長      松岡  亮君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○食料品総合小売市場管理会法案(内  閣提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) ただいまから、委員会を開きます。  食料品総合小売市場管理会法案議題とし、提案理由説明補足説明並びに提出資料説明を聴取することにいたします。松野政務次官
  3. 松野孝一

    政府委員松野孝一君) ただいま議題となりました食料品総合小売市場管理会法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  わが国における消費者物価は、近年上昇しておりますが、これは、特に野菜果実魚介等生鮮食料品の値上りによるところが大きいのであります。  政府といたしましては、このような状況にかんがみ、需要の変化に適合した生産安定的拡大農水産業構造改善による生産生向上をまかるための各般施策を推進するとともに、生鮮食料品の出荷の安定と計画化中央卸売市場改善整備等の措置を講じてまいったのであります。  しかしながら、生産者から消費者に至る生鮮食料品流通過程においては、小売段階における経費が最も大きく、かつ、それが増大する傾向にあることにかんがみまして、今後農水産業の所得の確保、向上をはかるとともに、生産流通面での各般施策効果一般消費者に及ぼすためにも、小売段階での流通経費節減をはかる必要があると考えられるのであります。  すなわち、わが国における生鮮食料品流通経路の最末端組織である小売販売機構は、販売効率の低い多数の零細な小売商業者によって占められており、近年における労働需給逼迫等による経費増加を売り上げの増加等方法によらず、小売マージンの増大によってまかなう傾向がうかがわれるのであります。これに対する対策といたしましては、近時諸外国においても著しい発展を示し、また最近わが国においても急速な普及を見せておりますいわゆるスーパーマーケット等に見られる近代的な経営方式を導入し、小売り段階における流通経費節減による価格形成適正化をはかっていくことが必要と考えられるのであります。この点につきまして、今後これらの中小小売り商業者が、みずから共同して、積極的に近代的な方向へ進むことが必要と考えられるのであります。  政府といたしましては、このような見地から、大都市及びその周辺地域に、近代的な経営方式を導入して、総合的に生鮮食料品等小売り業経営するための食料品総合小売り市場を、中小小売り商業者による経営近代化モデルとして設置することとしたのであります。そしてこの適正な運営を通じて、既存の中小小売り商業者経営近代化を促進するとともに、生鮮食料品価格形成適正化に資し、もって国民生活の安定に寄与することが緊要と考えるのであります。このための食料品総合小売り市場設置及び管理は、公益的な性格をもたせてこれを適正に運営する必要があります。また、その設置効果を的確に確保することが特に必要であると考えられます。そこで、その設置管理主体といたしましては、国と地方公共団体とが共同して出資する特別の法人設立し、一般消費者及び中小小売り商業者意見をも十分に反映させつつ公正な運営をはかっていくことが適切であると考え、この法案提案することとした次第であります。  以上のような考え方のもとに、昭和三十九年度におきましては、さしあたり、東京都の区域に二十カ所の食料品総合小売り市場設置することを予定しております。これに要する資金合計約二十億円であります。建物及び諸設備建設に要する資金のうち、生鮮食料品販売の用に供する部分につきましてはその二分の一に当たる約三億円を国と東京都が折半して補助することとしております。建物及び諸設備補助残並びに土地取得資金につきましては、国は東京都を通じて四億円の資金融通を行なうとともに、東京都も一般起債により四億円の資金融通を行なうこととし、残余については一般金融機関等から調達するよう考えております。  また、食料品総合小売り市場設置及び管理にあたりましては、周辺中小小売り商業者を活用して営業を行なわせ、これを中小小売り商業者経営近代化モデルといたす所存であります。また、適正な価格形成がなされるよう配慮し、周辺中小小売り商業者に急激な摩擦を与えることを避けることといたしたいと考えております。  この法律案は、以上のような目的を達成するため特別に設立する食料品総合小売市場管理会組織業務財務等に関する事項を定めたものでありまして、そのおもな内容は、おおむね次のとおりであります。  まず第一に、この管理会資本命は、政府及び地方公共団体出資する金額合計金額とし、政府は、管理会設立に際し、一億二千五百万円を出資することとし、その後必要に応じて追加して出資することができることとしております。  なお、地方公共団体出資については、法律上特に規制を設けず、管理会に対し自由に出資することができることとしておりますが、国と同額出資がなされることを期待しております。  第二に、この管理会組織について申し上げます。役員定数任免等について所要規定を設けるとともに、出資地方公共団体及び一般消費者小売り商業者等広く関係者意見を聞き、業務の円滑適正な運営を期するため、運営審議会を設け、業務運営に関する重要事項を調査審議させることといたしております。  第三に、この管理会のおもな業務は、近代的な経営方式を導入する総合的な生鮮食料品等小売り業経営するための食料品総合小売り市場設置及び管理、その小売り市場における生鮮食料品等購入販売等に関する事項についての指導であります。  なお、管理会は、食料品総合小売り市場設置及び管理業務については、農林省令で定める基準に従って行なわなければならないこととしております。また、その設置に際しては、管理会は、その設置及び管理計画概要について、これを設置しようとする場所をその区域に含む出資地方公共団体の長の意見を聞かなければならないことといたしております。  第四に、管理会財務及び会計につきましては、予算事業計画等につき、あらかじめ農林大臣認可を受けることとし、長期または短期借入金をすること及び余裕金運用等についても所要監督規定を設けることといたしております。  第五に、附則におきまして、管理会設立するため必要な手続規定を設けております。  以上がこの法律案提案理由及びおもな内容であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
  4. 青田源太郎

  5. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 次に、食料品総合小売市場管理会法案につきまして、若干補足して御説明申し上げます。  この法律案は、提案理由説明にありましたとおり、大都市及び人口の集中の著しいその周辺地域に、食料品総合小売り市場設置することにより、生鮮食料品等流通合理化を促進して適正な小売り価格形成に資し、もって国民生活の安定に寄与することを目的としております。法律案の構成といたしましては、第一に食料品総合小売市場管理会資本金等について規定し、第二にその業務運営組織として、役員運営審議会等について規定し、第三に業務範囲等について規定し、第四に財務会計等について規定しておりますほか、一般的監督規定、罰則、設立手続等について規定しております。  以下、その細目について若干補足させていただきます。  第一章は、この法律目的法人格資本金等総則に関する規定であります。  そのうち、特に第四条は、資本金に関する規定であります。管理会資本金は、政府及び地方公共団体出資する金額合計金額としております。設立当初の資本金といたしましては、政府設立に際し出資する一億二千五百万円のほか、東京都から同額の出資を予定しております。この資本金は、その運用益をもって管理会業務運営に要する経費の一部に充てることを予定しております。  第二章は、役員等管理会組織に関する規定であります。  まず、第九条から第十二条においては、役員定数職務権限任命権及び任期について定めております。  次に、第十三条から第十六条においては、役員欠格条項解任等役員に関する制限について定めております。  第三に、第十九条及び第二十条においては、運営審議会の権限、委員定数及び構成等について定めております。  運営審議会は、管理会業務の円滑適正な運営を期するため設置するものであります。その委員には、出資地方公共団体委員のほか、一般消費者小売り商業者等関係者意見を代表する者を充て、これらの意見十分管理会業務運営に反映させることとしております。また、特に、管理会業務運営基本的事項である定款の変更業務方法書作成及び重要な変更予算事業計画及び資金計画作成及び重要な変更並びに財務諸表作成につきましては、運営審議会必要的諮問事項といたしております。  第三章は、管理会業務範囲、その執行方法等管理会業務に関する規定であります。  まず、第二十二条においては、管理会業務範囲を定めております。  第一項の業務は、この法律目的を達成するための基本的なものであり、その範囲は各号に列記しております。  第一号は、食料品総合小売り市場設置及び管理であります。食料品総合小売り市場は、野菜果実、魚類、肉類等生鮮食料品その他一般消費者が日常その用に供する食料品を取り扱い品目としております。また、この小売り市場においては、近代的な経営方式を導入して総合的に小売り業経営させることとしております。なお、これを設置する地域は、大都市及び人口の集中の著しいその周辺地域で政令で定める地域内と定めております。  第二号は、食料品総合小売り市場において生鮮食料品等小売り業経営する者に対する指導であります。指導内容といたしましては、生鮮食料品等の種類、品質、価格その他その購入、保管及び販売に関する事項といたしております。これは、この小売り市場において経営を行なう小売り商業者に対し、適切な指導を行なうことにより、これを中小小売り商業者による経営近代化モデルとするとともに、適正な小売り価格形成がなされるよう配慮するため設けた規定であります。  第三号は、食料品総合小売り市場において生鮮食料品等小売り業経営する者に対する生鮮食料品等購入のあっせん及び委託を受けて小売り業務の一部を行なうことであります。  第二項の業務は、食料品総合小売り市場の用に供する土地の効率的利用をはかり、食料品総合小売り市場にかかる地価の負担を軽減するため行なうものであります。業務範囲といたしましては、食料品総合小売り市場の用に供する建物を立体化する等、これと一体となる施設を建設管理及び処分することとしております。なお、立体化するにあたっては、できるだけ日本住宅公団等と提携して行なうことといたしたい考えであります。  次に、第二十三条から第二十五条においては、管理会業務の執行の方法等について定め、管理会業務運営の適正を期することとしております。  まず、第二十三条では、第一項において、管理会は、食料品総合小売り市場設置及び管理については、農林省令で定める基準に従って行なわなければならないものとしております。  また、第二項では、農林大臣生鮮食料品等流通合理化を促進して適正な小売り価格形成に資するため特に必要があると認めるときは、管理会に対し食料品総合小売り市場設置に関し必要な指示をすることができることとしております。  さらに、第二十四条では、管理会業務開始の際農林省令で定める事項について業務方法書作成し、農林大臣認可を受けなければならないこととしております。  なお、第二十五条では、管理会は、食料品総合小売り市場設置及び管理にあたり、地元の出資地方公共団体の長の意見を反映させるため、その計画の概要について、これを設置しようとする場所をその区域に含む出資地方公共団体意見を聞かなければならないこととしております。  第四章は、管理会財務及び会計に関する監督規定であります。  まず、第二十七条及び第二十八条においては、管理会予算事業計画及び資金計画並びに財務諸表について、農林大臣認可または承認を受けなければならないこととしております。  また、第二十九条から第三十二条におきましては、管理会の毎事業年度の損益の処理方法、長期または短期の借入金をする場合の制限、余裕金運用方法等について定めております。  第五章は、管理会に対する農林大臣の一般的な監督に関する規定であります。  第六章は、雑則に関する規定であります。  そのうち、特に第三十八条においては、管理会は、その業務運営について地方公共団体と密接に連絡するとともに、地方公共団体管理会に対し、その業務運営について協力するよう定めております。  第七章は、罰則に関する規定であります。  附則におきましては、管理会設立手続等について定めております。  なお、最後に、提案理由説明にありました昭和三十九年度における事業の実施方針について一若干補足して御説明申し上げます。  昭和三十九年度におきましては、さしあたり、東京都の区域に二十カ所の食料品総合小売り市場設置することを予定しております。一市場当たり平均規模は、用地千百五十五平方メートル(三百五十坪)、建物、六百六十平方メートル(二百坪)を予定しております。また、この売場には、冷凍一商品ケース冷暖房設備、レジスター等近代的な経営を行なうに必要な基幹的諸設備を設けることを予定しております。  これに要する資金は、土地取得資金並びに建物及び諸設備建設資金として、一市場当たり一億円弱で、合計二十億円弱であります。建物及び諸設備建設に要する資金のうち、生鮮食料品販売の用に供する部分につきましては、その二分の一に当たる合計二億九千七百六十万円を国と東京都が折半して、それぞれ一億四千八百八十万円ずつ補助することとしております。建物及び諸設備補助残並びに土地取得資金につきましては、国は東京都を通じて四億円の資金融通を行なうとともに、東京都も一般起債により四億円の資金融通を行なうこととし、残余につきましては、一般金融機関等から調達するよう考えております。  また、食料品総合小売り市場設置及び管理にあたりましては、適正な価格形成を確保するとともに、周辺中小小売り商業者を活用して営業を行なわせ、これを中小小売り商業者経営近代化モデルといたしたいと考えております。  以上をもちまして、本法律案及びこれに関連する主要な問題についての補足説明を終わります。  次に、お配りしておりまする資料につきまして御説明申し上げます。お手元に食料品総合小売市場管理会法案関係資料という横とじの資料がございますが、これについて御説明申し上げます。  最初に、生鮮食料品消費者価格消費の動向に関する資料でございますが、まず一ページ消費者物価指数推移につきまして、これは全都市消費者物価指数推移を示したものでございます。その中で特徴的なことを申し上げますと、総合指数で、三十五年を一〇〇といたしまして三十八年は一二一と、つまり三カ年間に二割一分の消費者物価の騰貴が見られたわけでございます。そのうち特に目立ちますのは、まず、一番左にあります食料でございます。これが一二五・五、それから雑費一二〇・六、この中には教育費とか、そういうものがございます。そういうものが特に目立っておるわけでありますが、しからば食料の中でどういうものが特に上がっているかということになるわけでありますが、まん中に二本太い線が引いてある右のほうでございます。そこにまず穀類から各種の類別で指数を上げてあります。穀類は比較的安定しておりまして、三十八年の指数は一一四・一でございます。穀類以外のその他の食料が一三〇・五、こういうふうに穀類以外で値上がりが目立っておるわけでございます。その他の食料の中でどんなものが特に目立っているかと申しますと、野菜がまず大きく二八六・三となっております。その次にくだもの一五七・九、それから生鮮魚介の一四四、それから一番右の加工食品となっておりまして、肉類は比較的値上がりの程度が高くて、乳卵は穀類並みである、こう申し上げられるのであります。  その次の欄は、これは前年に対する値上がり率でございますが、総合で、三十六年は前年に対して五・三、三十七年は六・八、三十八年は七・六となっておりますが、食料はそれを上回って毎年値上がりしております。これは同様に内訳で見ましても、野菜果実あるいは加工食品等の年々の値上がり率が目立っておるわけでございます。こういった消費者物価の騰貴に対する各項目別値上がりに対する寄与率というのが一番下の欄にございます。これでごらんいただきましても、消費者物価値上がりに対する影響が強かったのは食料であります。その中でも、その他の食料というのは大きな部分を占めておる、さらに、その内訳では、野菜くだものあるいは生鮮魚介加工食品、こういうものの影響が大きかった、こう申し上げられるわけであります。  その次のページは、東京指数でございますが、これは一ページで申し上げました全都市指数と大体同じでございますから一々申し上げません。  その次の表、三ページでございますが、消費者物価指数推移、これを数別でグラフにいたしました。これで見ますと、その他の食料が上がっておるということが目立っておるわけであります。で、参考のために、下のほうに、日銀の卸売り物価指数食料と、総合で見た指数グラフにいたしてございます。総合では、それほど卸売り物価値上がりがないわけでありますが、食料卸売り物価値上がり消費者物価と同様、かなり顕著なものがございます。  次のグラフは、これをやはりこまかくグラフにいたしたものでございます。さっき申し上げました傾向がそのまま出ておるわけでありますが、くだものなどは季節的な変動がかなりございます。野菜についてもございます。加工食品、それから生鮮魚介肉類等はそれほどの大きな幅の変動を示さないで、しかしながら、ずっといずれも上がる傾向でございます。  五ページは、生鮮食料品を今度は品目別小売価格で見た場合でございますが、野菜は白菜が生産が非常にふえて比較的値上がりが少ない、むしろやや下がりぎみであるということを除きまして、ほかの品目はいずれも相当上がっております。特にネギ、タマネギ、キュウリなどは著しく上がっておるわけです。果物ではミカンがかなり上がっております。リンゴも上がっておりますが、ミカンのほうが著しく上がっております。魚も同様でございますが、特にマグロなどが著しく上がっておるわけでございます。  それから、その次のページでございます。いままでは消費者価格値段を分析したわけでございますが、今度は家計の消費構造変化を分析したのでございます。これは総理府の家計調査によったものでありますが、これは価格動きとはやや別でございます。つまり、生活水準向上につれて住居費とか、それから光熱費被服費などの支出がふえてまいっております。食料品値上がりしながらも、支出の中で、支出は絶対額ではふえておりますが、構成比ではだんだん落ちてきております。構成比の欄でごらんをいただきますと、食料品という中にあります構成比は、これは大体エンゲル係数を示すものでございますが、三十七年はついに四〇を割りまして三八・九というようになってまいります。つまり食料値段値上がりにもかかわらず、エンゲル係数としては低下しておる。生活水準は依然として向上しているということを示しておるわけでございます。  その次の表でございますが、これは都市の一世帯当たりの年間の生鮮食料品支出額と、購入量と、平均価格を示したものでありますが、まあ価格は先ほど申し上げましたような傾向でございますが、購入量としては多少の変化がございます。右のほうの指数ごらんをいただきますと、野菜につきましては、購入量は量的には減っておりますが、値段が上がっている。それからくだものは量もふえ、値段も上がっている。牛乳も量もふえ、値段も上がっておる。鶏卵は購入量がふえて、値段は下がっておる。それから生鮮魚介は量もふえまして、値段も上がっておる。肉は量もふえ、値段も上がっておる。まあ品目によって若干の相違がありますが、量と単価ともにふえるというのが多いようであります。野菜、卵を除きまして大体そういうことでございます。  それから八ページでございますが、これは品目別に、一世帯当たり野菜生鮮魚介類支出を見たわけでございますが、野菜で見ますと、カンショの支出が減っておるほかは、かなりふえております。それから魚のほうではアジ、イワシ等、これがまあやや減る、あるいは相当減るということで、あとはカツオ、カレイ、サケ、サバなどが相当ふえ、タラ、タイ、イカその他鮮魚、そういうところがふえておる、こういうことでございます。  それからその次は、卸売り価格と、入荷の動向でございますが、これも簡潔に申し上げますと、九ページは左のほうが卸売り価格であり、右が入荷数量であります。まあ入荷数量がふえれば値段が下がり、逆に入荷数量が減れば値段が上がるというのが通常の状態でございますが、必ずしもそういってない。豚肉の場合は、入荷数量がかなりふえて、やはり値段は下がっておるわけでございますが、そのほかの場合は、入荷量もふえ、値段も上がる、こういう状態でございます。  その次の一〇ページ主要品目別に見ました主要卸売り価格でございます。これは年によって若干の動きはございますけれども、やはり消費者価格と同じように、一般にいずれも上がっております。ただ、牛肉だけが必ずしもそうでない。三十六年、三十七年に低下している。こういう現象を呈しております。  その次は、いままで申し上げましたことをずっとグラフにして、入荷数量消費者物価指数卸売り価格指数を対照したものでございます。これは重複いたしますから長い表は省略いたします。  三二ページにまいりまして、いままでは消費者物価卸売り物価、それから入荷量等見てまいりましたが、その次は、生産生産者価格でございます。これは大体生産もふえ、生産者物価も上がっておる。こういうのが実態でございます。ただ肉だけ、これは屠殺数から出た数字でございますけれども、肉の関係生産がふえて、生産者価格が下がっている。こういうことになっております。  三三ページは、今度は品目別にみた生産者価格動きでございますが、これも大体において相当な値上がりをいたしております。ここでも肉豚がちょっと違っております。これは御承知のような値下がりのときがあったわけでございますが、ほかのものにつきましては一般に相当値上がりしている。こういうことになっております。  その次の表、三四ページ以下は流通機構でございます。青果物、水産物、肉に分けて表に示したわけでございますが、青果物の場合は、これはいろいろなルートがございます。農協を通じて消費地の卸売り市場に行くものと、任意組合、あるいは商人系の集荷業者というものを通ずる場合がある。農協の場合にも総合農協を通る場合と、専門農協−特殊農協を通ずる場合とあって、野菜総合農協が相当扱っておりますが、くだもののほうは専門農協が多い。こういうような大体の傾向でございます。中央団体としては、専門農協のほうに日園連があり、総合農協は全販連、それから卸売り人としましては、大都市では中央卸売り市場、それ以外ではいろいろな形の卸売り市場が、いわゆる地方市場の形でございますが、その卸売り人から仲買人を通じて小売り店に行く場合と、直接小売り店に行く場合と二つに分かれておるのでございます。水産物の場合はやや趣を異にしまして産地市場がございます。産地市場を通るルートが大きいわけでございますが、この中に卸売り人と産地仲買人、すなわち出荷業者がおります。漁協というルートを通ずるものもあるのでございますが、産地市場を通じてから、消費地卸売り市場に向かうというのが多いわけであります。それから消費地の卸売り市場は中央卸売り市場が多いわけでありますが、卸売り人から仲買い人を通じて直接小売り店にいく場合は比較的少ないのでございます。それから肉の場合は、これはまた非常に変わっております。単協、県連を通じて全販連、全蓄連、それから卸売り人にいく場合、家畜市場を通じて家畜繭から卸売り人にいきます場合、また家畜市場を通じないで、商から卸売り人にいく場合、いろいろさまざまでございます。で、卸売り人から小売り店に売られる、こういう関係が普通でございます。で、食肉につきましては一中央卸売り市場がまだ数が少なくて、卸売り人といいましても、屠場に付設された取引場における卸売り人であるというような形をとっております。これが一般の流通機構でありますが、次に、中央卸売り市場だけを取り上げましたものが三五ページでございます。  中央卸売り市場は人口十五万人以上の都市で、六大都市を初め、二十幾つかの中央卸売り市場がございますが、この中は卸売り人、卸売り業者、つまり荷受け機関等が中核にありまして、これが産地から、産地仲買い人、あるいは生産者団体から委託販売を受けるのでございます。その卸売り機関で委託を受けて、せりで売られるのが通常の姿でございます。卸売り業者が生産地から買い付けて売る場合もございますが、それは青果のほうでは比較的少なくて、水産のほうではやや大きい、こう言えるのでございます。それからいずれもせりで仲買い人に売られるのが通常でございます。これは青果の場合も、鮮魚の場合もそうでございますが、しかし、青果の場合、たとえば神田市場におきましては、小売り商も直接せりに参加をしております。ところが、築地の本場におきましては、魚の関係では、小売り商は参加いたしておりません。必ず仲買い人を通じて小売り商に売られる、こういうことになっておるのであります。中央卸売り市場における取引機構はいま申し上げたとおりでございます。  三六ページは、中央卸売り市場の組織が非常に問題がございますので、その一端を示したわけでございますが、関係の業者でございます。これは青果と水産、食肉に分けまして、卸売り人と仲直い人、それからその他の売買参加者、さっき申し上げましたように、大口需要者とか、小売り商がせりに参加する場合がございます。そういうのを表にしてあるのであります。東京ごらんいただきますと、青果の場合、本場の仲買い人は百四十四人でございますが、水産の仲買い人は約千五百人おります。で、水産の仲買い人に対しまして小売り店は五千ぐらいでございます。したがって、三つの小売り店に対して一つの仲買い人というようなわけで、その結果としては、仲買い人は取り扱い量が平均的に少ない、マージンが高くならざるを得ない、こういうことで、昨年来、特に築地本場の水産の関係については、仲買い人の統合による大型化を勧奨いたしておるのであります。神田のほうにおきましては、これは青果ばかりでございます。青果は、仲買い人はそれほど多くございません。しかし、これでもまだ多い感じがいたしまして、神田においても、できれば仲買い人の統合をやってもらいたいということで進めておるわけでございます。ほかの都市に比べまして、いかに築地の本場の水産の仲買い人が数が多いかということがごらんいただくとおわかりかと存じます。それからここで見ていただきますと、横浜には青果には仲買い人というものがございません。これは一つの特徴でございます。仲買い人を必ず置くべきかどうかという問題がございますが、その辺のことになると、横浜の問題が解答を示しているかどうか、これはかなり問題がございますけれども、現在の仲買いの実態はとにかく改善を要するものがあると考えられます。  それから三八ページにまいりまして、中央卸売り市場の取り扱い高の推移でございます。大体六大都市が多いわけでございますが、ウェートをごらんいただきますと、青果物では、大体中央卸売り市場のうちで六大都市が八割以上になっております。水産物でもほぼ八割が中央卸売り市場を通じております。数量においても、金額においても同様でございます。特に金額においては六大都市が圧倒的に多い、こういうことでございます。  それかういまのは中央卸売り市場の中における六大都市の比重でございますが、三九ページは全体の生鮮食料品流通童において中央卸売り市場がどういう地位を占めているかということでございます。まず、一番上の欄が生産高でございますが、そのうち流通されるものは、これは推定の数字でございますが、これを一〇〇といたしまして、六大都市の中央卸売り市場が扱っているのは、野菜の場合は三四%、果物で二七%、青果物の平均で三一%、三割ちょっとこえるところが六大都市でございます。中都市を含めた中央卸売り市場全体の扱い量は、一番下の欄にありますように野菜で四割、果物で三割二分、それから青果として三割七分。水産物では、六大都市だけで三七%、中央卸売り市場全体で四三%。この青果物と水産物を合計いたしまして、六大都市が三三%、それから中央卸売り市場全体で三九%、約四割が中央卸売り市場を通じておると、こういう実情でございます。  最後に、四〇ページ、四一ページは小売り商の実態でございます。これは生鮮食料品につきまして、青果、鮮魚、食肉に分けて、全国と、六大都市と、東京都にどのくらいの小売り商がいるかというのが一番左でございます。青果でいいますと、全国で五万六千。六大都市で一万三千。東京都で七千六百でございます。鮮魚はこれよりやや少ない。全国で五万、六大都市で六千八百、東京都で三千七百、そういうことでございます。  右のほうに年間の販売額と、一店当たりの平均扱い高を示しておりますが、常時従業者数というのは、これは二十六でなくて、二・六人、三・六人でございます。それで、年間の販売額が三百五十九万円、青果の場合。したがって、従業者一人当たりの年間の販売額は百三十七万円、非常に少ない額でございます。売り場面積も狭くて、売り場の坪当たりの販売額が四十二万円、粗利益率、まあ大ざっぱにいってマージンでございますが、二一・五%、魚の場合が、従業者一人当たり百十七万円、坪当たり五十二万円、粗利益率二〇・六%、食肉は、これもまあ似たようなことでございます。  これに対しまして、四一ページの、新しい販売店方式でありますスーパーマーケット、あるいはこれに類したいわゆるマーケット方式のものの状態でございますが、マーケットは、スーパー店数は、これは化繊協会の調査資料ですが、年々非常にふえてまいっております。上のほうの表の累計欄をごらんいただきますと、三十八年で七百四十一という数になっておりますが、この中にはいろんな形のものがあります。スーパーマーケットが三百八十二、スーパーストア及びその類似店が三百五十七でございますが、マーケットとストアはどう違うかというと、あまり厳密なことは申し上げられませんが、スーパーマーケットは食料品が中心で、それからスーパーストアというのは衣料品とか、そういうものが中心になっている、こういわれております。その経営の概況が下のほうの表でございますが、これは資料による調査でございますけれども、スーパーマーケットの場合は従業者数が六十二・三人、売り場面積が、これは平均で二百一坪、坪当たりの売り上げが百三十一万、従業者一人当たりの売り上げが四百二十七万、小売店の三倍をこえております。粗利益率は、つまりマージンが一四・七、前の小売商の場合は二二くらいでございます。こういうふうに低いわけでございます。それからスーパーレットというのは、これの小規模のもので、やや売り上げ額は小さいようですが、やはり粗利益率は低くなっています。衣料スーパー、日用雑貨スーパー、こういうように生鮮食料品の小売り商に比べてずっとマージンは低くなっております。  御参考のために、一応このような数字を申し上げた次第でございます。
  6. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 以上で説明を終わりました。  なお、この際資料の御要求がある方は御発言願います。
  7. 森部隆輔

    ○森部隆輔君 資料を二、三要望いたしたいと思いますが、できれば六大都市と思いますが、非常に六大都市を集めることがめんどうであれば、とりあえず東京都だけでもいいのですが、東京都に入ってくる青果物のおもなる品目——ここに書いてある品目だけでもけっこうですが、その出荷地、府県、たとえばリンゴは何県からどれだけ入ってきた、あるいは野菜の場合であれば、ハクサイは何県から入ってきたかという府県別、これも全部の県まで書くことは非常にたいへんですから、まず、上位から十県ぐらいでもけっこうです。これはもうきちんとわかるはずですから、できれば六大都市と思います。この表をひとつ。出荷県ですね。野菜全部というわけにいきませんから、ここに書いてある青果物だけでけっこうです。  それから、資料の二が、中央卸売り市場が、人口十五万以上の都市を大体基準にして、現在二十二ですか、ある  ようでありますが、その都市の名前——それはもう都市の名前だけでけっこうです。  それから次の資料は、全国で市制がしかれておるのが五百八十幾つですか、約六百近いと思うのですが、いまの中共市場法によるものは二十二ぐらいでありますが、その他の、中央市場以外で一府県であるいは条例を市場に対して設けて、あるいは上場した数量価格品目等を報告させる義務を持たしておるようなところ、府県でそういう条例をつくっておるような県があるとすれば——あるはずなんですから、府県名だけでけっこうです。青果物に関する市場に対する条例をつくっているところです。  それからもう一つは、中央市場の二十二の内訳でけっこうですが、一市場の、いわゆる市場単一制をとっておるのと、いわゆる市場に二つ以上の会社、いわゆる複数制の場合と、この二つの方法があると思いますが、それも二十二の内訳でけっこうなんですが、まず、一応それだけひとつお願いしておきます。
  8. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 承知いたしました。さっそく提出いたします。
  9. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) ほかにないですか。  本日はこれをもって散会いたします。    午後二時十七分散会