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政府委員(今村譲君) それでは申し上げます。いま
先生が仰せられましたように、最近の国立公園の
関係の利用者、これは国定公園も含めてでございますけれ
ども、非常に最近
生活事情なり、あるいは都市
生活からの緊張緩和ということで、自然の中に飛び込んでいくというのが多くなっております。たとえば
昭和二十八年あたりが約四千万というのが、三十五年で九千万、三十七年では一億二千五百万、三十八年では一億五千万ぐらい国立公園に殺到するのではないかというふうな感じでございます。それに国定公園も二十五カ所ほどありますが、約七千万人ぐらい、合わせますと本
年度におきましても二億人を十分こすと、こういうふうな非常な急ピッチな
関係が
一つでございます。
それにつきまして第一点は、公園部の
業務量の問題でございますが、二十七、八年
——三十年ぐらいまでは観光開発というのはあまりそれほどの投資額もなくて、ほとんど国立公園内のホテル建築とか、あるいはいろんな工作物の建築というのが許認可件数、年間で五百五十件、これは二十七年の統計でございますが、そういうふうなものが、三十七年では千九百五十件、約二千件、しかも一件のものが八億なり十億なりの非常に大きなものが出ておる。その辺の、自然保護と国民の需要としての利用
関係というもの、
施設の整備との調整というのが、非常に大きくなってきておるというのが第一点でございます。
それから予算の面につきましても、たとえば
昭和三十年を例にとりますと、国立公園、国定公園全部ひっくるめまして、
国家予算というのは三千九百八十二万円、大体四千万円ぐらいというのが、三十九
年度におきましては四億八千余万円ということで、大体十二倍くらいにふえておるというようなかっこうでございまして、予算の増加それから
業務量の増加というふうな問題が、いまの公園部の力で何とかかんとか、まあ夜間残業というようなかっこうで処理しておるのでありますが、非常にふえてきておるということが
一つでございます。
それから第三点の、人の
関係でありますが、これは
昭和二十三年の二月に厚生省で公園部として発足したのであります。その当時は四十四名、これが現在におきましては二百五名というふうなかっこうになっておりまして、
人員の
関係でも五倍ぐらいになっておる、こういうふうな計数的な情勢でございます。最近、経企庁の国民消費動向
調査、いろんなものをとりましても、非常に今後こういうレクリェーションというふうな問題がふえてくる、したがって、それを受け入れるべき民間の観光
事業者あるいはいろんな
施設というものが非常にふえる、しかもそれに伴う
公共投資というふうなものは、
国家予算の制約とかなんとかで、相当
努力をしないと
公共投資と民間投資との
アンバランスが出てくる、旅館はできたが休憩所も駐車場もないというふうなかっこう、あるいは清掃
施設がなくて荒れほうだいというふうなかっこうになる、その辺も問題がございますし、昨年観光
基本法ができましたときに、これは国際観光、外資獲得というような問題が相当ウエートを占めておりますが、同じように国民大衆の低廉で清潔な旅行、これに対しても
政府は一生懸命にやれと、何も外人観光ばかりではないというような規定もございまして、しかるべき時期に必ずこれは独立部隊にして、何といいますか、官房の一部というかっこうじゃなしに、
行政の姿勢としても
一つの局を設けるべきだ。実はこれは私
どもの悲願であったのでございますが、過去数年いろいやっておりましたが、ようやくこういう情勢に応じて
一つの独立の局をつくって、この問題に関する国の
行政の姿勢というようなものをはっきり打ち出したらどうか、こういうかっこうで新設をお願いすることになったわけでございます。
それからもう
一つ、現在厚生省の官房の中に国立公園部がございますけれ
ども、やはり官房は人事、総務あるいは会計というような総括的なもの、あるいは統計
調査というふうに、全体のいわゆるスタッフ
業務というものでありますが、公園部だけは実際の
業務をやっておる。したがって、官房の機能強化という
意味からにおきましても、やはりこれは
一つの実際
行政をやっておる
行政単位というかっこうにして独立さしたらどうだというような話を、いろいろ詰めておりまして、
行政管理庁なり
関係方面と打ち合わせの上で、新しい姿勢を打ち出すという
意味で新局を設置するということにしたらどうか、こういうふうなことでお願いしておるわけでございます。