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1964-03-10 第46回国会 参議院 内閣委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月十日(火曜日)    午前十時五十八分開会   —————————————    委員異動  三月六日   辞任      補欠選任    野上  進君  古池 信三君   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     三木與吉郎君    理事            石原幹市郎君            下村  定君            伊藤 顕道君            鶴園 哲夫君    委員            源田  実君            小柳 牧衞君            林田 正治君            村山 道雄君            千葉  信君            鬼木 勝利君   衆議院議員    発  議  者 松平 忠久君   国務大臣    大 蔵 大 臣 田中 角榮君    国 務 大 臣 山村新治郎君   政府委員    臨時行政調査会    事務局次長   井原 敏之君    行政管理庁行政    管理局長    石川 準吉君    林野庁長官   田中 重五君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    行政管理庁行政    管理局審議官  松本 操一君    林野庁職員部長 森   博君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○中小企業省設置法案衆議院送付、  予備審査) ○臨時行政調査会設置法の一部を改正  する法律案内閣提出) ○国家公務員共済組合法長期給付に  関する施行法等の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査) ○国家行政組織及び国家公務員制度等  に関する調査  (林野庁定員外職員の問題に関する  件)   —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  三月六日、野上進君が委員を辞任され、その補欠として古池信三君が選任されました。   —————————————
  3. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、参考人出席要求に関する件についておはかりいたします。  旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案審査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  6. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、中小企業省設置法案議題とし、発議者から提案理由説明を聴取いたします。衆議院議員松平忠久君。
  7. 松平忠久

    衆議院議員松平忠久君) ただいま議題となりました中小企業省設置法案提案理由を御説明申し上げます。  お手元にプリントが配付されておりますが、若干ミスプリントがございますので、訂正しながら御説明をいたします。  中小企業省を設置し、中小企業大臣のもとに、抜本的、強力な政策の実施されることは、全国中小企業者が、長年にわたり切実に待望してまいったところであります。  現在の中小企業庁は、その機構がきわめて貧弱であるだけでなく、ほとんど大企業代弁機関と化した通商産業省に完全に隷属しておるのであります。このため、従来、中小企業庁が、中小企業者の輿望をになって、せっかくよい施策を立案し、あるいは適切妥当な予算を要求いたしましても、大企業立場から、あるいは通産省全体のワク内において、事前に葬られてきたせいが多々あるのであります。  これでは、中小企業者意見、要望を真に反映し、その利益を擁護する機関は、現在の政府にはないと言っても過言ではないように思われます。今日農民に農林省があり、労働者に労働省があり、大企業者のためには通産省があり、ひとり中小企業者のみが、日の当たらないところに置かれておって、これに相応する政府機関が欠けているのであります。中小企業者中小企業省を、そして通産省と対等の立場で、中小企業政策なり、中小企業予算について、国政の最高の執行機関である閣議の場において、討議されるべきは当然のことであります。  ここに中小企業省を早急に設置し、機構を整備して、中小企業基本法にうたうところの諸政策を最も効果的に実施し、もって中小企業経営の安定と発展に寄与してまいりたいと存ずる次第であります。これが本法律案を提出する理由であります。  次に、その内容概要を御説明いたします。  まず第一に、本法律案は、中小企業省所掌事務範囲権限を明確にし、あわせてその組織を定めるものであります。  第二に、中小企業省任務といたしましては、中小企業者組織経営近代化振興及び助成に関する行政事務や、基本政策の樹立に関する事務等を一体的に遂行する責任を負うものであります。  第三に、中小企業省の具体的な権限といたしましては、収入、支出に関する事務職員人事管理等、通常の所掌事務の遂行に必要な権限のほか、事業分野の確保、設備近代化助成組織化指導助成等があります。さらにまた、中小企業関係機関に関し必要な権限を有することといたしておるのであります。このため、たとえば、従来中小企業庁の所管の外にありました中小企業退職金共済事業や国民金融公庫に関することも、中小企業省権限事項と相なるわけであります。  第四は、中小企業省機構についてであります。  まず本省には、中小企業大臣のもとに、大臣官房及び振興組合経営指導、商業の四局を設置し、大臣官房には調査統計部を設けることといたしておるのであります。  次に地方にも、支分部局として、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡の八カ所に中小企業局を設置し、それぞれのブロックを担当して、本省所掌事務の一部を分掌せしめることにいたしております。  さらに、外局としては、中小企業者と大規模事業者等との間における紛争を調整せしめる機関として、中小企業調整委員会を設置しているのであります。  以上が本法律案提案理由並びに内容概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを切望いたします。
  8. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。   —————————————
  9. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案議題とし、前回に続き、これより質疑を行ないます。  政府側より山村行政管理庁長官井原臨時行政調査会事務局次長石川行政管理局長出席されております。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。鶴園君。
  10. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 前回に続きましてお尋ねをいたしたいと思いますが、その前に臨時行政調査会としましては、御承知のように、それぞれ中間報告が発表されております。それから最終報告が公表されているわけですね。したがって、この臨時行政調査会最終報告が発表されておるその問題について、私どもとしては審議する必要があるのではないか、こういう考え方も持っておるわけであります。というのは、あの考え方の中にいろいろ問題があるように私は思っております。ですから場合によれば、その問題について相当突っ込んで論議をする必要がある。こう私は思っています。でありますから、その問題はあとに延ばすということで論議を進めてまいりたいと思います。ですからこの問題は相当広範になりますしいたしますから、そういうおつもりでひとつ臨んでいただきたいと思うのです。答申が出ておりませんけれども、公式に発表されておりますから、これを論議せざるを得ない、こういうふうに思っておるわけです。前回に続いての私の質疑は、運営の問題について——六カ月延びた運営の問題について種々お尋ねいたしておるが、それらが会議録に目を通す限りにおきましては、重大な欠陥があったのではないか、運営について、そういう問題についてお尋ねをし、さらに会長の御出席を願ってこの問題についての質疑を行なったわけでありますが、さらに進んで中に入りまして、お尋ねをいたしたいわけであります。  臨時行政調査会設置法にありますように、七人の委員とそれから二十一名の専門委員と、七十名の調査員と、四十名の参与、事務局、これは事務局長次長、ほか課が二課、こういう運営で行なわれておるわけでございます。この専門委員の二十一名、この専門委員選任基準は何かということをお尋ねしたい。私はこの専門委員選考を誤ったのではないか、こう思っております。基準は何ですか。
  11. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 専門委員設置法によりまして、会長推薦によって内閣総理大臣任命するということになっております。調査会としましては、部内で委員同士の話をいたしまして特に適任者を七人の委員から——まず会長か正式に推薦をやる前に、七人の委員から、それぞれ候補者を出していただくという方法でやったわけでございます。その段階で政府側事務的に検討して、この材料等も出しまして、七人委員にまず荒あさりといいますか、一応しぼった候補者を整理していただき、それから会長推薦ということにいたしたわけでございます。  なお、選考基準ということでありますが、問題を行政総合調整の問題、行政事務の合理的再配分の問題あるいは運営一般の問題というふうに大きく分けたものでございますから、大きな項目について、適任者委員同士話し合いの上できめまして、そして、会長推薦ということにいたして、総理大臣任命という運びにいたしたわけであります。
  12. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いまの事務局次長答弁は、形式的な答弁だったと思うのですが、これは各界代表を集めたのじゃございませんですか。二十一名というのは、各界代表を集めたのではないか。
  13. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) そういう勢力均衡的な各界利害を代弁するというような考え方は、専門委員選考の場合にはとっておりません。ただ、一番先申し落としましたけれども、一番重点に考えましたことは、行政経験のある人というよりも、現職の行政の役人でないということ。これは、まあ当然でありますが、特にその点はシビアに考えました。若干の人が行政経験者が入っておりますけれども、すでに、完全に在野の人として、外の立場行政を見るということのできる人という、そういう基準はとりました。ただ、いまおっしゃいましたように、各層からの代表という配慮はいたさなかったわけであります。その点ははっきりいたしております。
  14. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 事務局次長は、そういうかってなことを言うからいけない。何でそういうかってなことを言う。あなたは委員会出席しているのでしょう。第六回の委員会議事録を見ますと、三十七年の三月二十二日、十二ページ、川島行政管理庁長官は、専門委員選任についてのあいさつをしているじゃないですか。川島長官はこう言っている。行政運営行政制度について、高度の知識のある人を集めたのではない。一般的に行政改革関心のある人々を、学界法曹界言論界財界等から代表意味でお招きいたしました。見てごらんなさい。そういう表面的な形式的な話をされたのじゃ審議にならないです。会議録を見てごらんなさい。見てから答弁してください。
  15. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 会議録でのお話でございますが、確かに川島行管長官は見えまして、いろいろと専門委員推薦について発言をされたことは事実でございます。しかし、それはいまおっしゃいましたように、各界代表するというか、利害代表するというような趣旨ではなかったというふうに私どもは聞いているわけであります。確かに学識経験者といいましても、範囲が広いわけでありますから、それが一部の方面に偏するということは避けるという配慮があったと思いますけれども、そういういろいろな話し合いがあり、七人の委員がそれぞれ候補を出します。最終的な会長推薦ということになったわけであります。そのいきさつのくだりが、川島大臣発言があったかと思いますけれども、これは行政管理庁任命ではないのでありまして、会長責任総理大臣任命したものであります。その経緯において、そういう発言があったことも確かにございますけれども、そういう趣旨でございますので、私かってなことを申しておるのでもない。
  16. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 かってなことですよ。これは専門委員を集めたところにおける川島行管長官の話ですよ。各界代表を集めた。代表意味お願いをいたしたとこう書いてある。ちょっと見てごらんなさい。次長に見せなさい、会議録の一二ページ。
  17. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 代表という意味が、利害代表という意味ではございません。まんべんなく。
  18. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私はそういうことを言ってない。利害代表というようなことを、言ってない。各界代表を集めたのではないかと、こう言っている。議事録を持ってきてください。議事録ありますか。
  19. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) ちょっといま持ってきておりませんから、取り寄せまして、あらためてお答えいたします。
  20. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 第一、態度が悪いですよ、僕は冒頭からこの審議にあたっては会議録を持って質問をしている、最初から。この間は、会議録はこんなに持ってきている、ここで私は会議録をこんなに厚いのを持って質問をしておるのに、一回も会議録を持ってこない、どういう意味ですか。なぜ会議録を持ってこない、前にも私は会議録を持って質問をしている、きょうは会議録を持ってこないが、ちゃんと書いてある、持っていらっしゃい、会議録を。そういういいかげんな話では話にならないですよ。会議録を持ってこないで、私は会議録でずっと言っているでしょうが。第何回も、第何回も、全部会議録で言っているのですよ、その私が会議録で言うのに、一回も会議録を持ってこない、そういうやり方で審議できますか。しかも委員会運営審議すると前から言ってある、これは審議できないですよ、こういうことじゃ、どうですか、委員長審議できないですよ、これでは……。会議録なしで、なんで審議できますか。なぜ、そういう不見識なことがありますか、これは承知できないですよ、そういう話では。
  21. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 実は、一回も持ってこぬとおっしゃいましたが、前回も持ってまいったのでありますが、本日失念いたしましたので、暫時お許しを願います。ただいま取り寄せます。
  22. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃ進めましょう。  私は、いま質問いたしましたように、第六回の委員会会議録、これは速記はとってないようでありまして、要旨であります。そのときのは、あとで、十何回ごろから速記をとっておりますが、要旨になっておりますが、その要旨の中で、川島さんが述べておられるのは、そのとおり、つまり私がいまあげたように、行政制度行政運営について高度の知識のある人を集めたのではない。一般的に行政改革関心のある人々を、学界法曹界言論界財界等から代表意味お願いをいたしたいと書いてある。そこで、私はお尋ねをいたしたいわけですが、これは第一、専門委員選考を誤った、それは設置法の第七条の第三項です。「専門委員は、当該専門事項に関する調査審議」と、こううたっておるのです。専門でもなんでもないですよ、これはどうですか、この点事務局次長は。ですから、私は、結論として、次から次に申し上げますが、専門委員専門ではないから、専門委員としての任務は果たせなくなると私は思うのです。確かに学界から出ておる人々の中には、辻さんとかあるいは橋本さんとか、田辺さんとか、学界から出ておる人の中には行政関係専門家はおられる、あるいはそのほかに官庁の事務次官をやった方もおられる。ですが、全体としてみますというと、やはりこれはどうも各界代表をお集めになった、したがって専門家ではない、また、専門家を集めなかったと書いてある。そこに私はこの委員会行政運営の根本的な門違いがあると私は思うのです。いかがですか。
  23. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 専門家でないというおしかりでありますが、まあその点は私ども選考の専務に参加したものとして、いろいろ御批判はあると思うのでありますけれども設置法のいうところの専門委員適格者でない人は私は一人もおらぬと思います。この任命事務に私、事務的に参加をしておりますが、そういうふうに見ておったわけでありまして、したがって、各委員意向なり行管長官意向なり、最終的には会長意向で定めたものでありまして、あるいは結果的に御批判があるかと思いますけれども、この任命事務を進めた、その事務関係しておりました一人といたしまして、私、非適格者がおるようには考えておらぬわけであります。
  24. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 事務局次長としてごもっともな御説明だと思うんですが、しかしながら、これはやはり私はどうしてもこだわる。この問題については、まあ事務局次長としても再びこの臨時行政調査会法を国会で審議せられるとは思わないものだから、こういうような選任をされたのかもしれない。ただいま忍びこの法律審議するということになって、中を見てみるというと、どうも不適格——適格なとは私は申しませんですよ。不適格だということは。この専門委員としてはどうかというふうに言っている。人物とかあるいは識見とか、そういうことをどうこう言っているのじゃない。行政管理庁臨時行政調査会の規定しておるような専門委員としてははなはだしくまずかったのではないか。誤解のないように。まずかったのではないか。ですから、七人委員が、いうならば言論界なり、法曹界なり、財界なり、その他のこういう一種の各界代表的な構成になっておる。そしてその下にあってほんとうに専門的にこの委員を助けて専門的に動かなければならぬ二十一名という人たち、これは最もキーポイントを持っている人ですが、この人たちがまた七人委員と同じような構成各界代表——専門家ではない。これは川島さんのおっしゃるように、専門家ではない。これで運営できますか。どうでしょう。
  25. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 先ほど議事録なくてたいへんおしかりを受けましたが、確かに第六回の会議録、これは速記録というよりも、要旨でございますが、いま御指摘のように、川島行管長官は御指摘のような意味発言をされております。しかし、私どもは、この意味を高度の専門知識のある人を集めたというのではなく、一般的に行政改革関心のある人々を、各界——法曹界言論界云々と書いてありますが、それは行政改革関心があるという点を特に強調する意味もあって行管長官としては言われたと思います。私は、このこと自体が専門知識を排除したとか、専門委員として専門知識のあることを特に問題にしなかったというふうには——私はこのとき、この人事のときに事務に参画しておって見ておったわけでありますが、設置法のたてまえがそうであります。専門委員専門的な知識のない人が選任されるということは成り立たぬことであります。ただ、川島長官政治家でもございますし、特に行政改革というものに関心がなくちゃ、知識があるだけではどうにもならぬわけでありますので、その点を強調してこういう発言があったと思いますけれども、私ども見ておりまして、あの二十一人の専門委員が、臨時行政調査会専門委員として、人格的な問題じゃなしに、専門委員として不適格であったというふうにはいまも感じておりませんし、そういう意味人事を誤ったということはなかったと私ども考えております。
  26. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この会議録を目を通しますと、委員専門委員との合同会議が持たれている、そういう論議を見てだれしも感ずることは、こういう会議の実情について知っている者から言えば、七人委員専門委員との間には同じような、どっちも各界代表みたいになっている、だれも行政改革関心はあるが、各界代表みたいになっている、この関係があまり区別がないのですよ、論議を見ていると。どうもこっちのほうも使いにくかったでしょうね、あの会議録ですぐわかるのです、使いにくい——専門委員は補佐してやらにゃいかぬのですが、補佐ということにならないですね、議事録を見るとすぐわかるのですが——だから運営が、こうこっちを補佐して、これを駆使して——あなたのことはじゃないかもしれぬけれども、現況の一番最後に書いてあるのだが、現在の進行状況——専門委員を駆使してと書いてある。そんな状況では毛頭ないですね、駆使してというような——何となく使いにくくてもたもたしているのですね。使いにくかったでしょうね、これは。だろうと思うのですよ。まあ政府としてはこういう設置法ができて、そうしてこれの運営を、事務局に担当してやらせる場合に、やはりできるだけこの法の趣旨に沿って運営が行なわれていくように、これはやはりみなそれぞれこういうものにはなれない、関心はあってもなれない人たちがおいでになるわけですし、まあいうならば、七人の委員の世話をするだけでも、事務局長次長はたいへんだったろうと思うし、さらに二十一人という大ものですね、これは各界の。これの要するにお世話もたいへんだったろうと思うのです。ですけれども、筋は筋としてやはり運営してもらわないと、実際にこれでは運営がいかないと私は思うのです。結論は、専門委員調査員にたよらざるを得ないということになる、そういうことになっているのですよ。しかもあとほど申しますが、この委員人たちが直接専門委員を使っている、そういうところどこにもないのです。最初専門委員答申案を書くということになっていた。会議録を見ますと、答申案専門委員が書く、こうなっておったところが、そうじゃなくなっちゃって、調査員が書いているのですね。これはもし疑問があるならば会議録の八十三号——私は覚えている、第八十三回の議事録を見ればわかる。ある委員は、私は調査員に五十枚ぐらいで答申案を書いてもらうようにお願いしてある、こういうふうな発言です。ですからどうも途中でひっくり返っちゃったのですね、専門委員答申案を書くということになっておった、最初運営では。それはそうでしょう、おそらくそうだと思う。この設置法趣旨から言うならば、専門委員委員を補佐して専門的に調査審議をするのですから、案をこれはつくる——そうならないですよ。なぜならないか、私はやはり専門委員というものが専門家ではなく、七人委員小型にしたような、小型でもない、中型にしたような各界代表であったということじゃないですか。
  27. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 部会報告専門委員じゃなしに調査員が書いたという御指摘ございますが、それは書いたということは、筆をとって作業をしたということでございまして、部会というのは、これは私も特に専門委員なり部会立場としてもよく申し上げておかないと非常に誤解があると思いますが、あの部会報告というものは専門委員が完全に責任をとってあるのです。筆をとったかどうかは、項目によっては調査員修文と申しますか、案文したということはあったかもわかりませんが、書くという趣旨は、あの内容責任を持つということでございます。どの部会のどの専門委員もその点だけはほとんど変わりはございません。みずからとった人もありますし、調査員に書かしても何回となく推敲しておるわけです。こういう実態というものは、専門委員責任をとったということに私はなると思います。専門委員小型委員並み仕事がわからないから調査員仕事を預けたというようなおことばでありましたけれども、それは少し事実と違うと思うのです。
  28. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 事務局次長、そういうようなお話であればこまごまと申し上げてもいいのですよ。こまごまと申し上げてもいいのですけれども、いささかよけいなことにもなるように思うのです。しかしながら、あなたのおっしゃった中に、非常に大きな問題があるのですよ。それは、答申案専門委員が書くことになっておった。それを疑問を持たれるならば会議録を見なさい。そうしてものを言ってもらいたい。それを調査員が書いたとかなんとかということを私は言っておるのじゃないのです。書くことになっておった。しかしながら、それが中間報告を出して、最終報告をしたその最終報告と、いまつくっておるものと切れておるじゃないかということを言っておるのですよ。いまつくっておるのは作業班でしょう、案をつくっておるのは。作業班の内容はどうなんですか、五名おる内容
  29. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) いまやっておりますことは、確かに当初部会というものが、専門委員が改革意見の原案をつくるということになるのが一番望ましかったと思います。ほとんど一年くらいはそういうつもりで運営をしてみたわけでありますが、現実は部会というふうに専門委員を分け、それにその下に調査員をつけまして、項目を分けてやってみますと、まかしたのに結論が出る前の段階で委員会としてもちょこちょこ口出しすることは適当ではない。また、専門委員もそれはあまり好まれないという感じもしておるわけでありまして、したがって、部会最終報告なり中間報告にしましても、これは専門部会のほうにおまかせしたわけであります。当初は御指摘のように、確かに専門委員が筆をとってということが望ましかったかと思いますけれども部会というかっこうでやってみますと、事志と違いまして、それはうまくない。やはり部会には最終的にその部会責任で一応そのテーマについて結論を出してもらうということがいいということで最終報告まで至ったわけであります。したがって、そういうことで中間報告なり若干のことは専門委員意見も言いながら部会の作業は進めましたけれども、出てきましたものはなにも七人委員会がすぐそのままのむというものでもございませんし、また、いまいろいろと御批判が出ておるように、非常に手を広げ過ぎたのじゃないかという御批判がございますが、部会としては問題を預けられて、どの項目だけにということに参りませんので、かなり手を広げております。したがって、最終部会報告というのは、店を広げたかっこうになっておりますが、七人委員としては、それを最も重点的に喫緊な問題といいますか、重要な問題といいますか、そういうようなものにしぼって最終改革意見にしようということであります。したがって、いまやっております段階は、七人の委員項目をそれぞれ分担して、みずから責任をとって原案をつくっておるわけであります。これに事務局員という資格を持っている職員——行政管理庁をはじめ各省から兼任で参っております職員事務の手助けとして五人ないし六人あるいは七人配属しておるわけであります。この間、調査員という身分を持った者もおるわけでありますが、実は各省から参っております調査員は、同時に事務局員に発令しておるわけであります。いま、作業班の段階というのは、事務局の段階で各委員を補佐しておる。これに問題ごとに専門委員に来てもらい、いろいろ協力はしていただいておりますけれども、一応専門委員部会の段階の作業が大きく片づいた段階でありますから、一週間に何日というような出勤をしていただいておるわけであります。作業班はあくまで事務局員が委員を補佐しておる。委員が原案を書く作業に、いま事務的に補佐をしておると、こういう体制が作業班の体制でございます。
  30. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いまの発言の中にいろいろ問題がある点があるのですが、その一つは、さっき、委員としても専門委員の中に口出しするのもどうも好ましくないような気がした。専門委員のほうもまた委員のほうから口を出されるということはいやがると、それが問題ですよ。それを私は七人委員というものとこの専門委員というものがあまり区別のつかない、専門家でもない、こう、各界代表を集めているもんだからどっちからもものを言いにくい。こっちはものを言いたくない。こっちのほうでは言われることはいやだというような感じになってくるのじゃないですか。私が言った、私が読んで痛切に感ずるのはその点なんです。それが私は、問題点はこの専門委員にあった。専門委員が識見があるし、行政改革関心のある人であることはわかりますが、しかしながら、専門委員というにはどうもかっこうではないということになるわけです。  それからもう一つは、事務局員に発令してなんということをおっしゃるのですけれどもね、これは一体どういうことなんですかね。私がさっき調査員が残ってやっておるじゃないか、おかしい、それは、というような話をしたもんですから、事務局員に発令したなんて、それはどういうことでそういうことになるのか。結局そういうことにならざるを得なかったのですね。あの運営を見ますと、ならざるを得ないわけですよ。ならざるを得ないけれどもそれはいけなかった。いけなかったと私は言っているんですよ、ならざるを得なかったのは。私の主張はそうなんですよ。そんなことではしようがない。専門委員調査員も、終わってこのまま解散しなければならないわけです。残すというわけにもいかない、これは調査員をね。だからこれを事務局員に発令し直すということになるのでしょう。どうでしょう。
  31. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 調査員事務局員に再発令したわけではございません。これは当初から事務局職員兼務、両方の資格を持たしたわけであります。各省から参っておりますけれども調査員というのは法律上非常勤と書いてあるもんですから、非常勤で調査では困るので、それで常勤体制にするために当初から事務局員の併任、発令をいたしております。こういうこともあろうかというわけで最後までとどめたわけであります。若干は部会報告が済んだ段階で各省に引き取らせましたが、引き続き事務局員という身分で残って作業班の手伝いをしておるわけであります。
  32. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 あなたは、調査員は非常勤となっているから、法律は非常勤でやれと書いてあるのですよ。しかしながら、それはまずいから全部併任にしたんですか。
  33. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 当初から併任、各省から参っております者は、これは併任といいましても臨時行政調査会にまるがかえの人間として各省から派遣してくれたわけでありますので、しかし、法律調査員は非常勤と書いてあるもんですから非常勤体制ではできませんので、事務局の身分もかねて持たしたわけでございます。これは当初からでございます。この期に及んでからではございません。
  34. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私はこの期に及んでということを聞いているのじゃない。当初からそういうことをされたのですかということを聞いておるのです。その調査員は非常勤だと法律に書いてあるからそれでは仕事ができぬ。なぜこれは常勤にしないのです、最初から法律に。私はこの間も聞いたのですよ。参与制度というものはないことになっている。しかるにおたくのほうは、事務局提案として参与制度というものを堂々と設けている、予算にもない。またここに至っては調査員は非常勤だから、これじゃ仕事にならないから、そこで全部事務局員に発令いたしました、どういうことなんですか。それじゃ調査員は初めから常勤にしておけばいいんじゃないですか、まずいのですか。
  35. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 調査員は官庁から来る者と、民間から来る者と両方学識経験者……、第八条に「調査員は、学識経験のある者及び行政機関職員のうちから、内閣総理大臣任命する。」となっております。したがって、初めから相当数は役所と関係のない人から選ぶという配慮があったもので、設置法の当初からも調査員は非常勤ということを一応たてまえにしたわけでありますが、各省から派遣の者はかねて事務局員という身分を持たせて協力をするという体制は初めから考えておったわけでございます。
  36. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 妙なことをおっしゃいますね、あなたは。調査員を出すときに、調査員の数も出ているでしょう。その中で民間からは十四名と出ている、最初から全部じゃないですよ、調査員は。ここにいう法律趣旨は、民間から来る者もそれから公務員から調査員として任命される者も非常勤と出ている。にかかわらず、この民間から来た者は非常勤だけれども、官庁から来た者は全部常勤ということになるでしょう。それがそもそもこの調査員の融和を妨げた。民間から来た者は週に二回しか来ない、こっちのほうは常勤で年じゅう一緒に仕事はできないですよ。お考えになればすぐわかる。さらにこの調査員の中にも、行管のほうは最初から入っている、各省の者はずっとおくれている。民間はおくれて入って、しかも民間の者は十四名入っているけれどもこれは非常勤で、この調査員の融和がとれるはずがないでしょう。一方は非常勤で、一方は常勤、しかも発令が行管のほうは先に出てきている。各省のやつはずっとおくれている。この融和なんていうものをはかれるはずがないじゃないですか、調査員として。私はいまの事務局次長の、こういう調査会というのはよほどなんですね、私どもとしてはこういうことにはあまりこまごま言うのはどうかと思うのですけれども、しかし、法律に出てくるものですから、出てきて、しかも運営を見ますと法律とは相当違った運営をされるのですね。それで私は特にこういう機構をやるあるいは審議会等を取り扱われている行政管理庁ですね、そこがこういうような取り扱いをされるというのははなはだ私は遺憾と思うのです。どうも私はこの運営について納得がいかないのですが、いかがですか。
  37. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 調査員構成は確かにそういうざっぱくというとざっぱくでございますし、そういうことで融和ができるかというおことばでございますが、確かにそういうことは当初からこれは予見されたわけであります。ただ、非常にまとまりがいいとか、出身の者がたとえばこれが行政管理庁だけでこの体制をやるとかいうことになりますと、あるいは一つの目的を達するのにまとまりはよかったかもわかりませんが、しかし、そういうことはできないことであります。まあいうなれば、各省の権限とか組織とかに及ぶわけでありまして、したがって、超党派的な構成調査員についてもいたしたわけであります。ただ、民間出身の純粋の非常勤の調査員と、役所出身の事務局員の身分を持った調査員と融和がうまくいかなかったじゃないかという御批判でありますが、これは私ども事務局で見ておりまして、専門委員を軸として部会というのは動きましたので、その点は相当関係者がつとめもいたしましたし、ああいう人事構成としては、私はともかく一つの目的に努力したというふうに見ておりましたわけで、出身の構成のざっぱくということがそれほど調査審議その他の段階で大きな痛手になったようには私は見ておらぬわけでございます。
  38. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それなら私は調査員のところで申し上げますが、調査員は三つのグループに分かれておる。一つは、七十名の中の一つは、民間十四塩、非常勤、それから行政管理庁、これが大株主、それから各省から二人、三人、一人というふうに出ている、この各省から出た人と、三つの構成があるのですが、この三つの構成調査員というのが、だんだん中間報告が出るあるいは最終報告が出るに従って、各出先機関の、各官庁の利益代表みたいになった点が非常に多い。それは専門委員専門委員としての選考を誤ったために、専門委員が活動できにくかったという点に一番大きな理由があると思うのです。ですからあの答申案調査員答申とかいうような風評も立っていますよ。専門委員専門委員としての選考の問題がありましたので、参与というのが四十人ほどあるのですが、この参与の中の六名程度の者は専門委員と同じような働きをせざるを得なくなる。都政についての首都圏をやるというと首都圏の専門家を参与として、それが専門委員と同じような活動をせざるを得なくなる。科学技術行政をやるということになりますと、科学技術関係の参与というものを中から——参与というものは認めてないのですよ。それに参与というのを四十人つくった。その中からこういうところに専門委員と同じような働きをするものをぶち込まざるを得ないというようになったんじゃないですか。だからおたくのほうで言わず語らずのうちにこの専門委員と参与というものと並べ方が同じところに入っちまう。事実やっているのですよ、専門委員と同じように。だからやっぱり専門委員選考にやっぱり誤りがあったんですな。どうですか。
  39. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 専門委員人事をこの段階でおしかりをいただきましても何とも申し上げようがないわけでありますが、私どもその点はいろいろ事後の御批判はあるとしましても、お願いは、これから七人委員会が最終的につくりますものに、ひとつこれが出ましたときに本格的に御批判を賜わりたい。また、御推進いただきたいと思うわけであります。この経過の段階で不手ぎわがありましたことは前回委員会でも私おわびをしたわけであります。私は私なりの責任があるわけでありまして、その点の不敏なり非力はおわびをしたわけでありますので、あとは一にかかって最終意見がどういうものが出るか。ほんとうに国民の側に立って事態を改めようという善意がその中に見えるかどうか、そういう点でひとつおしかりをいただきたいと思うわけでありますが、いまの参与の件は、この前も申し上げましたように、確かに行政の問題というのは非常に広範であります。まあそんなことを及びもつかぬのに欲ばってもしようがないという御批判があるいは出るかもしれませんけれども、七人委員としては一生懸命でございまして、だから言わぬこっちゃない、専門委員人事を誤ったんじゃないかということを仰せられるとたいへん恐縮でありますけれども、どうにも問題が広いし、二十一人、これはまあ予算関係がありまして二十一人というのにしぼられたわけでございますが、なおいろいろな人の意見が聞きたいという切なる部内の意向がありまして、あらかじめ四十人ほどの人はお名ざしをして、随時意見をいただきたい、また、その中の六名ばかりの人はもう少し頻度を高く入り込んでひとつ意見をいただきたいということで、こういう体制にしたわけであります。二十一人の専門委員に完璧な人事ができておったらそういうことはなかったのじゃないかという御批判もあるいはあるかもしれませんが、これはいまどうにもならぬことでありまして、参与で極力もっと広い範囲で手落ちのない意見をという配慮から出たものであります。ただこれはお断わりいたしますけれども、参与会議とか参与会とかいうような体裁の運用はいたしておりません。まとまった段階で一堂に集まってもらって意見も聞くということはやっておりますけれども、そこで決議をするというような性格のものではございません。入り込んでいただいている人は確かに専門委員的でございます。的でございますけれども、あくまでこの参与と申しますのは、私どもの不調法で外へ出てしまいましたけれども、部内の俗称といいますか、呼称でございます。そういう役職をつくったという筋ではないんでございまして、この点はひとつぜひ御了承をいただきたいと思っております。
  40. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いま事務次長の話がありましたが、この専門委員というのが専門委員的な人である。参与の方が六名というのが専門委員ですね。実は参与なんかではなくて専門委員ということじゃないかと思うのです。それから私がこまごまこう伺っているのは、要するに、六ヵ月延長したいという底に、それが運営を間違えたからこういうことになったんだということを私は言おうとしているわけです。結論はそれだけなんです。ですから何も六ヵ月ということでありますから、それはこういうことからきたんじゃないかと。ところが、提案の理由なんというのはまことに表面的な——もっと私は提案理由なんというのはうがって出すべきですよ。というのは、あれだけやかましく、二年半で終わりますかと言うと、絶対終わりますよと言い、そんな、また審議してもらうというようなことはありませんよとあれほど言っておったでしょう。それで六カ月延びた。それでは私はもう少し提案理由なんというのは多岐にわたるというようなものじゃなくて、いまお話しになったようなことも含めてこれはやはり行管としては、事務局として率直に私は出すべきだと思う。多岐にわたるということも問題があるけれども、私はこの調査会運営方針を見ていきますと、最初の方針というのはまあまあと思うのですが、この設置法からいえることは、専門委員調査員任務という点からいって、それから委員会最初運営の行き方からいって、七人委員項目とそれから方向と根本的な考え方を明らかにして、そうして専門委員がそれについて専門的に調査研究をする。その際調査員に働いてもらうということで中間報告を出していく。その中間報告委員会でそれぞれ討議をする。そしてこれに対して注文もつけ、あるいはこうこうであればこうこう、これはやめろと、いろいろなことをやって、そしてまた最終的なことをそれをやるということであるならば、これがもうできたときは、それは答申案にほぼなっていますよ。それを七人委員会が大所高所からこれはつけばいい、これはひとつもう少しこっちをやれということになれば、これはもうことしの一月にはちゃんと答申案はできている。それをそういう運営ができなかったのですよ。まん中ごろから、昨年の十一月ごろからやり直すことになった、やり直したって同じですよ。それぞれ七人の委員に五人とか七人とかという作業班をつけてやり直しです。それが六カ月かかる、延びる、だから作業班答申ということを言われるようになりますよ、へたすると。よく、この法のとおりに運用すればよろしい、法律はそうなっているのですから、考え方は。ちょっと違ったですよ、こういうふうに私は思いますが、いかかですか。
  41. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 設置法趣旨を十分に尊重し、附帯決議の趣旨、国会での政府答弁等を十分七人委員としては承知して、完全に承知しておるわけであります、十分承知しておるわけであります。ただ今日に至って、確かに仰せのごとく、六カ月の延長の余儀なきに至った。それは運営の不手ぎわなりいろいろ出戻りがあったんじゃないかという御批判をいただいておるわけでありますが、私ども調査会の中におる者としては、ともかくも最善を尽くしたつもりであります。しかし、結果的にはこういうことになって御迷惑なことになったわけであります。しかし、もう一歩という段階でございますので、この点は私ども中におる者として、あの点がまずかったとか、この点がまずかったとか、いまの段階でにわかに申し上げにくい。及ばずながら最善を尽くしたということだけは申し上げられる。御了承いただきたいと思っております。
  42. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 事務局次長のほうに資料要求をいたします。それは当初調査員が全部そろったときの民間、それから行管、各省から出ている人員ですね。それからいま作業班ができておるわけですが、その作業班の各省別の人員ですね、その資料要求をいたしまして、私はへたすると作業班答申ということになりかねないので、その点をひとつはっきりさせておきたいと思います。  それから次にお尋ねしたいのは、またこれはごたごた申し上げますと、事務局次長にも迷惑ですから、私もまた時間とっておりますから、もう事務局次長の再三の御答弁で大体私もわかりました。了解はいたしませんけれどもわかりました。したがって、若干中身に入ってきょうは少しお尋ねをいたしたいと思います。  それは、この間会長出席を願って若干の点をお尋ねをしたわけですが、公務員制度の問題ですね。この公務員制度の問題は、初めに事務局次長にもお尋ねをし、長官にもお尋ねをしたのですが、これはやはり衆参の内閣委員会におきますところの審議の過程からいいまして、それに対する行管長官答弁、それから当時の山口局長の答弁、そういうものを私は詳細に出して私が初めにやるときに質問をしたわけです。ですからやはりこれは幾らか関連をするということで、やみくもに公務員制度全体に広げるということのないように、できるだけ関連ということで全体に広がることのないように、ひとつ事務局としても配意を願いたいと思っております。これは先般の質疑の中で終わっているように思いますけれども、しかし、あのときは質疑内容がそのために延びたんじゃないかという論議をしました。きょうお尋ねをしたいのは、そうではなくて、ああいうふうに広げるということは、やみくもに広げて公務員制度全体をやるということ、これはひとつ慎んでもらいたい。それは国会における審議の過程並びに長官、当時の山口局長の答弁から言って穏当を欠く。ですからできるだけ関連性のあるものとしてだけやる、こういうふうにひとつ処理をしてもらいたいと思っております。いかがですか。
  43. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 資料の御要求についてはさっそく手配いたします。  それからい衣の公務員制度にあまりやみくもに手を広げるなということでございますが、この御趣旨もよくわかっております。行政改革を進めるにつきまして関連する面、人間の面としてさわらざるを得ない面であろうかと思いますので、七人委員会にも御発言趣旨を十分報告いたします。
  44. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  45. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけてください。  本案の午前の質疑は、この程度にとどめます。   —————————————
  46. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法等の一部を改正する法律案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。田中大蔵大臣。
  47. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) ただいま議題となりました国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法等の一部を改正する法律案につき、その提案の理由を御説明申し上げます。  この法律案は、国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法、昭和三十七年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律及び公共企業職員等共済組合法の一部を改正し、別途、本国会に提案御審議を願っております恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案により行なおうとしている給付の改善と同様の措置を、恩給法の適用を受けないこれらの法律の適用者に対してとろうとするものであります。  次に、この法律案概要を御説明申し上げます。  まず、国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法の一部改正におきましては、外国特殊機関における職員期間を恩給法の改正措置に準じて、共済組合組合員期間に算入するよう所要の改正を行なうこととしております。  次に、昭和三十七年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特例措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律の一部改正におきましては、昭和三十七年の改正で旧勅令に基づく共済組合組合員等の年金額を恩給の年額の改定に準じて在職公務員の給与がいわゆる二万五千円ベースであったときの本俸相当額を基準とするものから在職公務員の給与がいわゆる二万円ベースであったときの本俸相当額を基準とするものに引き上げました際、六十歳未満の者については、増額分を停止し、七十歳未満の者については、その増額分の二分の一を停止するという制限をつけておりましたが、今回の恩給法の一部改正と同様に、旧勅令に基づく共済組合等の年金者につきましてもこの年齢制限を解除することといたしております。  次に、公共企業職員等共済組合法の一部改正におきましては、国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法の一部改正と同様に外国特殊機関における職員期間の共済組合員期間への算入について所要の措置を講ずることとしております。  以上が、この法律案の提案の理由とその概要であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  48. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
  49. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この前、行管長官お願いしました資料についてですが、本日のは、開催会議の回数とか、出席状況、これ大体出ておるようですが、さらに全審議会等について兼職の状況についても御提出いただきたいということを同町にお願いしたわけですが、これは拝見しますと、たとえば文部省等に一部、兼職の状況がほんの一部載っておりますけれども、他にはほとんど見当たらないわけです。早急に、その審議中に間に合うよう御手配をいただいておるようですが、重ねて長官に、ひとつ責任を持って早急に御提出いただきたいということを、この際要求しておきたいと思います。
  50. 山村新治郎

    ○国務大臣(山村新治郎君) さっそく督促をいたしまして、御要求にこたえたいと思います。
  51. 石川準吉

    政府委員石川準吉君) かねて御要望の資料につきましては、本日までに大体お手元へ差し上げました書類以外は、自治省はじめ五省がまだ末提出でございます。ざっと計算いたしましても、委員等の数は五十万にのぼりますので、全省出ましてからこれを御指摘のようなものを作成をいたしますが、事務的には相当な膨大なものになりますので、そういう状態でございますので……、極力急いで御要求に沿いたいと思います。
  52. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  53. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記つけてください。   —————————————
  54. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、この際、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査議題といたします。鶴園委員より質問の通告がありますので、これを許します。  なお、政府側から、山村行政管理庁長官田中林野庁長官石川行政管理局長出席しております。鶴園君。
  55. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 国家行政組織法の第十九条の第一項、それから第二十一条の第二項、これにつきまして疑問点がありますからして、行政管理庁長官と、それから林野庁長官お尋ねをしたいと思っております。しかしながら、本日は法案の審議の途中でございますので、この問題について根本的に掘り下げて論議をする、あるいは長い時間をかけて論議をするというわけにもいくまいと思いますが、したがって、根本的にはまたこの問題は非常に広範な問題を持っておりますので、別に近いうちに機会を設けまして論議をいたしたいと思います。ただ質疑応答の中で、その成り行きによっては、やはり時間がかかるかもしれませんし、それから、根本的に検討しなければならぬということになるかもしれませんですが、その点は前もってひとつ御了承を願っておきたいと思います。  まず、第一番目にお尋ねをいたしたいのは、行政管理庁長官にお尋ねをいたしたいわけでありますが、従来定員の管理という点につきまして、ややもいたしますと、行政管理庁当局というものが消極的であるという感じを常日ごろ持っているのであります。御承知のとおり、行政管理庁設置法の第二条第二号にございますように、行政監理庁は定員の管理について総合調整する。そういう権限を持っておるわけであります。また、同じ第二条第三号にありますように、定員の管理の問題について勧告をする権限も持っているわけであります。しかるに、私はこの委員会におきまして、定員の問題については長年やっております。ちょうど五年近く定員の問題については扱っておりまして、そのつど行政管理庁当局と論議をいたしておりますが、どうも私、設置法趣旨からいって、行政管理庁は少し消極的過ぎる、こういう感じを持っております。ですから、その定員の管理の問題について、私は、行政管理庁が総理府の外局として総合調整の機能を持っておるということと、勧告の権能を持っておるということ、この点を指摘いたしまして、指摘するまでもないのですけれども、あらためて指摘をして、行政管理庁当局がこういう問題について、もう少しやはりこの規定のとおりにあってほしいという要望をいたしておきたいと思います。いかがでございますか。
  56. 山村新治郎

    ○国務大臣(山村新治郎君) 行管に対する御激励の御質問でございまして、もとより行管といたしましては、この設置法の命ずるところに従いまして、ただいま御指摘の問題につきましては、正面からこれに取り組みまして、その目的を果たしてまいりたいつもりでおります。
  57. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に、林野庁長官お尋ねをいたしますが、この林野庁の一般常用、これは林野庁の業務遂行上基幹要員である、きわめて重要な役割りを果たしていることは御承知のとおりであります。この一般常用の資格要件を見ますというと、過去一年以上継続して勤務をしている者、そして今後継続して勤務する必要のある者、さらに配置転換に応ずることができる者、こういうのが資格要件になっている。これに間違いないかどうか、林野庁長官答弁を求めます。
  58. 田中重五

    政府委員田中重五君) 国有林野事業におきます常用作業員の資格要件といたしましては、いまのお説のとおりであります。
  59. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは資格要件にありますように、一年以上引き続いて無期限雇用、十五年勤務し、二十年勤務する、二十年勤続賞を受ける、二十五年の勤続賞を受ける人たちがたくさんあることを林野庁長官は御承知かどうか、承知しておられるだろうと思いますが、お尋ねをいたします。
  60. 田中重五

    政府委員田中重五君) 常用作業員の中には、お説のとおりの表彰を受けておるという者が存在することはそのとおりであります。
  61. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そこでお尋ねをいたしますが、林野庁はこの常用の人を採用する際に、どういう辞令を出しますか、職員部長でいいです。
  62. 森博

    説明員(森博君) 常用の辞令につきましては、これは現在二カ月雇用の、二ヵ月ずつの辞令を出して、主たる職種につきまして職種名を書きまして辞令を交付いたしております。
  63. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 常用については四半期ごとにしめくくって辞令を出すようですが、二ヵ月の任期をもって特別の事情がない限りこれを更新する、事情に変化がない限りこれを更新するという辞令を出されるようですが、そこで職員部長に聞きたいことは、この二ヵ月というのは、これは雇用の予定ですか、それとも任期ですか。
  64. 森博

    説明員(森博君) これは私のほうも二ヵ月という文句は取るべきで、近く取るようにいたしたい、こう考えているわけであります。これは過去に二カ月以上の者は定員内職員という事例がございましたので、そういう関係で形式的に二ヵ月切っているのでございまして、実際の運用といたしましては、引き続き雇用をすることにいたしております。
  65. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 日々雇用だけれども、二ヵ月の任期をもって、そして事情に変化がない限り、何年でも無期限に継続をして雇用する、この二カ月に切っておるというのは、これは形式だというのでありますが、私もそういうように受け取っております。問題はこの二ヵ月というのが雇用予定ではなくて、任期だというふうに見なければならぬと思うのです。そういうことになると、これは形式的には常勤ということになるのですが、どういう解釈をしておりますか。
  66. 森博

    説明員(森博君) 常勤という点におきましては常勤であろう、こう思います。
  67. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも職員部長は、私の聞いているのとだいぶとんちんかんで、よく御存じないように思うのですけれども、私の言うことだと、これは常勤になるわけですよ。形はそうでないような形式をとっておられますけれども、これは二ヵ月というのが、これは明らかに雇用の予定期間じゃない。ですから二ヵ月という任期を持っているというふうに見なければならぬ。その二ヵ月の更新、こういうふうになりますと、これはやはり常勤として扱わなければいけないと私は思う。そういう点については、職員部長も林野庁長官も遺憾ながら御存じないように思うので論議になりませんけれども、これはいずれこの問題については近いうちにはっきりしなければなりませんが、よく勉強のほどを願っておきます。そうでないというと、いまの林野庁の常用についても、考え方というものがくずれますよ。根本的にくずれるですよ。私の見る限りにおいては、二カ月というのは雇用予定期間ではない。二カ月という任期を持っている。そうしてそれが更新をしているというふうに見ております。先ほど職員部長の答弁もそれらしい印象を受けるわけです。その点をひとつ勉強してもらいましょう。
  68. 千葉信

    ○千葉信君 関連。行管の長官にお尋ねしますが、いま鶴園君と林野庁当局との質疑応答を聞いて、長官も不審に思われたと思うのですが、どうも林野庁のほうでは、職員を使うのに法的な根拠もはっきりしないまま、いいかげんでごまかして使っている。いまの答弁に関する限りではごまかして使っているきらいがあるので、これは林野庁だけではなくして、政府部内のそういう職員の雇用なりないしは機構の状態等について、一体的に山村さんのほうでは、さっき鶴園君からお話のあったように、行政管理庁設置法の第二条に基づいて、責任ある立場ですから、したがって、そういう責任ある立場で、いまの質疑応答にあらわれたようなぶざまなかっこうの雇用の状態があるということについて、行政管理庁としては無関心であってはならないし、むしろ非常に重大な責任があるわけですから、私はここで若干の関連質問をあなたにしておきたいと思うのです。  どうしてこういうことが起きるかといえば、実際上、林野庁で職務を執行するのにどうしても必要な職員の確保ができないで、定員上確保ができないで、そのために脱法行為を行なっている。それはどうしてかというと、国家公務員法上からいっても、人事院規則の八の十二の職員の任免に関する規則からいいましても、定員内の職員の場合には長年雇用一向差しつかえないし、それが当然なんだけれども、臨時職の職員の場合には、いまの現行法規でも六ヵ月という制約があるのです。臨時職の場合には六ヵ月、前にはこれは定員法の条文に、おたくのほうの定員法の条文に、臨時のものは二ヵ月をこえて雇用してはならないという条文があった。それがいまでは臨時職の職員の場合には六カ月をこえて使用してはならないという条文があるものですから、これに縛られて、まあ六カ月やろうと思えばできるし、前には定員法上二ヵ月という制限がある。いまは六ヵ月、それを前の定員法で規定されている二ヵ月という条文があるものですから、二ヵ月たつとその人はやめたことにしてまた新たに使う。それを長年繰り返しておる。こういうぶざまなやり方いいと思いますか。しかも実際に二ヵ月とか、あるいは六カ月でその職員は雇用しなくてもいいという実情ならそういう方法も認められるでしょうけれども、いまの鶴園君の質問にもあったように、十五年も、二十年も、そういうかっこうで雇用されて、勤続しておる。表彰さえ受けておる人がたくさんあるのです。これひとつ行管の長管として、いまの鶴園君の質疑応容を聞きっぱなしにしないで、こういう事実に対してはどうすればいいか、私は最終的にはこの問題を解決するためには、りっぱに定員法を直して、もしくは林野庁の定員の数をはっきりそういう必要な職員を正式に定員法上の用員として雇うことにする以外に解決の道がないはずなんです。ですから、これひとつ、どうせこの委員会あとでもまた行管長管に質問するおりがありますから、いまいきなり私からこういつて聞かれても、即座には私の納得できる答弁はむずかしいと思うから、次の機会までにどういう方法でこういう問題を解決するかということについてのいい方法を、適切な方法をぜひ研究して出席してもらいたい。いかがですか。
  69. 山村新治郎

    ○国務大臣(山村新治郎君) いわゆる臨時雇いの問題は、現業官庁には在来から非常にあるもののようでございますが、先般この定員化の問題は一応三十七年に打ち切るという方針もあったいきさつもございます。しかし、現実の面におきましては、そういう脱法的な感じを与えるということは法の精神からいたしましてもあり得べからざるものであると考えます。非常にいままでのいきさつ等ございますので、ひとつ検討さしていただきたいと思います。
  70. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 さらに立ち入ってお尋ねをいたしますが、国家行政組織法の十九条の第一項ですか、「恒常的に置く必要がある職」これが問題なんですけれども、「恒常的に置く必要がある職」、この解釈について、この法律が国会におきまして審議をいたしましたその経緯からいって、私は林野庁の考え方の中に根本的に間違っている点があるのではないかという疑念を持っておるわけであります。  そこで林野庁長官お尋ねをするわけですが、林野庁の常勤作業員等についての文書、三年前の文書ですが、詳細に検討しますと、二つの考え方があります。一つは、恒常的に置く必要のある職というのは、林野庁はどうも事務職員、これに類似した、あるいは、これに似かよったような同じような仕事をしている者、これが恒常的に置く必要のある職というふうに考えておられるように思うのです。もしかりに郵政省が事務職員と同じような、あるいはこれに類似したというような考え方になりますと、これは郵便を配達する人たち、あるいは郵便を運搬する郵便車の運転手の人たち、これは恒常的に置く必要のある職にはならない、ところが、農林省でいいましても、これは事務職員と同じようなものをしているというので、これが恒常的に置く必要のある職というふうに判断をいたして、農事試業場の圃場で働いている人たち、これは研究員とか事務員とは違います。違いますが、農業試験場としては恒常的に置く必要のある職にしておる。畜産試験場で研究所の人、事務所の人と違って、牛を飼ったりあるいは綿羊を飼っている者、これも、恒常的に置く必要のある職としてある。にもかかわらず、林野庁はどらも事務職と同じような、あるいはそれと似たようなものでないと恒常的な職でないと考えておられるのか。農林省の考え方とも違うし、政府考え方とも違う。そこに根本的な問題が一つあるのではないかと思うのです。  もう一つ、林野庁の定員についての考え方、恒常的に置く必要のある職というこの考え方、もう一つの問題は、これは林野庁の文書を検討するとすぐわかるのですが、どうも林野庁は月給制の者でないとそれに該当しないという考え方があるのじゃないか。それは日給制をもとにして月給にしてあるもの、つまり日給月給もこれは最後になって林野庁も恒常的な職と認められたようでありますが、どうも私はその二つが林野庁の恒常的に置く必要がある職の判断の基礎になっている、これは間違いだ。林野庁は御存じのとおりに、その設立の趣旨からいって、木を切る、運搬する、売る、そうしてまた木を植える、これが林野庁の設立の趣旨だ。もし郵政省が、郵便を配達する人は恒常的に置く必要はない、あるいは郵便物を運搬する郵便車の運転手はこれは恒常的な職でないと、これはとんでもない話です。この点について林野庁の見解を聞きたいわけです。私はいうならば脱法行為と、さっき千葉さんが言われたようにきめつけたいわけです。きめつけます、ここでは。これは本来林野庁というのは、公務員を使う上に非常におくれているということは、これは内閣総理大臣の諮問機関でありました農林漁業基本問題調査会から答申を出している、その答申の重要な項目は、非常におくれているという指摘をしていることは御承知のとおりであります。その考え方が今日もそう変わっていないと思うのです。林野庁は、この定員の問題が問題になります前から、月給制の職員がおって、それから常勤の職員がおって、常勤の作業員がおって、そして今度の常勤の卵みたいな三七適用という人がいて、それでその下に常用作業員というのがいて、そして定期、月雇い、日雇いとなっている。こういう雇用区分をしておるわけですが、実は一般の行政官庁、林野庁を除いた行政官庁あるいは企業官庁でもそうですが、恒常的に置く必要がある職という論議が行なわれた場合には、これは一般常用作業員まで入っておる。ところが、たまたま林野庁の場合は三七適用というのがあったものですからここで切ってしまった。一般常用作業員は日給制で、そして二十二日勤務、そしてこれは常勤的非常勤です。ところが、農林省の場合を見てごらんなさい。あるいは各省の場合においては日給制の二十二日働いておる常勤的非常勤、これは恒常的に置く必要があるとして処理したのです。林野庁はその場合に三七で切ってしまった。とんでもない話です。いま私が言っていることについて長官の答弁を求めます。
  71. 田中重五

    政府委員田中重五君) 国家行政組織法第十九条によるところの「恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤の職員」という場合の解釈といたしまして、私どものほうで解釈をいたしておりますのは、職とは行政機関所掌事務を遂行するための組織構成する単位であって、一人の自然人が充てられることを相当とするものをいうと、いまの十九条の中の職についての解釈がございますが、さらに「恒常的に置く必要がある職」という場合の解釈といたしまして、まず一年以上継続して置かれるという必要があることと、それからあらかじめその定数を定めることができるものであるというふうに解釈をいたしておるわけでございます。それで、いま御指摘の常用作業員の問題点でございますが、常用作業員というものをここにいうところの職として考えることには疑問があろうというふうに考えているわけでございます。と申しますのは、国有林野事業の林業経営、これもやはり一般の在来の林業経営の一般的な経営のしかたといいますか、そういうようなものの中から雇用のしかたにつきましても、地元の労務を、農民の農閑期の余剰労力を活用するというような形で、その林業経営がスタートをしておる。で、その経営のしかたは年と時代とともに変遷をいたしまして、まず顕著な例といたしましては、相当に機械化が行なわれてまいっておる。で、林業というものが主として季節、天候、そういうものに支配されながら、ある季節を避け、ある季節を利用し、そういう形で行なわれてまいった屋外作業であったわけでございますが、その面は、一部は機械化というようなことで克服はされておる。しかしながら、苗木を育て、造林し、そうしてそれが大きくなって切って出すという過程におきましては、非常にこまかい、そうして多くの職種がございます。そういうような職種の組み合わせによって屋外作業として、しかも季節、天候、そういうようなものに支配されながら、臨時的な労務、そういうものをよりどころとして経営が行なわれてきておったというのが実態でございます。で、そういうようなことから考えました場合に、たとえば木を植える、あるいは木を切る、下刈りをするというのは、それぞれ一つの職種ではありますけれども、それが恒常的に置かれる職と考えていいのかどうか。まあその点に疑問を持つわけでございますが、そこでそれぞれの職は、それぞれ通念的に継続はしていない職であるということで、そこで国有林といたしましては、特に優秀であり、先ほど鶴園先生の常用作業員の条件としてお話のございました、過去一年にわたって雇用の実績がある、あるいは将来一年以上のその必要性があるというようなことは、これはやはり国有林野事業として常用作業員が優秀であってぜひ確保したいし、働いてほしいし、本人もその意思があるというような場合に、いま申し上げましたような、つながらないいろいろな職種を組み合わせまして、いわゆる混合職種の形でつないでいく。そうして一年を通じて働いていただいておるというような形でございますが、しかし、それ自体はそれはあくまでも恒常職を考えていいのかどうか、その点は疑問に思っておるわけでございます。で、いま申し上げました職についてと、それから「恒常的に置く必要がある職」についての一応の考え方と、その具体的な内容について申し上げたのでございましたが、そこで、他の産業と比較をいたしまして、林業が、その経営のされ方が、そういうような経営のされ方をしておる。で、事業の計画をいたす場合に、その事業が行なわれる屋外の現場、現場の造林の計画なり、あるいは伐木の計画なりというものはやはりそこの場所における一番平均的な行程なり、あるいは作業の段取りなり、まあそういうことが基礎となって雇用の計画も組み立てられていくわけでございますが、その場合に一応定数として把握できるのかどうかが非常に問題なのでございます。一応、計画でありますために、その必要な人員、それも延べで必要な人員、そういうものを計画をいたしますけれども、先ほども申し上げました季節、天候その他の自然的条件に支配をされるということから、実際に、その事業に必要とされた延べ人員あるいは人頭は、これは結果を見ないと明確でないというような、そういう状況もあるということでございます。それで、私どもといたしましては、国家行政組織法にいうところのいわゆる定員と、それからその定員として解釈することが、今度は、処遇の問題と関連するという考え方は、ひとまず離れまして、処遇としては、あくまでこれは改善をする必要があるけれども、恒常的に置く必要がある職かどうかという点についての考え方は、これは、いまも、鶴園先生のお話がございましたが、これは法律的に別側に考えるべき問題ではなかろうかというような考え方を持っておるわけでございます。
  72. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは、長官、どうにもなりませんですな、こういう解釈では。いま、長官のお話を聞いておりますと、どうも恒常的に置く必要のある職という考え方が、何か、民間の林業経営というのは林業経営として成り立っておらぬといって答申はやっているのですが、いずれにしても、そういうふうに余剰労力によって経営してきたと、何か、そういうようなお話ですが、法律に引きずられちゃだめですよ、政府機関として。法律の点について、いま、定数として把握できないと、延べ人員としてあるのだという話ですね。これをまず、私が論破いたしますよ。  先ほど私が、一般行政官庁それからその他の五現業の例を申し上げましたが、常勤的非常勤という通年非常勤というもの、これは賃金の中に組んであったのですよ。延べ人員で組んであったのですよ。いいですか、おたくの常用作業員も同じですよ。賃金で組んであったのです。頭数で組んでない、延べ人員で組んである。常勤的非常勤というものは、農林省の中の常勤的非常勤、郵政省の常勤的非常勤、これらは、すべて、人頭で組んでない。延べ人員で組んであったのです。だから、こういうのは理屈にならない。  もう一つ、恒常的な職であるかどうかという、混合職だというお考え、これはとんでもない。それはたとえば、考えてごらんなさい。運転手さんなんというのが農林省にもおる。それから地方に行ってもおる。運転手さんは、運転もやっているけれども、経理もやっておる。電報の切りもやっています。女の職員がおります。定員の職員がおります。これは、ガリ版を切ることもありますし、リコピーをとることもありますし、そろばんをはじくこともある。あるいは文書を持って廊下をかけ回って、課長とかなんとかいう人の印鑑をとることもある。林野はそういう仕事を一々職名をつけている。職名が多過ぎる。だから混合職種だといわれる。そうじゃないのですよ、これは。百四十の職種ですよ。もっと職種を簡単に総合してごらんなさいよ。林野庁は簡単に統合されるという御意思があるようでありますが、これではそういうことにならない。ですから林野庁長官が、この第十九条第一項の「恒常的に置く必要がある職」これについて一般常用作業員の適用を増加することについては疑問があるとおっしゃるのですが、その疑問があるというお考えはいただきましょう。もう一歩進めて、私はこういう解釈は成り立たない。もっとこまかく例をあげてもいいですよ。  それじゃ私がちょっと例を申し上げましょう。これはこの間農林省設置法がかかりましたときに、林野庁当局に伺うつもりでおった原稿でありまして、そのときには伺わなかったわけですが、たとえばこれは私現地に行って見てきたのですが、ある営林署へ参りました。ブルドーザーが六台、これに対してこのブルドーザーを運転しているのは、常用の人が四名、定期が二名、月雇い二名、八名で六台のブルドーザーを運転している。ですから八名の中の四名が常用、あとは月雇い、それから定期、だから時期がきたらやめていきます、定期ですから。それから月雇いですからこれもやめる。この常用は、年間を通じて継続して何年でもつとめているのは四名、それから営林署には集材機が七台、この七台をどうして運転しているかといいますと、これを操作しているのは常用は四名、月雇い、定期合わせて五名、だから九名で七台の集材機を動かしている。九名おるのだが、その中の四名が常用、年間通じて継続して雇用している。あとは月雇いですから、定期ですから、時期がきたらやめていく。この営林署にはトラックが十六台、このトラックの操作はどうしているかといいますと、十七名でやっております。女子はおりません。十七名なんですが、常用は九名、あと八名は常用以外の人たちです。これでいま機械は、ブルドーザー、集材機トラック、台数でいいますと二十九台ある。これは三十四名の者がこれを動かしている。しかしながら、その大部分は月雇いであり、定期であるからやめていきます。冬がくるとやめていく。そうして常用十七名で、冬になるとブルドーザーが動かないということになってくるし、集材機が動かないのですが、十七名が、二十九台のトラック、集材機、それからトラック、ブルドーザーの修理、その他に当たっている。そうして翌年また三月になると運転が始まる。そうすると月雇いが来る、それから定期作業員が来る、こういう形で業務が運営されている。これは見てごらんなさい。集材機、トラック、ブルドーザー、年間ちゃんとやっています。この林野庁の人員の配置というものはよくできている。建設省にブルドーザーがたくさんあります。トラックもたくさんあります。北海道開発庁にもトラックはたくさんある。郵政省にも郵便車はたくさんある。郵政省につとめておる運転手さんは、これは恒常的に置く必要がある。定員だ。北海道もそうだ。だけれども、林野庁はそういうことをそうじゃないというのですね。これはどういうわけですか。  私は行政管理庁に伺いますが、行政管理局長お尋ねしますが、北海道開発庁あるいは建設省あるいは運輸省の港湾建設局、こういうところは現場を持っております。したがいまして、ブルドーザーとか、トラックとか、あるいはシャベルとか、そういうものをいっぱい持っておりますが、それを運転する者、それから助手、これは全部定員化されているし、それから恒常的に置く必要があるとして定員化されている。御承知ですか。
  73. 松本操一

    説明員(松本操一君) 局長にかわりまして私からお答えいたします。  北海道開発庁並びに建設省あたりにブルドーザーがあり、それからトラックの運転手、こういう方々でこの前の定員化の際に繰り入れられた者があることは存じております。しかしながら、これはやはり一年間このブルドーザーを動かし、また、トラックを動かすという職務に従事しているわけでして、ただいまの林野庁のお話のように、まあ天候のかげん、季節のかげんということで全然動けないというような時期がないというふうに聞きまして、恒常的と職と認めたわけでございます。
  74. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 行管、少しあいまいな答弁をしますね。北海道開発庁あるいは運輸省あるいは建設省のそういうもので定員化されているものがあるというような妙な言い方ですね。私は官房長にも全部電話をかけて聞いているのです。定員のことで私は審議しているのです、定員化された当時。長年やってきていると私は言っているでしょう。全部電話かけて聞いている。ですから、あるというような言い方でなくて、したのですよ。しかも、助手は二名まで、あるいは場合によると、三名まで含めて恒常化する必要があるといっている。あなたは私いま営林署の話をしたのを聞いていませんでしたか。長官の話は聞いて、私の話は聞かなかったのでしょう。私は、いまトラック、ブルドーザー、集材機の状況説明をして、全部が常用でやっているんじゃありませんです。半数以上は、これは月雇い、定期でやっております。冬になって、二ヵ月か三カ月の間動かぬ場合には全部帰ります。やめます。解雇されるわけですよ。そして、この人たちは修理その他に当たっておる。そういうことをおっしゃると、今度は長野から向こうのほう、九州なり、四国のほうの営林局ですね。この現場の集材機、トラック、こういうものは全部動いているのですよ、一年じゅう。一年じゅう動いています。雪がありませんから一年じゅう動いている。だから、いまの行管の答弁は、えらく林野庁長官の肩を持ったような御答弁ですよ。役所同士ですからうなずけますが、しかし、ここははっきりしておいてもらいたい。私冒頭に行政管理庁長官に設置法の二条の趣旨を伺ったのはそれなんです。弱い。行政管理庁は消極的だ。調整能力を持っておるのだから、それがすぐそこに出てきてしまう。これがいままで問題を引き起こしてきていると私は思うのですよ。それは長年私が定員化の問題、定員の問題を取り扱っておる経験から言っているのですよ。ですから、そういうことのないように……。そうしますと、林野庁長官、どうですか。
  75. 田中重五

    政府委員田中重五君) まあいま御指摘の営林署のブルドーザーなりあるいはトラックなりについて、その実態をつまびらかにいたさないのでございますが、この林業経営仕事が、先ほども申し上げましたように、一定の規律に支配されながら運営されている。で、たとえば、雪のない間に片づけてしまう。あるいは雪がある間にそれを利用して片づけていくとかというような面が、実態的になおある。そこで、一つの例は、伐木、運材、集材、搬出というような作業をつかまえてみました場合に、その作業の系列には、造材手から、最後の森林鉄道の運転手あるいはトラックの運転手によって、その造材手の切った丸太が一定の取引市場まで運ばれて完結するということになりますが、その仕事、それは造材の仕事から始まりまして、造材の仕事が完了することによって、トラックの仕事は一定の期間を、ずれて終わるということで、そこにそれぞれこの造材と、それからあるいはその中間の集材機なり、トラックなり、その他運材の種類によるところの相違した職種がある。で、そういうような職種は恒常的な職種と言っていいのかどうか。これが先ほども申し上げましたように、そういう屋外で行なわれる作業であるものの特殊性、あるいは林業というものの経営に根ざすところの特殊性になるかもしれないけれども、普通は工場なりその他は、いわゆる常用工が主体であって、必要に応じその不足を臨時工が補うというような形のものが、むしろ逆に、その作業の実態から臨時的な作業員が主体をなして、そうして常用的な作業員がそれに合わせて勤務しておる。たとえば常用作業員は現在約一万二千人ばかりかと思います。それに対して定期作業員が三万五千人、それに比べますと、特に月雇いなり、日雇い、日々雇用されるというものだけで十二、三万人、最盛期には勤務しておるわけでございますが、つまり、常用、定期、月雇い日雇い、全部を合わせますと、最盛期のある一日の実役人頭数が十七万人あるいは十八万人ぐらいになる。その十七万あるいは十八万人の中の十二、三万が月雇いあるいは日雇いで行なわれている。そういうような作業に付帯しながら、先ほどのお話のありました基幹的なといいますか、根幹的なといいますか、そういう任務を常用作業員等が負っているという形でございますが、そこで、その仕事は月雇いなり、月雇いなりの作業員が行なうものに合わせて行なっていくわけでございますから、そういう仕事自体が完結したときに、その職種は終わるという解釈をいたしておるわけでございます。で、そういうような解釈をすること自体は、処遇の問題とは別個に切り離して考えていくべきでございまして、処遇はこれはあくまでも改善をし、向上をさせ、進めていくべきものであると考えている次第でございます。
  76. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 林野庁長官は、そういうことは百も承知でありますが、そういうことを私はお尋ねしているのではなくて、まあ、しかも、林野庁長官せっかく答弁されましたから、最盛期十五、六万の中の根幹要員として働く。そして年間雇用される五年、十年、十五年と長きにわたって継続して雇用しておるこの常用作業員、これを恒常的に置く必要があるそういう職だと思うというふうに、いますぐここで認めろというわけにもなかなかいきますまい。林野庁としての長年の管轄でありますから。しかしながら、いま、林野庁長官が疑問を持っておられるという話ですから、その点、私、先ほど言っていただいたのです。そして、私が先ほど申し上げたように、林野庁の常勤についての常用作業員についてのお考え方は間違っているということを私は言いたいわけなんです。たとえば、農事試験場におるところの作業員。これは畑もやれば水田もやるし、馬耕もやるのですよ。そのくらい馬耕をやったって何をやったって分けないのです。畜産試験場だってそうですよ。事務をとっております。ところが、林野庁の場合は、非常に職種をたいへん分けていく。その上、いかにも何か職種が変わるなという印象を受けるわけです。そうじゃない、職種を統合すればきちっとこれはできるのだということもありますし、統合しなくてもできます。さっき、私はトラックとかブルドーザー、集材機の例をあげました。これは寒いところでも、そういうふうに運営されている。やはり、トラック、集材、その他の修理、補修に動いている。それから南に行けばこれは一年じゅう動いている。それが恒常的な職でないというふうに判断されるというのは、まことに私は奇怪だと思う。しかも、それを何か国有林経営という、民有の経営に何か引きずられたような形の判断をされる。法律のもとで、法律で考えてもらいたい、法律に引きずられてもらいたい。そうではないですよ、いまの林野庁長官お話は。ですから、この問題については、ほかに林野庁長官のそれ以上の答弁を私は求めたいわけなんです。いま、さっきの答弁では、私の説明にきわめて不十分であります、答弁としては。ですからたとえば私が申し上げた北海道の例を申し上げた。それから南の一年じゅう動いているじゃないかと申し上げた。あるいは職種の問題についてもタイピストをやっているから、あるいは女の事務員がいるから、その事務員がリコピーをとることもあるし、リコピーを主とすれば何か一つの職種を持つことになる。あるいは書類を持って歩く、文書係とすれば文書を持って歩くようになる。しかし、それは一つの職として官庁にあるわけです。林野庁がこの十五、六万の根幹要員として働いている、中心的人物として働いている。一年継続して、十年も十五年も継続して働いているこの人たちを恒常的に置く必要がないという判断はどこを押したって出てこない。持ち時間の関係もありますので、昼飯も食わないでやっておりますから、長官はじめ政府委員も、あるいは行政管理庁長官もなんでしょうが、私はこの問題については、きょうは冒頭に申し上げましたように、法案の審議の途中であります、したがって、ここでなかなかこの問題については、一挙に結論を出すことにもいくまい、また林野庁長官答弁は、私の申し上げたことについては、はなはだ不十分であるし、しかも疑問を持っておられるということでありますから、これは当然疑問がなければおかしい。いままでのやり方が悪い。で、最後に行政管理庁長官にお尋ねをしておきたいのですが、この問題は国家行政組織法の十九条の一項の問題でありまして、この、「恒常的に置く必要がある職」であるかという判断は、第一義的には林野庁長官にあります。しかしながら、国家行政組織法を所管しておる行政管理庁としましては、この林野庁長官の考えておられるこのことが、一体ほかの企業官庁、あるいはほかの行政官庁を見た場合に、アンパラはないか、不均衡はないかという、総合調整の、冒頭に申し上げました行政管理庁設置法第二条の第二号にありますように、総合調整のお働きをこれは要望しなければならないと思います。その点について、きわめて私は、いまの問題について疑義があると、長官もお話しですからして、行政管理庁として調査をしてみるという、こういう調査権能を持っておるわけですから、調査をしてみるという発言が必要ではないか、ちょっとよけいですけれども、それほどまでに私は思うわけです、いかがでございますか。
  77. 山村新治郎

    ○国務大臣(山村新治郎君) 先ほど来、公務員の定員法の問題について造詣の深い鶴園委員からいろいろと御質問があり、政府としてちょうだいしたいと思いまして、これを拝聴いたしてまいった次第でございます。林野庁のこのいわゆる一部職員の定員化の問題につきましては、前々から鶴園委員等も強い御要望のあった問題でございまするし、また、政府といたしましても、一応この問題につきましての態度を検討いたしておった次第でございまするが、御存じのように、三十七年の閣議決定のいきさつあるいはその後におけるところの政府部内との関係もございますので、早急にこの問題について御納得のいくような御返事を申し上げることはなかなかむずかしいと思います。しかし、国会のこの内閣委員会における御意見でもございますので、私といたしましては、これをどう処置したらよろしいかという問題について検討を加えてみたいと存ずる次第でございます。
  78. 千葉信

    ○千葉信君 関連。これは、行政管理庁長官にもそれから林野庁長官にも一緒にお尋ねするのですけれども、先ほど林野庁長官は、実際に林野庁における職員の雇用の状態、かたり鶴園委員から具体的に質問がありました。そうして、しかも、実際上は林野庁長官答弁にもかかわらず、林野庁の職員の中には恒常的な職種でないという林野庁の答弁にもかかわらず、全く恒常的な状態で職員が使用されている、表彰まで受けている職員が多数いるということは、これは完全に林野庁長官答弁をくつがえしておる、要するに、林野庁長官答弁は、強引に自分の見解を押し進めているだけにすぎない。そして林野庁の長官は、国家行政組織法の第十九条の、恒常的に置く必要があるかどうかということについて、自分は恒常的な職種とは認めないという強引な法律上の見解を答弁しておるのです。そういう法律上の見解について答弁されておるのですから、私は面接、いまここでこの組織法第十九条の恒常的な職種に該当するかどうかということについての——ここで時間の関係もありますから、これ以上長々と質疑応答することはやめます。しかし、国家行政組織法第十九条を一生懸命になって強引に守ろうとしている林野庁の長官が、実は林野庁の職員に適用されている他の法律について平気で違反をしておる。こういう違反をしておる事実がはっきりすれば、私は、いまの行政管理庁長官の答弁のように、昨日をかけてのんびりこの問題を審議したり考慮したりしているひまはないと思う。違反の事実については、さっそく政府としては改めなければならぬ立場のはすですから、しかもそれは閣議の決定云々ということがありますけれども、いかに閣議の決定でも、法律に違反している事項が行なわれている場合には、そのことについては、直ちに改めなければいかぬと思います。  そこで私は、もう一つの法律を、林野庁の長官は法律をたてにしておられたから、私はもう一つの法律を引っぱり出しますから、この国家公務員法の第六十条の臨時的任用という条文によりますと、六ヵ月をこえて使用してはならないということなんです。臨時的な職員を、これは恒常的な職でないという見解で使用した臨時的な職員を、継続して六カ月をこえて使用してはならないという規定があるわけであります。しかも人事院規則によっても、その使用した場合の条件、たとえばその職を廃止をされるとかなんとかという特殊な条件がある場合には、一回だけそれを更新して、六カ月からまた六ヵ月使用してもいいという条文がある。しかし、それ以上はいずれの場合でも絶対に許さぬ。こうなっておるのです。さっきだれかがうしろのほうから出しゃばってきたが、北海道開発庁の職員が定員化されたとかどうのこうのという話があったが、これはあそこにも問題があるわけです。私は、あそこでは非常勤の職員は千五百七名です。しかも定員要求は本年度千七百人、これは監理局長にも詳しく話してありますから、行政管理庁では知っているはずです。そういう実情に対して、定員要求が千七百名、非常勤職員がそれも継続して雇用されている職員が千五百七名、さっき定員化されたなんていうことをうしろのほうから言った者があるけれども、今回定員化されようとしている者は、そのうちのたった四十一名だけです。あんなものを根拠にして、片方の恒常的な職員についてはちゃんと定員化されているなんて答弁するのはおこがましいし、事実を知らないにもほどがある。  私は最後に聞きたいことは、こういう国家行政組織法の第十九条の関係は、一応論議のあるところだとしても、実際的に十五年も二十年も継続して使用されている臨時者があるということは、この法律に違反しているのじゃないか、この事実をどうするか。恒常的な職か職でないかなんということは、そんなことは論議は終わっているはずなんです。この法律的な解釈については、ひとつこの際、林野庁の長官と行政管理庁の長官から承りたい。この点どうですか。
  79. 山村新治郎

    ○国務大臣(山村新治郎君) いろいろ微に入り細をうがった御質問を拝聴いたしておりまして、非常にわれわれとしてもその御質問内容に敬意を表する次第でございますが、現実は林野庁といたしましても、林野庁自身の運営の問題等もございますし、われわれといたしましては、やはり公務員をふやすということにつきましては、国民に負担をかける問題でもございますので、慎重にいたしておるいきさつもございます。要するに、いままでいろいろな過程を経て現在に至っております問題でございますので、先ほど鶴園委員にお答え申し上げましたように、これをどう処理するかという問題につきまして検討さしていただきたいと思います。
  80. 千葉信

    ○千葉信君 行政管理庁長官、あなた人ごとみたいな顔をして答弁をしているけれども、さっきも鶴園君が言いましたように、政府の中で行政管理庁はこういう問題について責任を持っているのですよ。権限があるのですよ。したがって、あなたの立場で、行政管理庁立場として、林野庁のほうでは林野庁の運営関係上こういうかってなことをやっているのを、林野庁も都合があるだろうというようなことでは、答弁にはならないのですよ。あなたはあなたの責任において行政管理庁設置法の第二条の第一項の第一号から四号までの、行政機関の中における機構なり経理なりその運営の状態については総合調整を行なうという権限を持っていると同時に、これらに関する調査、企画、立案の立場にもあるのですよ。しかも行政管理庁はその仕事の実際の運営の状態につて、絶えず監察して、事態をつまびらかにしていなければならない、そういう立場にあるものが、この委員会の席上でそういう臨時職員の実態については、それは林野庁の運営の都合でやっているのだろうというような答弁は許されぬのですよ。しかもかなり時間をかしてもらえば行政管理庁としては検討してもよろしいというような態度は、私はこれはまさに自分の権限をまじめに行使をしないでサボっていると言っても過言ではないと思います。したがって、これはもう少し長官から明確にそういう法律に違反しているような事実についてはどうするとかこうするという点については、その結論はとにかく、決意だけはこの際はっきりしてもらわなければ、この審議は長引きますよ。もう一回長官から……。
  81. 山村新治郎

    ○国務大臣(山村新治郎君) 千葉委員の御指摘を待つまでもなく、行管といたしましての設置法に書かれた権限内におきましての私の職分は心得ておるつもりでございます。したがいまして、この問題についてせっかく鶴園委員も先ほどから御質問がございましたので、私といたしましてどう処置するか、この問題はいままでのいきさつというものもございまして、簡単な問題ではないと思います。単なる法理論争だけで終わる問題ではないと思いますが、これをどう処理するかということを検討したいということを誠意をもってお答えしたつもりでございます。なお、先ほどの林野庁の運営の問題ということを申しましたのは、林野庁には林野庁の言い分がございましよう。したがって、それらの問題を調整したいという意味から申し上げたことでございますので、誤解のないようにお願いいたします。
  82. 森博

    説明員(森博君) 千葉先生の御質問に対しましてお答えいたしますが、先ほどの恒常職であるということと、それから常用と申しますのは、これは私どものほらは常用という作業員というものは、これは職とは考えておりませんで、申しますれば待遇の一つのグループであるということで、その実態は先ほど長官からいろいろ申し上げましたとおり、いろいろの仕事をやっていただいてその結果、結果的に長年できるだけ長くつとめていただくということで、結果としてはそういうような何年も継続されて勤務されたという方がおるわけでございますけれども、それがそういうことであれば恒常職であるということとはちょっと法律の解釈が違うんじゃないか、こういうふうに考えております。それから第六十条関係、公務員法の第六十条関係は、これは恒常職以外の職には、これは当てはまらない条文であるというふうに考えております。
  83. 千葉信

    ○千葉信君 さっぱりわけがわからぬ答弁だ。臨時職で雇われている人の職が公式には法律上は全くの臨時だというから職名はないかもしれない、しかし、実際上に仕事をやっている。その仕事はどうなんだ、仕事があるはずじゃないか。あるからやっている、しかも僕の聞いているのはそういう職名がどうあろうと、実際に非常勤職員の、定員外の非常勤の職員の使役については、あなたの公労関係でもちゃんと適用のある公務員法に臨時職の職員については使役することについてちゃんと期限がついておる。しかも更新についても期限がつけられている。その法律の条文をおかしておるのはどういうことだといってそれを聞いている。
  84. 森博

    説明員(森博君) 第六十条は作業員のほうには適用はないと、こう心得ております。
  85. 千葉信

    ○千葉信君 作業員のほうに適用がないということは一体どういうことなんだ。作業員とは何だ一体。政府ではその作業員だとかなんとかは公務員法に関係なしに使役してもいいという見解なのか。
  86. 森博

    説明員(森博君) 第六十条は、常勤職員と申しますから、結局恒常職の職員になるわけでございまして、それの運用について定めている法規……。
  87. 千葉信

    ○千葉信君 君は何も知らぬのだな、いいか、ちゃんと聞け。一般行政官庁でも、公労法の適用されている職場の職員でもその職員の使役の状態については厳格に法律できめられているのだ、そんな君のようないいかげんなものじゃないぞ。たとえば政府の使っている職員については、非常勤であろうと何であろうと、これが一般職であるか、特別職であるかということの厳格な区別がある、通例の場合。いま君の言うところのそういう作業員の場合でも、法律上は一般職の職員になっている、そうして一般職の職員でない特別職の職員の場合には人事院の指定によってどれが特別職かどうかということがちゃんときまっている。見たまえ、公務員法には、こういうふうに厳格に規定された一般職の職員及び特別職の職員以外の職員を置いて、政府仕事に使役してはならないという条文がある。これは日が遠いけれどもはっきりするためにその条文を見てやろうか。
  88. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  89. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけて。
  90. 山村新治郎

    ○国務大臣(山村新治郎君) 千葉先生からいろいろと御質疑がございましたが、政府といたしまして法律違反をいたしておるようなことはあり得ないと思います。同時にまた、問題は法律違反であるかどうかの見解の相違がいまの論争の点じゃないかと考える次第でありまして、先ほど申しましたように、私といたしましては、十分ひとつ検討いたしたいということで御了解をいただきたいと思います。
  91. 千葉信

    ○千葉信君 次回のこの委員会でやりますか。では継続して次回の委員会までに研究してきてください、やりますから。林野庁も同様だ。
  92. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 職員部長の答弁を聞きたい。
  93. 森博

    説明員(森博君) 第六十条に書いてございます、「人事院規則の定めるところにより、緊急の場合、臨時の官職に関する場合又は任用候補者名簿がない場合には、人事院の承認を得て、六月を超えない任期で、臨時的任用を行うことができる。」とこう書いてございまして、「緊急の場合、臨時の官職に関する場合又は任用候補者名簿がない場合」というふうに書いてあるわけでありまして、これはわれわれのいまの使っている常用の場合の規定には当てはまらない規定である、こういうふうに考えます。
  94. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  95. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけてください。  他に御質疑はこざいませんか。——発言がなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめることにいたします。  ではこれにて暫時休憩いたします。    午後一時三十八分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕    ————————