運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-02-25 第46回国会 参議院 内閣委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月二十五日(火曜日)    午前十時三十八分開会     ―――――――――――――  出席者は左のとおり。    委員長     三木與吉郎君    理事            石原幹市郎君            下村  定君            伊藤 顕道君            鶴園 哲夫君    委員            小柳 牧衞君            塩見 俊二君            林田 正治君            千葉  信君            松本治一郎君            山本伊三郎君            鬼木 勝利君    発議者     小柳 牧衞君   国務大臣    法 務 大 臣 賀屋 興宣君    国 務 大 臣 山村治郎君   政府委員    臨時行政調査会    事務局次長   井原 敏之君    行政管理庁行政    管理局長    石川 準吉君    法務大臣官房司    法法制調査部長 津田  実君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○旧金鵄勲章年金受給者に関する特別  措置法案草葉隆圓君外十六名発  議) ○臨時行政調査会設置法の一部を改正  する法律案内閣提出) ○法務省設置法の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査)     ―――――――――――――
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより内閣委員会開会いたします。  旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案議題といたします。本案は去る二月二十一日、本会議において趣旨説明を聴取した後、同日、本委員会に付託されました。  これより発議者から、提案理由説明を聞くことにいたします。発議者小柳牧衞君。
  3. 小柳牧衞

    小柳牧衞君 ただいま議題となりました旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案趣旨説明いたします。  旧金鵄勲章年金令は明治二十七年勅令第百七十三号によって、制定されたものであります。この年金令昭和十六年に至り、勅令第七百二十五号により廃止され、昭和十五年四月二十九日以後の叙勲者に対しては一時金として公債が交付されることとなりましたが、同日前の叙勲者につきましては、引き続き旧令による年金が支給されておりました。  しかるに、終戦後、昭和二十一年三月に至り、この勲章年金の支給は、昭和二十年十二月末日を限りとして、一切廃止され、また、一時金として交付せられた公債も、無効とされて、今日に至っておるのであります。  戦後十八年、この間幸いに、わが国の経済は順調に再建発展して、国民生活も年一年と向上をたどりつつあるとき、旧金鵄勲章受勲者においては、その経済的期待権を喪失し、大部分が経済的、かつ、精神的に不遇のうちに、老残の日々を送っているのでありまして、かつて、国のため、生命を賭して、抜群の功績を立てた人々が、かくのごとき状態に放置されていることは、列国に例を見ないところであり、また、受勲者に対してはまことに、惻隠の情にたえない次第であります。よって本法律によって、これらの人々処遇改善をはかるため、特別措置を講じようとするものであります。  本法律案の要旨は、昭和三十八年四月一日において、生存する旧金鵄勲章年金受給者にして、満六十歳に達した人々に対し、その処遇改善の一端として、旧制の功級による区別なく、金七万円の一時金を特別措置をもって、支給しようとするものであります。その認定は、これを受けんとする者の請求に基づいて、内閣総理大臣が行なうことといたしております。  なお、この法律実施のための手続その他については、政令をもって定めることといたしております。  以上をもちまして、提案趣旨説明といたします。  何とぞ、本委員会におかれましては、慎重御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。
  4. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 以上で提案理由説明は終わりました。自後の審査は、これを後日に譲ります。     ―――――――――――――
  5. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。  政府側出席の方は、山村行政管理庁長官井原臨時行政調査会事務局次長石川行政管理局長でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。伊藤君。
  6. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 前回に引き続いて長官にお伺いしたいと思いますが、その前に前回お願いいたしました不用または臨時審議会についてはどのように善処されたかということに対して長官から要点の御解明がございましたが、詳細は資料等によって知りたいということで、資料提出をお願いしておったわけです。その資料はいかがなったか、それとさらにまた同じ趣旨で、いわゆる審議会委員兼職状況とかあるいは会議回数あるいは出席状況、こういうものについても前回附帯決議の精神に基づいて善処されて改善されつつあるという意味長官の御回答でございましたが、その詳細については前者と照合をいたしませんと確認できませんので、この資料等についても提出方をお願いしたわけですが、それはまだ出ておりませんければ、いつごろ御提出いただけるか、まずもってこのことをお伺いしておきたいと思います。
  7. 石川準吉

    政府委員石川準吉君) 私よりお答え申し上げますが、前回の御下命によりまして、直ちにそういう資料を手配をいたしましたのでございますが、関係省庁を集めまして相談をいたしました結果、中央関係の分につきましては大体来月の中旬ごろまで御猶予をいただきたい。その他中央関係ので多少それ以後に残るものもございますが、極力これは急いで取りまとめをいたしたいと思います。前回の例では、おおむね一カ月かかっておりますので、とりあえず本日は、ただいま配付いたしました国家行政組織法第八条に基づく合議制機関等現況調というもので、大体それぞれの審議会等の名称とそれの性格を、調査諮問的なるもの、それから資格得喪審査を主とするもの及びかつては訴願と申しましたが、現在不服審査的な業務を主とするもの、それから主管大臣等意思決定をいたしますのに、その当該審議会等の議をくむことを目的としました必要的付議と上段に書かれておりますのと、その他の種類のもの、大体性格を五種類に分けましてマルじるしで概要を表現いたしております。別に独立の職権を持っておるものもございます。その他根拠法令設置法に属した他の立法によるか、あとは庶務を担当する部局であるとか、設置年月日あるいは会議開催回数等概要を図表にいたしまして、とりあえずお手元まで差し上げました次第でありますが、さらに詳細なる資料につきましては、以前申しましたように、多少御猶予をちょうだいいたしまして、十分誠意ある資料提出いたしたいと存じます。
  8. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ただいまも申し上げたように、不用または臨時審議会をどのように統合廃止したかというごと、それと兼職状況とか、会議回数、そして出席状況、まあこういうのは、長官説明ではございましたけれども、一口に説明できないわけです、その詳細については。そこで前の資料はここにございますので、あと資料をこれと照合して比較検討して、初めてなるほど長官は忠実に御答弁なさったとか、少し食い違いがあったとか、そういうことになろうかと思うのです。それができない。そういうような意味合いでお願いした資料についてはひとつ、いろいろ事情もあろうかと思いますが、当内閣委員会審議をする上になくてならぬ資料でございますから、ひとつ早急に提出促進方を重ねてお願いしておきたいと思います。
  9. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) ただいま局長から来月の中旬目標の御答弁がございましたが、御趣旨に沿いましてなるべく早目提出ができまするよう、事務を督励いたすつもりでございます。
  10. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、いま国会開会中ですから特定な問題について調査会審議会等設置されるときは、直ちに国会提出すればいいわけです。したがって、そういう点はたいへん都合いいわけです。ただ、国会閉会中は国会に出すわけにまいりませんから、国会閉会中に特定の問題について審議会等設置なさろうとする場合は、一体行管長官としてはどういうふうにお考えになるか。いま開会中だからいいですけれども、閉会中のことをはっきりさしておかないと、緊急に設置する必要があったような場合どういう手を打たれるのか、そのことについてはっきりさしておく必要があろうかと思います。
  11. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) もとより法的な根拠を要するものにつきましては、閉会中にはできません。ただ、いわゆる行政の一環として一つの民間の事業をいろいろと行政庁長官が聞くという場合等におきましては、一応設けることがあるかもしれませんが、それにつきましても、なるべくこれの設置につきましては押える方針でまいっておることには間違いございません。
  12. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ただいま申し上げたように、国会閉会特定の問題について審議会等を設けようとするときには法律によることはできないことは明確です。そこで、政令等で設ける場合がありと仮定した場合、次の国会では必ず国会提出して国会承認を求めなければならない。こういう意味の、前回法案衆議院のほうからこちらに回ってきまして、その際、参議院でいま申し上げた国会閉会中は法律によることはできないから政令によって定めるであろうけれども、次の国会には必ず国会承認を求めて法律で出さなければならない、こういう法案参議院全会一致で通っているわけです、当内閣委員会で。ところが、衆議院に回付をしたときに、衆議院審議未了になって現在まだそういうものは成立しないままの状態になっておるわけです。したがって、そういうことから言いますと、その法律はまだ通っていませんから、態度をはっきりなさらなければならぬではないかということをいまお伺いしておるわけです。したがって、その法律が通っておりませんから、審議会等法律によらなければならぬ、その法律によることが国会閉会中はできないから、結局閉会中は審議会調査会等については設置できない、こういうことになるわけなんです。これははっきりしているわけです。そして、いま申し上げた意味法律案が通りますれば、これは国会閉会中、緊急の要件である点について審議等を設ける必要ができた場合には、政令等でやむなくつくっても、次の国会には必ず国会承認を得て法律化する、行管長官としてはこういうき然たる態度で臨まなければならぬのではなかろうか、こういうふうに思うわけです。この点についての長官のお考えをいま確かめながらお伺いしているわけです。
  13. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 当委員会におけるところの御決定のことにつきましては、実は私存じておりませんでして、まことに申しわけありませんでした。委員会決定もある以上におきましては、十分その御趣旨を尊重してまいるつもりでございます。
  14. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、主として審議会運営というような問題を中心に二、三お伺いしたいと思います。  審議会調査会というものは現在二百九十くらいある。非常に数が多い。そういうところから、特殊利益団体代弁者を集めたのではないか、そういうふうに考えられるような審議会等も数多い中にはあるわけです。それとまた、政府方針に同調させなければならない、それに都合のいいいわゆる御用的な考え方から選ばれたような委員会構成も見受けられる。それから、政府責任のがれのために一応学者文化人等意見を聞く必要がある、こういうようなたてまえから、審議会調査会等答申を待ってこれは進めたんだということになれば、政府責任は軽くなるわけです、そういう面では。そういうふうなものがいろいろ出てまいりますが、そういうふうに考えられるようなおそれのある審議会等は数多い中には見受けられるのではなかろうか。こういうことに対して、長官としてはどういうふうにお考えになっておるか。この点についてのお考えを明確にしていただきたい。
  15. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) ただいま御指摘の問題等につきましては、私も野にありまするところにおきましても、いわゆるこの種の審議会というものを役所の隠れみのにしちゃならない、こういう考えを持っておった次第でございます。したがいまして、現在におきましてもこの審議会を何か役所の言いわけの材料にしたり、あるいは便宜的な材料に使うべきものではございませんでして、あくまでも行政を円滑にりっぱに運営していくために必要な審議会運営というものが行なわれてまいらなきゃならないことにつきましては、伊藤委員のただいまの御意見のとおりであろうと考えております。
  16. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 重ねてお伺いしますが、この審議会調査会等委員を選ばれる場合には、官庁側関係審議会委員人選をするわけです。こういうことから、役所都合のいいような学者を選ぶ、そこでいわゆるいうところの御用学者というものがこの辺から出たと思うのですが、そういう都合のいい学者とか、元官僚、こういう方々を大部分集めて置いて、ただそれだけでは世間ていがあるので、その中に言いわけ的にちょっぴり野党的な色彩のある委員をほんの一部入れて置いて、そしてこれは社会の各界、各層の代表からなる審議会であるという印象を与えるような、そういうにおいのする審議会等が、数ある中には相当見受けられると思うのです。この点についても長官態度をひとつ明確に伺っておきたいと思います。
  17. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 審議会の全部がそうであるとは考えませんけれども、中には確かにそういう誤解を受けるような構成人員がある場合のあることと存ずる次第でございます。しかし、とにかく政府の諮問の審議会としてこれを発足せしめた以上におきましては、今後ともそういうふうな誤解を招くような人選については、厳重にこれを避くべきであると考えている次第でございます。
  18. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 現在大体二百九十ばかりの多数の審議会等が現存しているわけです。もちろんこの中には非常に活動して、そして成果をあげていると思われる審議会等現実にあるわけです。ところが、一方いま申し上げたようなあまり効果のない、ただ言いわけ的に存在しているとしか考えられないような審議会等もあるわけです。ただいま長官がおっしゃったようなそういう態度でやるならば、そういう無益な、そしてあまり効果のないような審議会はだんだんなくなって、みな設置された当初の目的どおりそれぞれの成果をあげ得ると思うわけですけれども、現実はなかなかそういっていないわけです。こういう点についてひとつ今後審議会等についての運営の基本的な態度といいますか、そういうものをここで明確に伺っておきたいと思います。
  19. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 数ある審議会の中には、すでにもうその機能を十分に果たし終わった審議会があるかもしれませんけれども、また同時に、実際問題としてもう無用になった審議会もなきにしもあらずと考える次第でございます。したがいまして、今後その種の審議会につきましては、十分行管といたしまして、調査をいたしまして、各省庁連絡をとりまして、善処するつもりでおります。
  20. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、この臨時行政調査会設置法案そのものの直接に関連する問題、二、三についてお伺いしたいと思います。  これは一月十九日ごろの都下の大新聞報道されているわけですが、そのいろいろの報道を要約いたしますと、こういうことになるわけです。政府は一月十八日閣議を開きまして、その閣議池田総理国会所信表明演説をやるその一節に、行政機構改革を推進するため、臨時行政調査会答申を期待する、こういう意味内容があったと伝えられているわけです。この点については、この調査会というのは、非現実的であって、あまりかんばしくない。そういうような点から、これは削除すべきである、そういうような主張の閣僚相当おって、また、行管長官はもちろんでしょうが、これに反対する閣僚もあって、激論が展開された。その一部については、すでに石原委員から前回お尋ねがあったと思うのですが、私はまたそれを、角度を変えてお伺いするわけですが、結局、この調査会政府考えに基づいて設置されたわけです。それで、結局ふたをあけてみると、閣僚同士でいわゆる賛否両論、でなかなかその帰趨はきまらない、こういうような報道がされておったわけですが、大新聞いずれもそのような結論になっておったわけです。こういうことについて、もし、こういうことが実際あったとすると、まことに遺憾のきわみであろうと思うのです。この点について、長官の御態度をひとつ伺っておきたい。
  21. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 行政機構改革そのものについての反対論は、これは閣内においてあるはずはございません。ただ、たまたま、当時太田試案提出されましたがために、これは太田試案はあくまでも試みの案でございますけれども、この試案相当役所によりましては、その役所現実と合わない点がございましたがために、相当活発な議論があったことは事実でございます。しかし、一応、閣内におきましても、あくまでも、臨調答申は尊重するたてまえである。臨調答申が出たらば、これの線に沿って行政改革の熱意を、前向きの姿勢をもって取り組んでいくということについては一致した意見でございます。したがいまして、その間に具体的な太田試案内容についてのいろいろな議論がございましたのが、だいぶにぎやかな報道となった次第でございまするが、太田試案はあくまでも太田さんの試みの案でございますので、正式の臨調答申でもございませんので、いずれ臨調答申が出てまいりますから、いろいろとこの問題について検討してまいりたいつもりでございます。おそらくや、臨調答申が正式に出てきました後におきましても、これだけの行政機構改善するという大問題でございまするからして、相当議論の出ることは当然と考えておりますが、議論議論でございまするが、行政機構改善について、前向きの姿勢をもって取り組んでまいることについて変わりはございません。
  22. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この論戦については、いま長官からお話があったわけですけれども、結局伝え聞くところによると、池田総理の強い要望があって、今後これは各省庁調査会でひとつ意見の調整をはかっていく、そういうことになったように聞いておるわけですけれども、その後この方針に沿うて推進されておるのかどうか、この点を伺っておきます。
  23. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 先ほどのその閣議でいろいろ議論が展開されました結論といたしまして、あくまでも審議会は、これは政府考えとは別個に七人委員の独自の自主的なお考え答申を出されるはずであるが、その出された答申については、あくまでもこれは尊重しなければならない、したがって、その間にもしもいろいろと誤解や、あるいは現状についての認識が誤られてはいけないから、太田試案が出たのをきっかけにぜひひとつ各省ともこの審議会を牽制するという意味ではなくて、実情を訴え、また、いろいろな連絡に行ったらよろしいじゃないかという総理のお言葉もございまして、その後特に太田委員御自身も、ぜひ各省庁ともこの試案を出したのをきっかけにし連絡がとってほしいというような御要望があったことを承りましたので、各省では十分に連絡をとっておるはずでございます。その後のことにつきましては事務局次長から御説明申し上げます。
  24. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 太田試案につきましては、新聞にも若干出たわけでございますが、実は、いま大臣が申し上げましたように、試みの案でございます。試みの案を出しますいきさつは、御承知のように、七人の委員が事項を分担しておるのでございますが、太田委員が分担いたしております機構の統廃合についての試みの案ということで出したわけでございます。この二月の八日までに総理府を除いて十二の省から全部意見を聴取いたしまして、それを中心に、いま、その意向の申し出を中心に検討しておる最中でございまして、いずれ、私ども太田委員から漏れ伺っておるところでは、第二次の案について重ねて各省庁責任者から意見を聞く運びになるようでございます。
  25. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 長官の御説明を承ると、いろいろ盛んな論戦が確かにあったけれども、行政改革に対する考えでは一致しておった、それなら問題はないわけですけれども、結局総理のその施政演説内容一節である、今後臨時行政調査会答申に期待する、こんなものは削除してしまえということが、これは私、総理に面接聞いたわけじゃないですから、報道の各面を総合すると、いずれもそういう意味です。そうだとすれば、臨時行政調査会答申に期待する、これは当然われわれ考えられることなんですが、そういうものを削除すべしというような意見が出たとすれば、行政改革に対する政府閣僚意見一致しておったとは考えられない。論戦はあったけれども、結局基本的には一致しておったというのであれば、これはまあ別問題ですが、一致してないのじゃないですか。臨時行政調査会答申に期待する、これは当然国民も期待し、われわれも期待するわけなんですけれども、そういうものは削除してしまえということになると、これは穏やかでない、これはもうまっこうから答申に反対するということになります。そうなると答申に期待しないならば、何も多額の国費をかけて全国的視野から第一級の人物を集めて臨時行政調査会設置して、その答申を尊重しないのであるならば、おおよそ意味がないですね、これは非常に大事な問題だと思います。ここのところをひとつ明確にしていただきたいと思います。
  26. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 先ほども申しましたように、たまたま太田試案中心にいたしまして、いろいろと議論のあったのは事実でございます。その議論の最中に、あるいは形容詞の使い方のへたと申しましょうか、いろいろな形でそういうふうな誤解を受けることがなきにしもあらずであったのでございますが、結論といたしまして、あくまでも臨調答申はこれを尊重しようじゃないかということについて、閣内意見一致を見ましたために総理大臣施政方針演説となった次第であります。したがいまして、閣内におきましては、あくまでも臨調答申を尊重するというたてまえを一致して貫いておる次第でございます。
  27. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私がお伺いしておるのは、太田試案に対するいわゆる具体的な面についての各関係閣僚意見がいろいろと出た、こう言うなら話はわかるわけですけれども、私がお伺いしたいのは、総理の草稿の中に臨時行政調査会答申に期待すると――そういうものは必要ないから削ってしまえという意見があったとすると、これは容易でないということをお伺いしておるわけで、ただ、具体的な問題については、今後十分検討しなけりゃならないと思うわけであります。ただ、そういう具体的な問題でなくして、基本的な問題として臨時行政調査会答申に期待する、これは、総理がそういうことを言おうとしたのは、結局答申を尊重するということに通ずると思うんです、期待するというのは。ところが、それを削除してしまえということは、そんなものは尊重せぬでもいいということに、ことばをかえれば、そういうことになろうかと思うんです。だから、この問題非常に大事だということを伺っている。その点を明確にしていただかないと、今後この臨時行政調査会の、またそれから生まれるところの行政改革というものについて非常に暗い陰がさしてきたんではないか、こういう危惧の念を持って見られるわけです。いまだかつて、この行政改革に対して各省庁内で、いわゆる各省庁内の空気を反映して各閣僚間でこういう結論があって、しかもそれが公の場で反対されたということはあまりいままで聞いてないわけです。こういうのがせっかく出てきたのに、これはこのままでは容易ならぬ根本的な問題であるので重ねてお伺いいたします。
  28. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 先ほど申しましたように、太田試案の問題についての具体的論戦相当に活発だったことは事実でございます。したがって、活発なあまりに、いろいろと、まあ誤解されやすいことばが出た節はあったかもしれません。結論といたしまして、あくまでせっかくこれまで臨調の皆さんが一生懸命にやっておるこの答申はどうしても尊重しなければならないし、そうしてまた、いままでの歴代の内閣がなかなかできなかったこの行政改革には熱意を持ってやっていこうという閣内一致の御意見がございましたために、先般の総理大臣の所信表明となった次第でございますから、この点は御了解いただきたいと思います。
  29. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 重ねてお伺いしたいのですけれども、私がぜひお伺いしたいのは、繰り返し申し上げますが、臨時行政調査会答申に期待する――それに反対の意見相当に出たというふうに聞いておるわけなんです。もしそうだとすると、これは根本的な問題ですから、先ほど来申し上げておるように、これはここのところを明確にしなければならぬし、これは非常に根本問題だと思うんですよ。調査会答申に期待する、これは当然の言うべきことを言おうとしたのだと思いますけれども、このことを削除しろということは、これは根本的に考えた場合、このままほうっておけない問題だと思う、この問題についてお伺いしているわけです。先ほど来詳しく御解明のございましたいわゆる太田試案について、具体的な問題について甲論乙駁ということは、いろいろ当然あろうかと思うのですけれども、これはまあさておいて、この問題について伺っているわけであります。
  30. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 伊藤委員のおっしゃいますように、あくまでも政府といたしましては、法の命ずるところによりまして、この臨調答申というものは尊重しなくてはなりません。尊重するということは、前向きの姿勢をもってこの実現に努力することでなければならないと思う次第でございます。したがって、閣内におきまして、臨調答申なんかを無視しろというような、ばかな意見が出るはずはございません。この点は私御了解いただきたいと思います。結論といたしましてまとまりましたのが、先般の総理大臣施政演説でございますからして、閣内一致をもって臨調答申を尊重する態度をとっている次第でございます。
  31. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この問題は、経過的に見ても、私が申し上げるまでもなく、昭和三十六年第三十八国会で、臨時行政調査会設置法が制定されたわけです。それで三十六年十一月に入って、総理府に設置された、こういう経緯があるわけですね。その間の経緯とその後の調査会の活動状況、それから調査会に寄せられた国民各層からの期待、こういうことをあわせ考えたときに、この調査会をつくったのは、一言にして言えば政府だ、ほかならないところの政府自体がつくられた、その政府自体のいわゆる閣僚の中に、先ほど来申し上げているこの調査会に対する軽視の傾向が、あるいは反対の傾向がもしあるとすれば、これは先ほど来申し上げているように、どうしても考えられないことです。政府自体がつくられた調査会を軽視するということは、およそ矛盾もはなはだしいと思うのです。しかもその答申に期待するというような、当然のことがもし反対されたとすれば、せっかく貴重な国費を費やして、しかもアメリカのフーヴァー委員会にも匹敵するような、日本としては第一級の人物を集めて、そうしてようやく審議を進めてきて、さてここまで来たが、六カ月どうも日時が足りないということで、この国会で、こういう大事な調査会答申を控えて、六カ月どうしても期間が足りないということで、この国会提案しているわけです。そういうような経緯から考えても、これはよほどこの際しっかりした態度で臨んでいただかないと、結局うやむやになるようなことがあっては、これはゆゆしい問題であるということをおそるるのあまり、いろいろの角度からお伺いしているわけです。この点について、ひとついま一度明確にお答えいただきたいと思います。
  32. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 臨調が発足以来委員の方々が、第一線において働かれる重要な職責のある方々にもかかわらず、この臨調のお仕事に専念されておりますお姿に対しましては衷心から敬意を表している次第でございます。なお、この御努力が反映いたしまして、国民の皆さま方のこの臨調答申如何、臨調答申によっての行政機構改善いかんという問題については、これはもう大多数の国民の方々が待ち望んでおられる事柄であろうと考える次第でございます。特に池田内閣といたしましては、行政機構改善ということは、はっきりと公約にもうたってございまするし、なおまた、たびたびの所信表明にもいたしておる問題でございますので、ただいま御指摘のような御懸念は毛頭ないことを、私は信ずる次第でございます。したがって今後において、臨調答申に期待いたしまして、その実現につきまして行革本部として、一生懸命に努力してまいるつもりでございます。
  33. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この問題に関して、山口事務局長から黒金官房長官政府の真意をただすために、佐藤会長みずから池田総理大臣政府のいわゆる態度を伺うために、それぞれお会いして承ったというふうに聞いておりますが、はたして山口事務局長は黒金官房長官に会われてどういう態度を承ったのか、佐藤会長は総理から、それぞれ実際に面談されて総理の所見を伺われたのかどうか、こういうことを伺っておきたいと思います。
  34. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 山口君が官房長官にお会いする用はいろいろございまするので、お会いになったことはたびたびあると存じまするがいわゆる臨調の扱われるものについて官房長官と話をするという段階に至りまするならば、大臣でございまする私が責任を持って官房長官と交捗いたします。したがいまして、いま御指摘の問題につきましては、ちょっときょうは山口君も来ておりませんが、事務局次長井原君が来ておりまするが、たぶん御懸念の点はないのじゃないかと考える次第でございます。
  35. 井原敏之

    政府委員井原敏之君) 佐藤会長が総理大臣の真意を最近確かめたかという趣旨のお尋ねのように承ったのでございまするが、閣議云々で新聞報道されて、あらためて総理臨調答申に対する扱いについて所信をだめ押しをしたということは特にはございません。ただ、総理とはいろいろな場面でしょっちゅう会っておるようでありまして、いろいろ行政改革の話題がはずむ場合もあるようでございまするが、いま仰せのようなことで特に公式にだめ押しに会見したということはございません。
  36. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) ちょうど偶然でございまするが、この委員会に参りまする前に、私、総理とお会いしておりまして、たまたま話が臨調の問題に入りまして、ちょうど二三日前に佐藤会長とお会いをしたということを承りました。そのときに総理から、ぜひひとつ思い切ったりっぱな案を出してもらいたい、大いにやってもらいたいということを自分は激励してきたということを総理から承ってまいったのであります。そのことを伝えいたします。
  37. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお二、三、問題点をお伺いしたいと思いますが、具体的な問題を一つ、二つ申し上げまするが、問題は、臨時行政調査会に対する政府態度について、たとえば具体的な例を申し上げますると、現在調査会の七人委員会で取り上げておりますいわゆる行政改革意見項目として、これは提出していただいた資料の中にあるわけですが、新たな問題として消費者行政、それから青少年行政、こういうものが蝋山委員中心にしていま取り上げられて検討が進められておるわけです。この問題を含めておそらく九月ころまでには答申がなされる予定であろうと思うわけです、いま検討中ですから。ところが、一方では政府はこの国会に、いまこれから、いわゆる予備付託になっておる総理設置法の一部改正案で経済企画庁に国民生活局、それから総理府本府に青少年局、こういうものを設置しようとする法案を出しておるわけです。これは非常にこの総理設置法の、このいま申し上げた内容については非常に緊急を要する必要事情があったかもしれません。もしそうだとしても、政府が検討を依頼して、その依頼を受けた臨時行政調査会が現にそういう問題について目下懸命に検討中であるわけです。ところが、答申を待たず、答申はもう九月には、おそくも九月末日には出るわけです。したがって、答申を待たないで、しかも依頼したことについて別な方法で、いわゆる別の方法でというのは総理設置法の一部改正案として、そういう形でさように急がなければならない理由が那辺にあるのかということに対してわれわれは深く疑問を抱くわけです。このことを一口にして申し上げると、調査方、検討方を調査会に頼んでおいて、一方、まだ結論が出ないのに、しかし結論は近く出る。そういうやさきに、一方、形を変えて、こちらで頼んだことと同じようなことをどんどん国会提案してしまう。これは何なのかさっぱりわからないということに尽きると思うのですが、いかなる理由があってそういうようなことをなさるのか、非常に疑問でありますので、伺っておきたいと思います。
  38. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 青少年問題並びに消費者問題、いわゆる物価対策の問題は、これはただいまでは国民の皆さんが関心を持っておりまする重大問題でございます。臨調におきましてこの問題を特に取り上げられましたゆえんのものも、やはりこの国民の皆さまの声をいかにし行政の面においてスムーズに反映してこの問題の解決に当たることができるかというねらいからであろうと私どもは考える次第でございます。したがいまして、この問題についての臨調答申につきましては、ほんとうに政府といたしましては、なるべく早くこの答申をいただきたいことを期待いたしております。たまたま政府自身として考えまするときに、物価問題にいたしましてもあるいは青少年の問題にいたしましても一日もゆるがせにすることのできない重大問題でございまするし、焦眉の問題でございます。したがって、今回、御審議願っております政府原案の中にこの問題が入っておりますのも、これは政府としてほうっておけないというたてまえから立案いたしましてこれを御審議願っておる次第でございますので、いずれ臨調からどういう答申が出てまいりまするか、臨調答申につきましてはまだわかりませんが、この臨調答申が必ず政府案並びにあるいはそれ以上のものが出てまいりますることを期待いたしまするが、それ以上のものが出てまいりました場合におきましては、この長所を取り入れまして善処してまいるつもりでございます。そういう意味から政府といたしましては、特に物価問題、青少年問題はこれは待ち切れなくなって実は出したということが偽らざる実態でございます。
  39. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 先ほども申し上げたように、消費者行政とか青少年行政の面については、政府調査会をつくってその調査会に検討を依頼したはずだ。しかも、この調査会は=山委員中心になって目下せっかく検討を進めておるわけです。その結論あと一年先二年先というならまた話は別です。この法案がかりに通って九月末日まで延期されたとしても、九月までには当然答申は出されるわけです。しかも、そういう権威ある臨時行政調査会でこういう大事な問題は検討させる必要があるという政府の基本態度調査を依頼したはずだ。それを一方依頼をしておきながら、もう結論がやがて出るであろうそういう間近になって、いかに緊急性があろうとも一方で同じような問題を、今度は形を変えて総理設置法の一部改正案という形の中で、これをどんどん進めていくことになると、これは先ほども申し上げたように、これは調査会に対する政府態度がきわめてこれを軽視しておるということに尽きると思うのです。せっかく頼んでおきながら、一方ではどんどん――答申を待ってやるというんなら話はよくわかるわけです。答申を待たないで、どんどんそういう依頼事項を進めてしまうんなら、調査会をつくってもおよそ意味がないということになるわけです。そういう点で、これは一つの具体的な例として申し上げたわけであります。こういうことはまだまだ幾らも出てくるわけです。そういう具体的なことでなく、基本的な考え方ですね。政府調査会に対する基本的な態度が非常に問題だということをいま伺っておるわけです。
  40. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 御指摘のように、臨調にお願いをしておきながら、その機構の先回りを政府がやってしまうことは失礼じゃないかという御趣旨の質問と思いまするが、確かにこの点は見方によりましては、せっかくお願いをした問題について、待つべきであるという御議論も成り立つと思うのでございます。しかし、何といいましても、消費者行政の問題、すなわち物価問題を解決しなくちゃならぬということは、池田内閣としても至上命令でございまするし、非常に一部憂えられております青少年問題を一日も早く解決しなくちゃならないというのも、これも国民の声でございますることを考えまするときに、実はいずれ臨調から出てまいりました案が政府考えております以上のりっぱなものが出るに違いないのでございますが、その場合にはそれを手直しするといたしましても、その臨調答申をお持ちしている間にも、物価がある程度まで不安定になり、あるいはまた、青少年問題が非常にやかましくなってまいるということは、これは行政当局として手をこまねいて待つべきではないという考えから、実はこのことにつきましては、ちょうど臨調委員会を開いておりますところへ私も参りまして、ことによると臨調答申をいただかない前にいろいろと手をつける問題が出るかもしれませんけれども、この点は行政上急ぐ問題として、あしからず御了承をいただきたいということを、実はごあいさつを申し上げまして、この法案の手続をいたした次第でございます。
  41. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 物価問題は非常に緊急性があるので、特に池田総理も物価問題については非常に熱心なのでと、そういう意味のいま御答弁があったわけですけれども、それは物価問題はいまに始まったわけじゃないんです。池田内閣が三年前に組閣以来、高度成長政策の推進をやってきて、そういう結果からいろいろ――いまは経済論議じゃございませんから、その本論については申し上げませんが、そういうことから、高度経済政策の失敗から、物価がウナギ登りにはね上がってきたということで、これはことしだけ物価が上がったわけじゃないんです。毎年々々物価ははね上がっておるわけです。こういう事態はいまになって初めてあわてふためくという態度のものではないと思う。物価問題が非常に国民の間に問題になっておるので、一国の総理大臣として、これを緊急に解決しなければならない、それはもう当然なんです。それならいままで過去三年間、一体池田総理は何をしておったかということになる。いまになって騒がないで、三年前から物価が上がるということはわかっておるから、だからそういう経済論議は別にして、それならそういう大事な問題だから臨時行政調査会に委嘱したわけです。臨時行政調査会では、その政府の意向を受けとめて、そして蝋山委員中心にこの問題を、この消費者行政と青少年行政について真剣に取り組んで、蝋山委員中心になって具体的に検討を進めておるわけです。いま少し待てば答申が出るわけです。そういう、答申がもうまさに出ようとするそのさきに、せっかく頼んでおきながら、一方でどんどん頼んでおきながらそのことを法律化してしまう。これはおよそ意味がなかろうと思う。そういう点を伺っておるわけです。物価問題とか青少年問題がいかに大事な問題であるかということは言う必要もないくらいきわめて大事な問題であるわけです。したがって、大事な問題だから調査会に頼んだ。それを頼んでおきながら一方で進める、こういう問題について伺っておるわけです。
  42. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 政府といたしまして、臨調の皆さまにお願いいたしましたのは、行政の総括的な問題をお願いしておるわけでございます。特段に物価問題あるいは青少年問題をこれだけ特別に取り上げていただくということは、別にお願いしたことはないのでございます。しかし、たまたま時局の要請というものは、この問題について根本的解決をしなくちゃならない、急がなくちゃならないという態勢を察知されまして、臨調におきましてもこの問題を取り上げられ、同時に、政府といたしましても、この問題は臨調にお願いしてある問題ではあるけれども、しかし、反面において政府自体でもって自主的にやっぱり考えなくちゃならぬ問題であるということを考えまして、今回の手続になった次第でございます。したがいまして、臨調の案が出てまいりまして、必ずより以上りっぱな答申がなされると思いますので、その答申につきまして、十分にこれを尊重して善処してまいるつもりでございます。
  43. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 長官衆議院のほうにお約束があるそうで、なお途中ですけれども、それではきょうお伺いしたような問題で、さらに資料等の裏づけがあればさらに一そう明確になる。そういう意味資料がございましたら御提出方いただきたいということを要望申し上げて、時間は守らなければいかぬですから、きょうのところは、私の質問はこれで終わります。
  44. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 御注文の資料につきましては、なるべく早く取りそろえてお渡しいたしたいと思います。
  45. 千葉信

    ○千葉信君 ちょっと資料の要求があるので。  前回委員会で要求しました資料に対して、先ほどの伊藤委員の質問に対するお答えの中で、どうもその内容がはっきりしない点があったんですが、重ねてその点をお尋ねするわけですがね。何かさっき来月の中旬ごろにならなければできないから、まあそのころまでに出します。大臣はまたさらに重ねて、できるだけ急いで提出するようにいたしますという答弁でしたが、その内容というのは、きょう提案されているこの第八条に基づく機関等についての補足もしくは補強の内容のものですか。ちょっと具体的にその内容を言ってください。
  46. 石川準吉

    政府委員石川準吉君) 前回、三十六年度につきまして、御要求に基づいて差し上げました資料と大体同じ様式で各省に作成をお願いいたしたものでございます。かつ、いま千葉委員よりお話がございました地方にございます地方労働懇談会でございますか、そういう類のものにつきましてもあわせて各省にお願いしております。それと二、三のものは多少おくれるかもしれぬという見込みを申しておるところもございますが、大体前回程度の様式のものについては、中旬を目標にということで話し合いをしておるということでございます。
  47. 千葉信

    ○千葉信君 そうしますと、ここに出てきているこの機関についての、それぞれの機関に入っている委員等の名簿はこれから抜けておりますがね。それを補強する意味と、それからもう一つは、地方の機関等の関係については調査がおくれるからこの二つは行管のほうから出すということになっておるわけですね。そういうふうに了解していいですか。
  48. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 先般の資料要求の内容につきまして、私いま一々覚えておりませんが、速記を十分調べまして御要求の資料は全部そろえるつもりでございます。ただ、先ほど事務当局から中旬目標ということを申し上げておりましたが、私は、この法案の御審議関係もございまするから、なるべく急げということを厳命するつもりでおります。やむを得ず物理的にできない場合におきましては御了承をいただきたいと思います。
  49. 千葉信

    ○千葉信君 別に私が言ったことで本人が知っていますから、あらためて速記を調べてもらわなくても、そんな手間なことはしなくてもいいですが、私がここできょう出されたものを見てはっきり不便を感じていますから、もう一回この前要求したものを重ねてここではっきり言いますから、その点メモしてください。  第一は、行管のほうから出てきている資料というのは、第八条に基づいて波賀をされている審議会、協議会、調査会、この点はいいのですが、私は資料要求の際にはっきり申し上げたことは、この第八条に該当する機関にまぎらわしい機関で省令、政令、訓令等で設けられているもの、これは、きょうは全然出てきてないです。ですからこれらも政令、省令、訓令に関するものについて、至急委員の氏名等も含めて提出してもらいたい。それから特に要求してもこういうふうにちびりちびりとあとから補足しなければならぬのでは困りますので、その政令、省令、訓令の関係で、どれをはっきり出してもらいたいかということをこの際申し上げておきますが、一つは労働省関係では労働問題懇話会、これは中央と地方とを問わず出してもらいたい。それから同じく労働省関係では国際労働条約懇談会、それから労政懇談会、それから厚生省は原爆被害対策に関する調査研究連絡協議会、それから同じく厚生省関係で成人病予防対策協議会、中央保健所運営協議会、貿易調査会、公害防止調査会、それから総理関係では人つくり懇談会、国つくり懇談会、以上申し上げた機関は法律では設置をされておらない。政令か省令か訓令かのいずれかです。当委員会としては、最も国家行政組織法第八条に関する問題を含んだ機関ですから、精密に内容を調べて報告してもらいたい。特に問題の多いものですから名前のほかに、人名のほかに予算額、その予算額もはっきりこの懇談会等に要する経費として計上されているものでない場合であっても、民間人等を招いて、それに対する謝礼もしくは何らかの物品、物品の場合でもはっきり公務員法、給与法等によってそういうものは法律に基づかずには出してはならないという規定がありますから、したがって、その金は一体どこから出したか。機密費から出しているのならば、機密費から幾ら出しておるのかということを行管のほうで責任を持って調べて報告をしてもらいたい。この点については行政管理庁の責任であることは、行政管理庁設置法の第二条にも明らかなことですから、その点十分調査して出していただきたい。
  50. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) でき得る限り努力をいたしまして提出いたしたいと思います。
  51. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。――御発言もなければ、本日の質疑は、この程度にとどめます。     ―――――――――――――
  52. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に法務省設置法の一部を改正する法律案議題とし、提案理由説明を聴取いたします。賀屋法務大臣
  53. 賀屋興宣

    国務大臣賀屋興宣君) 提案理由の前に一言ちょっとごあいさつを申し上げたいと思います。私、本月の五日に足部を負傷いたしまして登院が不可能になりまして、ために委員会の御審議等につきましていろいろ御迷惑をかけておるのではないかと存じます。また、本日登院してまいりましてもまことにぶていさいな失礼な状態でございまして、答弁申し上げるのにも失礼なままで、お許しを願いたいわけで、まことに恐縮でございますが、何とぞ御寛恕賜わらんことをお願い申し上げておきます。  法務省設置法の一部を改正する法律案提案理由を申し上げます。  この法律案の改正点の第一は、法務省における定員規模の適正化をはかるため、法務省の職員の定員を改めようとする点であります。法務省におきましては、法務省設置法第十三条の十七において、その職員の定員が定められているのでありますが、今回の改正は、これを、法務本省について三百八十六人、うち検察庁については九十一人、公安調査庁について二百人計五百八十六人増加しようとするものでありまして、右の人員は、すべて法務省における業務の運営の適正化をはかるための新規増員であります。なお、これらの増員は、法務局及び地方法務局における登記事務の増加及び検察庁における交通関係事件の増加に対処し、少年院における教化活動の充実強化をはかり、公安調査局及び地方公安調査局における破壊的団体の規制に関する調査業務の充実をはかる等のため真に必要やむを得ないものであります。  改正点の第二は、矯正行政の円滑な運営をはかる等のため、名古屋刑務所及び福岡刑務所の位置を変更しようとする点であります。これら両刑務所の施設は、いずれも、その老朽の度がはなはだしく、かつ、著しく狭隘のため、つとにその改築、拡張を要望されていたのであります。しかしながら、両刑務所の所在地の周辺はすでに名古屋市及び福岡市のそれぞれ中心的市街地となっており、敷地の拡張は不可能であるのみならず、両刑務所が現在地にあることは、両都市の市街地に関する諸計画に重大な支障を来たすものと考えられますので、政府といたしましては、早急にこれら両刑務所の施設を他に新営すべく鋭意努力いたしました結果、名古屋刑務所につきましては、愛知県西加茂郡三好町にある同刑務所の三好農場の敷地の一部を同刑務所の敷地とし、福岡刑務所につきましては、関係各方面の協力により、福岡県粕屋郡宇美町に適当な敷地を入手し、いずれも昭和三十九年度内に刑務所を開設し得る運びとなりましたので、名古屋刑務所及び福岡刑務所の位置をそれぞれ変更しようとするものであります。  改正点の第三は、出入国管理行政を有効適切ならしめるため、八戸市、尼崎市及び坂出市に、それぞれ入国管理事務所の出張所を置こうとする点であります。八戸港、尼崎港及び坂出港における出入国者の数が逐次増加してまいりましたので、これらの港における出入国管理業務を一そう適切に行なう必要上、新たに右の三市にそれぞれ入国管理事務所の出張所を置こうとするものであります。  最後に、法務省設置法の別表の整理についてでありますが、市町村の廃置分合に伴い、法務局及び地方法務局の名称、位置及び管轄区域を定めている同法の別表三等について整理の必要が生じましたので、所要の整理を行なおうとするものであります。  以上が法務省設置法の一部を改正する法律案趣旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
  54. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十三分散会      ―――――・―――――