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政府委員(
井原敏之君) 本
委員会に本日お配り申し上げております「
臨時行政調査会の現況」でございますが、なお、先般の御指示がありましたので、もう少し詳しいものを作成中で、ございます。若干期限延長の言いわけと、経過的なことも含めまして、現状、大臣が申し上げましたのを補足する
意味で
事務的な御報告をしたいと思いますが、
調査会の姿勢は
設置法の第二条にありますごとく、「
行政の
国民に対する奉仕の
向上」という一語に尽きるわけでございますが、中でそれを砕きましてどういう姿勢でやっておりますかという問題でございますが、現況と一五ページに大項目として、七人の
委員が現在分担しております大項目を書いてございます。これより前に、先ほど申し上げますように、三つの専門部会と二つの特別班で特殊問題をやりまして、いずれもその専門部会の
段階の報告は全部完了しておるわけでございます。したがって、いま七人の
委員がこの十数項目にわたる部会報告を整理分担をいたしまして検討を進めておるということでございますが、特に問題にしておりますのは、第一は
行政の
総合調整という問題でございますが、これは要するに、現在の
行政機構は一府十二省に分担管理されておるわけでありますけれども、この各省というものと内閣との
関係で、もっと
行政の統一性の保持、もう
一つ申し上げますと、内閣の
行政確保に対するリーダーシップの確立と申しますか、そういう問題が非常に喫緊の
一つの大きな問題じゃなかろうか。
第二は、これが
総合調整、あるいは内閣の政策決定機能、
総合調整機能の強化としてとられておる問題でございます。その中身は、具体的には部会報告では閣僚の数の問題まで論及しておりますが、——むろんいまから報告いたしますことは、七人
委員会の結論は何
一つ出ておらない
段階で部会の姿勢を申し上げておるわけであります。閣僚の数の問題、
行政委員会としての内閣というものがあまり
国務大臣が多いということがリーダーシップを確立するゆえんかどうかというところまで、ちょっと手を広げた言及をしておりますが、それ以外には、現在
内閣官房外局を含めました
総理府全体のあり方、そういうもののこれを一口に申しますと内閣の補助機能だと思います、大蔵省の主計局も含めまして。そういう機能のあり方をこの際根本的に
考え直して、一府十二省に分かれて分担管理されておる
行政運営の統一の保持、
総合調整という問題をどう
考えていくか、これが第一点でございます。
第二点は、
行政事務の再配分ということでございまして、中身はいま非常に問題になっております中央集権が少し強いのじゃないか、特に中央
本省で現象的に見られる陳情
行政の問題、これはもう少し都道府県に中央の権限がおろされるのじゃないだろうか、で、
国民の
福祉に直結しており、その現地で解決することがよりよい
行政処理だというような再項は、もっと思い切って支分部局、特に都道府県
市町村に実施
事務をおろしたらどうだ——委任
事務ということになるだろうかと思いますけれども、中央
行政機関はあくまで中央らしい基本的な企画あるいは総合というようなことにもっと専念をして、一たんきまった方針の実施の
段階というものはもう少し出先におろしてやるべきじゃないか、そういう
考え方、これは
事務委譲の問題であります。それから盛んに言われます窓口の多元化で
国民が迷惑をする、いわゆる共管関連重複
行政をどういうふうに
合理化したらいいかという問題それから次には中央
行政機関のあり方ということで、いま、日本の各省には次官がおりまして、局、部、課というような普通ハイラルキーの体制と言っておりますが、そういう組織で仕事をしておるわけでございますけれども、中央
本省でいま
調査の最中でございますが、企画の
事務と事施の
事務というものが、もう少し分けられるのじゃないか、実施の
事務はしたがってもう少しおろせる、で、
本省は企画に専念すべきだ。内閣をはじめ各省の企画力というものをもっと拡充整備する必要がある、そういう観点で中央
行政機関のあり方という問題を検討しております。それから太田さんが分担しております機構の統廃合でございます。御承知のように、
行政機関の組織が
法律事項にほとんどなっておりますので、したがって、これの改廃には
法律の改廃が要るわけでありますが、
行政の組織が非常に固定化をする、しかも、
行政の需要というものは、時代とともにどんどん移っていくものでありますので、そういう流動進化していく
行政の
要望に対して機構が固定化しておりますことには、非常に問題が起こるわけであります。人間の配置
一つにいたしましても、拡充すべきもの、整理縮減すべきものというものがおのずと出てくるわけであります。現在にわかに
調査会は人員の整理ということはもとより目的としておりませんけれども、機構間の、あるいは
機関と
機関の間の人員配置等の不均衝というものは問題にしよう。まあ俗な言葉で申しますと、
行政にも成長株と斜陽株があるわけでありまして、成長株は大いに拡充すべきであるし、斜陽株は少し店じまいをすべきであるという感覚で問題の検討を進めております。これは、もう
一つには、
臨時行政調査会は、
行政の簡素化ということを大きく標擁しておりまして、
国民のための奉仕の
向上ということは、もう
一つ言葉をかえて申せば、
行政の簡素化ということになるのじゃないか。そういう観点から機構の統廃合を検討しております。
それから、盛んに新設されます
公社、公団、
事業団というようなもののあり方、これも
一つ。さらには
行政が広域化してきておるのでありますが、いま、府県が非常に狭いということがいわれるわけであります。一方には、府県の統合の問題も出ておりますけれども、数府県にわたって
処理を要するような
行政事務が現在でもたくさん出ておるのでありますが、そういう
行政処理の広域化に対してどう対処していくか。
それから、もう
一つは、
国民に密着しております許可、認可、届け出、報告、検査、検定というような、いわゆる
行政規制を思い切ってこの際
国民の便利ということを中心にいたしまして整理統廃合あるいは権限の下部委譲ということをやったほうがいい。
それから最後には、そういうことは権限や機構の問題として
行政改革の問題をとらえたわけでありますが、問題は、結局運用に当たる人間の問題になりますので、
公務員の人事管理あるいは能率
向上策ということをどういうふうに
考えていったらいいか。これは
行政改革を人間の側からとらえようとしておるわけでありますが、大体そういうことで、そういうことを最終的に
提案をすれば、
国民のための
行政という、
設置法の趣旨にこたえられるのではないかということで、ただいま七人
委員会で、以上申し上げました項目をそれぞれ分担いたしまして、最終
答申案にかかっておる現状でございます。