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1964-06-17 第46回国会 参議院 運輸委員会鉄道事故防止対策に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月十七日(水曜日)    午後一時三十三分開会     ————————————— 委員の異動 六月十二日  辞任        岡  三郎君 六月十六日  補欠選任      岡  三郎君     ————————————— 六月十六日運輸委員長において、左の 者を委員長に指名した。            岡  三郎君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     岡  三郎君    委員            谷口 慶吉君            天坊 裕彦君            浅井  亨君   担当委員外委員            相澤 重明君            小酒井義男君   事務局側    常任委員会専門    員       吉田善次郎君   説明員    運輸省鉄道監督    局国有鉄道部長 深草 克巳君    運輸省鉄道監督    局民有鉄道部長 岡田 良一君    日本国有鉄道常    務理事     川上 寿一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○鉄道事故防止対策に関する件(新  潟地震による鉄道被害に関する  件)     —————————————
  2. 岡三郎

    委員長岡三郎君) それでは、ただいまから、鉄道事故防止対策に関する小委員会を開会いたします。  前回に引き続き、国鉄事故防止対策について調査を行ないます。  まず、昨十六日に発生いたしました新潟地震による鉄道被害状況について報告を求めます。初めに運輸省深草国鉄部長
  3. 深草克巳

    説明員深草克巳君) お手元に「昭和三十九年六月十六日に発生した新潟地震による国鉄被害状況」という冊子でございますが、これに基づきまして概略を御説明申し上げます。  1は地震の規模でございまして、関係します各地の震度並びに地名が書いてございますから、詳細な説明は省略さしていただきます。  それから、(2)でございますが、津波状況、象潟二メートルないし三メートル、直江津が六十七センチ、輪島が一メートル二十センチ、深浦は四十四センチ、新潟が一メートルというような状況で、これは十四時三十分現在の津波状況でございます。  それから、国鉄被害状況でございますが——この前に、これは金額は書いてございませんが、概略損害額でございますが、まだ詳細はわかりませんので正確には申し上げかねますが、百億ないし百十億程度の被害があったものと現在のところ推定をいたしております。  次に、この線路関係でございますが、運転に支障を及ぼしました被害は、一支社——これは新潟支社でございますが、それと四管理局、十八線区に及びまして、本日の八時現在の不通線区は、羽越信越磐越西線の一部及び越後、白新、赤谷、会津米坂各線となっております。これは後ほど表で御説明申し上げます。  それから、表の1でございますが、これは被害の起こりました区間被害状況並びに開通日時、それから開通見込み、これがずっと書いてございますが、これも後ほど表で説明させていただきます。  それから、電気関係でございますが、変電設備電車線路、電力、信号及び通信設備被害は、新潟地区を主として、秋田会津地区に及んでおりますが、線路復旧に並行いたしまして現在復旧作業を続けておるわけでございます。  被害状況調べが表の2に書いてございます。  それから、表の二枚目でございますが、構造物被害状況が表の3として載っておるわけでございます。  次に、九ページの列車運転状況でございますが、災害発生の直後・直ちに震災区域の全列車を一たん停止させるとともに、関係施設を調査した後、異状のない区間から列車運転を開始いたしました。今回の地震で、幸いに列車の乗客の被害は皆無でございます。これは運転当直指令のほうが、地震のあったにもかかわらず、職場を離れないで、全列車運行停止、つまり信号を赤にする指令を発しまして、また各乗務員列車をとめる場所の選定につきまして、特にトンネル区間とかあるいは土砂くずれのありそうな区間、こういったものを避けまして、機宜の措置を講じた結果でございまして、とにかく震災がありまして直ちに列車をとめたということが結果的に非常によかったというふうに思います。  特に、新潟支社及び秋田局管内の日本海の海岸沿い線路、それが一番地震のひどかったところでございます。この附近におもに不通区間が続出いたしまして、羽越上越信越各線において、十七日の六時までに運転を休止した列車は、旅客が二百四十五本——それは特急急行四十四本が含まれております。貨物が百九十四本、計四百三十九本の運転休止をいたした次第でございます。  それから、遅延状況としましては、下り特急「つばさ」がよその線を経由しまして三時間二十分おくれたのが最高に、一時間以上の遅延をいたしております。  それから、旅客抑留給食でございますが、奥羽線で四〇一列車及び四一三列車が大幅に遅延を生じましたため、新庄駅で二百八十名に晩御飯を供したということになっております。  裏縦貫録関係でございますが、急行の五〇一、五〇二列車がいずれも秋田打ち切りとなりまして、五百二十名に夕食を供した。それから酒田方面行きの旅客二名を駅長室宿泊させました。それから特急の二〇〇二Dを長岡駅にとめまして、旅客三百九十三名を市内旅館宿泊をさせたわけで、これはいずれも国有鉄道手配による宿泊でございます。それから五〇三Dを坂町駅でとめまして、旅客の三百十八名は大部分車中泊、一部は旅館宿泊をいたしました。それから急行五〇四D、これは鼠ケ関駅にとめまして、旅客三百名の大部分車中泊をし、一部を旅館にとめたわけでございます。  磐越西線でございますが、急行二四 ○四Dほか普通列車を咲花または日出谷にとめまして、四百四十名を旅館または民家に宿泊をさせた。  信越線でございますが、新津駅が、乗り継ぎ客二百名、これは駅前旅館または小学校に泊めたわけでございます。また東三条駅、団体客が四百六十名車中泊、たき出しを実施をいたしました。  本日の朝の八時までにわかった現況はこういったことでございまして、最後に表が二つついてございます。一枚目の表は、昨日の十三時二分に発生した直後の被害状況でございまして、カケじるししてあるところは不通個所でございます。次の表がけさの八時現在でございまして、大部分復旧はいたしましたけれども、二枚目の表でギザギザが書いてあるところが現在不通でございます。このギザギザが書いてあるところ全部が全部こわれているわけじゃございませんが、部分的に所々方々こわれておりますので、全体として列車が通せないというところがこういったところでございます。  幹線で、一番大事な上越信越でございますが、これは幸いにも信越本線の宮内−新津間が被害がございませんで、現在新津から新潟のほうに曲がりまして、亀田というところまで列車が行っております。したがって、東京方面からのお客並びに貨物、これは新津亀田まで行きますので、新津新潟間はバスが非常にひんぱんに行っておりますし、また道路も何とか行けるということで、バス運行を現在行なっておりますので、東京から新潟市内まで現在は行けるということになっております。その他の支線区は、まだ現在復旧時期がいつごろになるかということは検討の段階でございます。幹線として一番問題はやはり羽越線でございまして、先ほども申しました、新発田から羽前水沢の間、それからずっと北のほうに行きまして、秋田手前羽後本荘というのですか、ここが非常な被害をこうむっておりますので、羽越本線全体の輸送というのが相当問題になろうかと存じます。  以上、非常に簡単でございましたが、説明を終わらしていただきますが、こまかいこと、あるいは応援体制その他につきましては、川上常務理事から説明をしていただきます。
  4. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 次に川上常務理事
  5. 川上寿一

    説明員川上寿一君) 被害状況の概要は、ただいま運輸省のほうから御説明をいただきましたので、前のほうを省略いたしまして、九ページの列車運転状況から多少つけ加えて御説明を申し上げたいと思います。運転状況の初めのほうの、運休をいたしましたり迂回をいたしましたりしたものはこのとおりでございますが、旅客抑留給食状況のうちで、奥羽線の四〇一列車は、新庄駅で給食をいたしまして、だいぶんおくれましたが、無事に秋田まで着いております。  それから、一〇ページにまいりまして、急行の五〇一、五〇二、これは全部秋田打ち切りとしておりますが、これもその後線路がそれぞれ開通をいたしておりますので、それぞれ迂回をして旅行を進めております。それから特急の二〇〇二D「白鳥」でございますが、これは長岡駅にとめまして、けさこの列車大阪方面に折り返しをいたしましたので、それに乗ってもとのところへお帰りになった方、あるいは新潟方面には、先ほど御説明のように、亀田まで列車が行っておりますので、そちらへ行かれまして、これもそれぞれはけております。それで、この五〇三Dの「しらゆき」でございますが、最後の長い図面でごらんになりますように、米坂線羽越本線が交差するところが坂町でございますが、いずれもギザギザがついておりまして検討中となっておりますので、これは現在の見込みでは約一週間以上開通にかかる予定でございますので、坂町抑留しました列車旅客三百十八名をどういうふうにしてここから出ていただくかということは、きょう午前中協議しておりますが、まだ私の手元報告がまいっておりませんので、あるいは船で新潟方面に出るということも検討しております。それから急行の五〇四Dの上りの「しらゆき」でございますが、これは鼠ケ関と申しまして、坂町とこのちょうど検討中と書いてございます羽前水沢のほうへ行ったところでございまして、新潟県と秋田間の境になりますが、これは陸羽西線開通をいたしましたので、こちら回り旅行を継続していただく予定でございます。  それから磐越西線は、日出谷に抑止しました列車については、ここに「同線開通後(一〜二日を要す)」といいますのは、これは実は昨晩状況で見ましたので、きょうの夕方までに磐越西線復旧をいたしますので、これで仙台方面会津方面に出ていただくことになったわけでございます。  それから、同じくこの最後図面を見ていただきますと、上越線につきましては、信越線とともに、新津を経由しまして亀田までは昨晩じゅう開通をいたしましたが、まだここにございますように八線区残っておりまして、越後線につきましては十八日——明日の夕方までに開通予定でございます。  それから、越後線新潟付近までも同様に開通見込みでございますが、新潟構内中心といたしまして、沼垂、上沼垂付近までが非常に線路変状しておりますし、新潟構内のプラットホームが波状に屈曲をしておりましたり、給水柱が倒れたりしておりますので、きょうじゅうには復旧見込みを立てる予定でございますが、現在のところまだ検討中でございます。  それから、新潟新発田を結びます白新線につきましては、新潟構内のすぐそばまでが明日のお昼までに復旧する予定でございます。  それから、新発田から南にちょっと出ております赤谷線でございますが、これはきょうの昼までに復旧予定でございますが、まだ復旧したという報告がまいっておりません。  それから、新津から津川までの磐越西線は五カ所ばかりの不通個所がございますが、これはきょうの夕方までに予定どおり復旧予定でございます。  問題は、この坂町から米沢のほうへ参っております米坂線と、それから坂町から羽前水沢までの羽越線、それから羽後本荘のちょっと手前部分でございまして、そのうちで、北のほうから申し上げますと、羽後本荘のちょっと手前は、十メートルの高さの築堤が二百メートルにわたって陥没をいたしておりまして、一万五千立米の土砂を要しますので、すでに復旧にかかっておりまして、現在の予定では二十二日じゅうにここは開通する見込みでございますが、坂町羽前水沢の間は非常に場所の悪いところでございまして、トンネルを出るとすぐ橋梁があって、またすぐトンネルに入るというようなことで、トンネルの入り口の変状がございましたり、あるいは、わりあいに小さい川ではございますが、数カ所の川の橋台が陥没しておりましたり、あるいは橋脚が沈下をしておりましたりして、専門家判定をいたしませんと列車が通れるか通れないかわからないということと、もう一つは、この間の通信線復旧が、全部裸線でございますので、復旧がおくれておりまして、情報が十分にとれないというので、きょう一ぱいかかりませんと復旧見込みはほんとうは立たないのでございますが、現地の局では一週間ないし十日じゅうには何とかしたいということを申しております。  そういった状態で、現在は、新潟中心に、物資を早く新潟市内まで入れるということを中心にいたしまして、昨日島崎の鉄道管理局からトラック二台で応援に参りまして、本日高崎と東京鉄道局から線路、電気両方合わせまして三百四、五十名のものが応援に参りましたので、これがきょうの午後現地に到着しまして、相当に復旧の進むものと思っておりますが、羽越線につきましては、きょうじゅうに専門家判定をいたしまして、それによって復旧手配をいたしますので、今晩か明日に応援手配を出すことになると思います。  それから、すでに復旧を大部分いたしておりますが、奥羽線、それから秋田管内の一部につきましては、仙台から一部応援を得まして、大体昨晩じゅう復旧をした次第でございます。  こういうわけで、上越線信越線につきましては、新潟行きの特急を除きまして、大体平常どおり運転新津までやっております。  それから、裏日本縦断の「白鳥」でございますが、これは大阪方面からは直江津打ち切りにいたしまして、上野に参りますものは平常どおり運転しますが、直江津以北は「白鳥」は運転を打ち切っておりますのと、その他の裏日本回り急行が全部運転を休止しております。一部のものは特急で青森から秋田までというような非常に短い区間運転をいたしておりますが、そういうことになっております。  それから、陸羽西線がきょうから開通しておりますので、上野から酒田へ参ります急行運転をいたしております。  それから、新津新潟間でございますが、新津新潟間は、現在長距離の列車をこの間に入れますと、あと引っ返しが非常に困難になりますので、新津で乗りかえていただきまして亀田まで、それからきょうの昼過ぎからもう一駅延ばしまして越後石山までディゼルカーの往復運転をやっておりますので、これで新潟中心まで約四キロという地点まで行くわけでございますが、そこから先は道路によりまして、きょうの夕方からは国鉄バスをこちらに応援に回しましたので、それで連絡をとる予定でございます。  それから、一つ抜かしましたが、いまの図面の一番下のほうにございます会津線でございますが、これも終点の只見のすぐそば線路変状が非常に大きいので、これもきょうじゅうに現地をもう少し調べまして復旧見込みを立てますが、この地図では検討中ということになっております。  なお、本省からも御説明がございましたように、今回のこの地震につきましては、旅客に死傷が出ませんでしたことが不幸中の幸いであると言って一同喜んでおりますし、現地復旧状態も、だいぶ罹災者もございますが、全員元気で復旧に精励しておりますし、応援体制も整いましたので、今明日中にはいずれも復旧見込みがもう少しはっきりすると思います。  以上でございます。
  6. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 次に、私鉄関係について、運輸省岡田民鉄部長から事情聴取をいたします。
  7. 岡田良一

    説明員岡田良一君) 私鉄関係被害を申し上げます。  資料は、こういう横に長い三枚刷りのものを配付してございますが、その二枚目を見ていただきますと、地図がありますが、これで御説明をいたします。  一番ひどいのは、この二枚目地図にあります新潟交通でございます。これは新潟の県庁前から燕まで、軌道、鉄道両方ございますが、そのうち平島と越後大野の間が最も被害が甚大でございます。それから、白根にあります変電所が傾斜して送電不能、そのために全線開通見込みが不明でございます。  それから次に、その次のページに庄内交通というのが左のほうにございますが、この鶴岡から湯野浜温泉まで行っております路線のうち、北大山から湯野浜温泉に至る五・八キロの部分が、道床陥没のために不通になっております。これも開通時期は不明でございます。  その次に、越後交通、右のほうにございますが、この大河津寺泊間不通七・九キロにつきまてしは、けさほどから開通をいたしました。したがいまして、現在不通になっておりますのは、新潟交通全線と、庄内交通北大山湯野浜区間でございます。なお、地震の直後におきましては相当不通個所もたくさんございましたが、逐次回復いたしまして、現在ではその二カ所になっております。
  8. 岡三郎

    委員長岡三郎君) 質疑は次回に譲ることといたし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時散会