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本多説明員 その問題は、私
ども一番大きい問題として考えておるわけです。結局、いま
刑事局長が言われたように、みんなが何にも出さないということになればけっこうですが、
実情からいうとなかなかそこまでいくことはむずかしい。一面においては、要するに恐喝とか
犯罪行為によるもの、これは結局先ほ
どもお話ししましたように、
被害者が私
どものほうにそういう
被害を出していただければいけるわけです。これは結局
警察というものに対する全面的な信頼が打ち立てられてくれば、だんだんにそういう
傾向は出てくると思う。しかし、彼らの
資金源というものは、必ずしもそういった表面的にはっきりした
犯罪行為にならないものが相当あるわけです。これらの問題はまた
警察の
取り締まりだけではいかんともなしがたい。結局私
どもが現在考えておりますことは、これはこの前
一つの例があるのです。
警視庁管内で城北
地方の
暴力団を根こそぎ
検挙したわけです。その場合に彼らの数億の財産があるわけです。その
資金源が結局パチンコその他いわゆる上納金、こういったものがどんどん入ってくるということがはっきりわかってきた。これらに対しては全部脱税をしておるという面から、結局国税庁と話し合いをして、もっと税をかけるということも手じゃないかということで、現在国税局の方にも検討していただいておるわけですが、私
どもが見ておりますと、先ほど来話がありますように、特に親分といわれる者はふところ手して常に金が入ってくる、こういう
状況です。これが彼らの結局地位を維持する唯一の根源です。これをはっきりたたかない限りは、幾ら人間をつかまえてもどうにもならぬ。結局親分株をつかまえるということは、それによって非常に精神的な打撃を与えるわけです。また彼らが結局つまらぬやつらであるということが、一般の者にもはっきりするというような点における価値が非常にあるし、またそれ
自体、悪い者をつかまえるということはけっこうな話ですが、それだけでは
暴力団の
組織というものは破壊することはできない。やはり
組織の根源は金である。金がなくなればあんなものは雲散霧消してしまうということで、何とか吸い上げるということは、
警察の
取り締まり以外にやはりそういった手を強力に打っていかなければならぬということは、私考えております。
いま、現在の
法律的な制度のもとにおいて許されることは、いま言ったような手があるわけですけれ
ども、これは将来の問題としてはもっと根本的に、たとえば恐喝した金を数千万持っていることはわかっても、これはいかんともなしがたいという問題があるわけですね。こういった矛盾というものは、私
どもはもっと検討しなければならぬのじゃないかという感じを持っておるわけです。そういった面が徐々に改善されていけば、相当成果というものはあがってくるんじゃないかというふうに考えます。