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卜部委員 最後に大臣が自分で結論を出されておりますように、いま聞いておる内容の中では、率直に申し上げて、それほど政治の貧困を暴露した
発言はないと思うのです。しかし、そのことについて論議をいたしませんが、少なくともいまの日本の
労働者の置かれておる立場、ほんとうに
賃金が安い、生活も満足にできない、このことはよくわかっていただきたいと思うのです。それと同時に、今度の
公労協のこの
賃上げ闘争が、いま新聞なりさらに
政府が法を守れとか何とか盛んに言っておりますが、法を守る前に
政府がやるべきことがたくさんある。このことは十分御認識の上で、
大蔵大臣はたいへん実力者ですから、今度の
春闘の場合にもその面から収拾をするように、少なくともスト回避に向かっての
努力をしてもらいたい、こういうように思います。
そこでひとつ、私はいまは国外の問題を話しましたが、国内の問題について、この
公労協の
要求の問題ですが、いま
専売の
総裁といろいろと討論というよりも、
質問をしておりますけれ
ども、食い違いがかなりあります。これは
中労委のいわゆる
基準内
モデル賃金の表でございますが、年齢十八歳で、
公労協の場合は一万二千九百三十円、
民間の場合は二万四千五百五十二円。ところが三十五歳になってまいりますと、勤続十八年で、三万七百三十八円というのが
公労協で、
民間は三万七千百十三円、ここで六千三百円の差が出ます。四十歳になりますと、これが三万六千八百九円、
民間が四万四千三百四十三円であります。これは中学卒業で、
高校卒業は五万七千八百五十四円、こういう姿になりまして、少ない
数字のほうは二万一千円というふうに差がある。こういうふうに
中労委で調べたんです。このように
民間と
公労協とには差があるのです。その点についていままでの論議の中でも出てきますが、
堀委員の
指摘にもありますように、
大蔵省はともかく定昇以外は認めないとか、さらには
予算総則の中でぎゅっと締めるという中で、団体交渉自体が何ら
一つの結論を見出さないというかっこうが出てまいっております。こういう
状態の中で
大蔵大臣の
発言ないし態度というものは非常に重要だと思うのですが、そのような
状態の
公労協の
賃上げを私は決して無理でない、こういうふうに考えますが、大臣はいかに考えられますか。