○
福田(一)
国務大臣 私は実は押し切られたとは思っておらないのでございまして、なぜ押し切られたと思っておらないかというと、実は予算折衝のときにも大蔵
大臣や大蔵省の連中
——連中と言ったらおこられるかもしれぬが、次官以下たくさんおられて、党の三役もおられまして、その席でいま言ったようなことを私は実際に申し上げておる。今度御案内のように大体三公庫、商工中金が二四%増、それから
国民金融公庫あるいは
中小企業金融公庫が二一%増にいたしたわけでございますが、それでは足りないということであればそれはよくわかる。その点はわかりますが、しかし、これを四〇%にしたからそれじゃいま資金ワクがどれだけ全体として
中小企業向けにふえるかということになると、九%のうちそれだけふえたということでは、全体にしてみればたいしたことにならない。そこで、私はむしろ問題は、一般市中
銀行がどれだけ
中小企業金融に力を入れてくれるかということがいまの場合においてはこの問題の焦点になる。これを特に
考えなければいけないということをだめ押しをして、そうして
平均の一四、五%というところであるけれども、それを二一%から二四%にしたということで、まあまあ私はこの程度で
——これは何でも多いに越したことはありませんよ。多いに越したことはないが、まあこの程度でやむを得ない、こういうつもりで私は実は予算折衝に当たって妥結をしたわけであります。そこの点が違っておる。倍にしてみたって一八%になるかならないか。そうでしょう。倍額にしてみたところで、二〇%増とか何とかいっても、ともかく
中小企業金融に向けておる資金というものは、一般市中
銀行が九〇%で片方が一〇%足らずなんですから、それを倍にしても二〇%になるだけですから、それはしたほうがよいにきまっておりますけれども、しかし、そういうことは、今度またこの財投の
関係その他を見てみると困難です。そういうことであるから私はあそこで話を
自分の責任でやった。まあやむを得ないと思ったわけです。決して押し切られたというわけではありません。ですから、いまあなたは七分五厘とか七分三厘、金利が高くなるじゃないか、こうおっしゃるけれども、私はこれも
考え方だと思う。市中
銀行にまかしておったら、必ずその金が
中小企業に行くとは限らない。ところが、
中小企業金融公庫に集めてしまえば、これは
中小企業に行くことだけは間違いない。だから私はそういうくふう、どういうふうにして商工中金と競合しないで金を集められるかという問題を今後
研究はいたしたいとは思いますけれども、いまの
中小企業は、実を言うと、金利が高いとか高くないよりも、金が借りられないで困っている。その金が借りられる多くの
部分はやはり市中
金融にたよっておるということになるのだから、市中
金融でない三公庫のほうに金を集めるについてうまいくふうがあれば、私はそれは
一つの方法である。それは、ものによっては安い金利のものもあるし、その次の
金融については市中一般並みの金利だというものがあっても、私は何もやり方
——これは私の専門じゃありませんから、これは私見としてお
考え願いたいのだが、金利に差があるのができたって、何もたいした間違いではない。むしろそれよりは、
中小企業金融ということから言えば、量をふやすことが問題ではないかということを実は
考えておるわけであります。