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中川政府委員 ただいま
松本先生からお尋ねの点でございますが、第一
議定書、第二
議定書と
二つ議定書がございまして、この
二つがいわば合わさりまして、
イギリスに対する、
日本品が
イギリスの
市場を撹乱するようなことはしないということの
保障になっておるわけでございます。第一
議定書というのは、いざという万一の場合のことを書いてあるわけであります。これはいつも発動しているわけではないのでございまして、むしろ、現在の面で申せば、現在発動している分は第二
議定書の方でございます。これが結局、今
イギリスで対
日差別待遇ということで
日本品だけをほかの国の
輸入品と区別いたしまして
量的制限をしております。百八十
品目ほどあるわけでございますが、これをぎりぎりにしぼりまして、十分の一の十八
品目にしぼって、これだけは少なくとも
一定期間だけ、
一定期間というのはもちろんできるだけ少ない
期間に
撤回さしたいということでございますが、あるいは一九六四年の終わりまでに
撤回する、あるいは六六年の終わりに
撤回する、あるものは、一番おそいのでも六七年の終わりに
撤回する、こういうふうにしぼりまして十八
品目だけは暫定的に
日本品に対する
制限を認めておこうというのが第二
議定書でございます。従って、これはまあ三、四年すればなくなってしまうことにちゃんとそのスケジュールがきまっておるわけでございます。
それから、その裏にある、いわば万一の場合の
保障というのが第一
議定書でございまして、これは、結局、
日本からの
品物が非常に急激に
イギリス市場にはんらんしたというような場合には、
イギリス側から
日本に
善後措置について
相談をする。
相談した結果、双方が合意する
善後措置があればそれで実施するわけでございますが、それが三十日たっても解決をしないというような場合には、やむを得ない
措置として
イギリス側で一方
的措置を暫定的にとることができる。しかし、とった場合においてもなお
協議を続けるわけでございます。それから、万一非常に急迫したような場合には、三十日の
期間がたたない間でも
イギリス側が一方的な
規制措置をとることができる。しかし、
日本は
イギリスの
規制措置をするのを一方的に見ておるわけじゃないのでございまして、
相談ができる。その
イギリスの
規制措置によって
日本の
利益を害されたと思えば、実質的に同等である限度での
イギリスの
品物が
日本に入るものについて
対抗措置をとることができるわけでございます。結局、
イギリスがその
対抗措置をとる際に、
日本がそれに身がわる何か
代償を
イギリスから得て満足するということもあるわけでございます。その
代償について話が合わない場合は、
日本が
イギリス品に対して
対抗措置をとるということもできるわけであります。そういうことで、
イギリスが
対抗措置をとる道があるわけでございますが、しかし、原因がなくなったというような場合には、
対抗措置はすぐにやめなければいけないということになっておるのでございます。これはまさしく万一の場合の
規定でございまして、おそらくこれは発動されることはないだろうというのが、
条約をつくりました際の
日英面当局間の印象でございます。これがあるから安心して
貿易ができる、しかし、これはおそらく発動しないで済むのじゃないかという
考えでございます。
なお、この
議定書は、第一
議定書も第二
議定書も
条約と同じ有効期限でございます。
条約は六年の期限でございまして、六年たった
あとはいつでもこの廃棄ができることになるわけでございます。従って、その
保障措置の方も
条約と同じ六年の期限付である。なお、六年以内でも、その必要がなくなったような際には、
協議によってこの
議定書の方はやめることができる。こういう
仕組みになっております。