運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-12-07 第41回国会 衆議院 運輸委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年十二月七日(金曜日)    午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 木村 俊夫君    理事 佐々木義武君 理事 鈴木 仙八君    理事 高橋清一郎君 理事 細田 吉藏君    理事 山田 彌一君 理事 井岡 大治君    理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君       有田 喜一君    有馬 英治君       尾関 義一君    川野 芳滿君       壽原 正一君    砂原  格君       關谷 勝利君    中馬 辰猪君       福家 俊一君    増田甲子七君       石村 英雄君    加藤 勘十君       島上善五郎君    矢尾喜三郎君       内海  清君  委員以外の出席者         総理府事務官         (経済企画総合         計画局長)   向坂 正男君         通商産業事務官         (鉱山局石油課         長)      成田 寿治君         運輸政務次官  大石 武一君         運輸事務官         (大臣官房長) 広瀬 真一君         運輸事務官         (海運局次長) 亀山 信郎君         運輸事務官         (船員局長)  若狭 得治君         海上保安官         (警備救難監) 松野 清秀君         海上保安官         (警備救難部         長)      樋野 忠樹君         専  門  員 小西 真一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  海上保安に関する件(川崎港におけるタンカー  衝突事故に関する問題)陸運に関する件(自動  車行政に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 木村俊夫

    木村委員長 これより会議を開きます。  海上保安に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。久保三郎
  3. 久保三郎

    久保委員 先日の京浜運河におけるタンカー衝突事件について、引き続いてお尋ねをするわけでありますが、当委員会決定に基づきまして、去る三十日、実は現場を視察して参りました。その現場を視察して参りましたことを土台にして、二、三お伺いしたいのであります。  一つには、視察の結果として、京浜運河そのものが非常に狭いということであります。これは前回説明がございましたが、参ってみた実感として、非常に狭い。現在の大型船の通過、しかも行きかいさせるためには非常に狭い水路になっているということが一つ。それからもう一つは、航行安全を確保するための現場機関としては、海上保安署というか、そういうところの人間装備が劣悪だということ、一つの例をとりますれば、あそこには入口と中間にそれぞれ信号所がございますが、そこの見張り指示をするところの要員必要最小限度要員を満たしていないということ、これではなるほどきめのこまかい航行安全の指示は不可能であろう。従来信号所をつくるとかいうようなことについては、必ずしも消極的ではないようであります。しかしながら、これに必要なところの人員の配置については、残念ながら現有勢力の中で始末をしろ、こういうことだそうであります。なるほど一般中央官庁のように、一カ所に集中してそれぞれの業務をやっておる場合には、ある程度業務機構合理化というか、そういうものによって何がしかの人間を生み出すことはまた可能かもしれぬ。しかしながら、海上保安の出先の実態からすれば、御承知のように灯台もある、あるいは信号所もある、こういうところはそれぞれ近接した場所にはないのであります。いずれも隔絶した遠隔の地にある。でありますから、この人間のやりくりというようなものは当然不可能であります。今日鶴見あるいは川崎というか、あの信号所実態を見ましても、夜間においては一人の見張りで、しかも休養も十分とれないような勤務体制であって、これでは残念ながら現在あるところの信号所機能を十分果たせないのではなかろうかというのが一つであります。  さらにもう一つは、消防艇でありますが、先般の委員会でも申し上げたのでありますが、現在海上保安庁に配属されている消防専門舟艇は七隻だそうであります。そのうちの一隻を先般現場で見て参りましたが、これは木造で、しかも最高速度が五ノットくらいだそうであります。そうしますと、先般のような海上火災というか、そういうものに立ち向かうには、残念ながら不可能に近いだろうと思うのです。しかも科学的な消防でありますが、われわれは別な地点で航空関係化学消防車を見た。これよりはるかに劣っている。そういうことを見ますと、この消防艇自体も今の時代には合わぬ。ところが今までの装備整備計画というか、そういうようなものを聞いていても、残念ながらこれを増強するようにはいかない、単に代替建造くらいでやっていくほかはない、ふえても舟艇の一隻かそこらということでありますと、今の海運というか、港湾航行というか、安全保持というか、そういうものの態勢には合わないというふうに見ているわけです。先般は運輸大臣お尋ねはしたわけでありますが、この点についてはまだお尋ねしてありません。ついては、来年度予算要求の今日の段階であり、編成の時期でありますが、今までのいわゆる海上保安庁関係人間装備改良促進についていかなる熱意と計画をお持ちであるか。なるほど内部的には整備五カ年計画というようなものもあるようでありますが、これをもってしては、残念ながら今の態勢には合わない。少なくともさらにこれを早めるか、あるいは増強計画を拡大するということでなくてはならぬと思うのでありますが、政務次官はこれについてどういうふうにお考えで、どういうふうに進められておりますか。
  4. 大石武一

    大石説明員 お答え申し上げます。  久保委員がわざわざ現地を御視察賜わり、われわれの行政の足りない点を御検討いただきまして、その御勧告を賜わりますことは、まことにありがたいことであります。その御勧告に十分こたえるように努力いたす所存でございます。  御承知のように、日本の国のすべての行政は非常におくれております。ことに交通問題につきましては、陸上海上にしましても、車の通る道、あるいは船の通る道というものは、それに関連するいろいろな産業と比べてきわめておくれておるのが現状でございます。これはまことに申しわけない次第でございますが、このような行政のおくれを何とかして一日も早く取り戻すということが、今後役所としての一番大事な問題ではなかろうかと考えておる次第でございます。  で、この京浜運河につきましても、事故が起こらなければ、おそらくあのような混雑した状態であったかもしれませんし、事故が起こってから大騒ぎするのは、はなはだ手おくれのようでございますが、今後のことも考えまして、久保委員の御指摘になるような点を改正しまして、何とか安全な航行ができるようにいたしたいと思う次第でございます。ただ問題は、あの京浜運河収容力と申しますか、機能に比べまして、それに関連するいろいろな産業設備が過大であるということに大きな問題があると思うのでございます。これは明らかに今までの行政上の指導の失敗かと思います。あのような埋め立てをし、あのような産業の基盤をつくり、いろいろな産業が盛んになるということに比べまして、京浜運河包容力がはたして比例するかどうかということの無計画性が取り上げられると思うのでございますが、でき上がったことは仕方がございません。これからはできるだけこれに対応するような措置をとっていかなければならぬと思うのでございます。  これにつきましては、御承知のように、あの運河袋小路でございますが、これを何とかして袋小路でないように、自由に通り抜けができるようにすることが一つの大きな問題でございます。これにつきましては、今までいろいろ予算をつけておりますが、来年の大体二月一ぱいにはあの運河と防波堤ができ上がりまして、袋小路ではなくなって、自由に通り抜けることができるようになる予定であります。そうなりますと、今までより以上に交通緩和ができるように思う次第でございます。  なお、それ以外のいろいろの、たとえば消防艇巡視艇の問題あるいは人員問題、その他につきましては一応当面のこの運河が開通するまでの問題として応急対策考えている次第でございますが、その詳しいことにつきましては、一つ関係局長からお答えすることをお許し願いたいと思います。
  5. 松野清秀

    松野説明員 私どもは今回の事件が発生して以来、海上保安庁としての方策、主として京浜運河につきましては、一体現在行なわれておる航行管制あるいは航行規制で十分であるかどうか、むしろこれを強化する必要があるのではないか、こう考えまして、その後そういう点について積極的に検討を重ねて参っている次第でございますが、では具体的にどういうようなことを考えているかと申しますと、現在の制度、つまり規則等改正を要しないでできる事項としては、御承知のように、さしあたっては、事件発生以来巡視艇一、二隻を京浜運河に常備しまして、航法指導とかあるいは関係法令違反の取り締まりというようなことについて強化をいたしている次第でございます。  そのほかに、これは現在まだ決定はいたしておりませんが、考えておりますことは、従来京浜運河鶴見側入口におきましては、鶴見航路を設定いたしまして、この鶴見航路につきまして、従来は総トン数二万五千トン以上の船舶がそこを通過します場合には、他のすべての船舶航行を禁止するということをいたして参っておりますが、この二万五千トンをさらに一万五千トン程度に下げまして、つまり航行管制を強化いたしまして、そこでの事故防止をはかりたい、かように考えております。  もう一つは、遊漁船とかあるいはレジャー・ボート等が相当多いわけでございますが、こういうものにつきましては、横浜港のある一定の区域については船の航行を禁止するというようなことも検討いたしております。  もう一つは、陸上におきましても、ラッシュアワーがありますが、京浜運河におきましても同様に、特に朝の七時から九時ごろまでは非常に混雑するという状況にありますので、陸上における時差出勤と同じように、できれば日出から九時ごろまでの間におきましては、大型船航行をある程度規制したらどうかというようなことも考えておる次第でございます。  なお、その他におきましては、こまかいことでございますが、あそこの京浜運河の必要な個所にたとえば航行指導に関する立看板をかけるとか、あるいはこれは従来もやっておりますが、一般航法を守るようなムードを高めますために、海難防止に関する講習会を開くとか、あるいは直接船へ参りまして指導するとかいうようなことも強化して参りたいと考えております。また、石油工業地帯におきましては、どうしても消防体制を強化する必要がございますので、海上保安庁消防艇につきましては、先ほど先生がおっしゃいましたように、木造船でもありますし、十分ではないと思いますが、確かに現在海上保安庁の持っております整備五カ年計画におきましても、消防艇増強というようなものは含んでおりませんが、将来こういう点につきましても検討して参る所存でございます。なお、やはり工業地帯におきましては、私ども消防能力増強ということばかりでなしに、他の港湾関係者に対しましても、たとえば化学消火剤の常備とか、あるいは消火施設設置等整備していただきまして、火災が発生したときに適切な措置がすぐとれるように要望して参りたい、かように考えております。また、御承知のように、臨港工業地帯におきましては、煤煙が非常に多うございまして、視界が非常に悪いというようなこともございますので、そういった臨海工業等につきましては、極力煤煙を出さないようにしていただくように、これも関係者に対しまして要望していきたい、かように考えております。  大体、現在の規則のもとにおいてできることは以上のようなことではないかと考えておりますが、なお、規則改正をしてもらいたいと考えておりますることは、主として京浜運河におきます特定航法についての改正でございます。これを具体的に申しますと、これもまだ決定はしておりませんが、一つには、京浜運河航行船舶に対しましては行く先、進路などを表示したらどうかということ、それから他の運河から京浜運河に入ります船舶は、その運河航行する船舶航路を、進路を避けさせるようにしたらどうかということ、あるいは現に運河内におきましては、引き舟につきましては制限がございますが、さらにその制限を強化してはどうかというようなこと、それから先ほど申しましたように、これらの規則改正せぬでもできるものですが、今の京浜運河内におきましては、ある時間大型船の入港を制限するというようなことを考えておる次第でございます。  それから、この航行の安全をはかりますために、いろいろ来年度も予算要求をいたしておる次第でございますが、一応それに関連して、三十八年度において要求しておりますものはどういうものかと申しますと、十五メートル型の巡視艇、これは十八隻要求いたしておりますが、このうち九隻は、これは現在持っておりますもののうちで、非常に古くなっておりますものの代替建造であります。他の九隻は増強でございます。それから信号所につきましては、川崎の東口、千葉、堺、この三カ所につきまして要求をいたしております。必要な人員要求いたしております。それから御承知のように、近年特に六大港等におきましては、交通が非常に輻湊して参っておりまして、港長業務も非常に多忙になっておりますので、その港長業務を充実いたしますために二十五名を要求いたしております。  大体以上申し上げたようなことでございます。
  6. 久保三郎

    久保委員 大体政務次官は率直で大へんよろしいと思う。あなたがおっしゃる通りでありまして、無計画増強計画ということで、入れものを考えないでほかのものを大きくしていく、それが原因です。その反省の上に立たないと物事は進展しないと思う。だからといって、それじゃこれから直ちに京浜運河のみならず、その他の港湾設備が短日月の間に改良できるかというと、いわゆる入るものに合わせた入れものをつくるということがなかなか時間的にもいかない、財政的な問題を別にしてもそうだと思うのです。そうだとするならば、陸上におけると同様、海上におけるところの輸送も、今までのあなたがおっしゃる通り、やはり輸送面を度外視したいわゆる経済計画というか、そういうもののためにいろいろな問題があるわけです。よって今日考えなければならぬのは、いかにして急場をしのぐかということだと思う。それにはもちろん改良計画もそれぞれやっていかなければならぬと思うのでありますが、それと並行して、ある程度の規制なり、ある程度の航行の安全のための施設も早急に間に合わせなければいかぬと思う。ところが今の保安庁の方からの説明では、人間要求している、あるいは巡視艇代替建造を含めて十八隻もやっている。それはけっこうだと思うのでありますが、私が指摘しておる通り、特殊な港湾についてはやはり消防機能というものを充実しなければいかぬ。御説明によれば、陸上におけるところのいろいろなそういう施設も合わせるという、その通りでありますが、しかしまずもって他を顧みる前に、おのれ自身の能力をやはりそれに合わせていくというのが大事だと思う。今の御説明では、消防艇代替建造はとれない。別に私は消防艇にこだわるわけではありませんけれども、十八隻の中には、それぞれ消防機能をあわせ持ったものだ、こうおっしゃると思うのでありますが、これはなるほどそうだと思う。しかし残念ながら専門艇必要性も今日ありはしないか。各船に高額な化学消防剤を積み込むことも実態としては不可能ではなかろうかと思う。たとえば空港における化学消防車のごとき、ああいう機能を持ったものを各巡視艇が保有するということは、実態としてなかなか不可能だと思う。そうだとするならば、消防艇そのものをこれに見合ったものにやはり変えていくということが必要だと思う。そういう点について、まず第一にわれわれは心配するわけなんです。ついてはまだ大蔵省関係というか、政府部内の関係でも、来年度予算要求が出そろってこないとコンクリートできないと思うのですが、この際でありますから、陸上における交通難緩和と並行して、港湾における航行の安全あるいはこの円滑化ということについて十分配慮して、予算要求で考慮してほしい、こう思う。特に従来の例によれば、なるほど説明によれば人員もこれに見合ってというが、必ずしも見合っている数字かどうかわかりません。見合っていると前提しましても、最終段階へ参りますれば、人間の方はこれはいつでも切られるということでありますから、その点大石政務次官に御努力いただきたいと私は思うのであります。  そこで時間もありませんから、専門的な問題はあと回しにして、当面する問題として先般運輸大臣は、この一週間の間に一応の実態がつかめるから、これに応じて適切な手段を講ずる、こういう言明であります。ところが今のお話だと、われわれとしてはこういうふうにしたい、こういうことでありまして、保安庁意見はわかったが運輸省全体としてしっかりしたものがまだ立っていないようであります。たとえば小さい舟艇航行制限についてもそういうふうにしたいということです。これはどういうことか。結局いまだにこの跡始末というか、これらに対する対策がきちんと出ていないのではなかろうかと私は思うのであります。いかがです。出てますか。
  7. 大石武一

    大石説明員 この対策につきましては、運輸大臣からも、早急に応急対策をつくるようにということを各関係部局に命じてございます。一応の素案はできたようでございます。しかし、これには省令改正を要するもの等いろいろなものがございますので、そういう点を至急運輸大臣関係部局が集まりましてこれを決定する段取りになっておりますが、ようやく出てきたようでございまして、これはまだわれわれは正式なものは聞いておりません。一応の対策は聞きましたのでございますが、それを一日も早く聞きたい、そして御心配の点を早く除去いたしたい、こう思いまして、早急に省令改正その他をいろいろ決意をいたしております。
  8. 久保三郎

    久保委員 政務次官、あなたに申し上げてはちょっと悪いのですが、あなたのところへ正式にまだ上がってきてないのは何か。今は政党内閣政党責任政治なんです。だからいわゆる大臣なり政務次官が、これがよろしいという方向がつきさえすれば、あなたの部下の関係部局において多少の異論があろうとも、これをやらなければ時代に合わぬと思うのです。ところが私が推測するのに、運輸省部内においてまだ意見の統一を見ていないという――これはいろいろ利害得失があります。しかしながら私が先般も申し上げた通り人間そのものの安全が先でないかという観点から割り切れば、私は早いと思うのです。いかがですか。この間もちょっと運輸大臣お話ししたら、どうもそういう様子がとれるのでいかがかと聞いたならば、今週中に結論は出すとおっしゃった。今週はすでに過ぎたのです。ところが今あなたのお話だと、あなたの手元にも正式に出ていない。いかなるところにネックがあるか、ざっくばらんにお話しいただきたい。私がだれかれを責めるのではなくて、お互いにそれぞれ各部局には持ち分があります。その分野を侵してはいけないと思うが、少なくとも大局に立って裁くのがそれがあなたです。しかもこれはじんぜん日を送るべきではない。これは京浜運河だけがだめなのではなくて、その他の港湾においてもいつ何どきこういう事故が起きるか実際わからぬ。そういう点からいって、ただ京浜運河だけの問題ならば、事故が起きたから相応に注意をするでしょうから当分起こらぬと思うが、その他の港湾においてはわからぬです。そういう意味からいっても、私はやはり政党責任内閣ならば、いわゆる責任を持って処断をしてほしい。制約をして、そうして早く手を打たなければちっとも進みませんよ。われわれはそう思う。たとえば、多少それは問題があっても、それはあとから手直ししてもいいのです。やるところはやらなきゃいかぬです。どうですか、お考えのほどを伺いたい。
  9. 大石武一

    大石説明員 大臣が一週間以内とお約束したそうでございますが、それ以上おくれましたことはまことに申しわけございません。これは別にむずかしい問題――いわゆる何と申しますか、行政上のつまらないいざこざがあったのではないと思います。大臣も私どもも実はこういう技術的な問題はしろうとでございます。従いまして、これはどうしても専門の者の技術的な正しい観点から対策をつくらせる、それをわれわれが大局的な点から承認することがわれわれの仕事でございますが、やはりこれを技術的にどうまとめるかというところに手間取りまして今日までおくれたものと思います。実はゆうべからけさにかけまして一応の案は聞きました。で、これを土台にしてさっそくわれわれは大臣の判を押して決定をするわけでございます。ただ問題は、やはりいろいろな純粋の技術的なむずかしさがあるのではないかと思うのであります。と申しますのは、どの港湾につきましても大体入れものよりも中に入るものが多い時代でございますから、これは間違いなくきちんと規則正しく入れるようにしますには、ある程度入るものを犠牲にしなければなりません。ところがある一面においては大事な民間の産業でもございますし、それからまた日本経済の発展にも関係することでございますから、ある程度の犠牲はさいてもらっても、それはただ安全性だけを考えまして、産業を麻痺さしてもならないと思うのであります。そういうところに技術的なむずかしさがあったのではなかろうか、それでお約束の一週間よりおくれまして今日までかかったのではないかと思うのでありますが、とにかく急がせまして、そうして早く御心配ないような――御心配ないと申しましても、これはなかなか日本全体の問題につきましてはむずかしいと思いますけれども、できるだけ早く対策をきめてお示しいたしたい、こう考えております。
  10. 久保三郎

    久保委員 政務次官、後半のお話はその通りなんです。ただ単に安全だけやっておくというのなら、船を通さぬ方がこれは一番安全なんです。それは百も承知です。それが話のまず前提なんですな。だけれども、ここで考えるのは、やはり経済という問題、産業の問題を考えるばかりに、それを重点に考えるというと、どうしても人命はおろそかになるという、この点ははっきりしてもらいたいと思います。  それで、専門的な、技術的なこととおっしゃいましたが、別に専門的な、技術的なこと――それはこまかいことはありましょう。しかし、運輸大臣なり政務次官天皇ではないのだから、出てきたものを承認するという立場でなくて、責任を持って政治をするというのですから、それは一つはき違えないようにしてほしいと思う。今の天皇なら出てきたものを判こを押せばいいのですが、そうじゃないのです。それは大へん失礼な言い分ですが、そういうことです。いずれにしても、私はある程度の規制はやむを得ない、その規制は、もし公的なものを考えなければならないとしたら、政府責任を負うべきなんです。陸上の膨張はそのまま認めた、港湾は狭い、そこに入れることを許容した、そこに工場をつくることを許容したというあなたの反省があるならば、その工場がその航行安全のために犠牲になるというなら、政府責任を負うべきだと思うのです。仕方がない、政府責任ですよ。そのくらいの決意を持ってやらないと、いつまでたっても関係部局の一致した意見は出ません。産業の方面、船会社の方の関係から、海運局はこうだ、保安庁の方はどうかというと、これではどうもあぶなくてかなわぬから、もっときつくしてくれ、これは合いませんね。それを処断するのが運輸大臣であって、天皇ではない、こういうことです。どうかそういうことで一つ早くつくってほしいということです。  それからもう一つは、きょうは海運局長は来ておらぬようだが、水先案内の制度の問題ですが、これはわれわれはまだよくわかりません。わかりませんが、一つはギルド制度になっているということです。さらにもう一つは、これは資料をいただいたのでありますが、たくさんおるところはみな組合をつくっておる。この組合も任意組合でありますから、それぞれのパイロットが個別の契約というふうになっているそうでありますが、それはそれでいいかもしれません。しかしながら、新しい時代に合うためには、この制度自体にもやはり一つ再検討をすることではなかろうかと思うのであります。年齢構成で物事を判断してはいけないと思うのでありますが、ここに年齢構成で出て参ったのは百五十四名あるそうです。そこで一番年の若いのは四十七才で、五十才未満というのは残念ながら六人しかありません。それで一番多いのは何かというと六十才以上が多いのです。ほとんどがそうです。私は、年齢だけでパイロットの資格云々そのものを判断することはまた誤まりかもしれませんが、少なくとも常識上からいって、今の陸上に劣らないような交通輻湊するところの航行をやっていくというのには、残念ながら年齢その他についてももう少し考慮せなければならぬ、こう思うのです。この水先制度については今の制度がよろしいかどうかという問題から再検討するわけですが、少なくとも今日の時代には少し合わないのではなかろうかと私は考えるのでありますが、その再検討する用意は政府にございますか、いかがですか。
  11. 大石武一

    大石説明員 これは私よくわかりませんので、関係局長から答弁いたさせます。
  12. 亀山信郎

    ○亀山説明員 ただいま御指摘の水先制度並びに現実に水先の高年令者が多いというふうな点につきましても、現在すでに海上航行安全審議会に対しまして、水先制度の問題点を諮問をいたしまして検討を進めております。年令の問題につきましては、御指摘の通り非常に高年令者が多いということは事実でございます。これにつきましては、現在諮問しております海上航行安全審議会におきましては、水先人について停年制を設けるべきかどうかということを具体的に――年令を何歳ぐらいで考えるか、あるいはそうなった場合の養老年金制度をどうするかというふうに、具体的に問題を検討しております。ただ水先人は非常に熟練した高度の技能と、同時に危険に対処して落ちついた処置ができるようにということで、普通の船長よりも年令が高いのは、これは戦前からもそうでございまするし、それが通例になるであろうと思っております。現在水先人に対しましては身体検査をやっておりまして、視力とか聴力あるいはその他の身体的な機能について検査をいたしております。しかし間々私どもも本船に上がるのに人手を借りなければ上がれないような老齢な水先人がおるというような話も全然聞かないわけではございません。停年制の問題を検討すると同時に、身体検査の基準をいま少し厳格にすべきではないかというふうに考えて進めております。  それから、御指摘の組合につきましても、やはり現在は任意組合でございますが、これを法的な根拠のある組合に持っていったらどうかというふうなことも現在検討中でございます。再検討するかどうかということでございますが、現在再検討中でございまして、なお今回の京浜運河における事故にかんがみまして、こういうことも重要な事実の教訓として再検討を進めていきたいと考えております。
  13. 久保三郎

    久保委員 時間もありませんので、政務次官に最後にお約束をしていただきたいのです。陸上交通問題と並行して、最近海上事故というものが先ほど申し上げたように非常に多いのです。そこで、陸上の問題については、まだ徹底はしていませんが、かなり焦点は事故対策というものにある。先ほども陳情がございましたが、鉄道の事故にしてもまだ抜本的な対策が確立していない。しかし、それはそれとしてまた別途お話を申し上げるとして、本日私が質問している港湾における海上航行の安全という問題について、次の諸点について臨時国会に御意見をまとめて当委員会に出していただきたい、こう思うのです。  一つは、いわゆる先ほど質問申し上げた海上保安庁関係のこの方面におけるところの装備並びに人員増強はどの程度進んだか。あるいはこの災害にあって、それに対する対策として新規なものは考えられるかどうか。  それから第二番目は、先般質問申し上げた現在の港則法あるいは海上衝突予防法あるいは船舶安全法あるいは海技免状その他の船員関係の教育試験制度の問題、こういうこと、さらには、今申し上げた水先法、こういう法律制度の整備あるいは港湾整備計画の中にそういう防災的なものを含める必要が私はあると思うのでありますが、これに対しての港湾整備五カ年計画をさらに拡大する考えがあるかどうか、そういう諸点について。  それから最後には、締めくくりとして、先ほどから申し上げておるように、航行安全のための全般的ないわゆる規制措置、そういうものに関連する制度改正、こういうことについてのお考えを、来臨時国会に一つ委員会に御披露いただきたい、当面する問題だけでなくて、そういう全般的なものも御披露いただきたい、こういうふうに思います。  以上お願いして私の質問を終わります。      ――――◇―――――
  14. 木村俊夫

    木村委員長 次に、陸運に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。壽原正一君。
  15. 壽原正一

    壽原委員 きょう私がここへ出頭願ったのは、通産省の鉱山局長あるいは企画庁の局長向坂さん、それから運輸省の官房長、このお三方なのですが、きょう見ると、通産省の鉱山局長は来ておられぬようだが、大体本委員会でお呼びしても来れぬという事情を明らかにしてもらうと同時に、今回質問する標準価格の問題の立役者である局長にかわってきょうは課長さんがお見えのようでありますが、その課長が局長と同様の、私らの納得いく責任を負った答弁をして下さるかどうか、これをまず聞いて、それから質問に入りたいと思う。
  16. 成田寿治

    ○成田説明員 局長はちょうど非鉄金属の関税問題の緊急の用事がありまして、非常に申しわけないのでありますが来れないというので、私がかわって参った次第であります。私が局長と同じような責任ある答弁をできる限りするつもりでございます。
  17. 壽原正一

    壽原委員 石油課長さんにちょっとお伺いするのですが、十一月の五日に審議会が開かれて、そこで、今回公示になった石油に対するガソリンの標準価格という問題についてどういう経過をたどったか、ちょっとその御説明を願いたいと思います。
  18. 成田寿治

    ○成田説明員 日本の石油の価格は、石油の自由化を前にして非常に過当競争の結果下がって参ったのでございます。そして去年の夏ごろ、来年の十月――従ってことしの十月ということになりますが、原油の自由化をやるという政府決定がありまして、それ以来非常に急速に値段が下がって参ったのでございます。その結果、最近の五、六月ごろの価格で見ますと、大体石油の原価九千八百五十円くらい、これがコストだと思うのでありますが、これに対しまして九千百円くらいの原価を大幅に割ったような値段がつくられて参ったのであります。そしてその後さらに七月、八月、そして十月からの自由化というので、さらに下がって、おそらく原価を現在キロリッター当たり千円以上割っておったのではないかというような状態になっております。従って、通産商といたしまして石油審議会というのがありまして、これは石油業法の運用のための審議会でございますが、第四回の運輸審議会が十月の十日に開かれまして、ここへこの状況を、石油の価格が暴落している、こういう状況を報告して実情を訴えたのでございます。それでその審議会におきましていろいろな意見がありましたが、日本の基礎産業である石油産業がこういう原価を千円も割っておるような状態、これを放任していいかどうかという非常に真剣な討議がなされまして、何らかの価格是正対策が必要なんではないかというように審議会の大方の意見が一致したのでございます。それで、じゃ価格是正対策としてどういう方法があるかという問題に入りまして、これは業界の建値制とか、業界の自主的な措置によってやる方法と、石油業法のちょうど十五条にこういう不況の場合に標準価格という制度がありますが、このいずれによってやるかという問題が次の第五回の審議会、十月の二十九日に行なわれましたのですが、そこにおきましていろいろ討議されまして、結局業界の自主的な調整は独禁法の関係もあるし、とてもできない問題でもあるし、それに石油業法がそういう場合を予定して標準価格制度というのがとられておりますので、これをやるべきじゃないかというような結論に達して、そしてその後審議会の中に小委員会をつくりまして、三回にわたって標準価格をいかにして設定するかという問題が討議されたのでございます。それで、その小委員会において一番問題になりましたのは、標準価格の、これは全体の平均でございますが、この水準をどこまでにするか、これに対しましては、石油産業がある程度利潤を得るような、原価に利潤をプラスした水準のものでないといけないという意見と、今現在のような非常に不況下において原価をプラス・アルファするというようなアルファを認めるのは、需要産業の影響ということを考えましても適当じゃないのじゃないかという意見と二つに分かれまして、結局原価ベースの低い方をとるべきじゃないかというので、九千八百五十円というのが平均原価――石油会社が現在十六、七ありますが、その平均の原価九千八百五十円というのがとられたのでございます。  それからもう一つの大きな問題は、この平均原価を、石油には揮発油からC重油までいろいろな製品がありまして、これがいわゆるどんぶり勘定みたいになっておりまして、この原価を油種別にどういうふうに配分するかというような問題が第二の大きな問題になったのであります。これは結局揮発油と重油との振り合いをどうするかという問題でございます。これに対しましては、日本の石油価格は、外国に比べますと、揮発油が国際的には若干安くて重油が高いという状況にありますが、産業界あたりからは国際価格に合わせるべきじゃないかというような意見も出ましたのが一つと、それから去年の四月から揮発油が三千四百円増徴になっておりますが、その揮発油税の増徴分を石油業界が全部かぶって、そして値段がどんどん下がっておったという情勢を考えますと、揮発油の負担分を重油よりも大きく負担をすべきじゃないかという意見もかなり強くありましたのでありますが、これはガソリンの大幅引き上げ問題は非常に物価上も問題があるというので、両方、重い方も軽い方も平均的な配分方法で揮発油なりあるいは重油の値段をとったのでございます。その結果、十一月の五日に第六回の審議会をやりまして、ここにおいて標準価格としまして揮発油一万一千三百円、C重油六千八百円という決定になりまして、これが十一月の十日付で官報で告示をされまして、標準価格の設定ということになった次第であります。
  19. 壽原正一

    壽原委員 ただいまの説明を聞いておると、石油業者が赤字でコスト安になってどうしてもやっていけない状態であるから、石油業法に基づいた標準価格の設定という、こういうような説明であります。  そこで、私らが調べた石油会社の各会社の内容を見ますと、丸善以外の会社は、九月の決算でもって相当な黒字を出しておる。黒字を出しておって、そうして会社自体が欠損で倒れそうになったからこの標準価格をしたというようなあなたの説明はちょっとおかしいのだが、大体黒字を出して、決算書を出しておるということは、あなた方は一体これをうそだと言うておるのか、これを認めないのか、どっちなのか。
  20. 成田寿治

    ○成田説明員 石油会社が今期の決算で丸善以外は黒字を形式的には計上いたしておりますが、これはわれわれ前期の決算で検討した結果によりますと、全体で形式的には黒字を計上して、これは一千億の設備投資を毎年やっていけないといけませんので、資金調達上も無理をして利益計上して配当をやっておりますが、これを実質的にあたってみますと、一つは従来の積立金をくずして利益を計上しているということと、それから石油の商売外の営業利益が相当大きく働いているということであります。前期から石油だけの営業で見ますと、相当な赤字になっておるのが実情でございます。
  21. 壽原正一

    壽原委員 石油自体は損をしておるのだが、ほかの付帯事業でもうけておって黒字を出しておる、こういう状態なんですね。そこで商売ですから、大体デパートでも何でも、あなた方がものを買いに行ってもわかるように、これは投げ売り価格だといって損をして売る場合もあり、またこの辺はもうけてもいいだろうというような品物でもうけていることもあり、全体的に黒字が出ておれば、あわててこういう標準価格をあなた方が指示してやる必要はない。そこで業者が十月の十日に出した案では、大体一万四百円という案を業界が自主的に出しておる。それをわざわざ通産省がどうしてもこれではいかぬというので、一万一千四百円という通産省の案を出している。業者が一万四百円で商売になってこれで十分やっていけるというのに、わざわざ通産省が一万一千四百円、最終的には一万一千三百円であったのだが、どうしてこの業界が商売できてこれで十分やっていけるのだという一万四百円なら一万四百円であなた方がこれをきめてやるということができなかったか。これに対する影響を考えているといえども、あなた方の現在までのやり方というものは、全くこういう末端使用者、これを使用しておる中小企業、全般の産業界の影響というものはちっとも考えておらぬというふうに私は見ておる。そこで業界が一万四百円という業界案を出して、通産省が一万一千四百円という案を出した、そのいきさつをちょっと話してみて下さい。
  22. 成田寿治

    ○成田説明員 ちょっと補足さしていただきますが、石油会社が石油外の商売でもうかっておるというふうにおとりになったようですが、そういうことではなくて、従来の積立金とかいろいろな経理上の操作によって無理をして、いわゆるタコ配といいますか、そういう操作によって辛うじて今期は配当をやれるような操作をやったということでございます。  それから、業界が一万四百円の建値を考え政府においては一万一千三百円になった経緯のお話でございますが、私たちは業界が一万四百円という考えを持っているとか、あるいはそういう建値を考えておったというのは聞いておらないのでございます。ただ、実際を申し上げますと、事務当局の案は第五回の審議会に対して当初出しましたのは一万九百円で出したのでございます。これは先ほど言いましたように、国際価格へ近づけるという要素をどの程度織り込むかによってガソリンが若干高くなり重油が若干安くなる、あるいはガソリンがその反対に安くなる、そういう国際価格への要素をどの程度織り込むかによって違ってくるのでありますが、われわれ事務当局が一万九百円を出したのですが、審議会の審議の結果、国際価格へのさや寄せをもうちょっと織り込んだらいいじゃないかというようなことになりまして、一万一千三百円に決定になったということでございます。
  23. 壽原正一

    壽原委員 それはよくわかったが、あなた方が石油の価格をきめるときに、委員の構成で一般大衆が使用する使用者の代表というものが入っておるかどうか、これをちょっと聞いてみたい。
  24. 成田寿治

    ○成田説明員 審議会の構成につきましては、現在十八人の委員で審議会を構成しております。そのほかに関係官庁の代表の方に専門委員として、経済企画庁、運輸省、農林省、通産省など五つの官庁から専門委員が出ております。そして審議会の委員の構成は、学識経験者――これはまあいろいろ評論家なり学者なり、そういう全体を考える立場から学識経験者、狭い意味の学識経験者が三人四人ほど入っております。それから、あるいは石油業界代表、あるいは電力、鉄鋼、石油化学等の需要産業の代表も入っております。
  25. 壽原正一

    壽原委員 いや、私はそれを聞いておるのじゃない。実際ガソリンを使って物を運んで歩くとか、バス業者、トラック業者、ハイヤー、タクシー業者なり、そういう代表が、利用する機関を持っておる代表者が入っておるかどうかということを聞いている。
  26. 成田寿治

    ○成田説明員 審議会にはそういう自動車関係の業界の代表の人は入っておらないのであります。
  27. 壽原正一

    壽原委員 それじゃあなたのきめているのは、石油を一つも使わぬで、大体石油の値段が上がろうと下がろうと何も関係のない連中の意見を聞いたということなんだね。
  28. 成田寿治

    ○成田説明員 石油審議会の定員がありますので、いろいろ関係業界の人全部入れるわけにはいきませんので、はいれない業界に関連しましては関係官庁の人に入ってもらいます。専門委員として入ってもらいましたのは、そういう趣旨からでございます。
  29. 壽原正一

    壽原委員 それじゃ、自動車の方の監督官庁は運輸省運輸省からは官房長が出ておるわけだが、官房長の意見をあなた方は聞いたか。聞いたならば聞いたことを、それから官房庁からも、どういうことを審議会に向かって言うたか、それを一つ聞かして下さい。
  30. 広瀬真一

    ○広瀬説明員 石油審議会には私が運輸省として専門委員に入っております。それで私は審議会の小委員会に出席しておりましたが、大体議論になりました論点は、ただいま成田課長が申された通りでございまして、運輸省の立場といたしましては、石油業界全体の建て直しという大原則には賛成せざるを得ない。それで問題点は今課長から申されましたように、結局議論としては国際的な水準に近づけるという話がございました。運輸省の立場といたしましては、その議論も傾聴に値しますが、現状ににわかに大きな変革を加えるということは妥当でない、従ってC重油とガソリンとの配分の問題はなるべく現状に近くということをまず十分申し上げたつもりでございます。  それからその前に、先ほどもお話がございましたように、原価にある程度の利潤を入れるか入れないかという問題がございましたが、なるべく低く押えるという意味からも、またこれは緊急な措置でございますから、利潤は加えるべきでないという、大きな点としてはその点を強く申し上げたつもりであります。  なお自動車業界の、特にハイヤー、タクシー事業の現状から考えまして、最近道路交通の輻湊によりまして、事業の能率が上がらないというような点、あるいはいろいろな物価高によりまして原価はますます上がっておる、コストは上がっておる、それから交通事故等の立場から考えましても、優良な運転手というものを確保するというような、いろいろな点から考えまして、最近事業の内容は逐次悪くなっておる。なおことしの春ごろですか、業界の方からは運輸料金の値上げ申請も運輸省に出ております。これまた最近の消費者物価を抑制するという政府の方針から考えましても、原価に刺激を与えることは好ましくないという立場から、大綱としましては先ほど申し上げましたように石油業界の緊急なてこ入れということは是認するといたしましても、消費者の立場あるいは最近ハイヤー、タクシー事業が非常に苦しくなって参っておるということから、値幅はなるべく小さく押えるという点を私としては十分小委員会におきまして申し上げたところでございます。
  31. 成田寿治

    ○成田説明員 審議会の小委員会におきましても、運輸省の官房長が出て、今言われたような意見は十分言っておられまして、そして実は小委員会では、ガソリン税を負担しておる状況も出まして、もっと高く考えるべきではないかという意見も相当強く出たのでありますが、運輸省の方の再度の御意見もあって、最終的に一万一千三百円となったところであります。
  32. 壽原正一

    壽原委員 国際水準までガソリン価格を持っていくというけれども日本の現在の精油会社の規模は、このままで国際水準までいけるという見通しを持っておるのか。それから日本で現在精油会社を営んでおるのは中小規模のものが非常に多いように見受けられる、こういう中小企業の精油会社が乱立してコスト高になっておる、このコスト高を消費者価格によってカバーしようというあなた方の考え方は間違っておりはせぬかどうか、こういうことをちょっとお聞きしてみたいと思う。
  33. 成田寿治

    ○成田説明員 現在日本の精油所の規模は四万バーレルぐらいで、国際的に見ますとかなり低いと言わざるを得ないと思う。この規模の引き上げによるコストの引き下げ、合理化ということは当然考えておりますが、ただそれをするためには、設備投資を相当大幅にやっていかないといけませんので、そういう商売をやっていって生じた千円の赤字を埋めていく状態というのは、そういう意味からも望ましくないという考えを持っております。
  34. 壽原正一

    壽原委員 あなたの答弁だと、石油会社の擁護ばかりで、中小企業などというものは一つ考えておらぬ。先般農林省できめられた米の問題を知っておるでしょう。米の価格の問題、あれをきめるときにも、一般大衆には相当大きな影響があるということを勘案しておる。そのために何べんも何べんも米価審議会の委員意見も聞き、一般大衆の意見も聞いて、そうしてどうしても上げなければならぬ、これはやむを得ないという結論を出すまでには相当の期間をかけている。相当な期間をかけて、そうして最後には低所得者、要するに月給の安い人たちが何とか食っていけるという低所得者に対する米というものの値段がこまかい配慮できまっておる。大石油会社を擁護するための石油価格の標準価格というものをきめて――産業界ではどうしても石油はなければならぬものである。これはいわば産業界における米だ。その米と同じようなこの石油の価格を上げるのに、全然隠しごとのようなことで、あわてて二回か三回の審議会にかけたままで、これを公示して、石油価格はこういうふうに表示されたから、どうしてもこれ以下には売れないという業者の傲慢な態度というものは、あなたは見ているでしょう。特にハイヤー、タクシーなんというものは、公共料金でもって頭を押えられている。なんぼ上げようとしても上げられない。大会社は積立金や土地を売るとかなんとかで黒字を出し、財源はある。ところが中小企業の連中というものはそういう財源を持っておらぬ。一ぺん赤字を出したならば、倒産のうき目を見るのが中小企業の現在の業体のあり方なんだ。たとえば八百屋さんが年間一体幾らガソリンを使うか知っておるか。東京の八百屋、魚屋さんが年間幾ら油を使っておるか知っておるか。知らぬだろう。そういうこまかい配慮をしないで、そうしてこういうような標準価格を政府である通産省が決定しておる。一般大衆に及ぼす影響の大きな問題であることを考えないで、これをきめたということは、あなた方は中小企業をつぶすつもりなのかどうか、その返答をしてみなさい。
  35. 成田寿治

    ○成田説明員 八百屋さん、魚屋さんがどれだけ油を使うか具体的な数字は詳しく知っておらないのでございますが、ただ中小企業に対する影響というものはわれわれも十分考えたとは思っておりますが、それはまた審議会の審議経過においても、十分その点は考慮されたというふうには考えております。
  36. 壽原正一

    壽原委員 ばかなことを言ってはいかぬよ、君。魚屋さん、八百屋さん、これは中小じゃない、小だ。零細企業だよ。零細企業は三年前までは三輪車、二輪車のばたばたを使っておった。今はそれでは間に合わないので四輪車を使っておる。現在一軒の魚屋さん、どんな小さな店でも年間三千リッターのガソリンをたいている。五円、十円値上がりしたならば幾らになるか。計算したらすぐわかるだろう。政府は一方減税だ、減税だ、低物価政策なんということを言うて、そうしてその陰に隠れて君らが中小企業、特に零細企業に及ぼす影響の大きいガソリンを標準価格だと称して、現にもう決定しているでしょう。現在これはいつ値上げするということになっておるのか。
  37. 成田寿治

    ○成田説明員 石油業法における標準価格は統制価格ではないので、法律上の拘束力はない格好になっておりまして、標準価格はガソリンは一万一千三百円で売るのが望ましいということでございます。そういう意味の標準価格は十一月の十日に官報に載っておりまして、いつから実施というのは、これはむしろ石油業界と話し合いできめてもらいたいというふうに考えております。
  38. 壽原正一

    壽原委員 君は、そういう欺瞞的な答弁をしてはいかぬよ。標準価格の問題で、これは通産局長が誓約書を取っておるではないか。その誓約書を持ってきておるか。出せ。
  39. 成田寿治

    ○成田説明員 これは審議会におきましても、審議会の権威あるいは業法の趣旨からしましても、標準価格が設定されておっても、従来の過当競争が石油業界で行なわれるというような事態になることは非常に望ましくないので、これは法的な拘束力の問題ではなくて、石油業界にそういう遵守的な精神が十分徹底するようにという審議会のあれもありまして、守りますという誓約は役所に入れております。
  40. 壽原正一

    壽原委員 ところが、これを見ると、「通産省は十日、主要石油製品の標準価格(メーカー卸しキロリットル当たりガソリン一万一千三百円、C重油六千八百円)を公示したが、石油各社はこのほど同省に対し標準価格の厳守を明記した各社長名義、川出鉱山局長あての誓約書を提出することになった。誓約書の骨子は「違反した場合は通産省から各社別石油生産計画の削減などの措置をとられても異存ありません」」というような誓約書になっておるが、この新聞はうそだというのか。うそではないだろう。この新聞をよく読んでみろ。これがうそだというのかどうか、ちょっと答弁してみろ。
  41. 成田寿治

    ○成田説明員 この記事は大体合っていると思いますが、ただ誓約書は非常に違反した場合にはどんなことも制裁は受けますということであって、外割の削減とかそういうことを必ずやるということは役所が判断することであって、具体的にはきまっていないわけでございます。
  42. 壽原正一

    壽原委員 おかしいね。物を安くすることはいいですよ。高くしなければ絶対だめだ、高くしなければお前らに制裁を加えて、今度の外貨でも石油製品でも割当を軽減するということを半おどかし的に役所がそういう指示をして――福田大臣がそういうことをよく知っておってやったのかどうか。福田大臣はしろうとで、君らはくろうとで、石油会社とぐるになって、寄ってたかってやったのか。同じエネルギー対策でも、石炭の問題は別だ。石炭の場合は、七万人の首切りの問題でああ騒いでおる。この問題は、ただ七つか八つかの会社が倒れるかどうかという問題だ。しかも君はこの場合何と言うた。民族資本の擁護だという言葉を使っておったじゃないか。何が民族資本の擁護だ。一体日本の資本が幾らか、外国の資本が幾らか、答弁してみなさい。
  43. 成田寿治

    ○成田説明員 現在石油会社の総資本金が八百億くらいありますが、そのうち外資提携会社が大体六割、民族系の会社が四割という計算になっております。
  44. 壽原正一

    壽原委員 それならその四割の民族系だけの会社に対して、そういう措置をとって、外国に銭をもうけさせることはないんだ。民族資本の擁護という言葉を使ったならば、日本の資本に対しての擁護をするならば話はわかるんだ。六割、七割もの外国の資本に対して、もうけを全部外国に持っていかれるようなものの値段の支持価格を、一般大衆の物価に対する影響の大きい石油価格というものを、君らがわざわざ上げてやろうという理屈はないだろう、そんなばかなことは。そうして君は、ハイヤー、タクシー業者から陳情を受けたことがあったかね。あったら、その当時の模様をちょっと話してくれ。
  45. 成田寿治

    ○成田説明員 自動車業界が陳情に来ましたのは、あれは十何日でしたか、先生もおられました、業者大会があって、最初受けております。それから四日くらい前、鉱山局長と一緒に局長室で陳情を受けております。それから三日前くらい目に、石油課に来て、これは代表の方の最初の陳情になっております。
  46. 壽原正一

    壽原委員 その時何と答弁したか。
  47. 成田寿治

    ○成田説明員 これは大体審議会における審議状況に即して答弁しております。
  48. 壽原正一

    壽原委員 現在一般大衆の足とされておるハイヤー、タクシー業界、この業界に対して石油会社がどういう処置をとっておるか知っておるか。知らぬだろう。知っていれば、黙っているはずがない。知らぬだろうと思う。自動車業界に対して納入辞退という言葉を使って、そうして納入を拒否しようとかかっておる。そういう事態になったならば、この責任は一体だれが背負うことになるか、それを答弁してくれ。
  49. 成田寿治

    ○成田説明員 石油業界が自動車業界に対して納入辞退の決議をやっているというのは聞いておらないのでございます。もしもそういう事態になるならば、これは役所としても非常に社会的混乱のないよう十分業界にも反省を求める所存でございます。
  50. 壽原正一

    壽原委員 ただ反省だけじゃ間に合わないんだよ。もう少しはっきりした答弁をしてもらいたい。タクシー、ハイヤー業者というのは、現在零細企業だ。ここに官房長が出ておるけれども、自動車業界をよく知っておる。あとでよく相談してみなさい。零細業界だよ。運転手の給料さえ遅配しなければならない。今暮れになってボーナス、もち代を払えと言っても、払える会社は数知れている。その結果、そういう零細企業に属する自動車業界が一日ガソリンをとめられたならば、何日動かぬと思っておるか、そういう事態にさせるのかさせぬのか、どうなのか。
  51. 成田寿治

    ○成田説明員 そういう事態にはさせないつもりであります。
  52. 壽原正一

    壽原委員 つもりじゃだめだ。させないなら、させないとはっきり言え。
  53. 成田寿治

    ○成田説明員 させないようにいたします。
  54. 壽原正一

    壽原委員 それじゃ、自動車業界は、こぞって君のところに行ったときに、こういう状態になっておるんだがと言うたところが、局長はすぐ石油業界の方に向かって、そういう事態のないように通達をすると言うたが、現在それがなされておらぬだろう。やっておるのかね、やってないだろう。
  55. 成田寿治

    ○成田説明員 販売辞退といいますか、全面的な停止という話は聞いておりませんから、そういう形では局長から要請をやっておりませんが、 ハイヤー、タクシー業界の事情を十分話して、そうして十分円満に商談をしろという要請をやっております。
  56. 壽原正一

    壽原委員 円満な話し合いの要請というけれども、この間君らが何と言ったか知らぬけれども、石油業界のおえら方の連中が自動車業界と会ったそうだ。会ったところが、通産省の命令によってどうしても石油価格を上げなければならぬので、もしこれを上げなければ、来年の石油のもとがとまってしまうんだから、われわれは仕方がありませんから、上げます。どうぞよろしくお願いいたしますと言って、そのまま帰っていっている。これは話し合いになっているのかいないのか。そんなものは話し合いじゃないよ。君らとぐるになってやっていることだよ。商売というものは、栄古盛衰といって、いいときもあれば悪いときもある。悪いときは支持して、いいときは君らは一体何をやっているか。今は資本の蓄積とか、土地を買ったとか、今町の中を歩いてみなさい。何が一番多いかといえば、ガソリン・スタンドが一番多い。角の一番いいところはガソリン・スタンドだ。その隣が銀行だ。一体どういうしかけになっているのか。銭がもうかっているから、ああいうむだな設備投資をして、ガソリン・スタンドがどんどんできているんだろう。君らが歩いてみたらわかるだろう。坪百万円も二百万円もするような土地を、何百坪という膨大な土地を使って、ああいう投資をして、これが赤字であるから石油標準価格を上げなければならぬなんという、そんなばかな話があるか。銀行と石油会社のスタンドだけが多くなって、中小企業、零細企業はだんだんとみな町はずれに持っていかれて、しまいには道路を広げるからお前のところはどけと言われている。そんなばかな世の中があるか。しかもそういうような関係で、零細企業の八百屋が何ぼガソリンを使っているか、魚屋が何ぼ使っているか知らぬような連中が石油審議会委員だなんて、何を語る権利があるんだ。この審議会の答申をちょっと見たときに、この値上げは一回にとどまらぬで、逐次上げるというような意味のことを書いてあるんだろう。一ぺんに上げると目立つから、これを何回かに分けて上げていこうというような答申の内容じゃないか。そういうものを君らが作文して、われわれの目をごまかそうといっても、めくらじゃないんだよ。そういう内容になっているか、ちょっと答えてみなさい。
  57. 成田寿治

    ○成田説明員 審議会の答申は、ある程度の利潤を含んだ原案が出た経緯もありまして、答申としてはそういう書き方になっております。われわれの今のあれは、標準価格というものは原価ベースでいくのが適当であって、それ以上の利潤という考えはとるべきでないのではないかというふうに事務局としては考えております。
  58. 壽原正一

    壽原委員 それ以上の利潤を考えることもない。損することももうけることも商売だから、君のような役人はそういうことに口をはさんではまずい。自由商売だ。統制価格ではないんだろう。全たばこ屋でも百八十メートル、ふろ屋は三百二十メートルという距離を置いてやっている。スタンドはおびただしいところは向かい合って競争をしている。これは商売だ。もうけることもあれば損をすることもあるのが商売だ。君ら役人は高給をとっていばっておればそれで済むかもしれぬけれども、ガソリン・スタンドを使っている零細企業の連中はそんなことじゃない、あしたから首をくくらなければならぬ。よくそういうことを勘案してそうしてやってもらわなければならぬ。君、それじゃ石油価格をこれこれにしなければ納入辞退ということはさせないとはっきり言うたが、間違いなし、それでやるね。間違いなし、念を押しておく。
  59. 成田寿治

    ○成田説明員 石油課長として間違いなくそうさせるつもりでおります。
  60. 壽原正一

    壽原委員 それからスタンドの設置問題、これは将来もあることでしょうからよく考えて、そういうむだな設備投資をして不当な競争のないように、君らはそれを指示してやることが必要だ。そういう問題を考えておるかどうか。
  61. 成田寿治

    ○成田説明員 石油スタンドの過剰設置問題は、省内でも去年あたりから非常に問題になりまして、ことしの設備調整の際も非常に厳重に査定をやって、石油業法は販売設備は対象になっておりませんので、法律的に押えるというところまではまだいっておりませんが、資金調整その他で厳重に押えておりまして、今年度からはそれほど目立った増設はないと思います。スタンドというのは、石油の元売り業者がやっておる場合よりは、むしろ全然別の販売業者の、そこまで押えるというのは非常に今のところはめんどうでありますが、元売り段階では厳重に資金調整で押えておるわけであります。
  62. 壽原正一

    壽原委員 その件について私があなたに要請しておくのは、それを規制して何百メートルなら何百メートル、ここの国道にはこういうところには必要だというような、あなた方が見て必要な個所にできるような規制の処置を法文に織り込んで、そういう不当な競争をせぬでも、君らが価格の指示をせぬでも油屋が立っていくような方法を講じてやるべきである。  それから企画庁にちょっと聞くが、あなたの方でハイヤー、タクシー業者から陳情を受けたことがありますか、この問題で。
  63. 向坂正男

    ○向坂説明員 私が直接に受けたということはありません。
  64. 壽原正一

    壽原委員 それじゃちょっとお伺いするが、あなたから聞いたというて――あなたから聞いたというんですよ、あなたから聞いたというて、もう一人の局長さん、何という人であったか知らぬが……。
  65. 向坂正男

    ○向坂説明員 所管からいいますと、おそらく調整局長だと思います。
  66. 壽原正一

    壽原委員 これが言うた言葉なんです。私は真意をはっきり確かめなければいかぬ。ハイヤー、タクシー業者はまだ余力があるから、ガソリン価格は上げても差しつかえないということを運輸省の官房長が言明しておりましたということを言うておる。官房長がそういうことを言うたか言わぬか、ちょっと一つ
  67. 広瀬真一

    ○広瀬説明員 私は先ほど申しましたような議論を申しておりまして、消費者物価をなるべく押えるという点もございますし、ハイヤー、タクシー事業の現状も十分承知しておるつもりでございますから、そのような発言は絶対にいたしておりません。
  68. 壽原正一

    壽原委員 それじゃあなたが直接言うたんじゃないけれども、もう一人の局長がそういうふうに言うたということになるんだが、一体君らは企画庁に属しておる最高幹部であるが、そういう無礼千万な、人が言うていないということを言うたというのは、一体どこに根拠があって言うたか。君が言うたというんですよ。君から聞いたというんだ。君がもう一人の局長に言うて、その局長が業者代表に言うたそうだ。
  69. 向坂正男

    ○向坂説明員 そういうことを私が運輸省の官房長から聞いたこともございませんし、従って私が調整局長にそういうことを言うた覚えは全然ありません。
  70. 壽原正一

    壽原委員 それでは調整局長というのがうそを言うたことになるんだね。これにはわれわれの先輩である永山忠則先生が介添人になって業界を連れて行っているはずなんです。その永山忠則先生の目の前で、政務次官もおる前でそれを言うたというのです。その真意をはっきり確かめたい。今どこへ行っているんだね。
  71. 向坂正男

    ○向坂説明員 日米経済合同会議について行っております。
  72. 壽原正一

    壽原委員 それはいつ帰るのか。
  73. 向坂正男

    ○向坂説明員 長官に随行して参りましたので、多分八日に帰って参る予定でございます。
  74. 壽原正一

    壽原委員 それではこれで質問はやめますが、次の運輸委員会にその局長に出頭願って、この真意をはっきり確かめておきたいと思います。  きょうはこれで終わらせていただきます。
  75. 石村英雄

    ○石村委員 関連でお尋ねしますが、先ほどの石油課長の答弁の中に、石油会社の利益の問題についての御答弁に、利益があるのではないのだ、タコ配だ、こういうような御答弁があったように聞きましたが、私の聞き間違いかどうか、もう一度はっきりさせたいと思います。
  76. 成田寿治

    ○成田説明員 あるいは私の言い方が悪かったかもしれませんが、実質的な利益の会社もあることはあるのでありますが、ただ、無配当は丸善だけであって、それ以外は全部配当はやっているじゃないかというお話に対して、配当はやっておりますが、石油の今期の実質的な収支を見ると赤字の会社がたくさんありますという意味でございます。
  77. 石村英雄

    ○石村委員 そうしますと、その配当なるものは、過去の利益の蓄積、配当準備金のようなもので配当したのだ、こういう意味のことをタコ配だとおっしゃったのですか。タコ配といえば、普通、利益のないものをあるようにして配当した場合をタコ配だという。あなたのタコ配というのは、それじゃ、ただ変動のために蓄積しておいた準備金をもって配当したのだ、こういう意味なんですか。どちらなんですか。
  78. 成田寿治

    ○成田説明員 あるいはタコ配という言葉がまずいのかもしれませんが、過去の引当金とか、いろいろそういうものを落としたという点と、それから償却を限度一ぱいやれない会社、やらないで利益を出している、そういう操作をやっている会社もあります。
  79. 石村英雄

    ○石村委員 そうしますと、必ずしも利益がないという意味じゃないわけなんですね。先ほどの壽原委員の質問から見ると、利益があるのじゃないか、こういうのに対して、利益はないのだ、だから値段を上げてやらなければならぬ、こういう説明のようにとれた。ところが、タコ配ではないということになれば、やっぱり利益はあるのだ。そうすると、さっきからの値段を上げなければならぬという根拠がくずれていくということになる。そういう根本的に利益があるかないかということでの議論なら、もっとはっきりさせておっしゃっていただかなければ、あとで、いや、そうじゃありませんじゃ、今まで長い間の壽原さんとの質疑応答の前提が全くくずれたということになってしまう。どうなんですか。
  80. 成田寿治

    ○成田説明員 われわれが標準価格をつくるに際してのいろいろの計算は、三十七年度の期間で考えておりまして、これに関する限りは、相当な、キロリットル当たり千円近い平均的な赤字になっているということでありまして、過去のいろいろの蓄積を持っておる会社もあります。その点は、ただ今期に関して非常にコストを割っているということでございます。
  81. 石村英雄

    ○石村委員 壽原さんの質問は、商売というものはもうかるときもあれば損するときもあるのだ、そういう意味で言っていらっしゃるのですよ。それは、今期だけに、あるいは今後にある程度赤字があるかもしれないが、過去にもうけてそれでやっていくということは、商売として当然のことで、いつでも必ずもうからなければならぬというやり方はないのでしょう。ところが、通産省は、それじゃ、いつも絶えずもうかっていなければならぬ、こういう立場で価格の決定をなさるのですか。
  82. 成田寿治

    ○成田説明員 標準価格というのは、法律にもありますけれども、これは恒久的な制度ではございませんので、不当に低落した場合の応急措置としてうたっております。従って、これはなるだけ標準価格をやめる、応急措置としてやめる事態が当然早く来ることでございまして、あとは標準価格のない商売の社会として石油の価格がつくられると思います。決していつまでも原価ベースの標準価格でささえるということは考えておらないのでございます。
  83. 石村英雄

    ○石村委員 私の言っているのは、標準価格を永久に置いておくのか、そういうことを聞いているのじゃない。一時的な損あるいはもうけ、そういう一時的な現象だけをとらえて標準価格なるものをつくって、これを守れなんというのは、値段のつり上げのようなことを行政指導でなさるというのはおかしいのじゃないか。これは五年も十年も赤字が続いてどうにもならぬとかいうなら、それはまた別問題です。ただそうでなく、短期間のことだけで標準価格をつくられるのはおかしいのじゃないか、そういう趣旨でさっきの質問もあったのだと私は思う。あなたの答弁は、タコ配だなんて言うから、どういう考えかさっぱりわからない。どうかもっと明確にして下さい。
  84. 成田寿治

    ○成田説明員 これは最近における現状を訴えまして、審議会でその点は十分検討していただいたのでありますが、日本の基礎産業という石油産業がやはりこれほど原価を割ってやるのは望ましくないという審議会の考えによってわれわれがやっておりますので、決してそれが永久にそうあるべきだというふうに考えておるわけでもございません。
  85. 石村英雄

    ○石村委員 あなたに聞いたってしょうがありませんから、これはやめます。
  86. 木村俊夫

    木村委員長 川野芳滿君。
  87. 川野芳滿

    ○川野委員 時間も過ぎましたので、二点簡単に御質問してみたいと思います。先ほどの御説明によりますと、今回の標準価格は石油審議会の答申に基づいて御決定になった、こういうふうなお話でございますが、標準価格というものは審議会の答申通り決定しなければならないのでございますか、その点をお尋ねしておきたいと思います。
  88. 成田寿治

    ○成田説明員 石油業法によりまして標準価格をつくる場合には審議会に諮らなければならないという規定にはなっておりますが、審議会の決定通り、通産大臣がこれをその通りやるということにはなっておらない。ここには行政官庁としての責任もあると思うのです。
  89. 川野芳滿

    ○川野委員 そうしますと、先ほどのあなたの御説明では、あなた方が通産省案として審議会に出されたのは一万九百円であります。この一万九百円の答申の価格は適当であろう、こういうことに御決定になったについては、相当御検討の上で一万九百円というものを御決定になったと思う。そういたしますと、これは審議会においてもあなた方の了解工作が足りなかったと私は思う。もう少しあなたができたデータをもとにして審議会の方々に御説明になるならば、おそらく事務局案かあるいはそれ以下に答申が出たものと私は考える。普通の審議会でいいますると、事務局が出したものより低く決定するのが従来の審議会の答申の仕方なのです。それを上回って答申を出されるということは、あなた方の工作の熱意が足りなかったと私は思うのですが、どうですか。
  90. 成田寿治

    ○成田説明員 われわれは原案を出した責任もありまして、その点の説明は十分やったつもりでございますが、石油価格のあり方というのは非常にめんどうな問題でありまして、自由化もやっているので、国際価格に極力近づけるというのが本来の考え方じゃないかという意見が支配的だったのでございます。
  91. 川野芳滿

    ○川野委員 ガソリンだけ国際価格にさや寄せをする、こういうわけなのですが、今ガソリンが値上げになりますと、先ほど来御質問がございましたように、これは自動車等に影響を及ぼしまして、直ちに自動車運賃等の値上げ問題が出てくる。しかし、これはガソリンを国際価格に近寄らせるというのは、当然賃金体系もやはり国際水準に近寄らせるのがほんとうです。従ってあなた方のガソリンだけ国際価格にさや寄せするというのは、やはり賃金体系も国際水準に近寄らせる、こういうことも一面考えなければならぬわけです。そういうことからいたしますと、賃金値上げ、物価値上げに拍車をかける、私はこういう結果になると思いますが、いかがでありますか。
  92. 成田寿治

    ○成田説明員 確かにガソリンだけを考えるとそういうことになりますが、ただ現在日本の石油の価格は、国際輸入価格に対しまして、重油が高い、そして揮発油が安いということで、それで国際価格にさや寄せをするというのは、揮発油を若干上げる傾向で考え、重油を下げる傾向で考えるという考え方のようでございます。これは審議会のいろいろの先生方の御意見を伺うと、そういうことでございます。ですから、重油の方は下げろという意見と連なっている考え方だと思います。
  93. 川野芳滿

    ○川野委員 今のガソリンを上げて重油を下げる、こういう方針にいたしましても、あなた方がデータに基づいて一万九百円という案を決定されたのを一万一千三百円にも値上げして答申をされるということは、これはいかに委員に対してひいき目に見ましても、審議委員というものがどういう階級から出ておるかということは想像されておる。それでほかの審議会には消費者代表も出ておって、そして意見を戦わせてきめておるというのが他の審議会の実情なんです。そういうことから考えますと、根本的に審議委員の人選を誤っておると私は言わざるを得ないのです。そこで、これはこういう審議会のメンバーでいろいろ物価体系あるいは賃金体系その他を論ぜられたら大へんなことになりますから、池田内閣の政策に相反した物価値上げになりますから、至急に一つ人選をやりかえるお考えはありませんか。あなたに御質問してもちょっとこれは無理で、御返答ができなければ、大臣にその点を一つ言ってもらって、もう少し消費者代表もたくさん入れるくらいの人選をして、こういう問題は審議していただかなければならないと思います。あなたに対しての答弁は少し重荷と思いますから、一つ大臣に伝えていただきたいと思います。  次は標準価格の問題ですが、標準価格は字のごとく標準価格でございますから、これを守らなくてもけっこうですが、しかし政府が標準価格を示した以上は、ある程度の値上げ、ある程度の値下げ、これはやむを得ないと思います。しかし政府が出した標準価格ですから、政府の権威にかけても、ある程度標準価格を守ってもらいたい、こういうことになることは当然です。その結果先ほどもお話がございましたように、鉱山局長が誓約書を取った、こういうことに私はなったものと存じます。そこで値上げをするために、安く売らないために、高く売るために誓約書を取る、こういう問題は独禁法との関係はどうなりますか。
  94. 成田寿治

    ○成田説明員 誓約書の問題は別でありますが、独禁法は業者同士が話し合うことを禁止しておりまして、役所と業者と個別的にいろいろ業法を守るための話し合いというのは、独禁法の問題にはならないと思います。
  95. 川野芳滿

    ○川野委員 そうしますと、今度の標準価格あるいはそれに近い線で買わなければ納入拒否をやる、こういう話があったということを先ほど承ったのでありますが、そういうことを石油業界がやるということになりますと、これは独禁法に触れませんか。
  96. 成田寿治

    ○成田説明員 これは、独禁法の不公正な取引に該当するかどうかというのは、非常に解釈上めんどうな問題で、われわれもよくわからないのでありますが、検討してみたいと存じます。
  97. 川野芳滿

    ○川野委員 一方においては、安く売ると罰するぞとおどして誓約書を取って、一方においては、かりに今度の値上げを認めずに前の値段ということになりますと、業界は納入拒否をやろうとしておる。そうするとこれは、あなたの方は絶対させない、こう言われますが、これこれに売れという指示価格を出しておいて、そうして全然業界が受け入れない場合に、納入拒否を全然させない、こういうことになりますと、非常に矛盾があると思いますが、その点について、一つ説明を願いたいと思います。
  98. 成田寿治

    ○成田説明員 平均の価格として、標準価格で売るのが望ましいという、標準価格でございますが、ただ、役所がそれを守るために納入拒否をやれとかそういう指令、これはあり得ないことでありますが、しないで、業者同士がやるというのは、それは標準価格順守、守るという範囲をそれているのじゃないかと思うのです。業界同士の話し合いでやるというのは、その点で問題があると思います。
  99. 川野芳滿

    ○川野委員 あなた方が、納入拒否はさせないと言われますから、従って、一方においては標準価格で売れといって、しかもこれは、売らない者にはある程度の制裁を加えるぞという一札を取っておいて、業界が、一つも値上げを認めなかった場合に納入拒否もやるという場合に、どういうふうにして納入拒否をさせないようにあなたはやられるか、こういう質問なんです。
  100. 成田寿治

    ○成田説明員 いずれ行政指導でやって参ります。それから独禁法の問題がもしあれば、それはもちろん独禁法の問題として考えたいと思います。
  101. 川野芳滿

    ○川野委員 もうこれ以上申しませんが、どうか一つ、そういうことを責任を持って、かりに標準価格に近い値で値段がきまらなくても、そういう無謀なことは責任を持ってさせないように希望いたしまして、質問を終わります。
  102. 福家俊一

    ○福家委員 関連して、企画庁にお聞きしたいのです。  ただいま通産省の石油課長の御答弁を伺っておりますと、何だか行政指導において値上げを誘導しているように感じるのです。内閣は、私ども承知しておる範囲では、低物価政策を池田首相が非常に強く進めている。特に企画庁におきましては、公共料金初めあらゆる物価を抑制するという方針をとっておられるように承知しておるのでございますが、この点はいかがですか。
  103. 向坂正男

    ○向坂説明員 私が企画庁を代表してというわけではありません。
  104. 福家俊一

    ○福家委員 私のことを聞いているのではない。企画庁を呼んでいる。私、私と個人を呼んでいるのではないのです。委員長、注意して下さい。
  105. 木村俊夫

    木村委員長 局長経済企画庁の意見を……。
  106. 向坂正男

    ○向坂説明員 経済企画庁といたしまして、低物価政策をできるだけ維持していこうというように政策的にやっております。
  107. 福家俊一

    ○福家委員 そうしますと、この石油課長の答弁は、内閣の政策に反する結果を生んでおるように考えるのですが、どうですか。あなた聞いていて、企画庁としてどうか、聞きましょう。
  108. 向坂正男

    ○向坂説明員 低物価政策と申しましても、それをつくっている企業が採算がとれない状態でいつまでも推進していくということは、低物価政策という趣旨からは反していると思います。ある程度企業が成り立ち得る価格水準ということは、低物価政策の中でも考えてもいいのではないかと思います。
  109. 福家俊一

    ○福家委員 通産省の石油課長は、三十七年度の利益を限度にして値上げを考える。そうすると企画庁は、三十七年度の利益のないものは全部値上がりを認めますか。そうしますと、バスや私鉄の運賃の値上げをいまだにきめきれぬという、特にバスなんかおかしいじゃないですか。そうした矛盾した政策を企画庁はとっているのですか。
  110. 向坂正男

    ○向坂説明員 それは料金、価格その他そのものの個々のケースによって違うと思います。
  111. 福家俊一

    ○福家委員 それではこの石油問題について企画庁はどの程度検討しているのですか。
  112. 向坂正男

    ○向坂説明員 この問題が起きましたときに、通産省からも事情をよく聴取いたしまして、それから企画庁の中でもこの石油価格体系や水準の問題について協議いたしました。その場合に論点は三つあったと思います。一つは、日本の国際競争力を強めるために、エネルギー価格をできるだけ安くしていくという方針が一つ。それから第二は、一般の消費者物価に対してどういう影響を与えるかということです。それからもう一つは、中小企業その他直接ガソリンの値上がりその他によって影響を受けるものについて、この三つであります。
  113. 福家俊一

    ○福家委員 その三つの観点から十分検討された結果、企画庁としてはこれは認められるのですか。
  114. 向坂正男

    ○向坂説明員 その協議いたしましたときは、現状の水準から石油価格が幾分上がることはやむを得ないという結論でございます。
  115. 福家俊一

    ○福家委員 そうすると、これは次の委員会に企画庁長官を一つ召喚をして、通産大臣ももちろんのこと、企画庁の根本的な物価値上げに対する検討というものを聞いてみないと、われわれ承服できない。石油だけは三十七年度を基本において考える。ほかのものは今言うように認めない。これは一局長では解決しないと思うので、保留いたします。
  116. 加藤勘十

    ○加藤(勘)委員 関連して――今の企画庁の局長の御答弁は、目の前で石油課長の答弁を聞いておられたはずです。石油課長の説明によれば、今期の赤字が出ておる、継続しての営業不振、いわゆる赤字ではないわけです。一期々々の計算ごとにあるいは黒字が出たときに一体どう処分するのです。赤字が出たらば、その赤字に基づいてある程度の値上げをやらなければ、企業を大事にしなければいかぬという。その期に黒字が出たらどうする。一期ごとに黒字が出たらばこれを抑制する。赤字が出たらばこれを引き上げる。そういう不確定な政策なんというものはあるはずのものじゃない。それはなるほど五年も六年も続いて、どうしても赤字でその企業が成り立たぬ。しかも企業は国にとっても重要な企業であるがゆえに、これを何とか保護しなければいかぬ、たとえば今の造船問題のごとき、海運界の問題のごとき、そういう事態が起こったときには当然考慮されるべきであるが、今この期だけの赤字でそれを標準にしてすぐに値上げしなければならぬという理屈はないわけです。それをあなたは目の前に聞いておったはずです。聞いておって、今のような答弁をなさるということは、実際この委員会を愚弄するものだ、けしからぬと思う。
  117. 向坂正男

    ○向坂説明員 言葉が足りませんので、補足させていただきます。この判断は、単に石油精製の会社がこの一期だけ赤字が出たから価格引き上げに賛成したということはございません。今の価格水準では、石油精製会社として存立していくことがむずかしいのではないかという判断に立っておるわけであります。
  118. 加藤勘十

    ○加藤(勘)委員 だから、目の前で石油課長が答弁したのは、今期は赤字であって、丸善を除けば他の会社は黒字で配当しておるというけれども、今期は赤字の会社が多い。石油以外の仕事で利潤を上げておると言われるけれども、総括的に石油企業でやっておるわけだ。石油に付随するどういう他の事業をやっておるか、たとえば電鉄会社が土地をやってもうけておるというようなことと同じようなことをやっているのかどうかそれは知らぬけれども、とにかく今期は赤字。赤字があるけれども、しかも配当をやっておる。これをタコ配かどうかと言って責めたらタコ配ではない、それは今までの蓄積で今期の赤字を埋めてさらに配当する余裕があったから配当したのだ。そして今の企画庁の答弁というものは、目の前で聞いておきながら、それには触れないで、ただ企業が成り立たないのでは困る、こういうことでやる、そうすると、まるで石油課長の答弁の赤字というものが五年も六年も続いておるような印象しか受け取れぬわけです。目の前で聞いておってわからぬのです。われわれみな聞いておるのですから、そういうことではいかぬのです。そういうことではこの委員会は決して聞きのがすものじゃないのです。ただこの場さえのがれればいいという性質のものじゃない。はっきりした企画庁としての方針であなたが言われるのは、なるほど長い間赤字が続いて企業が成り立っていかぬ、それではいけないからという、こういう観点から標準価格というものが生まれたのだということの説明はわかる。けれども、今の石油課長の答弁とは全く食い違っている。その点をはっきりしておいてもらわぬと困る。今ここでそういう点について答弁を求めるよりも、次の委員会で企画庁長官と通産大臣と来てもらって……(「総理も呼べ」と呼ぶ者あり)総理ももちろん、内閣の経済政策の根本に触れるのです。特にこの八日からは国会も始まるのだから、当然これは論議の対象になると思うのです。そのときの質疑に譲ります。
  119. 久保三郎

    久保委員 今お話がありましたからつけ加えることはありませんが、たとえば局長、あなたの答弁と石油課長の答弁と食い違っているのですよ。何べんも聞いておられるでしょう。あなたの最後の答弁は、これでは成り立たないという、ばく然と過去のものを見てやったのか、これからの展望に立ってそれを承認したのか、それはわからぬけれども、とにかく石油課長が言う今期における経営の問題、それとは違うのだ。それから答弁というか、政府の見解が一致していないわけだ。  それからもう一つは、ここでできるかどうかわからぬが、今問題になっている標準価格というのは撤回して、出直すつもりがあるのかどうか。これは今加藤先生からお話があったように、通産大臣、企画庁長官、総理大臣も来てもらって、当委員会としてははっきりしたいと思う。そうだとすれば、石油課長もおられるけれども、一応標準価格というものは伏せて振り出しに戻る、そういうことをやるかどうか。そうじゃなくてこのまま済めば、あとで通産大臣、企画庁長官、総理大臣を呼んで適当に答弁させますじゃ困るわけだ。どうですか。今までわれわれは聞いていても納得しがたい。物価政策そのものでなくて、産業のあり方をどう規定しているのか、これではわからぬ。そういう点、局長さんいかがですか。
  120. 向坂正男

    ○向坂説明員 私だけでその点答弁いたしかねますので、帰ってよく相談してから答弁いたしたいと思います。
  121. 木村俊夫

    木村委員長 次会は来たる十一日火曜日午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十六分散会