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石山委員 交換文書の
趣旨からすれば、これは
事前協議の
対象にならぬことはあたりまえです。ただし、
協議会を開いておれば、極東の安全、東南アジアの平和というふうなものを論ぜられるわけなのでしょう。私はなぜ開かなかったかということを第一に言っている。ヨーロッパから問題が東南アジア等に移るということに対して、十分にこれは
協議する価値があるわけなのです。それからこれからもこういう類似なことが起こった場合に布石になるじゃございませんか。われわれとしては、
アメリカが無理して
軍隊をベトナムあるいはラオス等に出兵さすことはいけないということも言い得るじゃありませんか。
協議会を開かなくては何も言えないではございませんか。それを私は言っているわけなのです。
協議会はこの条項以外は話をしてはいかぬという建前じゃないでしょう。
日米対等なんだ。
アメリカが脅威を感じなくても、
日本は脅威を感ずる場合があるでしょう。大ありなんだ。東南アジアに関して
アメリカは出兵しても、助けてやるのだといういばり方のような
格好で
タイに出兵をしたろうと思う。だけれ
ども、われわれはそのことを脅威に感ずるんだ。脅威という問題はこの中にあるのじゃございませんか。脅威というのはちゃんとある。それで厳に慎めと言っているのですよ。武力による威嚇または武力の行使を慎むことを約束するとある。その同盟国の一方が
タイに出兵するということは、
事前協議の
対象にはならぬだろうけれ
ども、
協議会を開いてあれば、われわれはわれわれの言い分をこの
会議に出すことができるじゃありませんか。もっともあなたみたいに、
タイに出兵することはいい、いいと言っていれば、これは何ら
協議の価値がなかったかもしらぬけれ
ども、われわれはそう思わない。
タイ、ベトナム、ラオス、南北朝鮮、これはいつ導火線になるかわからないという情勢でしょう。そういう場合における真の
意味の
日本民族の平和のために、やはりわれわれはいつの場合でも
アメリカに強い発言権を持つ、そしてたくさんの機会を持つという工夫がなされなければならぬにかかわらず、こういう情勢上にありながらも
協議会を開かぬ、これはわれわれなかなか納得できないことなんです。
タイの問題はたまたま条件がよかったということであって、このことはだれも判定する能力がないと思う。われわれは脅威を感ぜざるを得ない。ですから、
自衛隊としては早急に開くという努力を重ねて
——日本に対して何ら
事前協議の
対象でないからといって
タイに出兵をする、ラオスに出兵をする、
条約上は影響ない、しかし、実際の政治問題、経済問題には大影響があるということでしょう。軍事的にも影響があるということでしょう。ですから、私は、やっぱり早く開いていただいて、国会でも脅威を感じている分子がかなりいるということ等を含めて、極東情勢、東南アジア情勢というものを再検討する必要があるのではないかと思うのです。