運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1962-03-13 第40回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十七年三月十三日(火曜日) 午前十時四十分
開議
出席委員
委員長
有田
喜一君
理事
岡本 茂君
理事
神田 博君
理事
齋藤 憲三君
理事
始関
伊平君
理事
岡田 利春君
理事
多
賀谷真稔
君
理事
中村
重光君 藏内 修治君 澁谷 直藏君 白浜 仁吉君
中村
幸八君 南 好雄君 井手 以誠君 田中 武夫君 滝井 義高君
伊藤卯四郎
君
出席国務大臣
通商産業大臣
佐藤 榮作君
出席政府委員
通商産業政務次
官 森 清君
通商産業事務官
(
大臣官房長
) 塚本 敏夫君
通商産業事務官
(
石炭局長
) 今井 博君
通商産業鉱務監
督官
(
鉱山保安局
長) 八谷 芳裕君
通商産業事務官
(
公益事業局
長) 樋詰
誠明君
委員外
の
出席者
議 員
勝間田清一
君
大蔵事務官
(
理財局資金課
長) 鈴木 喜治君
通商産業事務官
(
石炭局炭政課
長) 井上 亮君
労働事務官
(
職業安定局調
整課長
) 北川 俊夫君 専 門 員 越田 清七君
—————————————
三月九日
鉱山保安法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一二四号) 同月十二日
石炭鉱業安定法案
(
勝間田清一
君外二名
提出
、
衆法
第一九号)
炭鉱労働者
の
雇用
安定に関する
臨時措置法案
(
勝間田清一
君外二名
提出
、
衆法
第二〇号) は本
委員会
に
付託
された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
石炭鉱業合理化臨時措置法
の一部を
改正
する法
律案
(
内閣提出
第七六号)
産炭地域振興事業団法案
(
内閣提出
第七七号)
鉱山保安法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一二四号)
石炭鉱業安定法案
(
勝間田清一
君外二名
提出
、
衆法
第一九号)
炭鉱労働者
の
雇用
安定に関する
臨時措置法案
(
勝間田清一
君外二名
提出
、
衆法
第二〇号) ————◇—————
有田喜一
1
○
有田委員長
これより
会議
を開きます。 去る三月九日
付託
になりました
内閣提出
、
鉱山保安法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
として、まず
政府
の
提案理由
の
説明
を求めます。
森通商産業政務次官
。
森清
2
○森(清)
政府委員
今回
提出
いたしました
鉱山保安法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案理由
及び
要旨
を御
説明
申し上げます。
鉱山保安法
が
昭和
二十四年に施行されまして以来、すでに約十三年を経過し、この間において、
鉱山
の
保安
の状況は、漸次改善され、
鉱山災害
は、減少の
傾向
にありましたが、最近におきまして、特に
石炭鉱山
において、御承知のような
重大災害
が発生いたしまして多くの
罹災者
を生じましたことは、
政府
としてまことに遺憾とするところでございます。 これがため、
政府
におきましては、昨年五月
閣議決定
をもって
鉱山保安対策
を強力に
推進
することとし、
保安監督
の
強化
、
保安施設等
の設置についての融資及び
補助
、
石炭鉱山保安臨時措置法
による
措置等
を講じて参っている次第であります。 特に
鉱山保安
に関する
法規
につきましては、さきの
国会
の御
決議
にもございましたように、
鉱山
における
保安
の
確保
の基礎をなすものでありますので、その根本的な
検討
を行なうこととし、現在
検討
を進めております
鉱業法
の
改正
におきましても、
鉱山保安
の
見地
からする十分な配慮をするとともに、
鉱山保安法
につきましては、その
改正
及び運用の各般にわたって、
中央鉱山保安協議会
において
慎重審議
を行なって参ったのでありますが、このたび、当
協議会
において、すみやかに、
法改正
を要するものとして結論を見た
事項
について
中間答申
がなされましたので、これに基づいてここにこの
法律案
を
提出
することとした次第であります。 次に、本
法律案
の
要旨
を御
説明
申し上げます。
改正
の第一は、
鉱業権者
は、
保安委員会
に対して、
保安
に関する
重要事項
を通知しなければならないものとしたことであります。
保安委員会
は、
保安管理者
の
保安
に関する
重要事項
についての
諮問機関
であり、
鉱山
の
保安
の
確保
のためには、これが積極的に運用されることが肝要でありますので、少なくとも、
通商産業大臣
、
鉱山保安監督局長
または
部長
の
鉱業権者
に対する
保安
に関する
命令等
の特に
保安
に関する
重要事項
につきましては、
鉱業権者
がその
内容
を
保安委員会
に通知しなければならないこととして、
保安委員会
においてこれらに関する
改善対策等
がその
議題
となるよう
措置
したものであります。
改正
の第二は、
鉱業権者
がその
使用人
以外の者を
鉱山
の
作業
に従事させる場合の
規制
であります。 近年、
鉱業権者
がその
使用人
以外の者を
鉱山
における
作業
に従事させる事例が増加しており、このようないわゆる
請負作業
におきましては、その性質上
鉱業権者
の
保安
のための指揮が必ずしも徹底していない面もあり、
災害発生
の
可能性
を高からしめておりますので、
請負
については、あらかじめ
届出
を要することとし、
鉱山保安監督局長
または
部長
は、
保安管理
の面その他
届出
にかかわる
事項
のうち、
保安
上不適当と認めるものについて必要な
変更
を命ずることができるものとして、
作業
の安全を期した次第であります。
改正
の第三は、
鉱山保安協議会
についての
改正
であります。 従来、
鉱山保安協議会
の会長は、
中央
においては
通商産業大臣
、
地方
においては
鉱山保安監督部長
となっていたのでありますが、これをそれぞれ、
学識経験者
である
委員
のうちから
委員
が選任することといたしますとともに、新たに部会を置くことができることとして同
協議会
の民主的かつ円滑な運営をはかることとしたのであります。
改正
の第四は、
罰則
の
強化等法規
の
順守
を
確保
するための
規制
を
強化
したことであります。
鉱山保安
の
確保
の
基本
は、
鉱山保安法規
の
順守
にあることは、もちろんであります。このためには、
鉱業権者
、
鉱山労働者
の
保安
に関する理解と認識に基づいた
順法意識
の自発的な高揚をはかることが肝要であることはもとよりでありますが、
法規違反
により生ずる
鉱山
の
災害
の
人命等
に対する影響の
重大性
にかんがみまして、法の面におきましても、この
改正
により
罰則
を
強化
するとともに、
鉱山保安法規
に違反した
鉱業権者
に対しては、
鉱山保安監督局長
または
部長
が
鉱業
の停止を命ずることができることとして、
鉱山保安法規
の一そうの
順守
を促すこととしたのであります。 以上がこの
法律案
の
提案理由
及び
要旨
でありますが、その他の点に関する
鉱山保安法
の
改正
につきましては、今後における
中央鉱山保安協議会
の
審議
の結果及び現在
検討
中の
鉱業法
の
改正
の
内容等
を勘案して、慎重に
検討
を進めて参る所存であります。 何とぞ、御
審議
の上御賛同下さるよう切に希望いたす次第でございます。
有田喜一
3
○
有田委員長
これにて
提案理由
の
説明
は終わりました。 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。 ちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
有田喜一
4
○
有田委員長
速記
を始めて。 それでは、午後三時より再開することといたし、暫時
休憩
いたします。 午前十一時四分
休憩
————◇————— 午後三時三十六分
開議
有田喜一
5
○
有田委員長
休憩
前に引き続き
会議
を開きます。 昨十二日
付託
になりました
勝間田清一
君外二名
提出
、
石炭鉱業安定法案
及び
炭鉱労働者
の
雇用
安定に関する
臨時措置法案
を
議題
として、まず
提案者
に
提案理由
の
説明
を求めます。
勝間田清一
君。
勝間田清一
6
○
勝間田議員
ただいま
議題
になりました
石炭鉱業安定法案
につきまして、
提案者
を代表し、その
提案理由
の
説明
を申し上げます。 今日の
石炭鉱業
の
危機
は、
わが国石炭産業
の
前途
にはかり知れない暗影を投じているのみならず、
産炭地域
におびただしい
失業者
を停滞させ、
関係自治体
は衰退の
一途
をたどり、
炭鉱労働者
を生活不安のふちに追い込み、重大な社会問題を醸成せしめているのであります。 この
危機
を打開するために、本院は、去る三十九
臨時国会
において、
石炭産業
の
危機打開
に関する
決議
をし、
石炭産業
を安定させるために、当面の緊急諸問題の
解決
を
政府
に強く義務づけたのであります。しかるに
政府
は、この
決議
を尊重せず、当面する
緊急課題
の
解決
すら回避して、
首切り合理化
と呼ばれる
スクラップ・アンド・ビルド政策
の一そうの
強化
、
推進
を提案してきたのであります。 急激な
消費構造
の変化に対応して、今日最とも強く
石炭産業
に求められているのは、その構造的な欠陥を抜本的に
解決
することであります。従来の
整備計画
に加えて新たに
昭和
三十七年度から三カ年
計画
で六百二十万トンを追加
整備
するような
政府
の
合理化計画
で
石炭危機
が打開できるとするならば、これはあまりにも安易な
政策
といわざるを得ません。というよりもむしろ、ますます
石炭産業
を
混迷状態
に追い込むことは明らかであります。しかも
石炭資本
は依然として、
首切り
と大巾な
賃金
の
切り下げ
、
労働条件
の
引き下げ
のための第二
会社
、
租鉱権
への
分離政策等一連
の
労働者
への
犠牲
のみを強行する態度を変えていないのであります。
石油
の
自由化
を今年秋に控えて、こうした
合理化計画
は、一そう過酷な
方向
へと進もうとしております。このような
事態
に直面して
炭鉱労働者
は、
石炭政策
の
転換
を要求して、
ゼネスト体制
を
確立
し、
関係地方自治体
初め多くの
国民
がこの戦いを全面的に支援して、
政府
に
総合エネルギー政策
の
確立
、
石炭産業
の安定を強く迫っているのであります。今こそ、
石炭需要
を
長期
に安定させ、しかもコストを
切り下げ
て、
雇用
は
拡大
させる
政策
をとることは、今日われわれに課せられた緊急の
政治的課題
であり、
国民
の切実な要望にこたえる道であると考えるのであります。
石炭鉱案
の
重要性
は、今日依然として減じていないのであります。その一つは
わが国
将来の
エネルギー需要
の面から指摘できます。
エネルギー
総
需要
の伸びは、
国民経済
の
成長テンポ
とほとんど並行して増加の
一途
をたどり、
政府
の
所得倍増計画
におきましても
昭和
四十五年度には
石炭換算
で二億八千万トン以上と見込まれているのであります。この
エネルギー需要
の驚異的な
拡大
に対する
供給源
としての水力はその
開発
がすでに限界に達し、また、原子力にしてもその
実用化
に相当の曲節が予想される
状態
において、
輸入燃料
にのみ依存する考えは間違いであり、
石炭鉱業
に課せられた役割は依然として無視することはできません。しかも、
わが国
の
石炭
は、今日の
出炭ペース
で進んでも、なお百年以上もの
確定炭量
を埋蔵しており、
国内エネルギー資源
に乏しく、また
国際収支
に
弾力性
が少ない
わが国
においては、最大の
エネルギー源
であります。 その二は、
エネルギー供給
の
安全性
の
保障
の面から指摘できます。
世界各国
とも、
エネルギー供給
の
安全性
の
保障
については異常な関心を示し、その
供給源
の
分散化
が進められていることは、最近海外の
エネルギー政策
を視察してきた各
調査団
の報告で毛強調しているところであります。とくに英、仏、
西ドイツ等
の諸国では六割から八割を
国内エネルギー資源
としての
石炭
に依存しているのであります。
輸入エネルギー
への
依存度
を無
計画
に高めていくことはきわめて危険だといわねばなりません。 その三は、
雇用
の面から指摘できます七
石炭鉱業
における
雇用吸収率
は他
産業
に比して非常に高く、
機械工業
とともに今後もその
傾向
を低めるものではありません。
労働市場逼迫
といろ最近の
現象
があるとはいえ、なお
外数
の
潜在失業者
を有し、年々百万人以上もの
生産年令人口
の増大する
わが国経済
において、
雇用
問題は
経済政策
の
中心課題
であり、かかる
観点
からも
石炭鉱業
の地位はゆるがせにできないのであります。 このように重要な
エネルギー産業
である
石炭鉱業
に対して、わずかな
資金融通
による細々とした
近代化計画
や、
弱小炭鉱
の買い
つぶし等
の
消極的政策
で
解決
できるほど、問題は簡単ではありません。
石炭鉱業
はすでに
資本主義的経営自体
に対しても、鋭い改革のメスが加えられなければならない段階にきているのであります。
イギリス
における
炭鉱国有化政策
を初め、
西欧各国
とも
公有化
その他の特殊な
経営形態
のもとに、
国民経済
の
拡大発展
に寄与させるものであります。こうした世界的な
傾向
から、
ひとりわが国
だけがおくれた投げやりな
石炭政策
を進めることは許されません。 従って
社会党
は、今日
石炭鉱業
が当面している
危機
な打開し、
構造的欠陥
を克服して、これを将来の
わが国重要エネルギー源
としての要請にこたえさせるため、
長期
的な展望を持った
抜本的対策
を講ぜんとするものであります。 まず第一に、
石炭
の
生産過程
に対するわれわれの
基本
的な考え方を明らかにいたしたいと思います。
わが国
の
石炭鉱業
は稼行の進捗に伴って、
採掘地域
が漸次深部に移行し、坑道の維持、通気、排水、
運搬等
の経費が増加するため
生産費
の増大を見ております。これを
最小限度
に食いとめ、さらに高炭価問題を解消するためには、合理的、
計画
的な
開発
を行なって
炭鉱
の
若返り策
が講ぜられなければなりません。
生産体制
の
集約化
は、そのための
前提条件
であります。前近代的な古い
生産機構
である
鉱区
の独占はすみやかに排除し、
鉱区
の
整理統合
を断行して、
炭鉱
を
適正規模
に再編成することが最も肝要であります。さらに、
休眠鉱区
の解放も行なわれなければなりません。これらの諸
課題
は業者間の
自主的解決
では不可能であり、法の
強制力
を必要とするものであります。 第二は、
流通過程
における
整備
の問題であります。
石炭
の
流通機構
は
昭和年代
になってからだけでも、
過剰貯炭
を処理するために
昭和石炭株式会社
、戦時中の
日本石炭株式会社
、戦後
経済再建
のための
配炭公団
、そして最近では
昭和石炭等
の
設立
を見ているのであります。このことは単に
石炭
が
重要物資
であるためのみでなく、
石炭需給関係
の
調整
の
困難性
を物語るものであります。
需給関係
を
調整
し、
価格
の安定をはかるためには、
流通機構
の
一元化
こそ絶対に必要なのであります。 第三は、
石炭
の
需給
を
計画化
し、その
安定的確保
をはかることであります。
石炭鉱業
はその持つ特性から必然的に
需給
の
計画化
を要求いたします。しかも、その
計画化
は
長期
に進められなければなりません。
政府
は今日、
石炭需要
の減退に対して
縮小生産
の
方向
をとっているのでありますが、これでは問題の高炭価をも
解決
できないのであります。高いレベルの
拡大生産
こそ必要なのであります。さらに、積極的に新
需要
の
開拓等
が講ぜられなければなりません。このためには
社会党
は、
固体燃料
としての
石炭
を流体化し、電気や
ガス等
の
流体エネルギー
に
転換
して、
石炭需要
の
拡大
をはからんとするものであります。 以上の
見地
から、
石炭鉱業
の当面している
危機
を打開し、その安定を期するため、本
法案
を提案する次第であります。 以下、本
法案
の
内容
を簡単に御
説明
申し上げます。 第一章総則は、
目的
と定義についての
規定
であります。
石炭鉱業
の
基幹産業
としての
重要性
にかんがみ、
石炭鉱業
の継続的安定を期するには、
石炭
の
生産
の
近代化
を
推進
するとともに、
流通機構
を
整備
して、その
価格
の低下をはかり、その
需要
を
拡大
するための諸施策を
実施
することを
目的
といたすものであります。 第二章は
石炭鉱業近代化計画
に関する
規定
でありますが、五年ごとに
石炭鉱業安定基本計画
及び毎年、
石炭鉱業安定実施計画
を定め、
政府
は
実施
すべき工事に必要な
資金
の
確保
に努めるよう
規定
したのであります。 第三章は、未
開発炭田
の
開発
についての
規定
であります。
石炭資源
の
開発
が十分に行なわれていない
地域
であって、
石炭鉱業
の安定のためにはその
開発
を急速かつ
計画
的に行なう必要がある
地域
を指定し、
基本計画
に従って
石炭資源
の
開発計画
及び
実施計画
を定める旨の
規定
をいたしたのであります。 第四章は、
石炭鉱業開発株式会社
に関する
規定
であります。未
開発炭田
の
開発
を
目的
として
石炭鉱業開発株式会社
を
設立
し、
政府
は常時
会社
の
発行済み株式総数
の二分の一以上を保有する等のほか、
会社設立
に伴う所要の
規定
を設けたのであります。 第五章は、
採掘権
及び
鉱区
の
整理統合
並びに
坑口
の
開設
の
制限
についての
規定
であります。
鉱業権
の交換、売り渡し、
鉱区
の増減については
鉱業法
に
規定
するところでありますが、特に、
安定実施計画
で定めるととろに従って急速かつ
計画
的な
開発
を行なうために
鉱区
の
整理統合
はきわめて必要でありまして、
政府
は適切な
措置
をとらなければならないとしたのであります。
坑口
の
開設
についても
許可制
といたしました。 第六章は、
需給
の安定についての
規定
であります。
政府
は毎年、
石炭関係
及び
学識経験者
よりなる
石炭鉱業安定会議
の意見を聞いて
需給計画
を定め、その
需給計画
に基づいて
鉱業権者
、
租鉱権者
に対し
生産数量
の指示をするものといたしたのであります。
石炭
の
需要
を増加させるため、
都市ガス
、
火力発電
、
石炭化学等
に対し、
資金
の
確保
その他適切な
措置
をとるべき旨の
規定
を設けたのであります。 さらに前述のごとき
観点
よりして、
石炭販売
の
一元化
を行なうこととし、それがために
石炭販売公団
を設け、
石炭
の一手買い取りを行なうことといたしたのであります。しかし
石炭販売公団
が全
生産量
を取り扱うことは実際上困難でありますので、
鉱業権者
または
租鉱権者
をしてその
販売
の
業務
の一部を代行させることといたしたのであります。また、
小口需要
については
販売業者
を指定して、その
販売
をさせることといたしたのであります。
近代化
による
生産費
の
引き下げ
が
価格
に反映するために、
政府
は
買取価格
および
販売価格
を
決定
することといたしました。
買取価格
をもってしては
石炭
の
生産費
を償うことができないものにつきましては、
価格調整金
の制度を設けたのであります。 第七章は、
石炭販売公団
についての
規定
であります。
公団
の
資本金
は百億円とし、
政府
が全額出資することといたし、役員、
業務
、会計、
監督
についてそれぞれ
規定
を設けました。 第八章は、
炭鉱補償事業団
についての
規定
であります。
政府
の
石炭
の
需給調整措置
の
実施
に伴い、
石炭調整金
を含む
買取価格
をもってしても採算がとれなくなったため、
事業
を休廃止するのやむなきに至った
鉱業権
または
租鉱権者
の
事業
について、
採掘権
の買収、
鉱山労働
に対する救済、
鉱業等
に対する
善後措置
を講ずるため、
炭鉱補償事業団
を設置することといたしたのであります。これに要する財源としては
石炭販売公団
からの
納付金
のほか、
国庫補助
の道も講じたのであります。離職する
労働者
に対しては
平均賃金
の六十日分を支給すると同時に、
未払い賃金
については
債務者
たる
採掘権者
または
租鉱権者
と
炭鉱補償事業団
との
連帯債務
としたのであります。また、
鉱害賠償
に関する裁定についても必要なる
措置
を講じました。 第九章は、
石炭鉱業安定会議
についての
規定
であります。この
安定会議
は
石炭鉱業安定基本計画
並びにその
実施計画
の
決定
、
採掘権
または
鉱区
の
整理統合
、
需給計画
の
決定
、
生産量
の
決定
、
買取価格
、
販売価格
の
決定
、
雇用
の安定その他この
法律
に関する
重要事項
を調査
審議
するため、
鉱業権者
及び
租鉱権者
、
労働者
、
石炭
の
消費者
、
炭鉱所在
の
地方公共団体
を代表する者、
学識経験者
をもって構成することといたし、これに関する
規定
を設けました。 第十章雑則、第十一章
罰則
といたし、
法律施行期日
は公布の日から九十日以内に政令で定めることといたしたのであります。以上、この
法案
の概要について
説明
申し上げた次第であります。
日本社会党
といたしましては、
わが国エネルギー源
における
石炭鉱業
の
重要性
にかんがみ、
石炭鉱業
の安定をはかり、もって
国民経済
の健全な発展に寄与せんとするため、本
法案
を
提出
いたした次第であります。
議員各位
におかれては何とぞ御
審議
の上、本
法案
に賛意を表されんことを切にお願いするものであります。 引き続いて、ただいま
議題
になりました
炭鉱労働者
の
雇用
安定に関する
臨時措置法案
につきまして、
提案者
を代表し、その
提案理由
の
説明
を申し上げます。 重大な社会問題に発展した現下の
石炭鉱業
の
危機
を打開するため、去る第三十九回
国会
に衆議院本
会議並び
に
参議院商工会委員会
において、
石炭産業
の
危機打開
に関する
決議
をし、
政府
に対し
総合エネルギー対策
の
確立
と当面する緊急問題の
措置
を強く義務づけたのであります。ことに
労働者
の
雇用
安定についてはその
決議
に「
炭鉱労働者
の
雇用
の
確保
に努めるとともに、
労働者
の
雇用
安定については、最大限の努力を払い、
転換職場
と
生活保障
のない
合理化
とならないように指導を行なうこと。」と述べているのであります。 本来
石炭鉱業
の
合理化
は
生産体制
の
集約化
でなければなりません。第一次
大戦
後のドイツの
炭鉱
の
合理化
は
切羽集約
による
機械化的合理化
であり、第二次
大戦
後の
イギリス
、フランスの
合理化
は
鉱区整理統合
による
適正規模炭鉱
への再編成であり、そのための
国有化
、
公社化
であったのであります。しかるに現在進行している
合理化
の態様は、依然として
政府
の買い
つぶし
による
整備計画
の遂行と、
経営者
の
首切り
と
賃金
その他の
労働条件
を大幅に
切り下げ
ることを
目的
とする第二
会社
、
租鉱権炭鉱
への移行に終始し、全く
労働者
への
犠牲
のみによって強行されているのであります。しかもこうした非
近代的合理化計画
は、
石油
の
自由化
を前に、一そう
強化
の
方向
に進もうとしているのであります。
中高年令層
の多い
炭鉱離職者
の
就職
はまことに至難なことであり、
政府
の
炭鉱離職者対策
の
推進
も、その何分の一しか救済されていないのであります。ことに、
失業者
の多数滞留した
産炭地域
に
受け入れ体制
のないままにこれ以上
失業者
を増加させることは、全く人道上ゆゆしき問題であり、
政府
としては極力防止すべきであるのであります。このような
事態
に直面し、
炭鉱労働者
は
炭鉱
の
前途
に全く希望を失い、かえって若い者、技術を身につけている
労働者
は逐次
炭鉱
を去りつつある
現象
が現われ、近き将来
炭鉱
は
労働力
の面より
産業そのもの
の基盤を失うことすら憂慮されるような
状態
になっているのであります。ゆえに
炭鉱労働
に対してその生活の
保障
を行なうとともに、安定した
転換職場
のない限り
解雇
は行なわないようにして
炭鉱労働者
の不安を一掃することが肝要であります。 本
法案
は、
炭鉱労働者
の
最低賃金制度
の
設定
とともに、
炭鉱労働者
の
雇用
の安定をはかることにより、
石炭鉱業
の安定を期せんとするものであります。 本
法案
の
規制
の第一は、一時
大量解雇
の場合における
解雇制限
であります。この法の趣旨は、
西ドイツ
の
ヴイルテンベルグ・バーデン邦
における、
大量解雇
における
従業員保護
に関する
法律
並びに連邦の
解雇制限法
と大体同様なものであります。すなわち再
就職
が困難であると認められる場合においては、その
解雇
はこれを認めずして、
当該経営者
に
雇用
を継続する
社会的義務
を負わせようとするものであります。このことは
政府
並びに
経営者
をして
転換先
の
安定職場
の
確保
に努めさせ、このことにより
離職者対策
は血の通ったものとして著しく前進することになると考えるのであります。 次に本
法案
の
規制
しようとする第二の問題は、最近とみに多くなった
大手炭鉱
の第二
会社
の
設立
、
租鉱権
の
設定
という、
経営形態
の
変更
による
労働条件大幅切り下げ政策
の
禁止
と、
請負夫
という
雇用形態
の
変更
による低
賃金政策
の
禁止
の問題であります。第二
会社
といい、
租鉱権
といっても従来と同じ
大手炭鉱
が、その採掘された
石炭
は自己の銘柄として
販売
しているのであり、ただ
経営形態
を変えることにより、
賃金
の三分の一程度の
切り下げ
を初め
福利厚生費等
の削減、
農民関係被害者
への
鉱害補償
の
軽減等
により、利潤を得んとするものであります。これは
資本主義経済
における真の
合理性追求
の
政策
ではなく、
わが国資本主義経済
における低
賃金
を利用しての
合理化
であって、
福祉国家建設
を目標とする現
政府
としては許容してはならない問題であります。 また
請負夫
、臨時夫の問題は、単に
炭鉱
のみではなくして、他
産業
にも見受けられるところでありますが、最近
炭鉱
の経営不振に伴い急激に
請負夫
が増加し、昨年七カ所の坑内爆発事故中、四カ所までが
請負夫
の
作業
現場であり、全く放置できない
状態
にあるのであります。坑内
作業
というきわめて
保安
上危険な個所に、しかも基幹職場に、
保安
教育も十分なされない
請負夫
の使用は当然
禁止
すべきであると思うのであります。これらの
禁止
は
大手炭鉱
より第二
会社
中小
炭鉱
へ、さらに中小
炭鉱
より
租鉱権
零細
炭鉱
へという非近代的
合理化
方式の悪循環を断ち切り、
政府
並びに
経営者
に対し、安易な方法を避けて真の
生産体制
集約化
という
近代化
方向
をとらし、
石炭鉱業
安定への道に向わすことになると思うのであります。以上の
見地
から本
法案
を提案いたした次第でありますが、以下
法案
の
内容
を簡単に御
説明
申し上げます。 第一条、第二条はそれぞれ
目的
並びに定義について
規定
いたしました。
目的
は、前述したごとく一時に大量の
炭鉱労働者
が
解雇
されることによりその再
就職
が困難となる
事態
の発生及び
炭鉱労働者
の
労働条件
の低下を防止するため必要な
措置
を講じ、もって
炭鉱労働者
の
雇用
の安定をはかろうとするものであります、本
法案
は
法案
の性格上、臨時
措置
法として三年間の臨時立法といたしたのであります。 第三条は、
解雇制限
は一時に
大量解雇
しようとする場合は三カ月前までに
提出
し、労働大臣の承認を必要とすることにいたしました。しかし、
保安
上危険であるとして廃止の勧告を受け
事業
を廃止する場合は、これを要しないことにいたしました。
炭鉱労働者
の再
就職
が困難であると認められる場合には、承認してはならないことといたしました。これに対しても当該
鉱業権者
の
石炭鉱業
の
事業
の全部の継続が不可能である場合は例外
規定
を設けました。 第四条は、承認を与えなかったことにより欠損を生じた
鉱業権者
に対しては、
炭鉱離職者
臨時臨置法に
規定
する
雇用
奨励金相当額を補給金として支給するものといたしました。 第五条は、
鉱業権
の譲渡を受け
租鉱権
の
設定
による
事業
が、従前よりも
賃金
その他の
労働条件
の低下を企図するものであると思われるときは、当該
事業
にかかる
坑口
の使用は
禁止
されることにいたしました。 第六条は、坑内
作業
に従事する
労働者
は縦坑
開発
その他省令の定める若干の例外を設け、
鉱業権者
の直接
雇用
する者に限ることといたしました。 第七条は、労働大臣の
諮問機関
として
労働者
、
鉱業権者
、
学識経験者
三者によって構成される
炭鉱労働者
雇用
安定
審議
会を設け、
解雇制限
の場合の
審議
並びに
雇用
安定の場合の調査
審議
をいたすことにいたしました。 第八条は、労働省令への委任、第九条以下は
罰則
を
規定
いたしました。 以上が
法案
の
内容
でありますが、本
法案
は
炭鉱労働者
のきわめて熱烈な要望
事項
であり、本
法案
の制定は緊急な社会的問題の
解決
となり、
石炭鉱業
安定に資するものであることを確信し、提案いたした次第であります。従って、
議員各位
におかれては、何とぞ慎重御
審議
の上、賛意を表されることをお願いする次第であります。 特にこの際、
委員長
並びに議員の皆さんにお願いをいたしたいと思います。
石炭産業
の問題につきましては、
委員長
初め各議員の皆さんが、非常に御熱心に今日まで
審議
を続けていただき、過般の
国会
においては
決議
案まで上程していただいたのであります。離職者の面については、若干の成果をおさめたことも確かであります。また
近代化
に要する
資金
等についても、若干の増加を見たことも明らかであります。しかし現に働いている
鉱山
の
労働者
の今日の状況は、第二
会社
、
租鉱権
あるいは引き続く
首切り
、これによって、全く困難な
状態
に陥っておるのであります。従って、どうか議員の皆さんにおかれましては、従来の御熱意をさらに一歩前進させて、現に働いている
炭鉱労働者
の生活の安定というこの一点に、どうか皆さんの御努力を切にわずらわしたいということを、この際申し添えて、私の
提案理由
を終わる次第であります。(拍手)
有田喜一
7
○
有田委員長
これにて
提案理由
の
説明
は終わりました。 両案に対する質疑は、後日に譲ることにいたします。 ————◇—————
有田喜一
8
○
有田委員長
次に、
内閣提出
、
石炭鉱業合理化臨時措置法
の一部を
改正
する
法律案
及び
産炭地域振興事業団法案
を
議題
として、前会に引き続き質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので。これを許します。
始関
伊平君。
始関伊平
9
○
始関
委員
ただいまこの
委員会
で
審議
中であります
石炭鉱業合理化臨時措置法
に関連しまして、
炭鉱
の
合理化
資金
などいわゆる
資金
対策に問題を限定いたしましてお尋ねしたいと思います。 昨年の十月三十一日に、衆議院の本
会議
で、三派共同提案のもとに、
石炭産業
危機打開
に関する
決議
というものが行なわれたのでありますが、その一番大きな柱の一つは、
石炭産業
の
近代化
、
合理化
ということでございまして、そのために必要な
資金
を大幅に
確保
するものとするということになっておりますことは、御承知の通りでございます。
石炭
対策は
離職者対策
あるいは産炭地振興その他いろんな面で前進して参っておるのでございまして、その点、大臣初め
政府
当局の労を多とするものでございますが、一番大事な
資金
対策については、遺憾ながら十分であるとは申しかねる。これは国家
資金
の投入についてもそうでありますが、私が特にここで注目したいと思いますことは、興銀なりあるいは長銀なりを初めとする市中銀行の動向でございまして、運転
資金
の方は別として、設備
資金
についてはいずれも逃げ腰でございまして、この
傾向
は三十六年に入りましてから特に顕著であります。ただいまお手元に表をお配りしましたが、これは
石炭
協会の調査にかかるものでございまして、市中銀行の設備
資金
の貸し出しの期末残は、三十五年の二百七億に比べて、三十六年の上期末におきましては百九十八億というふうな減少を示しておるのであります。 こういったような事柄につきまして、私は大臣にお尋ねをしたいのでありますが、今日の日本では、
石炭産業
というものは民営という形で経営されております。しかし、民営でありながら、たとえば金融がうまくいかなければこれは全部
政府
の責任だ、自分たちの掘った
石炭
をどこでだれが買ってくれるか、それも
政府
が責任を持てといったふうに、今日の
石炭産業
というものは、実は民営企業としての実体をなくしておるといっても差しつかえないような
状態
であります。非常に遺憾であるし、また、世界じゅうにこんな醜態な企業というものはないだろうと私は考えております。そこで
社会党
の言うように、これを国有に移すということも考えられるのでございますが、私は、国有に移すということは、現状では必ずしも利口な、また有効なやり方だとは思いません。とすれば、この
石炭産業
が民営企業としてほんとうに自立のできるような、従って自分で
資金
の調達もできる、そういったような態勢を作ってやる、あるいはそういう環境を整えてやるというふうなことに、
石炭
対策のねらいというものがなければならないと思うのでございます。
政府
がいろいろな施策をおやりになる、また
政府
の方では、非常ないい
政策
だということで自画自賛しておられるようでありますが、
石炭
の
長期
取引というような
政策
をもっていたしましても、
石炭産業
は自信を取り戻すに至っておらない。またそれと相応いたしまして、ただいま申しましたように、商業金融機関というのは全面的に
石炭産業
にそっぽを向いておる、これは
石炭産業
が民営
産業
であるという建前から申しますと、非常に困ったものだと思うのであります。私は、
社会党
の言うように、いわゆる
石炭
の
政策
の根本の
転換
を考えるとかなんとかいうことを考えておるわけではございませんが、今日までの
政府
のやっております
石炭政策
では、何かきわめて重要な点において欠けておる点があるのではなかろうかという感じがいたすのでございますが、どうもばく然たる質問で恐縮ですけれども、その点大臣のお考えを伺いたいと思います。 それから第二点として、こういう
状態
のもとにおいて
石炭産業
の再建を考えていかなければならぬとすると、少なくともここしばらくの間は、設備
資金
についてはほとんどその全額を国家
資金
で見てやるよりほかはないじゃないか、と申しますのは、増資もできませんし、また市中金融もできない、しかも一方、
石炭産業
がつぶれちゃ困るのだ、
国際収支
あるいは
雇用
、
エネルギー
の安定供給というような点からいたしまして、五千数百万トンの
石炭
を
確保
することはどうしても必要だということになって、しかも商業金融が相手にしないということであれば、少なくとも設備
資金
については、その所要額のほとんど全部を国でめんどうを見てやるよりほかに——私はそういう議論をするのは非常にいやでございますが、ほかにないのじゃなかろうかという気がいたしますが、これが第二点。 第三点としましては、これに関連して長興銀初めいわゆる商業金融機関に
石炭
の
合理化
資金
の調達等について協力してもらうような方法というものはないものだろうかという、この三点を最初にお尋ねしたいと思います。
佐藤榮作
10
○佐藤国務大臣 ただいまお尋ねの点は、
石炭産業
の根本に触れた御議論でございます。私どもの悩みも、ただいま御指摘になったような点にあるわけであります。
石炭産業
が最近はいわゆる斜陽
産業
だといわれておる。その言葉を私とやかく言うわけではございませんが、他の
エネルギー
と競合し、そうしてその競争の
観点
に立つと、どうも経済的に立ち行かない非常に劣性な地位にある、そういう立場からこれに対して民間金融をつけるということ、これはコマーシャル・ベースで金融をするという考えに立つ限り、今のような
状態
に実はなるだろうと思います。問題は、
石炭産業
がいわれるごとく
基幹産業
であり、安定
産業
であり、相当の収益をここで生ずる
産業
である、こういうことが約束づけられ、そして同時にそのことを信頼されるということになれば、必ず一般の市中金融も金融の道が開けてくるだろうと思うのであります。 ところで、
石炭
の
産業
というものは一体どういう地位にあるのか、この
委員会
ができまして以来、いろいろ私どもの考えも申し述べました、また関係の方々も、そういう意味について
石炭産業
の
重要性
を強く説かれて参りました。私どもも
石炭産業
の
重要性
、これを認識し、しかもまた、これを斜陽
産業
というような立場に追いやる、あるいは将来末細りの状況に追いやるということは好ましいことではない。特に国内資源
開発
という意味においても、あるいは
石炭
エネルギー
の安定供給であるとか、あるいは
雇用
の問題等から見ましても、この
重要性
は十分認識しなければならない。これが困っておる点にやはり力を貸してやって、そうしてこれを自立できるようにする。ただいま国有論等が出ておりますが、私は
石炭産業
が国有でなければ立ち行かない、国有になれば必ず立つという、こういう結論はそう簡単に出すべきじゃないと思いますが、私どもの考え方からいたしますれば、自由経済のもとにおいてりっぱに育ち得る、りっぱに活動し得る
産業
に育成すること、これが第一の
目的
だと思います。しばしば申しますように、
基幹産業
として、安定
産業
としてやるということは、この前も私申し上げたのでございますが、相当の利潤を生む
産業
でなければならぬ。相当の利潤を生むように
合理化
を進めていくとか、あるいはそのための必要な機械設備を進めていくとか、あるいは
鉱区
等の
開発計画
を進めていくとかいうことにあるだろうと思います。だからこそ、
政府
自身も
近代化
についての積極的な支援をしておる。あるいはまた
需要
の
確保
という点について、あっせんし得るだけの
需要
の
確保
、そういう
方向
には努力して参ったわけであります。
長期
引取契約を結ばしたのも、その例だと思います。ところが、その本筋はおそらく納得していただけると思いますが、実際にはなかなか言う通りになっておらないのじゃないか、金融は行き詰まっておるのじゃないか。ただいま御指摘のような結果が出てくる。これを単にここ一、二年の特殊な状況からかような
事態
に追い込まれたり、あるいは金融の
状態
、あるいは
石油
の乱売とでも申しますか、そういうような結果から
石炭産業
にしわ寄せされた、こういうように見ることができるのか、本質的なものか、この点でありますが、おそらく、両々相待って今日のような苦境にあるだろうと思います。今回御
審議
をいただいておりますいろいろの
法案
なり、あるいは施策等にいたしましても、金額としては不十分ではございますが、ただいま御指摘の民間金融がうまくいかないから、そういう意味において世話をするという
観点
に立っておるのでありまして、一例を申し上げれば、
石炭産業
は運転
資金
の
確保
自身にも困っておる。だから、そういう意味で、運転
資金
を
政府
自身が世話する方法はないか。昨年は信用をつけるというか、信用保証というような立場で
政府
が金融のあっせんに乗り出しましたが、どうも信用保証供与の程度では十分ではない。今度は
政府
自身の
資金
で必要な
資金
を貸すようにしなければいかぬのじゃないか。これはどうも、それが退職金に使われるというようなことで、本来から申すと、退職金なら金融の道はつけるが、その他の所要の
事業
経営にはあとにしているんじゃないかというおしかりを受けるかもしれませんが、
合理化
を進めていく場合に、どうしても生ずる離職者に対してその手当もできないということはいかにも残念だ、こういう意味から、金額はわずかでありますが、退職金も直接
政府
が貸し付けるようにしよう、こういう道を開いたわけであります。ただいま御指摘になりましたように、協調融資等の道もございますし、あるいは
政府
の施策自身はわずかではあっても、呼び水的な効果が必ずあると思います。そういう意味の施策が今回開かれたわけであります。しかし、私どもこれをもって十分だとは考えませんから、さらに必要な場合には
政府
資金
あるいは
政府
関係金融機関の
資金
を豊富にする、あるいは協調融資あっせんの道を開くとか、積極的に金融についても相談に応ずべきだ、かように思います。一、二、三とおあげになりましたが、大体そういうような考え方で今取り組んでいる次第でございます。
始関伊平
11
○
始関
委員
私は、今の
石炭政策
に欠けておる一番大きな問題は、引取数量とかなんとかいうような数量の問題ではなくて、結局、最終的に
石炭
の
価格
がどのような点で安定が
確保
されるか、こういう
価格
政策
の問題になると思うのでありまして、そういう意味において、一番問題は
石油
価格
との関連の問題だと思うのでございますが、この点はいずれ
石油
業法の
審議
の際に、もう一ぺん一つ御高見を伺うことにいたしまして、先に進ませていただきます。 三十四年の三月を起点として千二百円の炭価
引き下げ
を目標として
合理化計画
が進められて参ったわけでありますが、このためには毎年どの程度の
合理化
資金
つまり設備
資金
が必要であるのか、これは中小と大手がございますが、私は話を簡単にするために大手だけについて伺いたいと思いますが、毎年必要とする設備
資金
の額いかん。それからその調達方法に、自己
資金
によるものを借り入れによるものと二つ考えられますが、その割合はどんなふうになっておるかというような点をちょっとお尋ねします。
今井博
12
○今井(博)
政府委員
合理化計画
を立てましたとき、
長期
の設備投資
計画
というものをそれに関連して樹立いたしました。その
計画
は三十五年から三十八年までの間に全体で、大手、中小合わせまして——今大手だけというお話でございましたが、大手だけで見ますると、この四年間で千三十一億の
計画
を立てた次第でございます。これを年度別に申し上げますと、三十五年度は二百七十八億、三十六年度は二百七十七億、三十七年度は二百四十四億、三十八年度は二百三十二億。当初は三十五年、三十六年に重点を置きまして、三十七年、三十八年は、その
計画
が達成されれば次第に
資金
量が減ってくる、こういうことで当初
計画
を立てた次第でございますが、三十五年、三十六年が当初
計画
通り
資金
の調達ができませんので、三十七年度、三十八年度につきましては、この当初
計画
を相当改定しなければならぬ、こういうふうに考えております。
始関伊平
13
○
始関
委員
そこで、またこの表をごらんいただきたいのでありますが、
合理化
が始まる前の年の三十三年は国家
資金
の年間純増額が三十五億、それに対して、民間
資金
が六十億、合計九十五億でありました。ところが
合理化
が始まるようになりましてから、三十四年度で七十億、さらに三十五年度では五十八億、それから三十六年上期だけでは十六億、これは下半期の方がやや多いかもわかりませんが、こういったような実情でございまして、ただいまお話しの二百七、八十億、あるいは、二百三、四十億というものに比べて、これは社内留保と申しますか、自己
資金
による分もあると思うのでありますが、
合理化
が始まってからかえってだんだん減っておるというのは、非常にいかぬのじゃないか。これで一体
合理化
ができるのかどうか、また、どういう理由でこうなったのかということを御
説明
願いたい。
今井博
14
○今井(博)
政府委員
三十三年度のここに出ておりまする数字は、三十二年度が御承知のように非常に好景気でございまして、相当
石炭
のポジションがよかったということと、三十三年度は、全体といたしまして、
エネルギー
の非常な不足が予想されまして、
長期
の
エネルギー
計画
としては七千万トンくらいの規模にしなければならないだろうというふうな議論も行なわれておりまして、従って三十三年度の設備投資
計画
は全体が実は非常にふくれ上がったわけでございまして、
石炭
のポジションもよかったという関係もありまして、年間の純増額が九十五億というふうに非常にふえた次第でございます。三十四年度以降につきまして漸次これが減少して参っておることは、いただきましたこの表で明らかな通りでございますが、この点は、最初に御指摘のように、興長銀関係、市中銀行関係、そういうものの
資金
調達が非常に苦しくなってきたということ、それから値段を順次下げておりますので、もうけがだいぶ減ってきた、そういうことに実は原因しているかと思います。従いまして、この点につきましては、必要な
合理化計画
が達成されないのじゃないかということで、実は非常に心配をいたしております。三十四年度、三十五年度につきましては、
基本
的な
合理化計画
、いわゆる大きな縦坑を掘るとか、大きな巻上機を作るとか、そういう
合理化
のかなめになるような
基本計画
につきましては、これは
資金
を十分に充当いたさせまして、この点については
計画
通り実はやって参っておるわけでございますが、遺憾ながらその他の付属的な設備、あるいは住宅とか、そういった点にしわが寄って参っておる。その関係の
資金
が漸次ショートしておる。この点が実は三十四、三十五年度の経過でございまして、三十六年度になりますと、順位の少しおくれておるそういう
合理化
工事にしわ寄せするということが今後は非常に実は困難になってくるのじゃないかと思いますので、この点については、
資金
調達について一段と努力いたさなければならぬ、こう考えておる次第でございます。
始関伊平
15
○
始関
委員
まあ過去のことはしようがございませんが、今日までの
合理化
資金
の調達は、
政府
のかけ声にかかわらず、実際上はうまくいっていないということがわかって参ったのであります。 それで三十六年度の問題でございますが、これは現在の問題ですから何か対策を考えればまだ間に合う、こういうわけだと思いますが、大手十八社の設備投資
計画
は当初二百七十七億だった。その後、
資金
調達難の実情からこれがおくれて参りまして、その
計画
も大体二百七十億に圧縮された。しかし、その二百七十億が全額
確保
できるのかと申しますと、そうではないようでございまして、
資金
の調達面では四十億程度の
資金
不足を生じておる。このままで推移しますと、今日まで金繰りが非常に窮屈になっております上に、さらに工事代金の支払い遅延とか、あるいは工事の繰り延べ等をしなければならない、そういったようなことで、企業の経営にも圧迫が加わり、また
合理化
も進まないというようなことで、非常に遺憾な
状態
になって、
合理化
基本計画
というものが実際上遂行できないということになると思うのでありますが、いかがでございますか。なおこれにつきまして、年度夫でございますが、大臣、何かお考えになっていらっしゃる点がございますれば、お聞かせをいただきたいと思います。なお、大蔵省もお見えになっていると思いますが、この点につきましてお考えになっている点がございましたら、あわせてお聞かせを願いたいと考えます。
佐藤榮作
16
○佐藤国務大臣 三十六年度の
資金
がショートしておる、これはただいま
始関
委員
の御指摘の通りでございます。過日来、事務当局で大蔵省ともいろいろ折衝しておる段階でございます。できることならば年度までに問題を片づけたい、かように思っておりますが、交渉の経過を事務当局から御
説明
をいたさせます。
鈴木喜治
17
○鈴木
説明
員 ただいま通産省から、いろいろ本年度の不足
資金
についてのお話でございます。まだ大蔵省全体といたしまして、どういう結論にするかきめてはございませんですが、われわれの今考えております段階で、私見になるかもしれませんが、それでよろしければお話し申し上げたいと思います。 開銀その他からいただきました本年度の不足
資金
の実情は、開銀から実は二十六億円ほどの要求がございます、通産省からはもうちょっと大きい数字だと思いますが、その
内容
を見ますと、国家
資金
の方は
計画
通りにいっております、調達面の方から見ますと、自己
資金
の減とそれから市中の減、これによりまして、この原因は、金に色はございませんからいろいろむずかしい点でございますが、主として
長期
の運転
資金
と申しますか、
整備
資金
による点が大きいというふうに分析されております。そういう関係もございまして、ただいまこの
委員会
で、来年度は直接
政府
資金
がそういう
長期
運転
資金
に出せるようなことを御
審議
願っておるわけでございます。ことしは、そういう事情でもございますし、なお、期間的に申しましても、すでに三月でございますので、四月早々現に御
審議
願っております
法案
が成立すれば、できるだけ早い時期に
事業
団を通じてそういう
資金
を流す。また場合によって、その結果なお不足の
事態
があれば、その際にいろいろ
検討
する、そういうことにしてはいかがかというふうにただいまのところ考えております。
始関伊平
18
○
始関
委員
実は退職金の金融の問題は、あとでお尋ねしたいと思ったのですが、退職金の方も足りないし、また三十六年度の設備
資金
の方も足りないし、両方ともそれぞれ足りないので、退職金の方を出すからこっちの方はよろしいのだというふうには参らぬと思いますが、その点は一つ通産、大蔵両省に善処をお願いいたしまして、次に進みたいと思います。 三十七年度の
資金
計画
というものを、大ざっぱでけっこうでございますが、お聞かせ願いたい。
今井博
19
○今井(博)
政府委員
三十七年度の設備の投資
計画
につきましては、まだ詳細は実は固まっておりませんが、当初われわれの
計画
としましては、二百九十億の
計画
をいたしておりましたが、
開発
銀行の
資金
の関係、それから興長銀の、先ほどから議論になっておりまする、むしろ回収増というふうな問題、それから自己
資金
関係で
計画
の若干修正というふうな点を考えますと、この二百九十億に対しまして、四、五十億減って参るのじゃないか、こう考えております。 なお、これの詳細なる
計画
につきましては、ただいま年次
計画
でもって
作業
をいたしておりますので、その上で詳細に御
説明
いたしたいと思いますが、これでは現在考えておりまする
合理化計画
の達成、千二百円ダウンという問題については、やはり三十七年度につきましては、先ほど申し上げましたようにいろいろな不要工事、と申しますと語弊がありますが、順位の低いところにしわ寄せするということが、三十五年度でほとんどその余地がなくなっておるという事情からいたしまして、三十七年度の投資
計画
につきましては、こういう
現象
が予想されますが、できるだけ一つ今後努力いたしまして、投資
計画
をふやすようにやってみたいと思っております。なお詳細は、年次
計画
を作りました上で御
説明
いたしたいと思います。
始関伊平
20
○
始関
委員
石炭局長
、開銀は幾らですか。
今井博
21
○今井(博)
政府委員
開銀は、三十七年度の
計画
は八十億です。
始関伊平
22
○
始関
委員
昨年は……。
今井博
23
○今井(博)
政府委員
昨年も八十億でございます。
始関伊平
24
○
始関
委員
せっかく大臣がいらしておりますから大臣にお答え願いたいと思うのですが、私どもが
資金
の大幅
確保
ということを申しました際に、一番頭の中にありましたのは開銀
資金
でございますが、昨年と同じではどうも大幅
確保
ということにはならないように思うのでございますけれども、これは適当な機会に何か考え直していただく余地があるものかどうか、その点ちょっと伺いたい。
佐藤榮作
25
○佐藤国務大臣 開銀
資金
の増加額をいろいろ協議をいたし、また折衝いたしたわけでございます。ところが開銀の総体の
資金
はなかなか困難な状況にあるものですから、やむを得ず八十億というところで最終的に
決定
を見たわけでございます。しかし、
石炭産業
の
重要性
を考えまして、必要な
資金
はもちろん
確保
しなければならないものであります。開銀
資金
そのものを今この際いかがするとかいうことはまだ早いように思いますが、
実施計画
等ともあわせて見まして、必要な手続を
実施
の途中において考えるということにしてしかるべきだと思っております。
始関伊平
26
○
始関
委員
それから、小さい問題であるかもしれませんが、これは
石炭局長
にお尋ねをいたします。この表を見ますと、
近代化
資金
の三十五年度貸付が七億、三十六年上期で七億、この
近代化
資金
の総額、またその中で占める大手十八社の
重要性
からいいまして、こういう数字はちょっと納得ができかねるのですが、これは
合理化
事業
団の怠慢か、どういう事情によるのか、またこれでいいと思っておられるのか、ちょっと御
説明
を願います。
今井博
27
○今井(博)
政府委員
近代化
資金
は、全体といたしまして三十六年度は二十二億程度の金額でございます。三十五年、三十六年のこの表では非常に少ない数字になっておりますが、これはおそらく、三十五年度は、
合理化
事業
団がこの仕事を始めるのが、
法律
の
改正
が、
国会
の関係で一度流れて、それからあとで成立したというふうなこともございまして、
事業
団の店開きが非常におそかった、その関係によるものかと私は思います。なお三十六年度の上期におきましても数字は非常に小さくなっておりますが、これはいろいろな手続関係で
資金
の出方がおくれておるのではないか、大体
政府
資金
は、上期よりも下期に集中して出るという
傾向
がございまして、この点は
資金
の出し方の大きな
欠陥
かと思いますが、まあ手続の関係等でそういうふうに上期は実は非常に少ない、こういう事情だろうと思いますが、この点は一つできるだけ改善を加えたいと思っております。
始関伊平
28
○
始関
委員
次に、問題をちょっと変えまして、いわゆる
整備
資金
、退職金の金融の問題でございますが、これは先ほど大臣もちょっとお触れになりましたが、現在では非常に重要な意味を持っていると思います。先般杵島
炭鉱
では、争議のあと、退職者が
決定
したのでありますけれども、退職金の調達ができないために数カ月間も退職者に迷惑をかけたというような例もあるようでございますし、
首切り
を奨励する
資金
ということではございませんで、労使双方が納得済みであるというのに、金がないためにそのことがうまく運ばないということは、これははなはだ困る問題でございまして、これがひいては
炭鉱
の経営を圧迫したり、あるいは
合理化
を阻害するというような結果を招来しているのであろうと存じます。こういったような金融は、一般的に申しまして、いわゆる金融ベースでは
資金
の調達が困難でございますが、特に
石炭産業
の現状では非常に困難だと思うのであります。そういったような趣旨から、先般の予算
決定
の際に、財政投融資十五億というものが見込まれたのであります。実は、この
法案
が今この
委員会
にかかっておりまして、まだこれを通過もさせないのにいろいろ言うのは、ちょっとどうかと思う点もございますけれども、十五億という金でございますと、たとえば三井一社分にも足りない。目下の事情から申しますと、やや焼け石に水の感があるのではなかろうかと思うのでございますが、これは年度が始まったばかりでございますけれども、しかしでき得れば、将来適当な時期ということではなしに、できるだけ早い機会にもう少しこれをふやすようなことを考えていただくことが適当ではなかろうかと思うのでございますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
佐藤榮作
29
○佐藤国務大臣 これは、今の予算の成立といいますか、衆議院を通りましたばかりで参議院にまだかかって
審議
の最中でございますから、これをふやすということはなかなか容易ではないと思います。これが金額が非常に多いことは、一面安心というようにもとられるかと思いますが、同時にまた、退職者の出方の問題がございますし、また先ほどちょっと触れましたように、金の使い方も実はあるわけでございまして、そういう意味から、適当にこれを使ってみたい、かように実は考えております。今すぐふやせといわれましても、すぐそう簡単にふえるものではございませんし、またこれがたくさん計上されてありますと、あるいは退職者を非常にたくさん出すんじゃないかといっておしかりを受けるかもわかりません。必要な
資金
には事欠かさないような使い方があるんじゃないか、かように私ども考えております。
始関伊平
30
○
始関
委員
大臣のお話でございますが、局長、三十七年度の退職金と申しますか、その所要見込み額というものは大体見当がついているんだろうと思いますが、お聞かせを願いたいと思います。その所要見込み額のうちで、
合理化
事業
団の保証などで自己調達のできる額というものはどの程度あるかということをお尋ねいたします。
今井博
31
○今井(博)
政府委員
ただいまお尋ねの退職金の調達の所要額といたしましては、全体で百億というふうに実は考えまして、いろいろ予算要求をいたしたわけでございますが、どうして百億ということを考えたかと申しますと、
炭鉱離職者
の数が全体で七万七千人という非常に大きな数字になるわけでございますが、実際は出たり入ったりする関係もございまして、純減としましては二万七千人程度というふうに考えたわけでございます。この場合に、実際に
事業
団が買収する山もございますし、あるいは自然に消滅する山もございますし、退職金の
規定
のあるそういった
鉱山
の中で、実際に退職金金融としてわれわれが対象として考えなければならぬものを一応一万二千人と実は押えまして、それに対する平均的な退職金というものを職員と工員に分けてはじきましたのが、百億というわけでございます。しかし実際はもっと要るわけでございますが、
最小限度
確保
しなければならぬぎりぎりの数字として、百億というものを考えているわけでございます。
始関伊平
32
○
始関
委員
ただいままで私がお尋ねしましたところは、結局問題が三点に帰するのでございまして、三十六年度の設備
資金
の不足額については、何とか急速にお考え願いたいということが一つ。退職金は非常に足りないので、これは先ほど大臣のお話にもございましたが、年度初めの比較的早期に何とか御善処願いたいということ、第三点は、開銀
資金
等についても、期の途中ということになると思いますが、善処いただきたい、また、できるだけ考えたいということでございますので、一つ御善処をお願いいたしまして、私の質問を終わりますが、最後に一点、現在の
炭鉱
の経理の状況、その他物価の値上がりの関係、それから離職者に関する問題等からしまして、千二百円
引き下げ
を若干ゆるやかにと申しますか、時期を繰り延べてやってもらいたいという要望が業界等にずいぶんあるようでございます。この点につきまして、お差しつかえのない範囲で大臣の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
佐藤榮作
33
○佐藤国務大臣 財政投融資の関係の
資金
につきましては、随時増減が——減はおかしいのですが、ふやすことは可能でございますから、必要に応じまして、その手当をしたいと思います。 最後に炭価の千二百円下げの問題でございますが、千二百円下げをめぐりまして、いろいろむずかしい問題にただいま当面しておりますが、これは私が申すまでもなく、最近の諸物価値上がり、あるいは人件費の高騰等、千二百円下げを
計画
いたしました当初といろいろ情勢の変化もございますので、これを当初の
計画
通り
実施
することが可能なりやいなやということで、いろいろ私どもも
検討
しておる最中でございます。もちろん本来が
合理化
の大目標でございますから、これは関係筋の積極的協力を得てぜひとも実現したい、かように思いますが、今までしばしば申し上げておりますように、今回きめた千二百円そのものも、いわゆる
石油
の値段と絶えずそれをにらみ合わせて作るというわけにはいかない事情があります。と申しますのは、
石油
の方は非常に乱売していて、だんだん安くなっておるということでありますから、千二百円下げを
計画
したときはその根本も変わっておりますが、さらにまた、当時予想しなかった事情があって、これは非常に困難であります。私ども、昨年来当
委員会
でも申し上げましたように、
石炭
を
石油
と
価格
の面で競争さす考えは毛頭ございません。とにかく、私どもの
計画
している千二百円下げ、これを何とかして実現させたい。それから後は、ここで一服していただいて、
炭鉱
は
炭鉱
としての
合理化
を進めていただく、それが将来の安定
産業
になる基礎になる、こういう
方向
で一つ勉強していきたい、こういうことを実は申しておるのであります。将来のことはわかりませんけれども、おそらく
石油
も
価格
が安定する
方向
へいくだろう、かように思います。だから第一段の
合理化計画
、それだけを
実施
する、これをまずとりあえずの達成目標、かように考えておるのでございますが、それにしても千二百円下げについては、この四月一日からこれを
実施
するとかいうことはなかなか困難な事情もございますので、それをどういうように工夫したらいいか、事務的にいろいろ
検討
しておる最中であります。早く結論が出れば、その結論通りにいたしますが、結論の出方がおそいと、どうしても
実施
の時期がややおくれざるを得ないというのが、今の現状でございます。これは差しつかえのない範囲と言われますが、差しつかえの有無にかかわらず実情を申し上げ——このことは、あるいは
石炭
業界の方から見ると、あまり急いで結論を出すなとも要望されるのではないか、かように思っておりますが、すでに
政府
が掲げ、公約した目標でありますから、できるだけの工夫をしておるというのが現状であります。やや
決定
の時期がおくれるんじゃないかというような今見通しをしております。
岡田利春
34
○岡田(利)
委員
関連して一、二点
資金
問題で御質問したいと思うのですが、前に
政府
から出してもらった資料と、今
始関
委員
の配付した資料で、特に復金と見返り
資金
の関係では残高がずいぶん数字が違うように思うわけです。通産省から出してもらった資料ですと、復興金融金庫の残高は、三十六年九月末で五十億四千二百万の残高があるわけですね。この内訳は設備
資金
、炭住
資金
その他坑木代金、こういう工合に実はなっておるわけです、この違いがあるわけです。いずれにしましても、復金及び見返り
資金
の関係は、これは実際問題としては返す一方になっているわけです。今日特に
資金
事情が、今質問の過程でも明らかになったように、非常に逼迫してきておるわけですね。従って、復金あるいは見返り
資金
の
資金
については、一応繰り延べをするとか、あるいは、できれば一時たな上げにして、利子については考える、こういうような
措置
がむしろ手っとり早くとらるべきではないか、このように私は考えるわけです。この資料の数字の違いは別にして、まず復金、見返り
資金
について、そういう点について
検討
する意思があるかどうか、お尋ねしたいと思うのです。
今井博
35
○今井(博)
政府委員
最初に、数字が若干違うようでございますが、業界の方から出ましたのは、大手十八社の資料でございます。われわれの方が岡田先生に差し上げましたのは全体の、中小も含めた数字でございます。 それから復金あるいは見返り
資金
の返済の問題でございますが、たとえば復興金融金庫の三十六年の十二月末の残高は、この前差し上げました資料では、約五十億程度になっておりますが、これの返済につきましては、約半分程度がやはりなかなか返済が困難であるということで、実際はまだ返済
計画
が立っておらない格好になっております。あとの半分につきましては、それぞれ返済
計画
を実情に合わせまして相当
長期
にわたって返済する、そういうことで、実際には実情に合うような返済の処理方法——今先生が言われたような方法で実は処理が行なわれておるという実情でございます。
岡田利春
36
○岡田(利)
委員
今言った数字の違いでいきますと、大体二十二億程度が中小
炭鉱
であるということになりますと、大手と中小の比率は、返済していない額は大体半々、五五、四五くらいの比率になるわけです。従って特に中小
炭鉱
は、大手ですらも、今
始関
委員
が質問したように、
資金
上非常に困難な
状態
にあるわけですから、たとえば返済が思う通りいっていない、こう言われても、実際は三十三年から三十四年には九億、三十四年から三十五年には九億、三十六年に入って三億程度九月末まで返済されておる。ですから大手のみならず、中小の場合を考えますと、より一そう
資金
の事情が困難な
状態
にあると思うのです。やはりこれらの
資金
については、特に返済
計画
については、返す一方の金なんですから、しかもああいう条件の中で、あとは返さなくてもいいというような雰囲気の中で返した金も実際はありますし、私はこの点特に善処方を要望しておきたいと思う。 それともう一つは、
近代化
資金
は、御存じの通り、四割
政府
の
資金
が出ておるわけです。あとの四割は開銀、あと二割は自己
資金
、こういう形で
近代化
資金
が出されておるわけです。最近の
資金
状態
から判断をしますと、これからの
近代化
は、その程度の金融
政策
では
解決
できないのではないか、
近代化
の
方向
というものをより普遍的に、大胆に取り上げていくということが非常に必要な
状態
に直面しておるのではないか。私ども各
炭鉱
を視察いたしまして、特にこの要望が強いわけです。ですからむしろこの際、
政府
が
炭鉱
の
近代化
をするというのであれば、六割程度
政府
の
資金
を出す、あとの四割は開銀等から融資をする、こういう思い切った施策をとることが必要ではないか。特にこれは設備
資金
ですから、全体的な金融の関係からいっても、こういう
政策
をとると
近代化
が進み、しかも従来言われておるように、非近代的な
合理化
、
首切り
、賃下げにたよるということに反発して、
政府
は、今
近代化
が進んでおるというのでありますから、むしろそういう大胆な
政策
をとられたらどうかと思うのですが、この点はいかがでしょう。
佐藤榮作
37
○佐藤国務大臣 今岡田さんが言われますように、なかなか金融がむずかしいということは私どももわかりますが、同時に、一般
産業
に対する金融
措置等
と比べてみまして、現在でも
炭鉱
については特別な留意が払われております。さらにこれを厚くすることは、相当問題があることだと思います。また
炭鉱
を安定
産業
たらしめるというためには、今の一時
資金
といいますか、一時
資金
はやむを得ないが、これだけやれば将来の見通しができるのだ、こういう議論も成り立つかとも思いますけれども、ただいま御指摘になりましたような
政府
資金
四割というような融資でまず自立できるということが望ましいのであります。そういう点もあわせてとにかく
検討
いたします。非常に手厚い保護は望ましいことではありますが、やはり
炭鉱
が自立するという面から見ますと、将来にまずい点が残りはしないか、こういう心配もあります。
岡田利春
38
○岡田(利)
委員
特にこの点は十分
検討
していただきたいと思います。
石炭産業
というものは、日本の農業と同じ
状態
ではないかと思うのです。農業
近代化
の場合には六割、
近代化
資金
を無利子で五カ年なら五カ年貸すという
制度
があるわけですから、
石炭
の場合にもそういう感覚で
近代化
資金
については考えてもらいたいということを、私は特に強く要望しておきたいと思います。 それと、千二百円コストを下げていく場合、物価がどんどん上がってきておる。もうすでに七百五十円の炭価の
引き下げ
、これに加えて、結局二百円以上のはね返りがあるわけです。ですから、実質上すでに九百五十円程度コストを
引き下げ
たというのが、今日
炭鉱
の
合理化
の実情であるわけです。大体千円はもう下がっているわけですよ。
政府
の当初の
計画
は物価横すべりというわけですから、そういう非常に無理をしてきているわけですね。しかも
資金
の
需要
はなかなか円滑にいかない。先ほどの大蔵省の答弁でも、
首切り
の方の
資金
が、早く
法案
が通ってもらえばその分だけ円滑にいくのではないか、プラスになるのではないかという話ですが、だから、首を切ったり
賃金
を下げるところに
合理化
のねらいを集中しているのではないか、こう私は指摘をする最大の理由があるのですよ。この点をよく考えてもらいたいと思うのです。ですからやはり
近代化
資金
なり設備
資金
については、少なくとも——今よたよた歩いているわけなんですね、これは注射をするのではなくして、むしろ何か血液をその人からほかの人に輸血をするような格好で取り上げる、こういうような
方向
で今の
政策
を行なわれておると思うのですね。ですからずんずん弱まって、歩けなくなるのはあたりまえのことなんですね。ですから、
石炭産業
は普通の
状態
ではないのですから、元気のいい人でも輸血した場合には少し休まなければならぬのですから、そういう意味で特に
資金
問題については、
国会
の
決議
もありますから、いずれあらためて詳しくこの問題は質問したいと思いますが、特段の
検討
を願いたいということを要請いたしておきます。
有田喜一
39
○
有田委員長
中村
重光君。
中村重光
40
○
中村
(重)
委員
きょうは幸い大臣が見えておりますし、
合理化
法の一部
改正
法案
を中心にして、今議論された千二百円のコスト・ダウンの問題をいろいろ質疑をしてみたいのですけれども、時間がだいぶたちました。そこでそのことは他日に譲りまして、きょうは産炭地振興
事業
団法のことについて、先日政務次官並びに局長に質疑をいたしましたが、納得がいかないので、それから疑問の点を一つ大臣にただしてみたいと思います。 御承知の通りに、さきに三十九
国会
において、画期的な
決議
といわれた
石炭危機
打開の
決議
がなされたわけです。三党提案、満場一致の
決議
ということになりますと、えてして最大公約数の妥協の産物といったような、そういう形の提案、
決議
というものがなされるわけでございますけれども、
石炭危機
打開の
決議
案というのは、事前に各党十分に慎重に案文を作ることについても討議を重ねて、そしてあのような前向きの
決議
というものがなされたわけであります。従いまして、今度の四十回
国会
においては、
石炭産業
の安定のために相当画期的な
法律案
の提案がなされ、また予算の計上もあるのじゃないか、そうして期待を私どもは持っておったわけでございますけれども、ふたをあけてみますと、予算にいたしましても非常に少ない、また
法律
業にいたしますと、離職者臨時
措置
法というものは別といたしまして、通産省関係では、今
議題
となっておるこの二つの
法律案
、それから
保安
法の
改正
、そういったようなことになっておるようであります。
合理化
法の一部
改正
にいたしましても、
決議
の中に盛られた
鉱区
の
調整
の問題であるとか、あるいは
流通機構
の
整備
の問題、そういった
石炭産業
の恒久的な対策といったようなものは、
法案
の中には出ていない。どうひいき目に見ましても、これは
首切り
を中心とした
合理化
を強く推し進めていく、そうした
内容
であるというように見られるわけであります。特に私がこれからお尋ねしてみようと考えておりますこの
産炭地域
振興
事業
団、この
法律
は、
産炭地域
振興臨時
措置
法という
法律
の趣旨に沿って提案された、私はそのように理解いたしております。ところが、先日私が質疑をいたしましたのは、この
産炭地域
振興臨時
措置
法の
目的
の中にあった
石炭
の
需要
の安定的
拡大
をはかっていく、このことが削除されておるわけであります。私どもは、この
事業
団というものは、やはりこの
石炭需要
の安定的
拡大
をはかっていく、このことがこの
事業
の中心であるべきだというように期待をするわけでありますけれども、このことは削られておる。どうしてこれを削ったかということを私がお尋ねをいたしますと、当初の通産省の草案にはこれは入っておった、しかし、いろいろと関係方面との折衝の結果、これは除いたのだ、しかしこれは除いたけれども、
石炭需要
の安定的
拡大
をはかっていくということは、これはできるのだし、またやるのだ、
需要
の
拡大
に不可欠の問題である産炭地発電の問題にしても、これはやれる、そういったような答弁であったのでございます。しかし、この
法案
の中身を見てみますと、そうした答弁では私どもはどうしても満足できない。大臣はこの点に対してどのようにお考えになっておられるか、まずその点を伺ってみたいと思います。
佐藤榮作
41
○佐藤国務大臣 第一段についてですが、昨年超党派で
決議
をいただきました。その結果、普通の
状態
ならなかなか予算編成も困難なものが、でき上がりました。おそらく通産事務当局といたしましては、画期的な
石炭
対策を
推進
することができる、かように思っておるように思います。もちろん、私どもただいま御
審議
をいただいておりますような各種の
法案
なり施策等で満足しておるわけではございません。また、予算の金額等については非常に不十分であり、不満足でございます。しかしながら、とにかく新規なものが
計画
できる、これは非常な前進だと思います。とりもなおさず各党の御鞭撻の結果だ、かように私ども感謝いたしております。 そこで、今でき上がっております
事業
団にいたしましても、そういう見方が一つあるわけでありまして、とにかく一応店開きをした、これから順次
内容
も
整備
される、かように考えてしかるべきだと思います。そこで、積極的にこの
事業
団で発電所まで経営さすかどうかという問題になるわけでありますが、すでに御承知のように、電力関係については、電力の一応の統制ができておりますし、また、これからも山元発電について積極的に協力の意思を示しております。可能な範囲のものについては、そちらに譲って毛しかるべきじゃないだろうか。これがまあ、ただいま
中村
さんが御指摘になりますような経過をたどって、今日参っておるわけであります。私は、今の山元発電等が不十分だ、こういう結論になれば別でございますが、ただいまのところで一応の要望には沿い得る、むしろ
資金
計画
を豊富にしてやるならば、山元発電による火力、これは将来も見込みがあるものだ、かように実は考えておりますので、
事業
団があえてそこまで手を出さなくてもいいのじゃないか、実はかように思っておりまして、むしろこの
炭鉱
地自身で新しい
事業
を導入する、こういう事柄にこの
事業
団が働きかけることが、労務の移動等の面から見てもいいのじゃないか、あるいはまた
炭鉱
ででき上った都市、市町村にいたしましても、やはりその場所に
事業
を持ってくることが町村の疲弊を防ぐことになるんじゃないか、
事業
団は幅広く仕事をするように指導してみたらどうだ、そういう意味で市町村なり、また関係の方々の御協力を願うべきじゃないだろうか、実はただいまさように考えておるのでございます。私はこの産炭地の振興あるいは
炭鉱
の
合理化
等につきましても、これがはたして可能かどうかわかりませんが、
炭鉱
経営者
はもう一から十まで全部
炭鉱
経営に終始する、ここにくぎづけするということはどうもまずいんじゃないのか、もう少し幅広く経営の範囲の
拡大
もできるんじゃないだろうか。これは現にドイツなどでも、
炭鉱
経営者
が電力を作ったり、あるいはまた
石油
にまで手を出しておる。やはりどんどん範囲を
拡大
していって、従業員をその方面にも吸収していくというような処置をとられるわけであります。私は、
地方
の衰微というようなことともあわせ考えると、もう少し経営の範囲が
拡大
される、その適当な職種をやはり考えてもいいんじゃないか、そういう
方向
そのものにやはりこういう
事業
団等が協力する余地が多分にあるんじゃないだろうか、こういうふうに私は相当幅広く考えているつもりでございます。他の面で経営可能な方は、その行政指導と相待って、それを進めていく、そういうことが望ましいんじゃないかなというような気持がしております。
多賀谷真稔
42
○多賀谷
委員
ちょっと関連して。今の
炭鉱
経営者
が幅広くという話は、何々
鉱業
会社
という、その企業は確かに安定します。しかし、これは非常な危険性があるんですね。
炭鉱
本来の
業務
から、だんだん乖離する
可能性
があります。
会社
自体はよくなるけれども、日本の
石炭産業
はよくならぬという、こういう
事態
が起こる。それは
石炭
に関連をする点はいいでしょう。しかし観光なんかにどんどん金を出したら、これはやっぱり問題が起こりますよ。今
経営者
のモラルの問題が非常に出ておるのですね。とにかく今の
経営者
はモラルがないということを言われておるのですよ。この問題とやっぱり関連があると思うのです。私は幅広くやるということを否定はしません。しかし本来の
業務
を放擲して、
炭鉱
に金を貸したつもりでおったら別のところに投資されておったというように、金にひもはつきませんからね。こういう
事態
も起こるんですな。問題は、たとえば
炭鉱労働者
の
雇用
を吸収するための
事業
であるとか、あるいは
石炭産業
をさらに安定さすための
事業
であるとか、これが必要ではないかと思うのですが、一つその限界を、抽象的でけっこうですが、お示し願いたい。
佐藤榮作
43
○佐藤国務大臣 もちろん本業を忘れていくような事柄については、
事業
団もなかなか協力はしにくいと思います。私が申しますのは、非常に極端なことを申すと、
石炭
の
合理化
を進めていくと必ず過剰人員というものが出てくる、その過剰人員がその土地で吸収されるならおそらく移動の問題はございませんから、これは一つのいいことじゃないかと思う。しかしながら職業の選択の自由がございますから、離職した人が、少々離れても他の場所へ
就職
するという方もありましょう。またもう一つは、一つの山によってその土地の繁栄というか、それが結びついておる。そういうことを考えると、極端になると、山自身が閉鎖してしまう、そうすると、やはりかわった
事業
がその土地に興らないと、その町村は疲弊してしまうということです。だから
石炭
自身ももちろん大事でございますから、これはもう安定
産業
、基礎
産業
たらしめるこの努力はいたしますが、個々の具体的な場所については、その山自身も閉鎖しなければならないような場所も出てくる。しかも従業員は全部よそへ移らざるを得ない、あるいはまたその町自身もそれで疲弊してしまう、それについてやはりかわったものを一つ考えていく。これは国もそういうかわったことを考えますが、考えるのは国ばかりじゃない、
事業
者自身も考えてしかるべきじゃないかということを実は私申し上げたのです。りっぱな山があって、その山の経営に金さえつぎ込めば、また機械さえつぎ込めばりっぱに成り立つ山があるにかかわらず、他の方がもっと魅力があるからといって、その山を捨ててよその仕事にかかれ、かようなことを申すわけじゃございません。だからそういう意味で、この
事業
団はやはり幅広くやるべきじゃないか、また山自身に見込みがあるなら、甲の
経営者
がそこを見捨てましても、必ずそれにかわった者が出てきて、その山の経営をするに違いない。だから
石炭
ということはもちろん大事なことでございますし、産炭地振興とまで銘打っておるのですから、産炭を第一に考えるというのは当然です。産炭地振興という限り、
石炭
を出すのが唯一の産炭地振興じゃないか、これは非常にわかりいい議論だと思うのですよ。しかしそれができない場合に、ただいまのような必要性ができてくる。それがやはり
事業
団がやるべきことじゃないか、かように申し上げたのであります。
中村重光
44
○
中村
(重)
委員
今大臣が言われた、相当広範囲に
事業
を推し進めていく、あるいはまた、この
法案
の中にありますが、いろいろ他に委託させてやらせるもろもろのことが考えられておるとは思うのです。ところが私がこの
法案
の
目的
の中で指摘いたしておりますのは、今議論されたこととも直接的に関係を持ってくるのです、運用でどうにでもなるじゃないかと言われますけれども、やはり
法律
というものが一つできてくると、その
目的
に反するようなことをやると、いろいろ
罰則
の問題等にもそれはぶつかってくる、また
政府
問題化してくるということもあるでしょう。そう考えてみると、この産炭地
事業
団法というこの
法律
も、ただ
石炭
を掘るという
事業
をはかっていくことだけが
目的
ではないのであって、ほかの
事業
もやってその
地域
の振興をはかっていく、そうして
雇用
対策といったようなこともやるのだ、それはそれでよろしいわけです。ところが肝心の産炭地振興、
石炭需要
の安定的
拡大
をはかっていくという
目的
そのものをこれからなくしてしまうということになってくると、これは問題があるじゃないかということを私は言っている。それをなぜになくしたのか。ところが、やれるからこれをなくしたのだ、なくしてもやれるのだ、こういうことでは、積極的に産炭地振興をはかっていこう、さらに、産炭地振興をはかっていくためにこの
事業
団を作るという、その意欲というものが欠けておるではないか、このことを私は強く指摘をしておるわけです。まず、その点を一つはっきりお答え願いたい。
佐藤榮作
45
○佐藤国務大臣 これは私、
中村
さんの言われることがわからないじゃございません。御承知のように、産炭地発電というものをどんどん進めております。また電力
会社
も、そういうことで積極的に協力しておる。これが事足りないという
事態
になれば、今言われるように発電をやること必ずしも悪いとは申しません。申しませんが、それぞれの
事業
分野がございますし、ことに電力というものは各
地域
に統制的な
会社
を作っておりますので、それをして
計画
を進めさすことが
需給計画
が立つゆえんだ、こう実は思っております。この分野はやはり電力
会社
をしてやらせることが望ましいんじゃないか。すでに御承知のように、九州なら苅田、若松あるいは大村、最近はまた佐賀あるいは大牟田、次々に
火力発電
の
計画
があります。北海道においても、釧路その他の
地域
においてそういうものを
計画
しておりますから、これが地元で使われるということになる。そういう
計画
もあり、どうも電力
会社
にまかしたら思う通りにやらない、だからおれの方で電力を作って、電力
会社
に買わしてやる、こうまで進むのはどうかと実は考えておるわけであります。
多賀谷真稔
46
○多賀谷
委員
今釧路の話が出ましたが、釧路は
火力発電
をやるわけですか。
佐藤榮作
47
○佐藤国務大臣 そのつもりでおります。
多賀谷真稔
48
○多賀谷
委員
そうすると、三十七年度の
計画
に入るわけですね。
樋詰誠明
49
○樋詰
政府委員
この三月の末に
審議
会を予定しておりますが、それにはまだ入っておりません。しかし今大臣がおっしゃいましたのは、通産省の方針として、ぜひやらせたいということで、今非常に強い行政指導をしておるわけでございます。たとえば九州の佐賀火力、これは今までずいぶん問題があったわけでございますが、やっとこのほど通産省のあっせんが功を奏しまして、通産局長室で電力
会社
の社長と佐賀県知事と共同発表をされたということで、これは
需給
の
計画
等を考慮して、十月の
審議
会にかけるということを正式にお互いに確認し合ったわけなんです。釧路につきましても、これはまだそこまでいっておりませんが、われわれといたしましては、何とか十月の
審議
会にかけられるように——実は電力
会社
自体も、釧路方面の
需給
状況から考えまして、三十九年の三月の
審議
会には出したいということは今まで言ってきたわけであります。しかしこれはあまり長いのでもっと縮めぬかということで、今のところ、三十八年でどうだというくらいのところまできているわけであります。これは御承知のように、北海道電力はまだ全体で八十万キロくらいしか出力がないわけです、電発も全部入れまして。その中で今度、非常に
需給
の苦しい新江別十二万五千キロといったようなものも作ることになっております。現在すでに新江別の方でもいろいろやっておるわけでございます。そういうことから、
資金
繰り等も非常に苦しいということで、
資金
の事情さえ許せば、最可及的に釧路の方にも取りかかるということは、これは
会社
も考えておるでありましょうし、われわれ
公益事業局
といたしましては、極力ねじを巻いて、この十月の
審議
会には出せるというようなところまで持っていきたいということで、せっかく努力中でございます。きまったというわけではございませんが、その
方向
で微力を尽したいと考えております。
多賀谷真稔
50
○多賀谷
委員
ちょうど釧路炭田は、大体三十七年度に
決定
していただきますと、それが稼働いたしますころには、三百万トンくらいの精炭になるわけですね。三百万トンといいますと、低品位炭がかなり出てくるわけです。釧路のような
石炭
は、どちらかといえば、かなり長距離輸送をしなければならないのですから、悪い
石炭
を輸送するというのは、日本経済から見るとマイナスなんです。あそこの
需要
を見ると、大体五億キロワット・アワーくらいあるわけですね。ですから、七万五千キロワット・アワーの発電をやれば、大体
需要
がまかなえる、こういうことになる。すでに水力の関係で事故が起こりまして、ちょうど正月であったものですから、被害は比較的少なかったのですが、それでも一億を優にこえている被害が起こっておる。ですから、精炭のいいのを輸送して、悪い
石炭
は地元で消費するという体制が全国的には必要ではないか、それがためには、やはり今長距離輸送をする関係で十分な活用ができていないし、また比較的低品位炭も輸送しなければならぬ、こういう
状態
にありますから、早急にそれをきめてもらいたい、こう要望しておきたいと思います。
佐藤榮作
51
○佐藤国務大臣 これは、偶然にも皆様と私ども
政府
側の考えとが一致しておるようであります。大へんしあわせに思いますので、ぜひともこれは実現するように、最善の努力は払っていくつもりです。
多賀谷真稔
52
○多賀谷
委員
もう一つ、電力の場合は、初めから第一期、第二期と工事の
計画
がありまして、土地の造成についても最初からそういう
計画
をしておるのですね。ところが電発の若松の場合は、西日本火力は第一期、第二期と
計画
が続いたわけですが、電発関係の場合は一期工事だけ
計画
をして、二期工事にかかるまでの間にかなりブランクが今ありそうなんです。そうすると、結局金利の面からいっても、施設の
計画
からいってもむだになる。ですから、これはやはり遠賀川の汚水処理と関連をして、そういう遠賀川の改修、それと一緒に合わせて早急に
計画
をしてもらいたい。と申しますのは、電力
会社
すなわち九電力の入っている場合は、自分のところで使いますから、比較的まま子にしないのですが、今、電発の関係は、九電力と関係がないというので、比較的まま子にしておる。ですから、先に生まれた子があとになって、あとから生まれた子が続いて二人も生んだ、こういう形になっておるわけですよ。これも私は全体の
計画
から見ると、やはりマイナスの面があるのじゃないか、こう考えますから、早く汚水処理の
計画
と一緒に
推進
をしてもらいたい。
佐藤榮作
53
○佐藤国務大臣 遠賀川の汚水処理は、もうずいぶん長くいわれております。もう多賀谷さん御承知のように、今の総理が通産大臣時分非常に積極的な
計画
を進めたわけでありますが、なかなか思うように進まない。それほど実は困難な問題である。これは
地方
の方であられるだけに、よく御承知の通りであります。今言われますように、この大
目的
はやはり産炭地発電といいますか、せっかく出ている
石炭
を使うこと、また使うならばもりと掘り出せる、こういう状況にあるのでございますから、いずれにしても緻密な
石炭
火力発電
の
計画
を立てることを一そう私ども
検討
を進めて参りたいと思います。その意味では、通産省は、それぞれ局は違いますけれども、非常に連携がよくとれております。十分御期待に沿うことができるのじゃないか。一そう努力するつもりでございます。
中村重光
54
○
中村
(重)
委員
火力発電
の問題は、いろいろ今質疑が行なわれたのですが、私も、この
事業
団に
火力発電
はぜひやらせなければならぬ、そういう窮屈なことを言っておるわけではありません。また
決議
案でも、そのことはぜひ
事業
団にやらせなければならないんだときめつけていないわけです。しかし産炭地振興、こういうことで
石炭需要
の
拡大
をはかっていくんだということを強くこの
決議
は主張しておるわけですね。それに基づいてこの
事業
団というものは作られた。ですから、先ほど大臣が御答弁されたように、産炭地という名称がついている。そこで、
石炭
の
生産
であるとか
需要
という問題を
推進
をしていくということは、これは
事業
団としては当然なことだ、こういったような御答弁であった。かつまた、先日の
委員会
において私の質問に対して、政務次官並びに局長もその通り御答弁になった。この
事業
団で
石炭
の
需要
を
確保
していく、これに伴って当然
生産
も
拡大
をしていかなければならぬ。そういう関連するものをこの
事業
団は強力に、積極的に
推進
していく役割を果たす、こういうことであるというように確認してよろしゅうございますね。
佐藤榮作
55
○佐藤国務大臣 今の通りでいいと思います。そこで私は、いわゆる産炭地に興る
事業
について、なるべく
石炭
を使うということを実は勧めておるのです。けれども、なかなか
経営者
自身が思う通りにいかない。産炭地の学校で、給食用に
石炭
を使わないでガスを使ったり、あるいはまた、産炭地の近くにできる新しい工場が、わざわざ港から相当奥まで重油を取り寄せて、そうしてその工場のモーターを動かす、こういうようなものがあるのですね、これはやはり
政府
自身が気をつけなければなりませんが、また
炭鉱
経営者
自身が炭の売り込みの努力もいたしましょうけれども、やはりみんながこの産炭地振興というか、
石炭産業
を育成
強化
するという、そういう気持にならないと、なかなか効果が出てこないと思います。具体的に申しますと、
中村
さんも御承知のように、北海道で製糖
会社
ができる、製糖
会社
がわざわざ重油を使う、私など非常に憤慨した方で、そんなところで重油を使うなら、そんな製糖
会社
は作らぬでもいいとまで言った次第です。だからみんながそのつもりになってやれば、確かに経済性から見ても、山元に近いところの工場なら安いのです。ただ重油を使うことがいかにも近代的であって、
石炭
を使うのは旧式だというような気持がどこかにある、これはとんでもないことだと思います。そういう意味で一般のPRが非常に大事だ、こういうふうに思いますので、これは全部が監視するようにしたいと思います。
中村重光
56
○
中村
(重)
委員
そこで、あとでいろいろ問題を起こさないために念を押しておきたいのですが、この十九条で
業務
の範囲をきめておるわけです。ところが三十六条で、この十九条に示す
業務
以外の
業務
をやったならばこれは
罰則
規定
がある。この十九条を見ると、
石炭
の
需要
の
安定的確保
をはかっていく
事業
というものは、ここでは行なわれないのです。先ほど大臣が答弁された、いわゆる
石炭産業
というものがなくなってしまった、そしてその他の鉱工業を興していく、そういうことのみにこの
業務
が限定されておるということです。これ以外のことをやったならば罰金三万円を課せられる。それから十三条によると、
理事
長とか
理事
は非行行為、
法律
に反する行為をやったというので首を切られてしまう、こういう
規定
になっておる。これはまことに問題があるわけです。これはどういうことでそうなさったのか、この関係はどうなのか、その点を明らかにしておいてもらいたい。
今井博
57
○今井(博)
政府委員
法律
の第十九条に
業務
の範囲をきめておりまして、その範囲外にわたるならばもちろんこれは
罰則
の適用があるわけであります。従って、それ以外の仕事をいたします場合は、
法律
の
改正
を必要とするわけであります。
中村重光
58
○
中村
(重)
委員
そういうでたらめな答弁では困る。
事業
団はこういうことをやることを
目的
とするのだという
法律
を、あなたはお作りになった。その
目的
に基づいて、十九条の「
業務
の範囲」をお作りになった。この
業務
以外のことをやるならば、三十六条による
罰則
というものがあるのですよ。まだこの
事業
を遂行もしないでおいて、肝心かなめの
目的
の中においては、私がいろいろと指摘いたしましたような
石炭需要
の
安定的確保
はやるんだ、この
目的
の中に入っていなくても、当然
事業
団の
業務
としてやるんだし、やれるんだと御答弁になった。また私が確認をいたしましたように、大臣もその通り御答弁になった。それ以外の
業務
をやるならば、
法律
を
改正
すればいいのだというようなことでは困る。全然予測しないような
事業
が将来興るという場合は、ただいまのあなたの答弁でよろしいわけです。そうじゃないですよ。これは当然やるんだということがはっきりしておる。この
事業
団の主たる仕事であるということを御答弁になっておる。その御答弁になったことが、三十六条においては
罰則
規定
という形において排除される、こういうことになる。
法律
を
改正
すればやれるんだというようなことでは、これは問題にならぬですよ。どうです。
佐藤榮作
59
○佐藤国務大臣
中村
さんは何か具体的に、どういう仕事をやったらということでもお考えになっていらっしゃるのかと思いますが、ただいま申し上げましたように、この
事業
団で
計画
しておるもの、これはその通りやってもらわなければならない。第一条に書いてある
目的
と十九条の範囲が——十九条は非常に狭められておる、こういうことを御指摘になって、だから非常に
拡大
したら困るだろう、こういうことなのでしょうが、今予想しておる面から見ますと、一通り仕事はできると思っております。また発電
事業
そのものは、なるほどこれはやらないことになっておる。何かこれにあえて抵触するようなものがございますか。一応こういう事例がある、これはどうだというような具体的な問題があればともかくですが、私は一通りこの一条と十九条を関連して読んでみて、今まで予想されているものは一通り入るようになるのじゃないかと思いますが、何か特に不都合なものでもございましょうか。
中村重光
60
○
中村
(重)
委員
私は大臣の今のお答えは、私の質問に対する反論と受け取ります。先ほど私は、あなたといろいろ質疑応答をかわしたのです。そして産炭地振興、
石炭
の
需要
の
確保
をはかっていくのだということをあなたは御答弁になったのです。それは間違いないはずです。そうすると、その
目的
に基づいて当然
事業
というものは生まれてこなければなりません。具体的な問題を言えと言われるならば、
石炭
の
需要
をはかっていく、そのためには
石炭
の
生産
の
拡大
もはかっていかなければならぬ、それに関連しては、
流通機構
の
整備
の問題等いろいろな問題もこの
事業
団において行なわなければならぬという形になってくる。この十九条の
業務
の範囲は、もう
石炭
というものを離れて、過去においては
石炭
の
地域
であった、ところが買い上げであるとかその他いろいろな形において、もう
石炭産業
はそこからなくなってしまった、そこで
石炭
以外の鉱工業をそこで興してこなければならない、そういう考え方の上に立って、十九条の
業務
の範囲は
規定
されておるということなんです。そうすると、先ほどいろいろ論議した問題とこれは異なってくるのじゃないか。今あなたは私の質問に対して、あんた具体的な問題があるかとおっしゃるなら、それじゃあなたはそういうことを全然お考えにならず、
石炭
の
生産
であるとか
需要
の
確保
というようなことは全然お考えになっておらぬのですか、こういうことを私はあなたに反問しなければならぬことになる。先ほど来いろいろ御答弁になったことは、うそなんですか、こういうことになる。
佐藤榮作
61
○佐藤国務大臣 これは、うそは申しておりません。鉱工業の誘致ができることは、その
石炭
の山自身にとって必ずしあわせだと思います、これは先ほど電力の例でもお話がございましたが、また私も例を一、二申しましたように、その土地に鉱工業が誘致されるならば、その山元の
石炭
は必ず使われるという
方向
だと思うのです。別に先ほど来申し上げたことと矛盾しておるわけではございません。私が申し上げたいのは、
石炭
直接の問題としては、今日いろいろの手を打って、
石炭
のために特別な融資をしたり、あるいは
近代化
、
合理化
を
推進
させたり、いろいろやっております。非常にわかりやすい例を申せば、日本の
石炭産業
というものは産地と消費地が非常にかけ離れておるということがいつも問題になりますが、産炭地自身で適当な鉱工業が誘致されるようになれば、これは産炭地自身に
事業
が興るのですから、炭は必ず使われる、こういうことになるだろうと思うわけでございます。そういうことをやるのが実はこの
事業
団が本来の
目的
とするところだ、かように実は思うわけでありまして、私が先ほど来申しておることと矛盾しておることなりその他のことは別に申しておらないつもりであります。さっき私が申した言葉が、あるいは誤解を受けておるかもわかりません。一番最初、産炭地振興ということを私聞いたときに、産炭地振興なら
石炭
さえ出ればいいのじゃないか、そのためにいろいろやっておるんだ、ところがその炭が出てこない場合にその
地域
が困る。それを産炭地と実はいっておる。あるいは炭が出ても、距離が非常に離れておるために十分の利用ができない、それが問題なんだ、そういう意味で産炭地振興ということを実はいわれておるわけでございまして、
中村
さんの言われることと私の言うことと、別に矛盾はないように思います。だからこれは、その地区で鉱工業が興るようにする、そうすると山元自身で使われる。先ほど来山元発電を御指摘になりましたが、これなどもやはり、山元で
石炭
が使ってくれれば両方がいい。これはあえて発電所には限らないのです。あるいは製糖
会社
の例も申しましたが、あるいは学校の給食用の燃料炭のお話もいたしましたが、その土地自身で
石炭
を使ってくれる、それにはやはり鉱工業を誘致することが先じゃないか、こういうことを実は申しておるわけであります。
中村重光
62
○
中村
(重)
委員
それじゃ、大臣が
石炭
の
需要
ということをそれほど広い範囲で解釈なさるならば、なぜに
産炭地域
振興臨時
措置
法の
目的
にあった
石炭需要
の安定的
拡大
というものをこの
事業
団の方においては削られたのですか。
産炭地域
振興臨時
措置
法の
目的
の中に入っておったのをわざわざ削るから、こういう疑義が起こってくるのです。だからこれは、確かに落ちているのなら落ちている、
委員会
においてこの点
措置
してもらいたい、こういう御答弁があれば——これはそう言われぬでも
措置
しますよ。しかし、あまりそういうようにいろいろ強弁なさるからこういうことになる。
佐藤榮作
63
○佐藤国務大臣 この
法案
を作ります当初においてどういう案ができていたか、これは私事務当局から
説明
させますが、私どもが今日まで取り組んでおるのは
石炭産業
の安定、あるいは基礎
産業
としての基礎を作る、これはあらゆる面で所信は表明をいたしております。表明をしておりながらも、なお十分の効果を上げておらない。それが昨年の超党派の
決議
を見たゆえんだと思います。その一つ一つの具体的な案として、ただいま
産炭地域
振興
事業
団というようなものが出ておるわけです。あるいは、
鉱業
保安
法というようなものも一面に出ておるわけです。これは今の言葉があるとかないとかいうことでなしに、十分に一つ御理解をいただきたいと思います。
岡田利春
64
○岡田(利)
委員
今、
中村
委員
も申されたのですが、こういうことなんです。今年度の予算要求で、産炭地
事業
団は揚地発電をする、こういう予算要求をしたけれども、電力
会社
といろいろ話した結果、三百万トンの
石炭
を引き取るということで、産炭地
事業
団は揚地発電をしない、こういうことに経過として予算折衝でなっておるわけです。そこで産炭地
事業
団の
内容
としては、振興法からいくと、産炭地発電という面が強く出ておるわけです。そういうことも予想されているわけです。たまたま
事業
団が出てきた場合に、もう産炭地発電は一切やらぬで、今、電力の系統というものがあるわけだから、そこでやるのだ、こうなっておるわけです。そこでわれわれが主張するのは、もちろんそういう原則は認めるけれども、発電をしないということはことしは認めるけれども、
石炭
と電力とのこれからの話し合いがいろいろあるではないか、そういう場合に
事業
団はいかなる発電もしないのである、こういうことはどうか。だから、今年度やる
計画
のあることはけっこうだ、将来またそれが順調にいけば問題ないでしょうけれども、その場合に積極的に予算をつけてやる、今打ち出すのではなく、やり得るということをこの
事業
団の
事業
範囲に含めておいて、あと認可するのは通産省がやるわけですから、
事業
計画
は全部通産省がやるのだから、その前の根拠を持っていなければ、
事業
団というものは弱いではないか、こういうことをわれわれは主張して、実は前に私から
石炭局長
に質問しておるわけです。この点はペンディングで残っている問題なんです。通産大臣としては、こういう
調整
をはかったり、いろいろな将来の展望に立って考える場合に、今すぐやるということを言わなくても、やり得る根拠だけは持つ必要があるのではないか、こういうきわめて親切な質問をしておるわけなんです。この点いかがですか。
佐藤榮作
65
○佐藤国務大臣 非常によくわかりました。当初産炭地発電あるいは揚地発電、いろいろな議論をいたしました。これは御承知の通りであります。電力
会社
自身もそういう事柄で、せっかく自分たちが発電しているのに、第二の電源
開発
みたいな
会社
ができることはあまり好まないというようなことでございます。いろいろ行政的な折衝をいたした結果が、自分たちの方で三百万トンの引取
長期
契約をする、これで十分信頼していただけるだろう、こういうことで、しからば私どももそういう
方向
で指導していいじゃないか。先ほど、通産省内で企業局と
石炭
局の間の連絡が十分とれておると言いましたのも、そういう意味なのであります。そういう意味で一応の見当はついておるので、ただいまのような
法案
の御
審議
をいただいておるわけでございます。私はこれを非常に強弁して、あえてそれを作らなかったことを落度でないと申すわけでございませんし、ただいまのような経過でこれをはずした、この点を御了承いただきたいし、またただいまの状況ならば、みずからが発電
計画
事業
をやらなくても、
石炭
の
需給
の点では御心配はかけたくて済む、こういう感じが実は強くいたしておるのであります。将来非常な必要性に迫られれば、これは先ほど今井局長から御
説明
いたしましたように、その
事業
を追加することも必要だと思います。ことしなどはわずかな金額でございますし、まだようやく店を開くという程度で、その中身までとやかく言うのにはちょっとおもはゆい感じがございます。とにかく一応これで店を開かしていただいて、その運転上からの必要に迫られたときに、
法律
そのものも必要なら
改正
しますし、
資金
的にも十分なものをつけていくというようにしたいものだ、かように思っております。
岡田利春
66
○岡田(利)
委員
それで、この
業務
範囲を読むと、解釈の問題なんですが、若干無理して、やることもできるんだ、こういう解釈が成り立つではないかという感じがする。だから法文を修正するとか
改正
するとかということは別にして、解釈でやることもできるのだ、しかしそれは主たる
事業
としてやらないのだ、よほどのことでなければ、事情
変更
がなければやらないのだ、解釈としてその程度の解釈のできるようなものでなければならぬではないだろうか。この
事業
団を作ったんですから、来年度も予算がつくわけですが、当面の
事業
としてやらぬということは当然言い得るわけだが、解釈からいってこれはやり得るのだ、しかし当分はやらぬのだ、よほどの事情
変更
がなければやらぬのだ、こういう意思統一が必要ではないかという考えなんですが、いかがでしょう。
佐藤榮作
67
○佐藤国務大臣 それは、いろいろ法文の作り方があろうかと思います。しかしこの種のいわゆる
政府
機関は、仕事の範囲を明確にして、そして民間
事業
との競合を避ける、そういう建前が実は望ましいのじゃないか。この辺になりますと、あるいは政党の立場の主張もあろうかと思いますが、そういう意味で私どもとしては、なるべく明確に書くという考え方でございます。
多賀谷真稔
68
○多賀谷
委員
実は大臣、電源
開発
促進法を
審議
いたしましたときに、
政府
提案では電発は水力のみやる、火力は九電力でやるという考え方であったのが、
国会
で修正して火力を入れたのです。そして若松に、電発が低品位炭を初めて使ったから、西日本火力ができたのです。その経緯を見ると、そのとき修正された議員に先見の明があったことを喜ぶわけです。電力が今
資金
がなくていろいろお困りの
状態
である。それは
石炭
の方がなお困った
状態
ですが、しかし道を開いておくことは必要じゃないかと思うのです。ですからむしろこれは、
政府
でなかなかむずかしければ、われわれでやりますけれども、
石炭需要
の
拡大
というのは、あるいは
石炭需要
の
確保
というのは、率直に言うと
火力発電
しかないですね。ほとんど一般炭は今後は
火力発電
の
需要
を待つのみです。原料炭は鉄鋼その他ありますけれども。私は率直に言って、電気
会社
と
石炭
会社
が合併すればいいと思う。そのくらい一般炭は電力にその
需要
を仰ぐわけですから、産炭地振興法が
石炭需要
の
拡大
ということを、鉱工業の急速な
発展
のほかに、特に振興法の中に
目的
を二つ入れた。この点を考えると、この産炭地
事業
団の方は一つの
目的
だけで生きておる、両輪のうち片一方だけでいっているという形ですね。ですからこれも一つ、
需要
拡大
の面から
火力発電
というのを入れられたらどうか、こういう皆さんの御議論です。それに対してどういうようにお考えですか。
佐藤榮作
69
○佐藤国務大臣 想像されるところから何でも書いておけばいいじゃないかということよりも、もう一歩進めて、これは必要だから書いておいたらどうか、こういうことですが、問題は関係
業者
の積極的協力というか、これが望ましいことだと思います。電源
開発
の場合もここで修正されて
火力発電
ができるようになったからいいとおっしゃいますが、おそらく修正されてすぐはそういう
事態
ではなかったと思います。おそらく相当の年月がたって、それぞれ関係業界の協力を得るということになって、こういうようになったと思います。今回ようやく三百万トンの
長期
引取契約をしたということは、これはよくやったと実はほめていただきたいところなのでございますが、そういうこともありますので、やはり協力ができるような態勢が望ましい、実はかように思っておるわけであります。お前の方がどうしても引き取らなければ、こっちはどんどんやるぞ、こういうことになりますが、それでは、やって、その電力を買ってくれないときにどうなるのか、電力を作っただけではどうしようもないのでありますから、やはり今ある九電力の線に乗せなければならないし、そして今度は、
石炭
ではなくて電力としてそこへ売らなければならない。そういうようなことなど考えますと、やはり関係業界の協力を得るということ、これが実は望ましいことだと思います。あえて私皆様方の
審議
なさることについて異を唱えるわけではございませんが、行政の面から申しますと、関係業界の協力を得ること、これが望ましいと思います。特にその点を一つ御考慮いただきたいと思います。
中村重光
70
○
中村
(重)
委員
大臣が第一条の
目的
にはずしたということの正当性をあまり強く主張されると、大いに議論をしていきたいと思いますが、
国会
の
石炭危機
打開の
決議
の趣旨を十分尊重してこの
事業
団というものを作った、こういうことであるわけですから、これから先は
委員会
がどう修正するか、
委員会
の権限なわけです。ただ私が非常にこれを疑問視し、問題にしましたのは、先ほど岡田
委員
から十九条の
業務
の範囲というのは、無理に解釈すると、そうした
火力発電
所というものの
事業
もやれるのだ、そういうことであったわけですか、第一条の
目的
からわざわざはずしたということ、そこから十九条の
業務
となっているところが実は問題になりますから、私はこの点を強く主張したわけです。ですから大臣の先ほどの御意見、
決議
の趣旨を尊重して、この
事業
団をやって、それに乗っているわけですから、
目的
のことについては、与党の人たちもみんな聞いている、ここで修正なら修正というようなことでいく以外に——この点については、これ以上の議論はやってもしょうがないと思います。 そこで、
資本金
は五億円、先日お尋ねすると、財政投融資十億で船出するのだ、こういうことであったわけですね。ただいま大臣は、非常に金額が少ないということをおっしゃった。全くこれは少ないです。せっかく
決議
を尊重して大臣が、この
事業
団を作るためには、第一次査定から落とされたこれを復活して、そうしてこういう形になってきたわけです。この十五億円の出資というものを、もっとこれはふやしていくべきではなかったか、こういうふうに考えるわけですが、予算は衆議院の方は通過をして参議院にいっておるわけです。いろいろこの
事業
のことについては、こういうこともやりたい、またやらなければならないという積極的な
検討
もあっただろうし、具体的な
検討
もあっただろうと思うのですが、それらの点についてどういう気がまえで財政的な問題とあわせて対処していこうとするのか、それらの点についてお聞かせを願いたいと思います。
佐藤榮作
71
○佐藤国務大臣 せっかく作りましたが、
資金
的に非常に貧弱だというおしかりごもっともでございます。私どもも実はこれで満足したわけではございません。ただ新しいものがこうして生まれたということで、将来の
発展
性に期待をかけて、今回はわずかな金額で発足することに決意いたしたわけでございます。ところで、先ほど来いろいろの御意見が出ておりますが、今の疲弊する産炭地、そういうことに思いをいたしますと、おそらく中小企業に対する融資というものが大きなものになるのではないか、そういう意味の指導をこの際すべきではないかと、いろいろ実は考えておるわけであります。他の施策ともあわせていたしますならば、相当な効果を上げ得るのではないか。たとえば筑豊
地方
に工業関係の団地ができる、こういうものとあわせてこれが使われれば、おそらく役立つのではないか、こういうふうなことも実は考えております。何かとできたものもございますから、そういう意味で工夫をして、その
地方
へ
事業
を興すという、そういう一つの手づるにぜひともしたいものだ、かように考えております。
有田喜一
72
○
有田委員長
中村
君、だいぶ時間がたっておりますので……。
中村重光
73
○
中村
(重)
委員
時間がだいぶたちまして、
委員長
からお聞きの通りやかましく言われておるのですが、
委員長
に協力する意味でできるだけ簡単に御質問申し上げたいと思います。 十九条の
業務
の範囲についてちょっとお尋ねをしておきたいと思うのですが、先日の蔵内
委員
の質問に対して、工作物の建設に対しては、ダム等を考えていない、こういったような御答弁であったように記憶いたします。そうしますと、肝心の工業用水というものはどう考えておられるのか、それから土地の造成ということに対しては、土地の
確保
というようなことも考えておられるのか。それらの点が明瞭でありません。かつまた、この一号の面からだけで申しますと、きわめてこの
事業
というものは限られた範囲だ、こういうことになってくるわけですから、この点について詳細にお答え願いたいと思います。
今井博
74
○今井(博)
政府委員
この前も御答弁いたしましたように「これと関連を有する工作物を建設し」、こういうことでございまして、土地を造成し、これと関連を有する工作物ということになりますと、もちろん水の問題も、非常に広く解釈すれば入るという解釈もあるかもしれませんが、これは法制局でこの解釈を統一いたしましたときには、そこまでは考えておりませんで、たとえば、御指摘のダムをここで作るという問題は、この中には実は入らない、こういう解釈になっております。
中村重光
75
○
中村
(重)
委員
それは、解釈の問題ということじゃないんですよ。工業用水をどう考えているのかというのですよ。これは
決議
の中にも大きく取り上げている問題です。少なくとも鉱工業の振興をはかっていくということになると、水とは切り離せない問題なんです。そういう法制局との、この
法案
を作ったときの解釈の問題という消極的なことであってはなりません。まずあなたの方では、その問題をどういうように考えているのか、どう解釈しようとするのかということが問題です。
今井博
76
○今井(博)
政府委員
産炭地振興に工業用水が非常に重要であるということは、十二分に承知いたしております。しかし工業用水の問題は、御承知のように非常にむずかしい問題でございまして、今まで工業用水をやる機関としましては、一応府県並びに市町村、自治体がその水の問題はやるということになっておりまして、この場合におきましても、産炭地振興上必要な工業用水につきましては、調査費を十分につけまして、それででき上がった
計画
については第一次的には府県、市町村でこれは極力やっていただくということに実は考えております。そのために必要な
地方
債の発行については、これは自治省とも相談しまして、
地方
債をできるだけ
確保
できるように話し合いをいたしております。ただ問題は、そういうことでは水資源の
確保
というものが非常に困難だというふうな
事態
になり、そういう
計画
ができ上がって参った場合には、この
事業
団でそれをやるかやらぬかという議論は当然に出てくると思いますが、現在は工業用水はまだ全部調査の段階でございまして、まだはっきり結論が固まっておりません。また府県でも、それは自分でやるというつもりで調査をいたしております。われわれとしましては、
事業
団の出発にあたりましては、一応土地の造成に関連する工作物に限定いたしまして、水の問題につきましては、これは非常に複雑な広範な問題がございますので、いずれ各方面ともいろいろ相談いたしまして、話を十分固めてから、
事業
団でやるならやるというふうに実は持っていきたい、その方が結果がいいと私は考えております。
佐藤榮作
77
○佐藤国務大臣 御承知のように、水の問題になりますと、通産省がいわゆる工業用水の
確保
はいたしておりますが、やはり建設省関係あるいは自治省関係と、関係省もいろいろ
拡大
して参るわけでございます。工業用水の
確保
の大事なことは、御指摘の通りであります。産炭地振興
事業
としていろいろな、非常に広範なものが考えられます。その中の一部を、
事業
団として今回取り上げているということでございます。先ほど来お話しになりますのは、今一応私どもが考えた狭い範囲の
事業
団
計画
内容
では、必ず将来行き詰まるだろう、こういう意味から、御意見が幾つも出ておると思います。確かに将来、産炭地
事業
団がいわゆる振興
事業
全部に関連することができれば、これは問題のないことでございますが、今回の
法律
制定の過程等において、省内においては他の局で一応責任が持てるところはそちらへ譲るとか、あるいは、他の省との関係のあるものはできるだけ避けて、話をまとめやすくした、こういうことで、御不満のあるところは先ほどの
政府
の答弁で御理解いただけるだろうと思います。もちろんこれが将来ともくぎづけになるものとも思いませんが、今回一応始めるのには適当な規模のものを考えた、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
中村重光
78
○
中村
(重)
委員
工業用水の問題等も、各省にまたがるものをいろいろやって一本の
法律
にまとめてきた、それほど強力にやっていかなければならぬ、こういうことであると私は思う。産炭地振興の問題等も、私どもは積極的な意欲を持って取り組んでもらうのでなければならぬと思う。そういう面から工業用水という問題をこの
事業
団の
業務
からはずすことについては、慎重に
検討
していかなければならぬ問題であると思います。それらの問題と、また退職
資金
の問題等いろいろ質疑をしなければなりませんが、一応次に質問を留保して、終わります。
有田喜一
79
○
有田委員長
次回は明後十五日午前十時から
理事
会、十時半から
委員会
を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時六分散会