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森島委員 私は、少なくとも
小坂外務大臣になってから
竹島問題に関する
日本政府の
態度は変わっていると思う。今覆われた、李ラインの中に含まれるとか含まれぬなんということは、私はもう
承知しております。そこで、私が指摘したいのは、
小坂外務大臣、池田総理になってから、
竹島に関する問題は根本的に変わっております。これはもう争うべからざる事実であって、岸内閣の当時においては
竹島問題も日韓会談のうちで
解決するという方針をとっておった点において、大きな違いがある。
小坂さんは、
竹島は既成事実としてうっちゃっておいて、日韓会談のうちにおいても取り上げていない。私たちの考えからいたしますれば、
竹島問題を日韓会談の議題のうちに入れてやる方が、外交上の技術からも私はすぐれていると思っておるのであります。
竹島の問題について
小坂さんと岸さんやあるいは藤山さんとの間に大きな違いのあることは、速記録に明らかになっております。私読み上げます。
藤山外務大臣は、昭和三十五年三月八日、参議院の
予算委員会におきまして、千田正議員の
質問に対してこう
お答えになっております。「
竹島の問題は、まことに遺憾であります」「この問題は外交上の問題として折衝を開始するように日韓会談の中でもこれを取り行なうことにいたしておるわけであります。従いまして、われわれといたしましては日韓会談を通じて十分これが問題の
解決をはかっていきたいと思います。むろん、過去におきまして、これを
国際司法裁判所に提訴しょうということも考えましたけれ
ども、
韓国側が応諾いたしませんから、そのままになっております。われわれとしては、日韓会談を通じて平和裏にできるだけこの問題の
解決をはかっていきたいという強い決心を持っております。」こうはっきり答えられております。さらに、当時の岸首相も、同日参議院の
予算委員会で、やっぱり千田氏の
質問に対して、「日韓の間の交渉というものが、御
承知のように多年にわたって行なわれておりますけれ
ども、その結論を得ることができない状況であります」「何とかして、会談中でございますから、この会談を終結に持っていって、そうして諸種の
懸案問題を
解決したい。この
竹島の問題につきましても、そういうような扱いをして参っておりますから、私
どもは、決してこれを看過している」わけではないと、こう明白に、日韓会談の過程において
解決するのだということを答弁しております。さらに、翌九日の
予算委員会の席で、やはり岸首相は、森八三一君の
質問に対しまして、さらに明白に、「この会談におきまして、もちろん
竹島問題に関する問題もその会談の内容の
一つのアイテムにもなっているわけでありまして、」と、きわめて明白な、一点疑いのない答弁をやっておるのでございます。私は、岸内閣から池田内閣になり、藤山さんから
小坂さんにバトンが渡った後において、何ゆえに、この歴代の内閣が一貫した方針だとあなたが言っておられるこの対韓問題に対する、ことに領土問題に対する
態度を根本的に変更されたのか、この点を明確に御説明願いたいと思います。