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1962-02-20 第40回国会 衆議院 運輸委員会都市交通に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十日(火曜日)    午前十時三十九分開議  出席小委員    小委員長 關谷 勝利君       簡牛 凡夫君    壽原 正一君       高橋清一郎君    細田 吉藏君       堀内 一雄君    井岡 大治君       久保 三郎君    肥田 次郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 斎藤  昇君  出席政府委員         警  視  監         (警察庁保安局         長)      木村 行藏君         運輸事務官         (大臣官房長) 廣瀬 眞一君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      岡本  悟君  小委員外出席者         運 輸 委 員 塚原 俊郎君         運 輸 委 員 山田 彌一君         警  視  長         (警察庁保安局         交通企画課長) 藤澤 三郎君         運輸事務官         (自動車局業務         部長)     向井 重郷君         運 輸 技 官         (自動車局整備         部長)     石河 正利君         日本国有鉄道常         務理事     磯崎  叡君         日本国有鉄道参         事         (営業局配車課         長)      武田 啓介君         日本国有鉄道参         与         (管財部長)  山崎  武君         参  考  人         (日本通運株式         会社常務取締         役)      石井 昭正君         参  考  人         (日本トラック         協会相談役)  小倉 康臣君         参  考  人         (東京乗合自動         車協会観光部         長)      藤原 芳藏君         参  考  人         (日本PTA全         国協議会会長) 松林 彌助君     ————————————— 二月二十日  小委員佐々木義武君同日委員辞任につき、その  補欠として堀内一雄君が委員長指名で小委員  に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  都市交通に関する件      ————◇—————
  2. 關谷勝利

    關谷委員長 これより運輸委員会都市交通に関する小委員会を開会いたします。  都市交通緩和及び車両制限問題に関し、調査を行ないます。  この際、小委員会を代表いたしまして、私よりごあいさつを申し上げます。  参考人の方々には、本日は、御多用中にもかかわりませず御出席下さいまして、まことにありがとうございます。皆さんの貴重な御意見を承ることができますれば、小委員会調査の上におきまして、多大の参考になることと存じます。  それでは、各参考人のそれぞれのお立場から、都市交通緩和及び車両制限問題に関し、御意見を承りたいと存じます。  なお、発言は、小委員長指名順に御発言を願うこととし、お一人十五分程度にお願いいたします。  なお、御意見を承ったあと、小委員より参考人の各位に対して質疑を行ないますから、あらかじめ御承知おきを願いたいと存じます。  なお、本日は、東京公安委員の御出席を願っておりましたが、所要のため欠席されておりますから、御承知おきを願います。  それでは、まず最初に、東京乗合自動車協会観光部長藤原芳藏君から、御意見を承りたいと存じます。
  3. 藤原芳藏

    藤原参考人 私ども交通業者といたしまして、日ごろ交通混雑を来たしておる今日におきまして、この交通混雑を何らかの形において緩和する方策はないものかということにつきましては、人一倍の関心も持っており、また、公正妥当、しかも常識範囲内においてされる交通規制に対しては、全面的に協力を惜しむものではございません。しかし、今回御当局から規制案としまして立案され、発表されました案を見ますと、あまりにも日ごろの常識を逸脱した、極言するならば、ひねりやすいからひねるといったようなこの案に対しては、全面的に承服しかねるのでございます。日ごろわれわれ交通業者におきましての習慣といいますか、とられております方法を申し上げますと、犠牲を払うという面におきましては、公益性の最も少ないもの、あるいは輸送効率の最も少ないものに犠牲を払わせ、また、反対に優先権を与えるというふうなことにつきましては、公益性の最も強いものに優先権を与えるというふうな措置をとっておられるのが、今日までの実情でございまして、これをわれわれは常識考えております。しかるに、この常識をはずれた今回の案というものについて私ども業者として考えるときに——われわれ業者といたしましては、この公益性ということ、それから輸送効率というものを二本の大きな柱として、これからいろいろな問題を考慮して、日常われわれはその業務に従事しておる次第でございます。そこで、輸送効率というふうな面を考えてみますと、東京都内貸し切りバスは千四百台ございまして、これで一年間に輸送する人員が約千三百四十万人、このうちのまた分類をしてみますと、五五%の七百三十万人が中学校、高等学校あるいは学生修学旅行、あるいは社会科教育、遠足というふうな団体でございます。このような学生団体輸送しております。また、公益性というふうな面から考えてみますと、御承知の通り、免許事業であり、また、料金確定料金というワクをはめられており、また今回政府の発表しておられる公益事業料金抑制というふうなワクの中にも入っておるところを見ましても、公益事業であるということは明らかなことだと思います。また、その公益性という面の、実際担当しておる仕事の面においてどうかということを見ましても、これまた、先ほど申し上げました七百三十万人の学生団体のうち、都内だけを見ますと約四百三十万人、これらの学生修学旅行あるいは社会科教育輸送の任務を果たしておるわけでございます。このような学生団体のうちの一部分は、国鉄を利用して、そしてしかもシーズンといわれる四月、五月、秋の十月、十一月、このシーズンなどを見ましても、そのうちの、しかも今度の規制の案に盛られております時間帯の三時から七時までの時間内に、東京都の主要駅から発着する臨時列車だけでも、二十本を優に数えておるのでございます。これを人員にしてみますと、二万ないし三万人の人が、上野、新宿、東京、品川というような主要駅に発着しておるのでありまして、これらの駅から宿舎へ、また宿舎から駅へというふうな輸送は、ほとんど全部といっていいほど、との貸し切りバスによって輸送をしております。  このような仕事を顧みましても、われわれ事業者といたしましては、公益事業一端をになっておるという自負を持っておるわけでありまして、このような公益性事業、また輸送効率というふうな面からみまして、東京都には現在七十三万台に近い自動車数がございまして、そのうちの貸し切りバスを見ますと、わずか〇・二%にしか達しない千二百台の台数、このわずかなる千二百台の台数制限を加えて、九九・八%までを占めておる他の自家用車には何ら手を加えることなくして、一方的にわずかな台数にしぼられたということに対しましては、われわれ業者といたしまして、また、業者という面を離れましても、社会科教育一端をになっておるとの種の仕事の上から考えましても、この案に対しては、われわれ断固として承服しかねるものでございます。  従いまして、今日まで、われわれは、交通あるいは警察行政というものにつきましては、御無理ごもっとも主義でずいぶん従ってきたつもりでございますけれども、このような社会的に問題を含んだ大きな問題に対して、警察権一本やりで、単独な考え方でこれを施行されるということは、重大な問題があると思います。  そこで、このような大きな問題につきましては、警察当局にゆだねることなく、議員諸先生におかれましても、十二分に一つ御研究をしていただきまして、御賢明なる取り扱いをしていただくように、特にお願いする次第でございます。  以上申し上げます。
  4. 關谷勝利

    關谷委員長 次に、日本通運株式会社常務取締役石井昭正君にお願いいたします。
  5. 石井昭正

    石井参考人 石井でございます。本日は、交通規制問題について私ども考え方を聞いていただく機会をお与えいただきまして、まことにありがとうございます。  今次の交通規制の案を見ますと、その対象路線トラック長物運搬車長大牽引車及び不定期観光バスということになっておるようでございまして、私どものやっております通運事業には、直接触れておらないわけでございます。しかしながら、若干の影響はやはりあるわけでございます。と申しますのは、小口貨物を一車にまとめて運んで参ります小口混載というものは、これは東京都内に入るものばかりでなくして、東京都からさらに千葉とか、あるいは水戸、埼玉と、各方面に参っておるのは、路線トラックを利用いたしまして、いわゆる鉄道との共同輸送という格好になっておりますので、この点について若干の影響はございます。しかし、今回は主として路線トラックあるいは不定期観光バスというものが対象になっておるようでございますので、この点につきましては、別にトラック協会小倉さんもお見えになっておるようでございますので、私の説明は省略いたしたいと思います。  ただ、このような今回の交通規制によってはたして実効が上がるかどうかという点は、きわめて疑問でございまして、あるいはさらに第二次、第三次というふうに、その範囲を拡大されてくるのではないか。そういたしますときには、やはり巷間にいろいろ伝えられているように、貨物自動車というものがその対象になるんじゃないかという感じをするわけでございます。しかしながら、大型貨物自動車対象にいたしまして規制が行なわれるとなれば、私どもの行なっております通運事業影響することは、きわめて大でございます。のみならず、これはひいては国鉄全体の貨物輸送混乱のもとになるということを、お考え願いたいと思うのであります。  現在、東京都には大体一千万人をこす都民がおるようでございますが、今まで、日本の国民の消費物資の量は、大体一年間に一人平均一トンというのが常識でございます。従いまして、東京都民生活必需物資は、一千万トンになるわけでございますが、東京のような消費水準の高いところでは、おそらくこれを一割ないし二割は上回っておるんじゃないかと思うのであります。これに対しまして、国鉄で運ばれて参ります一年間の東京都内の到着の貨物は、千四百万トンになるかと思いますが、この大半は、約五〇%は、消費物資と見て差しつかえないんじゃないかというふうに、きわめて概括的な見方でございますが、思われます。なお、そのほかのものはトラックあるいは海運で入って参るということになると思いますが、そのトラックの方も規制を受ける。しかも、残されたルートの国鉄におきましては、東京都民生活必需物資大半を支えておるこの輸送が、非常な混乱を来たすのではないかと思うのであります。と申しますのは、現在東京都内各駅は、非常に能力不足になっております。荷物の積み置き能力は、東京都内の主要六駅では、大体五千トンぐらいしかございません。これは六駅の一日に到着いたします六分の一ないし七分の一程度能力だと思うのであります。従って、これらのごくわずかなスペースを回転させて、ようやく大量の貨物をさばいておるという状態でございまして、一日中、昼間、夜間を問わず、これを行なわなければならないというような状態であります。かつまた、国鉄ダイヤは、昨年十月の改正でもって旅客貨物ともほとんど余裕のない、ぎりぎりのダイヤ編成になっておりまして、これを変更する、あるいは夜間に集中するというようなことは、全く不可能でありまして、今日東京に入って参ります貨物列車編成というものは、現在の筋を一本動かすだけでも、おそらく非常に大きな問題を生ずるのではないかと思うのでございます。  そこで、小型にかえればいいじゃないかというようなお話もございますが、小型にかえますと、車両面積でもって道路を阻害する面積が、同じ大型車一台の荷物に対しまして、小型では前後の余裕考えますと、約二・三倍ということになる。同じ貨物を運ぶだけで二・三倍になるということを、御承知おき願いたいと思うのであります。経済的に見ますと、車両費だけでも六〇%の増高を来たしますし、また、三倍の人件費を要するというような状態になるわけでございます。しかも、現在の東京都内各駅状態は、車の踊り場がきわめて狭隘でございます。従って、小型化いたしますと、ただいま申し上げた数字から、約五〇%の能力低下ということは、当然考えられるわけでございます。そういたしますと、当然これは国鉄輸送を制約することになりまして、ことに東京の汐留の輸送が制約されます場合には、直ちに新鶴見操車場行き詰まりを来たす。それが東海道の全幹線の行き詰まりを来たして、結局、日本全国にわたって貨物輸送麻痺状態が起こる。これは決して誇張ではございませんで、昨年の三、四月ごろ、非常に雨天が続きまして、荷さばきが困難をきわめたというときに、全くただいま申し上げましたような状況が起こっておるわけでございます。  そういうような状態でございますので、もちろん国鉄の方にもいろいろ設備の御改善を願わなければならない点も多々あるかと思いますが、しかし、尋常一様の手段ではこういうことが解消できないという見通しでございます。しかも、現在の貨物輸送の体系は、やはり貨物は昼間に発生いたしまして、昼間に集配が行なわれて、夜間に大部分の貨物列車が組成されるという状態でございますので、今日の集配各駅実情を見ますと、九〇%近い数字が昼間に動いておるわけでございます。従って、今日現在の案では、通運事業につきましては影響はございませんが、将来また、これでは追いつかないということで、さらにそういう制限を強化されるというようなお立場になられるときにおきましては、非常な問題があることを申し上げたいと思うのでございます。  そこで私が申し上げたいことは、この交通規制目的は一体何であるかということでございますが、これは私は、非常に観念の混同を来たしている点があるのじゃないかと思うのでございます。交通規制目的は、一つには安全であり、一つには交通疎通ということであろうと思うのであります。その点におきまして、右折禁止とかあるいは一方通行とかいう御処置は、これはこの安全と疎通目的に合致しておりますので、今日までわれわれといたしましても御協力申し上げて参ったわけでございますが、車両制限となると、必ずしもそうではないと思います。今回の規制に入っております長大牽引車あるいは長物運搬車というようなものにつきましては、これは安全の見地から今日やむを得ない御処置であろうかと思うのでございまするが、しかし、その他の御処置につきましては、はたして安全のためにおやりになるのか、疎通のためにおやりになるのかという点でございます。もし疎通のために、交通疎通をよくするというためにおやりになるのでございましたら、私どもは、ぜひ一つ、この御起案なさっていることに、お答えを願いたい問題が一つあるのでございます。それは一体いかなる車を通りやすくするためにこういう御制限をされるのか、だれのために疎通を円滑ならしめるのかということに、はっきりお答えを願って、その上でそれに相当する御処置をおとり願いたい。ただ車が込んでいるから大型車はだめだということでは、おかしいのじゃないかと思うのであります。従って、大型車も、もちろん保安上の見地から通行どめをするという場合もあり得ると思います。しかし、それは今回の案でお示しになったような、東京二十三区全般にわたるという必要があるかどうかということでございます。また考えてみますると、バスもまた大型車でございますが、バスの御規制はおやりにならぬと思います。これは大衆輸送機関であるから、当然であると思うのでございます。しかし、通運集配車あるいは路線トラックというものも、これは大衆輸送機関であることは、旅客貨物の差こそあれ、全く何ら変わりはないと思うのであります。しかも旅客と違って、貨物というものは、絶対に一人で動くことはできないのでございます。従って、貨物そのものの移動を禁止しない限り、何らかの方法で、ただいま申し上げた東京都における消費活動あるいは生産物資輸送というものは行なわれるのでありますから、従って、これを規制するということは、やはり大きな問題として深刻にお考え願いたいと思うのでございます。  私の考えといたしましては、そういうようなわけでございますので、もしおやりになるならば、交通が非常に輻湊しておるところの、きわめて限られた都心部繁華地域、あるいは第一京浜とか甲州街道とかいうような街道筋で最も繁激なところについて、所要の適当な具体的な措置をおとりになるということは、ある程度やむを得ないかと思うのでありますが、今回のように二十三区全体、従って、路線トラックにいたしましても、ターミナルの設備を持ちながら、これを利用することができない。迂回でもいいからそういうところに入る道を認めるというようなお考えもなしに、全面的な禁止をされるということは、きわめて妥当も欠くし、また、経済的な大きな混乱を起こすのではないかと思うのでございます。  元来、かような東京都の道路状態に対しまして、車がどんどんふえて参るのでございますから、交通輻湊ということは、当然免れないのであります。輻湊混乱とは私は違うと思うのでありまして、交通輻湊いたしまして、今は、普通の自動車の速度で考えれば三十分くらいで着くところが、四十分あるいは五十分あるいは一時間かかるということは、これは乗用車の方も、トラックの方も、お互いが多少の犠牲を忍んで、この輻湊は甘受しなければならぬのではないかと思うのであります。ただ、困るのはジャム現象と申しますか、車が交差して全然にっちもさっちもいかなくなって、そこに大きなたくさんの車が押しかけて動きがとれなくなるという交通混乱は、これは決していいことではございませんので、それを防ぐということは、これは必要であろうと思います。そのためには、先ほど申し上げましたように、大型車というものがある程度対象になることも、あり得ると思います。  そのほかには、私は、道路工事が非常に大きなジャム現象の原因をなしておると思います。しかし、道路工事は、道路をよくするために、あるいは大衆輸送機関である地下鉄を整備するためにやっておられることでありますから、これは一時的には私どもは不便を忍ばなければならぬと思います。従って、そういう一時的な場所につきまして適当な措置を講ぜられるということも、忍ばなければならぬこととは思っております。  この道路工事につきましてなお一言お願いしておきたいのは、ガソリン税が、東京都で徴収しております額に対して、非常に少ない額しか東京都に還元されておらない。最近やや改善されたとはいえ、まだ半分くらいの程度しかなっておらないのでございます。これをできるだけ、こういうような状態にございますので、東京都に還元していただきまして、そして道路工事は、不経済な道路工事をやっていただきたいと思うのであります。と申し上げますのは、結局、工事そのものとしては不経済であろうと、あるいは金がかかってしようがなかろうとも、できるだけ早く、できるだけいい道路ができるように金を使っていただけば、東京都の交通緩和というものから見て、都民全体の経済的な大きな向上になるのではないかと思うのでございます。  大体私がお願いいたしたいことはそういうことでございまして、交通疎通立場からいろいろの御処置をおやりになる場合には、一体どういう車を通しやすくするためにやるかということに対して、一つはっきりした御見解をお示しの上、その線にのっとった御処置をお願いいたしたい、かように考える次第でございます。
  6. 關谷勝利

    關谷委員長 次には、日本トラック協会相談役小倉康臣君にお願いをいたします。
  7. 小倉康臣

    小倉参考人 小倉でございます。  ただいまの第二の参考人石井さんから、るる今回のトラック路線等規制につきまして詳細に直接、間接のお話がございましたから、この速記録を通じまして、私は、強くこれに対して同調するものでございます。御了承を願いたいと思うのであります。ただ、その他多少自分に考えました点がございますから、これを御参考までに申し上げたいと思うのでございます。  ただいま規制対象になっております路線トラックというものは、わずか七百台か八百台のものでありまして、現在の東京都の乗用車並びにトラックは六十五万台前後と存じますから、規制対象は、わずか一千台に一台のトラックをどうしようか、こういうような問題でありまして、数字的に見ると、まことに問題にならないのでございます。しかし、第二次、第三次があるぞというような各方面の空気から見ますと、この点、どうも今日の問題とは少しかけ離れた考え方をいたさせていただかなければならぬ、こういうように考えております。  そこで、トラックをいかに規制するかということについては、少し過去にわたりまして申し上げなくちゃならないのでありますが、一般の乗用車使命トラック使命はどう違うかということでございます。十七、八年前の大戦争の熾烈なときにあたりまして、ガソリンはなくなりまして、物の輸送、人の輸送は非常に困難をきわめたのでございますが、いかにしても戦時必需物資運搬と人間の生活物資は、これは第一優先にして扱わなければいかぬというので、今日規制を発表されました警視庁が中心になりまして、ガソリン規制委員会というものを作りまして、私も委員の一員として参った記憶がございます。そのときには、第一次、第二次、第三次とあわせまして行なったのでございまするが、バスであるとか、遊覧バス、あるいはタクシー、ハイヤー、トラック自家用車、その他特殊車となっておりまするが、規制の度合いについては、トラックはやはり一番重要性があるのだというような建前から、第一回の規制は、一七%でございます。第二回が二五%、第三回の戦争最終の時期におきまして、やはり二五%のガソリン規制を行ないまして、そして重要物資運搬にいつもわれわれいそしんでおったことは、記憶を新たにするものでございます。しかし、パーセントにおいてはかような数字でございますが、もともとだぶついたガソリンに対するパーセントでございませんので、ほとんど輸入の途絶されている当時におきまするガソリンパーセントでございますから、各種別の車は量的にはまことに微々たるものでございましたが、その微々たる中、いわゆる血の一滴と叫ばれたときに、まだ七五%の配給量をいただいたということにつきましても、時代は変わっておりまするが、トラック使命というものは相当大きいものではなかろうかと、私自負しておるのでございます。ことに、当時は戦時必需物資としてでございまするが、今日では、都市再建物資というものは、戦時物資より以上の重点はあろうとも、必ずしも軽いものではないと思います。ことに現在の路線トラックは、東は仙台から西は大阪、なおその先までも走って、各地のいろいろな生産物資その他を東京都内中心にして配給し、あるいは搬送しておるのでございますから、この点から見まして、非常に重要なものであるということは、過般  先月の三十一日と今月の十五日に、商工会議所商業部会あるいは工業部会その他の部会トラック利用の面からの声を聞きましても、あるいは会議所の関係の大学の二名の教授から聞きましても、今日の路線トラック規制というものは公益優先を妨げるものであるのだということを、りっぱに力説されておりました。  しかし、反対であるとか賛成であるとかいうことは、これは第二義的でございまするが、われわれも国家に協力するところの精神にはあふれておりまするから、社会のため、国家のためになるたけ円滑なる交通を行なうことは、当然これは取り締まり官庁とうらはらになりまして、行なわなければならない使命はよく存じております。しかし、今日の建前として、これを規制されますと、業者の死活ということよりは、全体の物資に対して、トラックの問題が非常に大きくクローズ・アップされてくるのではなかろうかと思うのでございます。こういう点におきまして、第一次はこれでよろしい、第二次はその次大きくするということになりましたならば、国家の産業というものは、非常に角度を変えた曲がりかどに立つおそれがないとはいえないと思うのでございます。かような建前からしまして、トラック運送事業というものは、自分の経営の範囲においてこれを守るべき性格のものでなく、これは公共的な使命から、大所高所から見ましてこれに臨むべきものであると考えておりまして、いつもこの点について、われわれは精進している次第でございます。  しかも、今回の規制は、新聞紙上に現われております通り、車種別の規制ということを盛んにいわれております。業種別の規制ということは、一字一句もないのでございます。しかし、路線トラック営業の車を規制するということは、これは業種別の規制であって、車種別の規制ではないのでございます。その同じ車が同じ道路で走ることが非常に危険であるのだとしたならば、なぜ同じ車種の車に対して、営業用、自家用を問わず、これを行なわないのかということに、非常に疑問をはさむものなのでございます。  なお、私たちしろうとで法律のことはわかりませんが、道交法の七条を見ましても、あるいは道交法の全体を見ましても、警視庁関係が営業にタッチしてそれを規制するということは、どこに一体法的の根拠があるかということを、私は疑いたくなるのでございます。もちろん、私たちの経営上の指導、助長の監督は、運輸省にございまするから、運輸省がそういう立場であるのならば、私一応肯定するのでありまするが、運輸省には何も御意見がないというところを見ますれば、この点で、いわゆる私たちしろうとでいうところの憲法違反ではないかというようなことを申し上げても、過言でないように自分は考えるのでございます。もう一つ法的に申し上げますれば、七条にございますところの取り締まり官庁の規制について、公安委員会の規制につきましては、危険のある道路については、その区間を限り交通を制止することができる、規制することができるということが書いてありまするが、東京全体のどこであろうとも、全部がみんな掘り返しちゃって、どうにも手にも足にもつかぬということであったらば、あるいは七条が適用されるかもしれませんが、必要な車は、どしどしと六十万台、七十万台と走っておるものが、何を好んで東京の三十八路線というものを規制するところの論拠があるかということについては、多少——法の解釈もございましょうが、その危険を及ぼす範囲において規制をされるということであれば、私ども納得いたしまするが、いかにもこの点については、業者とし、国民として、納得し得ないのでございます。しかし、これは当該の官憲も非常に御考慮の上なさったことであると思いまするから、私もとれ以上の強い発言は申し上げたくないのでございます。  ただ、再び申し上げまするが、何といっても、わずか七百台の車を規制して、それでその面目が立つかどうかという問題については、大きい立場から考えてもらいたいのであります。しかし、物資の輸送については、鉄道に次いでトラックの存在というものは大きくクローズ・アップされておるのでございまして、ただいま、大体におきまして、日々の運送は、確実に三万トンの物資を東西あるいは東北から運んでおります。しかし、これに加えますのに、自家用で路線トラックの運輸の類似行為をやっている地方の方々が、たくさんございます。推定でありまするが、その方々の運んでいる貨物が、またやはり一日三万トン、一カ月に約百万トンというものは運んでおるのでございまするから、こういう点を見合わせまして、このトラック規制を行ないましたならば、どこに一体そういう支障を来たすかということを、十分に当委員会におきまして御考慮をわずらわしたいと、切にお願いする次第でございます。  なお、トラック規制をいたしますれば、先刻石井参考人からもお話しの通り、夜間の営業については、夜間の荷受け設備というものを各荷受け業者がみなしなければなりません。これがなかなか一朝一夕にできるものではございません。しかるに、四月からやるということを言いましても、それはほとんど昔言う角をためて牛を殺すというような結果になるのでございまして、その混乱は想像にかたくないと私信じておるのであります。もちろん、現今労働組合の攻勢などございまして、夜間作業をかようにいたさして、はたして労働者の健康状態あるいはその他の問題について、完全であるかないか。また、もう一つ考えますると、よしこれは許されるとしても、その労銀なり、すべての設備費が非常に上がりまするために、運賃のコスト高というものは相当の額になる。これがみた都民、需要家の負担に帰せなければならぬ、こういうふうに私考えております。この点につきまして、昨日、東京へ入って参ります路線業者は百二十二くらいと聞いておりまするが、その全体がみな集まりまして、そしてこの暴案に対してあくまでもわれわれは反対せざるを得ないということを決議いたしたのがこの決議文でございまして、お手元に差し上げてございまするが、もう一度ここで読ましていただきたいと思います。    決議文   我々の経営する路線トラック事業国鉄と共に我が国輸送の大動脈であって国民生活安定の基盤をなしている。   我々は都内交通混雑緩和について昨年来昼間運行車を夜間運行に切換え協力して来たのであって、これ以上切換えは絶対に不可能の限界に達している。   然るに今回突如として発表された路線トラック規制は高度の公共性を有する路線トラック事業の営業権侵害であり物資の流通を阻害し国民生活を危殆に陥れるものであって絶対に容認し得ない処である。   因って本措置を撤回されんことを切望する。   右決議する。    昭和三十七年二月十九日       路線トラック通行規制絶対反対総決起大会  こういうことが書かれておりまするが、これはほんとうに業者の真摯の声でありまして、何ら業者以外の何ものの分子もここに含まれておりませんことを、特に私付言しておく次第でございます。  なお、私たち現在のふえつつあるものをとめたらいいじゃないかと一口に申しますが、これは生産関係もございましょうし、いわゆる国内の情勢もございましょうしいたしますから、生産をとめても、この絶対数は減るものではないと思いまするから、この点については言及を避けたいと思いまするが、ふえつつあるところのこの交通について、今唯一無二のたよるものは何かといったらば、交通信号機でございます。ところが、交通信号機が、事故が多発のところはあれもこれもと立てますために、むしろ非常に多くして、そのためにかえって障害になっておるように考えております。この交通信号機を俗に言う系統式と申しまするか、上手に整理をされたらば、まずもって私は、もう一割や二割の交通緩和はこれによってまた得られるのではないか、こういうふうに考えております。この点につきましては、警視庁がやっておることでありまするから、あえてこれはそれ以上は申しませんが、例をあげますれば、どぶの水が一つのごみによって狭まれた場合、そのごみの上のものはあふれまするが、下のものは流れておる。これと同様に、幾らか現在の交通信号に対してもう少し改善、もう少し努力をしていただいたらば、その効果がもっと上がるのではなかろうかと思います。なお、交通巡査の不足等もございましょうが、これらは町の緑のおばさんのごとく、やはり町には交通安全協会というものも、各地にできております。警視庁内にも本部がございまするから、こういうものを動員されて、そうしてその方面から補助員でもつけられるならば、人とそれから機械力に待てば、まだまだもう一、二年はどうやらこの分で過ごせるのではなかろうか。しかし、必ずしも終局の目的はそれをもって達せられるものではありませんが、四月からとかというような、あまりにも唐突なことでなく、一応一年たち、二年たったそのうちには、各地からみな相当の識者が出まして、そうして十分なる交通政策の新しい方策が講じられるのではなかろうかと存じております。  それからもう一つ申し上げたいのは、あえて私は営業用車のみを申し上げるので、自家用車を申し上げるわけではありませんが、ただその制度なり、あるいは認可の方式なり、そういう問題に対して相違がございましょうが、自家用車の車庫並びに常置場所は置くべきことに法律でなっておりまするが、これが、どうも実際に調査いたしてみますると、ほとんど調査が行き届いておらぬ。自家用車は自由奔放に飛び回っておるというような事態も、この車庫並びに常置場所と見合わせまして申し上げても差しつかえはないように考えておりまするから、御参考までに申し上げます。  なお、自家用トラックの問題は、もうすでに私たちが申し上げるまでもなく、当委員会におきましても、いろいろ御関心があることと存じますから、省略いたします。  なお、この二、三年の間に交通対策の緩和をはかるということについて私が、一つ、二つ申し上げたいのは、旧来の荷受主というものは、やはり日本橋区であるとか、神田区であるとかという、まあ大げさに言えば明治時代からの商店そのままの方々があるのでございまするが、経済の成長につれて非常に荷物が多くなりまするから、こういう方々の荷受け場所を疎開していただくことは、こういうお店の方々の非常な幸福にもなるし、またわれわれの運送にも非常に便益になるというので、現在東京商工会議所にこれを提案いたしまして、なるたけ自主的にやっていただくように働きかけてみたいと思いまするが、何を申しましても、当局のやはりそれぞれの協力がなければ、土地その他も得られませんから、この点について、自分は一応当委員会に希望を申し上げる次第であります。  なお、自動車の問題については、非常に将来も重要性があるために、縦貫自動車道というような特別の道路が作られるようなわけでありまするが、この終端あるいは発端につきましては、何らの措置が講じられておりませんが、どうぞ国なりあるいは東京都なり——東京におきましては、そういうところと、例をあげますると、中央食品市場のごとく、ああいう共同のターミナルを四つ、五つ作っていただきますれば、こういう問題の解決は非常に易々たるものだ。しかも、都内の経済成長は、もっともっとよりよけいに繁盛になるものだ、かように考えます。どうぞこの点、何分とも委員長さんの御裁断を仰ぎたいと思います。特に車種別、業種別ということについては、私どもはどうしてもあの法律だけでは納得がいかないということを付言いたしまして、御参考に供したい、こういうことで申し上げた次第でございます。ありがとうございました。
  8. 關谷勝利

    關谷委員長 次に、日本PTA国協議会会長の松林彌助君にお願いいたします。
  9. 松林彌助

    ○松林参考人 私は、この都市交通緩和、それから車両規制、こういうことをしなければならぬという根本的な問題があろうと思うのですが、ただ皆様方が御説明になったような、東京都だけを規制するとか、東京都だけを緩和するとかという考え方は、これは国全体の問題から考えますと、東京都のような問題は、早晩名古屋とか大阪にもうすくにくると思うのです。もう現在きておると思うのです。そういうことから考えまして、この一つを取り上げてのものの解決ということではならぬじゃないか。国全体の一つの総合的な施策としてこれを打ち出さなくてはならぬじゃないかというようなことを考えます。それと同時に、まず一番身近に感じ、しかも当然やらなくてはならぬことは、これは全国の都市計画の再編成と申し上げましょうか、都市計画をこの際はっきりとしていかなければ、大体との問題の解決はできぬじゃないか。その都市計画を編成していくにつきましては、御承知のように、都市は、周辺農村あるいは外郭と一緒になりましたので、相当膨大なものになりました。しかし、旧態依然とした姿で現在その施政が行なわれている、こういう中に非常に無理があるわけであります。交通の面からいいましても、あるいは行政の面からいっても、私は、非常に無理があろうと思うのです。そういう意味から、都市をこの際編成していくには、どうしてもやはり国で大きにその助成といいますか、指導というのでしょうか、こういうことをしなくちゃならぬじゃないか。そうすることによって東海道の、あるいは東京も大阪もそうでありますが、交通緩和はされていくのじゃないか。現在から申し上げますと、私どもの関係いたしておりますところの児童、生徒の一カ年の負傷、死亡者、こういうものをざっと見ますと、相当な数字になっております。どういうところでそういうふうな災害が発生していくかというと、割合と最近はこまかい道路にはそういう災害が少ない。やはり大きな道路に非常に多い。これは無理な運転あるいは長距離輸送で、居眠りの運転で家の中へ飛び込むとか、あるいは子供たちを犠牲にしていくというようなことが、頻々と行なわれておりますので、そこで何としてもこの際各代議士の諸先生方にも再編成をしていただいて、そうしてしっかりとした道路考えていただくということが一つ。  もう一つ、これは私しろうとで何もわかりませんが、運転手に対する免許証とか交通取り締まりは、警察とかあるいは公安委員会で行なっている。また、バス路線とか軌道といった面は、運輸省の方でこれを行なっている。それから道路の建設とかいう問題は、建設省で行なっている。それから自動車の関係は、たとえば輸出にしろ、どんな自動車を作るにしろ、通産省が関係しているというようなことで、さまざまな省がそれぞれの考えでこの問題の処理に当たっているというところにも、ある程度問題点があるのではないか。これは日本国土の全体の交通緩和の総合的な問題を考えますと、そういうような所管がまちまち  まちまちというとしかられますけれども……
  10. 關谷勝利

    關谷委員長 松林君にちょっと申し上げますが、この都市交通全般に対してどうあるべきかという姿、すなわち、地下鉄の問題、立体交差の問題、道路の問題・あるいは路面電車の撤去、あるいは機構の問題等については、すでに当委員会においても議論が尽きておりますので、本日は、都市交通緩和、特に車両制限問題について、ことにあなた方の御関係の深い観光バス規制した場合にどんな結果が起こってくるかというようなことについて、積極的な、今の交通全体をどうするとかいう問題でなく、そういう消極的な、混雑緩和をどうするかということでお尋ねするのが主でございますので、そのつもりでお願いします。
  11. 松林彌助

    ○松林参考人 それでは、私どもPTAのいわゆる子供たちの関係から申し上げますと、先ほど東京都のバスの関係の方からお話がございましたように、年間七百三十万人の子供を東京に収容する、しかもその中で四百万人くらいは児童、生徒だということでございますが、生徒が卒業するときに、あこがれの東京に夢を持って修学旅行などを行なう、これは年間計画の中に入っているのでございまして、それが途中でなくなりますと、子供たちが大へんかわいそうな実態になってくるということで、これは勝手かもしれませんが、そういう子供たちの関係の車両制限には、どうか手心を加えていただきたい。そうしないと、子供たちが先生方とともに東京を見物し、あるいは社会教育の一環としての将来の考え方を植え付けていくのに、それは大へんかわいそうじゃないかというようなことで、こういう点については、ぜひ一つ大いにお考えの中に入れて制限を加えないような方途を講じていただきたい、かように考えます。  そういうことで、御承知のように、私どもには金銭的な利害は何らございませんが、しかし、この自動車に対しましては、個々の子供にしろ、大人にしろ、全体の私ども父兄にいたしましても、大いに利害があるわけなんであります。それを端的に申し上げますと、この問題を一つ東京都にしぼらないようにしてもらいたい。たとえば、私どもの県でありますところの静岡県の方から東京へ上る実態なんかも考えてもらいたい。東京規制いたしますと、東海道の交通がほんとうに麻痺してしまうというような状態がくるんじゃないか。これは三島を一つの基準にして、箱根山を越して東京へ入る自動車大型小型考えますと、二十四時間の間に約三百五台通っております。この三百は三十五年でありますので、三十六年はこれの約三〇%ぐらいふえたと計算をしていいと思います。そうなりますと、大型バスにしろ、自動車にしろ、一時間でも二時間でもこれをとめますと、東京へ入ってくるのに東海道が麻痺する、自動車がつながってしまってどうすることもできないという現象が出てきはしないか、こういうふうなことも考えております。  どうかこういう点を一つよくお考えになりまして、万遺漏のないような御処置をぜひお願いいたしたい、かように考えます。どうぞよろしくお願いいたします。
  12. 關谷勝利

    關谷委員長 これで参考人の方々の御意見は一応終わったわけでありますが、これより参考人及び政府に対しまして、質疑を行ないたいと思います。  御参考までに、政府関係で出席しておりますのは、運輸省自動車局の業務部長向井重郷君、整備部長石河正利君、国鉄業務担当理事の磯崎叡君、管財部長山崎武君、営業局配車課長武田啓介君、警察庁保安局長木村行藏君、これだけ出席をいたしておりますので、申し上げておきます。  質疑の通告がありますので、これを許します。井岡大治君。
  13. 井岡大治

    ○井岡小委員 先ほどから各参考人の方々の御陳述をお伺いいたしたわけでございますが、先般の当委員会において、われわれが政府に質問をいたしましたことと、大体において大同小異の御陳述であったわけであります。当委員会は、当面いたしておる混雑しておるところの都市交通緩和をどうするかということが、主たる目的でございます。従って、今回の車両制限、車種別禁止それ自体のいい悪いは別といたしまして、このこと事態も、当局においては、今日の都市交通緩和をするのに役立つというような立場から、御提案がなされておるものとわれわれは拝察をいたしておるわけです。そこで具体的に私は小倉さんにお伺いするわけですが、小倉さんが都市交通緩和策として、荷受人の荷受け場所の疎開であるとか、あるいは縦貫道路の初端、終端の整備等をお話しになっておりましたけれども、当面する問題にはなかなかこれもほど遠いと思うのです。そこで具体的にどうすれば今日の都市交通緩和できるか、こういうことについて一つお伺いをいたしたいと思うわけです。
  14. 小倉康臣

    小倉参考人 先刻申し上げたことは、記憶しております。ターミナル問題であるとか、縦貫道問題であるとか、あるいは荷受主の疎開の問題につきましては、どうしても月日をかけなければ、幾ら勧告してもなかなかそれは困難だということは、先刻も申し上げたことが記憶に残っておりますが、かようなわけで、当面の問題の解決策の点については、私は触れておりませんと思います。しかし、何と申しても、これに付随する緩和策ということの御質問につきましては、私は、職事中の問題をここに出すことは少し筋違いの感はございまするけれども、やはり一番ふえゆく、レジャーを楽しむ自家用車について、何とか法を設けて規制をしていただいたならば、非常に効果が上がる、そしてこの道路交通の経済的効果までも、またここへ上がってくるのではなかろうかと思っております。自家用の問題につきましては、私は、あえて局外者とは申し上げません。都民でありますからやはりこれも関係しておりますが、戦争中は切符制度をとりまして、切符で給油の間とのリンクをしたというような事例はあるのでございますが、これはないガソリンに対する処置であります。現在のようにだぶついておるガソリンについて、はたしてどういう方向に向かって切符制を援用したらいいかということは、私自身にもなかなか考えは及ばないのでございますが、こういう面につきましても、何とかでき得るならば当該官庁との間に懇談会でも開いて、いろいろ昔の経験を生かしてお話を申し上げたいと思うのでございます。実は小さな例でありまするが、正月の一日、二日、三日の熱海の状態を申し上げると、これはりっぱな極端な一つのお手本でございますが、海岸から熱海の駅まで小型自家用車で全くぎっしり詰まっちゃって、タクシーに乗ろうとしましても、タクシーは拒否します。その拒否は、決して自分の営業擁護のためでなく、待っておっても、東京方面から来る自家用のために、一時間も二時間も運転ができないから、まことに済まないが海岸から歩いてくれないか、わずか十五分で歩けるからというようなあんばいに、熱海とかあるいは海岸地に行きますと、いかに自家用というものがむだに使われているかということを多少うかがい知ることができるのでございます。その内容については、議論がございましょうから、私申し上げないが、一応客観的に見て、これらはいい例であると思う。この自家用を幾分、ガソリンのみでなく、運転の規制を行なわしめたならば、祝日だろうと、祭日だろうと、ないしは日曜であろうと、それはもちろんハイキングというような健康法も非常に加味はされておりますけれども、行き過ぎた行動には出ないのではないだろうかと思っておりますので、ガソリン規制のみでなく、運転規制でも行なわれたならば、しごく幸いだと、私は一都民として考えておるわけでございまするが、参考までに申し上げます。  なお、ちょっとつけ加えまするが、これは全体の御意見でありまするが、今回の規制につきましては、最初六大新聞紙上に、都下の重トラックはみんなとめてしまうということがあったことは、御承知のごとくだと思います。その後にまた変更しまして、路線トラックだけを押えるというような新聞報道がございましたが、われわれ国民として、また業者として、主要官庁の意見の統一というものをもう少し徹底的にやっていただかないと、業者はいつでも薄氷を踏むような思いをして経営しなければならないということ、これは余分な話でございまするが、一つ申し述べておきます。
  15. 關谷勝利

    關谷委員長 井岡君、今斎藤運輸大臣と警察庁の交通企画課長藤澤三郎君も見えておりますので、申し上げておきます。
  16. 井岡大治

    ○井岡小委員 自家用車規制ということですが、その自家用車規制の限度というものもおのずからあるわけです。今小倉さんがおっしゃっておられるのは、おそらく自家用の乗用車のことではないかと思うわけです。これも一つ方法でしょうけれども、やはりもっと抜本的に考えられないと、単に一つの切符制でこれを規制するのだということでは、しかもそれが戦時中の話を例にとられて言われたのでは、何か回顧録を聞いているような状態で私は、責めるわけではございませんが、少なくともトラック協会の相談役としての御意見ではなさそうな気がするわけです。ですから、具体的に今の問題をどうすればいいかという、先般来言われていることを実はこの間やったわけなんです。やったわけなんですが、われわれだけではいけないので、皆さんをわずらわせたわけですから、もう一度この点をお伺いしたい。  なお同時に、これは石井さんにお伺いするわけですが、先般の当委員会における警察当局お話でも、わずか六百か七百の路面トラック禁止しても、決して交通緩和に役立たないとは言わないけれども、必ずしもこれが万全だとは思わない、こういうことをわれわれは御質問したわけですが、その際に警察当局は、当面これをやるが、同時に全体的に及ぼしていきたい、こういうお話でございました。その結果国民経済に及ぼすことは、これはだれが考えてもわかることなのです。どういうように及ぼすかということについて、一応経営面の立場から、石井さんは、車両費が六〇%、人件費が三倍になる、こういうお話をなさっておったわけですが、この結果どういうことになるかをもう少し具体的にお調べになっておれば、一つお伺いをいたしたいと思う。
  17. 石井昭正

    石井参考人 私ども仕事に使っております車に影響を及ぼす場合に、これに対する方策としては、大型車小型化、いま一つはやはり夜間体制、こういうことになると思います。大型小型の切りかえは、交通疎通の面から見ると、私は、一向に効果的ではないと思う。安全の面から見れば、先ほど申し上げましたように、場所によっては若干そういうことも言えるかもしれないが、疎通の面から見ると、かえって逆効果ではないか。しかし、その場合に申し上げたいのは、かりに小型化すれば、先ほど申し上げたような直接的な費用だけで、車両費の六〇%、人件費も三倍ということになる。また、夜間体制に切りかえるということになると、第一に、必要なスペースを考えなければならない。そこに貨物を積み置きしなければならない。それから従事員その他全部夜間勤務体制になりますから、シフト制をしくとか、超過勤務を払うとか、いろいろな人件費の増加支出があると思います。そういうようなことがございますが、何分にも、現在の東京における設備増加の経済的価値というものははかり知れないものがございますので、現実の問題としてどれくらいの経済的効果になるかということは、すぐにはお答えできませんが、私どもといたしましても、今後検討を加えて、皆様方に御報告しなければならぬ、かように考えます。
  18. 井岡大治

    ○井岡小委員 そこで、これは少し行き過ぎたような質問で、あるいは皆さんの方で御答弁できにくいかもわかりませんが、しかし、きょうは、問題が都市交通の混雑の緩和をするという立場から、私たちも経験の長い実務をとっておられる方々にお伺いをするわけですから、できるだけ大胆に言っていただきたい、こう思うわけです。  今回警察当局考えておる車種別禁止というのは、ここに一つの要綱をいただいたわけですが、「車両運行の管理調整の実施」という立場から、これを考えておいでのようです。当面やるのは、いわゆる路線トラックであるとか、長物運搬車であるとか、あるいはまた長大牽引車、あるいは観光バス、こういうように規制をされておるわけです。しかし、これは当面という立場をとれば、それは私もわからないことではないのですが、原則として、交通方法に対する規制措置という、その車両運行の管理、調整という立場からくると、今とられようとしておるのは、あくまでこれは業種別の規制であって、車種別の規制じゃないという感じがするわけです。そこで早晩起こってくる問題は、いわゆる車種別ということになってきやしないかという感じを私は持つわけですが、車種別の規制ということになれば、これは非常に大きな問題になろうと思うわけです。先ほどから言われておるような問題が出てくると思うわけですが、もし車種別禁止をかりにやるということになれば、今度はどういうことになるのであろうか、あるいは車種別禁止をする最初に意図されておる長大とか、あるいは大型とかいうことを原則でするなら、どれ以上を大型とされておられるのか。われわれの常識でなくて、皆さん方はどうお考えになっておるか。この点をおっしゃっていただきたいと思うのです。
  19. 石井昭正

    石井参考人 私ども、先般来、大型トラック禁止とかいうような新聞記事なんか見るときには、大体五トン以上のトラックではないかというふうに推察しております。この場合、数量的にいえば非常に減るわけでありますが、七トン以上というようなお考えになれば、また別にわれわれの対応策も出てくると思います。五トン以上ということになれば、先ほど申し上げたように、私どもとしては、たとい小型化し、あるいは夜間に回すというような考え方をとったといたしましても、現在の鉄道輸送能力に絶対に追従してはいけない。また、ある場合には、現在の汐留、秋葉原の持っておりますスペースの六倍、七倍にわたる積み上げ場所というものがない限り、これは不可能だ、こういうような考えを持っております。
  20. 井岡大治

    ○井岡小委員 ちょっとこれは関連ですから、向井さんにお尋ねをするわけですが、この間、局長に、現在東京に入ってくる路線トラックあるいは営業用のトラックをも含めて、何ぼくらいあるのか、これを調べて資料を出してもらいたい、こういうことを言っておいたんですが、きょうはいただいておりません。そこでお尋ねをするのですが、東京都内で、五トン以上の車両数は何ぼある、七トン以上は何ぼある。もう一つは、今申し上げた東京に入ってくるこれらのものを含めて何ぼになる。その数字をちょっとお伺いしておきたい。
  21. 向井重郷

    ○向井説明員 流入の調査は、きょうはできておりません。五トン、七トンの区別はちょっと今のところは数字の持ち合わせがございません。次会までに、必ず調べまして提出いたします。
  22. 井岡大治

    ○井岡小委員 そこで警察庁の保安局長にお伺いしますが、先ほど参考人の方にお伺いをしておりますと、今規制をしようとする車種は千台に一台の割合だ、こういうことなんです。それでもってあなたの方のいわゆる今日の交通対質の混雑規制が行なわれる、こういうふうにあなた方はお考えになって発表されたことだろうと思うのですが、この点については、どういう考え方なんですか。
  23. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 今回警視庁が各方面に御相談申し上げている案は、大体対象といたしましては、観光バスその他を全部入れまして、七千台ないし八千台くらいになりますが、この規制と並行いたしまして、自主的にいろいろ業界とも相談いたしまして、自主的な統制といいますか、そういう運行管理の調整を並行して行政指導としていたしたい。従いまして、それは限られた対象に対しまして、たとえば大型車大型トラックなどについて運行計画を毎月お互いに把握し合いまして、それに基づいて、ある特定の路線について、あるいはある特定の時間帯について、運行を制限することを自主的に相談申し上げ、こういうものと並行してやりますので、ある程度の効果は上がると私は思います。しかし、これで全部、東京都内なりの混雑が格本的に解決されるというほどまでのことは考えておりません。
  24. 井岡大治

    ○井岡小委員 もう一つお伺いいたしますが、今お考えになっておるのは七千台から八千台のところだ。そのほかに自主的に御相談を申し上げて調整をしたい、こういうお話ですが、その調整をしたいとお考えになっておいでになる台数というものは、何ぼにお考えになっておるか。
  25. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 今手元にその台数の正確なものはありませんが、一応警視庁がこれと並行してやりたいというのは、大型トラックの関係を中心考えております。その数字は、大体把握いたしております。
  26. 井岡大治

    ○井岡小委員 その大型数字を把握しておるということですから、その把握しておる数字一つお伺いいたします。
  27. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 警視庁が交通量を調査いたしましたその結果でありますが、昨年の二月から十一月までの間、ずっと継続的に調査いたしまして、都外から都内に入るもの、これは上りと一応観念いたします。それから都内から都外に出る、こういう二つに分けます。それから昼間と夜間に分けまして、昼間は午前八時から午後八時まで、夜間は午後八時から翌日の午前八時というふうに分けて考えてみますと、貨物につきまして、上り、いわゆる都内に入ってくるものでありますが、これの昼間が、交通量といたしまして二万五台、夜間が四千八百六十四台、計二万四千八百六十九台でございます。出ていきます下りの方は、昼間が一万九千八百台、夜間が四千四百七台で、合計二万四千二百七台でございまして、この上り、下り総計いたしますと、昼間、夜間を通じまして四万九千七十六台で、約五万台になります。
  28. 井岡大治

    ○井岡小委員 そうしますと、今お考えになっておるのは大型車ということでございますから、一応あなた方の頭の中に想定をされておるのは、入ってくるのと出ていくのを合わせて約四万台になるわけですね、夜間の分は別としまして。これらの分について規制をしよう、こういうお考えですか。
  29. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 今申し上げましたのは、大型トラックと申しまして、大体道路交通法では積載量五トン以上ということになっておりますが、現在警視庁で、先ほど申しました自主規制をお互いに相談づくでやるというのは、まだ五トン以上にするか、七トン以上にするか、はっきりきまっていないようです。しかし、七トン以上というふうに限定しまして、その七トン以上につきましても、一案としてあるようですが、その七トン以上についても、非常に大きい十トンというようなものを先にして、だんだん七トンまで下げていく、こういうふうな考え方でありますので、七トン以上にかりに一案として考えております場合には、今申し上げた都内の出入りの五万台は、もっと少なくなると思います。
  30. 井岡大治

    ○井岡小委員 少なくなるということでございまするけれども、そう大して数字の上では変わらないと私は思うのです。そこで明らかになったのは、結局警視庁のお考えになっておるのは、最初、路線トラックなり長物運搬なり観光バスだということでありましたけれども、現実の対象にお考えになっておるのは、大型トラックということが明らかになった、こういうふうに私は理解するわけです。  そこで問題は、磯崎さんがお見えになっておりますからお尋ねするんですが、先ほど石井さんのお話では、東京の六大貨物駅が、現在、実際問題として飽和状態に達している。しかも、これらが全部夜間になりますと、夜間作業にしなければならない、あるいはあくる日に持ち越さなければならないという状態、こう考えるわけですが、そういうことで国鉄輸送に支障があるのかないのか。この点をお伺いしておきたいと思います。
  31. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ただいまの御質問につきまして、多少数字でもってお答えいたします。  現在、東京都内に一日に到着いたします貨物列車が約百二十本、車数にして大体三千二百両から三千四百両くらい。日によって多少違います。それを時間別に見ますと、大体午前八時から午後八時までに到着いたすものは、そのうちの約半分の五十五本、それから夜間に、午後八時、すなわち二十時から午前八時までに到着いたすものは六十五本、合計百二十本でございます。大体夜間到着の方が少し多くなっております。現在の状況から申しますと、夜間に到着いたしましたものを翌日の昼間配達する。また、昼間に到着いたしましたものは、午後のものは翌日になるということで、先ほど石井参考人のおっしゃった通り、原則として昼間の積みおろし並びに配達ということをいたしております。現在、それに使っておりますトラック、これはちょっと概算になりますが、大体今の約三千二、三百両の貨車が——東京から逆に荷物を積んで出る場合があります。その東京に到着いたしますものと東京から出ますもの合わせまして約六万トン、一日に東京都内貨物駅から発着いたします貨物が、大体六万トン前後というふうになっております。そういたしまして、それの小運送をやっておりますトラックの数が、大体六千両前後、一応今三回転ないし四回転——四回転とみなして延べ二万四千両のトラックが、その鉄道貨物の、先ほど申しました約六万トンの発着貨物の小運送をやっておるわけでございます。数字に多少の食い違いがございますのは、専用線に出入りいたしますものが、小運送にかかりません。その食い違いがございますが、いずれにいたしましても、延べで約二万四、五千両のトラックが、私どもの手足と申しますか、末端の神経として活躍してくれております。最近発表されました警視庁の第一次規制では、一応路線トラックということになっておりますようで、私どもの方の小運送は入っておりませんので、さしあたりの影響はほとんどないというふうに考えておりますが、たまたま昨年の暮れ、十二月の十日から月末まで、東京都内で、御承知のような一部交通規制をやったことがございます。その際、これはもう主として昼間の荷役が、昼間の小運送が非常にむずかしくなりましたために、一日約五百トン程度荷物を、これは東京都内全般でございますが、時間帯を変えて、夜間その他の時間に、あるいは早朝とか夜間とかいう時間に、運搬をしてもらったという事実がございます。これは五百トン程度でございましたので、全体としてそう大きな影響とは申し上げませんが、もし今後第二次あるいは第三次の、ことに大型トラック規制ということになりますと、私どもの方でも——先ほど申しました二万四、五千両と申しますのは、大体大型が六割五分から七割、小型が三割程度、割合鉄道貨物の発着は、大型トラックを使っておるのが多うございます。これも必ずしも正確ではありませんが、大体六分、四分か七、三程度大型考えております。そういたしまして、もし先ほどの先生のお話のごとく、大型トラックに相当の大きなウエートを置いて今後規制がされますというと、今後よほど鉄道貨物輸送に対する影響があるというふうに考えざるを得ないと思います。現在の状況では、汐留にいたしましても、秋葉原にいたしましても、結局、鉄道輸送と小運送をつなぐ駅におけるプールが、ほとんどございません。これは先ほど石井参考人が言われた通りであります。駅に倉庫があるとか、あるいは大きな荷役の設備があれば別でございます。いわゆる大運送と小運送とのつなぎに、ほとんどプールがなしに、大運送がそのままずっと小運送に流れるような輸送の制度をとっておりますために、もし大型トラック規制されますと、ちょうど港の船込みと同じような状況が招来されるのではないかというふうに考えます。  旅客運送については、また別途に申し上げます。
  32. 井岡大治

    ○井岡小委員 そうしますと、こういうように理解をしてよろしいですか。たとえば、現在の状態の物資の流通がかりに一日でやれると、こういうことに仮定いたしますと、今警察庁当局が言われた七、八千台にプラス約四万台が、これは全部夜間の方に回るわけですから、そうなりますと、約五万台がさらに加わってくるということになろうかと思うのです。そういう計算によりますと、私は、数字的には直ちに五倍かけるということになろうかと思いますけれども、そうでなくて、少なくとも一日のものが二日ないし三日、こういうような流通過程をたどるのではないか。しかもそれが蓄積してくると、全くある一定の時期には、たとえば季節輸送などがある場合には、かなり混乱が生ずる、こういうように理解してよろしいですか。この点、お伺いしておきます。
  33. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 その点につきましては、逆に申しますと、二日でも三日でも待って輸送ができればまだいい方だと、私は思っております。むしろ、先ほど申しました通りに、現在汐留、秋葉原等の状況で申しますと、結局、大運送そのものをとめなければいけないということになると思います。実は、これは同じような例でございましたが、一昨年の暮れに、四国のミカンにつきまして同じような問題がございました。これは汐留から秋葉原の市場へ持っていきますトラック輸送が非常に困りまして、ことに天候等の障害がありましたために、結局、四国のミカンの発送を押えたというような事例が、実は具体的にございますので、先ほど先生の御質問なさいましたようなことは、二日、三日おくれても、荷物が動いていればまだいいと思いますので、むしろ大運送そのものを発の方からとめなければいけないという事態がくる可能性があるのではないかというふうに考えます。
  34. 井岡大治

    ○井岡小委員 石井さんの方では、この問題でどういうような影響がありますか。
  35. 石井昭正

    石井参考人 私の方は、ただいま磯崎常務理事が申されましたように、鉄道輸送に直結して集配をやっておりますので、集配が滞りますれば、鉄道輸送は私はとまると思います。しかも、汐留なら汐留がとまれば、新鶴見の操車場は、機能を停止いたします。東海道の貨物輸送は、全面的に麻痺いたします。従って、何としても、到着した貨物を全部その日のうちにさばかなければなりません。しかし、先ほど申しましたように、小型化したのでは、現在の能力の五〇%ぐらいしか出ないのではないか。また、夜間に回すということは、ほとんど現在の設備の関係上——一割や二割できないとは申し上げませんが、全部そういうことはとてもできかねるということで、まず、鉄道輸送はすぐさま行き詰まりを来たすというふうに考えております。
  36. 井岡大治

    ○井岡小委員 まだ同僚議員がお尋ねになると思いますし、きょうは、参考人からの御意見を承ることになっておりますので、私は、最後に、運輸大臣に伺います。  今お聞きになられたような状況で、私たちは、先日の当委員会において、国民経済に大きな影響を及ぼすのではないか、こういう質問をいたしたのでありますが、警察庁当局は、現在でもすでに自主規制等をやっていただいておるので、これによってさして大きな影響を来たすというようには思えないという御答弁でありました。しかし、だんだん承っておりますと、当面出しておられるのはそういうことでありますが、先ほどの保安局長のお話のように、これだけでなくて、ほかに大型トラック等についても、話し合いの上で規制をする。その規制対象になるべき性質のものは、少なくとも四万台ということが明らかになった以上、運輸当局として、国民経済に及ぼす影響というものを、どういうようにお考えになるか。この点を一つ明確にお答えをいただいて、私の質問を次の方に譲りたいと思うのです。
  37. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 臨時交通閣僚懇談会におきましては、自動車の車種別、時間別の規制をやらなければならぬであろうという意見警察当局から出まして、それもそうであるかもしれない、しかし、実際に経済に及ぼす影響というものはどういうことになるか、一つ実際にやろうとするサンプルでも出してもらいたい。当該路線について、当該車種について、どういう影響がくるかということを検討しないと、にわかにどんなことをやってもよろしいという結論にはならないから、従って、まず具体案を出してもらいたい。具体案なしに車種別、時間別の制限をやるといったって、それがいいか悪いかということをはっきり言えないから、具体案について検討をしようじゃないかということで、具体案を出してもらった。私は、そう理解しております。先般の懇談会で一応の案が出ましたが、その際には、関係閣僚も、国会の委員会その他の用務で席をはずす者が多く、私も、これはよく関係当局間において具体的に検討してもらいたいということを述べておいたわけであります。その後、ただいま具体的に検討に入っております。私は、まだ検討中でございまするから、どの程度第一次に考えておられるか、しかも、その案も、具体的に詳細にどういうやり方をやられるのか。そこまで聞いておりません。やり方によって、先般も参議院の予算委員会であったと思いまするが、これによって非常な支障を来たす、あるいは運賃の相当な値上げが必要となってくるというような場合でもやるのかという御質問がありましたが、これに答えまして、さような支障を来たすような事柄については、私たちはイエスと言えない、こういうように答えておきました。今もその考えでおります。従って、この結果がどの程度の経済的支障を来たすかということによって判断をしなければならぬと考えております。もちろん、都市における道路交通緩和の問題につきましては、運輸大臣といたしましても、全力を上げて協力をするつもりでおります。これは一警察当局の事柄であるとか、あるいは建設省の事柄であるとか、あるいは運輸省の事柄であるということでなしに、とにかく一つの大きな問題になろうとしつつあるときでありますので、日数がたてばたつほど混雑を来たすであろうということも予見をされますが一もっとも、混雑がひどくなってくれば、それぞれ自衛的な方法考えていくということも考えられますけれども、しかし、それに対して案を持っていないというわけにも参りません。従って、交通緩和に役立つことにつきましては、全面的に協力をいたして参りたい、かように考えまするが、しかし、その協力が、国民生活に非常な影響を及ぼす、ことに経済生活に影響を及ぼす、物価に大きな影響を及ぼすということであれば、そういう方法でない方法交通緩和をはかる方法がないかということを真剣に検討しなければならぬ、かように考えております。従って、乗用車等につきましても、あるいは電車やバスの運行等につきましても、将来、もう少し考え方を進めていかなければなるまいかと考えております。
  38. 久保三郎

    ○久保小委員 関連して……。運輸大臣に一つだけお尋ねしておきたいのですが、ただいま手元に運輸省で去る十五日発表した「道路交通上の問題点について」というものが出ておりますが、そこで今の御答弁にも関連するのでありますが、将来の問題は別にして、当面都市における交通難というものは事実でありまして、これをどうするかが今日の問題です。そこでどうするかの問題の一つ方法として、その是非についていろいろ論議はあるようでありますが、いわゆる車種別規制というものが、警察庁関係から出ている。ところが、これに対して、ただいまも大臣からお話がありましたように、国民経済上の問題等を十分考えなければいかぬ、ここにもそういうふうに書いてあって、われわれもそうだと思うんですが、いわゆる大衆公益輸送というか、大量の輸送機関というものを確保する反面、やはり交通をスムーズにするということで規制はあるべきだと思うんです。輸送を確保し得ないような規制方法は、これは逆コースだと思うんです。それなら、都会の交通機関は全部やめるというのが一番いい、単なる規制できれいにしようというんなら。都会における交通は、公衆の、いわゆる国民大衆輸送をどう確保していくかということが、まず出てくるところの規制であり、交通緩和でなくてはならぬと思う。運輸省毛そういうことを考えておられるでありましょうが、その論議はわかったのです。実際、論議は尽きた。具体的にどうやるかの問題です。そこで警察庁は一番やさしい方からやろうということだと思うのですが、輸送の問題を離れて、とにかく規制ということで、路線トラックなり遊覧バスを押えるのが、一番早道というか、やりやすいですね。しかし、それについては、大衆輸送というか、公益輸送が非常に阻害される。こういうところに問題がある。そうすると、問題は、一番量として多いのは何かというと、ここにあなたの方で書いてある通り、自家用自動車についての規制をどうするかという問題です。ただ、ここに書いてあるのは、「自家用自動車についての規制を考慮しなければ充分な効果は期待しえないと思われる。」思われるでは困るのであります。それではどうするか。自家用自動車規制をしなければならぬと思うなら、それはどういう方法でやるのか、具体的にほしいのですね。これはどうなんです。規制の方は警察庁の関係だから、運輸大臣としてはそう思うだけということでやるわけじゃないと思うのです。先ほどの御答弁からいっても。そういう意味で、私が聞きたいのは、そういう考えを持っておるとするならば、この自家用車規制というが、全体の交通確保の観点に立った規制はどうあるべきか、具体的な方法はどうやろうとしておるのか、その御所見を承りたいと思うのです。
  39. 斎藤昇

    ○斎藤国務大臣 御説のように、数からいいますと、自家用自動車が一番多うございます。従いまして、自家用自動車を暫定的に——暫定的にと申しますのは、今日の道路状態がこのままであっては、これは東京都の交通を確保する状況でございませんから、従って、道路状況は今後非常に改善をされるということを予想いたしておりますが、さしあたってはやはり何とかしなければならぬということになりますと、自家用車というものは、まず第一に考えなければならぬのじゃないか。そこで、どういう方法があるか。警察庁でやってもらうにしても、どこでやるにしましても、その具体的方法を見つけることは、きわめてむずかしい。何かいい方法はないか、いろいろお知恵を拝借いたしておるわけであります。乗る人の種類によってというわけにも参りますまいし、これは笑い話になるかもしれませんが、二、三日前に、ある町の方が、私に伝えてくれという案を提案されました。それは、私も一考の価値があるのではなかろうかと思って、関係のところで検討して参りたいと思っておるのでありますが、まだどこにも発表いたしておりませんけれども、それは、公平に規制のできるように、それには車両番号によって——御承知のように、千台の車両番号がついておりますが、その番号の、たとえば一割規制というならば、番号は幸い千台がゼロから始まって九までありますから、そこで、一千台のナンバーの自家用乗用車は一の日に休む、二千台は二の日に休むということになりますと、これはくじ引きみたいですが、案外公平にいくんじゃないか。(「そんなことじゃだめだ。」と呼ぶ者あり)だめだとお笑いにならないで、私はこれは一応真剣に考えてみて、そういうことでもやらないと、自家用車の法的規制といいまするか、直接規制のしようがないのじゃないか。実際といたしましては、都内に車を持ち込んだのでは非常に困るということで、間接的に自主的に制限になってくれば格別でありますが、法的制限ということであれば、今お笑いになるような方法でも考えないことには、これはやりようがないのじゃないか。しかし、こういう方法もまんざらでもなかろう。あるいは二割というならば、それを倍にすればいいわけで、そしてどうしてもそういうことになれば、その日はその車を休ませるということになるから・車両が走る量が少なくなる。そういうようなことでも考えない以上は、自家用車制限ということはやりようがないのじゃないかということで、私は非常に苦慮いたしております。いい方法を御提案下されば、これは警察庁においてもどこにおいても採用されるのにやぶさかでないと私は思います。
  40. 久保三郎

    ○久保小委員 いずれこの問題は、全般的にわれわれ自身もあなたと討議しなければいかぬと思うのでありますが、今お話しになったくじ引きに類するようなものも、一つ方法ではありましょう。しかし、そこまで考えざるを得ないようになってきたことについて、われわれ自身は実際残念に思っているわけです。くじ引きと同じような方法も真剣に国会の中で考えなければならぬということ、こういう問題も頭に置いて、やはりわれわれは直剣に政府に対してもこれは強く要望しなければならぬのです。  それから、もう一つ私が考えるのは、結局全路線に対して今規制しようとするわけですが、車種別規制というのは、今業種別規制になっているという御指摘があったが、その通りだと思うのです。車種別規制なら、全路線ではなくて、真の車種別規制にして、トラックならトラックを、全路線についてではなくて、時間とそれから都内交通とを勘案して、これは交互に配慮する、そういう規制方法一つ規制方法ではないかと思うのです。  それから、もう一つは、今日毎日のごとくふえていく自家用車の問題をどうして押えるか。これはもちろん自動車産業との関係もございましょうが、少なくとも当面そうする以外に方法はないのじゃないか。先ほど御指摘がありましたように、レジャーを楽しむための自動車等は御遠慮願うという方法一つあるのではないか。毎日それを許可しているから、どんどんふえてくる。こういうことも一つ真剣に考えて、できるところからやってもらわなければならぬ。  それから、もう一つ、きのうは幸い千葉県の方からわれわれは夕方都内に入ってきた。見て参りますと、幹線を横断する支線  あれは何という街道かわかりませんが、少なくとも千葉から都内に入る街道、これを見ますと、ものの一キロ足らずのうちに二カ所ぐらい横断があるわけです。全部信号がついている。それじゃ幹線を横断するものがたくさんあるかというと、これはないんです。ないのに、信号は赤になっておるから幹線は寸断されている。二車身ぐらいずつしか一区間動かぬ。こういうところに警察官が配置されて信号を実態に応じて操作すれば、時宜に応じて操作すれば、幹線の輸送はどんどんいくわけです。多少支線がとまっても、これは短時間に今の信号機、自動のままでいく場合なら、三回のうち一回これをあけてやれば、これは通れるわけです。そのためには、先ほど言ったように、今直ちに警察官をふやすことも不可能かもしれません。出すのなら安全協会もあるわけです。安全協会に希望を言って、こういうものをやったらどうか。ところが、そうなると、今の警察官のいわゆる職務に関係するから、信号機はこういうものにはさわらせちゃいかぬということになるのです。そういうしゃくし定木でいたのでは、今日の交通戦争というか、そういうものは解決できないと私は思う。それは国務大臣として、閣議の交通閣僚懇談会ですか、いつまで懇談をやっているのかわかりませんけれども、懇談をやっているうちに、東京都は交通麻痺してにっちもさっちも動かぬということになるので、そういう点も一つあると思う。十分考えてもらいたいと思います。私は関連ですから——どうもこれを見ても、いやみを言うわけじゃありませんが、地下鉄の整備についてなんというのは、こんなものを出しても当面地下鉄は伸びるわけじゃないです。それから、路面電車の撤去ということも書いてあるが、地下鉄なり代替輸送機関がないから、こんなものをはずしたとするならば、ますます交通が麻痺してしまう。それから踏切道の改良も、これは同じく今まで論議したことであるが、これは将来に向かってやることであって、当面する問題については何もない。やるとすれば自家用車規制考えなければ効果は上がらぬと思う——思うというのは第三者の話であって、当面する政府の責任者の言うべき筋合いではないと思う。そういう意味で、具体的な対策をこの次の委員会までにお示しいただきたいと要望いたします。
  41. 關谷勝利

    關谷委員長 壽原正一君。
  42. 壽原正一

    壽原委員 トラックの問題については、井岡委員その他の委員からいろいろお話がございましたから、観光バスの問題をちょっと藤原さんにお伺いいたします。今示されておるような観光バス規制を受けたならば、あなた方としては一体どういう状態になるか、ちょっとその点を一つ聞かしてもらいたい。
  43. 藤原芳藏

    藤原参考人 現在の案につきましては、これに対する今後の対策というふうなことにつきましては、警視庁御当局から何ら指示はございません。ただ輸送計画を変更すればいいじゃないか、こういうお言葉がたびたびあるのでございますが、輸送計画を変更するということになりますと、そのことについて考えてみますと、現在四時から六時までただ二時間だけではないか、かように警察御当局では仰せられるのでありますけれども、この四時から六時までの二時間というものが、前後合わせまして四時間に結局実質的には影響するのでございます。それはどういうことかと申しますと、たとえば、一つの例をあげて申し上げますと、六郷の橋に差しかかって、あれから本郷の宿舎までお客を送る、それから板橋のバスの車庫まで行って車を格納するというのには、どうしても六郷の橋から起算しまして二時間は要するのでございます。従って、現在の案の三十八路線を閉鎖されてしまいますと、都内にはほとんどバスの運行する場所はなくなってしまうのであります。そこで、四時までに自分の車庫に格納しなければならないということを考えますと、六郷の橋にはどうしても二時までに帰ってこなくちゃならない。二時に帰ってきて三時までに本郷なら本郷の宿舎までお送りして、それから板橋の自分の車庫へ帰ってきて、やっと四時までにおさまることになるわけでございまして、ぎりぎり一ぱい四時までに帰ってきたのでは、自分の車庫におさめるわけにいかないのであります。従って、四時までに帰ってきたとするならば、四時からずっと神奈川の地区に待機しなくちゃならないというふうな状態になるわけでございまして、ただ単に二時間のわずかな時間であるのだということでございますけれども、この二時間が、われわれ実務者にとりましては、今申し上げましたような実情で、四時間にも及ぶということになるわけでございます。従って、その四時間に及ぶ時間が短縮すれば、観光地を四時間短縮すれば中途半端な観光になるし、また延長するならば末端の観光者の経費の負担になるということになるわけでございます。  それからなお、先ほどもちょっと触れましたが、輸送効率というふうな点につきましても、現在千四百台の観光バスは平均乗車定員が五十五人でございまして、普通自家用乗用車、これはまあ大体八〇%以上が二人以下の乗車定員ではありますけれども、一歩譲って五人乗車したといたしましても、この乗車人員ということを勘案しますると、一台に対する乗用車十一台ということになるわけでございまして、なおこの中の乗車人員一人々々の占める路面占有面積考えてみますると、四倍にも及ぶわけでございまして、これはどなたも簡単に御承知になる事柄だと思います。このような事柄からして、今後の対策としてどのような対策があるかということでございまするが、現在の自家用、バスといわず、トラックといわず、あるいは乗用車といわず、自家用がとにかく六十七万台からある。それに対するわずか〇・二%、千四百台ばかりのこの少ない台数で、しかも公衆輸送機関であるこのバスに手をつけられるということは、枝葉末節の問題ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  そこで、先ほどからいろいろ各参考人の方からもお話が出ましたが、車種別とかあるいは営業別とかいうふうなお話も出ておりまするけれども、いずれにしても、どの方法をとったとしても、除外例というものは当然考えなくちゃならない問題であろうと思いますが、営業用のバスにしましても、たとえば五トン以上の車種別規制というふうなことに考えてみますと、五万トン以上の車は三十八路線を除いて都内をどういうふうに縫って歩けるかということを考えてみていただいても、よくおわかりだと思います。従って、この三十八路線を除きますと、五トン以上の車はほとんど歩けないというふうな状態になりまするので、結局公共性の強いものは除外するというふうなことにならざるを得ないかと考える次第でございます。  そのような方法でまず考えていただきたいということと、また、しいて現在の案を強行するということになりまするならば、観光団体の経費の増額、これは主として私は学生団体のことを申し上げておるのでございますが、一般観光の方は大した問題ではないかもしれませんけれども、中、小、高等学校の学校観光団体というものにとりましての費用の増額あるいはまた時間の延長、今まで一日で東京都内の観光ができたものが二日かかるというふうな状態も出てくるのでございます。それはどういうことから出てくるかと申しますと、先ほど申し上げましたように、四時からの規制に合わせてこの計画を立てますとするならば、二時ないし三時までにはどうしても都内観光を打ち切らなくちゃならないということになりますと、午後からの都内観光はほとんど不可能になります。また朝からの観光の計画にいたしましても、大体現在行なっておりますものは、八時ないし九時から出発をして四時、五時に終わるようになっておりまするが、これを二時、三時に切り上げなくちゃならないということになりますと、これも半身不随といいますか、片びっこな格好になりますので、一日でできたものが二日にわたるというふうな結果になり、従って費用の増額ということになるわけでございます。また、われわれ観光業者交通業者としましての経費の負担増額になる点を見ましても、これはおそく延ばすにしても、あるいは朝早出をするにいたしましても、労働時間の問題もございますし、またそれを一歩譲ってもらったとしても、費用の増額になるということになるわけでございまして、これらをかりに金額に換算してみますると、大体一台当たり二千円何がしの経費の増額というふうなことになりまして、われわれ交通業者といたしましても、また社会科の一部としてこの都内観光をやっている中、小、高等学校の生徒の負担にいたしましても、非常に経費の増大にもなるしいたしますので、このような案はぜひとも一つ御撤回願いまして、そして大部分を占めるところの自家用をどうするかということをお考えになった上で、このわずかの、〇・何%かの車の規制をどうするかというふうなことでお考えを願うのが至当ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
  44. 壽原正一

    壽原委員 時間もあまりございませんので、簡単にお尋ねいたします。  この東京都内の観光という問題は非常に大きな問題になっておる。と同時に、学生諸君がほんとうにあこがれて東京へ来ておる。また観光団というものが来ておる。こういうものがもしこの規制を再度——これは第一弾であるが、この次また第二弾で時間の延長その他があった場合には、一体この責任をだれが負うかということ、当局は一体この問題をそういうこまかい点まで考えてやったかどうかという問題も聞かしてもらいたい。  また、国鉄にちょっとお伺いするのだが、そういう時間の規制を受けて、そうしてその時間に学生連中あるいは観光団等が着いた場合には、国鉄としてそれを収容するだけの設備その他があるかどうか。それから、もしないとしたならば、そういう時間に着くというようなことのないようなダイヤの改正なり、あるいは全国にそういう問題を配付して、この時間だけは絶対に東京へ着いてはいかぬ、東京ばかりでなく、これから行なわれる六大都市についても同じであるが、そういうことがはたして国鉄当局はできるかどうかということも、ちょっと聞かしてもらいたい。
  45. 磯崎叡

    ○磯崎説明員 ただいまの先生の御質問について御答弁申し上げます。  実は今度の規制の問題は、さしあたりの問題といたしましては、貨物輸送よりも旅客輸送の方、ことに修学旅行の子供たちの輸送について、私ども非常に頭を悩ましております。と申しますことは、ただいま御指摘の通り、また先ほど藤原参考人の申されました通り、承りますと、最近の修学旅行は社会科の一部であるということで、東京に上ってくる子供たちは、昼間沿線を見まして夕方東京に着く、そして帰るときは、一日東京を見て夕方東京から出る、こういうダイヤにいたしております。従いまして、今計画いたしております四月の中旬、これが一番最高の修学旅行の時期でありますが、一日十五本くらい臨時列車東京に入るようになっております。それが到着の方が午後三時から午後六時までに到着するような時間になっております。出る方は大体午後五時から午後八時までに東京駅ないし品川、上野を出るようになっております。従いまして、東京へ着いた子供たちが宿屋へ参る時間が、ちょうど今度の規制の時間にぶつかってしまう。最近の宿屋は文京区あるいは本郷、水道橋付近というようなところで、品川におろしましても、東京におろしましても、上野におろしましても、どうしてもそこから電車というわけに参りませんで、観光バスに乗らなければ行けないということになりますので、これをバスに換算いたしますと、先ほどバス協会で申されました一台五十五人平均といたしましても、約二百五十台のバスを使っております。現に使っておるわけであります。また今度四月の中旬にそのバスがなければ、東京へ着いた子供を宿屋に運び、また一日東京の観光を終えて駅まで届けられないということになりまして、しかもちょうどそれがピークの時間、ラッシュの時間に当たります。従って、先生の御質問の、たとえば品川駅とか、東京駅とか、上野駅とかいうところに、十五本で約一万五千人になります。その一万五千人の子供たちを収容しておきますようなところは、ちょうどラッシュの時間にもなりますので、これは不可能でございます。さらに昨年の秋のダイヤ改正をいたしました際にも、学校側の強い要望をいれまして、社会科の一部としての一番都合のいいようなダイヤを引きましたので、今さらダイヤを、たとえば朝早く着けるとか、夜おそく出すということは、たとい学校側の方がおできになったといたしましても、私どもといたしましては、非常にむずかしい事態であるというふうに考えております。
  46. 壽原正一

    壽原委員 この規制の総本山である警察庁にちょっとお伺いするのだが、国民生活に重大な影響のあるトラック輸送の問題、あるいは観光バスの問題、これらの問題は、あなたはここでさっきから聞いておるのですが、そこでこの皆さんの言うたことを聞いて、警察庁当局は一体どう考えておるか。これをあくまでも強行するという考えであるかどうかということをちょっとお聞かせ願いたい。
  47. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 先ほど来から参考人の方々あるいは質疑応答の間に展開されたいろいろな御意見なり御所見なり、これにつきましては、十分に慎重に私たちも研究いたしますし、また警視庁にも研究をお願いして、できるだけ各方面に対する影響を少なくしながら、しかも、なおかつ御協力いただいて、やはり現在のもう麻痺寸前にある、こういう東京都内の混雑をどうしても避けていくというような最大公約数を発見して、やはり実施していくべきではないかと思います。
  48. 壽原正一

    壽原委員 それでは、あなたにもう一度お伺いするのだが、きょうここへ来たのは、ただ聞きおくだけで、この問題はやめないのだというような答弁に聞こえるのだが、それは当局のあまりにも横暴な言葉だろうと私は思う。そこでなぜやりやすいと称される営業車だけにそういう制約を加えて、一般の自家用に対しての何らの規制考えられないという根本的な問題がどこにあるか、それをちょっと聞きたい。
  49. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 聞きおく程度ということではありませんが、やはり私も……。(壽原委員「そう聞こえるのだよ」と呼ぶ)それは言葉が足りなかったかもしれませんが、十分にその御意見なり、御所見については、たとえば速記録その他で検討いたしまして、十分にその面については今後誠意を持って対処していきたいと思います。  それからなぜ路線パスや観光パスだけを先にやったか、こういうようなお話でありますけれども、現在御案内の通り、東京都内の二十四時間の交通状況を見ますと、何と申しましても、昼間の方が交通量が多うございまして、しかも主要路線にそれが輻湊いたしておる、こういう状況でありますので、何か交通の混雑を緩和しなければならぬということは、前々からいろいろな方面から言われております。たとえば東京都知事の諮問機関でありますところの、これは各界各方面の識者も入っております首都交通対策審議会というものがありまして、そこでもやはり車種別、時間別の通行制限をやるべきである、こういう答申が出されておりますし、また運輸大臣の諮問機関でありますところの都市交通審議会においても、これと異口同音の答申がされておりますし、さらに行政管理庁長官の先般の交通に関する勧告の中にも、大型トラックの都心乗り入れについてやらざるを得ないのではないかというような結論が勧告されております。そういう面もありまして、いろいろ検討いたしておりますが、そういう状況から考えまして、警視庁といたしましても、実は非常にむずかしい問題でありますけれども、当面する交通事情から考えますと、六月、七月ごろがオリンピックその他の関係から、道路工事都内にピークとして非常に錯綜して参ります。そういう場合に、じんぜんこのままでいきますと、東京都内全般に交通麻痺の状態が蔓延して、にっちもさっちもならぬというような状況になりますので、まあとりあえず昼間のそういう錯綜しておる交通状態緩和して、それを夜間に回す。そうして夜間に回し得るもの、夜間通行に転換し得るもの、夜間通行になじみ得るものをとりあえずいろいろ考えていきたい。同時にまた何と申しますか、夜間における交通保安の問題もありますので、そういう問題もあわせ考えて、やはり路線バス、観光バスについては、ある程度転換し得るのではないか、観光バスにつきましては、一番ピーク時である四時から六時までの間を避けていただいて何とかできないものだろうか、こういうことで考えておるわけであります。
  50. 壽原正一

    壽原委員 ちょっとあなたの言うことがおかしいのですがね。私は、ピークの時間には自家用自動車規制したらいいじゃないかということを言っておるのですよ。私の問うておるのは、自家用自動車に対してどうして規制できないのか、こう聞いておるのです。どうして規制できないのか。どういろ理由でできないのか。安易な営業車だけは、昔の軍隊と同じことで、はがき一本やれば言うことを聞くのだというような昔軍隊今警察というような行動はとってはいけない。そういうばかなことでは、これは営業の侵害である。また公共施設に対する圧迫であると私は考える。そこで自家用というものに対して、何ら今まで一度も論議の中心になったことがないということはどういうことなのかということを聞いておるのです。審議会、審議会というけれども、審議会におる人たちは全部自家用を持っておるから、自分の乗る車がなくなるからだめだ、そういうのではないか。その審議会の人たちの言うことだけがほんとうで、業者だけにそういう圧迫を加え、営業を侵害するというようなことであったならば、これは厳に当局は慎まなければならない。なぜ自家用というものに対しての規制を一度も考えなかったかということを聞いておるのです。
  51. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 自家用の問題につきましては、先ほど運輸大臣からもお話がありましたように、自家用乗用車、自家用トラックの両面があるわけでありますが、自家用乗用車につきましては、私どももほんとうは何とか規制をいたしたいということで、通行制限をいたしたいと考えておりますけれども方法論として技術的にきわめて至難に近いように思うのであります。ただ、現在でも、たとえば東京都内の浅草六区あるいは新宿の歌舞伎町については、一定の時間について自家用乗用車を含めて全面的に乗り入れの禁止をやっておりますけれども、さらにそれを広げてやりますことについては、たとえば自家用乗用車を利用する人の種類、自家用乗用車を利用する方の目的というようなことで、いろいろ選別の関係がむずかしいわけであります。そういう点で非常に苦慮いたしております。  それから自家用トラックの問題でありますが、今回の路線バスなり観光バスその他長大物件の運搬車あるいは長大牽引車通行制限に関しましての四つの項目の中で、必ずしも私たちは営業用だけをねらっておるとか、あるいは警視庁はそれだけを重点に考えておるわけではないのでありまして、たとえば長物運搬につきましても、これは自家用が大部分であります。そういう意味合いにおきまして自家用、営業用の区別をやったのではなくて、夜間に転換し得る、夜間通行になじみ得るものから少しずつ転換していただく、こういうことが基本的な考え方であります。
  52. 壽原正一

    壽原委員 ちょっとあなたの言うことはおかしいですよ。自家用の規制はめんどうだ、めんどうだとあなたはおっしゃるけれども、このくらいやりやすい業種はないですよ。今あなた方は東京都内にたくさん立て札を立てておるでしょう。右に曲がってはならぬ、ここは一方交通だ、これは立て札一本でみないうことを聞いているわけです。自家用といわずトラックといわず、何時から何時までは自家用は入ってはならぬという立て札さえ立てればだれも入ってきはせぬ。それをなぜ営業車だけ特別な訓練をして、そうしてこの重い負担を、国民生活に重大な影響のある物資の輸送あるいは人員輸送等の問題に対してだけ規制しなければならぬのか。そういうことをするからやみのトラックがふえてきたのだ。やみのバスがふえてきたのだ。やみ乗用車がふえてきたのだ。そういうもののふえる原因を、法律を守らせ監視をしなければならぬあなた方が助長しているからそういう結果になるのだ。まず営業車なんという安易な考えでなく、自家用というものに最重点を置いて規制を行なうべきだということを私は言っておきたい。これはあなたも子供の親として、東京にいるから東京見物をする必要はないだろう、しかし東京を離れた全国の学童というものは、あこがれの東京に見物に来たい、親は東京交通規制が行なわれておって、うちの子供は、着いたのはいいけれども一体どうしているんだろう、こういうような心配を必ずしているに違いない。警察官というものはそれほど人情のないものか。そういうようなばかばかしい  自家用の観光バスの千四、五百台はあるにきまっている、それらのものを放任しておいて、なぜ営業車だけをそういうふうに規制しなければならぬか、そこの猛反省を私は促しておきたい。あらゆる機会において、この委員会でも、そういう問題は取り上げられるのだから、きょうあなたは私に答弁する——あなたの考えを率直に言うても全般的な考えを言うことはできないと思うから、きょうは参考までにそれだけを言うておく。この次にこの委員会に出る人は、必ずどういう理由のもとに自家用の規制ができないかという根本的な問題をよく研究した上で、われわれの納得のいける答弁をこの委員会に披瀝してもらいたい。これだけをきょう言うて私の質問を終わります。
  53. 關谷勝利

    關谷委員長 細田吉藏君。
  54. 細田吉藏

    ○細田(吉)小委員 私は一般的な問題につきましては前回この委員会でも申し上げましたし、またきょうは時間の関係もありますので、さらに次会以降に譲りたいと思いますが、本日は主として参考人の方に、これまでお答えがあった点もございまするが、伺っておきたいと思います。  第一点は、今壽原さんからの質問で大体尽きておると思いますけれども、私の考えでは、観光バスの問題につきましては、前回のこの委員会で申し上げましたが、この規制でやるということは日曜、祝祭日以外はもう来るな、こういうことに大体結論的にいうとならざるを得ないと思いますが、いかがでございましょうか。PTAの方と両方から、多少いろいろ緩和するとかなんとかいいましても、実際はもう週日には来られない、鉄道で来る場合も、あるいはバスで直接来る場合も、来ることができなくなるのじゃないか。いかがでございますか。
  55. 藤原芳藏

    藤原参考人 日曜、祝祭日のお話がございますが、現在行なわれております修学旅行団のやっておりますのは、日曜、祝祭日はほとんど避けられております。それはなぜかと申しますと、日曜、祝祭日はまず東京の現状を見ても、皆さん御承知の通り、東京中心街は特に日曜、祝祭日は半身不随といっていい、と申しますより眠ったような状態になっております。従って、地方から出てきて東京を見たいという人は、ほんとうの生きた東京を見たいというのが、大きなねらいであろうかと思います。そういう点と、また子供の体育上の問題などとも考え合わせた結果であろうかと思いますが、主として日曜、祝祭日は避けられておるのが現状でございます。
  56. 松林彌助

    ○松林参考人 私は子供の親として、ただいまのような問題になりますと、せっかくの夢が破壊されてしまうというような、子供のほんとうに切なる気持が破壊されるということになりますと、大へんな問題じゃないかというふうに考えます。従って、そういうことのないように、千八百万人の子供の親としてぜひこれはお願いいたしたいと思います。
  57. 細田吉藏

    ○細田(吉)小委員 私も全く御両所のおっしゃるような、非常に重大な結果までこの問題は及ぶのではなかろうか、何か緩和する方法はないかと思って、実はいろいろ考えてみたのですが、これは観光バスの問題についてですが、なかなか方法がないように私は思いますので、この点はあらためてまた別に御質問をいたしますが、十分お考えをいただきたいと思うのでございます。  それから次に路線トラックにつきまして小倉さんにお尋ねしておきたいのですが、十五日の本委員会で約半数ぐらいの路線トラックについては、すでに自主的に郊外にターミナルを作って行なっておる、ないしは夜間運行を自主的にやっていただいておるから、あとについてもこういうことは可能じゃないかと思う、こういうような政府当局の御答弁があったわけでございます。私はこの点につきましても、十五日にもこれは大へんな——かりに四月といたしましても、こういうことを強行いたしますならば、至るところでいろいろな問題が起こってきて、重大な障害が起こるというととを申し上げたわけですが、こういう点につきまして、これまでターミナルの問題あるいは夜間運行の問題等で、路線トラック業界においてかなりいろいろな点で協力しておられるようでありますけれども、これをさらに広げるということについて、具体的にどんな格好になるだろうかというような点につきまして、さらに御説明を願っておきたいと思います。
  58. 小倉康臣

    小倉参考人 申し上げます。  ただいまの御質問に対しましては需要家の立場から申しますと、ただいまの夜間運行が最大限度の需要家の荷受け態勢でございます。これ以上は需要家で荷受けする機関としてはとうていございません。また需要家でも設備だけございましても、人員が不足しておりましたりして、その受け入れができないのでございますから、こういう点から商工会議所の運輸部会といたしましては、各商工業あるいは機械業その他の方々の意見を聞きましたところが、これがもう最大限度だというお答えをいただいております。またもう一つ、今度は受け入れ態勢でございますが、鉄道と同じようにやはり限りあるターミナルでございますので、これ以上夜間の積荷をふやしますと、もうどこにも置き場がございませんで、結局運送機能というものが破壊されてしまいます。こういう点を見合わせまして、警視庁から懇切なお話がございましたので、われわれは進んで昨年十月から自主的の規制として、各団体がこぞりまして夜間運行を励行したわけでございますから、まずこれをもって最大限の極点だと申し上げて差しつかえないと思います。お答え申し上げます。   〔小委員長退席、壽原委員長代理着席〕
  59. 細田吉藏

    ○細田(吉)小委員 石井さんにお尋ねしたいのですが、通運の問題につきましては先ほどあなたからの御説明もございましたし、また国鉄当局からの御説明がございました。これは非常に重大な全国的な影響を持つ、今日提示されております以上の大きな問題になろうと思うのでございまして、その点は全く同意見でございますが、今提示されております長物あるいは牽引車の問題ですが、これはほんとうの一部分であります。また制限する側から見れば、これは非常に効果のあることで、やらなければならぬことではなかろうかと思うのでございますが、私はこういう小さなものでも、たとえば駅構内の作業その他については、かなり大きな影響がこれだけでも出るのじゃなかろうかというふうに感じているのでございますが、この点はいかがでございましょうか。通運の全般の問題につきましては御説明は要りません。
  60. 石井昭正

    石井参考人 御説の通り影響はないことはございませんし、また非常に問題もあると思いますが、現在の情勢から見て、先ほど申し上げましたように、交通安全という立場がら見て、長大運搬車並びに長物車については、これをほかに回すということは、何とか御協力申し上げなければとは思っておるわけでございますが、決して影響はないわけではございません。
  61. 細田吉藏

    ○細田(吉)小委員 全般の問題は、先ほど申し上げましたように、次回以降に譲りたいと思いますが、この機会に警察庁の木村さんに特にお願いしておきたいのです。  前回十五日の委員会でも、一応公安委員会の案がこういう案である、これに対してこまかい点までいろいろ影響その他を十分調査して、また関係各省の間で話し合いをして善処したい、先ほどあなたからも御説明があったと思うのでございますが、こういう点につきまして、今後のやり方、進め方、そういうものをどういうふうにお考えになっておるか。この前も伺いましたけれども、非常に事は重大な影響を持っておりますし、今後さらに大きな問題を包蔵しておるわけでございます。いずれ大臣においで願ってお尋ねをしたいと思っておりますが、事務当局としてどういうふうにお考えになっておるのか。  それからいま一点、あるいは本日お答え願ってもけっこうですし、もう少し研究願ってもけっこうですが、道交法の法律的な根拠の問題でございます。今度の措置だけでも問題だと思いますが、今後拡大して参ります際に、かなり法律的に問題があるのじゃなかろうかと思うのでございます。こういう点につきまして、政府としてどのような見解をとられるか、道交法七条の解釈でございます。特に車種別、業種別の話もございましたが、今回のは業種別の傾向がかなり強く入っております。車種別もございますけれども、そういう点について法律的な見解を——これはきょうでなくてもけっこうですが、きょうでもけっこうです。お聞かせ願いたいと思います。
  62. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 第一点の問題は、先ごろ壽原先生からもお話がありました点にお答えした通りでありまして、警視庁もそうですけれども、この前十三日に関係行政庁、それから業界の非常に広範囲にわたって説明会をいたしたわけです。それからだんだん意見が出てきております。根本的な態度といたしまして、警視庁も私たちもいろいろ相談いたしておりますが、ほんとうに聞くべき意見が当然いろいろあろうかと思います。それらの問題については、聞くべきものは聞いて取り入れるべきである、こういう態度でありまして、特に関係の深い運輸省あるいは陸運局長あるいは国鉄、こういう関係方面の権威あるいろいろな御意見は当然お聞きして、関係行政庁として納得の上で進めていかなければいかぬと思います。その方面の御意見に対しましては、当然十分尊重申し上げなければならぬと思います。  それから、交通対策本部が、内閣の総務長官の主宰で各省の次官がメンバーになっておるのでございますが、との交通対策本部で当然これを出しまして  関係省の人が非常に多うございますから、そこで十分にもんでいただいて、ほんとうに十分にそれぞれが話し合いの上で、さらに具体的にある一つの結論を出していきたいと思っております。
  63. 壽原正一

    壽原委員長代理 堀内一雄君。
  64. 堀内一雄

    堀内委員 時間もだいぶ過ぎておりますし、従いまして、私は二、三点につきまして参考人の方にお伺いいたしたいと思っておるのでございます。  まず応急対策として、現在学校の修学旅行等の予定を変更することができるかいなかということでございますが、国鉄当局からは、今さらダイヤル変えることは不可能だというお話でございました。しかし、これは必要やむを得なければ変えてもらわなければならぬかもしれませんが、そこにおいて次に起こることは、私は松林さんにお伺いしたいのですが、PTAの立場として、現在の学生の旅行の予定を変更することができるかどうか。私どもが存じておる範囲におきましては、すでに各都道府県の教育委員会でこの日時を規制しておる。それに基づいて各学校等が大体一年くらい前から予定を立てて、そしてそのほかの宿泊とか輸送とかいろいろなことは、六カ月くらい前には、大体よそでもって話し合いはついておるのだ。そういうようなことになっておるのを、今応急対策として変更することができるかどうかということをPTAの立場からお答え願いたいと思います。
  65. 松林彌助

    ○松林参考人 ただいま先生からの仰せの通りでございます。現在すでに一カ年前から計画を立てまして、子供たちはもう何月何日には東京に行くのだと言って胸をふくらませております。その間に、これが変更というようなことになりますと、これは大へんな問題だと私は思います。ただ一校か二校が変更になるのならばこれは簡単だと思いますが、全国至るところの学校が一カ年の計画を立てて、しかも六カ月くらい前からすでに準備が終わっておるというようなことから考えまして、これがもしもそういうようなことになりますと、子供たちの関係もそうでございますが、全体が大きくくずれると存じております。そういうことから考えまして、これは何としても教育の一環として行なうところの問題だというふうに考えられるといたしますれば、そういうことは重大な問題である、現在できないというふうに考えます。
  66. 堀内一雄

    堀内委員 そういたしますと、先ほどの国鉄ダイヤの問題が変更できない、PTAの方も、修学旅行の計画は今さら変更できないということになりますと、これは警視庁におかれてもこの二大前提を十分お考えになって私は考えていただかなければならぬと思う。私はきょうは政府当局にはまたあとでお伺いするつもりであります。この二つの条件をまず前提として再検討をしていただかなければならぬ。  その次に藤原さんにお伺いしたいのですが、先ほど国鉄当局からはダイヤ並びに修学旅行列車のお話がございましたが、近県から東京に来る修学旅行の人たちが、バスを利用することが相当多いと思います。それで、こういうようなことから、少なくとも関東並びに東海地区というような範囲から鉄道バスでどのくらいになっておるのか。あるいはあなたのところでお調べがなければ、運輸当局からあとで資料を出していただけばいいのですが、そういうことでどのくらいバスを利用しておるか、おわかりですか。
  67. 藤原芳藏

    藤原参考人 これははっきりした数字ではないかと思いますが、昨年の実績を見ますと、これは皇居前広場に駐車する数から拾った台数でございますから、おおむね確実だと信じております。その台数を申し上げますと、大体千二、三百台ということになっております。東京都内台数が一月現在の台数で千四百台、それから地方からバスで来る、いわゆる関門を通ってくる台数が千三百台前後、かように心得ております。
  68. 堀内一雄

    堀内委員 次は、これは運輸当局であとで資料を出していただけばいいのですが、先ほどからの参考人お話の中にも、東京各駅から宿舎へ行くとかいうような問題がありましたが、この点につきましていろいろなところに学生専用の宿舎というようなものがあるのですが、これがどの程度になっておるか、わかります範囲でいいのですが、宿舎の配置というようなものが、将来の制限系統を決定するといったようなときの参考になるのじゃないかと思いますので、そういったようなこと、並びに各府県から来ます学生東京にとどまっておる滞京時間、これがどのくらいかかるものかというような点につきましても、きょうは時間がありませんからいいですが、資料を一つ出していただきたいと思います。同時に、また一カ所の見学の平均時間というものはどのくらい使われておるものかというようなことの資料をお願いいたしたいと思います。  次に、これは自家用車の問題でございますが、現在の東京交通混雑状態は、大体外国において十年くらい前に起こった問題だと私は考えております。そこで、外国においては路上の駐車を禁止したり、ハイウエイを盛んにやったりしたのでありますが、日本ではハイウエイが今ようやく手をつけたくらいのところである。ことに日本では、自家用車に対する車庫の問題等につきましていろいろな問題が残されておるというようなこともありますが、何と申しましても、八十万台近くある自家用車の問題を解決しなければ、問題が解決せぬことは明瞭でございます。私の研究で申しますれば、将来自動車が発達したならば、鉄道は斜陽産業というようなことを言っておるときに、日本ではそうでないという現象が起こっておるのは、それは日本道路問題ということもありましょうが、自家用車日本で少なかったということだ。最近になって自家用車が非常にふえてきたということによって、外国のような状態が起こってき、そして将来外国と同じような経過を踏んでいくと私は考えておるのでございます。そこで、この自家用車がこうふえた原因は何だといえば、やはり公共の交通機関、地下鉄なりそのほかバスなり、路面電車なりというものが、非常に不十分であるということでありましょう。そこで、自家用車がふえた、それでどうするんだということになるのでございますが、先ほど運輸大臣も、自家用車制限する何かいい方法はないかというようなお話もありましたが、私は実は吉祥寺の辺に住んでおりまして車で来るのでございますが、現実の状態を申しますれば、あの甲州街道のハイウエイに出たならば非常におくれるのです。そこで、われわれがやっているのはどうかというと、そういうみんなの車が集まらない、細いよその道をするする抜けてくると早く来るというのが現実であります。そこで、ハイウエイというようなものに対しましては、自家用車交通規制をするとかいろいろな問題が起こってくると思うので、その点について自家用車ならばどこの道路でもほとんど全部歩けるのですから、そういうような方面に少し自家用車を通す方法考えるというようなことも一つ方法ではないかと思う。とにかく七十万台もある車を野放しにしておいて、七百台や千四百台の車ばかり締めたところで、結局またやらなければならぬということになるので、この際警視庁当局におきましても十分その辺のところを——ハイウエイの交通調査ばかりしておっても意味をなさない。自家用車対象にしてやる場合には、ハイウエイ以外の道路交通状態というものを——お調べになっておるかもしれませんが、一つお調べになって——そこへ行けばほとんどあいておるのです。そういうような状態考えていけば、まだまだやる手はあると思う。でありますから、手っとり早くはがき一枚で解決するような問題よりも、御苦労ですけれども、そういったことを一つ徹底的にお調べいただいて、そして自家用車の問題を十分御検討いただきたいということを申し上げまして私の質問を終わります。
  69. 壽原正一

    壽原委員長代理 關谷君。
  70. 關谷勝利

    關谷委員 簡単にお尋ねいたします。  先ほど保安局長に細田小委員からもお尋ねをいたしたのでありますが、御回答がなかったようであります。道路交通法の第七条によって今回の規制はなされたものと思いますが、第七条は、「公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、当該道路につき、区間を定めて、歩行者又は車両等の通行禁止し、又は制限することができる。」こう書いてあるのでありまして、この言葉の中からは、業種別の制限ができるという意味合いは出てこないのではないかというふうな感じがいたします。そういたしますと、今回の場合に、貸切バスという一つの業種に限ってこれを規制し、あるいは路線トラック規制するということは法律違反になるのではないか、このように考えますが、との点きょうはっきりと御答弁願えますればけっこうでありますし、もしできないということでありますれば、法制局とよくお打ち合わせの上次の委員会において御答弁あってもいいのでありますが、この点伺ってみたいと思います。
  71. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 一応私たちはできるという解釈でありますけれども、事が重大でありますので、法制局その他とも相談いたしまして、具体的にお答えいたしたいと思いまして、先ほど細田さんからの御質問に対してことさらお答え申し上げなかったわけであります。次の機会に御答弁申し上げたいと思います。
  72. 關谷勝利

    關谷委員 先ほどから私聞いておりますと、どうも警察庁なり警視庁の考え方というものが、車庫規制ということについて非常に怯懦なというか、ちゅうちょ逡巡しておるというように見えるのでありますが、今日のような交通混雑状態が必ず来るということを、すでに五、六年前の委員会あたりで私は絶えず強調して参ったのでありまして、その際に、もちろん前向きの政策といたしましては、地下鉄の急速なる延長あるいは道路の拡張、立体交差、路面電車の廃止というようなもろもろの結論を得て、これを早くやれと言うたけれども、自治体あるいは大蔵当局が、なかなかそれを承知しないので、社会資本の投資不足が今日のような状態を来たしておる。また、消極的な面においては、自家用車の車庫規制をやることと、路上放置を禁止する以外には、方法はないのだということを私は強く要望いたしておりまして、この事柄は富永参事官あたりもよく承知しておるのでありますが、なぜ今までこれが踏み切れないのか。この車庫規制あたりでも、主たる拠点に車庫を持たなければ自家用車を持ってはならないのだということをはっきりとやればできると思いますし、また、自家用車、ことに自家用乗用車というものを、ある一定の区域、時間を区切って規制することはできると思うのに、どうしてもこれをやらない。今まで私たちが口をすっぱくしてこれを強調いたしましてもやらないのでありますが、なぜこれがやれないのか。私はやれると思う。あなた方が、今度くらいこの路線トラックでも何でも、法律的に多少疑義があろうかというものを、押し切るほどの勇断があるならば、なぜこの自家用の規制ができないのか、私たちは不思議に思うのでありますが、何らかそこにできないというふうな大きな理由が横たわっておるのかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
  73. 木村行藏

    ○木村(行)政府委員 車庫または車の常置場所の問題につきましては、私たちも警察といたしまして、今お話しの通りに、前々から大賛成でありまして、自家用乗用車を持っている者につきましては、当然車庫なりこれにかわるべき常置の場所を義務として持つべきであるということを、前々からいろんな機会をとらえて強調いたしておるわけでありますけれども、この問題がはたしてどこで結論を出して、どこでその具体案を作るかということについて、若干まだまとまっておりませんが、最近のいろんな会合で、やはりこの車庫の設置義務については、小委員会を作って結論を出すべきであるということで、先ほど申し上げました、内閣にありますところの交通対策本部で、それぞれ関係省の関係のお深い方が集まりまして、小委員会を作って、できるだけ早く結論を出して、法的措置をすべきである、こういうことで小委員会にげたをあずけられておるというような状況であります。  それから自家用の乗用者の通行制限の問題でありますが、これは先ほど申し上げましたように、非常に技術的にむずかしいという一点だけでありまして、それ以外にいろいろ苦慮いたしておりまして、もし方法があれば、私たちは当然自家用乗用車についても、こういう都内交通混雑の状況でありますから、踏み切れる方法があれば踏み切るべきである、こう思うのであります。
  74. 關谷勝利

    關谷委員 そういたしますると、自家用車の車庫規制をやりますることは、これは道路運送法、道路交通法、道路法のこの三つの法律を改正すればできるんだということを、私は以前から強調をいたしておったのに、それをやらなかった。今ようようどこでやるかというふうなことを考えて、それから今小委員会を作って、これからというふうなことで、何にもここが障害だというその焦点もつかまないままに小委員会へ持ち込んでおるというようなこと、まことに私は怠慢だと思う。運輸省、警察庁、建設省、ともに怠慢だと思います。あれだけわれわれが強調しておりますることを、今まで何にもなすところなくしてじんぜん日を送って、ようようあの混雑を見て初めて、これからやろうかいというふうなことでは、私はその精神の図太さというものにまことに感心をするのであります。どうして今までそんなことにほっておいたのか。私は、それを責めるより、これから先、勇断をもってこれをやっていただきたいということをはっきり申し上げておきます。  それと、これは御参考によく聞いておいていただきたいのでありますが、わずか二%や三%の車両制限してみたところで、それにもまして次々自家用自動車がふえていっておるのであります。そういたしますると、交通規制でそういうふうなものをとめて、一方では経済を麻痺させるような状態を起こしつつ、またそのあとへは自家用が入ってきて、この効果というものは一つも現われてこない。結局今度の規制をやったのは、経済を麻痺さしただけであって、交通混乱一つ緩和するとこができなかったという結果に陥ることは間違いないのでありまして、これは事実が証明をいたします。私はあなたときょうここでいろいろ議論を戦わそうとは思いませんが、やがて事実が証明することは間違いないのでありますので、そのような下手なことはやらないで、よくお考えになって、今度の規制措置については、今日の小委員会意見等をよく聞いて善処せられますようにお願いして、私の質問を打ち切ります。
  75. 壽原正一

    壽原委員長代理 この際、参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多用中、御出席をいただき、本小委員会調査に貴重な参考意見を賜わりましたことを厚く御礼申し上げます。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会をいたします。    午後一時三十五分散会