○
政府委員(
安嶋弥君) お手元にお配りしました
予算要求額事項別表について順を追いまして、ただいまの
大臣の御
説明を補足して御
説明を申し上げます。
まず第一は、
初等中等教育の
改善充実でございます。その第一は
義務教育費国庫負担金でございます。この総額は千三百四十三億円余でございまして、
文部省所管予算全体の二千四百十六億円余の大体五五%を占めておるのであります。
義務教育費国庫負担金のうち、まず
給与費でございますが、
備考にも書いてございますように、
明年度におきましては、
小学校の
児童が七十九万七千人減少いたしまして、逆に
中学校の
生徒が九十七万八千人増加いたしまして、差引十八万人余の
児童生徒の
自然増ということになるわけでございます。これに伴いまして、
教職員の数が
小学校におきまして一万三千八百九十八人の減、
中学校におきまして二万二千四百六十四人の増となります。差引八千五百六十六人の
教職員の増ということになるわけでございます。これに伴いまして
給与費の内容が増加いたすわけでございますが、前
年度に比べまして、
給与費におきましては百六億円余ふえておるのでございますが、その百六億円の内容を申し上げますと、
備考に書いてございますように、まず
昇給原資でございます。これが二十八億円余でございまして、原資の率といたしましては
従前に引き続いて三%を用意いたしております。次は
教職員の増に伴う
給与費の増でございます。これが十八億円余になっております。次は充て
指導主事六百人でございますが、これは
義務教育諸
学校の
教職員の身分を持っております
教職員を充て
指導主事にいたした場合にその
給与費の二分の一を
国庫が負担するという
経費でございます。これによりまして、
市町村の
教育委員会の
指導力を強化したいというふうに考えておるわけでございます。次は校長の
管理職手当の
引き上げでございますが、
従前の七%を八%に
引き上げております。なお、教頭につきましては、従来通り七%に据え置いております。次は
給与改訂でございますが、これは先般の
人事院勧告の実施に伴う分でございます。いわば平
年度分、それに伴う増でございます。なお、
寒冷地手当、
薪炭手当等の増もこの中に含まれております。その次は同一
市町村内の
暫定手当の是正でございます。これまた先般
人事院から勧告がございました通り、同一
市町村で級地が相違いたします場合に、
最低級地を一級地
引き上げるということに伴う
所要経費でございます。次の
ページに参りまして、
退職手当の
算定率の
引き上げでございますが、
一般県につきましては、従来の千分の四十を千分の五十に
引き上げております。これは実績から見てこの程度の比率に
引き上げました。次は
恩給費の増でございますが、これが八億五千万円になっております。これまた従来の実績に応じましてこの程度を
増額をいたしたのであります。次は旅費でございますが、これは
従前四千円の
単価でございましたものを、四千四百円に一割上げております。
宿直手当、
日直手当につきましては、従来の実績にかんがみまして、若干の増加を行なっております。それから、三十四
年度の
不足額の
補てん分でございますが、これは計算上一応こういう減を立てておるわけでございます。その次の三十五
年度の
不足額の
補てん分でございますが、これはいずれ
精算分として、
予算を計上するわけでございますが、その三十五
年度の
不足分の一部といたしまして八億七千万円を当初
予算に計上いたしているわけでございます。なお、
義務教育費国庫負担金に関連いたしまして、
すし詰め学級解消五カ年
計画というものが御承知の通りあるわけでございまして、三十三年を初
年度といたしまして、現在進行中でございますが、最初にも申し上げました通り、
明年度は
中学校生徒の
自然増が非常に大きいわけでございますので、そういう関係から
すし詰め学級解消のため、
学級規模を引き下げるということは本
年度は見送っております。従いまして
小学校の
暫定学級編制の標準は五十六人、
中学校につきましては五十四人、前
年度通り据え置いておるわけでございます。なお、このように据え置いておりましても、五カ年
計画の全体の
計画には変更を来たさないというふうに考えておりまして、三十八
年度からはこれが五十人になるというふうに考えておるわけでございます。
次は
教材費でございますが、これは
備考にもございますような
単価でございまして、前年同額でございます。なお、
教材費の総額におきまして二千二百万円の増になっておりますが、これは
単価の高い
中学校生徒が増加いたしまして、
単価の安い
小学校児童が減少したことに伴う増でございます。
次は
公立養護学校の
教育費国庫負担金でございますが、
明年度は既設四十一校のほか新設十四校を予定をいたしております。
給与費の積算につきましては、
義務教育費国庫負担金について申し上げましたところとほぼ同様でございます。
教材費につきましても、
義務教育費国庫負担金の場合と同じように
単価は据え置いております。
次は
公立文教施設の
整備費でございますが、総額におきまして百一億円余を計上いたしております。前
年度の
予算額に比べまして約二十四億円の減ということに相なっておりますが、御承知の通り先般の
補正予算におきまして、三十六
年度に予想されます
中学校の不
正常授業の解消に要する坪数の七〇%をすでに本
年度の
補正予算でもって処置しているわけでございますので、実質的にはこれは減にはならないわけでございます。
公立文教施設整備につきましては、御承知のような五カ年
計画があるわけでございますが、全体といたしまして、もちろんその五カ年
計画の線に沿った
予算の計上をいたしているわけでございますが、
事項によりまして緩急をつけておるわけでございます。まず、
中学校の不
正常授業の解消の分でございますが、このために四十四億円余を計上いたしております。
中学校の
生徒は三十七
年度におきましても引き続き増加するわけでございますが、三十七
年度において予想される
不足坪数の一〇〇%全部を三十六
年度に繰り上げて実施する。それから先般補正で
措置漏れになっておりました、措置しなかった三十六
年度の
不足坪数の三〇%、その二つを合わせまして四十四億円を計上いたしておるわけであります。
特に
従前と変わった点に重点を置いて申し上げたいと思いますが、次は
高等学校の建物の
整備でございます。
カッコにもございますように、
工業高等学校の建物の
整備のため、新規に一億九千二百万円余を計上いたしております。
工業高等学校に対する
補助といたしましては、
従前は
産業教育振興法に基づきまして、
設備とそれから
実験実習の
施設につきましては
補助が行なわれておったわけでございますが、後ほど申し上げます
工業高等学校の
拡充計画を促進するために、本
年度からは新規に
工業高等学校の
一般校舎につきましてもこれを
補助の対象にすることといたしたのであります。なお、不
正常授業解消の
中学校分、それから
学校統合、
危険建物の改築、それから
高等学校建物の
整備、
高等学校危険建物の改築につきましては
構造比率を改訂いたしております。すなわち
従前は、木造が五〇%、
耐火造が五〇%ということでございましたが、ただいま申し上げました
事項につきましては木造を四〇%、六〇%を
耐火造ということにいたしておるわけであります。その他の
事項につきましては、おおむね既定五カ年
計画の線に沿った建物の
整備をいたすことといたしまして所要の
経費を計上しておるわけでございます。
次の
ページに参りまして、次は
市町村教育長の
給与費の
補助でございますが、これは考え方といたしまして
従前と変わるところはほとんどございません。金額が増加いたしておりますのは、これは
基礎単価が上がったということ、それから
石炭手当、
薪炭手当、
寒冷地手当が新たに
補助の対象になったということでございまして、格別大きな変化はございません。
次は
高等学校普通課程における
家庭科設備の
補助でございますが、これは新規の
補助金でございます。
明年度三千万円を計上いたしまして
家庭科設備の
充実をはかりたいというふうに考えております。
補助率は
備考にございますように三分の一でございます。
次は
教育会館の設置でございまして、これはただいま
大臣の御
説明にございましたように、
教職員の研修の場所というふうに考えております。
国庫債務負担行為といたしまして別に五億円を計上いたしておるわけでありますが、三十六
年度予算といたしましては、若干の
事務費を含めまして一億円の
経費を計上いたしたわけであります。
次は
教育の
機会均等と人材の開発でございますが、まず
育英事業でございます。総額にいたしまして五十三億九千万円余を計上いたしております。まず
事務費でございますが、これは
育英会の運営に要する
経費でございまして、
備考にもございますように、
日本育英会の支所を大阪に設置する。それから
東京都内におきましては
集金制度がすでに始まっておるわけでありますが、これをさらに
拡充をしたい。それから
本部事務機構の
強化等といたしましては、たとえば
強制徴収の係を設置をする等の処置を講じて、全般的に
育英会の事務の処理をさらに強力なものにしたいというふうに考えておるわけであります。次は
育英会の
事業費に対する
貸付金でございますが、特に重点として考えました点は、
特別奨学生制度の
拡充ということでございます。まず
高等学校でございますが、
備考にもございますように、
カッコの中が三十五
年度の人員でございます。まず
高等学校の第一学年につきましては、前
年度の六千人を一万二千人ということで倍増いたしております。二年、三年はこれは
学年進行でそれぞれ六千人を計上いたしております。それから
大学は、本
年度が最初でございまして、
学年進行で参りますと、
高等学校三年の五千人がそのまま移行するわけでありますが、これを八千人ということにいたしております。それから
単価は、
大学の自宅が四千五百円、
自宅外が七千五百円ということになっております。
高等学校の
単価三千円は、これは従来通り据え置かれております。
それから次は
大学院の
奨学生でございますが、この貸付の
対象人員は、
備考にもございますように、若干の増加になっております。
奨学資金の
月単価は、これは一万円の口と六千円の口と二口あったわけであります。それが一万二千円と八千円の二口にそれぞれ
引き上げられたということでございます。それから次は
学徒援護会の
補助でございますが、これは特に申し上げる点はございません。
その次は準要
保護児童生徒対策でございますが、総額におきまして十七億円余を計上しております。前
年度の九億円に比べますと、約八億円の増加でございます。内容といたしましては、
従前、要
保護につきましては二・五%でございましたのを、三%に
引き上げております。それから準要
保護につきましては、
従前、二%であったものを、四%に
引き上げております。それから
事項といたしましては、
学用品に対する
給与、それから次の
ページの終わりの方でございますが、
通学費の
給与、これが新規でございまして、その他はただいま、率の
引き上げ、それから
修学旅行につきましては、
単価のかなり大幅な是正をいたしております。
それから教科書の
補助につきましては、
従前、五分の四
補助であったものを、二分の一
補助にいたしておりますが、今度は逆に
保健医療費の
補助につきましては、
従前の四分の一ないし二分の一
補助であったものを、二分の一の
補助にいたしております。そういった点が前
年度と相違する点でございまして、その結果、約八億円が前
年度に対して増加したということになっております。
それから次の、四
ページ、
僻地教育の
振興でございます。前
年度に引き続きまして、
教育住宅、バス、
ボート、
発電機、
テレビ等につきまして引き続き
補助金を
増額計上いたしておりますが、ただ
発電機につきましては、若干の減が立っております。これは農林省における
農山漁村電気導入促進事業の
補助金が大幅に
増額になっておりまして、それによって僻地の
学校も恩恵を受けるものがあるわけでございますので、それを差し引いたということでございます。
それから次は
特殊教育諸
学校の
教育の
振興でございますが、まず
盲ろう学校生徒の新職業の開拓の
補助金が新規に計上されております。従来、
盲ろう学校生徒の職業と申しますと、御承知の通り、はり、きゅう、あんまということになるわけでありますが、そのほかに、金工、
電気機具の組み立て、それから彫金でございますとか、そういった新しい
職業技術を
生徒に身につけさせるために必要な
補助金でございます。
それから次は
特殊教育諸
学校への
就学奨励でございますが、先ほど申し上げましたところと対応いたしまして、
小中学部につきましては、
学用品も新たに
給与の対象にいたすことにいたしております。それから次
ページに参りまして、
高等部でございますが、
寄宿舎、これは
寄宿舎の食費でございますが、それを新たに
補助の対象に取り上げております。なお、援助の率は
従前六〇%でございましたものを、一〇%
引き上げて七〇%にいたしております。
それから次は
養護学校及び
特殊学級の
設備の
整備でございますが、
備考にも書いてございますように、
養護学校、
特殊学級の
設備につきましてそれぞれ
補助をするということでございます。
スクールバスにつきましては、
従前養護学校についてだけ認められていたのでありますが、今回は
盲ろう学校についてもこれを認めることといたしております。
次は
中学校生徒の全国一斉
学力テストでございますが、
備考にもございますように、
中学校の二年、三年生を対象にいたしまして国語、社会等の五教科について一斉の
学力テストを行なうに必要な
経費であります。これは
中学校生徒の学力水準を全国的に把握いたしまして、
教育の反省と改善の資料を得たいということでございます。
次は
国立学校の
拡充整備でございますが、前年の五百七十一億円余が七百十九億円ということでございまして、かなり大幅な増加を見ております。まず基準的な
経費といたしましては、
大学院の研究科担当手当が、従来は教授に限り支給されておりましたが、これが助教授、講師にまで拡大されたということでございます。
備考に七%支給とございますが、これは正確には七%相当の定額の支給ということでございます。教授の日額が百七十円、助教授が百二十円、講師が九十円ということになっております。それがつまり七%に相当する額であります。次は
教官研究費でございますが、前
年度に引き続き、これを二〇%増加いたしております。
教官研究旅費は三〇%増加いたしております。それから次は新規の
事項でございますが、国民所得の倍増
計画との関連もございまして、
科学技術教育を
振興するということが必要になって参っておるわけでありますが、
国立大学におきまして、次の
ページの
備考にもございますように、理工系の学生千七百九十人を増募することといたしております。このために大阪
大学の基礎工学部、それから宇都宮、新潟、山口の三工業短期
大学を新設することといたしております。そのほか機械工学科、電気工学科、応用学科等の学科を中心といたしまして、学科の新設、
拡充、改組を行なっていくのであります。そのことによりまして、三十六
年度におきましては千七百九十人の理工系の学生が増募されることになるわけでございます。
次の
ページでございますが、
工業教員養成所九カ所を九つの
国立大学に付置することにいたしております。北海道大学、東北
大学、東京工業
大学、横浜
国立大学、名古屋工業大学、京都大学、大阪大学、広島大学、九州
大学の九つの
大学でございます。入学定員は八百八十人でございまして、
高等学校卒業程度を入学資格とし、修了年限三年ということで考えております。これは後ほど申し上げますように、
高等学校の工業課程を
拡充するということになりますと、最も困りますのが工業科の教科を担当する教員の不足ということでございます。こういう養成所を作りまして、その不足に対処したいということでございます。
次は
大学付属病院でございますが、医療費もかなり大幅に
増額いたしておりますが、その他新規の
事項といたしましては、泌尿器科、麻酔科、老人科、放射線科等の診療科を六
大学の病院につきまして新設することにいたしております。
次は
大学の付置研究所でございますが、
備考にもございますように、
プラズマ研究所を名古屋
大学、
原爆放射能医学研究所を広島
大学にそれぞれ新設することにいたしております。その他部門の創設等といたしましては
基礎電子工学、
防災科学等を中心にいたしておるのでございます。
次は在外研究員でございますが、これは前
年度の百六十人を二百五人に増加いたしております。
次は
国立学校等の
施設の
整備でございます。いわゆる国立文教
施設費でございますが、総額におきまして二十七億円の増でございまして、前
年度に比べかなり著しく増加いたしております。これによって、従来、多少おくれ気味であった
国立学校の
整備が大いに促進されるものと期待いたしております。なお、特定財源の
施設整備というのが
備考にございますが、これは、たとえば名古屋
大学の教養部、これはもと八高でございましたが、この土地建物の売却代金を財源といたしまして、新たに教養部等の建物を
整備する、そういった見返りの財源になっており、建物の
整備のことを意味しておるわけでございます。
次は
科学技術教育の
振興でございますが、
理科教育の
設備費の
補助、いわゆる備品の
補助金につきましては、八億円ということになっておりまして、二億五千万円の
増額になっております。
理科教育センターにつきましては、ほぼ前年と同額の五千万円、五カ所分が計上されております。
次は産業
教育振興費の負担金
補助金でございますが、まず、
補助率について申し上げますと、
高等学校の工業課程を
拡充することにいたしておるのでありますが、その新設課程の
設備施設の
補助につきましては、
従前補助率が三分の一でありましたものを、三十六
年度からはこれを二分の一に
引き上げていくという内容でございますが、まず
設備更新費は、前
年度の五千万円が一億円と
増額になっております。次は特別
設備費でございますが、
従前は、これは農業、工業、水産についてのみ
補助がございましたが、三十六
年度からは新たに商業と家庭を
補助の対象とすることにいたしております。次は新設課程でございますが、三十六
年度八十五課程の新設を予定いたしております。機械課程二十三課程、電気課程二十三課程、工業課程二十一課程、建築、土木課程それぞれ九課程、合計八十五課程でございます。これによって約一万人の工業課程の
生徒が増募されることになっております。それから若干省略さしていただきまして、
施設の
整備でございますが、一般
施設につきましては、これは
構造比率を改善いたしております。
従前は
耐火造が一五%でございましたが、三十六
年度からはこれを二五%にしております。新設課程の
施設の
補助につきましては、これは先ほども申し上げましたように、
実験実習の
施設でございますが、
一般校舎の
整備の方は、これは国立文教
施設費の方に計上いたしておるわけでございます。次の
ページに参りまして、
中学校の
設備の
補助でございますが、約六億円余を計上いたしております。前
年度二億九千百万円でございましたので、約二倍以上に増加いたしておるわけでございます。これは
中学校の技術・家庭科の
施設を
整備したいという趣旨のものでございます。次は、
工業教員養成所は先ほど申し上げた通りでございます。
次の科学研究の
振興は、総額にいたしまして三億七千四百万円程度の
増額になっておりますが、大体前
年度の二割増し程度になっておるわけであります。
その次は史料館の
施設の
整備でございますが、これは日本民俗協会の民俗博物館の史料を収蔵するための建物の
整備でございます。史料館に三百三十坪を増築するという
経費でございます。
民間
学術研究団体の
補助でございますが、これは二十二の研究団体を予定いたしております。大体
従前と考え方は変わっていないのでありますが、
補助率が五%以下のものを今
年度は対象から除外しています。次の
ページに参りまして、日本学術
振興会に対する
補助でございますが、これは
振興会の一般管理費のほか、
事業費といたしまして流動研究員、奨励研究生、そういったものの数を前
年度に比べまして若干ずつ増加させております。次は東洋文庫に対する
補助でございますが、千六百万円のうち一千万円はユネスコ東アジア文化研究センターの設置に対する
補助でございます。これはユネスコの事業として行なわれるものでございまして、政府から一千万円の
補助金を出し、ユネスコ本部からも相当額の
補助金がくることが予定されております。東アジアにおける文化研究の連絡促進をするための機関でございます。
次は南極観測事業に要する
経費でございますが、これは今回越冬することになっております隊員を迎えにいく、いわゆる日帰りの
予算ということになっております。
次は
社会教育文化の
振興でございまして、
青少年団体活動の促進、婦人
教育、成人
教育、その他それぞれ
経費が
増額計上されておりますが、特に重点を置きましたのは、
社会教育施設の
整備でございまして、公民館八十三館、ほか図書館、博物館等の
施設設備を
整備することにいたしております。前
年度に比べまして約四千二百万円の
増額ということになっておるわけであります。
設備等の内容につきましては
備考にございますのでごらん願いたいと思います。
次は視聴覚
教育の
振興でございますが、これもほぼ
従前と同じような考え方でございますが、僻地の
学校に対しまするテレビの受像機の
補助、これは前
年度約三百校でございましたが、それを四百校に増加する等の措置を講じております。
それから次は芸術の
振興でございますが、新規といたしましては県展代表作選抜展を計上いたしております。これは各県において行なわれております展覧会に出品された作品の中のいいものを東京に集めまして、展覧をしたいという関係の
経費でございます。
それから次は国立近代美術館の
施設の
整備の
経費でございますが、これは三百八十二坪を増築したいということでございます。
その次は
勤労青少年教育の確立でございますが、この点につきましても大体
従前の施策をさらに進めることにいたしておりますが、新規といたしましては、
夜間定時制高等学校の
生徒に対するミルクの
補助を計上いたしております。
備考に書いてございますように、三十グラム、一人一円八十一銭ということを予定いたしておりまして、その二分の一を
補助するというふうに考えております。
次は
定時制高等学校の給食の
施設設備の
補助でございますが、これは
従前の実績にかんがみまして若干の減を立てております。
次は
青年学級の
振興でございますが、これは
勤労青少年教育の関係といたしまして重点を置いたところでございまして、前
年度七千八百万円を一億二千万円余に増加いたしております。内容的には職業
青年学級、前
年度二百六十学級でございましたが、これを千六百学級に増加いたします。その他やや高度の
青年学級といたしまして、実験学級を実験的にやってみたいということで必要な
経費を計上いたしました。
次は体育の
振興でございまして、その(1)は
オリンピック東京大会の実施であります。まず、
国立競技場の
拡充整備でございますが、十億を
国庫債務負担行為として別にお願いをいたしておりますが、
予算といたしましては約一億円の工事費、
事務費を計上いたしております。組織
委員会の
補助は、これはオリンピックに備えまして、組織
委員会の機構の
拡充を行なうために必要な
補助でございます。
競技技術の向上は、これまたオリンピックを控えまして、いわゆる選手強化と申しますか、それをはかるために必要な
経費でございます。
それから次は
体育施設の
整備でございますが、体育関係で重点を置いたものの一つでございまして、金額的には前
年度の五千三百万円が一億二千六百万円と倍以上にふえております。体育館、
プール等の設置の
補助をする
経費でございます。国体の
補助、スポーツの国際交歓、体育
振興特別助成費等につきましては特に御
説明申し上げることがございません。
次は
学校安全会の事業の助成でございますが、これは加入率が非常に高まっておりますので、そういう関係の
事務費の
充実、それからこの中には準要
保護児童生徒に対する国の
補助金相当分が含まれておるわけでありますが、そういう関係を含めまして四千二百万円を計上いたしております。
次は
学校給食の助成でございますが、まず
施設設備費の
補助といたしましては、前
年度に対しまして五千三百万円の増になっております。
備考として新規は僻地の
学校におきますミルクの給食
施設設備に対する
補助でございまして、これが二百校分新規に計上されております。それから一番終わりの食糧管理特別会計への繰り入れでございますが、これは前
年度に引き続き、小麦粉百グラムについて一円を
一般会計から食糧管理特別会計へ繰り入れることにいたしております。
次は私学
振興でございますが、総額で十億円余の増でございまして、うち五億円の増が私立
学校振興会に対する出資金分でございます。その他理科特別助成、研究
設備の
助成等につきましてそれぞれふやしておるわけでございます。なお、最後の私立の
特殊教育諸
学校に対する
補助でございますが、私立の
特殊教育諸
学校における
教育には非常に特色のあるものがあるのでございまして、そういう
教育を援助するために新規に
補助金を計上したわけでございます。
次は
国際文化の交流でございまして、沖縄
教育に対する協力援助がその第一であります。まず沖縄教員の内地派遣研究制度の実施でございますが、これは
従前の滞在費のほかに、新たに往復の渡航費を計上いたしております。次は国費の沖縄学生の招致でございますが、
従前のものに加えまして、沖縄では酒師、歯科医師が非常に不足いたしております。そういった要員、それから琉球
大学の教員の要員、そういう学生をさらにつけ加えております。それから沖縄の現職教員の再
教育講習会に対する講師の派遣、琉球
大学への講師の派遣、これはいずれも新規でございまして、沖縄の
教育に対する援助と考えております。その次は沖縄
生徒特別奨学生資金援助金でございますが、これは日本政府から沖縄政府に対する贈与金でございまして、沖縄政府は、琉球政府はこの資金をもって沖縄における
高等学校生徒の
特別奨学制度を実施することに予定いたしております。
次は国費外国人留学生招致でありますが、新規に百人の増員をいたすことにしております。そのほか研究留学生につきましては、月、
給与を二万円から二万五千円に
引き上げるとか、あるいは東南アジア関係の留学生の渡航費の
増額をはかるといった措置を講じておるのであります。
次は文化財保存事業でございますが、総体といたしまして六億九千九百万円余が計上されております。
従前の保存、修理の事業、あるいは防災の事業等をさらに推進するということでございますが、内容的に
従前と変わっております点は、国宝重要文化財の買い上げ費をかなり大幅に
増額したということ、それから国立劇場につきましては、これは前年と同額でございますが、建築設計の懸賞募集までの
経費を計上いたしております。
次の東京国立博物館の
施設の
整備でございますが、これは東京国立博物館にございます法隆寺から献納された御物を収蔵する収蔵庫を建築するための
経費でございます。
それから次に人に伴う
経費でございますが、文部本省におきまして新規増員二十一名を予定いたしておりますが、
大学病院課の新設に伴う増が七人、婦人
教育課の新設に伴う増が五人、それからオリンピック関係の増員が六人等となっております。それから定員化百五十四人は、これは常勤労務者、臨時筆生からの定員化分でございます。合計百七十五名が新規の増員ということになっておるわけであります。
次は所轄機関でございますが、新規増員六人でございまして、そのうち三人が国立
教育研究所におきまする入学者選抜関係の研究に当たるわけであります。他の三人は遺伝学研究所におきまして統計遺伝学の研究に当たることになっております。その他は先ほど申しました定員化分でございます。
文化財
保護委員会におきましても同じように八十三人の定員化が計上されております。
以上、概要御
説明を申し上げましたが、三十六
年度の
文部省所管予算の総額は二千四百十六億円余でございまして、これを三十五
年度の当初
予算に比較いたしますと四百六十八億円余の増となっておりますが、補正後の前
年度予算に比較いたしますと二百七十五億円の増ということになっております。
以上、
補足説明をいたしました。