○曾祢益君 この問題は、各
委員から御
発言があったように、確かに
参議院議員としてばかりでなくて、むしろ海外にある
日本の
国民の
生命等を
保護する
政府の
義務といいますか、
務めといいますか、そういう点からいって非常に重大であることは、各
委員の言われた
通りだと思います。ただ今まで、そういうこともお考えの上の
発言だと思うのですが、その点からいってもう
一つ問題がありはせぬかと思うのは、
政府の
国民の
生命、
身体等の
保護の場合に、やはりある程度の監督とか、あるいはそういう危険な
地域にはこれは行かないようにアドヴァイスする、場合によっては、居留民でも引き掲げさせる場合もある。そういうことがやはり
政府の当然の
務めの機能としては私はあるのではないかと思います。たとえば、
辻議員が
向こうに行かれた真の目的についてはわかりませんけれども、
行動から判断すると、南
ベトナムから、いわゆる戦乱のちまたと言っても
ゲリラ戦かと思いますけれども、
北ベトナムに入ろうということは、それはもう非常な危険を伴うことであり、私は、通常の場合に、
国会議員が、しかも
公用旅券を持ってそういうところに行くということは、これは少し異例であり、事前にそういうことがわかったならば、そういうことに対して賛成かどうかということは、当然に
政府の
責任、あるいは
公用旅券を
要求する
議長の
責任として問題にされなければならない。つまり、無条件にそういうことをいいという態度、これに問題の実は発端があった。むろん、そのことにかかわらず、できてしまった
消息不明ということに対して、今、
堀木委員あるいは
佐藤委員の言われたこと、全くその
通りで、そのことにかかわらず重大な段階になっている。
政府の
保護の
責任あるいは
調査の
責任が完全に行なわれなければならない。しかし、その前の
責任も非常にこれは重大だと思う。たとえば、
坂本徳松なる人が
北ベトナムに行くときにどういう
旅券が出されたかわからない。
日本が、
政府から見ると今認めていない
北ベトナムに行くことは、平穏に行かれるのですね、これは平穏に北の実際の
当局と話し合いがついているから安全だと思って行っているのだろうと思う。しかし、少なくとも
辻議員の場合には、非常に危険な
行動であることは明瞭です。ですから、私はこの際、事が重大であればこそ、そういう点については、やはり
外務大臣と
議長に――
議長にお聞きするのは失礼でしょうから、
専務総長にでもこの次来ていただいて、そういうときの
責任を含めてもう一ぺんこの問題はこの
委員会で正式に取り上げるのが
ほんとうではないかと思うのです。きょうは、そういう私が見た問題の一面について、そういうやはり危険なととろに行くのについて、どれほどおやめになるようにアドバイスしたかということも、これは
一つの問題だろうと思う。
保護という、そういうものがあるということを私はちょっと
発言だけしておきたいと思います。