○春日
委員 私は実は伺いたいと思うのですが、当時、実績としては、とにもかくにも
政府余裕金を
金融機関に預託するということは、しばしば行なわれて参ったことであります。ところが、それが適当であるかどうかという問題については、当時そういうことが合法的なことであり、
政策的に必要だからこそ、
政府余裕金が
金融機関に預託されておったのです。しかし長い間
相当金額が預託されておった。ところが、今から六、七年前でありましたか、当時会計検査院が若干のチェックをすることによって、今後これをやめたいというような意思表示が本
委員会でなされた。本
委員会は、
大月君は御
承知だろうと思うのですが、そういうことをやめるということは、
中小企業その他に対して
相当のショックを与えるので、
引き揚げることは適当ではないというて、
引き揚げることを押えて、しかし新規預託については慎重に
検討しろということで、問題はそのまま推移じて、格別の意見の開陳が本
委員会にあったのは本日が初めてだと思うのです。だから、この問題は
相当慎重に論議されなければならぬと思う。たとえば、
民間の
経済活動によって
資金梗塞を来たしたような場合は、
日銀の規制によって、あるいは
銀行行政によって、これはしかるべき
調整の道がはかられてよろしからんと思うのでありますが、ただいま
石村君が御指摘されたがごとくに、これは
政府限りの行為であって、すなわち
財政の支出とその
引き揚げとによって著しく
資金梗塞を生じたような場合においては、これは
政府の行為の限界において効力を発するような
措置、すなわち
政府の余裕金を預託するがごとき
措置というものは必要にして欠くべからざるものであり、かつは唯一の
措置であるとわれわれは考えておるのであります。従いまして、かつてその必要に基づいて、またその効果をねらって行なわれてきた問題について、単なる会計検査院がそういうチェックをしたということだけで、その問題が一応差しとめられたまま推移して参っておるのでありますから、これらの問題については、当時われわれも、本
委員会で、会計検査院を直接喚問して、そういう警告を発したことがあるのかと質問したことがある。当時、会計検査院としては、それは法律上違法ではないと思う、ただ望むらくは何らかの意思表示が
国会に向かって予算上なされることが望ましいと言っただけの問題であって、これが違法であるとかなんとか言ったことはない、こういうようなことで、されば
大蔵省においても十分この問題について
検討さるべきである。私はただそういうことを漫然とやれと言うのではない。そのことはかつてあったことであり、必要に基づいてなされたことであり、しかもその
措置というものは非常に端的な効果を生じ得る
措置であったわけです。ということは、単なる
民間における一般的な
経済活動の結果として
資金梗塞を生じたような場合は、あるいはそれがはなはだしく困難な
状態に陥った場合は、たとえば戒告の道もあるであろうし、あるいは
日銀の窓口において、あるいは
金融行政そのものの上において、効果が期待し得ると思うけれども、
政府の
財政支出とその
引き揚げとの、すなわち行
財政の
政府の行為の範囲内においてそういう大きなギャップを生じたときには、
日銀の規制であるとか、あるいは
銀行局の指導行政では端的な効果を的確におさめることはできない。ただ残されておる道は、
政府余裕金を預託することにのみあると思うのであります。そういうわけで、私は、今こそ、そういう問題については、十分本
委員会と
大蔵当局と、あるいは
日銀と会計検査院とを交えて十分その問題についての合法性、必要性、合理性、そういう問題を論じなければならぬと思う。いやしくも本
委員会において問題になって懸案のまま数カ年を経過した問題について、独断的に
大蔵省だけで
結論に達して、だからもうやらないのだというような、そういう一方的な意思表示というものは許されるべき経過の中にはないわけであります。こういうふうに思うが、大蔵
委員会はいかがでありましょうと相談の結果、さらにまた会計検査院その他を呼んで十二分にこういう問題についての論議を尽くした後において、国としての行動、今後の方針の取りまとめというものがなされてもいいと思うのです。問題はすべて経過があるのであるから、経過に基づいた締めくくりというものをなさるべきであると思うのでありますから、この問題については十分
一つ理財局長、
銀行局長——特に
大月君はその当時何やらの課長として立ち合われただろう経過もあるので、十分この問題については経過を含んであらためて御
検討願いたいと思う。本
委員会といたしましては、少なくとも本員といたしましては、こういうような
引き揚げが多くして
財政支出の少ないときにおいては、そういうような
政府預託を行なうことによって、その断層を縮めていこう、こういうことは有効にして適当な
措置であり、かつてなされたことが本日これを許されないという筋合いはないと思うので、十分御
検討を願っておきたいと思います点が一点。
それから、第二点は、今、
大月君の御
説明によりますと、
設備投資については概略一側の頭金でもってこれを抑制しておるということでありますが、こういうような
情勢になることは、社会党さんもわれわれ民社党も、昨年予算が本
国会に付議された当時、十分このことを予見いたしまして、かつはこれを指摘いたしまして、
政府に対して次善の
措置を講ずべきことを強調したのでありますが、その必要はない、また外貨上の前途についても何ら憂うべきものはない、強引にこういうことを一方的に言い張って今日に至りましたが、はたして私どもが予言いたしました通りの
情勢がここに現われてきたのであります。そこで、私はお伺いしたいが、この問題は、ただ単に
民間の
設備投資をちっとやそっと打ち切るとか押えるとかいうようなことで、的確な効果をおさめ得るものではないと思うのであります。本
委員会は、各位の御決議を得て、代表の諸君が外国の
経済事情の
調査にも参られて、海外
事情についても今御報告のあったようなことと大同小異の
情勢であろうと思うのであります。従いまして、こういうときには、さらに効果ある
措置、すなわち精神的効果並びにその実質的効果を含めた何らかの
措置、これはすなわち
財政投融資にまで触れて何らかの
措置が講ぜられなければならないのではないか。昭和三十二年のときには、御
承知の通り、池田
大蔵大臣の手元において、あのような思い切った
措置、これはまた必要に迫られて、余儀なく、
財政投融資の六百億円でありましたか、とにかく一応削減
措置が非常手段としてとられたことであります。本日のこの
経済情勢の中において前途なかなか憂うべきものがあるのでありまして、
経常収支においてすでに数億の
赤字が出てきておる。前途はさらに暗い。十九億何がしあるという外貨といえども、
ユーザンス並びに
ユーロー・ダラーというようなものを差し引けば、なるほど受取分の見返る
ユーザンスがあるではありましょうけれども、しかし、それにしても先細りの
状態であります。結局、一切の
金融措置と
財政措置も、いろいろ究極するところは、結局海外収支、これの均衡あるバランスをはかることにあると思います。結局
政府は予算通り積極的に放出しておいて、
民間の
設備投資だけ押える、しかもそれは
銀行を通してそのことを訓示的に言っておるというだけで、はたしてあなた方は責任ある行政がなし得るか、すなわち、これ以上外貨の損耗を激しくしないで、事前にこの局面を転回し得るの確信があるのか、この点について
財政投融資に対する削減をするのかしないのか、それはあなた方の力でやれることではないでありましょうけれども、
局長として現
段階においてどういう
見通しを持っておるか、その
程度のやり方で十分外貨保有は
国際収支のアンバランスの危機を解決できるという確信があるのかどうか、御答弁を願いたいと思う。