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多賀谷委員 今思いつきで志免のお話をなさいましたが、かつて
社会党の
石炭国家管理
法案を出したときに、今ここにおられまする伊藤先生が鉱工業
委員長でしたけれども、自民党の諸君が出したのは、勝田
炭鉱と志免
炭鉱を見てみろ、勝田は自由
競争で非常にいいじゃないか、志免はこんなに悪いじゃないかということで宣伝したのですよ。
現実はどうかというと、勝田はずっと赤字続きで、ほとんど気息えんえんですね。志免は、問題になりましたけれども、とにかく
炭鉱が続いておるのですよ。志免の方が
能率がいいですね。ですから、一
がいにいえないので、むしろ
部分的にそれだけを国有にすれば、それは問題がある。問題は私が
石炭でいい面が
一つもないと言うのは、
鉱区の
調整ができないでしょう。それはどこの国だって——イギリスだって国有にしたというのは、イデオロギーよりも分割された
鉱区の
調整に困って、そうして、これは大規模な、適正規模な
炭鉱をやらなければならぬというので国有にしたのです。フランスだってその
通りです。そうして、これらの国の
合理化というのは、統合の
合理化です。集中の
合理化です。切羽を集中し、
炭鉱を統合して大規模な
炭鉱を作って、そうして
合理化した。今いろいろ批判があっても、とにかく今日まで問題を起こさずにやってきたというのは、私はやはり統合のおかげ、
合理化のおかげだと思うのです。ところが、
日本の場合は、隣に隣接した
鉱区があり、しかも距離的に非常に近いところでも、他の鉱業権者の
鉱区であるために掘れないのです。いわば資源が活用されないで死蔵されておるという点、それから今申しますように、錯綜
鉱区であるという点、あるいは景気変動に順応できない、
石炭は弾力性がないから、今必要であるといっても、すぐ掘れないのです。いよいよ掘る態勢ができたときは不景気になっておる。こういったこと。これらを
考えてみますると、製品が自由
競争でいってよくなるはずがないでしょう。下にあるものを上に出すのですから、製品そのものがよくなるわけがないですよ。ですから、諸点を
考えて、自由
競争でなるほど創意と工夫をもってするならば、よくなるだろうと
考えられる点が残念ながら
石炭にはないのです。あっても若干だ。だから、
資本主義の国で
石炭については特別の
経営形態を持ってきているところがある。ですから、この点、私はイデオロギーを言うわけではないけれども、
石炭産業そのものを見ると、自民党の諸君が逆に自由
競争というイデオロギーにとらわれないで、その
経営形態を変えろとは言いませんが、多くのつっかい棒をして、そうして
総合調整をとってやらないと、
日本の
炭鉱はジリ貧になるのだ、こう言わざるを得ない。このことをまた私は指摘したいと思うのです。
企画庁長官、
一つ御答弁願いたいと思います。