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本名委員 私の伺っているのは、
国内生産体制を整備するということは、
価格なりあるいは直接
圃場に対する
予算措置その他による
生産増強、これは当然であるが、それと
関税対策とあわせて
考えて、どれだけの
効果をねらって三%とおきめになったか、その意味をお聞きしているわけなんです。もっと非常に砕いた言い方をしますと、実は今日まで法案は、
交付金法が出ておりますが、これはまだ通過しておりません。そのほか、今
長官のおっしゃった、当面の
価格対策その他によって
生産を増強されるということ、いずれにいたしましても、はっきり申し上げると、これはまだ確定したものではないと思う。その上に立って、今ここで
関税の定率だけを
決定しようとする。するからには、少なくともそういう
態勢下にあって、
関税措置としての
効果というものは、どういうふうにお
考えになって三%となされたか、それをお聞きしたわけなんですよ。
そこで
関連して、ついでですからお聞きいたしますが、それならば、当面の
価格対策というものも
処置するとおっしゃる、あるいはまた、
交付金制度によって
生産の確保並びに
増産態勢をとろうとおっしゃるが、その点から今度は
関税三%
——当面の
価格対策というものをどうするか、あるいは
交付金の
制度というものの活用によって実際の
効果がどう現われてくるかということが納得されて初めて、なるほど3%でよかろうとか、あるいはもっと上げろとか、あるいは上げる必要がないとか
——まあないことにはならぬと思いますが、そういうような
意見がまとまって出てくることと思うわけであります。そこで、その当面の
対策でありますが、実は、
生産者なり
国内の
生産の
実態からいたしますと、当面の
対策なりあるいは当面の
価格対策なり
生産体制というものがどうなるかということが、むし
国内的には重大であろうと思う。その上に立って、さらに足らないところをどうする、こうするという
論議がなされることの方が、私は国の
政治としてはむしろ本筋じゃないか、こう思うわけであります。そこで、その当面の
価格対策として問題になるのは、まず第一に、先般来問題になっております三十五
年産のわゆる手持ちいたしております
大豆、これを一体どうするかということ、これは従来伺っているところでは、とりあえず三千二百円、その基準で
処置をするということであります。この三十五
年産の
価格というものは、先般来各
関係の
委員会でいろいろ
論議されましたが、それとこの
交付金制度というもうは一応、これは個人的な
考えとしては、切り離して
考えていって、三十六
年産からいわゆる
関税なり
価格なりあるいは
生産体制なりというものを整備するというものが同時に作り上げなければならない。けれ
ども、それを作り上げるための末端における
農民の
経済心理やあるいはまた
生産増強の意欲というものを
考えると、やはり三十五
年産の残ったものの始末というものをどうするかということが、非常に大きな問題になって今日まで
論議されてきたわけです。それからもう
一つ、なぜそういう三十五
年産が大きく
論議されるかという事由は、
自由化に備えての
論議もさることながら、
自由化論議が数年前から繰り返されているさなかにあって、
国内の
価格というものが、これは実は
経済の
原則、
需給の
原則のみならず、
自由化というかけ声だけで非常に
価格に
変動があったということ、こういう事実も
考え合わせて参りますと、どうしてもこの三十五
年産の
処置というもうが今後の
施策に非常に重大に
影響してくると思うのであります。そこで、今さらに申し上げるまでもなく、その三十五
年産の
論争の中心は、いわゆる三千二百円という
価格をつとにお出しになりましたが、このいわゆる
取引の
場所、
取引の方法というもうが非常に不明確であるというところに、
論争の
一つの
問題点があったと思います。具体的に申し上げれば、三千二百円は
農家の
手取りである。私は、少なくとも将来
農家の
手取りというものは、でき得れば
最終消費価格まで
農家の
手取りが伸びることが理想である。従って、その間における
流通経費というものは努めて節減されなければならない。けれ
ども、三十五
年産におきましては、従来の慣習、
商取引の
実態からいたしまして、やはり依然として、
農家の
生産品は、
素俵生産検査をいたしておりますが、実質の
取引は、
作り加工いたしまして
消費地まで運んでの商売をしている。この間にあって
農家の
手取りを確保するということ、すなわち三千二百円を確保するということが、この
自由化対策に対する
農民のいわゆる
経済心理に刺戟を与え、次の
議施策によって
増産の道がより一そう確保されると思うので、私は、この三十五
年産の
価格をどう扱われるかということを具体的にこの
機会に、もうすでに
政府は発表なされなければならないと思うのでありますが、この点についてどういうふうに御
処置なさろうとするかをお伺いいたします。