○田原委員 御承知のように、この
事件は日本の民主化の
過程に起こった
事件であり、世界各国こぞって、あるいは軽べつし、あるいは不安の念を持っておったことは、当時の
新聞で明らかである。外電はことごとくそれを報じておった。従って、
発表の技術の問題でありますが、すでに犯人は死亡し、
関係団体からの重要参考人等も調べられたならば、何ゆえに
団体的にこれを
発表できないかということです。普通の
事件とは違うと思うのです。過去において、あるいは大隈伯の
事件とか、浜口雄幸氏の
事件、あるいは原敬氏の
事件、あるいは板垣退助氏の
事件等があったときは、即時
発表され、不安を持っておった
国民がその
発表に非常な
期待と安心をしておったと思う。今度のこの
浅沼事件は、当時の今あげた幾つかの
事件よりももっと大きい反響を世界に与えておる。従って、日本の
発表というものが、たとえ中間
発表であっても、
段階的な
発表であっても、これは、日本がこれから先世界各国とつき合っていく上において最も必要だと思う。何ゆえ、きょうは
法務委員会で
質問するということになっておるのに、初めから
——今、私は委員として聞いておると、いろいろと理屈は言っておるけれ
ども、答えないというつもりでおるらしい。
捜査上にどうしてそれが障害になるか、参考人として呼んだ
団体の明らかに、あらかじめ刑事局に挑戦するがごとく、十二月十五日の葬式にほとんど全部参加しております。それなのに、何を一体遠慮して
発表しないのか、私はおそらくこれは
法務大臣や検事総長から何か圧迫がきて、いやおうなしに
発表しないのか、そうでなかったら、
法務省の本来の建前から、むしろ時々刻々に
段階を分けて
国民に
発表して、ここまでわかった、この点は取り調べ中であるというのがあたりまえであって、われわれはせっかく
法務委員会でこの機会を作っておるのに、答えをしないで、ただ
言葉の技術でもってごまかしておるという感じを与えておる。これははなはだ遺憾である。もっと誠意をもって、
——影響するところは世界各国に対する日本の信用の回復なのである。今
暴力が横行し、反対党の首領が公然と殺されるようなことがあって、二カ月もたっておるのに、その人名も
発表しない。下級
機関である東京
検察庁の方では、
雑談であったけれ
ども、ある程度調べた
資料があるということだ。
法務委員会からお問い合わせすれば
お答えしましょうということを、十一月十八日に言っておるのに、せっかくわれわれが機会を作っておるのに、何ゆえに言わないのか、
刑事局長の私は誠意を疑う。もっと大胆に、
法律を守るという
意味において、日本国の世界的信用を回復し、維持するという
意味において、少なくともきょうは何ぼか
発表すべきであったと思う。初めから
発表せずに、ただ
質問者に対して、
質問者の
言葉じりをとらえたり、そういうことでもってやっておるが、私は遺憾であると思う。だから、あなたはもっと
考え直して、少なくとも今日まで調べの終わった者
——終わったから赤尾だって出したのだ。出したのに、また山口二矢の葬式に行っておるということは道義上から見てもおかしい。だから、そういうことは、今まで調べた
団体の責任者のどういう点を調べたか、なぜ一体釈放というか、帰宅させたのか、それを私は聞きたいから、初めに立候補者の数が単数か複数か、それを聞いておる。もっと誠意をもって答えてもらいたい。どうですか。