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1960-09-01 第35回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年九月一日(木曜日)     午前十一時十六分開議  出席委員    委員長 今井  耕君    理事 田中 彰治君 理事 高橋 禎一君    理事 小川 豊明君 理事 高田 富之君       關谷 勝利君    福家 俊一君       村瀬 宣親君    森   清君       上林與市郎君    神近 市子君       久保 三郎君    山田 長司君  委員外出席者         農林政務次官  田口長治郎君         農林事務官         (畜産局長)  安田善一郎君         参  考  人         (新潟県知事) 北村 一男君         参  考  人         (新潟青海町         長)      加藤 文雄君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 九月一日  委員大坪保雄君、山田彌一君及び森本靖辞任  につき、その補欠として關谷勝利君、福家俊一  君及び上林與市郎君が議長指名委員選任  された。 同日  委員關谷勝利君、福家俊一君及び上林與市郎君  辞任につき、その補欠として大坪保雄君、山田  彌一君及び森本靖君が議長指名委員選任  された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国有財産増減及び現況に関する件      ――――◇―――――
  2. 今井耕

    今井委員長 これより決算委員会を開会いたします。国有財産増減及び現況に関する件について調査を進めます。まず、新潟田海川に関する問題について、参考人より御意見聴取することといたします。本日御出席参考人は、新潟県知事北村一男君及び新潟青海町長加藤文雄君のお二人でございます。この際、御両名の参考人に一言ごあいさつを申し上げます。本日、両参考人には、遠路しかも御多用中にかかわらず、わざわざ本委員会のために御出席いただき、まことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。なお、両参考人からの御意見聴取は、委員からの質疑によって行いたいと存じますので、さよう御了承願います。それでは質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。田中彰治君。
  3. 田中彰治

    田中(彰)委員 ちょっと北村参考人にお聞きしたいのですが、新潟県の田海川普通河川の適用を受け、これが知事管理に属しておると思われるのですが、このごろ、この河川流域埋め立てて、整地をして、工場建設整備をしておる者があると聞いておりますが、県は、この河川公用廃止をやって、工事許可しておるのか、あるいはどうなのか、この点一つお伺いしたいと思います。
  4. 北村一男

    北村参考人 県としましてはこういう許可を前に出しておるのであります。それは「一、新潟県は、地方自治法第十四条第二項の規定に基き、新潟土木工事取締条例を制定している。二、東京都中央区日本橋室町一丁目八番地日本石灰石開発株式会社から、前記条例第一条の規定に基き、昭和三十四年十一月四日付をもって、新潟西頸城郡青海大字田海地内普通河川田海川の一部を、石灰石採掘によって生ずる細石置場確保と、田海川流域水害予防とを目的として、付替工事施行許可申請がなされた。三、当庁で前項申請を審査したところ、田海川変更工事内容隧道方式をとって居り、洪水時に危険が予想されるので、同会社に対し、開渠方式の検討を指示した。四、同会社では、同年十二月二十三日付をもって、前記二の申請計画開渠式とし、書類整備のうえ提出してきたので、当庁では、同年同月二十五日付新潟指令河第三、〇四九号をもってこれを許可した。当該許可にかかる工事は、工事費三千二百五十万円で、この工事の完成によって生ずる田海川廃敷地は、約九千平方メートルである。工事期間は、昭和三十五年六月二十四日までとして許可されたものであるが、この期間内に完工しなかったので、昭和三十五年六月二十四日付をもって更に同年十二月二十四日まで工事期間の伸長を許可した。五、当初許可の後、昭和三十五年一月十四日付をもって、西頸城郡青海八木幸治外八十九名から、本件許可を不服として、内閣総理大臣あて訴願提起があったが、訴願提起を認めた法令の規定が存しないとの理由で、同年四月十二日却下された。六、前記のように、本件田海川変更工事許可処分済であるが、付替河川予定地について関係者との間に争があり、許可受人は、この解決まで、工事を施行しない考えであるので、現在まで、当該変更工事には着手していない。」こういういきさつがありますので、今日まで、許可したけれども、その工事は施行しておらぬ、こういうふうに考えております。
  5. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたの方で許可された内容は、工事田海川流域水害予防する、かつ該工事による河川のつけかえ個所石灰石採掘により発生するこまかい石の置場とする目的として、つけかえ個所をそれ以外には使用しない、こういうことである。そこでこのこまかい石の置場とすることを許可した。それ以外には使用しないということになっておるが、向こうでは、あなたの方のこの許可に対して、つまりこまかい石の置場とすることを許可したと思っているし、また申請会社は、許されたとして埋立工事をやってもいい、こういう工合に彼らは考えている。そうして新河川もできない現在、洪水期を控えておるにかかわらず、あなたは今何にもしてないとおっしゃるけれども、これを埋め立てしたりいろいろなことをして、切りかえをしたり、地ならしをやっている。これは現在やっているのですが、あなた知事責任で、それをお知りにならぬということは、ちょっとおかしいじゃないですか。
  6. 北村一男

    北村参考人 それは事実知らないのです。
  7. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうしたら、現地を一回調査されてみたらどうですか。それから今やっておらぬとおっしゃいますけれども、向こうではこういうものをあなたの方が許可したものだと思われて、みんなこれを埋め立てしたり、それから河川の切りかえもまだしてはないのに、そこに工場をやるつもりでいろいろなことを敷地としてやっている。県は、こういうものを、今あなたのおっしゃるのでは、やってないといってそれを放任されておる。しかし、水など出たり何かした場合は非常に問題である。もう一つは、日本石灰石灰開発会社ですか、この会社に対して、あなたの方ではつけかえ工事、これは許可はした。したにはしたが、その許可条件の中に、旧河川流域内に細石を置くことを許していない。許さないということになっているのですが、これは実際お許しになったのですか、お許しになってないのですか。
  8. 北村一男

    北村参考人 そんなものを許可しておりません。
  9. 田中彰治

    田中(彰)委員 おかしいですな。許可しておらないのに、その河川予定地所有者相当異議等があっておるにもかかわらず、旧河川公用をまだ廃止もしておらないのに、埋め立てとか、そういうことをやっている。もしあなたの方で旧河川公用廃止された場合でも、やはり今度は県庁のあなたの関係ではなくなって、大蔵省財産になるから、工場とかなんとかを建てることを県で許可するとかいう権利はないと私は思うのだけれども、向こうではこれをどんどんこわしていろいろなことをやっておる。どうもこの点が私は非常におかしいと思う。もう一つ、この普通河川公用をあなたの方で、今まで知事権利を持っておられるが、これをもし廃止された場合は、国有財産普通財産として直ちに大蔵省に引き継がれるのであって、県が国有財産となるべき敷地に対して、細石といえどもこれを置かすとか置くなとかいうような条件をつける権限は当然ないのだ。こういうことをすると、今やっていることはみな違法なんだが、あなたの方でその違法を知って知らぬふりをしてほうっておかれるのではないか、どっちから見てもおかしいではないか。旧河川をあなたの方でやめるならば、国の財産になって大蔵省の方に引き継がれる。大蔵省財産になれば、県がそこに細石を置いていいとか置くなとか、工場を建てていいとかいかぬとか、あなたの方で何の権限もない。また、今あるとすれば、そういうものに対してあなたが今おっしゃるように許可してない。許可しないのに、旧河川をつけかえないで、これを埋め立て工場を建てるようなことをやっておる。それも知らない。北村知事とおっしゃれば、相当国会議員も長くやられて、私は大臣級知事だと思うのだが、あなたにしてはこれは少し手落ちでおかしいと思うのです。一体どうなんです。これは委員会なんだから、ほんとうのことを知らして下さい。
  10. 北村一男

    北村参考人 それは事実知らないのです。新潟県は、御承知のように全国第四番目の大きな県でありますから――一々それは知っておるのがほんとうなんですけれども、それをつまびらかにしないというのが現状なんです。私らは、県の許可しない仕事が行なわれておるとは考えません。でありますから、帰りましてすぐ調べまして、そうして許可しておらぬのに、そういう措置をとらぬで、違法な行為を行なっておるならば、これを差しとめなければならぬ、こういうふうに考えます。
  11. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでよくわかりましたが、ただここに、この河川のところに、所有地に非常に共同者がたくさんある。その中でこういう工事をしてはいけないのだ、まだほかの河川も切りかえないのに、公有河川の切りかえをしてはいけないのだということで、やはり仮処分をするということをいって仮処分申請をしたところが、会社側では、いや、こういうことは、全部皆さん了解も得、それからすっかり手続をするまでは決して工事に着手をしない、こういう了解のもとに、この間仮処分をするものを待ってもらっておるのだ。まだその土地権利者が承諾しておらない。しておらないけれども、それは承諾するまでは工事に実際着手しない、こういうことを言って仮処分を待たした。また、ここに、もしこういうような工事をするにしても、こういう人たちが承諾しておらないから、事実これが工事上不能である。県は、やはりこういうようなことに対しては土木工事取締条例というようなものがあるんだから、やはりこういうものを適用されて、よく調査されて、知事さんがこういうものを善処されて、地元の誤解とか法律の違反とかいうことはなくされるように――私は知事さんとは同志として長くお知り合いなんだから、これはさっそく調査して、一つそういう善処をしていただきたいと思うが、知事さんはどう考えておられますか。
  12. 北村一男

    北村参考人 全く県は承知しておりません。承知しておらぬところからこういうことが行なわれたのでありますから、今後詳細に調査いたしまして、善処したい、こういうふうに考えております。
  13. 田中彰治

    田中(彰)委員 けっこうです。  それから青海町長さんにちょっとお聞きしたいのですが、この田海川は、普通河川として県で知事管理されておる。その知事からあなたは町長として、この河川の監督とか、いろいろの管理について委任を受けておられますか、受けておられませんか、これはいかがですか。
  14. 加藤文雄

    加藤参考人 私としましては、町長になって半年なんですが、この点についていろいろ調べてきたのですが、大体町の権限というのは管理維持費を出す程度であって、あとはすべて県で許可とかそういうものを握っておる、そういう回答がありまして、結局町としましては、形式的な維持管理面だけである。そういうような回答になっておりますので、普通のこまかい護岸程度の修理は町でやっておりますが、そのほかはすべて知事あて文書でもって向こう許可を得る。そういう形態を事実上とっております。ですから、自治法上の権限がどこまであるかという点は、まだあいまいもことした点で、私としましてもどこからどこという範囲は明確になっておりません。
  15. 田中彰治

    田中(彰)委員 おかしいですね。あなたは町長になってたとえ半年であっても、町長に立候補されて、町長としてのあなたの信念を町民に披瀝されて当選されたのだろうが、それが知事からこれについて管理委任を受けているか受けていないか、どの程度くらいかわからぬというのは、おかしいじゃないですか。あなたの監督する町にある川でしょう。もしこれが水害にあったり、ここに事故があったりした場合、あなたはどの範囲かわからないからほうっておかれるのですか。やはりあなたが率先してこれの災害救助をされるかあるいはどうするかというようなことをされなければならぬ任務にありながら、どの範囲か知らぬというのはおかしいじゃないですか。またここにこういうような工事をやって、埋めたりなんかいろいろしているということをあなたは知っておられるはずなんだが、それに対して、町長として一体あなたはどんな善処をされているのですか。
  16. 加藤文雄

    加藤参考人 これにつきましては、河川敷がどこまでかという問題がむずかしい問題になって参りますが、明治時代に作られました公図上からいいますと、現在の河川というものは、民有地を流れ、国有地の旧河川敷河川になっている場合がございます。そういうようになっておりましても、法的には河川になっているのは国有地と当然言えると思います。それでこの問題を聞きましてから、町長といたしましては、石灰開発田海川河川敷管理についてという文書を出してございます。八月の十日でございます。現在の田海川は、ちょうど西花沢線との交差点一体付近において民有地を流れ、国有河川敷河川となっていますが、国有河川敷については無断使用なきよう特段の御配慮を願います。こういう文書でそれぞれの手続をして、まだ計画も何もわかりませんですから、無断で使ってもらっては困るという申し入れをいたしておるわけでございます。
  17. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたはそういうものを一応出しておられる。しかし、ここに町道がある。その町道をつぶされておるので通れないからという陳情書がだいぶあなたに出ているのだが、これについてあなたはどんな処理をされておりますか。
  18. 加藤文雄

    加藤参考人 これにつきましては、一般通行には差しつかえないと思っておったところ、たまたまあの付近通行しようとしたら、石灰開発からとめられた、それで何とか自由に通れるようにしてもらいたいというので、この件に関しまして、役場の吏員をまずやりまして、事情聴取――町道というものは代替とか国有道路を作るんだというような話があって、初めてそこの通行禁止ができるけれども、やはりそれまでは無断で一方的に通さないというようなことがないように、将来の計画とかそういうものを町長のところにもぜひ言ってきてもらいたい、それまでは現在の道路を通れるようにやってもらいたいということを申しましたところ、石灰開発から答えがございまして、現在の状況で、沈澱池の泥を埋め立ててあるけれども、町道として通れるように措置をいたします。いずれ今後の方針ができたら、町長のところへ連絡に参ります、そういうことで、現在は、町道としてはまだ区分的には、先ほども言いました通りに、公図上の面でどこからどこまでということが確定はしておりませんが、おおむねもとあった付近町道として確保してございます。
  19. 田中彰治

    田中(彰)委員 おかしいですね。町道がつぶされて通れないという陳情を受けながら、会社の方のそういう一方的なことを聞いて、それであなたは町長としてほうっておかれるのですか。町道というものをそんなことしたら、法律に違反するのでしょう。道路交通取締法にも該当しているし、それから刑法溢水罪や、さらに今度不動産の侵奪の罪もできた。町道をそんなに占領してそういうことをやったら、あなたは町長だから、幾ら知らぬとかおっしゃっても、法律規定しているのだから、町道をそういうことにしたら、どうして法律によって取り締まらないのですか。おかしいじゃないですか。町道の一方にそういうものが積んである。それを会社が片づけて何とかする、あなたのところへ報告に行くから――それじゃそこらの町道をいろいろなことでつぶした場合には、そんなことでもって通りますか。そういうことができないように、町道にはちゃんと法律がある。あなたは法律をお読みになったことがあるのですか。法律を知らぬで町長が勤まらぬじゃありませんか。それだから、工場を建てるとか建てないとかきまりがつかない。あなたがそういうふうにだらしがないから法律に無知識だから、信念がないから、町道をつぶされる。これが林道とかなんとかならいいのですけれども、町道を  つぶしたら、ちゃんと法律によって告発しなくちゃいけない。告発すればすぐそこで刑事問題が発生して、ちゃんとそれを検挙するだけの法律があるはずだ。その法律町長が知らぬということはおかしいじゃないですか。どうなんですか。知っているのですか、知らないのですか。知っていて放任しておくのか、調査していないのか、それを一つあなたから聞きましょう。
  20. 加藤文雄

    加藤参考人 なるほどそういった法律がございますが、実際問題としまして、こういう道路のつけかえをするとか、そういうときに、事前工事が施行された場合も過去の事例においてはたくさんございます。そういった意味で、今度の埋め立てそのもの道路を破壊するという形にはならないものですから、これは近く現在の道路境界をはっきりしょうということでもって手配はしてございますが、一応通れる形にして、その道路目的には違反しないように私としては確保手続をとりまして、近く測量もしまして、これが現在の町道であるということを、共有地並びにそういったところと立ち会いでもって測定するように手配をしてある段階でございます。
  21. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなた、おかしいですね。過去にこんな例があったと言ったって、どろぼうしてつかまらなかった例が過去にあるからどろぼうしてもいい、そういうわけにいかぬでしょう。町道がこわされて通れないから何とかしてくれとほかから陳情されている。あるいはその周囲に河川の問題で仮処分まですると言って騒ぎが起きている。あなたは町長でいられるのだから、この町道をつぶした場合は、やはり町内の災害予防の見地から見てもこれは捨てておけないはずなんです。しかも、道路交通取締法に該当しているし、また刑法では溢水罪やそれからさらに今度不動産侵奪罪等もあるのだし、そういうものに対しては、即時にこのごろは検挙していいのだから、やらなければならない。それを、これからそういうことがあったら、どこがやっているのか調査して、測量してやってみるというような怠慢な考え方は、どうもおかしいじゃないですか。青海町長というのはそれで勤まるのですか。そんなのん気なものなんですか。法律を無視してもいい、町道はつぶされてもいい、陳情はあっても、それは待っている、あと会社で何とかする、測量して何とかする、町道とはそういう性格のものなんですか。それは町道だから大へんだ、すぐに行って見てこい、すぐに通れるようにしなければいかぬ。また、町に災害があった場合に、その町道を公然と使っていかなければいかぬ。もし法律を侵しておったらすぐに検挙しろとか何とかいうのではないけれども、こういう法律もあるのだからこうしなければいかぬ、こうしないとこうしますというように、あなたからばく然たる注意があってもいいじゃないですか。それをあなたがしないで放任されたのは、おかしいじゃないですか。何かあるのですか。町道をつぶしてもあなたが文句を言えないようなことがあるのですか。何かそんな手入れでも回っているのですか。それともそんなことはない、町長としての処分も公然として履行されているのですか。青海町道なんかつぶしていいのだ、陳情なんかあってもいいのだ、相手から聞いてあと善処すればいいのだというふうに、あなたが本質的に考えておられるのか。何かそういう言えないことがあるのか、それとも無知で何も知らないのか、一体どうなんです。
  22. 加藤文雄

    加藤参考人 この西花沢町道通行できないということは、実は陳情によって初めて知った次第でございます。それまでは私としても全く知りませんでした。それに対して通行に支障がないように、また実際に現地を調べたところが、この町道境界線というものが非常に不明確になっておる。そういうことによって、これは急いで確定しなければならぬ、そういうような段階に現在ある程度でございまして、私がこの町道を黙認しなければならぬというようなことはないわけでございまして、現在ではもう当然町道として通れるまでの手配はしたつもりでございますが、今まで町長として管理上、また法的にも不備な点があるということは、私としてもおくればせながら手配をしたというだけで、これは認めざるを得ません。
  23. 田中彰治

    田中(彰)委員 それではあなたは調査に行かれたのですか。
  24. 加藤文雄

    加藤参考人 行きました。
  25. 田中彰治

    田中(彰)委員 もっと早く調査されて、ちゃんと町道の機能を発揮するように、法律的にあなたは手続をかちっとされる意思があるのですか、ないのですか。
  26. 加藤文雄

    加藤参考人 これはもう近く九月の初めにやる予定でございますが、町道として正式に測量して、昔の公図等からこれが町道であるという認定をさっそくするように手配してございますので、近くやる予定でございます。
  27. 田中彰治

    田中(彰)委員 それではどうぞ一つ参考人皆さんお気の毒ですが、知事さんからも調査された結果を一つこの委員会委員長あてに報告してもらいたい。あなたからもこの調査された結果を一つ報告していただきたい。これをしていただけますか。――これを委員長あとで聞いておいて下さい。
  28. 今井耕

    今井委員長 承知しました。
  29. 神近市子

    神近委員 関連して。私はこの問題のことは、現地も知らないし、存じません。ただ、初歩的な御質問なんですけれども、今お二人の参考人お話を伺っていると、その許可権河川法によって自治体、県知事にあるということはよくわかりました。だけれども、さっき加藤町長は、町長管理維持責任がある、こうおっしゃったのです。それは地元々々であると思うのですけれども、こういうものの許可をなさるときに、県と町との間に密接な意見の交換があって許可をおろすことが当然だと思うのです。お話を聞いておると、その連絡が非常に下足であったように感じられるのですけれども、それはどういうことなのか。こういう許可をおろすということについては、地元意見というものを――私どもの考えでは、県知事県庁の中で管理をしていらっしゃることよりは、地元人たち意見の方がこれは大事だと思うのです。それを十分聴取をしていらっしゃるかどうかということが一点。  それからもう一つは、大蔵省関係のことになると思うのですけれども、河川である間は県知事にこの管理権があるということは承知していますけれども、一方埋め立ててそれが土地になった場合は、これは新しく国有財産として獲得されたものになるのではないかというのが私の疑問なのです。それを勝手に許可を得て、自分の費用で埋め立てたものに事前に譲渡するということができるかどうか。大へん初歩的な質問ですけれども、これはどこにも起こり得ることなので、ちょっと伺っておきたいと私は思うのです。
  30. 北村一男

    北村参考人 第一点の、私が許可しますとき町長と打ち合わせして、許可になったとき差しつかえないようにしているか、こういうお尋ねであったと思いますが、こういうものは、従来の惰性からいたしまして、まず県で許可するものは県庁許可しまして、あと町長が必要があるとお考えになれば県にお尋ねになる、そういうことで処理しておったと思いますので、この田海川の問題も県に移管して、県で許可して、その次にまず青海の方で必要があるとお考えになればお調べになる、こういう例をとったのではないか、こういうふうに考えております。はなはだ申しわけございませんが、事前青海の方とは打ち合わせしませんでした。  それから二番目の問題は、いま一ぺん…………。
  31. 神近市子

    神近委員 旧河川埋立地となった場合は、あなたの管理からはずれるのではないかということです。
  32. 北村一男

    北村参考人 それは私はそこまで詳しく調べておりません。それで、私の管理をはずれますれば、大蔵省の面子が保てるように、これから処理してもよかろうと思います。
  33. 神近市子

    神近委員 北村知事といえば優秀な方だということは私ども承知しているのですけれども、惰性によって判こを押すということは、私ちょっとこれはいただけないと思うのです。そういうことは、今の民主主義の上からいって、地元人たちの生活ということが一番優先的に考えられなければならないでしょう。それを判こを押してしまえばこれはもう万事了すで、異議を申し立てても修正を申し立てても、これは許可をとったものの方ではなかなか承知しないですよ。だから、許可お許しになる前に、地元の繁栄と便益、そういうことを考慮されるためには、やはり地元意見が一番大事だと思うんで、惰性だの面子だのということは全部行政面から追放してしまって、ほんとに民主的な地方行政というものが行なわれなければならない。これは一番よい例で、私は、これは本来のありどころは存じません。ですけれども、伺っていて一般的にそう言えるということで、町長さんがこれについてどの程度陳情あるいは再調査のお願い、そういうようなものをなさったか存じませんが、その点でちょっと片手落ちであったのじゃないかというのが、伺っての印象でございます。私の経験あるいは考えでは、大蔵省河川、河床の管理はおできになるのですけれども、これが新しく埋め立てられて土地になった場合は、これは大蔵省の新獲得の所属になるのじゃないかというふうに考えますけれども、大蔵省の方がどなたか見えておれば、その見解をちょっと伺わしていただきます。――大蔵省から見えていないそうですから、これは一つの懸案として、私ども委員会で問題として継続して調査やなんかしようと思います。
  34. 今井耕

    今井委員長 それでは北村加藤参考人の方にお伺いしますが、先ほどから田中委員からいろいろ御質疑がありまして、両参考人の方からいろいろ調査、検討すると御答弁がありました件につきまして、その結果を決算委員長あて報告してもらいたい、こういう御要求がございましたが、この点御報告を願えますか、お伺いいたします。
  35. 北村一男

    北村参考人 それはもう調査の済み次第報告いたします。
  36. 加藤文雄

    加藤参考人 西花沢線につきましては、早速測量をいたしまして、確定次第御報告いたします。
  37. 今井耕

    今井委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。両参考人には現地の事情等つぶさに御説明いただきまして、まことにありがとうございました。      ――――◇―――――
  38. 今井耕

    今井委員長 次に、農林省日高種畜牧場に関する問題について、質疑の申し出がありますので、これを許します。山田長司君。
  39. 山田長司

    山田(長)委員 最近の日本の農業の上にかなり機械が取り入れられておりますような関係から、農業に欠くことのできない馬がややもすると軽視されておるような印象を持つわけです。そこでかなり国の予算を費やされて種畜牧場あるいは軽種馬等の育成、こういうことに経費が費やされておるわけですが、農林省といたしまして、馬の問題についてどんなふうなお考えをお持ちになっておられるものか、概要を最初に御説明願いたいと思います。
  40. 田口長治郎

    ○田口説明員 ただいま山田委員からのお話でございますが、馬に関しましては、農地の状況からいたしまして、牛でなければいけない、あるいは馬でなければいけないというような地質の関係もございまして、農林省といたしましては、やはり馬産問題につきましては相当力を入れていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
  41. 山田長司

    山田(長)委員 ただいまの政務次官の答弁で、馬についてかなり力を入れなければならぬということはわかったわけですが、そうしますと、やはりいろいろ馬についての研究をなされるところ、あるいは馬を指導する人たち、こういう人たちの需要というものは当然おってくると思うのです。たまたま決算で、北海道にこの間調査に行ったわけでありますが、浦河所在の日高種畜場、これが払い下げがされるのではないか、こういうことを耳にしましたので、現地に実は行って見たわけです。総坪数二千九百九十町歩、ずいぶん大きな面積の場所に軽種馬もおるし、農耕馬が主のようですが、こういうものが飼われておるわけですが、何かこの牧場の払い下げをするんだというようなことが言われており、さらに働いておる人たちから伺ってみますと、そういうことが出ておる、こういう話を耳にしたわけです。馬の必要性を農林省で考えられておりまして、こういう場所が当然あってしかるべきものであるとわれわれは考えるわけですが、この点について、どの辺まで話はいっておるのですか、全然私たちとしては知らないものですから、この話を具体的にきょうはお知らせ願いたいと思います。
  42. 田口長治郎

    ○田口説明員 ただいまのお話でございますが、日高種畜場は、今申されましたような相当広い面積でございまして、今一部だけは中央競馬会に貸与をいたしまして使用料をとっておりますが、それはほんとうの一部でございまして、その他の分は国営でやっておるのでございます。この日高種畜場に関しましては、地方競馬会あるいは軽種馬協会あたりで払い下げてもらいたい、こういうような希望はあるようでございますけれども、農林省といたしましては、ただいま申しましたように、この馬産問題につきましては相当重要視をいたしております関係上、これらの処分ということになりますと、これは政策に関する重大問題でございますから、私どもといたしましては、少なくとも学識経験者等の意見も聞きまして、払い下げた方がいいか悪いかということについて慎重な検討をしなければならぬ、こういう程度でございまして、今のお話ではどうも払い下げの希望があるということだけが進んでおって、まだ農林省といたしましてはただいま申し上げましたような状態でございますから、御了承願いたいと思います。
  43. 山田長司

    山田(長)委員 田口政務次官に大へん失礼なことですが、新任早々であなたはよく聞いていないのじゃないかと思うので、畜産局長に前後の事情をもう少し詳しくこの際御発表願いたいと思います。
  44. 安田善一郎

    ○安田説明員 お答えを申し上げます。山田先生の御質問の日高種畜牧場は、これは御指摘の通りでございますが、総面積二千五百町歩、耕地五百町歩、放牧地九百町歩、馬は軽種が二十七頭、その他農用馬七十九頭、計百六頭、予算は約五千万円、職員数百十名、こういう概要のものでございます。私が畜産局長を仰せつかりました前から、私が引き継いで聞いておりますのは、四年前から地元の種馬生産者、特に民間の方でございますが、そういう方面から、あるいはその団体の軽種馬の協会の方々から、第一には国立牧場で今のような生産、育成をしないで、種畜を係養して寄せ種付を民間の牧場の方に伺いましてするのでなしに、種畜を係養いたしましても、一般的に民間の種畜牧場に種付をしてくれぬかというお話一つあったそうであります。それから民間の種畜牧場の方方の生産した馬を、あの国立牧場を、どんな形かいろいろ研究問題はあろうが、育成に使わしてくれというのがあったそうでございますが、この半年前から同種の正式の御要望が日高地方の民間牧場からあり、また軽種馬協会、特にその日高支部からございました。あわせまして日本競馬会の資金でもって、日本競馬会が軽種馬協会からまた委託を受けるか、独自に現在も一部馬の育成をいたしておりますが、さらに生産も育成も調教もするように、日高牧場を貸してくれるなり、払い下げるなり、あるいはその他の方法なり――その他の方法というのは政府出資ということもあるかと想像いたしておりますが、そういう要望がきております。農林省といたしましては、さきに御質問になりました日本の農業その他の関係におきまする馬の現在の地位及び今後の方針につきまして、馬産政策と申しますか、馬政と言いますか、そういうものを局内におきまして事務的に検討いたしておりますが、これはさらに政務次官のおっしゃいましたように、官民の適当なる調査会ないしは協議会等を開きまして、研究する必要があることではないかと思っております。その研究事項の中の一つといたしまして、ただいま御指摘の現地のうわさ及び希望でございますが、そういうことも広く御審議、御協議をしていただきたい。それを参考にしまして、最も適当な今後の処置をとるといいんじゃないか、こう思っておりますので、農林省の現段階としましては、畜産局内の一部で研究をしておる、こういう段階であります。
  45. 山田長司

    山田(長)委員 どうも抽象的な話ばかりで、もっと私ども伺いたいことの琴線に触れていないのですが、大体学識経験者を集めたり、あるいはその方の専門家を集めたりして研究をして、その研究の結果、協議会で参考意見をまとめた上でこれが処置を考えておられるというが、大体学識経験者というのは、最初からあなた方にさからうような人を集めようとしているのではなくて、大体考え方を同じゅうする人たちだけを集めて協議するなら、してもしなくても大したことはない。大体地元人たちの話によると、今度の大臣の選挙区だ、大臣がやっておるうちに大急ぎでこれは払い下げるのだそうだ、こういうことが地元で言われておるのです。もしそういうことで種畜場の公用廃止するとするならば、これは財産上から言うても、行政財産から普通財産になって、大蔵省に移管されるべき筋合いのものだと思うのです。まだ私は調べておりませんけれども、やはり世田谷にある馬事公苑などというものも、いつの間にどうして現場出資されてしまったのかわからぬけれども、国有財産というものがまことに簡単なうちに中央馬事会に入ってしまった。また今度も、今局長の話にもありましたが、現物出資のような形で、二千五百町歩のあれだけりっぱな種畜場というものが入れられてしまうのじゃないか、こういうことが地元で言われておるし、働いておる人たちの中からも言われておるわけです。そうすると、国有財産というものがまことに簡単なうちに処理されてしまう。口の悪い人の話を聞いておると、これは中央競馬会に払い下げを行なって、そのあと地元の連中と中央のこれに関係のある役員で適当に払い下げをしてしまうのじゃないか、こういうことを言われておるのです。そういう点で、行政財産から普通財産に入れて――そんな不明朗な形でなくて、さっき政務次官のお話を伺いますと、馬事問題を重要視しているという話でありますから、私は払い下げなんということは考えてないのでありますけれども、かりに払い下げるものであるとするならば、もっと明朗なやり方があるのじゃないかという点も考えられるわけです。それから馬事問題を重要視しておるということならば、何もそんな不明朗な形が地元で起こらないように農林省としてもできないものかと思うのですが、その点いかがですか。
  46. 安田善一郎

    ○安田説明員 もしお話のようでございましたならば、不穏当とか適切でないということがございますが、数方面からの御要望があることをごく事務的に、その点はどういうふうに考えるべきものかということが一つと、農林省としましては、ただいま全国に約七十万頭ばかりでありますが、年々四、五万頭ずつ馬が減って参ります。トラクターとか他の家畜との関係からするとか、いろいろ理由はありましょうが、長期的に見ましても、五十万頭くらいには過去の趨勢をたどれば減るかもしれぬ。また、そのことについても、北海道より東北、南九州を中心としたようなところで、その中でも軽種馬と農業馬と両方ある、こういう四囲の客観的情勢が馬を取り巻いておりますので、馬政と申しますか、馬産政策というようなものを、畜産の長期計画考えるような意味の一つとしまして再検討の時期であろうかと思いますが、日高牧場について払い下げるような場合は、普通財産に移してすべきではないか、私は、もしそういう場合はその通りだと思います。また、何かの措置をきめる場合には不明朗であってはいけない、その通りだと思います。事態はその前々段階であります。その付近また北海道の軽種馬協会、種馬牧場、そういうお方からも要望がありますし、中央競馬会とすれば、軽種馬の方についての生産もやりたい。育成は今でも法律で育成の仕事をすることになっておりまして、現にやっておりますが、宇都宮で育成場を自己経営いたしましたり、現に日高牧場でも三十頭の馬の育成事業をやっておりまして、そのために重要な仕事をしておることもございますが、さらにオリンピックが日本に参ります場合等につきましては、それらの関係事項も出てくるやに思われる。それらの新しい事項を検討し、広く官民の方で研究をしてもらうのが適当じゃないか、そのうちの一部のこととして、目高牧場の民間利用というようなことが、規模においても形においても、いろいろなふうに取り扱われるべきものであるかということを、若干事務的に研究中でありますが、まだコンクリートなものを全然持っておりませんので、御質問にお答えする段階ではないように思います。
  47. 山田長司

    山田(長)委員 学識経験者とそれから研究者によって協議をした結果、これをどうするかという結論を出すということですが、どうもしろうとのわれわれが考えてみて、その研究し協議する内容というものが、これを払い下げる方向へ持っていくための一つの世間をごまかす方便のような感じがするわけです。それから一部今貸し与えられているという話ですが、行ってみた結果によってそういうようなことを耳にしなかったのですが、どこがどのくらい貸したのですか。
  48. 安田善一郎

    ○安田説明員 あとの方の御質問から先にお答え申し上げますが、三十頭の育成、これは抽せん馬というのを御承知だと思いますが、民間の生産された競馬用の若い馬でございますが、これを競馬会がアラブでたしか二百五十頭、サラブレットで六十頭、三百十頭くらい年々い買上げまして、それを育成する事業に関与いたしております。そのうち宇都宮におきまする直営の育成場がございましたりする関係もございまして、またこの抽せん馬を買われた馬主が自分でやられたり、種馬牧場を経営しておる民間の経営に育成を頼んだりすることもございまして、競馬会では約三十頭、本年度においては育成をする事業を課しておりまして、そのための畜舎を一棟貸しておりまして、そのためにまた育成用の土地は六町貸している。その他放牧するため専用にしないで使用せしめている、こんなような状況であります。   最初の日高牧場を民間に払い下げすることの協議会とかいうものの構成は、払い下げを賛成する人を主としたような学識経験者を選んで委員にする協議会とか、そういうものを考えておるのでございませんので、終戦前では軍馬中心にそれをやった。それが在郷軍馬のような性格をかなり農村では強くしておった。終戦直後、占領軍がおったときは、馬の関係は、国営の種馬場等についてもかなり圧迫したような感が私はしておるのでございますが、独立の産業中心に、また競馬用といえどもその生産販売は重要な産業であり、民業でございますので、軽種馬と農耕用馬とを中心にいたしまして全般的な馬産馬政はいかにあるべきか、そういうことの協議をするのが適当と思っておるのであります。日遠からざる将来に、こういうことをやった方がいいと思って事務的に考えておるのであります。  また、牛馬、養豚、鶏を通じて、牛は乳牛、和牛、酪農振興等を中心に力を尽くしておりますが、肉畜としての家畜の振興も必要でございますし、馬もその意味で、畜力需要とか競馬用とか、そういうような用途以外のいろいろの用途も持っておりますので、それらの点に関する行政機構なり施策なりは、畜産に関する試験場をもっとしっかりするとか、国立牧場を拡充整備するとか、あるいは一部のものを、縮小ぎみでございましょうけれども、計画的にこれを考える、政策立ててこれを考える、そういうようなことも必要であろうと思う。県の種畜場の役目も重要でございましょうし、普及事業や指導事業も同様であろうと思いますので、そういうような考え方の中に国立種畜牧場、全国に十五ございますがなおこれを計画的に整備拡充をいたしまして、畜産の振興に資するように任務づけたり、配置づけたり、規模を考えましたり、畜産業全体との関係考えましたり、そういうようにする要がありますので、いわば申し忘れたような感じになりますが、別途牛馬、養豚、鶏等を通じての国立牧場の整備強化、そういう研究態勢にしたい、そういうことは数年前からぽつぽつやっておりますが、明快さを欠いておりますので、その意味でも学識経験者の御意見を聞きたい。そういうふうに考えておるのであります。
  49. 山田長司

    山田(長)委員 今度の払い下げの話が出てきたのは、ことしの七月ごろの陳情に始まっているという話なんですが、働いている者としては、これを払い下げるか払い下げないかということが明確にきまらないと、落ちついて仕事にならぬと思うのです。その点で、この陳情書についての答えはどういう答えを出したものか。  それから今の学識経験者のお話もまださっぱり海のものとも山のものともつかぬような話ですが、これはいつごろどういう形で作り出して、どういう結論を出させようとしているのか、その点。
  50. 安田善一郎

    ○安田説明員 第一の、軽種馬協会あるいは日高地方を中心にしました民間種馬牧場の御要望に対しましては、まだお答えをいたしておりません。また、中央競馬会からの要望に対しましては、こういう問題はしかるべき公的機関でないと、かりにいろいろな正規ルートを通じて、あるいは大蔵省普通財産として返してそれからの処分に付するとか、その参考に農林省が意見を出して、中央競馬会が自分の具体的な案を出すならば、その具体案を持っていらっしゃい、またこの問題は国会で予算上の審議をお願いしたり、また、私は、大体農林省設置法の関係法令とかその他の競馬会法とか、そういう法律の改正を待つ要があるのではないか、それは国会の審議を経る要があるのではないか。そういうことがはっきりしますならば、当然国会のその面での御審議を願う。また運用の面でいける場合がありましても、これはちょうど本日御審議をお願いしておりますような意味の角度からでの国会の御審議もあり、そういう点の御意向が固まらなければできないもので、まだその固まる段階にない、こういうふうに申しておるのが、答えといえば答えであります。  第二の点につきましては、馬事関係の全国団体としましては、軽種馬のみならず、怪種馬を含めて馬全体の団体がございます。公益法人で馬事協会と申します。そこの総会のような形のものと農林省との懇談会でございますが、約半年前でございますが、馬産政策と農耕馬、軽種馬を含めて考えてくれぬか、私もそういう必要がありましょう、戦後言わば明確な方針を必ずしも持たないできました馬産については、ちょうどいい時期であろうと思いますので、そういう努力はいたします、こういうお答えを申し上げておきましたが、それこれいたしまして、御指摘の、かりに協議会と申し上げておりますが、今後の馬産政策をいかにすべきか、それに関係する重要諸事項はいかに考えるべきかということについての協議会を設ける。これは運用でございます。運用の措置、技術上の措置と申しますか、法律によらざる協議会でけっこうだと思いますが、その構成、発足の時期は、今日は未定でございますが、私は早ければ早いほどいいと思っておりますので、一、二週間くらいの間にこれが発足をして下さいますならば、非常に幸いではないか、こう思っておる次第でございます。
  51. 田中彰治

    田中(彰)委員 ちょっと関連して畜産局長お尋ねしますが、この牧場を軽種馬協会とか中央競馬会に一応公共的なものだから払い下げをするからやれというような意向があるようですが、われわれの聞いたり、あるいはまた想像したりするところでは、これをそういうところに払い下げになっても、彼らがこれを国家が経営している以上に決して経営なんかできない。だから払い下げておいて、半年かそこらやってみて、そしてどうもこれはうまくいかぬから、これをボスどもの幹部連が分けて、おれはここを借りる、お前はそこをやれ、お前ここをやれというふうにして、ほとんど分け借り、それが最上で、最低なら、仕方がないからということで分け取りしてしまって、ちょうど牧場なんかも今買おうと思ってもなかなかまとまったものはないから、そういうような意図で運動しているんだ、こういう工合に、私はただうわさだけでなしに、相当のところから聞いている。それからまた、局長は割合はっきりしておられるようだけれども、日本の競馬界は、小笠原八十美さんがおられた時分からそうなんだが、私はほとんで博労の取引だと思う。たとえば馬をどこから買う。日本の馬ではいけないから、外国から自分の金を出して買ってきて馬の改良をしようという場合、農林省は許可する。通産省も為替で許可する。これは表面のことであって、やはりこういう場合も、軽種馬協会とか中央競馬会の意見を聞いて、その意見に従ってやっている。だから農林省というものは、中央競馬会とか、あるいは軽種馬協会に使われているのだ。その意向を聞いてやっているのだ。馬を今貿易の自由化で外国から買おうと思えば、通産省は為替を許可する。しかし、私が十頭買いたいといった場合、あなたの方で許可できない。その場合は、競馬協会に伺ってどうだ、今馬を入れられたのでは、馬の値段がちょっと下がるので困るとか、あすこだけ入れられたら困るというと、さようでございますかといってその意向を含んで、それに対して許可とか却下ということをやっている。だから、こんなものを払い下げされるよりも、むしろ――この間なんかも藤井というこういうものの輸出入商が、東南アジアから馬を十万頭注文を受けたが、そのうちの千頭しかやれなかった。馬がなかった。東南アジアには農耕馬はこれから非常にいくし、向こうでも日本の馬を買いたいが、ちょっと値段が高いとかいろいろなことでうまくいかないから、むしろああいうものは払い下げをなさらぬで、農耕馬とか――乳牛は片一方でやっておるから、食肉の牛とか綿羊などをもっとふやして、そうしてむしろこういうようなものにして、かえって大きくされて、どうしても国家で一つくらいは、やはり経済から離れたほんとうの研究機関、ほんとうにいいものを作っていただきたい。私は、この軽種馬協会とか中央競馬会なんかへ政府は援助され  る必要は何らないと思う。私は競馬馬を持っておりますが、こんなものは馬の改良にもならぬし、半分ぜいたくなものです。金のない人にはできない。労働者にやれといったってできない。そういうぜいたくなことをやっているんだから、もうこれは自分の金でやらせればいい。農林省がこれと組んで、財産を払い下げてまで便宜を与える必要は少しもない。こんなものは百姓をやりたいという農民に分けてやればいい。団体なんかにやっても、やってみると、うまくいかない、そこでお前幾ら取れ、お前幾らというふうにみんなボスが取ってしまう今競馬会のボス連中は、牧場の買い物がない。民間から買えば高いので、一つああいう建物のついたいいものを何とかうまく取ってやろうということで、そこでねらうのが国有財産です。こういうように私は考えておる。もう少しやはり局長、あなたの方から――たとい軽種馬協会は河野さんが監督しておろうが、池田さんが監督しておろうが、あなたの方が役所なんですから、あなたの方でこういうものを御監督になって、軽種馬協会だろうが、中央競馬会だろうが、こうだからこうしろ、ああだからああしろと御監督にならなければならないのに、あなたの方から向こうに行って、これを許可しようと思うが、どうだろうと向こうの様子を聞いて許可しておるのは、あべこべだと思う。今農家では二男、三男は耕地がなくて、一町歩、半町歩を争っておる。だから、むしろ払い下げになるとすれば、そういうものを一人当たり七町歩なら七町歩、五町歩なら五町歩、農民に分けてやるということならわれわれは大賛成だが、あんな競馬会のボス連中は困っていないのだから、むしろあんな者からは税金をよけい取ってやる。私も今競馬馬を持っておりますから、税金をうんと取られてもいい。もっと税金を取ってやればいい。あんな者に頭を下げる必要はない。この点から見て、私はあんな払い下げは絶対に反対だ。そこであるいはまたこういうことをお考えになってみたらどうか。全国の二男、三男あるいは農業をやる青年が、研究するところがないから、私らの北海道の牧場に預けたり、あるいは牧場で一つところに置けないから、農家の一軒々々に預けたけたり、あるいは新制の高等農業学校に預けたりしておるが、あれを道場にされて、幸いに建物があるから、あそこで綿羊を飼う、乳牛を飼う、役牛を飼う、馬もけっこうです。そういう道場にされて、国家で五千万、七千万かかってもいいから、金を出して、そういうものにすればいいと思う。ここに社会党の人もおられるが、あそこに働いてああいう生きものを管理しておる人に、東京あたりから行って、やれ八時間勤務だの、給料を上げないとうまく管理はできないのというようなことを言って、労働組合の攻勢――どんな外国に行ったって、生きものにはそういうことはない。これは日本だけにあるのだから、そういうものについては、あなた方の方でいろいろ経営される上において、そういう問題を出して協議されるのはけっこうだ。あれを競馬会のボスなんかに払い下げするのは、局長さん、みっともない。おやめになった方がいい。私にくれるといっても、私は要らない。私はいい馬を持っておるから、うんと税金をとってもらっていい。そういうことに対して私は賛成しているのです。だから、あれをお払い下げになるのじゃなくて、もしおやりになるなら、青年男女の道場にして――ちょうどいいでしょう。夏なんか行って、あそこを道場になさる。さもなければ、農耕馬をふやして、そういうものの研究をなさるとか、あるいはまたこれは経営上いけないからおやめになるとか、あそこに勤める人がやりたくなければ、百姓に三町、五町と分けてやる。二千何百町もあるのだから、そういうことをやられたらいい。そういうことなら何だけれども、それ以外はいけないと思う。それからあなたの方でおやりになるとしても、農林省の設置法の三十三条という法律を改正されて、これを普通財産にして、それを今度まただれに払い下げする、これに払い下げするということになる。そんな中央競馬会なんかにやるなら、われわれだって払い下げにかかるというようなものが出てくるから、そんなめんどうなことをなさるより、局長さん、あれを拡充されて、もう少し何か青年男女の訓練所とか、北海道は牛の肉がまずいとかいうことになるから、そういうものをうまくするような種畜場を作るとかなんとか、拡充されてやられるなら何だけれども、あんなボスが、自分は牧場がないから、それを利用してうまく分け取りしようなんという、そんな作戦に、局長なら頭がいい方だから、そういうものを御存じだからお引っかかりにならないようにやっていただきたい。政務次官も、もと決算委員なんかでだいぶやられた方だから、そこはちゃんとわかっている。ボスなんかに払い下げはしない。それなら青年に分けてやったらいい。競馬をやるようなものは金があるから、もっと税金を納めて、それでやるというふうにやられた方がいい。私は、そういう払い下げをやられるようだったら、政治生命をかけて戦うから、どうぞそういうつもりでいてもらいたい。
  52. 安田善一郎

    ○安田説明員 田中先生の御発言も、いろいろ考えが出る一つだと思います。そういうことも、われわれは協議会でも設けましたときの研究にはよく披露いたしまして、十分に尊重されまして、有力なる御発言だという討議がなされるように持っていきたいと思います。また、中央競馬会と軽種馬協会からきたものを農林省が取るという意味ではございませんで、農林省は各種牛馬羊豚に関しましては、国としてはどういうように力を入れるか、その形はまたどうかという、国立牧場整備を馬産政策のうちの一つとして考えたいということを申し上げておるのでありまして、その団体に向かいまして、農林省からどうぞお使い下さい、特に公正な価格などを破って援助的に利益を相手に得させるために払い下げるというようなことは毛頭ございませんので、たまたまもって陳情がございますし、要望がございますから、研究をいたしておるのでございまして、その点は誤解なさらぬようにお願いするとともに、私の方としましても、そういうことは絶対いたしません。なおその要望の一つに、野溝勝氏から、その付近の開拓農家に、あの牧場は自分は全部占拠する必要はないと思うから、開拓農民のために一部を払い下げ、開放したらどうかという意見もかねて出てきておるようでございます。これも当然その中に入れて考えて研究をいたしておるのでございます。いずれも要望がある場合は、公正を旨といたしまして、すべて研究する、こちらから何もサービスはいたしませんという態度でおります。  また、馬の輸出のことで、これは御意見をお述べになるときの御参考になると思っておっしゃったことと思いますが、馬の東南アジアヘの輸出は、ビルマから賠償物資として一千頭の注文がきたが、その単価がばかに安くて、一割くらいしか輸出ができなかったという問題であります。また、輸入につきましての御発言でございますが、輸入の許可を農林省が関与していたします場合は、何も軽種馬協会に一々相談しておるのではありません。田中先生御自身もよく御承知の通りだと思います。向こうからこういうような方針で輸入許可に関して農林省は措置してくれたらどうかというような御要望がきたときには、われわれこれを研究する、それがほんとうだと思います。さようにいたしておるわけでありますので、私どものやっておりますことと、考えておりますことを、そのままに御了承願いたいのであります。
  53. 山田長司

    山田(長)委員 先ほどの局長の話を聞いておると、一、二週間後に協議会をお作りになるというようなことですが、私はこれは希望ですが、政務次官もその点大臣にやはり申し伝えてもらいたいと思います。  世田谷の馬事公苑がああいうように払い下げられてしまったように北海道のこれだけの国有財産がもし何か研究団体協議会によって中央競馬会にだって払い下げられてしまったとするならば、取り返しのつかないことになってしまうような気がするんです。そういう点を、この協議会にぜひ意見として出してもらいたい。それからまた大臣等にも意を含めておいてもらいたいのは、やはり跡形をなくしてしまうようなことじゃなくして、馬産問題というものが重要であるとするならば、もっと意義のある方法を考えられるんじゃないかと思う。どうかそういう点、一つの団体に払い下げてしまって跡形もなくしてしまうようなことにならないように、もっと意義のあるような方法を考えてもらいたいという希望を申し上げて、私の質問を終わります
  54. 今井耕

    今井委員長 小川豊明君。
  55. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 時間が経過していますから、簡単に二、三点ばかりお尋ねいたします。  一点は、私は日本の馬の占める位置というか、農耕用あるいは運搬用の馬の占める位置というものを考えないではないわけですが、そういう点から日本の馬政のこれからのあり方を検討するために、学識経験者等を集めて協議会をこの機会に持つというのであって、これはこの払い下げをするのがいいか悪いかをきめるための協議会ではないというような御答弁であったが、そう解釈してよろしゅうございますか。
  56. 安田善一郎

    ○安田説明員 協議会に予定しておりますことは、広範にわたりますけれども、馬に関しますることということと、馬産に関して馬の種類別、用途別というように系統立てて考えておりますことと、そのうちの国立牧場と種畜場と改良普及事業、それを産業とどういう関係を持たせるか、その重要性、そういうこと等を中心に含めましたものとしてお願いをしたいかと思っております。しかし、それらを政府参考案として出しまして、こういうことももっと協議対象にすべきじゃないかという御意見を承りつつやるべきものと思っております。
  57. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 もっと直截にできないですか。この日高の牧場の種畜場払い下げの陳情等があったから、それをどうするかを決定するために、農林省だけの意見ではなく、学識経験者にも集まってもらって協議会を作るのか、この協議会というものはそうでなくして、日本の馬政の今後のあり方というようなものを検討するために作るのか、その点はどっちなんですか。
  58. 安田善一郎

    ○安田説明員 小川先生の御質問に直接答えてないことは私はわかりますが、目下その協議会も私の頭にあるので、大臣まで御決裁を願いましての措置になっておるわけではございません。その意味でいささかぼやけておるのでありますが、日高牧場を国が直接経営しないで、他に貸付をするか、払い下げするか、中央競馬会のような場合には政府の現物出資に充てるか、そういうようなことがいいか悪いかとか、使用する土地やその他の現有施設等が、一部であるものか、そうでないものかというような、そのことだけを御協議願うようなものではございません。全体の馬産政策の過去の趨勢から現状をとらえて、今後どう考えるべきかということを御協議願うこととして、たとえば先ほど申し上げましたように、馬事協会等から御意見があることは取り上げていいことじゃないか、そういうふうに考えておるのであります。ただ、またその中で、日高その他の場所にわたりますが、十勝牧場にもわたりますし、奥羽種畜牧場にもわたりますが、全国五カ所にあります養鶏――養鶏は一応別でございますが、大家畜を取り扱っております国立牧場につきまして、牧場の整備強化を想定いたしております点でございますが、中央に今畜産試験場がございません。中央畜産試験場を独立が可能になるように、私どもそれに関連しても考えて、農林省はかなり具体的にもう結論を持ちつつあるのでありますが、そういうこと等も含めまして、国の経営いたします国立牧場、その国立牧場の一部は畜産試験場の試験地にする方がいい分もあります。そういうようなことは、その協議会で当然協議事項として取り扱っていただきたい気持でおるわけであります。そういう意味で御了解願いたい。
  59. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 あなたももう御承知のように、日本の農業というものは非常に深刻に考えなければならぬ。そういう中で、日本の農業に占める畜産方面の地位は、非常に大きなウェートを占めてくることは、僕が言うまでもなくあなたもよく御承知だろうと思う。従って、そういう中で、この日高の種畜場をどういう形で改組するなら改組していった方が、日本の畜産のために、さらにそれが日本の農業のためになるかということで考えるならば、これは私ども了解できる。これを払い下げするということが前提でそういう協議会を作ったって、これはさっきから山田氏が口をすっぱくして言っているように、場面を糊塗し、合理化するための形になってしまう。そういうことは僕らは賛成しませんが……。そこでもう一点、この問題を言う前に、私はお世辞でなく言いますが、あなたは、日本のそうそうたる官僚の中でも、農林省に安田善一郎ありということは、これは自他ともに認めることだろうと思う。われわれも認めています。しかしながら、その安田さんであるがゆえに、われわれはこの払い下げについても、かなり疑義を持たざるを得ない。今お聞きしただけ、ちょっとここに入れてみても、どうも役者と舞台がそろい過ぎている。こういうことを失礼だが考えざるを得ない。一点は、オリンピックが遠からず日本で開催される。そうすると、これに対する競馬馬の需要というようなものは、かなり要望されてくるだろうと思う。それから大臣の選挙区であるということ。それから場長がごく最近更迭されたということを聞いておる。それでこれは場長の立場ですから、払い下げていいとか悪いとかいうことは何とも言えないだろうが、場長としては少なくとも払い下げてもらいたくない、そういうことはやってもらいたくないということを考えておったということは想像がつきます。その場長がごく最近更迭したということです。さらに今の答弁の中でどうも不可解なのは、これをやめるならば――払い下げをするとすればやめることである。やめるならば、農林省設置法によって、これは法律を改正して廃止をしなければならぬ。そういう手続を踏んでは、大蔵省普通財産になってしまうから、あなたの方ではどうにもならない。そこでそういうことをしないで行こうとするとき、現物出資ということもその一つの方法だと考えているとあなたは言われた。そういうふうにオリンピックも近い、大臣の選挙区である、さらに場長は更迭した、そうして現物出資で大蔵省の方に関係なく行けるというような答弁は、要約してみると、こういう点が重点になってくる。しかも、これの出願、払い下げの陳情をしたのは軽種馬協会の河野一郎さんである。河野一郎さんと安田局長との関係というものは、天下周知の事実だ。こういうふうに役者がすっかりそろっているから、無能の局長ではなくて、官僚の中でも最もそうそうたる官僚であるがゆえに、あなたとしてはこのくらいなことはへえっちゃらにやってのけるのじゃないかというようなことから、みんなが心配しておることだと思います。そういう点から、もっとこの問題についてお考えを願いたい。  あとは私の意見になりますけども、今曲がりかどにきたとかなんとかいわれているこの日本の農業、ことに自由化から受ける日本の農業の影響というものを考えて、そうして農民のその困難を打開するために、私はどうしても畜産にかなりの力を注いでいかなかったならば、日本の農家の行く道はないと思います。幸いにそういう時期にあなたが畜産局長をしておられるのだから、私はこれを単に競馬協会といいますか、競馬会ですか、そういうところに払い下げるということだけを中心にして考えずに、日本のこれからの畜産の発展振興のためにも、あそこの日高種畜場の果たさせなければならない役割というものを、もっと真剣にあなたの方でも一つ考え願って、どうしてもやむを得ない場合にはわれわれ反対するわけではないが、そういうことをしなければならない重要な段階にきているときに、ここには、今見ると二千五百町歩という大きな地域を占めているわけですから、この地域を活用して、そうした日本のこれからの畜産行政に寄与できるような考えというものを、一つ真剣にお考え願いたい。そういうことを私はつけ加えて、あとは時間がございませんから、またあとに譲ります。
  60. 安田善一郎

    ○安田説明員 お答え申し上げます。小川先生のただいまの御質問及び意見につきましては、十分に私も、農林省が日高牧場その他の牧場及び畜産振興一般について考えまして、国会で御審議をいただく等のことにつきまして、留意をいたしたいと思います。たまたま今日は軽種馬の角度から御質問が御三人の先生からありましたので、私のお答えも軽種馬の方面に大体重点を置いてなるべくそれに限るように申し上げたのでありますが、日高牧場だけをとらえましても、あそこでは四十町歩の牧草栽培、原々種、原種等のりっぱな事業もいたしております。馬の頭数も農用馬が多いのであります。また日高牧場が馬に一番適していること、明治四十年の種馬所開設以来気候、風土、その他の条件で非常にいいのでありますが、畜産全般から考えることは、先ほどもその一端をお答え申し上げました通りでございますから、御了承願いたいと思います。私は、必ずしも有能ではございませんが、公正を期すべき役人である気持は絶対に失う気はございませんから、個人に類します御意見は、いささかどうかと思いますので、私の方はそのように御了承願えたらありがたいと思います。
  61. 今井耕

    今井委員長 神近市子君。
  62. 神近市子

    神近委員 私はこの間、別に委員会調査で行ったわけではなく、月寒牧場を見たのですけれども、実は農林省にいろいろお尋ねしようと思っていたところですので、きょうはちょうど御出席になっているので、お伺いいたします。  あそこでホルスタインとジェルシーを飼っております。二十九年かにオーストラリアからジェルシーをお入れになったということについて、どういう事情があったのか。あれは上からの命令で入れたのか。地元は種牛を使うときには、ほとんどがホルスタインで、ホルスタインの牛乳の出し工合が非常に多いので、ホルスタインばかりが需要があるというふうなことを聞きましたけれども、ジェルシーは、ポンドとドルとの関係とかいうことをちらっと伺いましたけれども、あれはどういうことでお入れになったのか、それを伺いたいと思います。
  63. 安田善一郎

    ○安田説明員 お答え申し上げます。まことに恐縮でございますが、種養場につきましては、私が局長になりましてから、まだ畜産局関係になっておりませんので、取り調べまして、この次の機会に正確にお答えしたいと思います。
  64. 神近市子

    神近委員 それでは、中共、ソ連がホルスタインを非常に希望しておるということ、それから、二年前の中共との貿易がストップしたその直前に、五千頭の引き合いがきていて、それが取り消されたために、農民が非常に困ったというような事情も御存じないのでしょうか。
  65. 安田善一郎

    ○安田説明員 お答え申し上げます。私は知りません。知るべきであったかもしれませんから、勉強いたしまして、これもまた別途にお答えいたすことにいたします。
  66. 神近市子

    神近委員 最近中共との貿易が再開されそうな気配が見えます。そして乳牛の輸出ということになると、北海道の農民は非常に助かるというような話を聞きましたのですが、中共、ソ連にはホルスタインはほとんどない。あれはオランダが地元でありまして、そして西欧との貿易が今のような状態にあるときに、日本にホルスタインが非常に多いということ、そして北海道は出すだけの余力があるということは、北海道各地を回りまして、その話題を聞き合わしたのですが、即座にでも数千頭くらいは集められるというふうな話があったのです。それで、これは次官に伺いたいのですが、もし貿易が再開という場合に、貿易ですから、これは通産省関係もあるだろうと思うのですけれども、そういうことを積極的に推進するというほどの気持がおありであるかどうか。私は、人間に牛乳を飲ませるということに、人種とか国とかの政治的介入があるべきでないと思うのです。ああいう広い国で、たくさんの人がそれによって利益を得ることがあれば、これは非常に喜ばしいことと考えていいと思うのですけれども、その点どういうふうにお考えになりますか、次官にこれは伺っておきたいと思います。
  67. 田口長治郎

    ○田口説明員 神近さんのただいまのお話でございますが、役所の方には、そういう話がまだ一つもきていないのでございます。畜産問題につきましては、ちょうど今十カ年の増産計画その他も作成しつつあるのでございますから、そういう問題も考慮して、一つこの増産計画を立案してみたい、こう考えております。
  68. 神近市子

    神近委員 私はわざとそれをこういう国会の席でお聞かせしたわけですから、ぜひそれは頭に入れて、そして政治的ないろいろの障害は、別にして考えていただく方がいいと思うのです。  もう一つは、あそこに観光バスがどんどん入っております。それが牛に非常に響くそうです。それは観光場所として地元の要望もあったのだろうと思うのですけれども、あそこには手持のジープは一台しかないそうです。しかし、観光バスはどんどんと毎日何十台と入る。そういうことで牛が非常におびえて、乳を出すことが非常に減るということですが、その観光と牧場との関係。それからもう一つは、あそこには自衛隊の土地占有があるわけで、相当の広い面積を今自衛隊が、ほとんど  月に一回か二回しか使わないのに占有している。将来の日本の畜産の立場からいって、自衛隊が演習するということは、あそこでなくてもいいはずなんです。あそこで発砲したり何か、そういう演習が、また羊だの綿羊だの牛に、非常に影響があるということを考えれば、これはぜひ返還してもらった方がいいということを考えますけれども、そのことについてどうお考えになっているか。その観光のために、一番いい牧草のできるところが踏み荒らされて、非常にきたなくなっております。だから、どうしても観光をさせなければならないなら、入り口あたりの障害のないところにバスをとめて、歩いて上がるようにしたらいいくらいのハイキング・コースで、そのようにしたら健康のためにもよかろうと私どもにも見えました。だから、よく地元人たち意見も聞いて、そして観光に利用する利益と、また牧場の研究とか、あるいは動物に対する影響を考えて、善処なさった方がよくはないかというふうに考えたのですけれども、そのことはどなたがその衝に当たられるか知りませんが、その二点の御意見を伺いたいと思います。私はいろいろ問題を持っているのですけれども、時間がなくてもうこの委員会を終わらなくちゃならないということですから、私は牧草なんかの調査もちょっとしてきたのですが、それはあとで伺うということにして、その二点について、どういうようにお考えになるか御意見を伺いたいのです。
  69. 安田善一郎

    ○安田説明員 お答えいたします。第一に御了解願いたいことがあります。それは、北海道月寒の種養場は、もとは畜産局の所管で、これの管理、指導をしておりました。ただいまは農林漁業技術会議が統べるところで、研究、管理その他予算、あるいは一般管理事務に関することは、振興局の系統に属しております北海道の地域農業試験場、これは国立でございますが、この所管に移っております。あわせまして、たまたまここは北海道の県というような意味の道ですが、北海道庁の種養場にもなっておるのであります。そこで私は、御意見のありましたことにつきましては知識が若干乏しくて、またお答えする権限がないのであります。しかし、この問題につきましては、それだからこそ、先ほど他の先生にお答え申し上げましたように、畜産局が管理経営をする畜産試験場を作るべきである、そういうことで省内もその方向で進んでおりますが、まだ実現をいたしておりません。  第二には内容でございますが、あの種畜場のまじめな意味の視察と申しますか、あるいは健全な意味の場の業務を阻害しないようなレクリエーションと申しますか、そういうような部面におきますバスその他のこと、及び自衛隊のこと、こういうことにつきましては、直接所管のものではございませんが、最も重要な関係があって、こちらが要望あるいは相談も受ける、受動的に意見を言う立場にありますから、そういう意味で善処したいと思いますが、善処をいたしまする場合の気持としましては、御意見のありました点につきましては、私は先生と意見を全く同じにいたします。  なお、牧草その他の趣旨のことは、もし委員会でお述べになりませんでしたら、私どもの専門官を先生のところへ差し上げまして、御指導を受けたいと思います。
  70. 今井耕

    今井委員長 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。     午後一時三分散会