運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-06-20 第34回国会 参議院 本会議 第26号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年六月二十日(月曜日)    午前十時八分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第三十四号   昭和三十五年六月二十日    午前十時開議  第一 道路交通法案内閣提出衆議院回付)  第二 運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第三 農地買収者問題調査会設置法案内閣提出衆議院送付)  第四 自治庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第五 建設省設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第六 外務省設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第七 薬事法案内閣提出)  第八 薬剤師法案内閣提出)  第九 公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第一〇 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案内閣提出衆議院送付)  第一一 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法特例に関する法律案内閣提出衆議院送付)  第一二 裁判官の災害補償に関する法律案内閣提出衆議院送付)  第一三 裁判所法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一四 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案内閣提出衆議院送付)  第一五 天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一六 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設災害復旧事業に関する特別措置法案内閣提出衆議院送付)  第一七 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村における漁民の共同利用に供する特定漁業施設設置に関する特別措置法案内閣提出衆議院送付)  第一八 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁業者共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案内閣提出衆議院送付)  第一九 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ─────・─────
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、日程に追加して、  日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約等締結に伴う関係法令整理に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。日米安全保障条約等特別委員長草葉隆圓君。    〔草葉隆圓登壇拍手
  5. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 ただいま議題となりました日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約等締結に伴う関係法令整理に関する法律案につきまして特別委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法律案は、題名の示す通り現行日米安全保障条約及び行政協定にかわる新安全保障条約及び地位協定締結に伴い、国内関係法令整理を行なうものでありまして、内容といたしましては、改正される法律三十一件及びポツダム政令一件に及んでおりますが、大部分関係法令中に引用されております条約及び協定名称変更等にかかる技術的なものであります。現行行政協定規定地位協定において改められたことに伴う国内法実質的改正といたしましては、協定税関検査に関する規定改正に伴う関税法等特例法の一部改正、米国の歳出外資金機関の労務が原則として間接雇用になることに伴う調達庁設置法等の一部改正米軍のためのいわゆる特殊契約者について新たに指定要件が加えられたことに伴う所得税法等特例法の一部改正、並びに民事上の請求権の処理に関する規定が改められたことに伴う調達庁設置法及び民事特別法の一部改正がそのおもなものであります。なお、附則におきましては所要経過措置が定められております。  この法律案は、去る五月二十日、新条約及び協定とともに衆議院より送付され、本特別委員会に付託されまして審議が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。委員会は、六月二十日、本案に対する質疑を終え、討論を省略し、採決を行ないました結果、本案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  7. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。(拍手)      ─────・─────
  8. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第一、道路交通法案内閣提出衆議院回付)を議題といたします。
  9. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案衆議院修正賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  10. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって衆議院修正に同意することに決しました。      ─────・─────
  11. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二、運輸省設置法の一部を改正する法律案、  日程第三、農地買収者問題調査会設置法案、  日程第四、自治庁設置法の一部を改正する法律案、  日程第五、建設省設置法の一部を改正する法律案、  日程第六、外務省設置法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上五案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。内閣委員長中野文門君。    〔中野文門登壇拍手
  13. 中野文門

    中野文門君 ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案外四件につきまして、内閣委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、運輸省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案内容を申し上げますと、この改正の第一点は、本省内部部局である海運局に、特別な職として国内旅客船公団監理官一人を置こうとする点であります。改正の第二点は、本省付属機関として自動車審議会設置しようとする点でありまして、この審議会設置期間昭和三十六年三月三十一日までとなっております。なお、このほか、運輸省所掌事務について所要改正をいたしております。  内閣委員会は、前後六回にわたり委員会を開き、この間、檜橋運輸大臣その他関係政府委員出席を求めまして、慎重に本法律案審議に当たりましたが、その審議において問題となりましたおもな点を申し上げますと、国内旅客船、特に離島航路旅客船現状とその経理及び資金運営状況等海上運輸に関する政府基本施策、東京都の交通緩和に関する今後の対策個人タクシー許可、いわゆる白タク取り締まり等に関連する問題、自動車審議会において予想せられる審議事項とその運営方針、近年激増している鉄道、自動車航空機事故防止対策、海上保安庁の巡視船ヘリコプター増強現状、去る三月十六日に発生した小牧飛行場における事故賠償責任、戦時中の徴用船舶等に対する補償問題等諸点でありますが、その詳細は委員会会議録に譲りたいと存じます。  去る五月十七日の委員会におきまして、質疑を終わり、次いで討論に入りましたところ、自由民主党を代表して増原委員より、本法律案附則を「この法律は、公布の日から施行する。」と改める旨の修正案が提出せられ、修正部分を除く原案賛成の旨の発言がありました。かく討論を終わり、まず増原委員提出修正案につき採決いたしましたところ、全会一致をもって可決せられ、次いでこの修正部分を除く原案につき採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって可決せられました。よって本法律案修正議決すべきものと決定いたしました。  次に、農地買収者問題調査会設置法案について申し上げます。  まずこの法律案提案理由として政府の述べるところを申し上げますと、戦後のわが国の農業生産力の発展に対して、農地改革の寄与しているところはまことに大であるが、反面、これが非常に大きな社会的変革であったために、従来の社会的・経済的基盤が大幅に変更され、その際、農地を買収された者に関しても種々の社会的問題が発生していると思われる。農地改革は正当な法律に基づいて正当に行なわれたものであって、これを是正する意味における補償は考えられないが、現行農地法の問題とは別に、この農地改革の副次的結果ともいうべき被買収者に関する社会的な問題についてその実情を明らかにするとともに、要すれば所要措置を講じたい所存であるとのことであります。  次に、本法律案内容を申し上げますと、政府は、右に申しましたような見地から、総理府にその付属機関として農地買収者問題調査会設置し、農地改革により農地を買収された者に関する社会的問題を調査し、何らかの措置を講ずる要ありやいなやを審議させることといたしております。この調査会は各界の学識経験者二十人以内で組織するこことし、さらに十人以内の専門調査員及び十人以内の幹事を置くことといたしておりまして、この調査会は、この法律公布の日から二年間設置されることとなっております。  内閣委員会は、前後六回にわたり委員会を開き、この間、岸内閣総理大臣益谷国務大臣福田総理府総務長官、その他関係政府委員出席を求めまして、慎重に本法律案審議に当たりましたが、その審議において問題となったおもな点を申し上げますと、本調査会を特に総理府に置いた理由、本調査会設置期間委員選任地主以外に戦争により犠牲となった者に対しても調査会を設けて調査することの要否、旧地主に対する補償の可否、農地法を全面的に改正する意図の有無農地を宅地に転売した場合の特別課税の要否、農地転用防止対策等諸点でありますが、特に岸総理に対し、政府が前国会において一たん撤回したこの法律案を今国会に再び提出するに至った理由いかん、また本調査会設置目的とするところは何かという質問がなされましたのに対しまして、岸総理より、政府は、農地改革は正当な法律によって正当に行なわれたものであって、その効果をさかのぼって左右しようということを毛頭考えてはいない。また、この点については最高裁の判決もあって、国家が再び旧地主に対して補償をするというがごときことは考えておらぬということは、従来政府の一貫した方針であるが、この農地改革という大変動によって多数の人々が急激な変化を受け、日本の農村における旧地主生活や生業に急変を及ぼしていることから生じている種々の不安ということを考えて、その間の実情を十分把握して、何らかの措置を講ずる必要の有無の点は、政治問題として政府の考えるべき問題である。政府としてはこのような見解をもって本法律案を提出したのであって、農地改革実質を変更するというがごときことを全然意図しているものではない旨の答弁がありました。  去る十八日の委員会におきまして質疑を終わり、別に討論もなく、よって直ちに本法律案採決いたしましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  次に、自治庁設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず本法律案内容について申し上げます。第一は、自治庁自治省とし、国家消防本部をこれに統合して自治省の外局として消防庁を置こうとするものであります。自治省権限は、現行自治庁及び国家消防本部のままでありますが、ただ、省の設置に伴い、従来内閣総理大臣権限に属していた事務自治大臣権限に移ることになりますので、これがため所要改正を行なっております。なお、消防庁組織所管事務及び権限は、従前通り消防組織法の定めるところによるものといたしております。第二は、自治省機構の点でありますが、内部部局はすべで現在の自治庁のままとし、付属機関として従来の自治庁付属機関のほかに、これまで総理府付属機関であった奄美群島復興審議会自治省に移管することといたしております。  主要な改正点は以上の二点でありますが、なおこのほか、自治省設置に伴い、職員の引き継ぎその他従前処分等に関する経過措置を定めるとともに、関係法律整理を行なうことといたしております。なお、本法律案は、衆議院において、自治庁の省昇格に伴い関係法律整理につき所要修正が行なわれました。  内閣委員会は前後三回委員会を開き、この間、石原自治庁長官その他関係政府委員出席を求めまして慎重に本法律案審議を行ないましたが、その審議におきまして、省昇格は内務省の復活ではないかという世論もあり、特に自治省と警察とはいかなる関係になるのかという点、中央政府の自治体に対する監督権が拡大される点の有無自治省昇格の機会に地方制度に関する事務をできるだけ自治省に統合する考えはないか、特に、開発関係事務、沖縄に関する事務等自治省に移管することの要否、自治省設置にあたり、現在地方自治に関する総理大臣権限自治大臣に全面的に移管することの要否、国家消防本部自治省に統合する理由等諸点につき、質疑応答が行なわれました。  去る十八日の委員会において質疑を終わり、別に討論もなく、よって直ちに本法律案採決いたしましたところ、全会一致をもって衆議院送付原案通り可決すべきものと決定いたしまた。  次に、建設省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず本法律案内容を申し上げますと、そのおもなものは、建設省付属機関として公共用地取得制度調査会設置しようとする点でありまして、政府説明によりますと、最近における公共事業事業量の増大に伴い、これらの事業の用に供する土地取得が困難の度を加え、公共事業等の円滑な施行に支障を及ぼしている現状にかんがみ、公共用地取得制度に関する重要事項調査審議させるため、昭和三十六年三月三十一日まで建設省付属機関として公共用地取得制度調査会設置するとともに、公共用地取得制度に関する調査建設省所掌事務としようとするものでありまして、このほか建設省付属機関である地理調査所名称国土地理院に改め、その他建設省所掌事務について所要改正を行なわんとするものであります。なお、本法律案衆議院において施行期日について所要修正が行なわれました。  内閣委員会は前後五回にわたり委員会を開き、この間、村上建設大臣その他関係政府委員出席を求めまして本法律案を慎重に審議いたしましたが、その審議におきまして、公共用地取得制度調査会設置する目的現行土地収用法の欠陥と目される点、現在の土地収用法運営実情調査会運営委員選任公共用地収用の際住民の移転先あっせん等生活保障方法を講ずること、砂防行政機構強化等諸点につき質疑応答が行なわれました。  去る十八日委員会におきまして質疑を終わり、別に討論もなく、よって直ちに本法律案採決いたしましたところ、全会一致をもって衆議院送付原案通り可決すべきものと決定いたしました。  最後に、外務省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  まず本法律案内容を申し上げますと、外務省に新たに外務審議官一人を置き、外務省所掌事務の一部を総括整理せしめようとするものであります。  内閣委員会は前後三回にわたり委員会を開き、この間、藤山外務大臣その他関係政府委員出席を求めまして本法律案を慎重に審議いたしましたが、その審議におきまして、今回外務審議官を特に設置せんとする理由外務審議官職務内容及び事務次官と外務審議官との職務上の関係等につき質疑応答が行なわれました。  去る十八日の委員会において質疑を終わり、別に討論もなく、よって直ちに本法律案採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  14. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより五案の採決をいたします。  まず、運輸省設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長報告修正議決報告でございます。委員長報告通り修正議決することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  15. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって委員会修正通り議決せられました。      ─────・─────
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、農地買収者問題調査会設置法案自治庁設置法の一部を改正する法律案建設省設置法の一部を改正する法律案外務省設置法の一部を改正する法律案、以上四案全部を問題に供します。四案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  17. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって四案は全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  18. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第七、薬事法案、  日程第八、薬剤師法案(いずれも内閣提出)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。社会労働委員長加藤武徳君。    〔加藤武徳登壇拍手
  20. 加藤武徳

    加藤武徳君 ただいま議題となりました薬事法案及び薬剤師法案について、社会労働委員会における審議経過並びに結果を報告いたします。  現行薬事法は、戦後早々の間に制定されたもので、必ずしも今日の実情に沿わない点が多いので、現行薬事法を廃止して、新しく薬事法を制定し、また、薬剤師の身分及び業務にかかる単独の薬剤師法を制定しようとするものであります。  政府説明によりますと、  薬事法案要旨は、新たに医薬部外品制度を設け、口中清涼剤殺虫剤等で人体に対する作用の緩和なもの等を医薬部外品として医薬品範囲外としたこと。次に、都道府県知事の諮問に応じ、薬事に関する重要事項調査審議するために、地方薬事審議会を置くことができること。次に、薬局医薬品等製造業販売業等については、現行登録制許可制に改め、その許可基準を整備し、薬局製造業等管理についてその規定を整備するとともに、新たに医薬部外品化粧品及び医療用具製造所にも責任技術者を置かなければならないこと。次に、医薬品販売業については、これを一般販売業薬種商配置販売業及び特例販売業の四種とし、それぞれにつき、許可内容について規定を設け、また、医療用具販売業についても、特定医療用具については新たに届出制をとること。次に、医薬品等取り扱いに関しては、製造番号、記号及び成分分量等表示をさせるとともに、封を施すこと。また、ホルモン剤等特殊成分を含有する化粧品については、品目ごと承認を要することとし、その成分分量等一定表示をさせること。次に、医薬品広告に関し、ガン等特殊疾病用特定医薬品広告や、承認前の医薬品広告についても、所要制限措置を定めたこと等であります。なお、これらの法律施行に伴う必要な経過措置につきましては、その移行が円滑に行なわれるように留意せられております。  次に、薬剤師法案要旨は、薬剤師は、調剤医薬品供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保することをその任務とすること。また、薬剤師業務たる調剤については、現行法の不備を補い、調剤録の備、えつけ、保存その他の規定を整備すること等であります。  社会労働委員会においては、右両案を一括して審議を進めましたが、薬剤師法案については、薬剤師任務としての医薬品供給薬事衛生の意義を明確にすることについて質疑が行なわれ、政府委員より、「薬事衛生とは、調剤医薬品供給、そのほか薬学の知識に基づいて処理すべき衛生上の事項を含めた概念である」との解釈が明らかにされ、本法の運用に関する見解について二、三の質疑が行なわれたほか、主として薬事法審議に重点が置かれ、熱心な論議が重ねられたのであります。  そのおもなる点は、業務に関する登録制許可制に改めた法的効果の相違に関する質疑に対しては、禁止の解除という点においては同質であるが、許可制に改めたことによって取り扱いが厳密になるとの答弁があり、また、薬局規制配置あるいは薬局開設人的制限職業選択の自由という憲法解釈の問題については、適正配置の方向に努力はするが保健衛生上、公共の福祉に反しない限り、権力による配置規制は慎重に検討されなければならないとの見解が述べられ、また、医薬品広告を規制する問題については、相当長時間を費やして質疑応答が行なわれ、諸外国の実例等についても大いに論ぜられ、その取り締まりについても、虚偽誇大広告禁止特殊疾病用医薬品広告制限及び専門家向け広告の自由、という三原則を維持する方針が明らかにされ、また、新たに設けられた医薬部外品範囲特例販売業許可、ことに既存業者との関係と、その取り扱い品目整理基準の問題、国民保険に即応する薬価の調整に関する問題等について、各委員より熱心な質疑が行なわれ、「医薬品乱売を防止し、その品質を確保する上においても、過剰生産を抑制し、中小企業団体組織法小売商業調整特別措置法等の関連においても、基本法たる薬事法卸売小売を分離して規制する必要があるのではないか」、あるいはまた、「国民保険下における無薬局地区対策として、薬局に対する医療金融公庫等による金融的助成販売業種別による適正配置等の問題が考慮さるべきであり、無医地区においては薬剤給付制度が要求さるべきではないか」というような、根本施策についての論議も熱心に行なわれたのであります。  なお、厚生大臣政府委員に対する質疑応答のほか、医薬品乱売等流通秩序混乱を防止する問題については、池田通産大臣より、厚生省よりの申し入れがあれば、小売商業調整特別措置法による調停あっせんを行ない得るよう善処するとの答弁があり、地方薬事審議会設置に関する問題については、石原自治庁長官より、厚生省方針に協力するように指導するとの答弁がありました。  また、薬剤師の養成に関する問題については文部省当局に、劇毒性農薬許可取り締まりについては農林省当局に対し、それぞれ質疑を行なったほか、医療用具歯科材料等の技術的諸問題についても質疑が重ねられたのでありますが、その詳細は委員会会議録によって御承知願いたいと存じます。  かく質疑討論を終了し、両案を一括して採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、高野委員より、薬剤師法案及び薬事法案に対し、各会派共同提案にかかるそれぞれ次の附帯決議を付するの動議が提出せられました。    薬剤師法案に対する附帯決議案  (1) 本法第一条に言うところの「薬事衛生」とは、調剤医薬品製造保存管理、試験、鑑定販売授与を含むほか、薬剤師がなすところの食品衛生水質検査等環境衛生、犯罪の化学的鑑定その他公衆衛生上の薬学的、衛生化学的行為を含むものであることの解釈を、政府として明確にし徹底せしむべきである。  (2) 政府は、薬剤師会法制化について検討すべきである。     ―――――――――――――    薬事法案に対する附帯決議案  (1) 医薬品乱売は厳として慎しむべきである。政府は、速かに各地の乱売を終熄せしめるよう、極力対策を講ずべきである。  (2) 政府は、行政措置を以て医薬品卸売業小売業の区分を明確にし、両者の販売方法については、混乱を来たさざるよう指導し、小売商業調整特別措置法第十四条に規定する政令を以て、医薬品の指定をなし、且つ医薬品製造業者、卸売業者及び中小企業者に非ざる者がそれぞれ小売営業を行って、小売業者との間に経済的紛争を起した場合については、都道府県知事は速かに小売商業調整特別措置法第十五条による調停斡旋を行なうよう、政府は、都道府県知事に強く要請すべきである。政府は、中小企業団体の組織に関する法律に基づく商工組合の結成を指導促進せしめ、特に適正且つ効果的なる調整規定の設定を認めるよう、考慮すべきである。  (3) 政府は、地方薬事審議会任務の重要性に鑑み、之が都道府県洩れなく設置せられるよう適当な配慮をなすべきである。  (4) 特例販売業については、医薬品の特殊性に鑑み、極力新規の許可をなさざるよう努力し、特例販売品目は、速かに改訂し、且つその品目を極力圧縮し、特例販売品目を都道府県知事が指定する場合は、政府が定めたる基準の範囲内でなさしむべきである。  (5) 「医薬部外品」については、作用極めて緩和なるもののみに限定し、本法第二条第二項の各号に挙げられたるものと雖も、医薬品と認めらるべきものは、之を医薬部外品となさざるよう、政府において十分の注意をなすべきである。  (6) 政府は、本法第二条第四項による「医療用具」には、歯科材料を含むものであることの解釈を徹底せしめ、且つ可及的速かに、この用語の改正をなすべきである。  (7) 本法第三十九条の届出等については許可事項にすべきもの等検討すべきである。  (8) 薬局適正配置をはかり、以て国民保険に協力せしめ得るよう、対策を講ずべきである。  (9)  医薬品製造発売に関して、徒らに他の製品を模倣し、宣伝広告を競うが如き現状の改善措置を講じ、特に医薬品広告については、諸外国の例に照らし、その取締に関し厳重なる規制をおき、且つ発売者が十分の自粛をなすよう、政府において指導すべきである。  (10) 合成医薬品製造方法特許申請に対しては、優秀なる新医薬品を速かに医療用に供せしめることの必要性に鑑み、その審査の促進を計るべきである。右の両決議案について採決を行ないましたところ、これまた全会一致をもってそれぞれ附帯決議を付することに決定した次第であります。以上御報告申し上げます。
  21. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  22. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  23. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第九、公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)、  日程第十、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案、  日程第十一、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法特例に関する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  24. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。建設委員長岩沢忠恭君。   [岩沢忠恭君登壇拍手
  25. 岩沢忠恭

    ○岩沢忠恭君 ただいま議題となりました公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案ほか二件について、建設委員会における審軸の経過並びに結果について御報告申し上げます。  まず公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行法は、公共工事の前払金の実施を円滑化するため、保証事業会社がこれを保証する制度を創設したのであります。すなわち、請負者が債務を履行しない場合、発注者は請負契約を解除して保証事業会社から保証金を受けることができるようになったのであります。しかしながら、公共工事の請負も契約の実情を見ますと、前払金について請負者が保証事業会社と保証契約を結ぶことを条件とするほか、請負者側に工事完成保証人を立てることが多いのであります。従って、請負者の債務不履行に対して、発注者は、契約を加除しないで工事完成保証人に履行の請求をすることもできるのであります。ただ現行法によれば、保証事業会社が保証金を支払うのは請負契約を解除した場合に限られているので、工事完成保証人が請負者にかわって工事を完成した場合には保証金は支払われないのであります。このため、工事完成保証人は発注者から請負金と前払金の差額しか支払われず、前払金についての保証金相当額は請負者に求償できるとはいいながら、自己の負担となってしまうことが多いのであります。よって今回の改正案においては、この場合、保証事業会社は支払いを免れた保証金相当額を工事完成保証人に対して支払うことができることとし、工事完成保証人の債務履行を容易ならしめたのであります。  委員会におきましては、発注機関の前金払いの実情、保証事業会社の実態等について詳細な資料の提出を求め、参考人を招致して意見を聴取する等、慎重な審議をいたしたのであります。  質疑の主なる点について申し上げますと、保証会社発足当時と今日とでは金融状況が変わっており、かつ公共機関の中でこの制度を利用しないものがある実情から見て、保証会社は必要ありやいなやという点、当会社の業務公共工事のみに限らず一般の建設工事に拡大する意思ありやという点、公共事業の請負契約の片務性の是正に対する政府見解いかん、さらに工事完成保証人の意義等についてでありまして、その詳細は会議録に譲ることといたします。  かく質疑を終了、討論に入りましたところ、民主社会党を代表して田上委員から、本案公共事業の促進対策としては末節の問題と思われるが、一歩前進であるから賛成する旨の発言があり、また、日本社会党を代表して田中委員から、本案の背景にある請負契約の実態は片務的であって、これは双務契約に改めなければならない。しかし、政府はこれに対し善処を約しているので、民主的な契約制度が確立されることを条件として賛成する旨の発言がありました。討論を終結、採決の結果、本案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。     ―――――――――――――  次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案は、災害地域における津波対策事業を計画的に実施しようとするものでありまして、その要旨は、第一に、津波対策事業とは、政令で定める地域において、海岸または海岸附近の河川について施行する事業で、津波災害を防止するに必要な海岸堤防、河川堤防等の新設または改良に関する事業等であります。第二に、主務大臣は、関係地方公共団体の意見を聞いて津波対策事業計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこととするとともに総理府チリ地震津波対策審議会を置くことといたしたのであります。第三に、政府津波対策事業計画を実施するために必要な措置を講ずることとし、国の財政の許す範囲内において実施を促進すべきことといたしております。  次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公共住宅法の特例に関する法律案内容について申し上げます。  本案は、チリ地震津波による住宅の被害状況にかんがみ、政令で定める地域について、事業主体が第二種公営住宅を建設するときには、現行法規定にかかわらず、国は災害滅失戸数の五割以内について建設に要する費用の四分の三を補助することができるものといたしたことであります。  両法案についての質疑内容は速記録で御承知をいただきたいと存じます。  質疑を終了、討論を省略して採決の結果、両案とも全会一致原案通り可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  26. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。  三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  27. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって三案は全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  28. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第十二、裁判官の災害補償に関する法律案、  日程第十三、裁判所法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすること御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。法務委員会理事後藤義隆君。    〔後藤義隆君登壇拍手
  30. 後藤義隆

    ○後藤義隆君 ただいま議題となりました裁判官の災害補償に関する法律案並びに裁判所法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審議経過並びに結果につき御報告いたします。  まず、裁判官の災害補償に関する法律案について申し上げます。  この法律案は、一般職の例にならい、他の特別職の職員と同様、裁判官についてその災害補償制度を整備しようとするものであります。現在、裁判官の公務上の災害に対する補償については、特別職の職員とともに労働基準法等の施行に伴う政府職員に係る給与の応急措置に関する法律規定によっておりますが、このたび国家公務員災害補償法並びに特別職の職員の給与に関する法律の一部が改正され、一般職の職員並びに特別職の職員については、身体障害の程度の重い者及び長期療養者に対する補償が改善されたことにかんがみ、裁判官についても一般職の職員の例によることとするものであります。  委員会は、政府当局から提案理由説明を聴取しました後、質疑に入り、従来の災害補償の実施状況、公務災害福祉施設の現状等につき質疑が行なわれましたが、これが詳細は議事録に譲ることといたします。  かく質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、直ちに採決に入り、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、裁判所法の一部を改正する法律案について申し上げます。  最高裁判所においては、かねてから裁判所書記官制度に検討を加え、特にその任用資格の引き上げ、研修制度の整備等により、これが学識、能力の涵養に努力して参りました結果、最近における裁判所書記官の素質の向上は著しいものがあります。近年、訴訟事件の増加、裁判官の不足等の理由から、著しい訴訟の遅延を見るに至り、その解決が現下の急務とされているのでありますが、裁判官については、任用資格等の関係から、その大幅な増員が期待できない現状にかんがみ、裁判所法第六十条を改正して素質、能力の向上した裁判所書記官をして、その従来の職務に付加して、事件に関し、裁判官の命を受けて法令及び判例の調査その他の裁判官の行なう調査の補助をせしむることとし、もって審理の促進、裁判の適正に寄与させようとするものであります。  委員会は、三月二十九日政府当局から提案理由説明を聴取いたしました後、各委員から、書記官制度の基本的構想、今回の改正の訴訟促進に対する効果、本改正案に伴う裁判所書記官の事務量の増加と、勤務時間の延長、号俸調整との関係等につき、熱心な質疑が行なわれたのでありますが、これが詳細は会議録に譲ることといたしたいと存じます。  かくて六月十七日質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表いたしまして井川委員から、本法案は妥当なものと考えるが、なお、より適切な運用を期するため、次のような附帯決議を付し、政府原案賛成する旨の意見が述べられました。  右附帯決議を朗読いたします。    裁判所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府並びに裁判所当局は、急拠左記事項の実現に努力すること。  一、裁判官及びその他の裁判所職員の増員並びにこれに伴う諸施設の整備を図り、裁判の適正迅速の要請に対処すべきこと。  一、裁判所書記官及び家庭裁判所調査官に対しては、事務分配の適正とその合理的運用により、負担の過重を来たさないよう特に配慮すること。  一、裁判所書記官の定員を充実して、その執務体制を整備すること。     ―――――――――――――  かく討論を終局し、政府原案並びに附帯決議案につきそれぞれ採決いたしましたところ、いずれも全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  31. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  32. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  33. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第十四、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。地方行政委員会理事鍋島直紹君。    〔鍋島直紹君登壇拍手
  34. 鍋島直紹

    ○鍋島直紹君 ただいま議題となりました昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法案は、チリ地震津波による被害か甚大である点にかんがみまして、その対策として、災害を受けた地方公共団体に対し起債の特例を認めんとするものであります。  その要点は、第一に、地方財政法第号五条の特例としまして、今回災害を受けました地方公共団体のうち政令で定めのるものが地方税、使用料、手数料等の減免により生ずる歳入の不足を補う場合、または一定の災害対策に要する費用の財源とする場合におきましては、地方債をもってその財源とすることができるものといたしたのであります。第二に、その場合の地方債は、資金運用部資金または簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって引き受けるとする等であります。  地方行政委員会におきましては、六月十六日政府側よ毎提案理由説明を聞きました後、当局との間に質疑応答を重ね、慎重審査を行ないましたが、その詳細につきましては会議録によって御承知を願いたいと思います。六月十七日質疑を終局し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  35. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賞成の諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  36. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって決せられました。      ─────・─────
  37. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第十五、天災による被害農林漁業者等に対する資立の融通に関する暫定措置法の一部を以正する法律案、  日程第十六、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設災害復旧事業に関する特別措置法案、  日程第十七、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村における漁民の共同利用に供する特定漁業施設設置に関する特別措置法案、  日程第十八、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁業者共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案(いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議な」」と呼ぶ者あり〕
  38. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。農林水産委員長堀本宜実君。    〔堀本宜実君登壇拍手
  39. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 ただいま議題となりましたチリ地震津波による漁業災害対策関係法律案四件について、農林水産委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。  第一に、天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案は、特に著しい被害を受けた地域の被害漁業者に対する経営資金の貸付限度額に特例を設け、真珠またはカキの養殖資金は五十万円、その他の漁業経営資金は二十万円とし、通常の貸付限度額十五万円に比べて、それぞれこれを引き上げようとするものであります。  次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設災害復旧事業に関する特別措置法案は、水産業協同組合の所有する共同利用施設の災害復旧について、災害復旧事業費国庫補助の特例を設け通常の場合は一カ所十万円以上の復旧事業費のものにつき、十分の二の国の補助を行なうことになっておりますが、今回は、被害激甚地のものについては、一カ所の復旧事業費を三万円に引き下げ、国の補助率を千分の九に引き上げ、その他の地域については国の補助率を十分の五に引き上げるとともに、被害の大きかった地域におけるカキ、真珠及び真珠貝の養殖施設の災害復旧事業に対し、事業費が三万円以上のものについては、十分の九以内の国庫補助をすることとしようとするものであります。  次に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村における漁民の共同利用に供する特定漁業施設設置に関する特別措置法案は、特定の特別被害漁村の全部または一部をその地区内に含む漁業協同組合が、その特別被害漁村内に住んでいる組合員の共同利用に供する水産養殖施設、網、漁具等特定漁業施設設置するために必要な経費に対して、都道府県が二分の一補助する場合、国はその同額を補助しようとするものであります。  最後に、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁業者共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案は、小型漁船の被害の大きかった都道府県において、組合員の所有経営にかかる小型漁船の被害の大きい漁業協同組合が、これら所有経営する小型漁船が沈没、滅失その他著しい損害を受けた組合員の共同利用に供するために、小型の漁船を建造するにあたって、その経費の三分の二以上を補助する場合、国はその二分の一を補助しようとするものであります。  委員会におきましては、政府当局からこれらの法律案提案理由その他について説明を聞き、一括して質疑に入り、これら法律の実施に関する具体的方法及び伊勢湾台風の場合の措置と今回の措置との比較等に関して、諸般の事項について政府見解がただされたのでありまして、これが詳細は会議録に譲ることを御了承いただきたいと存じます。  かく質疑を終わり、討論に入り、別に発言もなく、続いて順次採決の結果、これら法律案四件は、いずれも全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  右御報告いたします。(拍手
  40. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。  四案全部を問題に供します。四案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  41. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって四案は全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  42. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第十九、昭和三十五年五月のチリ地震津波になる災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず委員長報告を求めます。商工委員長山本利壽君。    〔山本利壽君登壇拍手
  43. 山本利壽

    ○山本利壽君 ただいま、議題となりました昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案について、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、今次の災害を受けた中小企業者に対する再建資金融通の円滑化をはかるための措置として、商工組合中央金庫が行なう災害融資について、その貸付利率を引き下げるため、通常利率との差額を同金庫に対して利子補給を行なわんとするものであります。  本委員会におきましては、中小企業者の被災状況、伊勢湾台風の際とられた立法措置との相違点等について質疑が行なわれましたが、詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、採決の結果、本法律案全会一致をもって衆議院送付案捕り可決すべきものと決定いたしました。  右御報告を終わります。(拍手
  44. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  45. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  46. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 参事に報告させます。    〔参事朗読〕 本日委員長から左の報告書が提出された。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案可決報告書  日本電信電話公社法の一部を改正する法律案可決報告
  47. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この際、日程に追加して、  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。運輸委員長平島敏夫君。    〔平島敏夫君登壇拍手
  49. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 ただいま上程になりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案について運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、法律改正理由について政府説明するところを申しますと、最近、自動車、航空機の進出に伴い、従来国鉄が国内輸送の分野において占めてきた地位は著しく変動し、総輸送量に占める国鉄の比重も年々低下し、かつて国鉄が陸上輸送において独占的地位を持っておった当時のままの運賃制度では多くの不合理を生ずるに至りましたので、国鉄の近代化の促進と輸送の質的改善をはかるため、不増収不減収を建前として、運賃制度の改訂を行なおうとするものであります。  委員会におきましては、各委員から、鉄道運賃制度調査会の答申と改正案との関係、運賃決定の四原則に対する政府見解、国鉄経営のあり方、すなわち公共性と企業性の問題、今回の改正案における不増収不減収の方針と、赤字経営の国鉄として経営改善をはかるためさらに徹底した賃率の改正を行なう意思の有無等の点について、質疑が行なわれました。これらの点については、速記録により御承知を願います。  以上で質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、直ちに、採決の結果、全会一致をもって送付案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  50. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  51. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。      ─────・─────
  52. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この際、日程に追加して、  日本電信電話公社法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。逓信委員長柴田栄君。    〔柴田栄君登壇拍手
  54. 柴田栄

    ○柴田栄君 ただいま議題となりました日本電信電話公社法の一部を改正する法律案について、逓信委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  本改正案の趣旨は、日本電信電話公社が電気通信設備拡充長期計画に対応する建設資金の一部に充当するため、外国通貨をもって表示する電信電話債券の発行及び国際復興開発銀行から外貨資金の借り入れを行なうことができるように所要規定を整備しようとするものであります。  おもなる内容について申し上げますると、第一に、世銀へ借り入れ契約に基づいて引き渡すための外債発行については郵政大臣の認可を受ける必要のないこと。第二に、世銀は外貨電信電話債券の債権者と同様に、電電公社の財産について先取特権を有すること。第三に、債券の発行等に関し、その一部または全部を外国の銀行等に委託することができること。第四に、債券の利子等に対し免税の措置を講じていること等であります。  逓信委員会におきましては、郵政省及び電電公社各当局につき、詳細にわたり質疑を行ない、慎重審議をいたしたのでありまするが、質疑のおもなる点を申し上げますると、国家財政資金の融資によれなかった理由、また、外資を導入することによって電電公社事業の自主性に影響を及ぼすようなことがないかなどでありましたが、これに対し、財政資金にも限度があるので、やむなく外資導入をも考えた。また、外資を導入することによっていわゆるひもがっくようなことがあるならば借り入ればいたさないとの答弁がありました。なお、詳細については会議録によって御承知を願いたいと存じます。  六月二十日質疑を終局し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  55. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  56. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時十二分散会 ○本日の会議に付した案件  一、日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約等締結に伴う関係法令整理に関する法律案  一、日程第一 道路交通法案  一、日程第二 運輸省設置法の一部を改正する法律案  一、日程第三 農地買収者問題調査会設置法案  一、日程第四 自治庁設置法の一部を改正する法律案  一、日程第五 建設省設置法の一部を改正する法律案  一、日程第六 外務省設置法の一部を改正する法律案  一、日程第七 薬事法案  一、日程第八 薬剤師法案  一、日程第九 公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案  一、日程第十 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案  一、日程第十一 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法特例に関する法律案  一、日程第十二 裁判官の災害補償に関する法律案  一、日程第十三 裁判所法の一部を改正する法律案  一、日程第十四 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案  一、日程第十五 天災による被害農林漁業者等に対する資金融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案  一、日程第十六 昭和三十五年五月一のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設災害復旧事業に関する特別措置法案  一、日程第十七昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村における漁民の共同利用に供する特定漁業施設設置に関する特別措置法案  一、日程第十八 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁業者共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案  一、日程第十九 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案  一、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案  一、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案