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1960-02-23 第34回国会 参議院 社会労働委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月二十三日(火曜日)    午前十一時九分開会   —————————————   委員異動 二月二十二日委員藤田藤太郎君辞任に つき、その補欠として千葉信君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。     委員長    加藤 武徳君     理事            高野 一夫君            吉武 恵市君            坂本  昭君     委員            鹿島 俊雄君            勝俣  稔君            紅露 みつ君            佐藤 芳男君            徳永 正利君            山本  杉君            片岡 文重君            小柳  勇君            田畑 金光君            村尾 重雄君            竹中 恒夫君   国務大臣    労 働 大 臣 松野 頼三君   政府委員    労働大臣官房長 三治 重信君    労働大臣官房会    計課長     和田 勝美君    労働省労政局長 亀井  光君    労働省労働基準    局長      澁谷 直藏君    労働省婦人少年    局長      谷野 せつ君    労働省職業安定    局長      堀  秀夫君   事務局側    常任委員会専門    員       増本 甲吉君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○労働情勢に関する調査  (ILO条約批准等に関する件)  (昭和三十五年度労働省関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) それではただいまから委員会を開きます。  委員異動を報告いたします。  二月二十二日付をもって藤田藤太郎君が辞任し、その補欠として千葉信君が選任されました。右、御報告いたします。
  3. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) それでは、労働情勢に関する調査の一環として、ILO条約批准等に関する件、及び昭和三十五年度労働省関係予算に関する件を議題といたします。  質疑を御希望の方は逐次御発言を願います。
  4. 田畑金光

    田畑金光君 労働大臣にお尋ねいたしますが、二月十六日の本委員会においてILO批准に対する政府の考え方をお尋ねしたわけでございますが、そのときの答弁と、二月十八日の予算委員会における社会党の永岡君から総理に対する質問、その答弁とはだいぶ違っているような感じを受けるわけで、予算委員会における総理答弁を見ますと、四月の上旬にはILO批准手続をとりたい、こういう答弁であるようでございますが、その後いろいろ市街も発展しつつあるようで、あらためてそれに対して労働大臣から提案に関しお尋ねをしたいと思います。
  5. 加藤武徳

  6. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 二月十八日の予算委員会で申し上げました通りで、あるいは二月十六日に当委員会で申し上げましたこと、基本的にはその方向政府は進んでおるわけでありますが、具体的にそれじゃどういうふうに進んだかということは、まだ申し上げるほど明確なものは進んでおりません。もちろん与党内にも研究を願っておりますので、与党側の御意見もときどき拝聴しておりますけれども、まだ基本的に御報告申し上げるまでには今日の段階は至っておりませんが、批准をするという前提のもとに、国内法整備を諸般急いでおるわけでございます。
  7. 田畑金光

    田畑金光君 四月の上旬をめどにして総理提案をしたいと、こう言っておりますが、その点はどうなんですか。具体的にもっと明確に、労働大臣としても一面を立てておられると思いますが、もっと簡潔に、どういう方針で臨んでおられるか、明確にしていただきたいと思うのです。
  8. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 総理の、四月には提案できるように準備しておるという御発言もございましたし、労働大臣としても、その発言に沿いましてその方向にできるようにただいま努力をしておるわけでありますが、まだ明確にいつごろという目安までは今日のところ意見調整はそこまで進んでおりません。しかし、総理のお気持もございますので、その方向労働大臣として当然努力をしておるというのが今日の段階でございます。
  9. 田畑金光

    田畑金光君 そうしますと、各省調整労働大臣が当たっておるが、その調整があるいはつかぬ等の場合もあり得るので、そうなれば、この国会においてはできない、こういうことになるわけですか。
  10. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 私は総理言葉通り、四月を目途として今日努力をしております。できるかできないかということは、これは今後の問題として、私はなるべくそのことは抜きにして、四月上旬あるいは四月中を目途として努力をしておるわけでございます。できるかできないかは、私は今日はまだそこまで至っておりません。できないという大きな障害もまだ起きておりませんし、できるのだという調整もまだ進んでおりません。今後の努力の結果を待たなければできないのじゃなかろうか。従って、そういうふうなできないときはどうだということよりも、私はできるように今日努力をいたしておるのでございます。
  11. 田畑金光

    田畑金光君 昨年の二月十八日、労働問題懇談会から答申があって、すでに一年になるわけですが、この間、政府当局としてはどういう準備をやっておられたのか。ILO批准促進は、すでに国内問題でもあるし、また、国際的な問題にもなっておるわけで、政府はあらゆる機会に全逓違法状態が解消されるならば、すみやかに批准手続をとる、こういう方針でこられたわけで、この一年間どういう準備をやって、こられたのか、承りたいと思う。
  12. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 労働省関係法規及びその他の関係法規もございますので、その他の関係法規については、その所管の省にお順いをして促進を進めて参ったわけであります。いかにせぬ。その内容については、私の所管じゃございませんので、いわゆるその促進はして参りましたけれども、必ずしも内容が固まっておるか、また、各省においては各省のいろいろな関係もございましょうから努力はしていただいておったのでありますが、まだ法案まで、私のところには、手元までは拝見をしたことはございません。各省においてやっておられる法案の方が実は問題もあるように聞いております。なお、全逓の問題は、昨年ほとんど、全逓正常化、それから団交、仲裁ということが、約一年八カ月ぶりに団交権というものができたわけでありますが、ほとんど昨年は、全逓正常化労働省としては全力をあげ、また、郵政省もおそらく年末という時期を控えて、国民に御迷惑にならないように全力をあげられたということにほとんど力を使っておったわけであります。労働省に関する法案はいろいろ研究して参りました。しかし、他省に関するものは、他省所管でございますから、立ち入ってどこまで進んだかということは、これは私がまだ予想するわけに参りません。
  13. 田畑金光

    田畑金光君 昨年は違法状態を解消するために政府としては全力をあげたので、その間、従って法案整備については手おくれしたのだ、あるいは十分手を尽くすことはできなかったのだ、こういうわけですが、しかし、それはわれわれから見ると詭弁だとこう思うのです。具体的に正常化するためにどのような努力をしからば払ってきたのか、それがために一年の才月が必要であったのかどうか、時間が必要であったのかどうか、そうじゃないと思うのです。やはりそれに並行して、当然政府部内においては、ILO批准のための国内法整備をやることが、あの当時において、政府国会等発言を見ましても当然そうやって進捗しているものだと一般は見、国民はまた見ていると思うのです。そうしますと、労働省に関する限りは一応整備が済んでおるとこう判断してよろしいですか。
  14. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 労働省に関する法案については、一応の方向というものはきめまして、各省との今日連絡をとっておるわけであります。労働省法案というものは三公社現業についてのみでございません。皆三公社、五現業関係のあるものでございますから、労働省方針としては、一応各省連絡をとりながら一年間法案整備をやってきたわけであります。しかし、その他に各省独自の法安もございますので、それについては促進をお願いする、こういう二つの法案内容があるわけであります。公労法がかり労働省所管でありましても、それはやっぱり各省影響する法案でありますから、労働省としては、四条三項あるいは四条一項というふうなものについての方向は、各省にずっと示しながら今日連絡をとっておるわけであります。従って、一年間何もしなかったという意味じゃございません。常に私としては、連絡をとりながらやっておりましたが、しかし、その全逓というものがございましたために、各省ともいつ全逓正常化になるかという目安がきまらなければ、おのずからILOの問題もそのあとだという感じを持ったことはこれは当然であります。従って、そういう意味で皆研究はしておりましたけれども、意思表示とか、まとまった意見というものがおくれたというのは、やはり昨年の哀れに全逓正常化はやっとなったのですから、そういう事実があってから初めてこの問題というものの促進は進むべきものだ、なお、閣議におきましても、先般二月十二日には、総理からその問題を特に強く促進方の要請を各大臣にしていただいたわけであります。従って、政府としてはできるだけの今日努力をしているわけであります。一年間、ただ、だらだらしておったわけじゃ断じてございません。しかし、いかにせん関連する、影響するところは多大なものでありますから、その意味で相当広範囲な時間がかかる、これも御了承いただけるのじゃないか、私はこう考えます。
  15. 田畑金光

    田畑金光君 労働問題懇談会答申を見ても、公労法地公労法国内法整備並びに関係法案についての整備が出ているわけで、われわれの判断するところでは、これは最小限この程度の整備をすれば批准手続に一向支障ない、こういうのが答申趣旨だと、こう考えるわけです。しかし、最近になりますと、いよいよ批准手続をとるという段階になってくると、わが省の関係もある、この省の関係もある、公務員法、あるいは地方公務員法も改正しなければならぬ等々論議が次から次に出てきているわけで、この際、政府が従前の約束を果たそうとするなら、は、労働問題懇談会答申に即して最小限法案整備批准手続をとられるのが至当ではなかろうかと、こう考えておるわけで、この点は、労働大臣がおそらく閣議懇談会等において主宰される立場に立たされておられると思いますが、労働大臣としての見解はどうでしょうか。
  16. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 答申案の中にもありますように、ぜひ必要だというものは、四条三項、五条三項、これは絶対に必要なものだというほかに国内法関連国内法準備というものがこの中に出ております。それはいずれだという明言は出ておりません。要するに、よき労働慣行を作ることということのもとにおける国内法整備もあれば、あるいはILO八十七号批准に伴う国内法整備もあります。従って、最小限度どうしても四条三項、地公労法五条三項というものは批准に差しつかえがあるのだ、これを削除しなければ批准支障があるのだということが出ているわけです。ただ、あとはどうでもいい、これだけでいいのだということは答申の中には出ておりません。それに関連する国内法整備をまずやりなさいというのであって、その国内法整備というものがよき労働慣行という言葉にもなりましょうし、要するにそういうものが含まれてここに出ているわけです。しかし、四条三項、五条三項でよろしいという答申案内容ではございません。ぜひ四条三項、五条三項というものは批准のために絶対削除すべき条項なんだという意見が書いてあるだけで、これだけでいいのだという趣旨はこの中に書いてございません。それに関連する法案整備しなさい、要するに、よき労働慣行というものを、公共企業体特殊性にかんがみてこれを確立しなさいということが書いてあるわけで、四条三項、五条三項だけでいいのだという趣旨ではございません。その甘味で非常に広範囲にわたるものだということは御了承いただけると思います。
  17. 田畑金光

    田畑金光君 それはあなたの方の解釈で、労働大臣の今の答弁の中にもあるように、労働問題懇談会答申最小限四条三項、五条三項は改正しなくちゃならぬ、こういっているわけです。その最小限を満すならば批准手続はとれるということははっきりしているわけです。その他の問題については今後の労使関係のあり方、あるいは労働慣行健全化のためにはさらに検討すべきであるということはうたわれているわけです。当面批准手続をとるのに最小限必要なのは何かと、こういうならば、公労法四条三項、あるいは地公労法五条三項になろうと思うのです。で、私たちが見ておりますと、先ほど労働大臣答弁の中にありましたように、公労法四条一項、これについて云々ということを言っておられますが、四条一項については確かにこれは意見もあろうと思う。しかし、これは法律学者意見等聞いても、労働学者意見等聞いてもいろいろ見解があるようで、そういう複雑困難な問題にまで批准手続をとるために前提として調整しなければならぬと、こうなってきますと、いつの日にそれじゃ国内法整備ができるのかということになろうと思う。これは最小限これこれの法律批准手続の前に整備しろというのが労働問題懇談会答申であるならば、そういう前提の上に立ってこれは努力さるべきだと、こう思うのです。これは、また、時間もきょうはいろいろ限定されているようだから、あらためて質問いたしますが……。  そこで、お尋ねしたいことは、公務員法地方公務員法、あるいはまた、鉄道営業法、その他広範な法律について検討しようということになれば、これは大へんなことだと思うのです。ことに、この際、公務員法についてこれを改めることが批准手続前提だということになってきますと、相当これは問題が起きてきやせぬかと、こう思うのですが、この点は、今後どのように政府部内は調整をはかっていかれようとする方針であるか、この点についても、——それは、担当大臣はそれぞれ各省にありましょうが、少なくともILOの八十七号条約批准のためには、労働大臣が主宰されて各省調整されていくのが本筋だろうと思うが、そうなっておるのかどうか、その辺を一つ承りたいと思います。
  18. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) ちょうど田畑委員の御発言批准に関する答申の中で、「右条約批准するためには、公労法四条第三項、地公労法五条第三項を廃止しなければならない。この廃止にあたっては、関係法規等についての必要な措置が当然考慮されることになるであろうが」従って、四条三項、五条三項を削除と同時に、これに関連する法規も当然この問題になるわけであります。「要は、労使関係を安定し、業務の正常な運営を確保することにあるので、特に事業の公共性にかんがみて、関係労使が、国内法規を遵守し、よき労働慣行の確立に努めることが肝要である。」ということが第二項に書いてあるわけであります。従って、第二項というのは、四条三項、五条三項の削除とこれに伴う関係法規というものが、これがいわゆる関係法規でありまして、四条三項、五条三項でよろしい、あとはいずれ考えろという答申じゃございません。四条三項、五条三項及び関連する法規というのは、同じ意味をこれは掲げられてあるわけであります。従って、これは四条三項、五条三項でいいのだという趣旨ではありません。四条三項、五条三項はぜひ削除しなさい、そのほかに関連する法規について整備をしなさい。これは同じでございますから、従って開設の決定は、関係法規国内法関連法祝整備の上批准するというのが昨年の二月の閣議決定であります。従って、私はこの趣旨に沿ってやるわけで、四条三項、五条三項でいいという条項一つ答申案の中に出ておりません。審議経過を見ますと非常に多岐にわたっております。石井委員前田委員——労働問題懇談会になって参りますけれども、実は国内法との関連が非常に多岐にわたって議論をされております。その結果、集約されたものが、いわゆる関連法規というものは非日常に問題なんだ、ただどれだということはなかなか議論があって書けないから、それは政府できめなさいというのが関連法規でありますから、四条三項、五条三項だけで批准ができるという趣旨のものがこの答申案内容ではございません。その意味で私の方は、はっきりうたってございませんので、それについては政府でおきめなさいというので、その調整が非常に多岐にわたっている。そこに議論があるわけであります。従って、私は、その意味で御答弁もいたしております。予算委員会でも同じように答弁をいたしました。従って、その意味四条一項という問題を新しく提議したということは当然なことである。関連法規についてはこういうものが非常に関連が深いのではないか。提議するのはこれは当然のことであります。いいか悪いかは別問題であります。しかし、この趣旨からいうと、それを提議することは当然のことである。提議しちゃいけないというのがこの答申趣旨ではございません。当然であるのです。それは労働問題懇談会でどの条項どの条項ということは言えないから、関連法規政府でおきめなさい。関連法規速記録を読んでみますといろいろなものが出ております。あるいは国家公務員法に及ぶのはいいじゃないか、当然及ぶべきじゃないかという労働者側からの強い発言も出ております。従って、政府がどうのこうのと言うのではなしに、純粋な気持でこのILOの精神を生かして、今後その条文に照らして紛争が起こらないように、あるいは条文上の解釈国内と国際と違うような不手際を起こさないように、明確なこの方針を立てた後に批准するという姿で、政府としては責任をとらなければいけない、こう私は考えておるわけでありまして、国家公務員法及び地方公務員法につきましては私の所管じゃございませんが、八十七号に関する限りは、私が中心になってこの問題に苦労をしておるわけであります。しかし、私が一々あれがいい、これがいい、国家公務員法のどこに触れるべきか、どこに触れない方がいいと言うことは、私はここに申し上げません。各省庁及び国家公務員との関係各省が大体意見がまとまった上で、私はそれをこの問題に合わせていきたい。従って一々の議論に私は携わっておりません。国家公務員法地方公務員法の一々の議論に私は賛否を言っておりません。ただしかし、非常にこの問題が各省において議論の多いことは事実であります。私は、これがいいのだということを言って各省をとりまとめるということは私の気持としてありません。八十七号の条文に関して影響がどうあるか、好ましい影響か好ましからざる影響かだけを私は言うのであります。その内容について私が言うのは、それは私の所管じゃない。八十七号批准について、この条文影響があるとか、この条文影響がないとかいうことは私はもちろん私の責任発言いたします。そうするがいいとか、しちやいかぬというのは、これは別個な問題外でそういう意味で今各省に御研究願って私の方からいろいろ議題を出しながら、各省間において連絡いただいておるわけであります。
  19. 田畑金光

    田畑金光君 二月二十日の朝日新聞記事によりますと、自民党の労働問題特別調査会の中に、ILO八十七号条約批准に伴う国内法規整備についての小委員会(小委員長齋藤邦吉氏)が設けられて、小委員会一つの案が出た。そこで、政府側から亀井労政局長等が出て、与党と緊密な打ち合わせをして、こういう案等をもとにして労働省あるいは政府部内において立法化を急いでおる、こういう記事がございますが、政党内閣である建前上、十分に連絡をとられるのはわかりますが、この内容を見ますと、これは相当に広範にわたっておるのです。政府部内としてあるいは労働大臣としてはこの小委員会結論等をお読みになったと思いますが、今後与党との打ち合わせというものはどういうことになるわけでしょうか。
  20. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) その会議に私はただ一回も出席したことはありませんので、今までのいきさつは存じませんが、先般新聞紙上に出まして、そのあとであの内容あとから聞いただけであります。従って、そういう意見もあることについては、私はいいとか悪いとか言いません。一つ意見としてはあったのであります。また、その後におけるまたいろいろな意見がきっと出てくるだろうと私は思います。従って、それを一つ意見としては尊重いたしますけれども、それについて私が大いに促進するとか、あるいはそれがいいのだというような意図を持っておりません。一つ意見としてはなるほどこれも研究に値するものだ、私はそう考えております。それがいいとか悪いとかいうふうにはまだ私たちは、また、私自身の研究がそこまで進んでおりませんので、それが条約にどうだといえば、条約とそれも別に抵触するものじゃありません。そういう案ができても八十七号の違反じゃございません——違反じゃございませんということは私は考えておりますけれども、それがいいとか悪いとか、その内容については、私は八十七月に違反するのだというのならば、これは私がさっそく意見を言わなければならない、違反しないという範囲の意見ならばいろいろな意見をおっしゃってけっこうです。また、それはそういう意見の出る条項なんです。従って、十分議を経られてけっこうです。私は賛成反対かといえば、ただいま私は検討しているのです。今後ともおそらく賛成反対か、まだしばらく私は御返事できない、そう考えております。実際そういう問題を突然新聞紙上で私は拝見したので、会議のあることも知りませんでした。私が意図して会議したわけでございません。与党与党で御研究になる、各省各省意見を言われる方もございます。各省においていろいろな自由な御意見をおっしゃる方もございます。御意見として私は尊重するので、それを政府できめたとか閣議できめたとか、そういうものじゃございません。
  21. 田畑金光

    田畑金光君 私はその会議も知らなかった、あとから新聞を見た、こういうわけですが、あなたの補佐役である亀井労政局長がちゃんとこの会議に出ておる、相談にあずかっておるように記事としてはなっておるじゃございませんか。おそらく亀井労政局長は、ILO条約に関する限りあなたの最大の補佐役だと判断する、その補佐役が堂々と出てこの小委員会の案についても打ち合わせをしておるとするならば、労働大臣として、おれは知らなかったなんということは言えないと思うのです。この記事が誤りですか、そうするとお尋ねしたいと思うのですが、あまり町間がないので、これは亀井労政局長から御答弁があるならばお尋ねしますが、私はやはり今の労働大臣の御答弁を聞いておりますと、与党の小委員会、あるいは特別調査会等においては、このようにぐんぐん調査を発展させて、一つ結論にまできておるにもかかわらず労働省の内部において、政府の部内において、この問題がいまだ研究段階にあり、調整に手間どっておる段階にあるということは遺憾なことだと思うのです。経過から見ましても、昨年米の、あるいは一昨年米の八十七号条約をめぐる国内論議を見ましても、むしろ政府部内において意見調整がはかられて、まあこの時期においては政府部内の統一見解が発表されてしかるべきだと思うのですが、にもかかわらず政府部内は先ほど来の御答弁通り与党の小委員会においてはまことに先ばしった結論というものが出されておる、これは非常に遺憾なことだと思うのです。  そこでお尋ねいたしますが、公務員法や、あるいは地方公務員法についての取り扱いと申しますか、どういう条文をどうしようか、あるいはまた、この条約批准するについては、当然公務員法についても手をつけなければならぬのだ、こういう結論はまだ政府部内としては出しておられないのかどうか。なお、これは各省大臣研究の途上にあるのか、その辺を一つ明確にしておきたいと思うのです。
  22. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 各省大臣の間では研究途上であります。
  23. 田畑金光

    田畑金光君 研究途上であるならばお尋ねしますが、去る日、衆議院の予算委員会において文部大臣は、わが党の鈴木君の質問に対しまして、これは日教組の場合ですが、職員は組合専従者になれない、明確にこれは育っておるわけです。この与党の小委員会の今回発表された案を見ましても、第二の骨子として職員による組合専従を全面的に禁止し、そのかわり職員以外のだれでも組合専従になれるようにする、ちょうど同じ趣旨を文部大臣答弁されておるわけです。この予算委員会においては明確に答弁されております。さらに鈴木議員の質問は、もし専従をやめて職場に復帰しようと申し出た場合はどうなるのか、こういう質問に対しては、職場復帰は認めないと明確に言い切っておるわけです。内容については今申し上げたように、与党の小委員会の精神と全く同じことであって、今労働大臣公務員法について政府部内の統一見解はまとまっていないというお話ですが、文部大臣は明確に言い切っております。これは一体どういうような政府部内の話し合いになっているのか、労働大臣としての見解はどのようにお考えになっておるのか、まあ今日まで労働大臣見解等は新聞に関する限りいろいろと聞いておりますが、労働大臣見解はいささか違っておるようにも拝察しておるのです。この点はどのように労働大臣としては考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
  24. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) その予算委員会に私も出ておりまして、そのほかに大蔵大臣及び自治庁長官に同じような質問がなされております。文部大臣はそういう御意見をおっしゃいましたけれども、ほかの各大臣は文部大臣と同じ意見は言っておりません。目下検討をいたしておりますという答弁でございます。従って、文部大臣の御意見としてはそういう御意見があるやに聞いたけれども、そのあとの官僚の答弁は同じには、速記録をごらんになればわかるように、同じような答弁をしておりません。従って政府部内においてはただいま研究中というのがその速記録に明らかに出ておるのであります。文部大臣の御意見としてはそういう御意見であることは、私も同席してその委員会におりましたから。と同時に、大蔵大臣、自治町長官、私の答弁は、あわせて同じ速記録をごらんになると意見が一致してない、まだ調整が済んでないということがはっきりしております。文部大臣の御意見としてはそういう御意見でございましょうが、政府部内としてはまだ調整中というのがほんとうの姿でございます。
  25. 田畑金光

    田畑金光君 日教組という大きな組織を相手にして、しかも労働運動面において重要な比重を占める文部大臣の、文部大臣対日教組の組織、こういうことを考えたとき、文部大臣がいやしくも予算委員会の席上においてあのような断定的な答弁をなされるということは、これは重要な反響もありましょうし、また、政府部内においてこれだけ重要問題をいやしくも国務大臣である文部大臣答弁される以上は、政府の大よその見解であると国民がこれを受けるのは当然だ、こう思うのです。こういう点について労働大臣が中心となってこの問題については閣内の話し合いを進めておられる、横の連絡を進めておられる。にもかかわらず、こういうような重要な発言があったということは、これは重大な問題だと思うのです。そうしますと、文部大臣見解は文部大臣見解であるが、あの見解通りになるかならぬかということは、さらに今後の政府部内の話し合いに待たなければならない、こういうように承ってよろしいかどうか、御答弁をお願いいたします。
  26. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 文部大臣見解は割に明らかになっておりますが、その通りになるかならぬかということは、これは今後の問題であります。あのときもたしか文部大臣は、自分の意見としておっしゃったわけで、政府の代表としての御意見ではございませんでした。文部大臣の御発言は、私はこういうふうに思うという発言で、それでは大蔵大臣はどうか、大蔵大臣はこうだ、自治庁長官はどうだ、私はこうだ、というのでありますから、各大臣の意向をあのときはただされたはずであります。従って、各省との連絡はついておりませんから、一致してこうだと言うわけにはいきません。今後どうだ、これは今後の問題で、文部大臣のおっしゃる通りになるかならないか、それは各省もあることですから、各省連絡の上で最終的に政府はきめたい、そういう段階であります。
  27. 田畑金光

    田畑金光君 時間の制約もありますので、これは今後あらゆる機会に質問したいと思いますが、きょうの質問はなるべく簡単にしたいと思います。  九十八号の団結権、団体交渉権、条約の第六条を見ますと、公務員は除外する、こう書いてあります。八十七号条約については触れていない。そこで問題がいろいろあるのだ、こう見るのですが、政府としては八十七号条約について公務員の問題を含めるべきか、含むべからざるか、この点についての解釈はどのようになっておられるので
  28. 亀井光

    政府委員亀井光君) お答え申し上げます。ただいまの御質問の中にございましたように、九十八号条約につきましては公務員について除外規定がございまするが八十七号条約につきましてはその除外帆走がございませんために、八十七号条約自体としましては公務員に適用があるというのが、これが条約趣旨からいたしまして当然のことでございます。ただそういたしました場合において、現在の国家公務員法解釈あるいはその取り扱いが八十七号条約の精神に合致するかどうかというところに問題があるわけでございまして、その点についてただいま大臣から御答弁もございましたように、冬竹岡の意見がございます。その意見調整を今いたしておるという段階でございます。
  29. 田畑金光

    田畑金光君 明確に、八十七号条約は公務員にも適用さるべきものだと、こういう有権的の解釈をなさっておるようです。これはなかなかデリケートな問題だと、こう思うのです。私はこの点について深く触れることは、本日はやめます。  そこで、労働大臣にお尋ねしたいのでございますが、懇談会の答申先ほどあなたはお読みになっております。四条三項、五条三項は、これは削除しなくちゃならぬ、その他関係法を整備しなければならぬ。そこで関係整備の範囲の問題だと思うのです。どの程度の範囲を予定されておるかという問題です。そこで、従来この答申をめぐって、いろいろ学界等においても、あるいはまた、国会における審議等を通じまして、大よその国内法の範囲はどうであろうかということは限定的に私たちは考えて差しつかえないのではないかと、こう思う。かりに広範な、先ほどお話のように、法案整備が必要とするならば、これはやはり政府部内だけで検討を進めるのでなくて、もっと私は権威ある機関等で十分審議を尽くして、国内法の問題については政府としても手をつけるかっけないかをするのが民主的なあり方と、こう思うのです。承りますと、労働省の中には、労使関係研究会などというのがあるようですが、これは一体どういうようなことをやっておるのか。むしろこういう機関等において広範な問題等については研究をさせて、今後の問題として政府は考えていく。今回はやはり国内法最小限度整備において批准手続をとるというのが私は政府の道義的、政治的の責任である、こう考えまするが、労働大臣一つ見解を承りたいと思います。
  30. 亀井光

    政府委員亀井光君) 労使関係研究会の組織の問題もございますので、私から御答弁いたします。この研究会の発足の理由としましては、すでに当委員会におきましても御説明したと存じますが、日本の労使関係法が施行されましてから、すでに十四年の経験を持っているわけでございます。この十四年の経験、しかもその当時は司令部の指示に従いまして作られましたいろいろな条項もあるわけでございます。あるいは指示そのもので条文化された条項もあるわけでございます。ところが、それらの指示に従いまして作られました法律を十四年間運用して参りますると、日本の労働運動の実態あるいは労使関係の実態に合わないいろいろな運用上の問題点も起きてきておりまするし、あるいはその運用の実績から見まして、改正すべきであるという意見もまた各方面から実は出されて参っておったといういきさつもあるわけでございます。しかるに二月十八日の労懇の答申の第三項の中に「ILO条約趣旨とする労使団体の自主運営並びに相互不介入の原則がわが国の労使関係においても十分とり入れられるよう、別にしかるべき方法で、現行労使関係法全般についても、再検討することが望ましい。」という答申がなされましたので、十四年の経験に徴して、改正すべき点等についてわれわれも検討して参ってきたのでございますが、この答申をきっかけとしまして、片方ILO条約の精神であります相互不介入、自主運営の原則から見まして、もう一度検討をし直すべきではないかという見地から、労働問題懇談会労使関係研究会の発足につきましてお諮りをいたしまして、全員御賛成の上に、十一日発足いたしまして、現在毎月定例会で研究を進めております。従って、この研究会自体はILO条約八十七号を批准するということと関係はなく、切り離しております。従って、公労法四条三項、地公労法五条三項、その他国内法整備につきまして、この研究会に審議をわずらわすという必要は実はないのでございまして、その点は別個に、この答申にもございますように「別にしかるべき方法」ということで、根本的な労使関係法の検討をはかる機関でございまして、従いまして、ILO八十七号条約批准に伴います国内法整備につきまして、この研究会がタッチするということは、初めから予想をしていないし、また、そういう考えではないのでございます。
  31. 田畑金光

    田畑金光君 私は、時間の関係で、本日のところは質問をとめて置きますが、労働大臣に私はお尋ねしたいのです。今の点は、私は、労使関係法の研究会にゆだねたらどうかという趣旨よりも、そのような第三者の機関において広範に影響する法律案の取り扱いについては研究をさせて、その答申等に基づいて今後政府は考えていってみたらどうか。当面、とりあえずはILO八十七号条約批准に必要な最小限法案の、国内法整備にとどめて、その他の問題については第三者的な機関に研究をゆだねて、その答申に待ったらどうかと、こういうことを私は労働大臣にお尋ねしているわけで、これについて労働大臣見解を承りたい。  それからもう一つ関連してお尋ねしたいことは、先ほど私が申し上げました文部大臣答弁です。組合専従を職員について排除するというこの考え方は、現在の公労法四条三項あるいは地公労法五条三項と同じように、八十七号条約の精神に照らしますと、違反し、矛盾する、こう私は考えまするが、労働大臣見解を承っておきたいと思うのです。  以上、私は本日の質問はこれで終わりますが、また、後日いろいろ重ねてお尋ねしたいと思うのです。
  32. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 八十七号を批准するということについてのもちろん関連がある国内法規整備の問題でありまして、そう広範囲に私は広げるという意思ではございません。八十七号の批准に伴い国内法整備ということに私の念頭はあるわけで、特に広範囲にやることは、それは労働問題懇談会で基本的な問題は審議していただいて、ILO八十七号批准に伴って、直ちに関連の深い関係法規整備するということで私は今日その促進をしておるわけであります。その気持には変わっておりません。  なお、八十七号批准に専従全廃が抵触するか抵触しないか、八十七号の批准に専従問題は抵触いたしません。今日のように専従を制限をいたしましても、あるいは全廃をいたしましても、その問題は何ら抵触いたしません。今日は制限をしておるわけでありますが、制限してこれを専従を認めておるというのと、今度は全廃、どちらも抵触はいたしません。
  33. 小柳勇

    ○小柳勇君 関連して質問いたします。一般的には、今、田畑委員が質問いたしましたので、私、少し具体的に質問をしていきたいと思います。  関係法規整備をやれという労懇の答申が今ブレーキの役割を果たしていることはまことに遺憾であります。労懇の答申というものは、ILO八十七号条約批准せよ、こういう勧告を出している。それに付随的に、その批准をするには、四条三項の削除五条三項の削除、と同時に、法案整備せよ、こういうことで、批准することがこれは前提である。それを推進するためにこそ条件がつけられていると私は理解している。ところが政府は、批准するということを国際的な問題としてこれをきめた。きめたために、批准がずっと先行すると……。今度は、そのあとの、労懇の答申というものが国内法整備しなさいという、初めの推進するための役割であったその条件というものは、今度はブレーキの役割を果たしている。ただいまの大臣答弁でも、あるいは労政局長答弁でも、聞いておりますと、これが常に答弁のときは、批准いたします。ただし、国内法整備はいたしませんということで、常に批准にブレーキをかけていることはまことに遺憾であります。これは私の見解であります。  そこでこれから質問していきますが、第一に、関係法規整備しつつある、そういう答弁大臣はされました。その整備をするという、その整備が、私は、この労使関係研究会などもそういうものにタッチするものと実は理解しておる。それを質問しようと思っておったら、今、田畑委員の質問によって、これは全然無関係であることを確認いたしました。従って、そういう整備をしつつあると言われるが、すでにもう答申が出て一年、それから内閣が、批准いたしますと決定いたしましてすでに半年、その間どういうふうな整備をされつつあるか。たとえば、委員会を作るとか、あるいは懇談会を作るとか、あるいは各省にそういう検討をする対策委員会などがあるはずであるが、そういうものを具体的に御答弁願いたいと思います。
  34. 亀井光

    政府委員亀井光君) 国内法整備につきましては、先ほど大臣から御答弁ございましたように、この四条三項あるいは五条三項を削除することによって公労法自体におきまして広範囲に影響することはあるわけであります。従いまして、労働省だけでこの問題について結論をつけるというわけには参りません。各省側の意見も徴さなければならぬような次第であります。従いまして、労働省所管でございます公労法地公労法につきましては、事務的な準備は進渉いたしまして、各省意見をこれから徴して参りたい、かように考えております。そこで、それらの意見を徴しまして後、どういう形でこの法律案が国会提案されて参るかと申しますると、やはりこの法案国会提案するにつきましても労使の意見というものを私は徴さなければならぬじゃないかということで、一応労働省の原案ができましたならば、正式に労使の意見を聞く機会を作りたい、かように考えておるのでございます。ただほかの省の関係におきましては、ほかの省のおのおののそういう機関があるかどうか私はっきり存じませんが、そういう機関があればおそらくそういう機関に諮ってそれぞれの省の原案が作成されるというふうになるのではなかろうかと思っておりますが、労働省に関する限りにおきましては、労働省原案について労使の意見を聞くという機会は作りたいと思っております。
  35. 小柳勇

    ○小柳勇君 さっきの大臣答弁では四条三項、五条三項の削除については労働省所管している。かつ、批准するということは労働省の管轄であろう、こう言われた。そのことをさらに労使の意見を聞くというのですか。
  36. 亀井光

    政府委員亀井光君) 私の申し上げましたのは、公労法地公労法の改正案が労働省、原案としてできました際に、国会提案する前に労使の意見を聞きまして、労使の意見でなお調整すべき点があれば調整をして国会提案したいという趣旨でございます。
  37. 小柳勇

    ○小柳勇君 その地公労法公労法の改正が批准と何の関係がありますか。
  38. 亀井光

    政府委員亀井光君) 労働問題懇談会答申にございますように、公労法四条三項、地公労法五条三項を削除しなければならない。従って、公労法地公労法の改正というものは批准に際しまして当然国会の議決を経なければならないという手続でございます。
  39. 小柳勇

    ○小柳勇君 さっき各省関係と別個に切り離して大臣答弁されたでしょう。労働省関係としては最小限度四条三項と五条三項の削除はこの批准に必要である。この問題については労働省の管轄である。ところが、それに付随する各省関係関係法があり、その整備については各省が検討いたしております、そう言っております。あなたはそれをもう少し広げて四条三項と五条三項を削除するとき、同時に地公労法公労法を検討したい、それで削除したい、こういうことを今言われたが、そうなると大へんですが、それはどういうことですか。
  40. 亀井光

    政府委員亀井光君) 小柳先生、ちょっと誤解があるかと思いますが、二つあるわけです。私が今申し上げておりますのは、労働省所管公労法地公労法だけの手続を申し上げた。これに鉄道営業法、あるいは先ほど来御議論になっております国家公務員法地方公務員法の改正までいけばそれぞれの省が——それぞれといいますのは国家公務員法にありますと各省全部にわたるわけでありますから、その各省全部の調整が要るのだということを大臣は申し上げた。われわれの所管では、三公社、五現業でありまするから、それぞれの使用者があり、それぞれの組合がある。従って地公労法公労法を改正するだけでもそういう労使の意見を聞かなければなりませんということを申し上げたわけであります。
  41. 小柳勇

    ○小柳勇君 わかりました。それでは、各省関係の、今具体的に二つばかりあげられましたが、各省関係で今、労政局長が頭の中にあるのをずっと一つここで列挙して下さい。
  42. 亀井光

    政府委員亀井光君) 御質問の趣旨は、どういう点を改正するのだという御質問のようですが、これはまだ検討中でございまして、ここで申し上げられる段階に至っておりません。
  43. 小柳勇

    ○小柳勇君 これはとにかくあなたもうこの国会では——大臣はこの前の答弁で、少なくともこの国会では批准したいと思います。批准するためには四条三項、五条三項の削除と、これに関連する国内法整備が必要でございます。従って、総理大臣批准する考えでございますから各省大臣に協力願って、その関係法の整備を急ぎつつあります、検討中であります、と答弁をされた。その検討しているのを少なくともあなたは労政局長ですよ、労働法については関係がどのくらいあるかわかるはずだ。もう理事会は三月です。総会は六月です。大臣は行かなければならない。そういう段階になってへ今検討中でありますが、ということで具体的には、今、鉄道営業法をあげられた。そういうものを、一つ頭にあるのを技術的にここで述べて下さい。
  44. 亀井光

    政府委員亀井光君) ただいま申し上げましたように、また、大臣からも御答弁ございましたように、公労法地公労法関係につきましては、労働省で事務手続が今進んでおります。また、鉄道営業法は運輸省の所管でございますので、私どもはどの程度進んでおりますか、意見を申し上げる段階ではございません。また、国家公務員法地方公務員法につきましては、この改正が必要かどうかということについて各省間になお意見の対立がございますので、それを今調整しておるという段階でございます。で、どういうところに問題点があるのか、あるいはどういう点を改正しなければならないかということは、その次の段階でございます。それの調整が終わりまして、あるいは調整と並行して、そういう問題が指摘されるわけでございます。調整が終わったときにおきましては、問題点としてはっきり浮きぼりされてくるというふうに考えております。
  45. 小柳勇

    ○小柳勇君 各省間で今調整中だと言われますが、調整しつつある具体的な例、たとえばこういうときに次官会議を開きまたとか、局長会議を開きましたとか、そういう具体的な例を一つ言って下さい。
  46. 亀井光

    政府委員亀井光君) この国家公務員法につきましては、全逓が昨年末最低限ではございますが、一応正常化というような形をたどって昨年二月の閣議決定一つの要件が満たされましたので、各省とも本腰を入れて国内法調整に当たっているわけでございます。従って、大体事務的には課長レベル、あるいは局長レベル、次官レベルという会合を持っております。次官レベルはすでに本年になりまして二回やっております。局長レベルも二回やっております。それから課長レベルのは大体週に一回ないし二四調整が進んでおります
  47. 小柳勇

    ○小柳勇君 その次百レベルで話題になっているような法の問題点を二つ教えて下さい。
  48. 亀井光

    政府委員亀井光君) ここで申し上げるとかえってあとあと問題がこじれて参ると悪いと思いますので、こういう公の席では発言を控えさしていただきたいと思います。
  49. 小柳勇

    ○小柳勇君 いや、ここは社会労働委員会で、何もこれは芝居で人に見せるところではないのです。ILO八十七号条約という国際的な条約をこの国会批准したいという総理大臣並びに労働大臣の切なる願いです。その切なる願いを二日も早く実現するためには、関係法を整備しなければならない、ところが、その関係法というものは各省関係がある。だからそれは各省……あなた方の労働省だけの関係では解決しない問題です。従って、各省関係があるならば、各委員会で何回かそういうものを十分に早急に討論しませんというと、結論が出ないのです。ただ局長会議や次官会議だけの問題ではない。さっき言われた鉄道営業法の問題一つを取り上げてみても、これは運輸委員会で問題になると思う。従って、そういうものを一番中心である担当大臣が、社会労働委員会で、今、こういうことが問題になっておりますと言うのが、一時的にでも、暫定的にでも報告するのが私は義務だろうと思うのです。今次官会議でも局長会議でもいい、次官会議は問題になるから、局長会議ではどういうことが問題になっているか、それを教えて下さい。
  50. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) いろいろな議論があるわけであります。まず八十七号が国家公務員に抵触するかしないか、基本的にはもちろん八十七号は国家公務員も入るわけでございます。そこにも一つ議論が出てくる。今日の国家公務員法と読み合わせて議論の出てくるところです。それでは、その次の九十八号との関係はどうかというと、国家公務員には団体交渉権はないではないか。それなら条約をかりに批准しても触れないでいいのではないかという議論も出てくる。まあ基本的な考えからいろいろと議論が出てくるので、どの条文、どの条文というわけには参りません。基本的な考えからいろいろな議論が出てくる。一つの案としては、文部大臣の御発言一つ議論でございます。それから自民党内における先般の発表も議論の対象になる。だから、いろいろ議論があることは御承知の通りでございます。この八十七号条約の基本的な考えからの議論も出てくる。従って、どの条文、どの条文というまでには、そこまでは煮詰まっていない、煮詰まっている役所もあります。しかし、いない役所もあります。従って、そこは局長会議でも次官会議でもいろいろな議論があります。従って、その議論を私は報告を受けてはおりますけれども、まだどの条文という議論に発展するのはまだ先でございます。もう少し基本的に皆の気持が八十七号条約については確信のある気持の統一までには時間がかかる。特に隠しておるわけではありません。現実がそうなのです。労働省とか社労委員会の方は、八十七号条約は昨年の二月以来御関心があることでありまして、各省の方はそれほど当委員会労働省ほど関心がある役所ばかりではありません。自分たちの方はさわらなくてもよかったのだ、関係なかったのだという気持でずっと進んでおられた役所があるわけです。それはなかなか調整というものは、ある意味でどの条文というふうにはまだそこまで各省が出そろっておりません。どの条文も出そろうようになれば、私の方もある程度目標が立つわけでありますが、まだそこまでは出そろっておりません。一、二の役所はこういうところだということはまとまっておりますが、総体的なところはまだまだ議論としてあるわけであります。そういうところを合わせながら、次官レベル、局長レベル、課長レベル、この三つの会議を持って、ことしになりましておそらく数回にわたってこの問題の促進をしたわけです。閣議でも私は発言をしまして、総理にも私からお話をいたしました。そのときは条文の話はもちろん出ておりません。
  51. 小柳勇

    ○小柳勇君 今の私の質問と、それに対する答弁をまとめて質問して参ります。公労法四条三項と、地公労法五条三項を削除しなければならないということについては、労働省としてこれはもう労使関係機関などに諮問する必要はない、それに関係する各省国内法整備しなければならぬ、整備するにはいろいろの検討する委員会があろうが、そういう委員会は持っておらぬ。局長レベル、次官レベル、課長レベルなどで、それがそういうふうなものに……あなた方の方も最終的なまとまる案を作る機関として今働いておる、こういうふうに了解していいですな。そういたしますと、その局長レベル、次官レベル、課長レベルの会合でまとまったところもまとまらないところもある、そういう大臣答弁ですが、従って、そのまとまらないところは、大体どのくらいしたらまとまる見通しですか。
  52. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) まとまったところもある、まとまらぬところもあるという意味じゃありません。いろいろ基本的なまだ議論もある、あるいは進んで国家公務員法を改正すべきじゃないかという意見もあるというので、そのまとまったまとまらないという非常に議論が幅が広いのであります。従って、どの条文について議論があるという段階ではございません。基本的には八十七号条約国家公務員に適用になったときに、そのときに改正はすべきか、すべからざるかという議論も出てくる。現行法でもいいという議論もあれば、改正しなければ運営ができないという役所の議論もあるわけであります。そういうわけでいろいろ分かれておるという意味を私は申し上げたわけであります。もちろんこの問題は政府批准をするという、政府自身が判断をして国内法整備をするのでありまして、四条三項と同様な意味国内法整備をする、そうしてこの問題を解決しなければならないと、こういう意味でありますから、私もそう何でもかんでも窓口を広げて、じゃ労働法全部に影響があるのか、影響があるかと言われれば全部に影響いたします。労働法すべてに影響があるかといえば影響があるが、そう広げるのじゃない。批准という段階にしぼって、それに影響する国内法だということを先ほどから申し上げたわけであります。従って、すべてに影響があるものは店本的に労使問題の研究会でやっていただき、どうしても批准とすぐ影響のあるもの、身近なものを今日整備していくというワクにしぼって、各会議を開いておるわけであります。
  53. 小柳勇

    ○小柳勇君 ここは皆専門家ですから話の喪は大体わかって参りますが、こういうことです。六月を結婚式とすると三月は結納だ、その結納を持っていくにはちゃんと嫁の方も嫁入り道人は大体これが足らぬとかあれが足らぬとか、親の頭の中でぴたっとわかるわけだ。私は向こうのILOの事務局からいろいろな報告が入っているが、理事会と総会という結納なり結婚式がちゃんと控えているから、それにお祝いに行こうとする労働大臣は、その頭の中では嫁入り道具は大体何分通りそろいました、そのくらいのことは僕はやはりちゃんとあると思う、そのことを一つ言って下さい。
  54. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) それは具体的には四条三項、五条三項の削除ですから、嫁入り道具のふとんとたんすというところは一応あった方がいい。ふとんとたんすだけじゃ困るから、やはり家具、炊事道具、座ぶとん、その次にたらいとか、電気冷蔵庫となると必要品かどうか。こういうふうなところに疑問が起こる。電気冷蔵庫も家具の中に入るか、その辺が常識的に問題のあるところなんです。従ってふとんとかたんすとかはどうやら——四条三項、五条三項が基本的な問題です。そこが問題のあるところです。どの辺まで家具をそろえてなければならないか。これは今日の一般の情勢……前は電気冷蔵庫は問題になりませんが、今日は電気洗たく機ぐらいは一般庶民級になったかもしれない。そういうところが議論のあるところじゃないかと思うのです。私の方はそういつまでも不誠意でいこうとしているわけではありません。おそらく小柳委員もおわかりのように、私は本気で総理にも強い発言をやってるし、内閣として不誠意ではありません。ただし、各省の問題になると各省の経験とか、過去の労務管理とか、将来のやり方とか、各省別々にあるものですから、そこにいろいろ議論があって、そこも私は労務当事者からの意見を尊重しないわけにいかない。その辺が問題じゃないかと思うのです。
  55. 小柳勇

    ○小柳勇君 そこで、それからまた家族会議を開いて、電気冷蔵庫を貰うということになると、大へんなことになるのだが、さっき品をすべらしておられた鉄道営業法などについて各省との話し合いその他については、そういう次官会談、局長会議のレベルで大体話がつくと理解してずっと仕事を進めておられるのかどうか。
  56. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 鉄道営業法、昨年の二月二十日の閣議決定でこのILO批准に伴う国内法の中にこれは明記してございます。従って、鉄道営業法は直ちに必要なものだというのじゃなしに、これはやはり各省の営業法の中で当然改正すべきものだという意味で、おそらく閣議決定がされたのじゃないかと思うのです。鉄道営業法は応閣議決定になっておるのです、改正すると。その意味で八十七号の関連を特に持たせるわけじゃありませんが、営業法全般としては、不均衡なものは均衡に直すという意味鉄道営業法は昨年二月の閣議決定の中にこの法案は入っておるのです。特に閣議でもこれは改正するという方向はきまっておる、その意味でこの法案一つ申し上げたわけです。これはもちろん事務的に話が進むにきまっております。私はきまっておると思います。
  57. 小柳勇

    ○小柳勇君 私は、鉄道営業法を改正しなければ四条三項、五条三項の削除ができないとは理解しておらない。もしきまったとして、どういう法律が話題になってどういう法律がきまり、どういう法律がきまらなかったか、それを発表してもらいたい。
  58. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 昨年の閣議決定ですから、労政局長からその文案を読ましていただきます。
  59. 亀井光

    政府委員亀井光君) 閣議決定内容の一応重要な、主要なところだけ朗読いたします。「ILO第八十七号条約は、自由にして民主的な労使団体の基本的在り方を定めたものであり、国際的にも極めて重要なものであるので、自由にして民主的な労働組合の発展を期するという労働政策の基本的立場から、これを批准することとする。」二番目に「右条約批准するため、これと抵触する公労法四条第三項及び地公労法五条第三、項は廃止することとするが、これを廃止するにあたっては、公共企業体等の労使関係の現状からみて、その業務の正常な運営を確保するため、公労法及び地公労法関係部分について所要の改正を加えるとともに、事業法特に鉄道営業法の規定を整備することとし、これらの措置を講じた後、条約批准の手続をとるものとする。」こういうことで、第三項以下は労使関係正常化の問題が書いてございますが、そこで、当時の模様といたしましては、公労法地公労法、それから事業法といたしましては鉄道営業法というものが閣議議論の対象になったわけであります。鉄道営業法は運輸省だけの問題でございますので、これは各省間の調整という手続は要らないわけでありまして、従って、運輸省といたしまして、この閣議決定趣旨に従って今準備を進めておる段階でございます。
  60. 小柳勇

    ○小柳勇君 そうしますと、ほかの法律については触れませんが、鉄道営業だけとりましても、運輸委員会にも私ときどき出て、あるいは運輸省の今後提出する法案なども検討いたしますが、今国会には鉄道営業法の改正については提案するようになっておらない。そういたしますと、この国会がたとえば五月末や、六月まであるとすると、それまで批准ができないということになりますね。そういうふうにはっきりもう鉄道営業法などの改正ができなければ四条三項、五条三項の批准もできない、従って、そういうふうに下からずうっとブレーキをかけてやっているのであるかどうか。これはさっきからの大臣局長答弁を聞きましても、批准せよという前提に立って、それを進めていくエネルギーの一番あとの、第三の条件が今では一番大きなデッド・ロックになって、そうしてこれがブレーキをかけていると、こういうことがありますから、今の点、そういうことであるならば、次官会議を幾らやられましても、これは問題解決にならぬ、今まで言われたのは皆ごまかしだということになります。大臣局長が一生懸命ここで誠心誠意のような顔をして答弁しておられるけれど、結局は社会労働委員会答弁を何とかごまかして、一つこの国会を切り抜けようというごまかしになっていく。私や田委員が誠心誠意時間をかけて聞いていることが何にもならぬことになります。
  61. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 八十七号の批准というのは、国内法の改正が必要であります。国内法を改正しないで八十七号の批准はできません。そのうちの四条三項、五条三項の改正がなければできないのです。そうすると四条三項、五条三項に関連をする国内法整備をしろというのですから、全然改正せずに批准することはできません。従って、四条三項、五条三項というものは改正しなければならぬ。同時に、四条三項、五条三項に関連する国内法規もそれによって整備するということです。全然法律改正をしなくてもやれるかというとそうは参りません。そのうちの四条三項、五条三項及びこれに関連する法規というものがある。その意味で私どもの方は誠心誠意やっているので、批准をおくらせるのじゃなしに、国内法整備して批准を早くしようというので、国内法整備を急いでおります。
  62. 小柳勇

    ○小柳勇君 その点について発言しておきいたと思いますけれども、今言われた第三の件について、国内法整備について石井委員会の答申については、ウエートがあった。労働問題懇談会全体の国内法整備しようという希望条件、私たちは希望条件と考えている、ILOの事務局もそういうふうに判定していると私は理解している。それが絶対的じゃなくて、四条三項、五条三項を整備すれば批准できるんじゃないかというILOの大体の情勢、空気です。これは元の大臣倉石さんが一番詳しいわけです。それが今なお倉石さんがブレーキかけている。そのブレーキを閣議でもって、総理大臣の希望でもあるし、労働大臣の希望でもあるのだからもっとそういうブレーキにはいま少し、今の内閣には今の内閣の使命があるということで、あなた方が高姿勢にならぬとILO批准はちょっとできません。そうでないとILOの総会に行っても、隅っこに小さくなっていて、松野労働大臣は何しにきたのか、日本の旅費を使いにきたのだろうということになる。従ってもっと高姿勢になって、鉄道営業法の問題も絶対的じゃありません。これは改正しなくてもできますよと運輸省は必ず言うと思います。それはここでもって言うかどうかはわかりませんが。そういうことで、もっとあなた方が高姿勢になって、批准するという、そのこと自体が国際的な日本の労働者の地位を高め、日本の労働者が願っている水準に達することだから、そのことについて一つがんばって下さい。並行線のようですから、ILOの問題についてはまたの機会に質問いたします。  今私の育ったことは、一つ早急に閣議発言してもらって、運輸省の意向も聞いて下さい。でないと運輸委員会では出ていないのです、営業法の修正が出ていないのです。それが、もしあなた方がブレーキするならば、あなた方が何十ぺん答弁をしてもごまかしだということになる。従って、それをはっきりして、鉄道営業法の問題についてもいろいろ検討いたしましたけれども、もう出さぬでもいいような空気だという、そういうくらいにまでしなければ、あなた方が答弁する資格がないと思う。従って、そういうことで、私の希望意見を付しまして、ILOの問題については質問を打ち切りたいと思います。  あと大きな問題を三点だけ質問しておきますが、次の質問は、労働者の災害防止対策について大臣の所信表明の中にも五カ年計画というものを述べておられるが、先日から本会議でも質問がありましたように、非常に労働者の災害が多い。従って、その災害防止五カ年計画の全貌と、これに対して予算が少ない、そういう予算についてどういうふうに大臣は考えておられるか、御答弁願いたいと思います。
  63. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 三十二年から五カ年計画を始めまして、三十三年は多少災害件数というものが減りまして、三十四年になってある程度、最近は内容が非常に人命に被害を及ぼす、いわゆる激甚災害が三十四年に非常に目立って参りました。これはいろいろな問題がありましょうが、やはり関係省と連絡しながら、労働省としてやはり基準局を中心に、監督署に応じて安全運動、安全教育、安全指導員という制度がございますので、その制度を通じてもう少し明確にしたい。必要ならばもう少し別な規制も考えなければなるまい。ことに人命に対するものについてはより以上な厳正な監督を私どもはもっとやらなければならない、こう考えて今日やっておりますが、もちろん産業災害というのは実はいろいろな原因があります。しかし少なくとも人命に保護を与えるだけのものはやはり国としても各業者に干渉して監督権を強めねばならないというので、関係省と連絡をして、つい先般も火薬問題では通産省も措置をとられましたし、今回の問題についても十分検討の上、各炭鉱問題については通産省の方にも私の方はずうっと連絡をとりながらやつております。従って、労働大臣としては、いろいろな被害の原因というものを見ながら、今後必要な強い監督権を発動して参りたい、こう考えて、ただいまは原因とか、いろいろな方法は調査しておりますが、まだまだいろいろな原因がわかっておらないところがございます。それに応じては労働大臣の権限において関係省に十分な勧告を進めて、今後建設的なものをやって参りたい、こういう考えであります。
  64. 小柳勇

    ○小柳勇君 五カ年計画の総合計画についてはまた詳しく資料などによって説明してもらいたいと思いますが、時間がないので、今の大臣答弁によりまして……、たとえば夕張の事故を検討してみましても、あれだけ調査団が行った、しかもこれだけ国会で問題になっているにかかわらず、通産省としてもまだ調査も十分でないという情勢、そういう手ぬるさが——もうそういうものはそういうものにまかせるというようなことで、この災害というものは絶えぬのではないかと思うのです。関連して労働基準監督局などがサボっているんじゃないかという気もいたします。今、地方に行っていろいろ各県の実情などを調査して参りますると、以前は労働基準監督局あるいは労働基準監督署というようなものの指導あるいは監督が非常に強かった。ところが、最近ではどうも資本家あるいは使用者などと一体になって、その方についてしまつて、労働者の方を押える傾向にある。組合品からここは危険だから労働基準法違反だから何とか見てくれないかと言っても、結局何にも見てくれない。労働基準監督局も労働基準監督署も何にもならぬ、そういう声すらちまたに満ち満ちております。そのことは結局、基準法を完全に守らぬ、そのために事故が出る、そういう一つの例である。あるいは経営合理化などによって人を減らしていく、労働時間を延長する、そういうようなことでこれまた基準監督署と監督局に届ける、届けたものと実態と全然違う、そういうものを大臣はどういうふうに把握しておられるか。
  65. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 基準局につきましてのいろいろの御意見がありますが、私は就任以来、基準監督については厳正にやれということを今でも命じております。もしもそういう事例がありますなら、私の方も十分調査いたします。皆様方から御指摘を受けたものについてはすぐ調査をいたして私に報告するように命じております。ところが、基準監督行政ですから懲罰ばかり、刑罰ばかりを指示するのではなしに、それを是正することに全力を注いでおりますので、各委員から御指摘のところはすぐ調査をして、私の方に報告するようにいたします。先般の当委員会にありました金指造船所の調査も私の方で聴収しております。私の方は厳重に、この問題はいかなることがあろうとも労働基準ですから、労働行政の一番の問題点ですから、これをもし労働省がいろいろな曲がった行政なんかをやっては、労働行政は成り立ちません。基準行政が基礎になってすべての労働行政が成り立っていくという考えで基準を厳正にやらしておりますので、もちろん一つも目こぼしがないとは私は申しません。しかし、私のできる最高のことをして、本年の予算も、私どもが、労災関係のごときは、御承知のごとく、人員をふやしまして万全を期するように予算を準備をいたしております。
  66. 小柳勇

    ○小柳勇君 労政事務所については五十何名かの定員がふえるということでありますが、労働基準監督行政、指導体制については私はまだこの予算では十分でないと考えます。もう少し監督行政あるいは指導行政、そういうものに対して三十四年度と三十五年度でどのくらい前進したか、あなた方の抱負を一つ局長からでもいいから聞かしておいて下さい。
  67. 澁谷直藏

    政府委員澁谷直藏君) 労働保護行政全般の事務的な経費といたしまして、三十四年度と三十五年度の予算額の比較をいたしてみますると、三十五年度におきまして一億七百十八万一五千円の増加をいたしております。全体が二十億でございますから約五%の伸びになっておるわけでございます。これは一般会計だけでございます。  それからただいま御指摘のございました産業災害の関係でございますが、これにつきましても前年度と比べまして相当大幅な増加になっております。数字で申し上げますると、三十四年度の予算額が特別会計におきまして一千四百万、一般会計におきまして一千六百八十八万、これに対しまして三十五年度の要求額が特別会計におきまして一千八百三十八万、一般会計におきまして二千万でございます。でありますから、予算額としましても相当の伸びを見ておるということを申し上げられるわけでございます。  なお、災害防止の具体的な対策につきましては、災害防止五カ年計画の線に沿いまして、各般にわたって着々と施策を進めておるわけでございます。なお、昨年の暮れに内閣の審議会の方から、さらに産業災害防止のための国民運動を展開する必要があるという点につきましての答申書をいただいたわけでございまして、私どもは目下この産業災害防止を国民運動として全国民の協力のもとに展開するという方向に沿いまして目下各般の施策を準備中でございますので、逐次、関係方面との調整がつき次第これを実施して参りたい、こういうふうに考えております。
  68. 小柳勇

    ○小柳勇君 今の災害防止対策、具体的にいろいろありましょうけれども、一番中心に、これだけはことしはこういうことをやりますといって労働省が大きく看板に掲げるようなものを一つだけ説明して下さい。
  69. 澁谷直藏

    政府委員澁谷直藏君) これだけはという一項目特にあげるということよりも、やはり産業災害というものは各般にわたる総合的な問題でございますので、もし必要とあれば今考えております今後実施しようとする施策の全貌をお話し申し上げた方が適当でないかと思いますが、この産業災害防止総合五カ年計画につきまして、最初に申し上げますると、今後実施するものといたしましては、まず第一に、産業災害防止のための国民運動の展開、それから民間におきまして産業安全会議を中火並びに地方の各都道府県に全部これを設置して、産業災害防止の国民の関心を高めて参りたい、これが第一点。それから次には、毎年大体七月一日という審議会の答申になっておりますので、七月一日を目標といたしまして全国民安全の口というものを制定いたしまして、これの普及に乗り出したいということが一つでございます。それから重大災害の防止対策でございますが、すでに実施したものがございますけれども、今後実施するものとしましては、まず第一に、安全関係法令の整備拡充の問題がございます。すでに足場、くい打ち機械とか、あるいは危険物爆発防止といったような関係条項はすでに改正いたしまして、それぞれ施行中でございます。今後におきましては、特に最近問題になってきております起重機関係、それから林業関係の災害が非常にふえて参っておりますので、これを一つ全面的に実情に即するように規則を改正して参りたいということで、現在私どものところで鋭意これが整備に当たっておる次第でございます。それから落盤災害が御承知のように非常に多いわけでございます。それから火薬類の製造事業場における爆発が非常に多い、こういったような情勢でございますので、これらに関する監督の指導要領を、具体的なこまかな点にわたっての指導要領を作成いたしまして、これに基づいて地方の基準監督署がこういうものの災害防止の指導をやれるように、こういったものも現在着々と整備いたしておるような次第でございます。その他十分計画しておる事項はたくさんございますが、若干こまかくなりますので、以上で大体説明を終わりたいと思いますが、その他いろいろな点にわたって全般的に私どものできるだけの努力を傾けて現在これに当たっておる次第でございます。
  70. 小柳勇

    ○小柳勇君 概要については説明を聞きましたが、なお、私はこのじん肺法その他が提案された場合、詳細に質問をして参りたいと思いまするので、災害防止対策それから職業病対策など、一つ根本的に資料を添えてこの次に御説明を願いたいと存じます。  第三に私質問いたしますのは、昨年七月に施行されました最低賃金法について根本的に一、二質問いたしておきたいと思います。昨年七月業者間協定による最低賃金法が実施されまして、すでにもう半年経過いたしましたが、各州における実情を——私も旅行のつど調査して参ってここに資料を持っておりまするが、見てみまして、第一に問題になりますのは、実施の状況が速度が非常におそいということ、第二の問題点は、協定されました賃金が安いということ、こういうことが問題でありますが、労働省として現在どういうようにそういう点を把握しておられるか、御説明願いたいと思います。
  71. 澁谷直藏

    政府委員澁谷直藏君) 昨年七月から最賃法が施行されたわけでございますが、今年の一月末現在で締め切ってみてその実施状況を御説明いたしますと、法第九条に基づくいわゆる業者間協定でございますが、これによる最低賃金として公示されましたのが全部で五十一件でございます。適用事業場数が約五千、適用労働者数が十万四千程度でございます。そのほかに、最低賃金として公示はいたしませんが、業者間協定として締結されましたのが、件数としまして百八十五件、適用事業場数が一万六千、適用労働者数が二十三万、現在地方の基準局におきまして業者間協定の援助をやっております件数が、このほかに約百三十件あるわけでございます。すでに二月に入りましても、各州で続々と最低賃金が公示されて参っておりますので、今後おそらく相当の件数が最低賃金として逐次公示されていくのではないかというふうに考えております。
  72. 小柳勇

    ○小柳勇君 で、これで全体の、あなた方が業者問協定を実施しようとする、あるいは最低賃金を実施しなければならない労働者に対して今大体何パーセント程度ですか。
  73. 澁谷直藏

    政府委員澁谷直藏君) 正確なパーセントを申し上げる資料を手元に持っておりませんが、これは言うまでもなく、最低賃金を必要とする日本の労働者全体から見ました場合にはまだ九牛の一毛の程度の数でございますので、私どもといたしましては、何分日本で最初の制度でございまするし、いろいろこれが実施には非常に問題の多い、困難な点の多い法律でもございますので、七月から施行になった血後でもございますから、私どもは、今後一つこの法律趣旨に沿いまして、できるだけ最賃法が普及するように努力して参りたいと考えております。
  74. 小柳勇

    ○小柳勇君 これは大臣に質問しておきたいと思うのですけれども、これは三十四年十二月二十三日に、長崎家具製造業協同組合で締結した協定書でありますが、これによりますと、労働者の最低賃金一日百八十円です。そういたしますと、二十五日間働きますと四千五百円になります。平均四千五百円ですね。それで、私どもがこの社会労働委員会で最賃法を論議しましたのは東京都における男子の十八才の標準生計費は大体八千円でなければならぬということで倉石労働大臣答弁を得た。この四千五百円で協定を結んでおるこの協定は当分続きましょう。スライド・システムをとっているようでありますけれども、少なくとも二年や三年は続きましょう。そういうもので大臣としてこれで最低賃金制でございますと言えるかどうか、聞いておきたい。
  75. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 最低賃金の大体の協定を見ますと、二百円を大体基準にして上下にあります。もちろん二百円以上のものもたくさんあるわけでございます。その百八十円は高いか安いかといえば、高い方の部類には私は属さないと思います。といってこれでいけないかと言われれば、今までのような無協定のときよりも確かに影響するところは、私は個々の立場においては影響するところは確かに効果があると思います。従って、これで永遠に百八十円ならば議論は出ましょうが、あるときにはスライド制や、その地域的な問題もございますが、ただ、一がいに高いか安いかといえば、何となしに商いとは私は申せないと思うのです。長崎の例が高くないから、直ちにこれが違反じゃないか、最低賃金は無効じゃないか、無用じゃないかというのは少し早過ぎるのではないか。やはり賃金というものはある地域的な時間と方法も考えていただかなければ、今日賃金決定権というものは労使間の自主決定が今日の日本の基本でありますから、それにあわせてそれではあまりひどいじゃないかというので最賃法ができ、その実施がまだ、年たっておりません。従って、まだ改正して前進するべき段階とは思いますけれども、直ちに百八十円ではいかぬじゃないかというのはまだ早いと思います。しかし、最低賃金ですから賃金の上昇を願い、また、最低賃金ですべての賃金をきめるという考えではありません。非常に恵まれざる方に最低賃金において保護とブレーキとてこ入れを与えようという意味でありますから、従って、今日十万人か何かでは少ないと言われますけれども、影響するところは何百万に影響していると思うのです。また、すべてが最低賛金にかからなければならないというならば日本の賃金は不幸な賃金であります。最低賃金にかからなくても、おのずから、みずからの賃金の上昇ということが私どもの期待であります。最低賃金はその一番底のこぼれた方をやるという趣旨から言うならば、なるべく上昇を期待しますけれども、その百八十円と言ってこられて、これが無意味じゃないかというのはまだ早いのではないか、そういう考えで最賃は見ていただきたいと私は思うのです。
  76. 小柳勇

    ○小柳勇君 大臣の感覚少し違うので、もう少しこれについて発言しておきますけれども、これは簡単でありますから、ほかの委員もおられますから読んでおきますけれども、   長崎市家具製造業最低賃金協定書   本組合は、所属企業の労働条件の  改善を図り、もって事業の健全な発  展を期するため、労働者の最低賃金  について左記の遡り協定する。     記  一、労働者の最低賃金を一日一八〇円とする。    ただし、雇い入れ後三箇月に満たない者については一日一六〇円。  二、住込労働者の食事の評価額は一箇月当り三、〇〇〇円以内とする。  三、本協定を改正するときは、本組合員の同意をうるものとする。  四、本協定の実施期日は昭和三十五年一月分の賃金計算初日とする。  これは今年の一月から実施されている協定です。そこで、食費は大体三千円は親方が取ってよろしいということです。たとえば二十五日働くといたしますと、四千五百円、それから三千円引きますと、千五百円が本人の手取りということになります。今東京都などあるいは大阪などですと、あるいは九州でもそうですけれども、女中さんを雇おうとする、二千円ではなかなか来ないという。ところが、食費が大体三千円くらいかかるでしょう、そうしますと五千円です。それでもなかなか女中さんのなり手がないというのに、この業者間協定なるものは一日百八十円です。ただし、入って三カ月は百六十円です。そういうものを今度改正しようとすると、この長崎家具装備協同組合の承認を得ることとなります。そういたしますと、どこかの組合がちょっともうけから少し上げようといたしましても、この協定書に協定した以上は賃金の引き上げはできないという情勢です。ことしの一月からこういうことです。そうしたらあなた方は莫大な費用をかけて指導しながら業者間協定による最低賃金を作ろうとされている。そういうものに費用をかけるよりも私はむしろさっき言いましたように、災害予防のための費用とかあるいは労働基準監督官の増加とか、そういうものによってもっと全体的な労働者の側に立った労働行政をやってもらわないと、あなた方の行政というものは、大臣局長は非常にあたたかい気持で労働者を保護しておられるけれども、実施面では労働者を押えて使用者を助けておる。一方的に助けようというような労働行政がなされつつある。そういうものでは本年度の労働省の予算というものはわれわれは承認するわけにいかない。従って少しまだ具体的に質問いたしますけれども、そういうことを私は意見をまあ言っておきますので、もう少し詳しくこの最低質金の一つきょうの段階における全国的な資料を出して、私が今言いましたことについての労働省見解を適当な機会に聞かして下さい。  それから最後の問題ですが、これは小さい問題ですけれども、一言言っておきたいのですが、この前私は労働協会のこの資料を出していただきましたがこの資料が出て参りました。大臣に聞きたいと思いますけれども、今組織された労働者が四百四、五十万おりますが、一体総評、全労、あるいは新産別などの組織労働者の数を概括でいいから大臣一つ言って下さい。
  77. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 約七百何十万だと私は記憶しておりますが、組織された労働者、その中で大体総評系が三百七十万、全労系が百万、そのほかに各種澁谷直藏単産が入っております。大体七百万をこえていると私は常識的に考えております。正確には御必要ならば局長から答弁させます。
  78. 小柳勇

    ○小柳勇君 そこで、この労働協会というものを、実際時間があればもう少しこれも大臣局長見解を聞いておきたいのですけれども、時間がないから私の見解前提にして質問いたしますが、労働協会というものは、労使間のいろいろな問題を教育したり、指導したり、そういうものであって、しかもそれには労働省からも若干の資金を出してやる。その労働協会がずっと出版物などのメンバーを見ますと、その総評や全労の組織の割合やそういうものが——私どもは労働運動というものはイデオロギーや思想運動を中心にしておりまするが、そういうイデオロギーの面からいたしましても、若干労働協会というものが片寄ってはいないか。自由党や民社党の議員もおられますから、具体的な名前はあげませんが、あまりにもこの労働協会の扱い方というものが一方的ではないか。どういうふうな考えでこれをやっておられるかわかりませんけれども、そういうものでいたずらに労働運動に混乱を生じ、そのことによって労使間に紛争を激発するとするならば、この労働協会などは無用の長物ではないか、そういう気がいたします。従って、これは大臣答弁は求めません。直接の局長などの御見解を聞いておきたいと思います。
  79. 亀井光

    政府委員亀井光君) すでに昨年御審議をいただきまして成立いたしました日本労働協会法の三十五条の第三項に「前項の規定による命令は、協会の業務の運営の自主性に不出に干渉するものであってはならない。」という規定がございます。日本労働協会は、この法律の精神から見ましても、労使の中で中立の立場、しかも政府からも中立の立場という形で労働教育をして参ります機関であります。また、それを使命といたしております機関であります。今の御指摘の点、具体的にどういう点にあるのか、私よく判断をいたしかねますが、労働協会といたしましては、あくまでも公正中立な立場で労働教育というものを行なって参るという立場でございますので、ただいま先生の御指摘のような意図をもって労働教育をやっているというふうに私は考えておりません。
  80. 小柳勇

    ○小柳勇君 まあ私はそういうふうに感じますから、この後でも私は注意いたしておきますが、極端に言うならば、私はこれはもっと正式に取り上げたいと思いますが、もう一つ、時間的に差し迫りましたけれども、予算の最後として質問いたしておきますが、これは決算委員会でも問題になりましたから質問いたしておきますが、最後に、大臣官房一般行政費というものが予算書の中にあります。この中にことしは前年度に比べて一億六千万円、大臣官房の一般行政費がふえましたが、この一億六千万円は何に使おうとされておるのか、聞いておきたいと思います。
  81. 和田勝美

    政府委員和田勝美君) 官房の一般行政費の方の増はほとんどが給与是正関係でございまして、初任給及び中だるみ是正の関係の経費が主たるもので、それと大体四・五%程度の定期昇給を見ております。そういう金額が主なものであります。
  82. 小柳勇

    ○小柳勇君 それで大体どのくらいになりますか、今までのやっと……三十四年度よりも一億六千万円ふえておるのですが、大体概数を言ってくれませんか。これは決算委員会で問題になったものですから。そういう答弁でなかったものですから、どうぞ答弁を願います。
  83. 和田勝美

    政府委員和田勝美君) 増加の分はほとんどそうでございまして、決算委員会で問題になりました報償喪的なものは本年はふえておりません。
  84. 小柳勇

    ○小柳勇君 質問を終わります。
  85. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  86. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 速記を起こして下さい。  ILO条約批准等に関する件の本日の質疑はこの程度にいたし、昭和三十五年度労働省関係予算に関する質疑はこの程度にいたしたいと思いますが、御児歳ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 加藤武徳

    委員長加藤武徳君) 御異議ないものと認めます。  本日の委員会はこれで散会いたします。    午後零時四十八分散会